説明

トラヒック情報集約装置

【課題】監視サーバに対して送信する集約データの送出量を低減する。
【解決手段】トラヒック情報集約装置(以下、集約装置)は、ネットワーク装置からトラヒック情報を受信する。集約装置は、予め定められた集約時間毎のトラヒック情報を集約した集約データを作成し、集約識別子に対応して該集約データを集約データ管理テーブルに記憶する。集約装置は、集約時間毎に、集約データと基準値との差が、予め定められた範囲内か否かを判断し、上記範囲内の場合、該集約データを集約データ管理テーブルの対応する累積データに累積し、及び、該集約データをリセットする。一方、上記範囲を超える場合、集約装置は、集約データ管理テーブルの集約データ及び/又は累積データを、監視サーバに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラヒック情報集約装置に係り、特に、トラヒック情報を蓄積・集約するトラヒック監視システムにおけるトラヒック情報集約装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラヒック監視システムは、例えば図1に示すように、ネットワーク装置にトラヒック情報集約装置が接続され、さらに監視サーバが接続されている。ネットワーク装置からはNetFlowやsFlowなどのトラヒック情報がトラヒック情報集約装置に対して送信される。トラヒック情報集約装置は受信したトラヒック情報を集約し、監視サーバに送信する。
また、中間ルータが末端ルータからの情報を集約し、集約結果を集約情報受信装置へ送信するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−72907号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来システムの場合、トラヒック情報集約装置は一定周期毎に全ての集約データを監視サーバに送信する。この場合、ネットワーク装置における監視フロー数が大きいと、監視サーバが膨大な量の集約データを受信することになり、輻輳する場合がある。
本発明は、以上の点に鑑み、監視サーバに対して送信する集約データの送出量を低減するトラヒック情報集約装置を提供することを目的とする。また、本発明は、トラヒック情報集約装置が監視サーバに集約データを送信(以下、export)する際、変動の大きい集約情報のみをexportすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、ネットワーク装置とトラヒック情報集約装置と監視サーバを備えたネットワークシステムにおいて、上記トラヒック情報集約装置が、集約データ値が閾値を越えた際に、該当する集約データを監視サーバに対して送信する。
また、上記トラヒック情報集約システムにおけるトラヒック情報集約装置は、例えば、通信IF部と制御処理プロセッサとメモリとデータ記録装置を備え、上記メモリにおいて、基準値を管理する基準値管理処理、集約データを確認する集約データチェック処理、トラヒック情報を受信するトラヒック情報受信処理、トラヒック情報を集約する集約処理、集約データを管理する集約データ管理テーブルを有する。
上記トラヒック情報集約装置におけるトラヒック情報テーブルは、例えば、集約識別子と集約データ値と基準値と累積値を管理する。
上記トラヒック情報集約装置での送信方式は、例えば、累積データと集約データを監視サーバに対して送信する。または、上記トラヒック情報集約装置での送信方式は、集約データを監視サーバに対して送信する。
上記トラヒック情報集約装置での基準値管理方式は、例えば、集約データが閾値を越えた際に、基準値を該当する集約データに更新する。上記トラヒック情報集約装置における基準値管理方式は、例えば、集約タイマが一巡した際に、基準値を集約データを使った計算式から求めた数値に更新する。
上記トラヒック情報集約装置における他の送信方式は、例えば、強制送出タイマが一巡すると、累積データを監視サーバに対して送信する。
上記トラヒック情報集約装置は、例えば、ある集約データに関するトラヒック情報を一定時間受信していない場合、該当する集約データに関する情報を集約データ管理テーブルから削除する。
本発明の解決手段によると、
トラヒック情報を送信するネットワーク装置と、前記ネットワーク装置からのトラヒック情報を集約して集約データを作成し、該集約データを管理するトラヒック情報集約装置と、前記トラヒック情報集約装置から送信される集約データに基づき、前記ネットワーク装置のトラヒックを監視する監視サーバとを備えたネットワークシステムにおける前記トラヒック情報集約装置であって、
前記ネットワーク装置及び前記監視サーバと通信するためのインタフェースと、
集約識別子に対応して、集約データと、該集約データの累積データとを記憶する集約データ管理テーブルと、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記インタフェースを介して、前記ネットワーク装置からトラヒック情報を受信し、
予め定められた集約時間内に受信したトラヒック情報を集約して集約データを作成し、該集約データを集約識別子に対応して前記集約データ管理テーブルに記憶し、
集約時間毎に、記憶された集約データと基準値との差が、予め定められた範囲内か否かを判断し、
該範囲内の場合、該集約データを前記集約データ管理テーブルの対応する累積データに累積し、及び、該集約データをリセットし、
該範囲を超える場合、前記集約データ管理テーブルの集約データ及び/又は累積データを、前記監視サーバに送信する前記トラヒック情報集約装置が提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、トラヒック情報集約装置は、閾値を越えた集約データのみをexportするため、監視サーバに対して送信する集約データの送出量を低減することができる。また、本発明によると、トラヒック情報集約装置が監視サーバに集約データを送信(export)する際、変動の大きい集約情報のみをexportすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明に係るデータ処理装置を、図面を参照してさらに詳細に説明する。なお、以下においては、同じ参照番号は同じものもしくは類似のものを表すものとする。
【0007】
図1は、本実施の形態に係るトラヒック監視システムの構成図である。
トラヒック監視システムは、例えば、監視サーバ131と、トラヒック情報集約装置(コレクタ装置)121、122と、ネットワーク装置(ルータ装置)111、112、123とを備える。なお、トラヒック情報集約装置121、122と、ネットワーク装置111、112、123は適宜の数を備えても良い。ネットワーク装置111、112、113にトラヒック情報集約装置121、122が接続され、さらに監視サーバ131が接続されている。
ネットワーク装置111、112、113は、例えばルータなどのパケット転送装置であり、互いにパケットを転送する。ネットワーク装置111、112、113からはNetFlowやsFlowなどのトラヒック情報がトラヒック情報集約装置121、122に対して送信される。トラヒック情報集約装置121、122は受信したトラヒック情報をファイルとして蓄積する。また、トラヒック集約装置121、122は受信したトラヒック情報を集約して集約データを作成して管理し、集約データをNetFlowなどのプロトコルを使って監視サーバ131に送信する。また、トラヒック集約装置121、122は監視サーバ131からのクエリ要求に対してクエリ内容に適したトラヒック情報を返信する。
監視サーバ131は、トラヒック集約装置121、122から送信される集約データに基づき、ネットワーク装置111、112、113のトラヒックを監視する。
【0008】
図2は、トラヒック情報集約装置121の内部構成の一例を示した図である。なお、図1のトラヒック情報集約装置122も同様の構成とすることができる。
トラヒック情報集約装置121は、物理的構成ブロックとして、通信インタフェース部304と、制御処理プロセッサ(処理部)301と、データ通信バス313と、メモリ部302と、データ保存装置303とを備える。また、メモリ302は、集約データ管理テーブル309を有する。さらに、メモリ302には、例えば、基準値管理処理305、集約データチェック処理306、トラヒック情報蓄積処理307、集約処理308、集約タイマ処理310、強制送出タイマ処理311、条件設定処理312等の各種プログラムを有する。これらの各処理は、例えばプロセッサ301に読み出されて実行される。例えば、各プログラムにより、メモリ302上では、基準値管理処理、監視パラメータチェック処理、トラヒック情報受信処理、集約処理などが実行される。なお、図では、集約タイマ処理310、強制送出タイマ処理311をメモリ上に記載しているが、集約タイマ(第1のタイマ)と、強制送出タイマ(第2のタイマ)を適宜備えてもよい。
通信インタフェース部304は、例えば、ネットワーク装置111等及び監視サーバ131と通信するためのインタフェースである。
【0009】
図5は、集約処理にて行う集約方式の一例を示す。
集約処理部311は、ネットワーク装置111からトラヒック情報201、202、203、204、205を受信する。例えば、フロー識別子(フローID)と、送信先IPアドレス(IPV4_DST_ADDR)と、送信元IPアドレス(IPV4_SRC_ADDR)と、フローのバイト数とを含む。集約処理部311は、同一の送信元IPアドレス(IPV4_SRC_ADDR)と送信先IPアドレス(IPV4_DST_ADDR)を持つものでトラヒック情報を集約し、集約データ206、207に変換する。集約の際、それぞれのフローのバイト数(IN_BYTES)を加算したものを集約データのバイト数として記述する。また、トラヒック情報にはフロー識別子(RECORD_ID=1〜5)を付与し、集約データには、送信先及び送信元に応じて集約識別子(AGGR_ID=1〜2)を付与する。本実施の形態では、ひとつのネットワーク装置からトラヒック情報を受信する場合について説明するが、複数のネットワーク装置から受信してもよい。この場合、同じ送信先アドレス及び送信元アドレスのトラヒック情報であっても、別々に集約し、ネットワーク装置毎に異なる集約識別子を付与して管理することができる。
集約処理部311は、集約した集約データ(例えば、448)を、集約識別子(例えば、1)に対応して集約データ管理テーブル309に記憶する。
【0010】
図6は、集約データ管理テーブル309の構成の一例を示す。
集約データ管理テーブル(集約情報テーブル)309は、例えば、集約識別子(AGGR_ID)610、集約データ値(AGGR_VALUE)620、基準値(BASE_VALUE)630、累積値(ACCU_VALUE)640を含む。集約データ値(CURRENT_VALUE)620は、集約中のデータ値(例えば、帯域、パケット数、フロー数など)を示す。基準値(BASE_VALUE)630は、集約データ値の変動を算出する際の基準となる数値を示す。累積値(ACCU_VALUE)640は、前回集約データをexportした後から集約した集約データの累積値を示す。
【0011】
図3は、ネットワーク装置111とトラヒック情報集約装置121と監視サーバ131の間の通信シーケンス図である。
ステップ501において、監視サーバ131は、トラヒック情報集約装置121に対してexport条件を送信する。export条件には、例えば、基準値と閾値の差分であるマージン値、強制送出タイマの周期(強制送出時間)などを含む。また、export条件には、例えば、集約タイマの周期(集約時間)、集約データの種別を含んでもよい。トラヒック情報集約装置121は、受信したexport条件を集約データチェック処理306にて保持する。また、矯正送出タイマの周期、集約タイマの周期を、export条件に従い設定する。トラヒック情報集約装置121は、ステップ502にてACKを返信する。
ステップ503、504、505において、ネットワーク装置113からトラヒック情報が送信されると、トラヒック情報集約装置121はトラヒック情報の集約を集約処理308にて行い、集約データを集約データ管理テーブル309に記録する。なお、ネットワーク装置からのトラヒック情報は適宜のタイミングで受信される。集約タイマ処理310において、集約タイマがfull(集約時間)になると、集約データチェック処理306は集約データが閾値を越えているかどうかの確認を行う。閾値越えになっている場合、ステップ506において、トラヒック情報集約装置121は累積値を監視サーバ131に対して送信する。また、基準値管理処理305が基準値を集約データに書き換える。ステップ507においてトラヒック情報集約装置121は集約データを監視サーバ131に対して送信する。なお、ステップ506と507は、ひとつの処理で、集約データと累積値を送信してもよい。
【0012】
図4は、強制送出時のネットワーク装置111とトラヒック情報集約装置121と監視サーバ131の間の通信シーケンス図である。
図3と同様に、ステップ501において、監視サーバ131はトラヒック情報集約装置121に対してexport条件を送信する。トラヒック情報集約装置121は受信したexport条件を集約データチェック処理306にて保持し、ステップ502にてACKを返信する。
ステップ513、514、515、516、517、518において、ネットワーク装置113からトラヒック情報が送信されると、トラヒック情報集約装置121はトラヒック情報の集約を集約処理308にて行い、集約データを集約データ管理テーブル309に記録する。また、集約タイマがfullになれば図3と同様の処理を行う。ここでは、集約データが閾値を超えなかったものとする。強制送出タイマ処理311において、強制送出タイマがfull(強制送出時間)になると、集約データチェック処理306が、集約データ管理テーブル309の累積値640を監視サーバ131に対して送信する。
【0013】
図7に、トラヒック情報集約装置121が監視サーバ131に対してデータをexportするタイミングを示す。
横軸が集約タイマの周期(分)、縦軸が集約データ値とする。下のグラフはトラヒック情報集約装置121の集約データ値を表し、一方、上のグラフは監視サーバ131が受信する集約データ値を表す。また、グラフ中の横実線を集約データ値、破線を基準値、点線を閾値とする。なお、閾値は、基準値にマージン値を足した値である上限閾値と、基準値からマージン値を差し引いた値である下限閾値を有することができる。トラヒック情報集約装置121は、集約タイマの周期毎に集約データ値を確認し、基準値からの差分が予め定められた範囲を越えているかを判断する。差分が上記範囲を超えた(すなわち、集約データ値が上限閾値又は下限閾値を越えた)場合、トラヒック情報集約装置121は基準値630を集約データ620に書き換え、その時点まで集約してきた集約データの累積値640と最新の集約データ620をそれぞれ監視サーバ131にexportする。図6の場合、周期2と周期7で集約データが閾値を越えているため、それぞれのタイミングにおいて、累積値と集約データの最新値をexportしている。なお、基準値は、後述するように、過去の複数の集約データに基づき求めてもよく、図の例はこのように基準値を定めた例である。
累積値と最新値を別々にexportする理由は、以下の通りである。トラヒック情報集約装置121がexportしていなかった過去の集約データの情報を監視サーバ131が把握するため、累積値としてexportする。また、閾値を越えた際の1周期分の集約データ値を監視サーバ131が把握するため、最新値を累積値とは別にexportする。
例えば、トラヒック情報集約装置121は、周期0で集約データをexportしており、次に集約データが閾値を超えた(差が範囲を超えた)周期2では、周期2の集約データと、周期1までの累積値をexportする。監視サーバでは、周期2の集約データを記憶し、周期1については、累積値に基づき、例えば累積値の時間平均等を記憶する。
次に集約データが閾値を超えた(差が範囲を超えた)周期7では、周期7の集約データと、周期2〜周期6までの累積値をexportする。監視サーバでは、周期7の集約データを記憶し、周期2〜6については、例えば累積値の時間平均等を記憶する。
図11に、トラヒック情報集約装置121が監視サーバ131に対してexportする他の例を示す。
図11の例では、図7の例と比較すると、周期7において累積値をexportせずに、最新の集約データをexportしている。この場合、監視サーバ131では、前回受信した集約データ(図の例では周期2で受信した集約データ)に基づき、周期6までの推測値を求めて記憶しても良い。例えば、前回(図の例では周期2で)受信した集約データをそのまま用いても良いし、前回の集約データと、周期7で受信される集約データとに基づき、推測値を求めてもよい。なお、周期2でも、最新値のみを送信してもよい。
【0014】
図8に、トラヒック情報集約装置121が一定時間データをexportしなかった場合の強制送出処理の例を示す。
トラヒック情報集約装置121では周期2で集約データ値が閾値を越えたため、監視サーバ131に対してexportする。その後周期10まで閾値超えが発生しないため、強制送出タイマ(この例では強制送出時間を8分に設定)がfullになるため、累積データをexportする。なお、ここでの累積値は、例えば周期10までの累積値が送信される。
【0015】
図9、図10に集約タイマ毎の、トラヒック情報集約装置121の処理フローを示す。
トラヒック情報集約装置121(例えば、処理部301、以下同様)は、以下の処理とは別に、適宜のタイミングでトラヒック情報をネットワーク装置111等から受信し、受信されたトラヒック情報を集約して、集約データを集約データ管理テーブル309に記憶している。
トラヒック情報集約装置121は、ステップ401にて集約タイマを確認し、ステップ402にて集約タイマがfull(集約時間)になったか判断する。集約タイマがfullなった場合はステップ403に進み、一方、fullになっていない場合はステップ401に戻る。ステップ403にて、トラヒック情報集約装置121は、集約データ管理テーブル309の集約データ値(AGGR_VALUE)620を確認し、基準値(BASE_VALUE)630との差を変動として算出する。
トラヒック情報集約装置121は、ステップ404にて、算出された変動が予め定められた範囲を超過しているか判断する。なお、この範囲は、監視サーバ131からのexport条件により定められることができる。超過している場合はステップ408に進み、一方、超過していない場合はステップ405に進む。
図10に移り、トラヒック情報集約装置121は、ステップ408にて累積値(ACCU_VALUE)640をexportした後、累積値をリセットする。トラヒック情報集約装置121は、ステップ409にて、基準値630を集約データ620に書き換えて更新する。トラヒック情報集約装置121は、ステップ410にて、集約データ620をexportした後、集約データをリセットする。トラヒック情報集約装置121は、ステップ411にて集約タイマをリセットし、ステップ412にて強制送出タイマをリセットする。
図9に戻り、ステップ405では、トラヒック情報集約装置121は、強制送出タイマをチェックし、ステップ406にて強制タイマがfull(強制送出時間)になったか判断する。トラヒック情報集約装置121は、強制タイマがfullになった場合、ステップ413に進み、一方、fullでない場合はステップ407に進む。
ステップ407では、トラヒック情報集約装置121は、累積データ値640に集約データ値620を加算・累積する。また、集約データをリセットし、ステップ401に戻る。
図10に移り、ステップ413では、トラヒック情報集約装置121は、累積データ値640に集約データ値620を加算する。トラヒック情報集約装置121は、ステップ414にて、累積データ値640をexportし、累積データ値をリセットする。また、トラヒック情報集約装置121は、ステップ415にて集約データ値620をリセットする。トラヒック情報集約装置121は、ステップ416にて集約タイマをリセットし、ステップ417にて強制送出タイマをリセットする。
トラヒック情報集約装置121はステップ401に戻り、ステップ401以降の処理を繰り返す。
【0016】
上記の基準値の管理方式(前回のexport時の集約データ値を基準値とする方式)以外の例として、集約タイマ毎に集約データを使った関数又は計算式によって基準値を算出する方式がある。使用する関数としては、例えば移動平均法やHolts−Winters法などがある。
また、トラヒック情報集約装置121は、過去の集約データを記憶し、記憶された過去複数の集約データに基づき基準値を求めても良い。
【0017】
上記の累積値と集約データをexportする方式以外の例として、集約データのみをexportする方式がある。この場合、集約データをexportしていなかった期間の集約データの情報は監視サーバにて補完する必要がある。
【0018】
また、集約データ管理テーブル309の管理方式の別の例として、ある集約識別子(AGGR_ID)において、トラヒック情報集約装置121がネットワーク装置111、112、113から、その集約識別子に集約されるトラヒックデータを一定時間受信しなかった場合、その集約データは不要と判断し、集約データ管理テーブル309の該当する集約識別子とそれに関連付けてある値(集約データ値、基準値、累積値)を消去する方式がある。
また、上述の実施の形態では、上限閾値と下限閾値を有するが、上限閾値と下限閾値は同じ値でもよいし、異なる値でもよい。また、上限閾値、下限閾値の一方のみを有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、例えば、トラヒック情報を蓄積・集約するトラヒック監視システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のシステム全体構成を示す図。
【図2】トラヒック監視システムにおけるトラヒック情報集約装置の内部構成を示すブロック図。
【図3】トラヒック監視システムにおけるシーケンスを示す図(1)。
【図4】トラヒック監視システムにおけるシーケンスを示す図(2)。
【図5】トラヒック情報集約装置における集約方式を示す図。
【図6】トラヒック情報集約装置における集約データ管理テーブル(トラヒック情報テーブル)の構成を示す図。
【図7】トラヒック監視システムにおけるexportのタイミングを示す図(1)。
【図8】トラヒック監視システムにおけるexportのタイミングを示す図(2)。
【図9】トラヒック監視システムにおけるトラヒック情報集約装置の処理フロー(1)を示す図。
【図10】トラヒック監視システムにおけるトラヒック情報集約装置の処理フロー(2)を示す図。
【図11】トラヒック監視システムにおけるexportのタイミングを示す図(3)。
【符号の説明】
【0021】
111、112、113 ネットワーク装置
121、122 トラヒック情報集約装置
131 監視サーバ
301 制御処理プロセッサ(処理部)
302 メモリ部
303 データ保存装置
304 通信インタフェース部
309 集約データ管理テーブル
310 集約タイマ処理(第1のタイマ)
311 強制送出タイマ処理(第2のタイマ)
313 データ通信バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラヒック情報を送信するネットワーク装置と、前記ネットワーク装置からのトラヒック情報を集約して集約データを作成し、該集約データを管理するトラヒック情報集約装置と、前記トラヒック情報集約装置から送信される集約データに基づき、前記ネットワーク装置のトラヒックを監視する監視サーバとを備えたネットワークシステムにおける前記トラヒック情報集約装置であって、
前記ネットワーク装置及び前記監視サーバと通信するためのインタフェースと、
集約識別子に対応して、集約データと、該集約データの累積データとを記憶する集約データ管理テーブルと、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記インタフェースを介して、前記ネットワーク装置からトラヒック情報を受信し、
予め定められた集約時間内に受信したトラヒック情報を集約して集約データを作成し、該集約データを集約識別子に対応して前記集約データ管理テーブルに記憶し、
集約時間毎に、記憶された集約データと基準値との差が、予め定められた範囲内か否かを判断し、
該範囲内の場合、該集約データを前記集約データ管理テーブルの対応する累積データに累積し、及び、該集約データをリセットし、
該範囲を超える場合、前記集約データ管理テーブルの集約データ及び/又は累積データを、前記監視サーバに送信する前記トラヒック情報集約装置。
【請求項2】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
前記集約時間を計るための第1のタイマ
をさらに備えたトラヒック情報集約装置。
【請求項3】
請求項2のトラヒック情報集約装置において、
前記処理部は、
前記予め定められた範囲の情報と、集約時間情報とを前記インタフェースを介して前記監視サーバから受信し、
受信された該範囲の情報を記憶し、及び、受信された集約時間情報に基づき前記第1のタイマを設定するトラヒック情報集約装置。
【請求項4】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
前記処理部は、
送信先及び送信元毎にトラヒック情報を集約し、送信先及び送信元に応じた集約識別子に対応して、該集約データを前記集約データ管理テーブルに記憶するトラヒック情報集約装置。
【請求項5】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
前記処理部は、累積データと集約データを、前記監視サーバに対して送信するトラヒック情報集約装置。
【請求項6】
請求項5のトラヒック情報集約装置は、前記監視サーバが前記集約時間毎に集約データを監視する前記ネットワークシステムにおける前記トラヒック情報集約装置であって、
前記処理部は、集約データと基準値との差が予め定められた範囲を超えた場合に、集約データ及び累積データを前記監視サーバに送信し、
前記監視サーバにおいて、前回集約データを受信してから現在までの集約時間毎の集約データを、該累積データに基づき補完して、前記集約時間毎に集約データを監視するためのトラヒック情報集約装置。
【請求項7】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
前記処理部は、集約データを前記監視サーバに対して送信するトラヒック情報集約装置。
【請求項8】
請求項7のトラヒック情報集約装置は、前記監視サーバが前記集約時間毎に集約データを監視する前記ネットワークシステムにおける前記トラヒック情報集約装置であって、
前記処理部は、集約データと基準値との差が予め定められた範囲を超えた場合に、集約データを前記監視サーバに送信し、
前記監視サーバにおいて、前回集約データを受信してから現在までの集約時間毎の集約データを、前回受信した集約データに基づき補完して、前記集約時間毎に集約データを監視するためのトラヒック情報集約装置。
【請求項9】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
前記集約データ管理テーブルは、集約識別子毎に、集約データの基準値をさらに記憶するトラヒック情報集約装置。
【請求項10】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
集約データと基準値との差が予め定められた範囲を越える場合、基準値を該集約データの値に更新するトラヒック情報集約装置。
【請求項11】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
集約時間毎に、基準値を、集約データに基づき予め定められた関数又は計算式から求めた数値に更新するトラヒック情報集約装置。
【請求項12】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
リセットされてから、予め定められた強制送出時間になるまでを計るための第2のタイマをさらに備え、
集約データと基準値との差が予め定められた範囲を超えた場合、前記第2のタイマをリセットし、
集約データと基準値との差が予め定められた範囲を超えないことにより前記第2のタイマが強制送出時間になると、前記集約データ管理テーブルの累積データを前記監視サーバに送信するトラヒック情報集約装置。
【請求項13】
請求項1のトラヒック情報集約装置において、
ある集約データに関するトラヒック情報を所定時間受信していない場合、該当する集約データ及び/又は累積データを前記集約データ管理テーブルから削除するトラヒック情報集約装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−160621(P2008−160621A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348914(P2006−348914)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、総務省、次世代バックボーンに関する研究開発 委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】