説明

トランスミッションの試験装置及び試験方法

【課題】 トランスミッションに対するエンジンの各種トルク特性の寄与度を定量的に解析することが可能なトランスミッションの試験装置及び試験方法を提供すること。
【解決手段】 トランスミッション2に対し、その入力軸には車両用エンジンの回転を擬似的に出力して伝達する駆動モータ1が、またその出力軸には車両走行時の負荷を擬似的に発生させる吸収モータ3が連結され、制御手段10からの制御データによって駆動モータ1が回転を出力し、また吸収モータ3には抵抗がかかるようにしてトランスミッション2の性能試験を行うものであって、その制御手段10は、所定の条件を入力することにより駆動モータ1から出力される回転のトルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって駆動モータ1を制御するようにしたトランスミッションの試験装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッションの耐久評価を行うための試験装置及び試験方法に関し、特に駆動モータを使用してエンジン入力特性をモジュールモデル化することにより、そのエンジン入力特性の各パラメータの寄与度を定量的に解析することができるトランスミッションの試験装置及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランスミッションの耐久性試験では、例えば、特開2002−122223号に、実際の制御装置を用いてトランスミッションの耐久劣化テストをシミュレートする開発支援装置が開示されている。これは、ECUを用いた実機テストを行って特性を解析し、パラメータ(油温TATFなど)を変化させつつ、モデルを用いて耐久劣化シミュレーションを実行するものである。そして、これによって生じる変速不具合事象をモデル挙動変化から予測し、変速不具合事象が解消されるまで耐久劣化シミュレーションを繰り返して制御アルゴリズムを修正している。
【0003】
一方で、エンジンを用いたベンチテストによってトランスミッション試験を行う試験システムがあるが、ベンチ試験装置としては更に、特開平6−26991号公報において、エンジンの回転を擬似的に出力する駆動モータで構成した試験装置が開示されている。ここで、図7は、同公報に開示された試験装置を示した図である。
【0004】
この試験装置は、供試体支持台120に支持された供試体であるトランスミッション100の入力軸側に、車両のエンジン相当の駆動モータ101が接続され、出力軸側には負荷相当の吸収モータ106が接続されている。トランスミッション100の入力軸側には、入力軸トルクを測定するトルクメータ102が設けられ、出力軸側には、吸収力を調整するギヤーボックス105、出力軸等価慣性模擬用フライホイール104および、出力軸トルクを測定するトルクメータ103が設けられている。そして、この試験装置によれば、駆動モータ101を駆動する一方で吸収モータ106によって負荷が与えられ、トルクメータ102及び103で供試体の入出力間のトルクが検出され、またはそれらトルク値を設定管理したトランスミッションの特性試験が行なわれる。
【特許文献1】特開2002−122223号(第4−6頁、図1)
【特許文献2】特開平6−26991号(第2頁、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の実機による試験装置やエンジンを用いたベンチ試験装置および、そうした試験装置による試験方法では、エンジンからトランスミッションへのエンジン入力であって、平均トルクや爆発トルクなどの各種特性が影響していると考えられるものの、そうした特性を定性的には確認できるものの定量的に解析することはできなかった。
また、エンジンの出力を擬似的に出力する駆動モータ101を使用した図7に示す試験装置でも、トルク値を設定管理して定速回転させるだけであった。そのため、エンジン出力のうち平均トルクを擬似的に出力することはできるが、ギヤを変速することができないので、例えばいきなりアクセルを踏み込んだ場合に3速から1速へ変速するキックダウンを想定した試験を行うことなどが出来なかった。従って、各種トルク特性における影響の把握が不十分となり、従来の試験装置及び試験方法では定量的に影響を解析することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、トランスミッションに対するエンジンの各種トルク特性の寄与度を定量的に解析することが可能なトランスミッションの試験装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトランスミッションの試験装置は、トランスミッションに対し、その入力軸には車両用エンジンの回転を擬似的に出力して伝達する駆動モータが、またその出力軸には車両走行時の負荷を擬似的に発生させる吸収モータが連結され、制御手段からの制御データによって前記駆動モータが回転を出力し、また前記吸収モータには抵抗がかかるようにしてトランスミッションの性能試験を行うものであって、前記制御手段は、所定の条件を入力することにより前記駆動モータから出力される回転トルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって前記駆動モータを制御するようにしたものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るトランスミッションの試験装置は、前記制御手段が、前記パラメータである平均トルク、爆発トルク及び変速時のトルクダウンを算出する平均トルク演算部、爆発トルク演算部およびトルクダウン演算部を有し、各演算部によって算出した各トルク特性によって前記エンジンモデルを作成するものであることが好ましい。
また、本発明に係るトランスミッションの試験装置は、前記駆動モータは低慣性駆動モータであって、トランスミッションの入力軸に対して高剛性結合されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るトランスミッションの試験装置は、前記制御手段に対してエンジンモデルを決定するための条件となるスロットル開度やエンジン気筒数などを入力する条件入力手段を有するものであることが好ましい。
【0009】
本発明に係るトランスミッションの試験方法は、トランスミッションに対し、車両用エンジンの回転を擬似的に出力する駆動モータの回転を入力し、車両走行時の負荷を擬似的に発生させる吸収モータによって出力軸に抵抗がかかるようにしてトランスミッションの性能試験を行うものであって、所定の条件を入力することにより前記駆動モータから出力される回転トルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって前記駆動モータを制御するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係るトランスミッションの試験方法は、前記エンジンモデルが、平均トルク、爆発トルク及び変速時トルクダウンを任意に変化させて作成するようにしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
よって、本発明に係るトランスミッションの試験装置及び試験方法によれば、平均トルクや爆発トルクなど、トランスミッションへ伝える回転トルクのパラメータを任意に設定したエンジンモデルを作成して駆動モータを制御するようにしたため、これまでは分からなかったトランスミッションにおけるエンジンから伝達される各種トルク特性の寄与度を定量的に解析することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明に係るトランスミッションの試験装置及び試験方法について、一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。ここで図1は、トランスミッションの試験装置について、その一実施形態を概念的に示した図である。
この試験装置では、車両に対して実際に搭載されるエンジンに代えて、その実エンジンの回転を擬似的に出力する低慣性駆動モータ1が使用される。そして、この低慣性駆動モータ1は、回転出力軸がトランスミッション2に連結され、特に本実施形態では低慣性駆動モータ1の回転出力が周波数応答性良くトランスミッション2へ伝えられるように、両者は高剛性結合されている。そして、そのトランスミッション2には、走行時の抵抗を擬似的に与えるため出力軸に吸収モータ3が連結されている。
【0012】
詳しく図示してはいないが、トランスミッション2は、トルクコンバータ、変速機本体、油圧コントローラから構成されており、そこにはエンジンおよびトランスミッションを制御するECU(電子制御ユニット)5がベンチ用ハーネス4によって接続されている。変速機本体は複数組のプラネタリギヤの他、油圧クラッチや油圧ブレーキ等の油圧摩擦係合要素が内蔵され、油圧コントローラには、一体に形成された油圧回路の他、ECU5によってデューティ駆動される複数の電磁弁が収納されている。そして、この試験装置で使用されるECU5は、車両に搭載され、実エンジンとトランスミッション2との制御を行う一体型をしたものであり、電子スロットル6に接続されている。
【0013】
次に、このベンチ試験装置には、低慣性駆動モータ1や吸収モータ3を制御するための制御手段としてDSP(Digital Signal Processor)10が設けられている。DSP10は、ECUによる回転数や車速などの演算結果をグラフ化して表示するパネルPC7や、その他中継ボックス8を介してECU5に接続されている。また、図示するように低慣性駆動モータ1へ接続され、更には図示していないが吸収モータ3へも接続されている。特に、本実施形態のDSP10は、エンジンの回転出力に関するトルクのパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって低慣性駆動モータ1を制御するものであり、モータ駆動部(図2参照)を介して電力を供給し、低慣性駆動モータ1の他、吸収モータ3に対してエンジンの回転出力やトランスミッションにかかる抵抗を擬似的に発生させるようにしたものである。
【0014】
こうしたDSP10は、チップ内に演算器、プログラムメモリ及びデータメモリなどを持ち、本実施形態では、低慣性駆動モータ1から擬似的に出力されるエンジン出力のトルク発生を制御するためのエンジンモデルを作成するためのプログラムが記憶されている。エンジンモデルとは、スロットル開度とエンジン回転数によって求められる平均トルク、爆発一次成分のみを考慮したsin波で定義される爆発トルク、更にはトランスミッションの変速に伴うトルクダウンをパラメータとして、これらを任意に設定したものである。なお、低慣性駆動モータ1による爆発トルクの出力は、モータのON/OFFを変化させることによって回転軸に振動を与える加振動作を行わせて発生させる。
【0015】
そこで、本実施形態のDSP10には、トルク特性である平均トルクに関して、スロットル開度とエンジン回転数の値から実エンジンで発生させるトルク値を算出するための平均トルクマップが格納されている。そしてまた、同じトルク特性である爆発トルクに関しては、エンジンの気筒数などの入力される条件によって振幅や周波数を算出する爆発トルク演算部と、過渡トルク特性であるトルクダウンを算出するトルクダウン演算部が設けられている。本実施形態では、こうした平均トルクマップや各演算部によって算出されたトルク特性を任意に設定することによってエンジンモデルを作成する。
【0016】
具体的には、例えばパラメータの一つであるsin波で定義することができる爆発トルクは、周波数がエンジン気筒数Sとエンジン回転数NEに依存する。そのため、爆発トルクに関しては、エンジン気筒数Sの条件を変えることによって周波数を任意に設定することができ、その振幅についても平均トルクに任意の係数Nをかけることによって任意に大きさを設定することができる。
【0017】
また、過渡トルク特性であるトルクダウンは、トランスミッション変速時のトルク変動を考慮したものであるが、このトルクダウンは、ECU5によってトランスミッションの変速、すなわち電磁弁制御における変速開始と変速終了の制御動作に連動するように、そのECU5から送信されるトルクダウン信号をDSP10が受け、その信号に基づいてDSP10ではトルクダウン演算が行われるようになっている。このとき、係数Nをかけることによってトルクダウンの大きさを任意に設定することができる。
【0018】
こうして本実施形態の試験装置では、実エンジンで行う試験では、例えばエンジン気筒数Sが決まってしまって爆発トルクの周波数を変化させることができないが、エンジン気筒数Sを変化させるなどによって爆発トルクなどを任意に設定したエンジンモデルを作成することができる。そこで、本実施形態の試験装置には、エンジン気筒数Sや係数N,Sなどのエンジンモデルを作成するために必要な条件をオペレータが入力できるように、DSP10に対して条件入力画面11が接続されている。
【0019】
ところで、トランスミッション2に対して実エンジンの回転を擬似的に出力する低慣性駆動モータ1は、実エンジンに比べて慣性モーメントが大きくなってしまうので、低慣性駆動モータ1自身が回転を発生させることにエネルギを消費してしまう。そこで、エネルギ消費分を補正した値で低慣性駆動モータ1を運転して必要なトルクを得る必要があり、DSP10では、エンジンモデルの作成とともに実エンジン相当のトルクを発生させることができるように慣性モーメント補正を行うようになっている。
【0020】
続いて、図2は、DSP10によって行われる制御動作を概念的に示した図である。 この試験装置では、オペレータの入力操作によって条件入力画面11からDSP10へスロットル開度TAやエンジン気筒数Sなどの条件が入力される。そのDSP10では、低慣性駆動モータ1から出力される回転のトルク特性が演算され、トルク指令データがモータ制御部12に送られる。そして、そのトルク指令データに基づきモータ制御部12によって低慣性駆動モータ1に電力が与えられ、これによって出力される低慣性駆動モータ1からの回転が高剛性結合したトランスミッション2に伝えられる。一方、DSP10からは吸収モータ3にもモータ制御部12を通じて電力が送られ、抵抗となる実車走行時の負荷を発生させている。吸収モータ3による負荷は、トランスミッション2の出力軸からタイヤにかけて加わる慣性モーメントやタイヤの路面に対する抵抗などを考慮して制御が行われる。
【0021】
低慣性駆動モータ1や吸収モータ3には、それぞれ回転検出センサが設けられているため、その検出信号がDSP10へと送られている。特に、実エンジンの回転を擬似的に出力する低慣性駆動モータ1の回転数NEがエンジンモデルにおけるトルク演算を行うための演算パラメータとなっている。
ここで、図3は、DSP10で作成されるエンジンモデルの処理内容を概念的に示した図である。また、図4は、エンジンモデル作成を伴うトルク指令データ作成の工程を示した算出概念図である。
【0022】
DSP10には、前述したように条件入力画面11からスロットル開度TAと、エンジン気筒数S、或いは爆発トルクの振幅を特定する係数Nがオペレータによって入力される。そして、その他には回転検出センサからの低慣性駆動モータ1の回転数がエンジン回転数NEとして入力される。
そこで、先ず、図4に示すステップ101において、エンジン発生トルクが算出される。それには予め記憶されている平均トルクマップが利用され、スロットル開度TAとエンジン回転数NEの値から実エンジンにて発生する平均トルクが算出される。そして、DSP10の爆発トルク演算部において、エンジン回転数NEと条件入力画面11から入力されたエンジン気筒数Sの値に基づいてsin波で定義される爆発トルクの周波数が算出され、条件入力画面11から入力された係数Nの値に基づいてsin波で定義される爆発トルクの振幅が算出される。
【0023】
このときスロットル開度TAとエンジン回転数NEは、その値がECU5へも送られ、ECU5では、実エンジンを制御するための演算処理とトランスミッション2の変速を制御するための演算処理とが行われる。例えばアクセルを踏み込んだスロットル開度TAの値が入力されたならば、変速タイミングが演算処理され、トランスミッションの変速が制御される。そして、トランスミッション2の変速制御が行われる場合には、図2に示すように、ECU5からトランスミッション2へは変速指令データD1が送られ、更にECU5からDSP10へは変速の開始と終了及び遅角量を知らせるトルクダウン指令データD2が送られる。
【0024】
そこで、DSP10では、図4に示すステップ102において、トルクダウン演算部によって、トルクダウン指令データD2に従ってトランスミッション2の変速の開始と終了に伴ったトルクダウンの値が算出される。このとき、条件入力画面11からはトルクダウンの大きさを設定するための係数Tが入力されているため、その係数Tに従ったトルクダウンの値が算出される。DSP10では、図3に示すように、こうして算出された平均トルク、爆発トルクおよびトルクダウンの算出結果からエンジンモデルが作成される。
【0025】
次いで、こうして作成されたエンジンモデルに基づき、図4に示すステップ103において実エンジン相当のトルクを低慣性駆動モータ1で発生させるための慣性モーメント補正が行われる。そして、ステップ104では、その補正されたエンジンモデルがトルク指令データとしてモータ駆動部12へ送信され、低慣性駆動モータ1が駆動制御されて所定トルクの回転が出力される。こととき、低慣性駆動モータ1とトランスミッション2とは高剛性結合によって連結されているため、こうして出力される回転出力が低慣性駆動モータ1から周波数応答性良くトランスミッション2へ伝えられる。
【0026】
以上、本実施形態の試験装置及び試験方法では、平均トルクや爆発トルクなど、トランスミッション2へ伝えるトルクのパラメータを任意に設定したエンジンモデルを作成して低慣性駆動モータ1を制御するようにしたため、これまでは分からなかった各パラメータに対応したトルク特性の影響について、定量的に結果を得ることができるようになった。例えば、本実施形態では、図5に示すように平均トルクを一定にしたまま、エンジン気筒数Sを変化させることによって図6(a)〜(c)に示すように爆発トルクの周波数を変化させることができ、また図示しないが係数Nの値を変えて爆発トルクの振幅を変化させることができる。従って、こうした各種のエンジンモデルによって、供試体の破損の特徴から爆発トルクによる影響を定量的に調べることができるようになった。
【0027】
そして、実エンジンを使用した従来の試験装置では、例えばある時間をかけてエンジンを駆動してトランスミッションに回転を伝えた試験運転をしていたが、それでは爆発トルクの影響があることが予想出来る程度であって、どれほどのものかは分かっていなかった。この点、本実施形態の試験装置及び試験方法では、爆発トルクを変化させることによってトランスミッション2に対する寄与度を定量的に確認することができ、しかも周波数を大きくすれば試験時間を短縮することもできる。更に、様々なエンジンモデルを作成して低慣性駆動モータ1の駆動を制御することによって、トルク特性の変化から、それぞれの影響を効率的に見ることができ、新しい試験を構築することもできる。
【0028】
更に、これまでは新車のための試験では新エンジンの作成に非常に高いコストを要していたが、トルク特性を任意に設定したエンジンモデルによって低慣性駆動モータ1を駆動制御させることで、その新エンジンを代替することができるため、負担の大きかった新エンジン作成のためのコストを削減することができ、更にその新エンジン作成のために要していた時間を省くことで試験をこれまでよりも前倒しでできるようになった。
【0029】
なお、本発明に係るトランスミッションの試験装置及び試験方法について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】トランスミッションの試験装置について、その一実施形態を概念的に示した図である。
【図2】DSPによって行われる制御動作を概念的に示した図である。
【図3】DSPで作成されるエンジンモデルの処理内容を概念的に示した図である。
【図4】エンジンモデル作成を伴うトルク指令データ作成の工程を示した算出概念図である。
【図5】平均トルクを示した図である。
【図6】周波数を変化させた爆発トルクを示した図である。
【図7】従来のトランスミッションの試験装置を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
1 低慣性駆動モータ
2 トランスミッション
3 吸収モータ
5 ECU
10 DSP
11 条件入力画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションに対し、その入力軸には車両用エンジンの回転を擬似的に出力して伝達する駆動モータが、またその出力軸には車両走行時の負荷を擬似的に発生させる吸収モータが連結され、制御手段からの制御データによって前記駆動モータが回転を出力し、また前記吸収モータには抵抗がかかるようにしてトランスミッションの性能試験を行うトランスミッションの試験装置において、
前記制御手段は、所定の条件を入力することにより前記駆動モータから出力される回転トルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって前記駆動モータを制御するようにしたものであることを特徴とするトランスミッションの試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載するトランスミッションの試験装置において、
前記制御手段は、前記パラメータである平均トルク、爆発トルク及び変速時のトルクダウンを算出する平均トルク演算部、爆発トルク演算部およびトルクダウン演算部を有し、各演算部によって算出した各トルク特性によって前記エンジンモデルを作成するものであることを特徴とするトランスミッションの試験装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するトランスミッションの試験装置において、
前記駆動モータは低慣性駆動モータであって、トランスミッションの入力軸に対して高剛性結合されたものであることを特徴とするトランスミッションの試験装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載するトランスミッションの試験装置において、
前記制御手段に対してエンジンモデルを決定するための条件となるスロットル開度やエンジン気筒数などを入力する条件入力手段を有するものであることを特徴とするトランスミッションの試験装置。
【請求項5】
トランスミッションに対し、車両用エンジンの回転を擬似的に出力する駆動モータの回転を入力し、車両走行時の負荷を擬似的に発生させる吸収モータによって出力軸に抵抗がかかるようにしてトランスミッションの性能試験を行うトランスミッションの試験方法において、
所定の条件を入力することにより前記駆動モータから出力される回転トルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、そのエンジンモデルに基づく制御データによって前記駆動モータを制御するようにしたことを特徴とするトランスミッションの試験方法。
【請求項6】
請求項5に記載するトランスミッションの試験方法において、
前記エンジンモデルは、平均トルク、爆発トルク及び変速時トルクダウンを任意に変化させて作成するようにしたことを特徴とするトランスミッションの試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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