説明

トリフルオロニトロメタンを含む組成物及び方法

非常に望ましく且つ予想外に優れた複数の特性の組合せを有する熱伝達流体、並びにこれらの流体をベースとする熱伝達系及び方法を開示する。熱伝達流体は、モル基準で約30〜約70%の二酸化炭素(CO)、及びモル基準で約30〜約70%のヒドロフルオロカーボン(HFC)、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するHFC、更により好ましくはトランス−1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFC−32)を含む。本発明の好ましい流体は、40°Fにおいて少なくとも約100psiaの蒸気圧を有し、また好ましくは共沸性でない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、トリフルオロニトロメタン(CFNO)を有利に使用する組成物及び方法、並びに特定の態様においてはトリフルオロニトロメタン(CFNO)を用いる熱伝達流体及び熱伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]多くの異なる状況においては、流体と冷却又は加温する物体との間で選択的に熱を伝達することが望ましい。ここで用いる「物体」という用語は、固体の物体だけでなく、その中にそれらが存在する容器の形状をとる他の流体材料も指す。
【0003】
[0003]かかる熱の伝達を達成するための1つの周知のシステムは、まず気相熱伝達流体を加圧し、次にそれをバルブ、オリフィス、又は他のタイプの流れ狭窄手段(flow constriction)のようなジュール−トムソン膨張部材を通して膨張させることによって物体の冷却を達成している。任意のかかる装置は以下においては簡潔にジュール−トムソン「膨張部材」と呼び、かかる部材を用いるシステムは本明細書においては場合によってジュール−トムソンシステムと呼ぶ。殆どのジュール−トムソンシステムにおいては、単一成分の非理想気体を加圧し、次に絞り部品又は膨張部材を通して膨張させて実質的に等エンタルピーの冷却を生成させる。沸点、逆転温度、臨界温度、及び臨界圧力のような用いる気体の特性は、所望の冷却温度に到達させるのに必要な出発圧力に影響を与える。かかる特徴は全て一般的に周知であり、及び/又は多くの単一成分流体に関して許容できる確度をもって予測することが比較的容易であるが、これは多成分流体に関しては必ずしも当てはまらない。
【0004】
[0004]かかる流体を用いる熱伝達流体及び熱伝達方法の有効性及び妥当性に関連する多数の特性又は特徴のために、任意の特定の多成分流体が熱伝達流体としてどのように機能するかを前もって予測することはしばしば困難である。例えば、Bivensの米国特許第5,774,052号明細書においては、共沸性流体の形態のジフルオロエタン(HFC−32)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、及び少量(即ち5重量%以下)の二酸化炭素(CO)の組合せが開示されており、これは幾つかの用途において冷媒としての優位性を有すると記載されている。Bivensの流体は地球温暖化の観点から潜在的に環境破壊性の化合物を含んでおり、共沸性を有する流体を用いることによって時には高コストの冷媒が与えられる。
【0005】
[0005]Richardらの米国特許第5,763,063号明細書においては、HFC−32などの種々の炭化水素及び二酸化炭素の非共沸性配合物が開示されており、これはクロロトランス−1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HCFC−22)の代替物として許容しうると記載されている。特に、Richardらの特許においては、この流体の蒸気圧はHCFC−22と実質的に同等で僅か約83psiaであることが教示されている。したがって、Richardらの流体は幾つかの冷却用途において良好に機能すると期待されるが、Bivensの流体に関して上記したものと同じタイプの用途などの幾つかの他のタイプの熱伝達用途においては不適切であるとみなされる可能性がある。
【0006】
[0006]トリフルオロニトロメタン化合物(CFNO)は、情報記録媒体、気体状超音波造影剤、治療薬伝達システム、気体及び気体状前駆体充填微小球体の製造などの種々の用途において使用することが提案されている。"New Preparative Routes, Scale-Up, and Properties of Trifluoronitromethane, F3CNO2and Related Reactions", Research Seminar,アラバマ大学, 2007年4月17日を参照。この論文においてはまた、この材料は、種々のハロン類のような冷却において用いる種々の薬剤及び消化剤の好適な代替物である可能性があることも示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,774,052号明細書
【特許文献2】米国特許第5,763,063号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"New Preparative Routes, Scale-Up, and Properties of Trifluoronitromethane, F3CNO2and Related Reactions", Research Seminar,アラバマ大学, 2007年4月17日
【発明の概要】
【0009】
[0007]本出願人らはトリフルオロニトロメタン(CFNO)を含む組成物を開発した。
幾つかの好ましい態様においては、本組成物は、熱伝達流体、発泡剤、フォーム、発泡性組成物、フォームプレミックス、溶媒、洗浄液、抽出剤、難燃剤、火炎抑制剤、沈殿剤、噴射剤、噴霧組成物、沈殿剤として、又はこれらに関連して有用であり、さらににこれらのそれぞれに関連する方法及びシステムに対して有用である。
【0010】
[0008]好ましい組成物は、非常に望ましいが得るのが困難な複数の特性の組合せを有する。本組成物が有する複数の特性の組合せは多くの用途において重要である。例えば、特に熱伝達用途において、しかしながら他の用途に関しても、同時に冷媒のようにこれまで通常的に用いられているCFCのような多くの組成物の有害なオゾン層破壊係数を実質的に減少又はゼロにしながら、以下の複数の特性及び特徴:化学的安定性、低い毒性、低い可燃性又は不燃性、及び使用中の効率性:の組み合わせを有することが非常に望ましく、好ましい組成物は上記組み合わせを有している。更に、本発明の好ましい態様は、従来用いられている熱伝達流体に関連する負の地球温暖化効果も実質的に減少又はゼロにする組成物、特に及び好ましくは幾つかの態様においては冷媒のような熱伝達流体を与える。トリフルオロニトロメタン及び少なくとも1種類の共冷媒を含む本発明の幾つかの好ましい熱伝達組成物は、上記に記載の他の望ましい特性に加えて比較的高い冷却能力及び/又は成績係数を与える。この達成するのが困難な複数の特性及び/又は特徴の組合せは、特に例として低温空調、冷却、及びヒートポンプ用途などの多くの用途において重要である。
【0011】
[0009]一形態においては、本発明はトリフルオロニトロメタン(CFNO)及び少なくとも1種類の共試薬を含む組成物を提供する。幾つかの好ましい態様においては、本組成物は約1〜約99%のトリフルオロニトロメタン(CFNO)及び約1〜約99%の少なくとも1種類の共試薬を含む。ここで特に断りのない限りにおいては、パーセントへの言及は重量%を指す。幾つかの好ましい態様においては、組成物は約40〜約99%のCFNO及び約1〜約60%の少なくとも1種類の共試薬を含む。幾つかの非常に好ましい態様においては、少なくとも1種類の共試薬は、次の群:二酸化炭素(CO);2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)などのテトラフルオロプロペン;好ましくはC及びC炭化水素などのC〜C炭化水素;好ましくはジフルオロメタン(HFC−32)などのヒドロフルオロカーボン(HFC);ジフルオロエタン(HFC−152a);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);及びペンタフルオロエタン(HFC−125);アンモニア;並びにこれらの任意の2以上の組合せ;から選択される。
【0012】
[0010]ここで用いる「共試薬」という用語は、便宜的な目的のために用いるものであって限定の目的で用いるものではなく、組成物中に存在していてその所期の目的のための組成物の機能に関与するCFNO以外の任意の化合物を指す。したがって、幾つかの好ましい態様においては、共試薬は、組成物中において共冷媒、共発泡剤、共溶媒、共洗浄剤、共沈殿剤、共抽出剤、共火炎抑制剤、共消火剤、又は共噴射剤として機能する化合物又は複数の化合物の組合せである。
【0013】
[0011]一形態においては、本発明は、CFNO及び少なくとも1種類の共冷媒を含む組成物、好ましくは熱伝達流体を提供する。幾つかの好ましい態様においては、本組成物、特に熱伝達流体は、約40〜約99%のCFNO及び約1〜約60%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。幾つかの非常に好ましい態様においては、少なくとも1種類の共冷媒は、二酸化炭素(CO)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、C〜C炭化水素、及びこれらの任意の2以上の組合せから選択される。
【0014】
[0012]一般に本組成物の共試薬と同様に、共冷媒には、二酸化炭素(CO)の他に及び/又はこれに加えて、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、C〜C炭化水素、及びこれらの任意の2以上の組合せの化合物を含ませることができる。幾つかの好ましい態様においては、共冷媒は、二酸化炭素(CO)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、C〜C炭化水素、及びこれらの任意の2以上の組合せからなる群から選択される。
【0015】
[0013]ここで用いる「共冷媒」という用語は、便宜上の目的で、しかしながら限定の目的なしに、組成物の熱伝達特性に寄与させるか及び/又は他の形態で関与させる目的か、又は熱の伝達に関与させる目的で組成物中に存在させるCFNO以外の任意の化合物を指すように用い、具体的には熱伝達が加熱及び/又は冷却若しくは冷凍を伴う場合に存在するかかる1種類又は複数の化合物を包含するように意図される。
【0016】
[0014]ここで用いるC〜C炭化水素という用語は、その広い意味においては、少なくとも1つで4つ以下の炭素原子を分子内に有する分岐又は非分岐のいずれかの全ての炭化水素を包含するように用いる。
【0017】
[0015]幾つかの好ましい態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約60〜約99%のCFNO、及び二酸化炭素(CO)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約1〜約40%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。他の態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約70〜約95重量%のCFNO、及び好ましくは二酸化炭素(CO)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約5〜約30%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。COを含む本発明の好ましい流体は、35°Fにおいて少なくとも約30psiaの蒸気圧を有する。
【0018】
[0016]幾つかの好ましい態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約40〜約99%のCFNO、及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約1〜約60重量%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。他の態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約60〜約95%のCFNO、及び好ましくは2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約5〜約40%重量の少なくとも1種類の共冷媒を含む。
【0019】
[0017]幾つかの好ましい態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約40〜約99%のCFNO、及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約1〜約60%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。他の態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約60〜約95%のCFNO、及び好ましくは1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約5〜約40%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。ここで用いる1,3,3,3−テトラフルオロプロペンHFO−1234zeという用語は、100%シスから100%トランスまでの範囲、及びこれらの間の全ての割合の全ての相対的割合のこの化合物のシス及びトランス型を含むその全ての立体異性型を包含するように広範に用いる。
【0020】
[0018]幾つかの好ましい態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約40〜約99%のCFNO、及び少なくとも1種類のC〜C炭化水素、好ましくはC〜C炭化水素、例えばプロパン、イソブタン、n−ブタンなどを含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約1〜約60%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。他の態様においては、熱伝達流体は、好ましくは、約60〜約95%のCFNO、及び好ましくは少なくとも1種類のC〜C炭化水素を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される約5〜約40%の少なくとも1種類の共冷媒を含む。
【0021】
[0019]本発明の好ましい流体は共沸性でない。
[0020]幾つかの好ましい態様によれば、本組成物には、好ましくは組成物の約1〜50重量%の量の潤滑剤を更に含ませることができる。当業者であれば、ここに含まれる教示事項を考慮して、任意の与えられた用途において用いるために適当な潤滑剤又は複数の潤滑剤の組合せを選択することができ、かかる潤滑剤は全て本発明の広い範囲内であると意図される。幾つかの好ましい態様においては、本組成物、特に本熱伝達流体は、ポリオールエステル(POE)、キャップ又は非キャップポリアルキレングリコール(PAG)、鉱油、シリコーン油、ポリビニルエーテル(PVE)油など、及びこれらの任意の2以上の組合せから選択される1種類以上の潤滑剤を含む。現在周知の潤滑剤又は冷却産業において今後周知の潤滑剤になる全ての潤滑剤が、本組成物及び本方法にしたがって用いるように適合させることができると考えられる。幾つかの好ましい態様においては、本組成物は、約−40〜約+60℃の間の少なくとも1つの温度において約10%以下の量で、トリフルオロニトロメタン(CFNO)中に可溶で、更により好ましくはCFNOと共冷媒の組合せの中に可溶の1種類以上の潤滑剤を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】図1Aは、CFNO及びCOの種々の混合物の、32°Fにおける沸点圧(Px)及び露点圧(Py)をCOのモル分率(組成)の関数として示す。
【図1B】図1Bは、CFNO及びCOの種々の混合物の、100°Fにおける沸点圧(Px)及び露点圧(Py)をCOのモル分率(組成)の関数として示す。
【図2】図2は、実施例2の結果を示す。
【図3】図3は、実施例3の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0021]幾つかの好ましい形態においては、本組成物は、約1500以下、より好ましくは約1000以下、より好ましくは約500以下、更により好ましくは約150以下の地球温暖化係数(GWP)を有する。幾つかの態様においては、GWPは約100以下、更により好ましくは約75以下である。ここで用いる「GWP」は、"The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002, a report of the World Meteorological Association's Global Ozone Research and Monitoring Project"(参照によって本明細書中に援用する)において規定されているように、二酸化炭素のものに対して100年の調査対象期間にわたって測定されるものである。
【0024】
[0022]いくつかの好ましい形態においては、本組成物はまた好ましくは、0.05以下、より好ましくは0.02以下、更により好ましくは約0のオゾン層破壊係数(ODP)も有する。ここで用いる「ODP」は、"The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002, A report of the World Meteorological Association's Global Ozone Research and Monitoring Project"(参照として本明細書中に援用する)に規定されている。
【0025】
[0023]本組成物中に含まれるCFNOの量は特定の用途によって広い範囲を変動し得る。微量より多く100%未満の化合物を含む組成物が本発明の広い範囲内に存在するが、本発明の種々の使用及び方法の形態は実質的に組成物の100%のCFNOを使用するように適合させることができることを理解すべきである。好ましい態様においては、本組成物、特に発泡剤及び熱伝達組成物は、約5%〜約99%、更により好ましくは約5%〜約95%の量のCFNOを含む。
【0026】
[0024]潤滑剤、安定剤、金属不動態化剤、腐食抑制剤、燃焼性抑制剤、及び組成物の特定の特性(例えばコストなど)を調節する他の化合物及び/又は成分などの多くの更なる化合物又は成分が本組成物中に含まれてよく、かかる化合物及び成分が存在することは本発明の広い範囲内である。幾つかの好ましい態様においては、本組成物は、トリフルオロニトロメタン(CFNO)に加えて、下記:
1.トリクロロフルオロメタン(CFC−11);
2.ジクロロジフルオロメタン(CFC−12);
3.ジフルオロメタン(HFC−32);
4.ペンタフルオロエタン(HFC−125);
5.1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134);
6.1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);
7.ジフルオロエタン(HFC−152a);
8.1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea);
9.1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa);
10.1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa);
11.1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc);
12.水;及び
13.CO
の1以上を含む。
【0027】
[0025]本発明の任意の上記の化合物、及び本組成物中に含ませることができる任意の更なる成分の相対量は、組成物に関する特定の用途にしたがって本発明の一般的な広い範囲内を幅広く変動し得る。そして、全てのかかる相対量は本発明の範囲内であるとみなされる。
【0028】
[0026]したがって、本出願人らは本発明の幾つかの組成物を用いて数多くの用途において大きな利益をもたらすことができることを認めた。例えば、熱伝達用途、フォーム及び発泡剤用途、噴射剤用途、噴霧組成物用途、滅菌用途、エアロゾル用途、相溶化剤用途、香料及び香味料用途、溶媒用途、洗浄用途、膨張剤用途などに関する方法及び組成物は本発明に包含される。当業者であれば、過度の実験を行うことなく本組成物を任意及び全てのかかる用途において用いるために適合させることが容易に可能であると考えられる。
【0029】
[0027]本組成物は、一般に、冷媒、エアロゾル、及び他の用途において、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)のようなCFC、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)のようなHCFC、テトラフルオロエタン(HFC−134a)のようなHFC、及びCFC−12と1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)の組合せ(73.8:26.2の質量比のCFC−12とHFC−152aの組合せはR−500として知られている)のようなHFCとCFCの組合せの代替物として有用である。
【0030】
熱伝達流体:
[0028]幾つかの態様においては本発明の熱伝達流体はCFNOから実質的に構成されるが、多くの好ましい態様においては、本熱伝達流体は、CFNO、並びに、好ましくは幾つかの態様においてはHFO−1234yf、HFO−1234ze、及びこれらの組合せなどのハロゲン化オレフィン、炭化水素、HFC−134a及びHFC−32などのヒドロフルオロカーボン、並びにこれらの組合せ、CO、並びにこれらの任意の2以上の組合せを含む1種類以上の共熱伝達剤を含む。
【0031】
[0029]本発明の熱伝達流体は、幅広い範囲の熱伝達用途において用いるように適合させることができ、全てのかかる用途は本発明の範囲内である。本流体は、低いか又は無視しうる地球温暖化効果及び低いか又はゼロのオゾン層破壊係数を示す高効率の不燃性冷媒の使用が必要であるか及び/又はこれから利益を享受することができる用途に関連する特定の優位性及び予期しなかった有益な特性が見出される。本流体はまた、冷媒を約−20℃以下の温度で与え、比較的高い冷却力を有するもののような低温冷却用途に対しても優位性を与える。
【0032】
[0030]幾つかの態様においては、好ましい熱伝達流体は、流体の個々の成分のCOPと比較して、及び/又はこれまで用いられている多くの冷媒と比較して高い成績係数(COP)を示すという点で高効率である。COPという用語は当業者に周知であり、標準的な冷却サイクル分析技術を用いて冷媒の熱力学的特性から見積もられる特定の運転条件における冷媒の理論的性能に基づく。例えば、"Fluorocarbons Refrigerants Handbook", 3章, Prentice-Hall (1988), R.C. Downing(参照によって本明細書中に援用される)を参照。成績係数COPは、冷媒の蒸発又は凝縮を伴う特定の加熱又は冷却サイクルにおける冷媒の相対的な熱力学的効率を表すのに特に有用な汎用的に許容されている尺度である。COPは、蒸気の圧縮において圧縮機によって加えられるエネルギーに対する有用な冷却の比に関連するか又はこれの尺度であり、したがって与えられた体積流量の冷媒のような熱伝達流体のために所定量の熱を送り込む与えられた圧縮機の能力を表す。言い換えれば、特定の圧縮機に関しては、より高いCOPを有する冷媒はより大きい冷却力又は加熱力を与える。幾つかの態様においては、好ましい熱伝達流体は、流体の個々の成分の能力と比較して、及び/又はこれまで用いられている多くの冷媒と比較して高い能力を示す。冷媒の冷却能力も重要なパラメーターであり、冷媒の幾つかの熱力学的特性から見積もることができる。冷媒を他の冷媒用に設計されているシステムにおいて用いる場合には、同じ装置及び装置設計によって同等の性能を得るために、2つの冷媒の能力は同等であることが好ましい。冷却及び空調/ヒートポンプにおいて用いられている通常の冷媒の中で、COP及び/又は能力の望ましく有利な一致を与える、本発明の好ましい冷媒によって置き換えることができるものは、R−134a、R−507A、R−404A、R−22、R−407C、及びR−410Aである。本出願人らは、これらの冷媒を用いる用途において、本発明の種々の組成物を組成を僅かに調節して用いることができることを見出した。
【0033】
[0031]上述のように、当業者に公知の更なる成分を混合物に加えて熱伝達流体の特性を必要に応じて調節することができる。
[0032]蒸発冷却用途に関しては、本組成物を冷却する物体に直接的又は間接的に接触させ、その後、そのように接触させた状態で蒸発又は沸騰させて、沸騰ガスによって冷却する物体から熱を吸収するという好ましい結果を得る。かかる用途においては、好ましくは液体形態の本組成物を、冷却する物体に液体を噴霧又は他の形態で施すことによって用いることが好ましい可能性がある。他の蒸発冷却用途においては、液体組成物を比較的高圧の容器から比較的低圧の雰囲気中に流出させて、そこで、好ましくは流出したガスを回収又は再圧縮しないで冷却する物体を本発明の液体組成物を入れた容器と直接的又は間接的に接触させることが好ましい可能性がある。このタイプの態様に関する1つの特定の用途は、飲料、食料品、商品などの自冷である。ここに記載する発明の以前は、かかる用途のためにHFC−152a及びHFC−134aのような従来の組成物を用いていた。しかしながら、かかる組成物は、これらの物質の大気中への放出によって引き起こされる環境への悪影響のために、最近ではかかる用途において否定的に見られている。例えば、米国EPAは、この用途においてかかる従来の化学物質を用いることは、これらの化学物質の高い地球温暖化性、及びこれらの使用によって引き起こされる可能性がある環境に対する悪影響のために認可しないことを決定した。本発明の組成物は、ここに記載するようなそれらの低い地球温暖化係数及び低いオゾン層破壊係数のために、この点に関して明らかな優位性を有する。更に、本組成物は、製造中又は加速寿命試験中のいずれにおいても、電気部品又は電子部品の冷却に関しても大きな有用性が見出されると期待される。加速寿命試験においては、部品を迅速に相次いで連続して加熱及び冷却して部品の使用をシミュレートする。したがって、これを使用することは半導体及びコンピューター基板製造産業において特に有利である。この点に関する本組成物の他の優位性は、かかる用途に関連して用いた場合に望ましい電気特性を示すことが期待されることである。他の蒸発冷却用途は、導管を通る流体の流れの中断を一時的に起こす方法を含む。好ましくは、かかる方法は、それを通して水が流れる送水管のような導管を本発明の液体組成物と接触させて、本発明の液体組成物を導管と接触させながら蒸発させて、その中に含まれる液体を凍結させ、それによって導管を通る流体の流れを一時的に停止させることを含む。かかる方法は、本組成物を適用する位置の下流の位置において、かかる導管又はかかる導管に接続されているシステムにおいて送水又は他の作業を実施することを可能にすることに関して明らかな優位性を有する。
【0034】
[0033]本組成物には、多くの化合物を広範囲の量で含ませることができると意図される。一般に、本冷媒組成物は、組成物の少なくとも約50%、更により好ましくは少なくとも約70%の量のCFNOを含む。
【0035】
[0034]幾つかの態様においては、熱伝達組成物は、少なくとも約90%のCFNO、より好ましくは少なくとも約95%のCFNO、更により好ましくは少なくとも約99%のCFNOを含むことが好ましい。
【0036】
[0035]本発明にしたがって用いるヒドロフルオロオレフィンの相対量は、好ましくは必要な熱伝達能力、特に冷却能力を有し、好ましくは同時に不燃性である熱伝達流体が製造されるように選択する。ここで用いる不燃性という用語は、ASTM−E−681によって測定して空気中において全ての割合で不燃性である流体を指す。
【0037】
[0036]本組成物は、組成物の幾つかの機能性を向上させるか又はこれを与える目的か、或いは幾つかの場合においては組成物のコストを低減させるために他の成分を含むことができる。例えば、好ましい冷媒組成物、特に蒸気圧縮システムにおいて用いるものは、一般的に組成物の約30〜約50%の量の潤滑剤を含む。また、潤滑剤の相溶性及び/又は溶解度を促進させる目的で、組成物は共冷媒又は相溶化剤、例えばプロパンを含んでもよい。かかる相溶化剤、例えばプロパン、ブタン類、及びペンタン類は、好ましくは組成物の約0.5〜約5%の量で存在する。また、米国特許第6,516,837号明細書(その開示事項は参照により本明細書中に援用される)によって開示されているように、界面活性剤と可溶化剤の組み合わせを本組成物に加えて油溶性を促進させることもできる。冷却機械においてヒドロフルオロカーボン(HFC)冷媒と共に用いられるポリオールエステル(POE)及びポリアルキレングリコール(PAG)、PAG油、シリコーン油、鉱油、アルキルベンゼン(AB)、及びポリ(α−オレフィン)(PAO)のような通常的に用いられる冷却潤滑剤を、本発明の冷媒組成物と共に用いることができる。商業的に入手できる鉱油としては、WitcoからのWitco LP250(登録商標)、Shrieve ChemicalからのZerol 300(登録商標)、WitcoからのSunisco 3GS、及びCalumetからのCalumet R015が挙げられる。商業的に入手できるアルキルベンゼン潤滑剤としては、Zerol 150(登録商標)が挙げられる。商業的に入手できるエステルとしては、Emery 2917(登録商標)及びHatcol 2370(登録商標)として入手できるネオペンチルグリコールジペラルゴネートが挙げられる。他の有用なエステルとしては、ホスフェートエステル、二塩基酸エステル、及びフルオロエステルが挙げられる。幾つかの場合においては、炭化水素ベースの油はヨードカーボンを含む冷媒との十分な可溶性を有しており、ヨードカーボンと炭化水素油の組合せは他のタイプの潤滑剤よりもより安定である可能性がある。したがって、かかる組合せは有利である可能性がある。好ましい潤滑剤としては、ポリアルキレングリコール及びエステルが挙げられる。ポリアルキレングリコールは、可動型空調のような特定の用途において現在用いられているので、幾つかの態様においては非常に好ましい。勿論、異なるタイプの潤滑剤の異なる混合物を用いることができる。
【0038】
[0037]幾つかの好ましい態様においては、熱伝達組成物は、約10%〜約95%のCFNO、及び約5重量%〜約90重量%の助剤、特に幾つかの態様においては共冷媒(例えば、HFC−152、HFC−125、及び/又はCFI)を含む。共冷媒という用語の使用は、ここではCFNOの相対的性能に関する限定の意味で用いることを意図するものではなく、その代わりに所望の用途のための組成物の望ましい熱伝達特性に寄与する他の成分を特定するために用いる。幾つかのかかる態様においては、共冷媒は、1種類以上のHFC、及び/又はトリフルオロヨードメタンのような1種類以上のフルオロヨードC〜C化合物、並びにこれらと互いの及び他の成分との組合せを含み、好ましくはこれらから実質的に構成される。
【0039】
[0038]共冷媒がHFC、好ましくはHFC−125を含む好ましい態様においては、組成物は、全熱伝達組成物の約50%〜約95%、より好ましくは約60%〜約90%、更により好ましくは組成物の約70%〜約90%の量のHFCを含む。かかる態様においては、本組成物は好ましくは、全熱伝達組成物の約5%〜約50%、より好ましくは約10%〜約40%、更により好ましくは組成物の約10%〜約30%の量のCFNOを含み、更により好ましくはこれから実質的に構成される。
【0040】
方法及びシステム:
[0039]本発明の方法の形態は、本発明による熱伝達流体を用いて物体に又は物体から熱を伝達させることを含む。当業者であれば、ここに含まれる教示事項を考慮して多くの公知の方法を本発明と共に用いるように適合させることができ、かかる方法は全て本発明の広い範囲内であることを認識するであろう。例えば、蒸気圧縮サイクルは冷却及び/又は空調のために通常的に用いられる方法である。その最も簡単な形態においては、蒸気圧縮サイクルは、液体形態で存在する熱伝達流体を与え、一般に比較的低い圧力において熱吸収によって冷媒を液相から気相に、次に一般に昇圧下において熱除去によって気相から液相に変化させることを含む。かかる態様においては、本発明の冷媒は、冷却する物体と直接か又は間接的に接触する蒸発器のような1以上の容器内で気化させる。蒸発器内の圧力は、熱伝達流体の気化が冷却する物体の温度よりも低い温度で起こるようなものである。而して、熱が物体から冷媒へ流れ、冷媒を気化させる。次に、蒸気形態の熱伝達流体を好ましくは圧縮機などを用いて取り出し、同時に蒸発器内において比較的低い圧力を保持し且つ蒸気を比較的高い圧力に圧縮する。また、蒸気の温度は、一般に圧縮機によって機械的エネルギーを加えられる結果として上昇する。次に、高圧の蒸気を1以上の容器、好ましくは凝縮器に通して、その結果、より低温の媒体との熱交換によって顕熱及び潜熱を除去し、その結果として凝縮を発生させる。次に、液体の冷媒を、場合によっては更に冷却して、膨張バルブに通して再びサイクルに送ることができる。
【0041】
[0040]一態様においては、本発明は一段階又は多段階であってよい遠心冷凍機内で流体を圧縮することを含む、熱を冷却する物体から本熱伝達流体に伝達させる方法を提供する。ここで用いる「遠心冷凍機」という用語は、本熱伝達流体の圧力を上昇させる装置の1以上の構成要素を指す。
【0042】
[0041]本方法はまた、例えばより高い温度の物体にエネルギーを加えるのに用いることができるヒートポンプにおいて行われるような熱伝達流体から加熱する物体へのエネルギーの伝達も提供する。加熱のためには凝縮器の運転は一般に冷却蒸発器の運転に入れ替えられるので、ヒートポンプは可逆サイクルシステムと考えられる。
【0043】
[0042]本発明はまた、ここでは便宜状の目的で、しかしながら限定の目的なしに時にはマイクロフリージングと呼ぶ、物体又は物体の非常に小さい部分を非常に低い温度に冷却するための方法、システム、及び装置も提供する。本マイクロフリージング法によって冷却する物体としては、生体物質、電子部品などを挙げることができる。幾つかの態様においては、本発明は、非常に小さいか或いは更に微視的な物体を、周囲の物体の温度に実質的に影響を与えることなしに非常に低い温度へ選択的に冷却することを提供する。時にはここで「選択的マイクロフリージング」と呼ぶかかる方法は、隣接する部品を実質的に冷却することなしに回路基板上の微細部品に冷却を与えることが望ましいかもしれない幾つかの分野(例えば電子機器など)において有利である。かかる方法はまた、凍結手術の実施において隣接する組織を実質的に冷却することなしに生体組織の微細な個々の部分を非常に低い温度に冷却することが望ましいかもしれない医療の分野における優位性も提供する。
【0044】
[0043]而して、本方法、システム、及び組成物は、特に空調(固定型及び可動型空調システムの両方を含む)、冷却、ヒートポンプシステムなどのような一般的な広範囲の熱伝達システム及び冷却システムに関連して用いるように適合させることができる。幾つかの好ましい態様においては、本発明の組成物は、元々は例えばHFC−134aのようなHFC冷媒、又は例えばHCFC−22のようなHCFC冷媒と共に用いるように設計されている冷却システムにおいて用いる。好ましい組成物は、従来のHFC冷媒のものと同等に低いか又はそれよりも低いGWP、及びかかる冷媒と同等に高いか又はそれよりも高い能力、並びにかかる冷媒と実質的に同等であるか実質的にこれに匹敵し、好ましくはこれと同等に高いか又はこれよりも高い能力などの、HFC−134a及び他のHFC冷媒の望ましい特徴の多くを示す傾向がある。本出願人らは、幾つかの好ましい組成物は、好ましくは約1000未満、より好ましくは約500未満、更により好ましくは約150未満の比較的低い地球温暖化係数(GWP)を示す傾向があることを認めた。幾つかの本組成物の比較的一定の沸騰性によって、これらは、多くの用途における冷媒、特にHFC−134、HFC−152a、HFC−22、R−12、及びR−500の代替物として用いるために、幾つかの従来のHFC、例えばR−404A、又はHFC−32、HFC−125、及びHFC−134aの組合せ(約23:25:52の重量比のHFC−32:HFC−125:HFC−134aの組合せは、R−407Cと呼ばれる)よりも更により望ましい。
【0045】
[0044]幾つかの他の好ましい態様においては、本組成物は、元々はCFC冷媒と共に用いるように設計されている冷却システムにおいて用いる。本発明の好ましい冷却組成物は、鉱油、ポリアルキルベンゼン、ポリアルキレングリコール油などのようなCFC冷媒と共に通常用いられる潤滑剤を含む冷却システムにおいて用いることができ、或いはHFC冷媒と共に伝統的に用いられている他の潤滑剤と共に用いることができる。ここで用いる「冷却システム」という用語は、一般に冷却を与えるために冷媒を用いる任意のシステム又は装置、或いはかかるシステム又は装置の任意の部品又は部分を指す。かかる冷却システムとしては、例えば空調機、電気冷蔵庫、冷凍機(遠心圧縮機を用いる冷凍機を含む)、輸送冷却システム、商業用冷却システムなどが挙げられる。
【0046】
[0045]多くの既存の冷却システムは、現在は既存の冷媒に関連して用いるように適合されており、本発明の組成物はシステムの変更を行うか又は行わないで多くのかかるシステムにおいて用いるよう適合させることができると考えられる。多くの用途において、本発明の組成物は、現在は幾つかの冷媒をベースとするより小型のシステム、例えば小さい冷却能力を必要とし、したがって比較的小さい圧縮機に置き換える必要性が指示されるものにおける代替品としての優位性を提供することができる。更に、本発明のより低い能力の冷媒組成物を用いることが望ましい態様においては、例えば効率性の理由でより高い能力の冷媒を置き換えることが望ましい態様においては、かかる態様の本発明組成物は潜在的な優位性を与える。而して、幾つかの態様においては、本発明の組成物、特に相当割合の本組成物を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される組成物を、HFC−134a;CFC−12;HCFC−22;HFC−152a;ペンタフルオロエタン(HFC−125)、トリフルオロエタン(HFC−143a)、及びテトラフルオロエタン(HFC−134a)の組合せ(約44:52:4の重量比のHFC−125:HFC−143a:HFC−134aの組合せはR−404Aと呼ばれる);HFC−32、HFC−125、及びHFC−134aの組合せ(約23:25:52の重量比のHFC−32:HFC−125:HFC−134aの組合せはR−407Cと呼ばれる);フッ化メチレン(HFC−32)及びペンタフルオロエタン(HFC−125)の組合せ(約50:50の重量比のHFC−32:HFC−125の組合せはR−410Aと呼ばれる);CFC−12及び1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)の組合せ(73.8:26.2の重量比のCFC−12:HFC−152aの組合せはR−500と呼ばれる);並びにHFC−125及びHFC−143aの組合せ(約50:50の重量比のHFC−125:HFC−143aの組合せはR−507Aと呼ばれる)のような既存の冷媒の代替物として用いることが好ましい。幾つかの態様においては、本組成物を、HFC−32:HFC−125:HFC−134aの、R−407Aと呼ばれる約20:40:40の重量比、或いはR−407Dと呼ばれる約15:15:70の重量比の組合せから形成される冷媒の代替に関連して用いることも有利である可能性がある。本組成物はまた、本明細書の他の箇所において説明するように、エアロゾル、発泡剤などのような他の用途における上述の組成物の代替物として好適であるとも考えられる。
【0047】
[0046]幾つかの用途においては、本発明の冷媒は、より大型の容積型圧縮機を有益に使用して、それによってHFC−134aのような他の冷媒よりも良好なエネルギー効率を実現することを潜在的に可能にする。したがって、本発明の冷媒組成物は、自動車用空調システム及び装置、商業用冷却システム及び装置、冷凍機、住宅用冷蔵庫及び冷凍庫、一般的な空調システム、ヒートポンプなどをはじめとする冷媒置換用途のためのエネルギーベースの競争上の優位性を達成する可能性を与える。
【0048】
[0047]多くの既存の冷却システムは、現在は既存の冷媒と関連して用いるように構成されており、本発明の組成物はシステムの変更を行うか又は行わないでかかるシステムの多くにおいて用いるように適合させることができると考えられる。多くの用途において、本発明の組成物は、現在は比較的高い能力を有する冷媒をベースとするシステムにおける代替品としての優位性を与えることができる。更に、例えばコストの理由のために本発明のより低い能力の冷媒組成物を用いてより高い能力の冷媒を置き換えることが望ましい態様においては、かかる態様の本組成物は潜在的な優位性を与える。而して、幾つかの態様においては、本発明の組成物、特に相当割合のトリフルオロニトロメタン(CFNO)を含み、幾つかの態様においてはこれから実質的に構成される組成物を、HFC−134aのような既存の冷媒の代替物として用いることが好ましい。幾つかの用途においては、本発明の冷媒によって、より大型の容積型圧縮機を有効に用いることが潜在的に可能になり、それによってHFC−134aのような他の冷媒よりも良好なエネルギー効率が得られる。したがって、本発明の冷媒組成物は、冷媒置換用途に関するエネルギーベースの競争上の優位性を達成する可能性を与える。
【0049】
[0048]本発明の組成物はまた、商業用空調システムと関連して通常用いられる冷凍機における優位性(元々のシステム、又はCFC−11、CFC−12、HCFC−22、HFC−134a、HFC−152a、R−500、及びR−507Aのような冷媒の代替物として用いる場合のいずれかにおける)も有することが想定される。幾つかのかかる態様においては、約0.5〜約30%、幾つかの場合においてはより好ましくは0.5%〜約15重量%、更により好ましくは重量基準で約0.5〜約10%の追加の燃焼性抑制剤を本組成物中に含ませることが好ましい。
【0050】
[0049]本組成物は、単独か又は公知の噴射剤と組み合わせて、噴霧組成物中において噴射剤として用いることができる。噴射剤組成物は、本発明の組成物を含み、より好ましくはこれから実質的に構成され、更により好ましくはこれから構成される。また、噴霧する活性成分を、不活性成分、溶媒、及び他の物質と一緒に噴霧混合物中に存在させることもできる。好ましくは、噴霧組成物はエアロゾルである。噴霧する好適な活性物質としては、限定なしに、脱臭薬、香料、ヘアスプレー、清浄剤、及び艶出し剤のような美容材料、並びに抗喘息薬及び口臭防止薬のような医療材料が挙げられる。
【0051】
発泡剤、フォーム、及び発泡性組成物:
[0050]また、発泡剤に1種類以上の本組成物を含んでよく、又はこれから構成することができる。上述したように、発泡剤として用いるための本組成物は、好ましくは発泡剤の少なくとも約5%、更により好ましくは少なくとも約15%の量のCFNOを含む。幾つかの好ましい態様においては、発泡剤は少なくとも約50%のCFNOを含み、幾つかの態様においては、発泡剤はCFNOから実質的に構成される。幾つかの好ましい態様においては、本発明の発泡剤は、CFNOに加えて、共発泡剤、充填剤、蒸気圧調整剤、火炎抑制剤、安定剤、及び同様の助剤の1以上を含む。共発泡剤には、物理的発泡剤、化学的発泡剤(好ましくは幾つかの態様においては水を含む)、又は物理的及び化学的発泡剤の特性の組合せを有する発泡剤を含ませることができる。また、CFNO及び共発泡剤を含む本組成物中に含ませる発泡剤は、発泡剤として必要な特徴に加えて幾つかの特性を示すことができる。例えば、発泡剤に、それを加える発泡剤組成物又は発泡性組成物に幾つかの有益な特性も与えるCFNOなどの成分を含ませることができると想定されている。例えば、CFNO又は共発泡剤をポリマー変性剤又は粘度低下調整剤としても作用させることは本発明の範囲内である。
【0052】
[0051]一例として、次の成分:炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、ギ酸メチル、ギ酸、水、トランス−1,2−ジクロロエチレン、二酸化炭素、及びこれらの任意の2以上の組合せ:の1以上を、幅広く変動可能な量で本発明の幾つかの好ましい発泡剤中に含ませることができる。エーテルの中では、幾つかの態様においては1〜6個の炭素原子を有するエーテルを用いることが好ましい。アルコールの中では、幾つかの態様においては1〜4個の炭素原子を有するアルコールを用いることが好ましい。アルデヒドの中では、幾つかの態様においては1〜4個の炭素原子を有するアルデヒドを用いることが好ましい。
【0053】
[0052]他の態様においては、本発明は発泡性組成物を提供する。本発明の発泡性組成物は、一般にフォームを形成することができる1以上の成分を含む。幾つかの態様においては、1種類以上の成分は、フォーム及び/又は発泡性組成物を形成することができる熱硬化性組成物を含む。熱硬化性組成物の例としては、ポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム組成物、及びフェノールフォーム組成物が挙げられる。フォーム、特にポリウレタンフォーム組成物のタイプに関しては、本発明は、硬質フォーム(独立気泡、連続気泡の両方、及びこれらの任意の組合せ)、軟質フォーム、及び半軟質フォーム、例えばスキン層付きフォームを提供する。本発明はまた、噴霧可能な単一成分フォームを含む単一成分フォームも提供する。
【0054】
[0053]反応プロセス及び発泡プロセスは、気泡の寸法を制御及び調節し、形成中にフォーム構造を安定化するように働く触媒及び界面活性剤材料のような種々の添加剤を用いることによって向上させることができる。更に、本発明の発泡剤組成物に関して上記に記載した更なる成分の任意の1以上を本発明の発泡性組成物中に含ませることができると想定される。かかる熱硬化性フォームの態様においては、1種類以上の本組成物を、発泡性組成物中に発泡剤又はその成分として含ませるか、或いは好ましくは適当な条件下において反応及び/又は発泡してフォーム又は気泡構造を形成することができる1種類以上の成分を含む2成分以上の発泡性組成物の一成分として含ませる。
【0055】
[0054]幾つかの他の態様においては、1種類以上の成分は、熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリマー及び/又は樹脂を含む。熱可塑性フォーム成分の例としては、例えば式:Ar−CHCH(式中、Arはベンゼン類の芳香族炭化水素基である)のモノビニル芳香族化合物のようなポリオレフィン、例えばポリスチレン(PS),(PS)が挙げられる。本発明による好適なポリオレフィン樹脂の他の例としては、ポリエチレン(PE)のようなエチレンホモポリマーなどの種々のエチレン樹脂、及びエチレンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、並びにポリエチレンテレフタレート(PET)、並びにこれらから形成されるフォーム、好ましくは低密度フォームが挙げられる。幾つかの態様においては、熱可塑性発泡性組成物は押出可能な組成物である。
【0056】
[0055]本発明はまた、本発明の組成物を含む発泡剤を含むポリマーフォーム配合物から製造されるフォーム、好ましくは独立気泡フォームにも関する。更に他の態様においては、本発明は、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)のフォーム、好ましくは低密度フォームのような熱可塑性又はポリオレフィンフォームを含む発泡性組成物を提供する。"Polyurethanes Chemistry and Technology", vol I及びII, Saunders及びFrisch, 1962, John Wiley and Sons, New York, NY(参照により本明細書中に援用する)に記載されているもののような当該技術において周知の任意の方法を、本発明のフォームの態様にしたがって用いることができ、又は用いるのに適合させることができる。
【0057】
[0056]本組成物の他の使用としては、溶媒、例えば超臨界又は高圧溶媒、沈殿剤、抽出剤、洗浄剤などとしての使用が挙げられる。当業者であれば、過度の実験を行うことなく本組成物をかかる用途において用いるように適合させることが容易に可能であろう。
【実施例】
【0058】
[0057]本発明を以下の実施例において更に示すが、これらは例示であることが意図されており、いかなる限定を行うものではない。
実施例1:
[0058]CFNO及びCOの種々の混合物の、32°F(図1A)及び100°F(図1B)における沸点圧(Px)及び露点圧(Py)を、COのモル分率(組成)の関数として以下に与える。任意の混合物組成に関するこれらの圧力は純粋な成分のものの中間であり、これらは純粋な成分のものより高くも低くもないことが観察され、これはこれらの組成が非共沸性であることを示す。
【0059】
実施例2:
[0059]本実施例は、本発明の組成物から構成される熱伝達流体の性能特性を示し、本発明の幾つかの組成物が、低温及び商業用冷却用途において通常的に用いられている公知の組成の2種類の冷媒であるR−507A及びR404Aのそれぞれの代替物として優れていることを示す。試験条件は、下記の特定の運転条件において、対照冷媒のそれぞれに基づく本発明の組成物の相対能力を示す。
【0060】
平均蒸発器温度:−30°F;
平均凝縮器温度:100°F;
圧縮機押しのけ量:10ft/分。
【0061】
結果を図2に与える。
これらの条件下においては、8〜14重量%のCO(92〜86重量%のHFO−1234ze)の組成で、R−404A及び507A(AZ−50としても知られる)によって良好な能力の適合が得られることが観察された。
【0062】
実施例3:
[0060]本実施例は、本発明の組成物から構成される熱伝達流体の性能特性を示し、本発明の幾つかの組成物が、空調、ヒートポンプ、及び冷凍機において通常的に用いられている公知の組成の3種類の冷媒であるR−410A(AZ−20としても知られる)、R−407C、及びR−22のそれぞれの代替物として優れていることを示す。試験条件は、下記の特定の運転条件において、対照冷媒のそれぞれに基づく本発明の組成物の相対能力を示す。
【0063】
平均蒸発器温度:35°F;
平均凝縮器温度:110°F;
圧縮機押しのけ量:10ft/分。
【0064】
結果を図3に与える。
これらの条件の下では、8〜16重量%のCO(92〜84重量%のCFNO)の組成においてR−22及びR−407Cによって良好な能力の適合が得られ、20〜35重量%のCO(80〜65重量%のCFNO)の組成においてR−410A(AZ−20としても知られる)によって良好な能力の適合が得られることが観察された。
【0065】
実施例4A〜4AM:
[0061]成績係数(COP)は、冷媒の蒸発又は凝縮を伴う特定の加熱又は冷却サイクルにおける冷媒の相対的な熱力学的効率を表すのに特に有用な冷媒の性能の一般的に認められている尺度である。冷却工学においては、この用語は蒸気を圧縮する際に圧縮機によって加えられるエネルギーに対する有用な冷却の比を表す。冷媒の能力は、それが与える冷却又は加熱の量を表し、所定の体積流量の冷媒に関する熱のポンプ量に対する圧縮機の能力の幾つかの尺度を与える。言い換えれば、特定の圧縮機を考えると、より高い能力を有する冷媒はより多い冷却又は加熱力を与える。特定の運転条件における冷媒のCOPを見積もる1つの手段は、標準冷却サイクル分析技術を用いる冷媒の熱力学的特性からのものである(例えば、R.C. Downing, FLUOROCARBON REFRIGERANTS HANDBOOK, 3章, Prentice-Hall, 1988を参照)。
【0066】
[0062]それぞれのシステムに関して特定の蒸発器温度(蒸発器温度)、過熱、凝縮器温度、過冷却、放出体積、及び圧縮機効率に基づいて、3種類の別々の冷却/空調サイクルシステムを評価した。3種類のシステムに関する条件を下表4に与える。
【0067】
【表1】

【0068】
[0063]表4に記載するサイクル条件のそれぞれにおいて一定範囲の成分の相対濃度にわたって、本発明の幾つかの組成物に関して能力及びCOPを求めた。この分析の結果を表4A〜4m及び図4A1〜4L4に報告する。
【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
【表7】

【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

【0079】
【表12】

【0080】
【表13】

【0081】
【表14】

【0082】
【表15】

【0083】
【表16】

【0084】
【表17】

【0085】
【表18】

【0086】
【表19】

【0087】
【表20】

【0088】
【表21】

【0089】
【表22】

【0090】
実施例5:ポリオールフォーム:
[0064]本実施例は、本発明の幾つかの好ましい態様による発泡剤の使用、即ち本発明によるポリオールフォームの製造における発泡剤としての表4A〜4ALに示すそれぞれの組成物の使用を示す。下表5にしたがってポリオールフォーム配合物の成分を製造した。
【0091】
【表23】

【0092】
* Voranol 490はスクロースベースのポリオールであり、Voranol 391はトルエンジアミンベースのポリオールであり、それぞれDow Chemicalから入手した。B-8462はDegussa-Goldschmidtから入手できる界面活性剤である。Polycat触媒は第3級アミンベースのものであり、Air Productsから入手できる。イソシアネートM-20SはBayer LLCの製品である。
【0093】
それぞれのフォームは、まず発泡剤を加えずにその成分を混合することによって製造した。2つのFisher-Porterチューブに、それぞれ約52.6gのポリオール混合物(発泡剤なし)を充填し、密封し、冷蔵庫内に配置して冷却して僅かな真空を形成した。ガスビュレットを用いて、それぞれのチューブに約17.4gのそれぞれの組成物を加え、次にチューブを加温水中の超音波浴中に配置し、30分間維持した。約87.9gのイソシアネート混合物を金属容器中に配置し、冷蔵庫内に配置して約50°Fに冷却した。次に、ポリオールチューブを開放し、金属混合容器中に秤量投入した(約100gのポリオールブレンドを用いた)。次に冷却した金属容器からイソシアネートを速やかにポリオール中に注ぎ入れ、二重プロペラを有するエアミキサーを用いて3000rpmにおいて10秒間混合した。ブレンドは撹拌によって直ちに泡立ち始め、次に8×8×4インチのボックス中に注ぎ入れて発泡させた。次に、フォームを、物理特性を測定するのに好適な試料に切断し、許容できる密度値及びK因子を有していることが分かった。
【0094】
実施例6:ポリスチレンフォーム:
[0065]本実施例は、本発明の幾つかの好ましい態様による発泡剤の使用、即ちポリスチレンフォームの製造における発泡剤としての表4A〜4ALに示すそれぞれの組成物の使用を示す。特定の発泡剤及びポリマーによってフォームを製造することができるかどうかについて、及びフォームの品質を決定するための補助手段として試験装置及びプロトコルを定めた。粉砕ポリマー(Dow Polystyrene 685D)及び本発明のそれぞれの組成物から実質的に構成される発泡剤を容器内で混合した。容器の容積は200cmであり、2つのパイプフランジ、及び長さ4インチの直径2インチのスケジュール40ステンレススチールパイプの部分から形成されていた。約190°F〜約285°F、好ましくはポリスチレンに関しては265°Fに温度を設定したオーブン内に容器を配置し、温度平衡に達するまでそこに保持した。次に、容器内の圧力を解放すると、発泡ポリマーが速やかに製造された。発泡剤がその中に溶解しているので、発泡剤によってポリマーが可塑化された。この方法を用いて製造された2つのフォームの得られた密度は許容できるものであった。
【0095】
実施例7:押出フォーム:
[0066]本実施例は、2軸タイプの押出機内で形成するポリスチレンフォームにおける発泡剤としての表4A〜4ALに示すそれぞれの組成物の性能を示す。本実施例において用いた装置は、次の特徴:30mmの共回転スクリュー;及びL:D比=40:1を有するLeistriz二軸押出機であった。押出機は、それぞれ4:1のL:Dを示す10のセクションに分割されていた。ポリスチレン樹脂を第1セクション中に導入し、発泡剤を第6セクション中に導入し、押出物を第10セクションから排出した。押出機は主として溶融/混合押出機として運転した。後段の冷却押出機を直列に接続した。これに関するデザインの特徴は、Leistriz二軸押出機;40mmの共回転スクリュー;L:D比=40:1;及びダイ:5.0mmの円形;であった。ポリスチレン樹脂、即ちNova ChemicalのNova 1600と示される一般的な押出グレードのポリスチレンを、上記に示す条件下の押出機に供給した。樹脂は375°F〜525°Fの推奨溶融温度を有していた。ダイにおける押出機の圧力は約1320psiであり、ダイにおける温度は約115℃であった。上表中のそれぞれの組成物に対応する一連の発泡剤を、成核剤として全発泡剤を基準として約0.5重量%のタルクを含ませて、上記に示す位置において押出機に加えた。本発明による発泡剤を10重量%、12重量%、及び14重量%の濃度で用いてフォームを製造した。製造されたフォームの密度は許容できる範囲内であり、その気泡寸法は許容できるものであった。それぞれのフォームは視覚的に非常に良好な品質、非常に細かい気泡寸法のものであり、視認できるか又は明らかなブローホール又は空孔はなかった。
【0096】
[0067]上記に示す本発明の多くの修正及び変更をその精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることは明らかである。具体的な態様は例示のみの目的で与えるものであり、本発明は特許請求の範囲の文言によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリフルオロニトロメタン(CFNO)を含む、発泡剤、フォーム、発泡性組成物、フォームプレミックス、溶媒、洗浄液、抽出剤、難燃剤、火炎抑制剤、沈殿剤、噴射剤、噴霧組成物、又は沈殿剤として用いるための組成物。
【請求項2】
トリフルオロニトロメタン(CFNO)及び少なくとも1種類の助剤を含む、熱伝達流体、発泡剤、フォーム、発泡性組成物、フォームプレミックス、溶媒、洗浄液、抽出剤、難燃剤、火炎抑制剤、沈殿剤、噴射剤、噴霧組成物、又は沈殿剤として用いるための組成物。
【請求項3】
助剤が少なくとも1種類の共試薬を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
約1〜50重量%の、ポリオールエステル(POE)、キャップ又は非キャップポリアルキレングリコール(PAG)、鉱油、シリコーン油、ポリビニルエーテル(PVE)油、及びこれらの任意の2以上の組合せから選択される少なくとも1種類の潤滑剤を更に含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
助剤が、二酸化炭素(CO);テトラ乃至ペンタハロゲン化C〜Cオレフィン;C〜C炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(HFC);アンモニア;及びこれらの任意の2以上の組合せからなる群から選択される共冷媒を含む、請求項2及び4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
約1〜約40重量%の二酸化炭素(CO)、及び約99〜約60重量%のトリフルオロニトロメタン(CFNO)を含み、35°Fにおいて少なくとも約30psiaの蒸気圧を有する熱伝達流体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の流体を供給すること、及び、かかる流体と物体との間で熱を伝達させることを含む、物体の熱容量を変化させる方法。
【請求項8】
蒸発及び凝縮させるための1以上の容器、並びに1以上のかかる容器内に含まれている約1〜約99重量%のトリフルオロニトロメタン(CFNO)及び約1〜約99重量%の少なくとも1種類の共試薬を含む熱伝達流体を含む、改良された熱伝達系。
【請求項9】
トランス−1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)及び二酸化炭素(CO)から実質的に構成される不燃性流体。
【請求項10】
噴霧する物質、及び請求項1に記載の組成物を含む噴射剤を含む噴霧組成物。

【公表番号】特表2012−530186(P2012−530186A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516207(P2012−516207)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/038695
【国際公開番号】WO2010/148003
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】