説明

トルクアクチュエータ

【課題】シリンダ装置の直進推力を回転力に変換するトルクアクチュエータとして、小型で大きなトルクが安定して得られるものを提供する。
【解決手段】本アクチュエータAは、ケーシング4内に出力歯車1と該出力歯車1にU字状に巻装したチェーン2とを収容すると共に、ケーシング4に一対の並設するシリンダ装置3を配置する。一対のシリンダ装置3は、ケーシング4に対して出力歯車1のチェーン2を巻装した側に配置する。そして、各ピストンロッド34を出力歯車1から巻き出るチェーン2と重なるように配置して各ピストンロッド34の先端にチェーン2の両端を接続し、各シリンダ装置3のピストン32を交互に加圧押動してチェーン2を交互に牽引することで出力歯車1を正逆回転させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクアクチュエータ、特に、エアーシリンダ装置や油圧シリンダ装置の直進推力を回転力に変換するトルクアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のトルクアクチュエータとしては、図6に示すように、出力歯車103を収容するケーシング101から一対のシリンダ装置110を反対方向に突出させ、各シリンダ装置110のピストン112相互を対向させてこれらピストン112間にギヤ溝121を形成したラック102を連結させ、このラック102と出力歯車103とを噛み合わせたものがある。
【0003】
このトルクアクチュエータは、各シリンダ装置110のシリンダ室111に空気圧源又は油圧源を接続して、シリンダ室111への供給圧力を制御すると、これに応じてピストン112及びラック102が直線方向に往復駆動され、この駆動量に応じて出力歯車103が正逆回転される。従って、この出力歯車103の出力軸131に従動軸部を連結すると、この従動軸部が往復回転される。
【特許文献1】実用新案登録第2571667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のトルクアクチュエータは、ラック102と出力歯車103とを噛み合わせたラック・ピニオン式に構成するので、ラック102と出力歯車103との噛み合わせ部分が少ないため、大きなトルクを出すのが困難である。しかも、ラック102に大きな負荷が作用するため摩擦による力の損失が大きく、またラック102が損傷しやすいという問題がある。さらに、ラック102とこれに連結する一対のシリンダ装置110とを一直線に配置するため、装置の全長が長く大型になる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型で大きなトルクが安定して得られるトルクアクチュエータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るトルクアクチュエータは、
シリンダ装置の直進推力を回転力に変換するトルクアクチュエータであって、
ケーシング内に出力歯車と該出力歯車にU字状に巻装したチェーンとを収容すると共に、該ケーシングに一対の並設するシリンダ装置を配置し、
上記チェーンの両端に上記各シリンダ装置のピストンロッドをそれぞれ接続させて各シリンダ装置のピストンを交互に加圧押動してチェーンを牽引することで上記出力歯車を正逆回転させるように構成したものである。
上記構成より、チェーンをU字状に巻装して出力歯車を正逆回転させるので、チェーンと出力歯車との噛み合い部分が約180度と多く、大きなトルクを発現することができる。しかも、出力歯車にはチェーンを巻装するので、出力歯車やチェーンに局部的な負荷がかかることもない。また、一対のシリンダ装置を並設してケーシングに連結するので、装置の全長を短くすることができる。さらに、ピストンロッドの動く方向とチェーンが引っ張られる方向が一致しているので、構造的に無理がない。
【0007】
上記一対のシリンダ装置をケーシングに対して出力歯車のチェーンを巻装した側に配置し、各ピストンロッドを出力歯車から巻き出るチェーンと重なるように配置して各ピストンロッドの先端にチェーンの両端を接続するようにしてもよい。
これにより、一対のシリンダ装置間の間隔を狭くすることができ、その結果、装置の横幅を小さくコンパクトにすることができる。
【0008】
上記出力歯車及び上記チェーンは、複数列に設けてもよい。
これにより、より大きなトルクを発現することができる。
【0009】
上記出力歯車及び上記チェーンが2列に設けられており、上記出力歯車から巻き出る上記チェーンが上記ピストンロッドを挟んで両側に配置されてもよい。
これにより、チェーンを牽引する際、ピストンロッドには一方側から力が加わるのではなく、ピストンロッドの両側に設けられた2本のチェーンから均等に力が加わる。従って、ピストンロッドが一方側に歪んだり変形することがなく、長期間にわたって安定した操作が可能となる。
【0010】
上記ケーシング内には上記チェーンをガイドするガイド機構を設けるようにしてもよい。
これにより、ガイド機構によってチェーンの屈曲方向のたるみが防げるので、出力歯車に対して正確なタイミングで出力伝達することができる。
【0011】
上記シリンダ装置内のピストンを加圧押動するに際し、上記シリンダ装置内のピストンに隔てられた両側の空間のシリンダ室が交互に加圧されることでもよい。
これにより、一対の各シリンダ装置のピストンを交互に加圧押動するに際し、一方のシリンダ装置の加圧力だけでなく双方のシリンダ装置の加圧力によりチェーンを牽引することができ、より一層トルクを大きくすることができる。
なお、動力伝達手段としてチェーンの代わりにタイミングベルトを使用することもできる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、出力歯車にチェーンを巻装してこのチェーンを一対の並設するシリンダ装置によって牽引して出力歯車を正逆回転させるようにしたので、小型で大きなトルクが安定して得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1、図2、図3に示すように、本実施の形態によるトルクアクチュエータAは、出力歯車1にチェーン2をU字状に巻装してこのチェーン2を一対のシリンダ装置3によって交互に牽引して出力歯車1を正逆回転させるように構成する。出力歯車1とチェーン2は、ケーシング4内に収容され、一対のシリンダ装置3は、このケーシング4に並設して配置されている。
【0014】
ケーシング4は、表ケース41と裏ケース42とに2分割されてボルト止めして一体に組み立てられる(図3参照)。これによって、ケーシング4内に出力歯車1とチェーン2とが組み込み可能にされている。そして、このケーシング4の下部には、一対のシリンダ装置3が並設して取り付けられ、また、ケーシング4の上部には、フタ部材43がボルト止めして取り付けられる。
【0015】
出力歯車1は、出力軸10に設けられ、この出力軸10は、中空軸であって両側に軸受5を取り付けてケーシング4の孔部44に支承されている。そして、出力歯車1は、同一のものがこの出力軸10に2列に設けられている(図2、図3参照)。チェーン2は、これら2列の出力歯車1にそれぞれ巻装されて出力歯車1と同じく2列に配置されている。なお、チェーン2は、2列の出力歯車1のうち一方にだけ巻装させて1列に配列するようにしてもよい。
【0016】
各シリンダ装置3は、シリンダ31内がこれに収容されるピストン32によって区画されたシリンダ室33を有し、このシリンダ室33の内圧を空気圧又は油圧によって制御することでピストン32に連結したピストンロッド34が伸縮されて直進推力が出力される。なお、シリンダ31にはシリンダ室33に油圧源又は空圧源を供給する連通口35aが設けられると共に、ピストンロッド34が延びる側のシリンダ31内の空室に連通する連通口35bが設けられている。上記一対のシリンダ装置3は、ケーシング4に対して出力歯車1のチェーン2を巻装した側(U字状に配置したチェーン2の両端の反対側)に配置される。各シリンダ装置3は、ピストンロッド34をケーシング4内に進入させて、このピストンロッド34が出力歯車1から巻き出るチェーン2と並設される。そして、各ピストンロッド34の先端とチェーン2の両端とが接続部材6によって接続されている。
【0017】
接続部材6は、ピストンロッド34の先端を挿通させてボルト止めする筒部61と、この筒部61の外側面に形成されてチェーン2の端部をピン止めする舌片62とを有する(図2、図3参照)。このチェーン2の端部を取り付ける舌片62は、筒部61の外側面に対向する180度位置に形成され、2列に配列された各チェーン2の端部が各舌片62にそれぞれ取り付けられる。従って、2列のチェーン2間にピストンロッド34が配置され、これにより、1つのピストンロッド34の牽引力が2列のチェーン2に均等に作用することとなる。なお、接続部材6の筒部61と各舌片62とは、これらに取り付けるピストンロッド34とチェーン2とが接触しないように配置されている。
【0018】
また、出力歯車1から巻き出る上記の2本のチェーン2がピストンロッド34を挟んで両側に配置されるので、チェーン2を牽引する際、ピストンロッド34には一方側から力が加わるのではなく、ピストンロッド34の両側に設けられた2本のチェーン2から均等に力が加わる。従って、ピストンロッド34が一方側に歪んだり変形することがなく、長期間にわたって安定した操作が可能となる。
【0019】
また、ケーシング4内には、上記チェーン2をガイドするガイド機構(ガイド溝45、ガイド部46)が設けられている。すなわち、ケーシング4内には出力歯車1から巻き出るチェーン2を配置するガイド溝45が設けられている。このガイド溝45の幅は、略チェーン2幅に沿った大きさに設定されており、これにより、チェーン2は、その屈曲方向に対してはガイド溝45に規制されてたるみが防止される。さらに、ケーシング4内には出力歯車1にチェーン2を巻装した側に半円状のガイド部46が設けられている。このガイド部46は、出力歯車1に巻装されたチェーン2の外周に沿って設けられているので、これによっても、チェーン2は、屈曲方向に対するたるみが防止される。
【0020】
接続部材6は、ピストンロッド34に接続されてその姿勢が一定に保たれて両側のガイド溝45間に配置されている。一方、接続部材6の舌片62は、チェーン2よりも外側に張り出され、且つ接続部材6は、対向する舌片62間の外径幅がケーシング4内の両側のガイド溝45底部間の距離より僅かに短くなる大きさに形成されている。これによって、チェーン2は、接続部材6の舌片62よりも内側に配置されてガイド溝45の底部には接触されないようになっているので、チェーン2の損傷も抑えることができる。
そして、ピストンロッド34の進出状態のときに倒れ方向に負荷が加わっても、接続部材6がケーシング4内の両側のガイド溝45間に配置されて姿勢が保持されるので、この接続部材6を取り付けたピストンロッド34は、倒れが防止されてまっすぐに進退される。従って、チェーン2は、姿勢が傾くこともなく、まっすぐに牽引されるので、出力歯車1は、安定してトルクを発現することができる。しかも、シリンダロッド34の姿勢が保たれてまっすぐ進退されるので、シリンダ装置3におけるピストンロッド34の支承部に設けるパッキン等の損傷が抑えられ、シリンダ装置3の耐久性を向上することができる。
【0021】
以上の構成を有する本実施形態のトルクアクチュエータAは、例えば、図1の左のシリンダ装置3のシリンダ室33の内圧を高圧にすると、そのピストンロッド34が伸ばされてチェーン2が一方側に牽引され、出力歯車1が時計方向に回転される。このとき、右のシリンダ装置3のピストンロッド34はチェーン2に牽引されて縮められるため、チェーン2はたるむことなくその張りが維持される。逆に、右のシリンダ装置3のシリンダ室33の内圧を高圧にすると、上述とは逆の動作により出力歯車1が反時計方向に回転される。このようにして、各シリンダ装置3のピストン32を交互に加圧押動させてチェーン2を一方側と他方側とに交互に牽引することで、上記出力歯車1が正逆回転され、これによって、シリンダ装置3の直進推力が回転力に変換される。従って、この出力歯車1を設ける出力軸10に従動軸部7(図2参照)を連結すると、この従動軸部7が往復回転されることとなる。
【0022】
特に、このトルクアクチュエータAでは、チェーン2を巻装して出力歯車1を正逆回転させるので、チェーン2と出力歯車1との噛み合い部分が約180度と多く、大きなトルクを発現することができる。しかも、出力歯車1にはチェーン2を巻装するので、出力歯車1やチェーン2に局部的な負荷がかかることもない。また、一対のシリンダ装置3を並設してケーシング4に連結するので、装置の全長を短くすることができる。さらに、シリンダ装置3がケーシング4に取り付けられて交換しやすい構造になっているので、シリンダ装置3の交換やメンテナンス等が容易である。さらにまた、ピストンロッド34の動く方向とチェーン2が引っ張られる方向が一致しているので、構造的に無理な負荷がかかることもない。
【0023】
このように、本実施の形態によるトルクアクチュエータAによれば、出力歯車1にチェーン2をU字状に巻装してこのチェーン2の両端を一対の並設するシリンダ装置3によって交互に牽引して出力歯車1を正逆回転させるようにするので、小型で大きなトルクが安定して得られる。
【0024】
また、上記一対のシリンダ装置3を出力歯車1のチェーン2を巻装した側に配置し、各ピストンロッド34を出力歯車1から巻き出るチェーン2と重なるように配置して各ピストンロッド34の先端にチェーン2の両端を接続する。これにより、一対のシリンダ装置3間の間隔を狭くすることができ、その結果、装置の横幅を小さくコンパクトにすることができる。さらには、一対のシリンダ装置3は、互いが距離的に近い場所に存在するので、油圧源や空圧源からのシリンダ装置3への配管を簡単にすることができる。なお、チェーン2が2本あるので、1本のチェーンが破断しても直ちに本トルクアクチュエータAが稼動停止されないからチェーン2の破断による被害を最小に止めることができる。
【0025】
また、上記出力歯車1及び上記チェーン2を2列に設けるので、より大きなトルクを発現することができる。
さらには、上記ケーシング4内には出力歯車1から巻き出るチェーン2を配置するガイド溝45を設け、このガイド溝45の幅が略チェーン2幅に沿った大きさに設定されているので、出力歯車1から巻き出るチェーン2は、その屈曲方向においてガイド溝45に規制されてたるまないようにされている。また、出力歯車1のチェーン2を巻装した側には、このチェーン2の外周に沿って半円状のガイド部46が設けられているので、出力歯車1に巻装されているチェーン2もこのガイド部材46によってたるみが生じないように規制されている。従って、出力歯車1に対して正確なタイミングで出力伝達することができる。
【0026】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されず、本発明の要旨の範囲内で適宜に変更することが可能である。
例えば、図4に示すように、各ガイド溝45にはその対向する側壁のそれぞれに、チェーン2のローラ部分に両側から対向してあてがうように一対の凸部47を形成してもよい。このガイド溝45内における一対の凸部47間の間隔は、チェーン2のローラ部分のローラ径よりも若干大きくなるように形成されている。これにより、この一対の凸部47によって、チェーン2がその屈曲方向においてたるむことをより確実に防止することができる。従って、出力歯車1に対して正確なタイミングで出力伝達することができる。なお、上記凸部47は、ケーシング4と一体形成されてもよいし、摩耗等したときには交換できるようにケーシング4と別体に形成されてもよい。
【0027】
また、図5に示すように、一対のシリンダ装置3’は、ケーシング4に対してチェーン2の両端が配置される側に取り付けるようにしてもよい。この場合、シリンダ装置3’を加圧押動するに際し、左右のシリンダ装置3’内のピストンロッド34’が配置される側のシリンダ室33bが連通口35bを通して油圧源又は空圧源によって交互に加圧される。
このものでは、図1のものに比べて、出力歯車1の外径に相当する長さ分程度、ピストンロッド34’を短くすることができるので、トルクアクチュエータA’の駆動時におけるピストンロッド34’の歪みや変形を起こし難く、長期間にわたって安定した操作が可能となる。
【0028】
また、上記シリンダ装置内のピストンを加圧押動するに際し、上記ピストンに隔てられた両側の空室をシリンダ室として交互に加圧されることでもよい。例えば、図5では、シリンダ装置3’内のピストンロッド34’を配置する側の空室をシリンダ室33bとするが、ピストンロッド34’を配置しない側の空室をも連通口35aを通して油圧源又は空圧源が供給されるシリンダ室33aとしてもよい。この場合、シリンダ装置3’のピストン32を加圧押動するに際し、一方のシリンダ装置3’ではピストンロッド34’を配置する側のシリンダ室33bを高圧にすると共に、他方のシリンダ装置3’ではピストンロッド34’を配置しない側のシリンダ室33aを高圧にし、この動作を一対のシリンダ装置3’間で交互に行うようにする。すると、図5において、例えば、右側のシリンダ装置3’のピストンロッド34’を配置する側のシリンダ室33bを高圧にすることでチェーン2が出力歯車1から繰り出するように引っ張られ、一方、左側のシリンダ装置3’のピストンロッド34’を配置しない側のシリンダ室33aを高圧にすることでチェーン2が出力歯車1に巻き込むように押し込まれる。なお、左側のシリンダ装置3’でチェーン2を出力歯車1に押し込むに際し、チェーン2は、ガイド機構(ガイド溝45、ガイド部46)によって案内されているので、たるんでつかえることなく、出力歯車1に対して回転力を伝達させることができる。
これにより、一対の各シリンダ装置3’のピストン32を交互に加圧押動するに際し、一方のシリンダ装置3’の加圧力だけでなく双方のシリンダ装置3’の加圧力によりチェーン2を牽引することができ、より一層大きなトルクを発現させることができる。
なお、図1のものでも、上述同様に、シリンダ装置3内のピストン32に隔てられた両側の空室をシリンダ室として交互に加圧してもよい。
【0029】
その他、出力歯車1及びチェーン2を2列に設けるが、1列でもよいし、2列以外の複数列に設けてもよい。
また、シリンダ装置3は、油圧源、空気圧源のいずれのタイプを用いてもよい。
また、動力伝達手段としてチェーンの代わりにタイミングベルトを使用してもよい。この場合、上記出力歯車1は、タイミングベルトに適合するプーリが使用される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施の形態によるトルクアクチュエータの構成を正面から見て示した一部断面図である。
【図2】本実施の形態によるトルクアクチュエータの構成を側面から見て示した一部断面図である。
【図3】本実施の形態によるトルクアクチュエータの各構成部品を示す分解斜視図である。
【図4】実施の形態において、ケーシングのガイド溝にチェーンのたるみを確実に防止するための凸部を設けた変更例を示す分解斜視図である。
【図5】他の実施の形態によるトルクアクチュエータの構成を正面から見て示した一部断面図である。
【図6】従来のトルクアクチュエータの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 出力歯車
2 チェーン
3,3’ シリンダ装置
4 ケーシング
5 軸受
6 接続部材
7 従動軸部
10 出力軸
34,34’ ピストンロッド
45 ガイド溝
46 ガイド部
47 凸部
61 筒部
62 舌片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ装置の直進推力を回転力に変換するトルクアクチュエータであって、
ケーシング内に出力歯車と該出力歯車にU字状に巻装したチェーンとを収容すると共に、該ケーシングに一対の並設するシリンダ装置を配置し、
上記チェーンの両端に上記各シリンダ装置のピストンロッドをそれぞれ接続させて各シリンダ装置のピストンを交互に加圧押動してチェーンを牽引することで上記出力歯車を正逆回転させるように構成したトルクアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のトルクアクチュエータにおいて、
上記一対のシリンダ装置をケーシングに対して出力歯車のチェーンを巻装した側に配置し、各ピストンロッドを出力歯車から巻き出るチェーンと重なるように配置して各ピストンロッドの先端にチェーンの両端を接続するトルクアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトルクアクチュエータにおいて、
上記出力歯車及び上記チェーンを複数列に設けるトルクアクチュエータ。
【請求項4】
請求項3に記載のトルクアクチュエータにおいて、
上記出力歯車及び上記チェーンが2列に設けられており、
上記出力歯車から巻き出る上記チェーンが上記ピストンロッドを挟んで両側に配置されるトルクアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のトルクアクチュエータにおいて、
上記ケーシング内には上記チェーンをガイドするガイド機構を設けるトルクアクチュエータ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のトルクアクチュエータにおいて、
上記シリンダ装置内のピストンを加圧押動するに際し、上記シリンダ装置内のピストンに隔てられた両側の空間のシリンダ室が交互に加圧されるトルクアクチュエータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のトルクアクチュエータにおいて、
動力伝達手段としてチェーンの代わりにタイミングベルトを使用したトルクアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−24864(P2009−24864A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191776(P2007−191776)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)
【Fターム(参考)】