説明

トルク変動吸収装置

【課題】回転部材間の隙間がシール部材のシール性を向上させることができるトルク変動吸収装置を提供すること。
【解決手段】回転可能に配された第1回転部材20と、第1回転部材20に対して回転可能に配された第2回転部材30と、第1回転部材20と第2回転部材30との間の捩れによる変動トルクを吸収するとともに、第1回転部材20と第2回転部材30とに囲まれた内部空間に収容されたダンパ部40と、第1回転部材20と第2回転部材30との間の隙間にて内部空間に収容された流体をシールするシール部材60と、内部空間に収容された流体の出入りを調整可能にするとともに、シール部材60を潤滑する流体を収容する流体収容部63と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材間の変動トルクを吸収するトルク変動吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トルク変動吸収装置は、例えば、ハイブリッド車両においては、エンジンとモータジェネレータ(又は変速機)と間の動力伝達経路に設けられており、エンジンとモータジェネレータ(又は変速機)との間に生ずる変動トルクを吸収(抑制)する。トルク変動吸収装置においては、弾性力によって変動トルクを吸収するダンパ部を有する。このようなトルク変動吸収装置として、フライホイールに設けられたものがある。フライホイールに設けられたトルク変動吸収装置では、ダンパ部が回転部材に収容されており、ダンパ部が収容された空間にダンパ部を潤滑する潤滑油やグリスが充填されており、回転部材間の隙間がシール部材によってシールされたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、第2フライホイールのボス部に形成された溝に嵌め込まれた環状のシール部材により、第1フライホイールに連結されたドライブプレートの内周端と、第2フライホイールのボス部との間の隙間をシールすることで、第1フライホイールとドライブプレートと第2フライホイールのボス部とにより形成される環状空間に充填された粘性流体を封止したものが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、第2フライホイールの支持部に形成された溝に嵌め込まれたシールリングにより、第2フライホイールの支持部と、第1フライホイールにおける第2プレートの内側円筒部との間の隙間をシールすることで、第1フライホイールの収容空間に充填された潤滑油を封止したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−346945号公報
【特許文献2】特開2010−31888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のようなシール構成では、ドライブプレートと第2フライホイールとが相対回転したときにシール部材がドライブプレート及び第2フライホイールの両方と滑りが生じるおそれがあるので、ヒステリシスの増大によるシール部材の性能の悪化や、粘性流体の潤滑不良によるシール部材の摩耗の増大が問題となる。
【0007】
また、特許文献2のようなシール構成では、シールリングの舌状部分が内側円筒部の端の方で接しているため、外部からの圧力(例えば、水圧)が負荷されたときに収容空間内に異物(例えば、泥水)が浸入しやすく、収容空間内の部品(例えば、ダンパ機構の構成部品)を損傷、最悪時には破損を引き起こす。また、特許文献2のようなシール構成では、シールリングの舌状部分の収容空間側の部位に潤滑油が溜まりにくいため、シールリングに対して潤滑油切れを起こし、摩耗してシール性が不足し、潤滑油漏れを引き起こすおそれがある。
【0008】
本発明の主な課題は、回転部材間の隙間がシール部材のシール性を向上させることができるトルク変動吸収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一視点においては、トルク変動吸収装置において、回転可能に配された第1回転部材と、前記第1回転部材に対して回転可能に配された第2回転部材と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の捩れによる変動トルクを吸収するとともに、前記第1回転部材と前記第2回転部材とに囲まれた内部空間に収容されたダンパ部と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の隙間にて前記内部空間に収容された流体をシールするシール部材と、前記内部空間に収容された前記流体の出入りを調整可能にするとともに、前記シール部材を潤滑する流体を収容する流体収容部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記シール部材は、前記第2回転部材に固定される金属環と、前記金属環に固定されるとともに前記第1回転部材に対して弾性的に接する環状の緩衝体と、を備えることが好ましい。
【0011】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記シール部材は、前記第2回転部材に固定される固定部と、前記固定部から延在するとともに前記第1回転部材に対して弾性的に接する舌状部と、を備えることが好ましい。
【0012】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記内部空間と前記流体収容部との間の前記流体の出入りを調整する仕切り部を有することが好ましい。
【0013】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記仕切り部は、前記第1回転部材に形成された第1凸部であることが好ましい。
【0014】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第1凸部は、前記シール面を切削することにより形成されることが好ましい。
【0015】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第1凸部は、プレスにより形成されることが好ましい。
【0016】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記仕切り部は、前記シール部材に形成された第1突起部であることが好ましい。
【0017】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の一方に固定されたプレートを備え、前記仕切り部は、前記プレートであることが好ましい。
【0018】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方にスライド可能に接するとともに、前記内部空間と前記流体収容部との間で前記流体が出入りする1又は複数の穴部を有することが好ましい。
【0019】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方にスライド可能に接するとともに、前記内部空間と前記流体収容部との間で前記流体が出入りする1又は複数のスリット部を有することが好ましい。
【0020】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方と離間しており、前記プレートと前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方との間の隙間を通じて、前記内部空間と前記流体収容部との間での前記流体の出入りが可能であることが好ましい。
【0021】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記プレートは、前記第1回転部材に固定され、前記プレートは、前記シール部材の一部が前記プレート側に倒れこんだときに前記シール部材の一部を支えることが可能な位置に配されていることが好ましい。
【0022】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記仕切り部は、前記第2回転部材に形成された第2突起部であることが好ましい。
【0023】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第1回転部材は、前記シール部材よりも径方向外側にて軸方向の前記第2回転部材側に延在した円筒部を有し、前記円筒部は、内周面にて回転軸方向に平坦なシール面を有し、前記シール部材は、前記シール面に対して弾性的に接することが好ましい。
【0024】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第2回転部材は、前記第1回転部材側から凹んだ環状の第1凹部を有し、前記円筒部は、前記第1凹部と接触しないように挿入されていることが好ましい。
【0025】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記円筒部は、先端部の外周面に第2凸部を有し、前記第1凹部は、径方向外側の壁面に第3凸部を有し、前記第2凸部は、軸方向において、前記第3凸部よりも、前記第1凹部の底面側に配されていることが好ましい。
【0026】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記円筒部は、先端部から径方向内側に延在したフランジ部を有し、前記フランジ部は、軸方向において前記シール部材と前記第2回転部材との間に配されることが好ましい。
【0027】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記フランジ部は、前記シール部材の一部が前記フランジ部側に倒れこんだときに前記シール部材の一部を支えることが可能な位置に配されていることが好ましい。
【0028】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第2回転部材は、径方向内側に凹んだ第2凹部を有し、前記フランジ部は、前記第2凹部と接触しないように前記第2凹部に入るまで延在していることが好ましい。
【0029】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第2回転部材は、前記第2凹部が形成される位置の軸方向の範囲内で連結可能に分割された部分を有することが好ましい。
【0030】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記第2回転部材に固定された第2プレートを備え、前記シール部材は、前記第2プレートを介して前記第2回転部材に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、流体収容部において流体が溜まりやすくなり、流体収容部に溜まった流体によりシール部材が潤滑され、流体切れによるシール部材の摩耗を抑制することが可能である。また、本発明によれば、第1回転部材と第2回転部材との間の隙間にシール部材が取り付けられているので、装置内部への異物(例えば水、泥水、粉塵)の浸入の防止が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した径方向の断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例3に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図5】本発明の実施例4に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図6】本発明の実施例5に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図7】本発明の実施例6に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図8】本発明の実施例7に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図9】本発明の実施例8に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例9に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図11】本発明の実施例10に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図12】本発明の実施例11に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図13】本発明の実施例12に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図14】本発明の実施例13に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図15】本発明の実施例14に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【図16】本発明の実施例15に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態に係るトルク変動吸収装置では、回転可能に配された第1回転部材(図1の20)と、前記第1回転部材に対して回転可能に配された第2回転部材(図1の30)と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の捩れによる変動トルクを吸収するとともに、前記第1回転部材と前記第2回転部材とに囲まれた内部空間に収容されたダンパ部(図1の40)と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の隙間にて前記内部空間に収容された流体をシールするシール部材(図1の60)と、前記内部空間に収容された前記流体の出入りを調整可能にするとともに、前記シール部材を潤滑する流体を収容する流体収容部(図1の63)と、を備える。
【0034】
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0035】
本発明の実施例1に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した径方向の断面図である。図2は、本発明の実施例1に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0036】
実施例1に係るトルク変動吸収装置1は、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の捩れによる変動トルクを吸収(抑制)する装置である。トルク変動吸収装置1は、捩れ緩衝機能を有し、バネ力によって第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の変動トルクを吸収するダンパ部40を有する。トルク変動吸収装置1は、エンジンのクランクシャフト10とクラッチ装置(図示せず)との間の動力伝達経路上に設けられている。
【0037】
第1フライホイール20は、エンジンのクランクシャフト10に連結された環状の組立体である。第1フライホイール20は、クランクシャフト10の回転動力をダンパ部40に向けて伝達する。第1フライホイール20は、内部においてダンパ部40及び潤滑油(例えば、グリス)を収容するとともに、第2フライホイール30に対する隙間がシール部材60によってシールされている。第1フライホイール20は、ボールベアリング51を介して第2フライホイール30を回転可能に軸受けするとともに、ボールベアリング51、ブッシュ52、及び皿ばね53を用いて第2フライホイール30の軸方向の移動を規制する。第1フライホイール20は、構成部材として、支持部材21と、プレート22と、プレート23と、リングギヤ24と、を有する。
【0038】
支持部材21は、第2フライホイール30を回転可能に支持する環状の部材である。支持部材21は、ボルト11によってプレート22ともにクランクシャフト10のフランジ部10aに締結固定されている。これにより、支持部材21は、プレート22と一体に回転する。支持部材21は、クランクシャフト10の円筒部10bの外周に挿入される円筒部21aを有する。円筒部21aは、プレート23の内周に挿入されており、プレート23の径方向の移動を規制する。支持部材21は、円筒部21aのクラッチ装置側(図1の右側)の端部から径方向外側に延在した環状のフランジ部21bを有する。フランジ部21bは、ボルト11のネジ部分を挿通するための穴部を有する。フランジ部21bは、外周端部から軸方向のクラッチ装置側(図1の右側)に延在した円筒部21cを有する。円筒部21cは、ボールベアリング51を介して第2フライホイール30(プレート31の円筒部31b)を回転可能に軸受けする。円筒部21cは、ボールベアリング51の内輪の内周に圧入固定されている。支持部材21は、円筒部21cのクラッチ装置側(図1の右側)の端部から径方向外側に延在した環状のフランジ部21dを有する。フランジ部21dは、ブッシュ52及び皿ばね53を介して第2フライホイール30(プレート31のフランジ部31c)の軸方向の移動を規制する。フランジ部21dは、皿ばね53の外周端部を支持する。
【0039】
プレート22は、環状の部材である。プレート22は、内周端部にて、支持部材21の円筒部21aの外周に配されている。プレート22は、内周部分にて、支持部材21のフランジ部21bとクランクシャフト10のフランジ部10aとの間に挟まれており、ボルト11によって支持部材21とともにクランクシャフト10に締結固定されている。プレート22は、ボールベアリング51の外輪と離間している。プレート22は、外周部分にて、ダンパ部40のシート部材41及びコイルスプリング42を収容するための袋状の収容部22aを有する。収容部22aは、周方向両側の端面にて、一対のシート部材41と接離可能であり、ダンパ部40に捩れが生じていないときに一対のシート部材41の両方と接し、ダンパ部40に捩れが生じているときに一対のシート部材41の片方と接する。プレート22は、ダンパ部40の径方向外側を覆うように形成されている。プレート22は、外周面にて、環状のリングギヤ24の内側に挿入されており、溶接等によってリングギヤ24に固定されている。プレート22は、クラッチ装置側(図1の右側)の端部が全周に渡ってプレート23と密着しており、溶接等によってプレート23に固定されている。
【0040】
プレート23は、環状の部材である。プレート23は、外周部分が全周に渡ってプレート22と密着しており、溶接等によってプレート22に固定されている。これにより、プレート23はプレート22と一体に回転するとともに、プレート22、23の接合部分から第1フライホール20の内部の潤滑油が漏れない。プレート23は、中間部分にて、ダンパ部40のシート部材41及びコイルスプリング42を収容するための袋状の収容部23aを有する。収容部23aは、周方向両側の端面にて、一対のシート部材41と接離可能であり、ダンパ部40に捩れが生じていないときに一対のシート部材41の両方と接し、ダンパ部40に捩れが生じているときに一対のシート部材41の片方と接する。プレート23は、内周部分にて、クラッチ装置側(図1の右側)に延在した円筒部23bを有する。
【0041】
図2を参照すると、円筒部23bは、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の隙間をシールするための第1フライホイール20側の構成部分である。円筒部23bは、プレート31と接触しないように、プレート31の凹部31dの近傍まで延在している。円筒部23bは、内周面にて、シール部材60の緩衝体62と弾性的に接するシール面23dを有する。シール面23dは、切削により軸方向に平坦な円筒面に仕上げられている。円筒部23bは、内周面におけるシール面23dよりもエンジン側(図2の左側)の部分にて、シール面23dよりも径方向内側に突出した環状の凸部23cを有する。凸部23cは、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。凸部23cは、円筒部23bのシール面23dを切削することで、シール面23dよりも径方向内側に突出している。凸部23cの高さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。円筒部23bは、先端部から径方向外側に突出した環状の凸部23eを有する。凸部23eは、プレート31と接触しないように形成されている。凸部23eは、シール部材60でシールできなかった潤滑油が円筒部23bの外周面を伝って装置の外部に飛散しないようにするためのものである。凸部23eは、プレート31の凹部31dの凸部31eよりも軸方向のクラッチ装置側(図2の右側)に配されている。
【0042】
リングギヤ24は、外周面にギヤが形成されたリング状の部材である。リングギヤ24は、プレート22の外周に配されており、溶接等によりプレート22に固定されている。
【0043】
第2フライホイール30は、ダンパ部40からの回転動力をクラッチ装置(図示せず)に伝達する環状の組立体である。第2フライホイール30は、ボールベアリング51を介して第1フライホイール20に回転可能に軸受けされるとともに、ボールベアリング51、ブッシュ52、及び皿ばね53を用いて第1フライホイール20に対する軸方向の移動が規制されている。第2フライホイール30は、第1フライホイール20に対する隙間がシール部材60によってシールされている。第2フライホイール30は、構成部材として、プレート31と、プレート32と、リベット33と、を有する。
【0044】
プレート31は、環状の部材である。プレート31は、外周部分にて、ボルト等によりクラッチ装置(図示せず)に連結される。プレート31は、プレート23の円筒部23bよりも径方向内側にて、シール部材60の金属環61の内周面と圧接するシール面31aを有する。シール面31aは、軸方向に平坦な円筒面となっており、金属環61が圧入嵌合される。プレート31は、シール面31aよりも軸方向のクラッチ装置側(図2の右側)、かつ、径方向外側の部分にて、軸方向のクラッチ装置側(図2の右側)に凹んだ環状の凹部31dを有する。凹部31dには、プレート23の円筒部23bの先端部が接触しないように挿入されている。凹部31dは、径方向外側の壁面における軸方向のエンジン側(図2の左側)の部分にて、径方向内側に突出した凸部31eを有する。凸部31eは、プレート23と接触しないように形成されている。凸部31eは、シール部材60でシールできなかった潤滑油が円筒部23bから出て凹部31dで受けられたときに、受けた潤滑油を凹部31dから出さない(装置の外部に出さない)ようにするためのものである。
【0045】
プレート31は、シール面31aよりも径方向内側にて、リベット33によりプレート32と連結されている。これにより、プレート31は、プレート32と一体に回転する。プレート31は、リベット33よりも径方向内側の部分にて軸方向のエンジン側(図1の左側)に延在した円筒部31bを有する。円筒部31bは、ボールベアリング51を介して支持部材21の円筒部21cに回転可能に支持されている。円筒部31bは、内周面にてボールベアリング51の外輪と圧入嵌合している。プレート31は、リベット33よりも径方向内側の部分から径方向内側に延在した環状のフランジ部31cを有する。フランジ部31cは、ボールベアリング51とブッシュ52との間に配されており、ボールベアリング51の内輪と接触しないように形成されている。フランジ部31cは、皿ばね53によりブッシュ52からボールベアリング51側に付勢されている。
【0046】
プレート32は、環状の部材である。プレート32は、プレート31の円筒部31bの外周に配されている。プレート32は、内周部分にて、リベット33によりプレート31に連結されている。これにより、プレート32は、プレート31と一体に回転する。プレート32は、外周部分にて、ダンパ部40のシート部材41及びコイルスプリング42を収容するための切欠の窓部32aを有する。窓部32aは、周方向両側の端面にて、一対のシート部材41と接離可能であり、ダンパ部40に捩れが生じていないときに一対のシート部材41の両方と接し、ダンパ部40に捩れが生じているときに一対のシート部材41の片方と接する。
【0047】
リベット33は、プレート31とプレート32とを連結するための部材である。
【0048】
ダンパ部40は、エンジン側の回転軸の回転動力が入力され、入力された回転動力をモータジェネレータの回転軸に向けて出力する。ダンパ部40は、1つの円周上にて、複数のコイルスプリング42が周期的に配設されている。ダンパ部40は、構成部材として、シート部材41と、コイルスプリング42と、を有する。
【0049】
シート部材41は、プレート22、23の収容部22a、23a、及びプレート32の窓部32aに収容され、当該収容部22a、23a及び窓部32aの周方向にある端面とコイルスプリング42の端部との間に配されている。シート部材41には、コイルスプリング42の摩耗を低減するために、樹脂を用いることができる。
【0050】
コイルスプリング42は、プレート22、23の収容部22a、23a、及びプレート32の窓部32aに収容され、両端に配設された一対のシート部材41と接している。コイルスプリング42は、ダンパ部40に捩り(プレート22、23とプレート32との間の捩り)が生じたときに収縮し、プレート22、23とプレート32との回転差によるショックを吸収する。
【0051】
ボールベアリング51は、プレート31を回転可能に支持部材21に支持させるための環状の軸受け部材である。ボールベアリング51は、外輪と内輪との間に複数のボールが介在している。外輪は、プレート31の円筒部31bの内周に圧入嵌合されている。内輪は、支持部材21の円筒部21cの外周に圧入嵌合されている。
【0052】
ブッシュ52は、プレート31の軸方向の移動を規制するための環状の部材である。ブッシュ52は、プレート31のフランジ部31cと支持部材21のフランジ部21dとの間に配されている。ブッシュ52は、支持部材21のフランジ部21d側から皿ばね53によって付勢されており、プレート31のフランジ部31cとスライド可能に圧接している。ブッシュ52は、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間にヒステリシスを発生させる機能もある。
【0053】
皿ばね53は、支持部材21のフランジ部21dとブッシュ52との間に配され、ブッシュ52を介してプレート31のフランジ部31cをボールベアリング51側に付勢する皿状のばねである。
【0054】
シール部材60は、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の隙間をシールする環状の部材である。シール部材60は、金属環61及び緩衝体62から構成される。金属環61は、プレスにより所定形状に形成された環状の部材である。金属環61は、プレート31のシール面31aの外周に圧入嵌合されている。これにより、金属環61は、プレート31のシール面31aの所定の位置に固定される。緩衝体62は、金属環61の径方向外側の端部に固定されるとともに、径方向外側に延在した環状の部分である。緩衝体62は、例えば、弾性変形可能なゴム、樹脂からなる。緩衝体62は、外周端部にて、プレート23のシール面23dに対して弾性的に接している。緩衝体62は、プレート23の凸部23cよりもシール面23d側の流体収容部63に溜まった潤滑油により潤滑される。
【0055】
流体収容部63は、装置内部に収容された潤滑油(流体)を出入り可能に収容する空間(凹み)である。流体収容部63は、シール部材60(特に緩衝体62)を潤滑する潤滑油を収容し、シール部材60に隣接して配される。流体収容部63は、プレート23の円筒部23bにおける凸部23c、シール面23d、及びシール部材60(主に、緩衝体62)によって部分的に囲まれている。流体収容部63には、凸部23cとシール部材60との間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の空間)の潤滑油が出入りする。
【0056】
実施例1によれば、プレート23の円筒部23bにおけるシール面23d、及びシール部材60(主に、緩衝体62)によって部分的に囲まれた流体収容部63がプレート23の円筒部23bにおける凸部23cによって部分的に仕切られているので、流体収容部63において潤滑油が溜まりやすくなり、流体収容部63に溜まった潤滑油によりシール部材60の緩衝体62が潤滑され、潤滑油切れによるシール部材60の摩耗を抑制することが可能である。
【0057】
また、実施例1によれば、第1フライホイール20のプレート23と第2フライホイール30のプレート31との間の隙間にシール部材60が取り付けられているので、装置内部への異物(例えば水、泥水、粉塵)の浸入の防止が可能である。
【0058】
また、実施例1によれば、プレート30に凹部31d及び凸部31eが形成されているので、シール部材60でシールできなかった潤滑油が円筒部23bから出て凹部31dで受けられたときに、受けた潤滑油を凹部31dから出さない(装置の外部に出さない)ようにすることが可能である。
【実施例2】
【0059】
本発明の実施例2に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施例2に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0060】
実施例2は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bのシール面23dを切削しないでプレスにより凸部23cを形成したものである。
【0061】
シール面23dは、プレスにより軸方向に平坦な円筒面に仕上げられている。凸部23cは、プレート23をプレス加工することで、シール面23dよりも径方向内側に突出している。
【0062】
その他の構成は、実施例1と同様である。
【0063】
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、プレート23における円筒部23bのシール面23d及び凸部23cがプレス加工により形成されるので、プレート23の製造コストを削減することができる。
【実施例3】
【0064】
本発明の実施例3に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施例3に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0065】
実施例3は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部23cを設けるだけでなく、シール部材60の緩衝体62に突起部62bを形成したものである。
【0066】
緩衝体62は、金属環61の径方向外側の端部に固定されるとともに、径方向外側に延在した環状の部分である。緩衝体62は、例えば、弾性変形可能なゴム、樹脂からなる。緩衝体62は、外周端部にて、プレート23のシール面23dに対して弾性的に接する環状の舌状部62aを有する。舌状部62aは、流体収容部63に溜まった潤滑油により潤滑される。緩衝体62は、舌状部62aよりも装置内部側(図4の右側)に配された突起部62bを有する。突起部62bは、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。突起部62bの高さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。なお、流体収容部63には、突起部62bと円筒部23bとの間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が出入りする。なお、図4では、流体収容部63の仕切りとして緩衝体62に突起部62bを設けているが、その代わりに金属環61に突起部を設けてもよい。また、突起部62bは、プレート23のシール面23dに対して弾性的に接していてもよい。
【0067】
その他の構成は、実施例1と同様である。
【0068】
実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、プレート23の円筒部23bにおけるシール面23d、及びシール部材60における緩衝体62の舌状部62aによって部分的に囲まれた流体収容部63が緩衝体62の突起部62bによって部分的に仕切られているので、流体収容部63において潤滑油が溜まりやすくなり、流体収容部63に溜まった潤滑油によりシール部材60における緩衝体62の舌状部62aが潤滑され、潤滑油切れによるシール部材60の摩耗を抑制することが可能である。
【実施例4】
【0069】
本発明の実施例4に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施例4に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0070】
実施例4は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部23cを設けるだけでなく、プレート31に突起部31fを形成したものである。また、金属環(図3の61)を有するシール部材(図3の60)を用いる代わりに緩衝体のみからなるシール部材64を用いている。
【0071】
プレート31は、プレート23における円筒部23bよりも径方向内側にある円筒面(図3のシール面31aに相当)上にて、径方向外側に突出した環状の突起部31f、31gを有する。突起部31f、31gは、プレート23における円筒部23bと抵触しないように形成されている。突起部31fは、突起部31gよりも装置内側(図5の左側)に配されている。突起部31fは、シール部材64(特に、舌状部64a)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。突起部31fの高さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。なお、流体収容部63には、突起部31fと円筒部23bとの間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が出入りする。突起部31fと突起部31gとの間に形成される環状の溝には、シール部材64が装着されている。
【0072】
シール部材64は、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の隙間をシールする環状の部材である。シール部材64は、緩衝体のみからなり、例えば、弾性変形可能なゴム、樹脂からなる。シール部材64は、突起部31fと突起部31gとの間に形成される環状の溝に装着固定された部分から径方向外側に延在した環状の舌状部64aを有する。舌状部64aは、外周端部にて、プレート23のシール面23dに対して弾性的に接している。舌状部64aは、プレート23の凸部23cよりもシール面23d側の流体収容部63に溜まった潤滑油により潤滑される。
【0073】
その他の構成は、実施例1と同様である。
【0074】
実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、プレート23の円筒部23bにおけるシール面23d、及びシール部材64における舌状部64aによって部分的に囲まれた流体収容部63がプレート31の突起部31fによって部分的に仕切られているので、流体収容部63において潤滑油が溜まりやすくなり、流体収容部63に溜まった潤滑油によりシール部材64における舌状部64aが潤滑され、潤滑油切れによるシール部材64の摩耗を抑制することが可能である。
【実施例5】
【0075】
本発明の実施例5に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例5に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0076】
実施例5は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部23cを設けるだけでなく、プレート34を設けたものである。
【0077】
プレート34は、環状の部材である。プレート34は、プレート31のシール面31aよりも装置内側(図6の左側)、かつ、径方向内側に形成された円筒面の外周に装着固定(圧入嵌合、溶接)されている。プレート34は、プレート23における円筒部23bと抵触しないように形成されている。プレート34は、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。プレート34の径方向の長さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。なお、流体収容部63には、プレート34と円筒部23bとの間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が出入りする。なお、図6では、流体収容部63の仕切りとなるプレート34をプレート31に装着固定しているが、その代わりにプレート23に装着固定してもよい。
【0078】
その他の構成は、実施例1と同様である。
【0079】
実施例5によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、プレート23の円筒部23bにおけるシール面23d、及びシール部材60における緩衝体62によって部分的に囲まれた流体収容部63がプレート34によって部分的に仕切られているので、流体収容部63において潤滑油が溜まりやすくなり、流体収容部63に溜まった潤滑油によりシール部材60における緩衝体62が潤滑され、潤滑油切れによるシール部材60の摩耗を抑制することが可能である。
【実施例6】
【0080】
本発明の実施例6に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例6に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0081】
実施例6は、実施例5の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート34において装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が流体収容部63に出入りする1又は複数の穴部34aを設けたものである。穴部34aの個数又は大きさは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。なお、プレート34は、外周端部にて、プレート23(円筒部23b)に当接しないように形成されている。その他の構成は、実施例5と同様である。
【0082】
実施例6によれば、実施例5と同様な効果を奏する。
【実施例7】
【0083】
本発明の実施例7に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例7に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0084】
実施例7は、実施例6の変形例であり、流体収容部63への潤滑油の出入口に関し、プレート34において穴部(図7の34a)を設ける代わりに、プレート34において1又は複数のスリット部34b(切欠部でも可)を設けたものである。スリット部34bは、穴部34aよりも径方向外側に形成される。その他の構成は、実施例6と同様である。
【0085】
実施例7によれば、実施例6と同様な効果を奏する。
【実施例8】
【0086】
本発明の実施例8に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施例8に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0087】
実施例8は、実施例2の変形例であり、装置内部から流体収容部63に潤滑油が勢いよく給油されても外部に漏れていかないように、プレート23においてシール部材60の緩衝体62の倒れ込みを支える(バックアップする)フランジ部23fを設けたものである。
【0088】
フランジ部23fは、プレート23の円筒部23bの先端部(プレート31側の先端部)から径方向内側に延在した環状の部分である。フランジ部23fは、プレート31のシール面31aと抵触しないように形成されている。フランジ部23fは、緩衝体62の倒れ込みを支えるだけでなく、万が一、シール部材60でシールしきれず潤滑油が外部側に漏れても装置の外部に漏れないようにすることができる。つまり、装置が回転しているときにシール部材60の外部側に漏れた潤滑油が遠心力でプレート23の円筒部23bに寄り集まるので、フランジ部23fにより潤滑油が外部に漏れていかない。なお、図9では、プレート23において凸部(図3の23eに相当)を設けていないが、設けてもよい。
【0089】
その他の構成は、実施例2と同様である。
【0090】
実施例8によれば、実施例2と同様な効果を奏するとともに、プレート23においてフランジ部23fを設けることにより、シール部材60の緩衝体62が倒れ込んでもフランジ部23fで支えられるので潤滑油の流出の防止が可能であるとともに、万が一、潤滑油がシール部材60から外部側に漏れたとしてもフランジ部23fで漏れが阻止されるので、装置外部に潤滑油を漏れないようにすることができる。
【実施例9】
【0091】
本発明の実施例9に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施例9に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0092】
実施例9は、実施例8の変形例であり、実施例8のプレート(図9の31に相当)をハブ部材35及びプレート36に分割した構成とし、ハブ部材35及びプレート36をボルト37で連結可能な構成とし、ハブ部材35に凹部35bを形成し、プレート23におけるフランジ部23fを凹部35bに入るまで(ハブ部材35のシール面35aよりも径方向内側まで)延在させたものである。なお、凹部35bのような凹部は、プレート36に形成してもよい。また、ハブ部材35とプレート36とを分割する位置は、凹部35bが形成される位置の軸方向の範囲内であればよい。プレート(図9の31に相当)をハブ部材35及びプレート36に分割したのは、フランジ部23fを凹部35bに入るように組立可能にするためである。
【0093】
ハブ部材35は、所定形状に形成された環状の部材である。ハブ部材35は、プレート23の円筒部23bよりも径方向内側にて、シール部材60の金属環61の内周面と圧接するシール面35aを有する。シール面35aは、軸方向に平坦な円筒面となっており、金属環61が圧入嵌合される。ハブ部材35は、シール面35aよりも軸方向のクラッチ装置側(図10の右側)にて、シール面35aよりも径方向内側に凹んだ段差状の凹部35bを有する。凹部35bには、プレート23におけるフランジ部23fが接触しないように挿入されている。ハブ部材35は、シール面35aよりも径方向内側にて、リベット(図1の33に相当)によりプレート(図1の32に相当)と連結されている。これにより、ハブ部材35は、プレート(図1の32に相当)と一体に回転する。ハブ部材35は、リベット(図1の33に相当)よりも径方向内側の部分にて軸方向のエンジン側(図1の左側)に延在した円筒部(図1の31bに相当)を有する。円筒部(図1の31bに相当)は、ボールベアリング(図1の51に相当)を介して支持部材(図1の21に相当)の円筒部(図1の21cに相当)に回転可能に支持されている。円筒部(図1の31bに相当)は、内周面にてボールベアリング(図1の51に相当)の外輪と圧入嵌合している。ハブ部材35は、リベット(図1の33に相当)よりも径方向内側の部分から径方向内側に延在した環状のフランジ部(図1の31cに相当)を有する。フランジ部(図1の31cに相当)は、ボールベアリング(図1の51に相当)とブッシュ(図1の52に相当)との間に配されており、ボールベアリング(図1の51に相当)の内輪と接触しないように形成されている。フランジ部(図1の31cに相当)は、皿ばね(図1の53に相当)によりブッシュ(図1の52に相当)からボールベアリング(図1の51に相当)側に付勢されている。
【0094】
プレート36は、環状の部材である。プレート36は、外周部分にて、ボルト等によりクラッチ装置(図示せず)に連結される。プレート36は、内周部分にて、ボルト37によりハブ部材35に連結される。プレート36は、ハブ部材35のシール面35aよりも軸方向のクラッチ装置側(図10の右側)にて、軸方向のクラッチ装置側(図2の右側)に凹んだ段差状で環状の凹部36aを有する。凹部36aには、プレート23の円筒部23b及びフランジ部23fが接触しないように挿入されている。凹部36aは、径方向外側の壁面における軸方向のエンジン側(図2の左側)の部分にて、径方向内側に突出した凸部36bを有する。凸部36bは、プレート23と接触しないように形成されている。凸部36bは、プレート23のフランジ部23fで漏れを防止できなかった潤滑油が凹部36aで受けられたときに、受けた潤滑油を凹部36aから出さない(装置の外部に出さない)ようにするためのものである。
【0095】
その他の構成は、実施例8と同様である。
【0096】
実施例9によれば、実施例8と同様な効果を奏するとともに、実施例8よりもフランジ部23fでの潤滑油の漏れの阻止がより効果的になる。
【実施例10】
【0097】
本発明の実施例10に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図11は、本発明の実施例10に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0098】
実施例10は、実施例8の変形例であり、外部から装置内部(流体収容部63)に異物が勢いよく入ってきても装置内部に浸入していかないように、シール部材60の緩衝体62の倒れ込みを支える(バックアップする)プレート25を設けたものである。また、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部(図10の23c)の代わりに、プレート25を用いている。
【0099】
プレート25は、環状の部材である。プレート25は、プレート23の内側に装着固定(リベットかしめ、溶接)されている。プレート25は、プレート23における円筒部23bよりも径方向内側に延在しており、プレート31のシール面31aと抵触しないように形成されている。プレート25は、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。プレート25の径方向の長さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。なお、流体収容部63には、プレート25とシール面31aとの間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が出入りする。また、プレート25は、流体収容部63の仕切りだけでなく、シール部材60の緩衝体62の装置内部側への倒れ込みを支える。
【0100】
その他の構成は、実施例8と同様である。
【0101】
実施例10によれば、実施例8と同様な効果を奏するとともに、プレート25を設けることにより、シール部材60の緩衝体62が倒れ込んでもプレート25で支えられるので外部からの異物の浸入の防止が可能である。
【実施例11】
【0102】
本発明の実施例11に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施例11に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0103】
実施例11は、実施例1の変形例であり、シール部材60の固定に関し、シール部材60の金属環61をプレート31のシール面(図2の31a)の外周に圧入嵌合するのではなく、リベット65(ネジ等の連結部材でも可)を用いて金属環61をプレート31に連結したものである。プレート31は、金属環61を位置決めするための段差部31hを有する。なお、リベット65を用いないで、金属環61を直接プレート31に溶接することでシール部材60を固定するようにしてもよい。その他は実施例1と同様である。
【0104】
実施例11によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、シール部材60の金属環61がプレート31に圧入嵌合しなくても、リベット65等の連結部材により金属環61をプレート31に連結固定できるようになるので、シール部材60の歩留まりを向上させることができる。
【実施例12】
【0105】
本発明の実施例12に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図13は、本発明の実施例12に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0106】
実施例12は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部(図2の23c)を設けるのを止めて、円筒部23bの内周にプレート26を圧入固定したものである。また、プレート31において、シール部材60の金属環61を位置決めするための段差部(図12の31hに相当)を形成してもよい。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0107】
プレート26は、円筒状に形成された円筒部26bのエンジン側(図13の左側)の端部から径方向内側に延在した環状のフランジ部26aを有するプレートである。円筒部26bは、円筒部23bの内周に圧入固定されている。円筒部26bは、内周面にて、シール部材60の緩衝体62と弾性的に接するシール面となっている。フランジ部26aは、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。フランジ部26aの径方向の長さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。フランジ部26aにおいて、必要に応じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が流体収容部63に出入りする1又は複数の穴部26cを形成してもよい。
【0108】
実施例12によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例13】
【0109】
本発明の実施例13に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図14は、本発明の実施例13に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0110】
実施例13は、実施例1の変形例であり、プレート23において円筒部(図2の23b)を設けるのを止め、プレート23の内周端部に環状の凸部23cを設けるとともに、円筒面となった段差部23gを設け、段差部23gの内周に円筒部材27を圧入固定したものである。また、プレート31において、シール部材60の金属環61を位置決めするための段差部(図12の31hに相当)を形成してもよい。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0111】
円筒部材27は、第1フライホイール20と第2フライホイール30との間の隙間をシールするための第1フライホイール20側の構成部材である。円筒部材27は、プレート31と接触しないように、プレート31の凹部31dの近傍まで延在している。円筒部材27は、内周面にて、シール部材60の緩衝体62と弾性的に接するシール面を有する。シール面は、軸方向に平坦な円筒面に仕上げられている。円筒部材27は、エンジン側(図14の左側)の端部にて、凸部23cの側壁面と当接している。円筒部材27は、先端部から径方向外側に突出した環状の凸部27eを有する。凸部27eは、プレート31と接触しないように形成されている。凸部27eは、シール部材60でシールできなかった潤滑油が円筒部材27の外周面を伝って装置の外部に飛散しないようにするためのものである。凸部27eは、プレート31の凹部31dの凸部31eよりも軸方向のクラッチ装置側(図14の右側)に配されている。
【0112】
なお、凸部23cは、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。凸部23cの高さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。また、フランジ部26aにおいて、必要に応じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が流体収容部63に出入りする1又は複数の穴部26cを形成してもよい。
【0113】
実施例13によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例14】
【0114】
本発明の実施例14に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図15は、本発明の実施例14に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0115】
実施例14は、実施例1の変形例であり、流体収容部63の仕切りに関し、プレート23における円筒部23bに凸部23cを設けるだけでなく、プレート23にプレート25を連結固定したものである。また、プレート31において、シール部材60の金属環61を位置決めするための段差部(図12の31hに相当)を形成してもよい。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0116】
プレート25は、環状の部材である。プレート25は、リベット28(ネジ、溶接でも可)によってプレート23の内側に連結固定されている。プレート25は、プレート23における円筒部23bよりも径方向内側に延在しており、プレート31のシール面31aと抵触しないように形成されている。プレート25は、シール部材60(特に、緩衝体62)に対して潤滑する潤滑油を収容する流体収容部63に潤滑油を溜めやすくするための仕切りとなる部分である。プレート25の径方向の長さは、流体収容部63に溜まった潤滑油を流体収容部63から出にくくするとともに、新たな潤滑油を流体収容部63に入りやすくするように調整される。プレート25において、必要に応じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が流体収容部63に出入りする1又は複数の穴部25aを形成してもよい。なお、流体収容部63には、プレート25とシール面31aとの間の環状の隙間を通じて、装置内部(流体収容部63以外の装置内部の空間)の潤滑油が出入りする。
【0117】
実施例14によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例15】
【0118】
本発明の実施例15に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図16は、本発明の実施例15に係るトルク変動吸収装置におけるシール構成を模式的に示した拡大断面図である。
【0119】
実施例15は、実施例1の変形例であり、シール部材60に関し、緩衝体62において環状の突起部62aだけでなく環状の突起部62bを設けたダブルリップ構造としたものである。突起部62bは、先端部がエンジン側(図16の左側)に倒れ込んだ状態でプレート23のシール面23dに対して弾性的に接する。その他の構成は、実施例1と同様である。なお、このようなダブルリップ構造は、他の実施例においても適用することができる。
【0120】
実施例15によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
【0121】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0122】
1 トルク変動吸収装置
10 クランクシャフト
10a フランジ部
10b 円筒部
11 ボルト
20 第1フライホイール(第1回転部材)
21 支持部材
21a 円筒部
21b フランジ部
21c 円筒部
21d フランジ部
22 プレート
22a 収容部
23 プレート(第1回転部材)
23a 収容部
23b 円筒部
23c 凸部(第1凸部)
23d シール面
23e 凸部(第2凸部)
23f フランジ部
23g 段差部
24 リングギヤ
25 プレート
25a 穴部
26 プレート
26a フランジ部
26b 円筒部
26c 穴部
27 円筒部材
27a 凸部
28 リベット(連結部材)
30 第2フライホイール(第2回転部材)
31 プレート(第2回転部材)
31a シール面
31b 円筒部
31c フランジ部
31d 凹部(第1凹部)
31e 凸部(第3凸部)
31f 突起部(第2突起部)
31g 突起部
31h 段差部
32 プレート
32a 窓部
33 リベット
34 プレート
34a 穴部
34b スリット部
35 ハブ部材
35a シール面
35b 凹部(第2凹部)
36 プレート
36a 凹部
36b 凸部
37 ボルト
40 ダンパ部
41 シート部材
42 コイルスプリング
51 ボールベアリング
52 ブッシュ
53 皿ばね
60 シール部材
61 金属環
62 緩衝体
62a 舌状部
62b 突起部(第1突起部)
63 流体収容部
64 シール部材
64a 舌状部
65 リベット(連結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に配された第1回転部材と、
前記第1回転部材に対して回転可能に配された第2回転部材と、
前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の捩れによる変動トルクを吸収するとともに、前記第1回転部材と前記第2回転部材とに囲まれた内部空間に収容されたダンパ部と、
前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の隙間にて前記内部空間に収容された流体をシールするシール部材と、
前記内部空間に収容された前記流体の出入りを調整可能にするとともに、前記シール部材を潤滑する流体を収容する流体収容部と、
を備えることを特徴とするトルク変動吸収装置。
【請求項2】
前記シール部材は、前記第2回転部材に固定される金属環と、前記金属環に固定されるとともに前記第1回転部材に対して弾性的に接する環状の緩衝体と、を備えることを特徴とする請求項1記載のトルク変動吸収装置。
【請求項3】
前記シール部材は、前記第2回転部材に固定される固定部と、前記固定部から延在するとともに前記第1回転部材に対して弾性的に接する舌状部と、を備えることを特徴とする請求項1記載のトルク変動吸収装置。
【請求項4】
前記内部空間と前記流体収容部との間の前記流体の出入りを調整する仕切り部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のトルク変動吸収装置。
【請求項5】
前記仕切り部は、前記第1回転部材に形成された第1凸部であることを特徴とする請求項4記載のトルク変動吸収装置。
【請求項6】
前記第1凸部は、前記シール面を切削することにより形成されることを特徴とする請求項5記載のトルク変動吸収装置。
【請求項7】
前記第1凸部は、プレスにより形成されることを特徴とする請求項5記載のトルク変動吸収装置。
【請求項8】
前記仕切り部は、前記シール部材に形成された第1突起部であることを特徴とする請求項4記載のトルク変動吸収装置。
【請求項9】
前記第1回転部材及び前記第2回転部材の一方に固定されたプレートを備え、
前記仕切り部は、前記プレートであることを特徴とする請求項4記載のトルク変動吸収装置。
【請求項10】
前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方にスライド可能に接するとともに、前記内部空間と前記流体収容部との間で前記流体が出入りする1又は複数の穴部を有することを特徴とする請求項9記載のトルク変動吸収装置。
【請求項11】
前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方にスライド可能に接するとともに、前記内部空間と前記流体収容部との間で前記流体が出入りする1又は複数のスリット部を有することを特徴とする請求項9又は10記載のトルク変動吸収装置。
【請求項12】
前記プレートは、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方と離間しており、
前記プレートと前記第1回転部材及び前記第2回転部材の他方との間の隙間を通じて、前記内部空間と前記流体収容部との間での前記流体の出入りが可能であることを特徴とする請求項9記載のトルク変動吸収装置。
【請求項13】
前記プレートは、前記第1回転部材に固定され、
前記プレートは、前記シール部材の一部が前記プレート側に倒れこんだときに前記シール部材の一部を支えることが可能な位置に配されていることを特徴とする請求項12記載のトルク変動吸収装置。
【請求項14】
前記仕切り部は、前記第2回転部材に形成された第2突起部であることを特徴とする請求項4記載のトルク変動吸収装置。
【請求項15】
前記第1回転部材は、前記シール部材よりも前記第1回転部材の回転軸線から離れた位置において軸方向の前記第2回転部材に向かって延在した円筒部を有し、
前記円筒部は、内周面にて回転軸方向に平坦なシール面を有し、
前記シール部材は、前記シール面に対して弾性的に接することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一に記載のトルク変動吸収装置。
【請求項16】
前記第2回転部材は、前記第1回転部材に面する部分に形成された環状の第1凹部を有し、
前記円筒部は、前記第1凹部と接触しないように挿入されていることを特徴とする請求項15記載のトルク変動吸収装置。
【請求項17】
前記円筒部は、先端部の外周面に第2凸部を有し、
前記第1凹部は、前記シール部材よりも前記第1回転部材の回転軸線から離れた位置に位置する壁面に第3凸部を有し、
前記第2凸部は、軸方向において、前記第3凸部よりも、前記第1凹部の底面側に配されていることを特徴とする請求項16記載のトルク変動吸収装置。
【請求項18】
前記円筒部は、先端部から前記第1回転部材の回転軸線に近づく方向に延在したフランジ部を有し、
前記フランジ部は、軸方向において前記シール部材と前記第2回転部材との間に配されることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一に記載のトルク変動吸収装置。
【請求項19】
前記フランジ部は、前記シール部材の一部が前記フランジ部側に倒れこんだときに前記シール部材の一部を支えることが可能な位置に配されていることを特徴とする請求項18記載のトルク変動吸収装置。
【請求項20】
前記第2回転部材は、前記第1回転部材の回転軸線に近づく方向に凹んだ第2凹部を有し、
前記フランジ部は、前記第2凹部と接触しないように前記第2凹部に入るまで延在していることを特徴とする請求項18又は19記載のトルク変動吸収装置。
【請求項21】
前記第2回転部材は、前記第2凹部が形成される位置の軸方向の範囲内で連結可能に分割された部分を有することを特徴とする請求項20記載のトルク変動吸収装置。
【請求項22】
前記シール部材を前記第2回転部材に連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一に記載のトルク変動吸収装置。
【請求項23】
前記第1回転部材は、前記シール部材よりも前記第1回転部材の回転軸線から離れた位置において軸方向の前記第2回転部材から離れる方向に延在した円筒部を有し、
前記円筒部は、内周面にて回転軸方向に平坦なシール面を有し、
前記シール部材は、前記シール面に対して弾性的に接することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一に記載のトルク変動吸収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−82923(P2012−82923A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231095(P2010−231095)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】