説明

トレイ内対象物の取出し装置

【課題】 トレイに積み重ねられた取出対象物を、重ねられた状態で、容易にかつ作業効率よく取り出すことの可能なトレイ内対象物の取出し装置の提供を目的とする。
【解決手段】 トレイ内対象物の取出し装置1は、取出対象物9の積み重ねられたトレイ90を、取出対象物9が重なった状態でトレイ90から滑り出るように、傾ける回動手段2と、トレイ90から滑り出た取出対象物9が、重なった状態で移動する傾斜したベルトコンベア4とを備えた構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイ内対象物の取出し装置に関し、特に、トレイ内に積み重ねられた宅配用の大型封筒などの取出対象物を、重なった状態で作業効率よくトレイから取り出すことのできる、トレイ内対象物の取出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、書類,雑誌,書籍,CDケース等が、宅配便によって運送されている。この運送において、書類や雑誌等は、宅配用の大型封筒に収められ、この大型封筒は、一般的に、区分機によって配達先ごとに区分けされる。
この際、上記大型封筒は、まず、トレイに積み重ねられ、続いて、搬送手段(たとえば、ローラコンベア等)によって区分機の供給部に搬送される。そして、作業者が、大型封筒をトレイから取り出し、区分機の供給部に、立てた状態で水平方向に重ねて供給する。
【0003】
(従来技術)
次に、従来のトレイ内対象物の取出し装置について図面を参照して説明する。
図7は、従来例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の概略図であり、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。
同図において、トレイ内対象物の取出し装置100(適宜、取出し装置100と略称する。)は、回動板110,回動駆動部としてのエアシリンダ120及び作業台130とからなっている。
なお、取出対象物9は、大型封筒等のほぼ矩形板状である。また、この取出対象物9は、開口部が広がったほぼ直方体状のトレイ90に、積み重ねられた状態で、ローラコンベア170により搬送される。
【0004】
(ローラコンベア)
ローラコンベア170は、複数のローラ171,ローラ171が回転自在に配設される一対のフレーム172,ローラ171を回転させる駆動手段(図示せず)及びトレイ90をガイドするガイドレール173を備えた構成としてある。
このローラコンベア170は、架台174の上部に設けられている。
また、ローラコンベア170は、ローラ171が駆動手段によって、制御された状態で回転し、トレイ90を取出し装置100に自動的に供給する。
【0005】
回動板110は、金属又は樹脂製の底板111,側板112及び係止板113とからなり、側面から見ると、鉤状に成形してある。この回動板110は、底板111の作業者側の端部が、作業者側のフレーム172に回動自在に固定されている。また、側板112の上端部には、係止板113が、底板111とほぼ平行に、かつ、作業者側に突設されている。この係止板113は、トレイ90が倒されたときの勢いで作業者側に移動するのを防止するとともに、トレイ90をローラコンベア170上にもどす際、トレイ90を係止する。
【0006】
エアシリンダ120は、ロッド先端部121が底板111の中央部に回動自在に取り付けられ、かつ、シリンダ本体122が架台174に回動自在に取り付けてある。また、エアシリンダ120は、ロッド先端部121を往復移動させることにより、回動板110を作業者側にほぼ85度回動させることができる。
なお、このエアシリンダ120は、押しボタンスイッチ(図示せず)等を介して、作業者によってオンオフ制御される。
【0007】
(作業台)
作業台130は、ローラコンベア170と隣接して、架台174の上部に水平に設けられている。
また、この作業台130は、区分機の供給部(図示せず)と連結してある。
【0008】
次に、上記構成の取出し装置100の動作及び作業者の動作について、図面を参照して説明する。
図8は、従来例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開始前の状態の上面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の上面図を、(c)は取出対象物を引き出している状態の上面図を、(d)は取出対象物を引き出し終わった状態の上面図を示している。
同図(a)において、ローラコンベア170は、取出対象物9が積み重ねられたトレイ90を、回動板110の位置まで搬送して停止させる。なお、後続のトレイ90は、回動板110の手前で待機している。
また、作業者200は、右手201を作業台130の上に出し、回動してくる取出対象物9を支える用意をする。
【0009】
次に、同図(b)に示すように、作業者200が、左手202で押しボタンスイッチ123を押下すると、エアシリンダ120が作動して回動板110を開方向に回動させ、トレイ90が作業台130上にほぼ85度回動し、横向きに倒れる。
ここで、トレイ90内の取出対象物9は、作業者200の右手201によって倒れないように支えられる。
【0010】
次に、同図(c)に示すように、作業者200は、トレイ90に積み重ねられた取出対象物9を、作業者側に傾ける。続いて、図示してないが、右手201で作業者側の取出対象物9を下から支えつつ、左手202を取出対象物9の上部とトレイ90の間の隙間に入れ、コンベア側の取出対象物9を上から押えて、倒れた状態で重ねられた複数の取出対象物9を両手で挟むように保持する。
【0011】
次に、同図(d)に示すように、作業者200は、両手で挟んだ取出対象物9をトレイ90から引き出し、続いて、図示してないが、引き出した取出対象物9を供給部にセットする。次に、図示してないが、押しボタンスイッチ123を左手202で押すと、回動板110とトレイ90が閉方向に回動し、トレイ90がローラコンベア170上に載置され、ローラコンベア170が空のトレイ90を搬送する。
これにより、取出し装置100を使用した取出作業の一サイクルが終了する。
【0012】
このように、トレイ内対象物の取出し装置100は、トレイ90を約85度回動させて、トレイ90を横向きに倒すことができる。これにより、作業者200は、積み重ねられた取出対象物9を、持ち上げなくても水平方向に滑らすことによって、トレイ90から引き出すことができ、作業効率を大幅に向上させることができる。また、取出対象物9を上方に持ち上げ、トレイ90から取り出す作業に比べると、取出し装置100を使用した取出作業は軽作業であり、作業者の肉体的疲労を低減することができる。
【0013】
なお、区分機としては、たとえば、搬送間隔可変式搬送機の技術が開示されている(特許文献1参照)。この搬送機は、無端ループ状経路の直線部と曲線部との境界部に、搬送ボックスの間隔を可変とする搬送間隔可変機構を設け、直線部での搬送ボックスの実装密度を高め、直線部における搬送速度を必要最小限に抑えている。このようにすることにより、搬送物の処理能力が低下せず、かつ、搬送物の移載動作及び排出動作が安定する。
【特許文献1】特開2003−237926号公報 (請求項1、図2,5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述した従来の取出し装置100は、以下のような問題があった。
まず、図8(c)で説明したように、取出し装置100は、作業者200が、左手202を取出対象物9の上部とトレイ90の間の隙間に入れ、コンベア側の取出対象物9を上から押えて、倒れた状態で重ねられた複数の取出対象物9を両手で挟む必要がある。この左手202を取出対象物9の上部とトレイ90の間の隙間を通して、トレイ90の奥まで挿入する作業は、作業しづらいといった問題があった。また、この左手202を挿入するのに時間がかかり、作業効率が低下するといった問題があった。
また、取出対象物9が大型化し重くなると、トレイ90から重なった複数の取出対象物9を引き出す際、さらに重くなり作業性が低下するとともに、作業者の肉体的疲労が増大するといった問題があった。
【0015】
本発明は、上記問題を解決すべく、トレイに積み重ねられた取出対象物を、重ねられた状態で、容易にかつ作業効率よく取り出すことの可能なトレイ内対象物の取出し装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は取出対象物の積み重ねられたトレイから、前記取出対象物が重なった状態で出るように、前記トレイを傾ける回動手段と、前記トレイから出た取出対象物が、重なった状態で移動する搬送手段とを具備した構成としてある。
このようにすると、作業者が左手をトレイに入れなくてもすむので、トレイから取出対象物を容易に取り出すことができ、作業効率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記搬送手段が、傾いている構成としてある。
このようにすると、トレイから取出対象物をよりスムースに取り出すことができる。
【0018】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記回動手段が、前記トレイを横向きに倒す第一の回動部材と、前記トレイをさらに傾ける第二の回動部材を有する構成としてある。さらに、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記回動手段が、前記トレイとともに、前記トレイを搬送する搬送手段を回動させる構成としてある。
このようにすると、トレイ内対象物の取出し装置の構造を単純化することができ、設備費のコストダウンを図ることができる。
【0019】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記トレイから出る前記取出対象物を重なった状態で移動させる、支持手段を設けた構成としてある。
このようにすると、作業者が取出対象物を支えなくても、取出対象物を重ねた状態でトレイから自動的に出させることができ、正味作業時間を短縮することができる。
【0020】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記搬送手段を、ベルトコンベアとした構成としてある。
このようにすると、取出対象物がスムースに搬送手段を移動するので、作業者の肉体的疲労を低減することができる。
【0021】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記ベルトコンベアを、段付きベルトコンベアとした構成としてある。
このようにすると、取出対象物がベルトの段に係止されるので、取出対象物が滑るといった不具合を防止することができる。
【0022】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記取出対象物が、大型封筒である構成としてある。
このように、取出対象物が大型化するほど、作業者の肉体的疲労を効果的に低減することができる。
【0023】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記搬送手段が、区分機の供給部と連結している構成としてある。
このようにすると、重ねた状態のまま取出対象物を容易に区分機の供給部にセットすることができ、作業効率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、前記傾けられたトレイから前記取出対象物を押し出す、排出手段を設けた構成としてある。
このようにすると、より確実にトレイから取出対象物を取り出すことができる。また、取出し装置の構造を単純化でき、設備費のコストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、作業しづらい作業をしなくてもすむので、容易に作業できるとともに、作業効率を向上させることができる。
さらに、トレイ内対象物の取出し装置は、積み重ねられた取出対象物を、トレイから重なった状態で自動的に取り出すことができるので、正味作業時間が短縮でき、作業効率をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[第一実施形態]
図1aは、本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
また、図1bは、本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略上面図を示している。
同図において、トレイ内対象物の取出し装置1(適宜、取出し装置1と略称する。)は、取出対象物9の積み重ねられたトレイ90を、取出対象物9が重なった状態でトレイ90から滑り出るように、傾ける回動手段2と、トレイ90から滑り出た取出対象物9が、重なった状態で移動する傾斜したベルトコンベア4とを備えた構成としてある。
【0027】
(取出対象物)
本実施形態の取出対象物9は、ほぼ矩形板状の大型封筒としてあり、取出対象物9が大型化するほど、作業者の肉体的疲労を効果的に低減することができる。
なお、本発明の取出対象物9は、大型封筒に限定されるものではない。
【0028】
(回動手段)
回動手段2は、トレイ90をほぼ横向きに倒す第一の回動部材21と、トレイ90をさらに傾ける第二の回動部材22とからなっており、取出し装置1の構造を単純化することができ、設備費のコストダウンを図ることができる。
なお、回動手段2は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、様々な構成の回動手段を用いてもよい。
【0029】
第一の回動部材21は、金属又は樹脂製の底板211及び側板212からなり、側面から見ると、鉤状に成形してある。
この底板211は、コンベア側の端に係止板213が突設され、作業者側の端において、側板212と連結されるとともに、回動軸214により回動自在に軸支されている。
また、側板212は、下方端部において、底板211と連結されるとともに、回動軸214により軸支されている。さらに、側板212は、中央部に、第二の回動部材22が回動するための切欠215が形成され、上方端部に、滑り面216を有する係止部217が形成されている。
なお、第一の回動部材21は、上記従来例の回動板110とほぼ同様の機構によって、回動駆動部としての第一のエアシリンダ(図示せず)により、時計回り方向に約85度回動し、トレイ90を横向きに倒すことができる。
【0030】
第二の回動部材22は、金属又は樹脂製の底板221からなる。底板221は、コンベア側の端に係止板222が突設され、作業者側の端において、回動軸223により回動自在に軸支されている。
第二の回動部材22は、上記従来例の回動板110とほぼ同様の機構によって、回動駆動部としての第二のエアシリンダ(図示せず)により、側板212の切欠215を通って回動し、取出対象物9が重なった状態でトレイ90から滑り出るように傾けることができる。この際、横向きに倒されたトレイ90は、下方角部が底板221によって持ち上げられ、上方端部が、第一の回動部材21の係止部217によって係止される。
【0031】
(搬送手段)
搬送手段としてのベルトコンベア4は、トレイ90から滑り出た取出対象物9が、重なった状態でスムースに移動できるように、傾斜して設けてある。また、ベルトコンベア4は、下方端部が、区分機(図示せず)の供給部300のベルトコンベア310上に取り付けられ、上方端部には、ほぼ水平方向に回動された側板212の滑り面216の先端が当接する。
このベルトコンベア4は、モータ等の駆動手段を備えておらず、トレイ90から滑り出た取出対象物9の自重によって、回転する構成としてある。このようにすると、取出対象物9がベルトコンベア4上に載ると、取出対象物9の自重により、ベルトコンベア4を動かして自動的に下まで移動する。ただし、このとき、作業者200は、移動する取出対象物9が倒れないように手で支える必要がある。
なお、搬送手段は、上記ベルトコンベア4に限定されるものではなく、たとえば、駆動手段付きベルトコンベアや表面が滑りやすい板でもよい。
【0032】
(筐体)
取出し装置1は、安全性を向上させる目的で、トレイ90やローラコンベア170のための開口部を除いて、筐体5で覆われている。
また、筐体5は、作業者側端部に板状のストッパ51が設けられており、このストッパ51が、傾けられたトレイ90の上部端面と当接し、トレイ90が所定の角度より傾くのを防止する。
【0033】
(供給部)
供給部300は、水平方向に重ねられた取出対象物9を、立たせた状態で区分機側に付勢する付勢棒320と、取出対象物9を区分機側に移動させるベルトコンベア310を備えている。
【0034】
次に、上記構成の取出し装置1の動作及び作業者の動作について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開動前の状態の側面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の側面図を、(c)はトレイをさらに倒した状態の側面図を、(d)は取出対象物を右手で受け止めている状態の側面図を、(e)は取出対象物を両手で受け止めている状態の側面図を、(f)は取出対象物を供給部に移動させている状態の側面図を、(g)は取出対象物を供給部にセット完了した状態の側面図を示している。
【0035】
同図(a)において、ローラコンベア170は、取出対象物9がほぼ満杯に積み重ねられたトレイ90を、底板211の位置まで搬送して停止させる。
なお、同図において、取出し装置1の動作を理解しやすいように、作業者200を省略してある。
【0036】
次に、同図(b)において、作業者200が押しボタンスイッチ(図示せず)を押下すると、第一のエアシリンダ(図示せず)が作動して第一の回動部材21を開方向に約85度回動させ、トレイ90がほぼ横向きに倒れる。
ここで、トレイ90内の取出対象物9は、重ねられた状態でほぼ垂直に立っている。ただし、図示してないが、取出対象物9の形状等によっては、作業者が右手201によって倒れないように支えることにより、取出対象物9を重ねられた状態でほぼ垂直に立てることができる。
【0037】
次に、同図(c)に示すように、第二のエアシリンダ(図示せず)が作動して第二の回動部材22を開方向にさらに約35度回動させる。ここで、トレイ90内の取出対象物9は、トレイ90から滑り出ようとするが、作業者が、右手201で滑り出てくる取出対象物9を支える。
【0038】
次に、同図(d)に示すように、作業者が、右手201をベルトコンベア4に沿って、下方に移動させると、取出対象物9が順にベルトコンベア4に載り移り、重なった状態で移動する。また、作業者は、トレイ90の一番下に位置する取出対象物9がベルトコンベア4上を移動していることを確認してから、押しボタンスイッチを左手で押下する。
【0039】
次に、同図(e)に示すように、第二の回動部材22が閉方向に回動し、空のトレイ90は、横向きに倒れた状態となる。また、作業者は、ベルトコンベア4を移動する取出対象物9に左手202を添えて、ベルトコンベア4上を自重によりほぼ自動的に移動する、重なった状態の複数の取出対象物9を両手で挟みながら支える。ここで、取出対象物9がほぼ自動的にベルトコンベア4上を移動するので、作業者200の肉体的疲労が低減される。
【0040】
次に、同図(f)に示すように、第一の回動部材21が閉方向に回動し、空のトレイ90は、ローラコンベア170上に載置され、ローラコンベア170がトレイ90を搬送する。また、作業者は、取り出した取出対象物9を、供給部300のベルトコンベア310に移動させ、右手201を抜きつつ、左手202で移動させてきた取出対象物9を、付勢棒320側に移動させる。
【0041】
次に、同図(g)に示すように、作業者が、右手201で付勢棒320を取出対象物9の最後尾に移動させることにより、トレイ90の取出対象物9の供給部300へのセットが完了する。
これにより、取出し装置1を使用した取出作業の一サイクルが終了する。
【0042】
このように、上記構成のトレイ内対象物の取出し装置1によれば、作業者が、左手を取出対象物9の上部とトレイ90の間の隙間に入れる必要がなくなり、やりにくい作業から開放され、作業効率を向上させることができる。
また、取出し装置1は、トレイ90を斜め下方向に傾けることにより、トレイ90内の取出対象物9が自動的に滑り出るように取り出し、さらに、ベルトコンベア4を用いてほぼ自動的に移動させることができる。すなわち、作業者は、取出対象物9をトレイ90から引き出す必要がなくなり、滑り出ようとする取出対象物9を支えているだけでよい。また、作業者は、ベルトコンベア4上の取出対象物9を移動させるといった作業をしなくてもよいので、肉体的疲労が低減される。特に、取出対象物9が大型化し重くなると、トレイ90から重なった複数の取出対象物9を引き出す際、さらに作業性が低下するとともに、作業者の肉体的疲労が増大するといった不都合を解消することができる。
【0043】
[第二実施形態]
図3aは、本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
また、図3bは、本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略上面図を示している。
同図において、取出し装置1aは、上記取出し装置1と比較して、トレイ90から滑り出る取出対象物9を重なった状態で移動させる支持手段6を設けた点が相違する。他の構成要素は上記取出し装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図3a,3bにおいて、図1a,1bと同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】
(支持手段)
支持手段6は、可動部62と固定部63からなり、制御部(図示せず)によって制御されるリニアモータ60と、可動部62に回動自在に取り付けられた支持棒61とを備えた構成としてある。
リニアモータ60は、固定部63が、ベルトコンベア4aとほぼ同じ傾斜角度で設置されており、トレイ90が第二の回動部材22によってさらに傾けられたとき、トレイ90から滑り出る取出対象物9を、固定部63に取り付けた支持棒61が受け止め、作業者側に移動する。これにより、作業者200は、全ての取出対象物9がトレイ90から出るまで、取出対象物9を支える必要がないので、正味作業時間が短縮され、作業効率を向上させることができる。
なお、支持手段6は、上記リニアモータ60を用いた構成に限定されるものではなく、たとえば、ボールねじ、ばね,ゴム等の弾性体などを利用した構成としてもよい。
【0045】
(ベルトコンベア)
本実施形態のベルトコンベア4aは、ベルトの表面に、移動方向と直交する凸部42が形成された段付きベルト41を使用しており、凸部42に取出対象物9が係止され、取出対象物9を重ねた状態で確実に移動させることができる。
また、ベルトコンベア4aは、モータによって、リニアモータ60の可動部62と同期して移動する構成としてあり、これにより、取出対象物9をさらに確実に重ねた状態で移動させることができる。
【0046】
次に、上記構成の取出し装置1aの動作及び作業者の動作について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開始前の状態の側面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の側面図を、(c)はトレイをさらに倒した状態の側面図を、(d)は支持手段が取出対象物を受け止めて移動させた状態の側面図を、(e)は取出対象物を右手で受け止め、支持棒を初期状態に戻した状態の側面図を、(f)は取出対象物を供給部に移動させている状態の側面図を、(g)は取出対象物を供給部にセット完了した状態の側面図を示している。
【0047】
同図(a)において、ローラコンベア170は、取出対象物9が積み重ねられたトレイ90を、底板211の位置まで搬送して停止させる。また、支持棒61は、コンベア側に移動されている。
【0048】
次に、同図(b)に示すように、作業者200が押しボタンスイッチ(図示せず)を押下すると、第一のエアシリンダ(図示せず)が作動して第一の回動部材21を開方向に約85度回動させ、トレイ90がほぼ横向きに倒れた状態となる。
【0049】
次に、同図(c)に示すように、第二のエアシリンダ(図示せず)が作動して第二の回動部材22を開方向にさらに約35度回動させる。ここで、トレイ90内の取出対象物9は、トレイ90から滑り出ようとするが、支持棒61が滑り出てくる取出対象物9を受け止める。
【0050】
次に、同図(d)に示すように、支持手段6が、支持棒61をベルトコンベア4aに沿って、下方に移動させると、取出対象物9が順にベルトコンベア4aに載り移り、重なった状態で移動する。このように、取出し装置1aは、作業者の代わりに、滑り出てくる取出対象物9を受け止め、ベルトコンベア4aの下方まで移動させることができる。
【0051】
次に、同図(e)に示すように、作業者は、右手201で取出対象物9を支え、左手202で支持棒61を水平方向以上に回動させる。続いて、可動部62をコンベア側に移動させ、支持棒61を下方向に回動させる。さらに、図示してないが、作業者は、ベルトコンベア4aから取出対象物9が移動しきるまで、重なった状態の複数の取出対象物9を両手で支える。
また、取出し装置1aは、第二の回動部材22が閉方向に回動し、空のトレイ90は、横向きに倒れた状態となる。
【0052】
次に、同図(f)に示すように、取出し装置1aは、第一の回動部材21が閉方向に回動し、空のトレイ90は、ローラコンベア170上に載置され、ローラコンベア170がトレイ90を搬送する。また、作業者は、供給部300のベルトコンベア310に移動した取出対象物9から、右手201を抜きつつ、左手202で移動させてきた取出対象物9を、付勢棒320側に移動させる。
【0053】
次に、同図(g)に示すように、作業者が、右手201で付勢棒320を取出対象物9の最後尾に移動させることにより、トレイ90の取出対象物9の供給部300へのセットが完了する。
これにより、取出し装置1aの取出作業の一サイクルが終了する。
【0054】
このように、上記構成のトレイ内対象物の取出し装置1aは、トレイ90に積み重ねられた取出対象物9を、トレイ90から重なった状態で自動的に取り出すことができるので、正味作業時間が短縮でき、作業効率を向上させることができる。また、ベルトコンベア4aがモータ駆動されることにより、作業者の肉体的疲労を低減することができる。
【0055】
[第三実施形態]
図5は、本発明の第三実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
同図において、取出し装置1bは、上記取出し装置1と比較して、回動手段2の代わりに、取出対象物9が重なった状態でトレイ90から滑り出るように、トレイ90及びローラコンベア170bを傾ける回動手段7を設けた点が相違する。他の構成要素は上記取出し装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図5において、図1aと同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0056】
(回動手段)
回動手段7は、所定長さのローラコンベア170bと、ローラコンベア170bのフレーム172bの両端に連結され、ローラベアリング70により三点支持された一対の回動リング71と、作業者側のフレーム172bに立設された滑り板72と、トレイ90を滑り板72に押し付けて保持する保持用電磁ソレノイド73と、取出対象物9が滑り出ないように、トレイ90に蓋するシャッター74とを備えた構成としてある。
【0057】
ローラコンベア170bは、トレイ90から取出対象物9を取り出せるように、ベルトコンベア4の幅より長くしてある。また、ローラコンベア170bには、駆動用モータ(図示せず)が取り付けられており、この駆動用モータは、ローラコンベア170bとともに回動する。
【0058】
回動リング71は、回動リング71の中心軸方向に移動しないように、一対のローラベアリング等(図示せず)により挟持されている。また、回動リング71に沿って形成された歯車(図示せず)を、この歯車と噛み合うギア付きモータ(図示せず)により回動させることにより、回動リング71を、時計回り方向に約125度回動させ、かつ、反時計回り方向に約125度回動させることができる。
なお、回動リング71を時計回り方向に約125度回動させると、滑り板72の上端が、ベルトコンベア4の上端に位置し、取出対象物9をトレイ90からスムースにベルトコンベア4上に移動させることができる。
【0059】
保持用電磁ソレノイド73及びシャッター74は、コンベア側のフレーム172bに、連結板(図示せず)等を介して取り付けられている。
また、シャッター74は、リニアモータ等(図示せず)により自動的に開閉される。なお、シャッター74は、トレイ90の開口部全てを覆う必要はなく、取出対象物9がトレイ90から出ないように覆っていればよい。
【0060】
(筐体)
取出し装置1bは、安全性を向上させる目的で、トレイ90,ローラコンベア170,シャッター74等のための開口部を除いて、筐体5bで覆われている。
また、筐体5bは、取出口52bに水平方向に自動開閉されるシャッター52bを備えている。
【0061】
次に、上記構成の取出し装置1bの動作及び作業者の動作について説明する。
ローラコンベア170bは、取出対象物9が積み重ねられたトレイ90を、ローラコンベア170bのほぼ中央の位置まで搬送して停止させる。続いて、保持用電磁ソレノイド73が作動し、トレイ90をローラコンベア170bに保持する。なお、シャッター74,51bは、閉じた状態にある。
【0062】
次に、図5に示すように、回動リング71が時計回り方向に約125度回動し、滑り板72の上部がベルトコンベア4の上部と接触する。この回動により、トレイ90内の取出対象物9は、シャッター74側に重なった状態のまま移動する。また、取出対象物9が積み重ねられたトレイ90は、重心の近傍を通る仮想回動軸の周りを回動するので、取出対象物9による遠心力が低減され、遠心力による負荷を低減することができる。
【0063】
次に、図示してないが、シャッター51bが開き、作業者が右手をシャッター74に近づけると、光センサ等を利用した制御手段(図示せず)によって、シャッター74が自動的に開く。そして、取出対象物9がトレイ90から滑り出てくる。続いて、作業者は、取出対象物9が倒れないように右手で支えながら、取出対象物9を、ベルトコンベア4の下方に移動させる。(図2(d)参照)。
【0064】
次に、作業者が押しボタンスイッチ(図示せず)を押下すると、取出し装置1bは、まずシャッター74を閉じ、続いてシャッター51bを閉じる。続いて、回動リング71を反時計回り方向に約125度回動させ、保持用電磁ソレノイド73を停止し、ローラコンベア170bが空のトレイ90を搬出する。
【0065】
作業者は、取出対象物9を、供給部300のベルトコンベア310に移動させ、右手201を抜きつつ、左手202で移動させてきた取出対象物9を、付勢棒320側に移動させる。続いて、作業者が、右手で付勢棒320を取出対象物9の最後尾に移動させることにより、トレイ90の取出対象物9の供給部300へのセットが完了する。
これにより、取出し装置1bの取出対象物9の取出作業の一サイクルが終了する。
なお、その他の動作は、上記取出し装置1の動作とほぼ同様としてある。
【0066】
このように、上記構成のトレイ内対象物の取出し装置1bによれば、回動手段2の代わりに、回動手段7を利用しても、取出し装置1とほど同様の効果を得ることができる。さらに、取出し装置1bは、シャッター74を設けるとともに、トレイ90のほぼ重心を通る仮想回動軸を回動中心としてトレイ90を回動させるので、取出対象物9を重なった状態でシャッター74側に確実に移動させることができる。
【0067】
以上、本発明のトレイ内対象物の取出し装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る取出し装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
次に、たとえば、排出手段を備えた取出し装置について、図面を参照して説明する。
【0068】
(応用例)
図6は、本発明の応用例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の概略図であり、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。
同図において、取出し装置1cは、上記取出し装置100に、係止板113に取り付けられた回動式押え棒81と、ロッド82がトレイ90の貫通孔(図示せず)から突き出て、取出対象物9を作業者側に押し出す、排除手段としてのエアシリンダ83と、エアシリンダ83を昇降させるエアシリンダ84とを追加した構成としてある。
なお、その他の構成は、上記取出し装置100とほぼ同様としてある。
【0069】
上記取出し装置1cは、下方向を向いた回動式押え棒81により、トレイ90を横向きに倒した際、取出対象物9が作業者側に倒れるのを防止することができる。
また、取出し装置1cは、回動式押え棒81が水平方向に回動され、作業者200が右手201で取出対象物9を支えると、エアシリンダ83のロッド82が、トレイ90の貫通孔を貫通して、取出対象物9をトレイ90から押し出すことができる。
【0070】
このように、取出し装置1cは、より確実にトレイ90から取出対象物9を取り出すことができる。また、取出し装置1cの構造を単純化でき、設備費のコストダウンを図ることができる。
なお、排出手段は、上記構成に限定されるものではない。また、排出手段を上記取出し装置1,1a,1bに設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のトレイ内対象物の取出し装置は、はがきなどより大きな、書類,雑誌,書籍,CDケース等の取出対象物に対して極めて好適であるが、大型の取出対象物に限定されるものではなく、葉書や小型封筒などの小型の取出対象物に対しても好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1a】本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
【図1b】本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略上面図を示している。
【図2】本発明の第一実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開動前の状態の側面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の側面図を、(c)はトレイをさらに倒した状態の側面図を、(d)は取出対象物を右手で受け止めている状態の側面図を、(e)は取出対象物を両手で受け止めている状態の側面図を、(f)は取出対象物を供給部に移動させている状態の側面図を、(g)は取出対象物を供給部にセット完了した状態の側面図を示している。
【図3a】本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
【図3b】本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略上面図を示している。
【図4】本発明の第二実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開始前の状態の側面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の側面図を、(c)はトレイをさらに倒した状態の側面図を、(d)は支持手段が取出対象物を受け止めて移動させた状態の側面図を、(e)は取出対象物を右手で受け止め、支持棒を初期状態に戻した状態の側面図を、(f)は取出対象物を供給部に移動させている状態の側面図を、(g)は取出対象物を供給部にセット完了した状態の側面図を示している。
【図5】本発明の第三実施形態にかかるトレイ内対象物の取出し装置の、基本的構成を説明するための要部の概略側面図を示している。
【図6】本発明の応用例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の概略図であり、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。
【図7】従来例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の概略図であり、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。
【図8】従来例にかかるトレイ内対象物の取出し装置の動作及び作業者の動作を説明するための概略図であり、(a)は取出作業開始前の状態の上面図を、(b)はトレイを横向きに倒した状態の上面図を、(c)は取出対象物を引き出している状態の上面図を、(d)は取出対象物を引き出し終わった状態の上面図を示している。
【符号の説明】
【0073】
1,1a,1b,1c トレイ内対象物の取出し装置
2 回動手段
4,4a ベルトコンベア
5,5b 筐体
6 支持手段
7 回動手段
9 取出対象物
21 第一の回動部材
22 第二の回動部材
41 段付きベルト
42 凸部
51 ストッパ
51b シャッター
52b 取出口
60 リニアモータ
61 支持棒
62 可動部
63 固定部
70 ローラベアリング
71 回動リング
72 滑り板
73 保持用電磁ソレノイド
74 シャッター
81 回動式押え棒
82 ロッド
83 エアシリンダ
84 エアシリンダ
90 トレイ
100 トレイ内対象物の取出し装置
110 回動板
111 底板
112 側板
113 係止板
120 エアシリンダ
121 ロッド先端部
122 シリンダ本体
123 押しボタンスイッチ
130 作業台
170,170b ローラコンベア
171 ローラ
172,172b フレーム
173 ガイドレール
174 架台
200 作業者
201 右手
202 左手
211 底板
212 側板
213 係止板
214 回動軸
215 切欠
216 滑り面
217 係止部
221 底板
222 係止板
223 回動軸
300 供給部
310 ベルトコンベア
320 付勢棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取出対象物の積み重ねられたトレイから、前記取出対象物が重なった状態で出るように、前記トレイを傾ける回動手段と、
前記トレイから出た取出対象物が、重なった状態で移動する搬送手段と
を具備したことを特徴とするトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、傾いていることを特徴とする請求項1記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項3】
前記回動手段が、前記トレイを横向きに倒す第一の回動部材と、前記トレイをさらに傾ける第二の回動部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項4】
前記回動手段が、前記トレイとともに、前記トレイを搬送する搬送手段を回動させることを特徴とする請求項1又は2記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項5】
前記トレイから出る前記取出対象物を重なった状態で移動させる、支持手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項6】
前記搬送手段を、ベルトコンベアとしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項7】
前記ベルトコンベアを、段付きベルトコンベアとしたことを特徴とする請求項6記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項8】
前記取出対象物が、大型封筒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項9】
前記搬送手段が、区分機の供給部と連結していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトレイ内対象物の取出し装置。
【請求項10】
前記傾けられたトレイから前記取出対象物を押し出す、排出手段を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトレイ内対象物の取出し装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−16133(P2006−16133A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194768(P2004−194768)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】