説明

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できるトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、シリカ及び金属水酸化物を含む充填剤成分と、流動点が−2030℃である液状レジンとを含有するトレッド用ゴム組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
トレッド用ゴム組成物にシリカや金属水酸化物を配合することにより、ウェットグリップ性能が改善することが知られている。しかし、この場合、ウェットグリップ性能が向上する一方で、ドライグリップ性能や耐摩耗性が悪化する傾向があった。
【0003】
このように、ウェットグリップ性能と、ドライグリップ性能及び耐摩耗性とは、相反する関係にあり、これらの性能をバランス良く改善する方法が望まれていた。
【0004】
特許文献1には、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂などのレジン(樹脂)を粘着付与剤として配合することで、初期グリップ性を改善することが提案されている。しかし、特許文献1においては、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善する方法については検討されていない。
【0005】
ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能を両立させる方法として、特許文献2には、軟化点が50〜150℃のレジン(樹脂)と凝固点が−25℃以下の可塑剤とを併用することが提案され、特許文献3には、特定の分子量分布を有するレジンを配合することが提案されている。しかし、特許文献2及び3においては、良好な耐摩耗性を確保する点については検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−240704号公報
【特許文献2】特開2004−137463号公報
【特許文献3】特開2009−7454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記課題を解決し、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できるトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ゴム成分と、シリカ及び金属水酸化物を含む充填剤成分と、流動点が−10〜20℃である液状レジンとを含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
【0009】
上記ゴム成分100質量部に対する上記液状レジンの含有量は5〜50質量部であることが好ましい。
【0010】
上記ゴム成分は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム及びブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0011】
上記充填剤成分は、カーボンブラックを含むことが好ましい。
【0012】
上記ゴム成分100質量部に対する上記充填剤成分の含有量が20質量部以上であることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【0014】
上記空気入りタイヤは、競技用タイヤであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シリカと、金属水酸化物と、特定の流動点を有する液状レジンを含有するゴム組成物であるので、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く得られる。従って、該ゴム組成物をトレッドに使用することにより、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のゴム組成物は、シリカと、金属水酸化物と、特定の流動点を有する液状レジンとを含有する。
【0017】
従来使用されていたレジンは、常温(約25℃)で固体である場合が多いため、該レジンを配合すると、ドライグリップ性能が向上する一方で、低温域であるウェット路面ではゴム組成物の弾性率が高くなり過ぎて、ウェットグリップ性能が悪化する傾向があった。
【0018】
また、ウェットグリップ性能を向上できるシリカや金属水酸化物と、ドライグリップ性能を向上できる上記レジンとを併用しても、それぞれの改善効果が相殺されてしまい、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の両方を改善することはできなかった。
【0019】
これに対し、本発明で使用する液状レジンは、従来使用されていたレジンよりも流動点が低く、常温(約25℃)で液状であるため、配合しても、ウェット路面での弾性率の上昇が少ない。したがって、該液状レジンを配合することにより、ウェットグリップ性能を維持しながら、ドライグリップ性能を改善することができる。また、上記液状レジンと、シリカ及び金属水酸化物とを併用することで、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能をバランス良く改善できるとともに、良好な耐摩耗性も得られる。
【0020】
本発明のゴム組成物に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できるという点から、NR、IR、SBR、BR、IIRからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、NR、SBR、BRがより好ましく、SBRが更に好ましい。なお、NR、IR、SBR、BR、IIRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
【0021】
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。80質量%未満であると、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の両立が困難になるおそれがある。なお、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
【0022】
本発明のゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、NRによる耐摩耗性の改善効果が小さい傾向がある。また、NRの含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。15質量%を超えると、ウェットグリップ性能が大幅に悪化する傾向がある。
【0023】
本発明のゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。20質量%未満であると、BRによるウェットグリップ性能の改善効果が小さい傾向がある。また、BRの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。30質量%を超えると、ドライグリップ性能及び耐摩耗性が悪化する傾向がある。
【0024】
本発明のゴム組成物は、特定の流動点を有する液状レジンを含有する。上記液状レジンとしては、例えば、液状クマロンインデン樹脂、液状インデン樹脂、液状α−メチルスチレン樹脂、キシレン樹脂などの液状の石油系又は石炭系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリマーとの相溶性が高いという点から、液状クマロンインデン樹脂が好ましい。
【0025】
上記液状レジンの流動点は、−20℃以上、好ましくは−15℃以上、より好ましくは−10℃以上である。−20℃未満であると、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の改善効果が小さい傾向がある。また、上記液状レジンの流動点は、30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下である。30℃を超えると、ゴム組成物の弾性率(E)が高くなり、ウェットグリップ性能の悪化を招くおそれがある。
なお、本明細書において、上記液状レジンの流動点は、JIS K 2269に記載の方法で測定される値である。
【0026】
上記液状レジンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。5質量部未満であると、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の改善効果が小さい傾向がある。また、上記液状レジンの含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。50質量部を超えると、耐久性が悪化する傾向がある。
【0027】
本発明のゴム組成物は、充填剤成分として、シリカを含有する。シリカとしては、湿式法シリカ(含水シリカ)、乾式法シリカ(無水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
【0028】
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは180m/g以上、より好ましくは220m/g以上、更に好ましくは250m/g以上である。180m/g未満であると、充分な補強性が得られない傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは350m/g以下、より好ましくは300m/g以下である。350m/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0029】
シリカの含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。15質量部未満であると、ウェットグリップ性能を充分に発揮できないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
【0030】
上記ゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
【0031】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。5質量部未満では、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
【0032】
本発明のゴム組成物は、充填剤成分として、金属水酸化物を含有する。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。なかでも、良好な耐摩耗性を維持できるという点で、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0033】
金属水酸化物の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上である。0.5μm未満では、金属水酸化物の分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、金属水酸化物の平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。10μmを超えると、金属水酸化物が破壊核となり、耐摩耗性が大幅に悪化する傾向がある。
なお、本発明において、金属水酸化物の平均粒子径は数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
【0034】
金属水酸化物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。10質量部未満では、ウェットグリップ性能の改善効果が小さい傾向がある。また、金属水酸化物の含有量は、好ましくは75質量部以下、より好ましくは65質量部以下、更に好ましくは55質量部以下である。75質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
【0035】
本発明のゴム組成物は、充填剤成分として、カーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、補強性が得られ、耐摩耗性をより改善できる。カーボンブラックとしては特に限定されず、SAF、ISAF、HAF、FF、GPFなどが挙げられる。
【0036】
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは120m/g以上である。120m/g未満であると、充分な補強性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは160m/g以下である。200m/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
【0037】
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは12質量部以上である。5質量部未満であると、ドライグリップ性能及び耐摩耗性を充分に確保できないおそれがある。該カーボンブラックの含有量は、好ましくは30質量部以下、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。30質量部を超えると、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
【0038】
充填剤成分(シリカ、金属水酸化物及びカーボンブラックを含む)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは75質量部以上、更に好ましくは90質量部以上、特に好ましくは100質量部以上である。20質量部未満であると、耐摩耗性を充分に確保できないおそれがある。該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。150質量部を超えると、充填剤成分の分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
【0039】
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、ステアリン酸、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進剤、ワックス、軟化剤などを必要に応じて配合してもよい。
【0040】
本発明のゴム組成物を用い、通常の方法で空気入りタイヤを製造することができる。すなわち、前記ゴム組成物を用いてトレッドを作製し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成型機上にて加熱加圧することにより製造できる。
【0041】
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として用いることができ、なかでも、競技用タイヤとして好適に用いられる。
【実施例】
【0042】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0043】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:旭化成ケミカル(株)製のタフデン4350(結合スチレン量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
BR:宇部興産(株)製の150B
カーボンブラックN110:三菱化学(株)製のダイアブラックA(NSA:142m/g)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニプシルVN3(NSA:270m/g)
金属水酸化物:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(水酸化アルミニウム、平均粒子径:1μm)
老化防止剤6C:フレキシス社製のサントフレックス13
老化防止剤224:フレキシス社製のノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM
レジン:新日鐵化学(株)製のエスクロンV120(クマロンインデン樹脂、軟化点:120℃)
液状レジン(1):神戸油化学工業(株)製の精製クマロンインデンオイル25℃(液状クマロンインデン樹脂、流動点:−2.5℃)
液状レジン(2):神戸油化学工業(株)製のソフトクマロン25B(液状クマロンインデン樹脂、流動点:7.5℃)
液状レジン(3):神戸油化学工業(株)製の液状クマロン25BL(液状クマロンインデン樹脂、流動点:0℃)
【0044】
実施例1〜7及び比較例1〜7
表1に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を排出温度150℃の条件で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。更に、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で40分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
【0045】
上記試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
(ドライ・ウェットグリップ性能)
上記試験用タイヤを車両に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。そして、その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライグリップ性能に優れることを示す。また、上記テストコースのウェットアスファルト路面でも同様の条件で実車走行を行い、ウェットグリップ性能を評価した。
【0047】
(耐摩耗性)
上記試験用タイヤを車両に装着し、走行距離8000km後のトレッドの溝探さを測定した。そして、溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記式により指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合の溝深さが1mm減るときの走行距離)/(比較例1の溝深さが1mm減るときの走行距離)×100
【0048】
【表1】

【0049】
表1より、シリカ、金属水酸化物及び液状レジンを含有する実施例は、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善された。一方、液状レジンを含有していない比較例は、各性能をバランス良く改善することができず、いずれかの性能が大きく悪化した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分と、シリカ及び金属水酸化物を含む充填剤成分と、流動点が−10〜20℃である液状レジンとを含有するトレッド用ゴム組成物。
【請求項2】
前記ゴム成分100質量部に対する前記液状レジンの含有量が5〜50質量部である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ゴム成分が、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム及びブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項4】
前記充填剤成分がカーボンブラックを含む請求項1〜3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項5】
前記ゴム成分100質量部に対する前記充填剤成分の含有量が20質量部以上である請求項1〜4のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
【請求項7】
競技用タイヤである請求項6記載の空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2011−144262(P2011−144262A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6243(P2010−6243)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】