説明

トレンドグラフ表示方法及び装置

【課題】複数の処理結果を記録したデータを表示したトレンドグラフの波形を重ねて比較解析する場合に、容易な操作で的確に基準位置を指定できる方法を提供する。
【解決手段】本発明の第1の態様にかかるトレンドグラフ表示方法は、計測値と計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するものである。変位データ群を記憶する記憶手段から、第1の波形を画面にグラフ表示し、第1の波形を背景として第2の波形を重ね合わせてグラフ表示する。また、入力に応じて、第1の波形を固定した状態で、第2の波形を時間軸に沿って移動させることによりグラフ表示を更新し、第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける。そして、入力に応じて、第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定周期で変化するデータを表示したトレンドグラフにおいて、波形を重ね合わせて比較解析するためのトレンドグラフ表示方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時間の経過とともに変化する物理量を所定周期でサンプリングし、記憶したデータ群をトレンドグラフとして画面表示し、データ収集期間の異なるデータを比較解析することが一般的に行われている。
【0003】
特許文献1では、トレンドグラフの表示方法として、画面上のウィンドウに予め決められた複数種類のデータ群をペンチャートとしてトレンドグラフ表示するようにしていた。そして、比較解析のために、2つのウィンドウに異なる時間帯のペンチャートを表示し、一方のウィンドウのペンチャートを他方のウィンドウ上にドラッグ&ドロップし、表示条件を自動的に一致させて、一つのウィンドウ上に2つのペンチャートを重ねてトレンドグラフを合成表示するものである。また、合成表示する際に、表示条件(時間軸)を基準となる時間軸に一致させて補正し、同一の時間軸上に重畳して表示可能とするようにしていた。
【特許文献1】特開平11−85446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、比較解析するために波形を重ねて表示する際、まず、それぞれの波形の基準位置を予め条件指定して、個別に定める必要がある。しかしながら、物理量の立ち上がりの状態は、その前の時点の状態に依存していることが多く、容易に基準位置を定めることができないという問題点があった。
【0005】
また、バッチ処理など途中で波形の傾きが変わる場合、変化の開始位置を合わせる必要がある。しかし、その都度、個別に基準位置を定めることができないという問題点もあった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、複数の処理結果を記録したデータを表示したトレンドグラフにおいて、波形を重ねて比較解析する場合に、容易な操作で的確に基準位置を指定できるトレンドグラフ表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかるトレンドグラフ表示方法は、計測値と計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するものである。前記変位データ群を記憶する記憶手段から、第1の波形を画面にグラフ表示する第1波形表示ステップと、前記第1の波形を背景として第2の波形を重ね合わせてグラフ表示する第2波形表示ステップと、入力に応じて、前記第1の波形を固定した状態で、前記第2の波形を時間軸に沿って移動させることによりグラフ表示を更新する波形移動ステップと、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付ステップと、入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示ステップとを備える。
【0008】
これにより、比較元波形に対して、比較対象となる波形の重ね合わせるように表示することで、重ね合わされた比較元と比較先の波形を視覚的に確認した上で、相対位置関係を固定することができる。また、画面上にグラフ表示された波形を時間軸方向に拡大縮小して表示できるため、比較対象部分をより明確に表示し直すことができる。
【0009】
また、上述したトレンドグラフ表示方法は、前記第1の波形の比較元の計測時刻付近に、第2の波形の比較対象の計測時刻付近を重ね合わせるように移動させる操作を受け付ける第2波形移動指定受付ステップをさらに備え、前記波形移動ステップでは、前記第2波形移動指定受付ステップにおける操作を入力とするようにしてもよい。
これにより、比較元波形に対して、比較対象となる波形の仮の比較対象位置を決めて重ね合わせることで、重ね合わされた比較元と比較先の波形を視覚的に確認した上で、改めてより正確な基準位置の指定を行うことができる。
【0010】
さらに、上述したトレンドグラフ表示方法は、前記第2波形表示時刻指定受付ステップでは、入力手段に対する操作に連動して画面上を移動するポインタによって、前記画面上の前記第2の波形が選択されるとともに、前記画面上で、前記第1の波形の比較元の計測時刻付近と、第2の波形の比較対象の計測時刻付近とを重ねて表示されるように時間軸方向に前記第2の波形を貼り付ける操作に応じて、前記第2の波形の移動させる操作を受け付けるようにしてもよい。これにより、画面上で、比較対象波形を移動させる簡易な操作により、比較元波形に対して重ね合わせることを容易に行うことができる。
【0011】
本発明の第2の態様にかかるトレンドグラフ表示方法は、前記計測値と前記計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示方法である。前記変位データは、第1の処理と第2の処理を含めて実行された処理結果の計測値と計測時刻を含み、前記第1及び前記第2の処理の開始時刻は、第1及び第2の処理イベントログとして開始時刻に対応し、前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記変位データ群を記憶する記憶手段から取得し、第1の波形として画面にグラフ表示する第1波形表示ステップと、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記記憶手段から取得し、前記第1の波形と重ね合わせて第2の波形として前記画面にグラフ表示する第2波形表示ステップと、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付ステップと、入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示ステップと、を備える。また、前記第2波形表示ステップでは、前記第1の波形の前記第1の処理イベントログの開始時刻の表示位置に基づいて、前記第2の波形の前記第2の処理イベントログの開始時刻の表示位置を調整する。これにより、処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の波形を表示することができ、波形内の比較元及び比較対象の位置を容易に探し出すことができる。
【0012】
また、上述したトレンドグラフ表示方法は、前記第2波形表示ステップでは、前記第1の波形における前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻に、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻を一致させて前記第2の波形を前記画面にグラフ表示するようにしてもよい。これにより、比較元及び比較対象の波形の表示位置を処理イベントログの開始時刻に一致させて表示することができ、波形内の比較元及び比較対象の位置をより正確に重ね合わせることができる。
【0013】
さらに、上述したトレンドグラフ表示方法は、前記第1及び第2の処理イベントログを記憶したイベントログ記憶手段から、イベントログ一覧表として前記画面上に表示するイベントログ一覧表示ステップと、前記イベントログ一覧表から前記第1の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第1イベントログ選択受付ステップと、前記イベントログ一覧表から前記第2の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第2イベントログ選択受付ステップと、をさらに備える。また、前記第1波形表示ステップでは、前記第1イベントログ選択受付ステップにおいて選択された前記第1の処理イベントログに基づき、グラフ表示され、前記第2波形表示ステップでは、前記第2イベントログ選択受付ステップにおいて選択された前記第2の処理イベントログに基づき、グラフ表示されるようにしてもよい。これにより、処理イベントログの選択を容易にすることができる。
【0014】
本発明の第3の態様にかかるトレンドグラフ表示装置は、計測値と計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示装置である。前記変位データ群を記憶する記憶手段から、第1の波形を画面にグラフ表示する第1波形表示手段と、前記第1の波形を背景として第2の波形を重ね合わせてグラフ表示する第2波形表示手段と、入力に応じて、前記第1の波形を固定した状態で、前記第2の波形を時間軸に沿って移動させることによりグラフ表示を更新する波形移動手段と、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付手段と、入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示手段とを備える。
【0015】
これにより、比較元波形に対して、比較対象となる波形の仮の比較対象位置を決めて重ね合わせることで、重ね合わされた比較元と比較先の波形を視覚的に確認した上で、基準位置の指定を行うことができる。
【0016】
また、上述した記憶手段は、例えば、以下で説明する発明の実施の形態1の図2の計測データ記憶部120に相当する。また、上述した第1波形表示手段及び第2波形表示手段は、例えば、以下で説明する発明の実施の形態1の図2のグラフ生成部110に相当する。また、上述した波形移動手段は、例えば、以下で説明する発明の実施の形態1の図2の移動部114に相当する。また、上述した波形相対位置指定受付手段は、例えば、以下で説明する発明の実施の形態1の図2の操作部104及び基準位置指定部113に相当する。また、上述した波形更新表示手段は、例えば、以下で説明する発明の実施の形態1の図2の時間軸調整部111に相当する。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、所定周期で行われる処理を記録したデータを表示したトレンドグラフにおいて、波形を重ねて比較解析する場合に、容易な操作で的確に基準位置を指定できるトレンドグラフ表示方法及び装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0019】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示装置10が適用される制御システム1の構成例である。制御システム1は、トレンドグラフ表示装置10と、PLC(Programmable Logic Controller)21と、温度調節計22とを含む。
【0020】
PLC21は、制御対象機器(不図示)に対するプロセス実行により制御を行い、計測データを記憶する制御装置である。尚、計測データはプロセス実行によるものに限らず、例えば、生産工場の設備情報や建物の設備情報等であってもよい。以降では、PLC21により実行されるプロセスを単に、「処理」と呼ぶ。温度調節計22は、制御対象機器の温度を計測し、温度調節する機器である。トレンドグラフ表示装置10は、PLC21に処理実行された結果である計測データと処理実行の設定値及び温度調節計22で計測されたデータを所定周期(例えば、1分周期)で収集し、内部に記憶し、記憶されたデータをトレンドグラフとしてディスプレイ上に表示する表示装置である。尚、本実施の形態が適用される制御システムはこの構成に限らない。
【0021】
トレンドグラフ表示装置10は、通信制御部101と、メモリ102と、CPU(Central Processing Unit)103と、操作部104と、表示部105とを含む。通信制御部101は、PLC21及び温度調節計22との通信を行い、通信制御手段である。メモリ102は、収集したデータを記憶する記憶手段である。CPU(Central Processing Unit)103は、メモリ102に格納されたオペレーションシステム(不図示)及びトレンドグラフ表示のためのアプリケーションプログラム(トレンドグラフ表示プログラム)(不図示)を実行する。操作部104は、例えばキーボード及びマウス等により構成されている。特に、表示部105に表示されるマウスポインタを操作する機能を有する。表示部105は、例えばディスプレイ等であり、後述する各種画面を表示する機能を有する。
【0022】
尚、トレンドグラフ表示装置10は、計測データの収集及びそのデータに基づいたトレンドグラフの表示に特化した専用の装置あるいは、汎用のコンピュータ装置を利用して汎用のOS上で作動するアプリケーションプログラムにより構成されたものなど、表示方法を実施する装置の構成は限定されるものではない。さらに、トレンドグラフ表示装置10の構成それ自体も一例であって、適宜に変更して実施できることは勿論である。
【0023】
図2は、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示装置10の構成を示す機能ブロック図である。操作部104及び表示部105は、図1と同様のため説明を省略する。計測データ記憶部120は、PLC21及び温度調節計22から収集された計測値及び計測時刻を記憶する。時間軸記憶部121は、表示されているトレンドグラフの時間軸の表示間隔を記憶する。固定位置記憶部122は、表示されているトレンドグラフの表示範囲における始点の時刻を記憶する。基準位置記憶部123は、基準位置として指定された計測時刻を記憶する。現在表示位置記憶部124は、表示位置を移動されたトレンドグラフの波形の表示範囲における始点の時刻を記憶する。尚、計測データ記憶部120、時間軸記憶部121、固定位置記憶部122、基準位置記憶部123、現在表示位置記憶部124は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置でもよいし、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置であってもよい。
【0024】
時間軸調整部111は、操作者からの操作部104を介したトレンドグラフの表示間隔の拡大縮小指示を受け取り、時間軸記憶部121へ格納する。固定部112は、操作者からの操作部104を介したトレンドグラフの表示固定指示を受け取り、現在表示されているトレンドグラフの表示時刻範囲における始点の時刻を固定位置記憶部122へ格納する。また、固定部112は、現在表示されているトレンドグラフのコピーを表示させるよう、グラフ生成部110に指示する。基準位置指定部113は、操作者からの操作部104を介したトレンドグラフの基準位置指定指示を受け取り、基準位置記憶部123へ格納する。移動部114は、操作者からの操作部104を介したトレンドグラフの波形の時間軸方向での移動指示を受け取り、波形の移動に応じた表示範囲における始点の時刻を現在表示位置記憶部124へ格納する。
【0025】
グラフ生成部110は、計測データ記憶部120を参照し、計測データからトレンドグラフを生成して表示部105に表示する。さらに、時間軸記憶部121、固定位置記憶部122、基準位置記憶部123、現在表示位置記憶部124を参照し、それぞれの変更値からトレンドグラフを修正して表示部105に表示する。
【0026】
図3乃至図7は、トレンドグラフ表示装置10を使用した際のトレンドグラフ表示プログラムによるトレンドグラフ表示画面30の例を示す。トレンドグラフ表示画面30は、グラフ情報表示部31と、波形表示部32と、波形スクロールバー33と、拡大縮小バー34と、を備える。
【0027】
グラフ情報表示部31は、表示対象のトレンドグラフの計測データに関するグラフ情報が表示される。グラフ情報は、例えば、計測データの名称、計測期間、処理間隔等であればよく、表示対象のトレンドグラフの概要が掴めるものであればよい。
【0028】
波形表示部32は、トレンドグラフの波形が表示される。波形表示部32は、横軸を表示時刻方向である時間軸321、縦軸をデータ値方向であるデータ値軸322として波形を表示する。
【0029】
波形スクロールバー33は、波形表示部32に表示される波形を時間軸方向に移動させる。拡大縮小バー34は、時間軸321の時間間隔を拡大縮小し、波形表示部32に表示される波形の表示範囲を調整する。
【0030】
図8は、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示方法のフローチャートである。尚、以降の説明にて、適宜、図3乃至図7について参照する。また、ここで使用される計測データは、PLC21にて一定時間内に複数の処理が実行され、同一時間帯に3種類の値が計測されており、それぞれの処理に応じて物理量が変化を生じており、トレンドグラフ表示装置10により表示されると、処理に応じた計測値の変化が、(トレンドグラフ表示装置10の表示調整により)波形の山として視覚的に識別可能であるものとする。また、ここでの作業目的は、上記処理に応じた1種類の計測値を対象として、複数の処理間、すなわち、波形の山に対して、比較解析を行うこととする。
【0031】
ステップS101では、計測データからトレンドグラフを生成し、画面表示する。すなわち、グラフ生成部110は、計測データ記憶部120を参照し、計測データからトレンドグラフを生成し、波形表示部32に波形を表示する。波形表示部32には、図3に示すように、波形41、波形42、波形43が表示される。波形41は、比較元である波形の山411を含めて表示される。ここで、波形の山411は、PLC21により処理が実行された時間帯付近の計測値を示す。
【0032】
ステップS102では、時間軸の表示間隔を拡大縮小し、比較元と比較対象の波形の山が表示される状態にする。まず、操作者は、拡大縮小バー34をマウスドラッグにて左右に動かす。次に、時間軸調整部111は、拡大縮小バー34の移動量から拡大縮小量を判定し、新たな時間軸の表示間隔を時間軸記憶部121へ格納する。グラフ生成部110は、時間軸記憶部121が更新されたことを受けて、時間軸記憶部121から新たな時間軸の表示間隔を取得し、計測データ記憶部120から新たな時間軸の表示間隔に基づいた計測データを取得し、トレンドグラフを生成し、波形表示部32に波形41乃至43を表示する。このとき、波形41は、図4に示すように、波形の山411に加え、比較対象である波形の山412を含めて表示される。ここで、波形の山412は、波形の山411と同様に、PLC21などによる処理実行に影響されて物理量が変化した計測値による部分を示す。つまり、波形の山411及び波形の山412は、PLC21により処理が実行された時間帯付近のそれぞれの計測値を示す。本実施の形態では、波形の山411及び波形の山412(図5の波形の山442)を比較解析するものとし、比較元波形の山は、波形の山411であり、比較対象波形の山は、波形の山442である。
【0033】
ステップS103では、現在表示されている波形を画面上の背景として表示を固定する。操作者は、図4に示す波形41に対して表示固定機能(不図示)を選択する。固定部112は、表示固定指示を受け取り、波形表示部32に表示されている波形41乃至43の始点の時刻を固定位置記憶部122へ格納する。グラフ生成部110は、固定位置記憶部122が更新されたことを受けて、固定位置記憶部122から波形41乃至43の始点の時刻を取得し、取得した時刻を始点として表示範囲のデータを計測データ記憶部120から読み出し、トレンドグラフを生成し、背景として波形表示部32に表示する。
【0034】
ステップS104では、背景の波形のコピーを画面表示する。すなわち、ステップS103に続いて、固定部112は、波形41のコピーを表示させるようにグラフ生成部110へ指示する。グラフ生成部110は、波形41をトレンドグラフとして再生成し、波形41のコピーである波形44として波形表示部32に表示する。このとき、波形44は、操作者のマウス操作にて選択可能である。また、波形44は、波形の山412に対応する波形の山442を含む。波形42及び43も同様に再生成して各々の波形のコピーである波形(不図示)を波形表示部32に表示する。
【0035】
ステップS105では、比較元波形の山に比較対象波形の山が重なるように背景の波形のコピーを移動する。すなわち、操作者は、波形の山412を波形の山411に重なるように、波形44を時間軸方向にマウスドラッグ&ドロップする。このとき、移動部114は、操作者による波形44のマウス選択を検知し、マウスドラッグに合わせて波形44の表示時刻範囲における始点の時刻を現在表示位置記憶部124へ格納する。グラフ生成部110は、現在表示位置記憶部124が更新されたことを受けて、現在表示位置記憶部124から表示時刻範囲における始点の時刻を取得し、取得した時刻を始点として表示範囲のデータを計測データ記憶部120から読み出し、トレンドグラフを生成し、波形表示部32に波形を表示する。この処理がマウスドロップされるまで繰り返される。図5は、波形44の波形の山442が、波形41の波形の山411に近付くように移動(波形44が再描画)する途中状態を示す図である。図6は、波形44の波形の山442が、波形41の波形の山411におよそ重ね合わせられた状態を示す図である。このようにして、波形の山411と波形の山412は、マウスで微調整されて重ね合わせられる。
【0036】
ステップS106では、画面上の基準位置が決定される。操作者は、波形の山の比較解析を行うために、波形の山411と波形の山442との重なり具合から、各処理のおよその開始位置と思われる基準位置を指定する。基準位置指定部113は、基準位置指定指示を受け取り、波形表示部32上から波形41及び波形44の基準位置指定指示に該当する各計測時刻を取得し、基準位置記憶部123へ格納する。グラフ生成部110は、基準位置記憶部123が更新されたことを受けて、基準位置記憶部123から波形41及び波形44の各計測時刻を取得し、図7に示すように波形表示部32に基準位置323を表示する。尚、ここで併せて、固定部112は、固定位置記憶部122から波形41乃至43の計測値を削除して、波形41乃至43の固定を解除してもよい。
【0037】
以降、操作者が拡大縮小バー34を用いて、波形の表示を調整した場合、グラフ生成部110は、時間軸記憶部121及び基準位置記憶部123を参照し、基準位置323を中心とした表示間隔の変更を行って、波形41及び波形44の表示変更を行う。このようにして、操作者は、波形の山411及び波形の山442を比較解析することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示方法は、所定周期で行われる処理が複数存在する連続したトレンドグラフ波形に対して、波形の比較操作を行うための比較元と比較先の基準位置の指定を、予め行うことなく、波形を重ねた後に視覚的に決定できるようにしたものである。操作者が、波形の全体の傾向を見ながら類似する波形の開始点を視覚的に判定できるため、より簡便な操作で、より的確な基準位置を決定することが可能となる。これにより、より効果的な比較解析することができる。
【0039】
尚、図8のステップS102における画面の拡大縮小を行うことにより、画面の拡大縮小により、都度、波形の見通しが立つため、基準位置の決定がよりしやすくなるという効果がある。また、画面の拡大縮小は、ステップS102に限定されず、任意のステップにて実行して構わない。
【0040】
また、本実施の形態では、基準位置の指定、固定指示、及び、移動の対象となる波形は最低限1つ指定されればよく、また、複数の指定を妨げるものでもない。
【0041】
尚、本実施の形態では、波形の山を重ね合わせる例について説明したが、これに限定されるものではなく、比較元及び比較対象の各波形において、基準位置と思われる時刻を時間軸で重ね合わせられればよい。例えば、重ね合わせて比較するのは、波形の谷、グラフの傾き、上下の揺らぎなどであってもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、波形の山の比較解析を行うために、比較元及び比較対象の波形の重なり具合から、各処理のおよその開始位置と思われる基準位置を指定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、比較元及び比較対象の波形の相対的位置関係が固定されていればよい。すなわち、比較元及び比較対象の波形の重ね合わされた時間軸における表示時刻の差が固定された状態で、拡大又は縮小を行うことで、比較解析が可能である。
【0043】
尚、本実施の形態では、図8のステップS105にて、波形44のみを移動させるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、波形44と共に、波形42及び波形43のコピーを移動させるようにしてもよい。これにより、波形41及び波形44の位置関係だけではなく、波形42及び波形43と各々のコピーとの位置関係を踏まえた上での重ね合わせを調整することができる。
【0044】
実施の形態2.
上述した発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示方法は、波形を時間軸で縮小表示することで、各処理の物理量の立ち上がり位置(基準位置)を探すことが容易になるが、処理の数が多数になると、対象となる処理(波形の山)を探し出すこと自体が困難になるという問題がある。そこで、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示装置11は、処理の開始時刻をイベントログとして記録し、イベントログ内のイベント発生時刻に合わせて波形の表示位置を移動することで、各処理に対応する波形の山を頭出しするようにしたものである。
【0045】
尚、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示装置11が適用される制御システムの構成は、発明の実施の形態1で挙げた制御システム1と同様であるため、図示及び説明を省略する。但し、PLC21は、バッチ処理(所定周期での処理)を実行する。バッチ処理は、それぞれイベントとして管理され、処理の開始時刻をイベントログとして記録している。イベントログには、各開始イベントの発生時刻とイベントの種類等が含まれている。また、イベントログは、トレンドグラフ表示装置11内に記録されるものとする。
【0046】
図9は、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示装置11の構成を示す機能ブロック図である。トレンドグラフ表示装置11は、上述した発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10と比べて、イベントログ記憶部125と、イベントログ一覧生成部115とが含まれること、及び、移動部114が移動部114aに置き換わったこと、が異なる。トレンドグラフ表示装置11に含まれるその他の構成要素は、トレンドグラフ表示装置10に含まれるものと同一であるから、これらに関する詳細な説明は省略する。
【0047】
イベントログ記憶部125は、上述したイベントログを記憶する。イベントログは、イベント番号、イベント開始時刻、イベントグループ名、イベント名、イベント状態、イベントタイプ等が含まれていれば良い。尚、イベントログ記憶部125は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置でもよいし、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置であってもよい。
【0048】
イベントログ一覧生成部115は、イベントログ記憶部125を参照し、イベントログからイベントログ一覧表を生成して表示部105に表示する。
【0049】
移動部114aは、操作者からの操作部104を介したイベントログ選択指示を受け取り、イベントログ記憶部125を参照し、イベント発生時刻を含めた表示時刻範囲における始点の時刻を現在表示位置記憶部124へ格納する。
【0050】
図10乃至図14は、トレンドグラフ表示装置11を使用した際のトレンドグラフ表示プログラムによるトレンドグラフ表示画面30aの例を示す。トレンドグラフ表示画面30aは、上述した発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示画面30と比べて、イベントログ一覧表示部50を備えることが異なる。トレンドグラフ表示画面30aに含まれるその他の構成要素は、トレンドグラフ表示画面30に含まれるものと同一であるから、これらに関する詳細な説明は省略する。
【0051】
イベントログ一覧表示部50は、イベントログ一覧表51が表示される。イベントログ一覧表51は、イベント番号511と、イベント発生時刻512と、イベントグループ513と、イベント名514と、イベント状態515と、イベントタイプ516とを列として持ち、イベントログ記憶部125に記憶された情報を列に対応付けて表示される。また、操作者は、操作部104を介して、イベントログ一覧表51の各行の選択が可能である。
【0052】
図15は、本実施の形態にかかるトレンドグラフ表示方法のフローチャートである。尚、以降の説明にて、適宜、図10乃至図14について参照する。
【0053】
ステップS201では、ステップS101と同様に、計測データからトレンドグラフを生成し、画面表示する。波形表示部32には、図10に示すように、波形45、波形46、波形47が表示される。波形45は、波形の山451乃至455を含めて表示される。ここで、波形の山451乃至455は、PLC21によりバッチ処理が実行された時間帯付近計測値を示し、各イベントログに対応しているものである。尚、以降では、イベント番号3に対応する波形の山453を比較元、イベント番号4に対応する波形の山454を比較対象とする。
【0054】
ステップS202では、イベントログからイベントログ一覧表を生成し、画面表示する。
すなわち、イベントログ一覧生成部115は、イベントログ記憶部125を参照し、イベントログからイベントログ一覧表を生成し、図10に示すように、イベントログ一覧表示部50にイベントログ一覧表51を表示する。
【0055】
ステップS203では、イベントログ一覧から比較元イベントを選択し、比較元イベントの開始時刻を基準に波形を移動して画面表示する。図11は、イベントログ一覧から比較元イベント523が選択され、比較元イベントに対応する波形が波形表示部32に表示された状態を示す図である。
【0056】
まず、操作者は、イベントログ一覧表51内のイベント番号3の比較元イベント523を選択する。次に、移動部114aは、比較元イベント523を基にイベントログ記憶部125を参照し、イベント発生時刻を取得する。続いて、移動部114aは、イベント発生時刻を中心とする表示時刻範囲の始点の時刻を取得し、現在表示位置記憶部124へ格納する。グラフ生成部110は、現在表示位置記憶部124が更新されたことを受けて、現在表示位置記憶部124から表示時刻範囲における始点の時刻を取得し、取得した時刻を始点として表示範囲のデータを計測データ記憶部120から読み出し、トレンドグラフを生成し、波形表示部32に波形を表示する。
【0057】
つまり、波形表示部32上で、波形45乃至47が選択されたイベント発生時刻付近に移動されたことと同様になる。尚、ここでは、イベント発生時刻を表示時刻範囲の中心としたが、波形の山を重ね合わせる都合上、発生時刻の前後がある程度表示されていれば、任意の位置で構わない。
【0058】
ステップS204では、比較元イベントの基準位置を指定し、表示された波形を画面上の背景として固定する。まず、ステップS106と同様にして、図11に示すように波形45乃至47における基準位置324が指定され、波形表示部32に表示される。このとき、固定位置記憶部122に波形45乃至47の始点の時刻が格納される。続いて、ステップS103と同様にして、波形45乃至47を背景として波形表示部32に表示される。
【0059】
ステップS205では、ステップS104と同様にして、背景の波形のコピーを画面表示する。ここでは、グラフ生成部110は、波形45のコピーである波形48として波形表示部32に表示する。このとき、波形48は、操作者のマウス操作にて選択可能である。また、波形48は、波形の山452に対応する波形の山482を含む。波形46及び47も同様に再生成して各々の波形のコピーである波形(不図示)を波形表示部32に表示する。
【0060】
この後、図12に示すように、拡大縮小バー34を利用し、時間軸の表示間隔を縮小してもよい。これにより、波形の山453をより詳細に表示することができる。
【0061】
ステップS206では、イベントログ一覧から比較対象イベントを選択し、比較対象イベントの開始時刻が、背景の波形の基準位置となるように背景の波形のコピーを移動して画面表示する。図13は、イベントログ一覧から比較対象イベント524が選択され、比較対象イベントに対応する波形が波形表示部32に表示された状態を示す図である。
【0062】
まず、操作者は、イベントログ一覧表51内のイベント番号4の比較対象イベント524を選択する。次に、移動部114aは、比較対象イベント524を基にイベントログ記憶部125を参照し、イベント発生時刻を取得する。続いて、移動部114aは、波形表示部32に取得されたイベント発生時刻を基準位置324とした表示時刻範囲における始点の時刻を現在表示位置記憶部124へ格納する。グラフ生成部110は、現在表示位置記憶部124が更新されたことを受けて、現在表示位置記憶部124から表示時刻範囲における始点の時刻を取得し、計測データ記憶部120から表示時刻範囲の波形48の始点の時刻を参照し、トレンドグラフを生成し、波形表示部32に波形を表示する。
【0063】
つまり、波形45を比較元イベント523の発生時刻付近から表示した状態で、波形48を比較対象イベント524の発生時刻を比較元イベント523の発生時刻と重ね合わせて表示することで、実質的に、波形の山453と波形の山484を重ね合わせたことになる。
【0064】
尚、ここで、操作者が、波形の山453と波形の山484の重なりを視覚的に確認し、重なり度合いが不十分であれば、背景の波形のコピーを選択して、比較元イベントの波形の山に比較対象イベントの波形の山が重なるように移動することもできる。
【0065】
ステップS207では、ステップS106と同様に、画面上の基準位置が決定される。
図14に示すように波形表示部32に基準位置325を表示する。尚、ここで併せて、固定部112は、固定位置記憶部122から波形45乃至47の始点の時刻を削除して、波形45乃至47の固定を解除し、また、基準位置記憶部123から波形45乃至47の基準位置指定指示に該当する各計測時刻を削除して、基準位置324を解除してもよい。
【0066】
以降、操作者が拡大縮小バー34を用いて、波形の表示を調整した場合、グラフ生成部110は、時間軸記憶部121及び基準位置記憶部123を参照し、基準位置325を中心とした表示間隔の変更を行って、波形45及び波形48の表示変更を行う。このようにして、操作者は、波形の山453及び波形の山484を比較解析することができる。
【0067】
以上説明したように、比較元と比較先の波形を重ねるために、波形内から該当処理に対応する波形の山を探し出す場合、イベント発生位置に移動して表示することにより、容易に頭出しを行うことができる。これにより、たとえばバッチ処理内での比較を容易にすることが可能となり、基準位置を確定することで、操作者に無駄な操作を強いることなく、また作業を分断することなく記憶したログデータの比較解析を行うことが可能となる。
【0068】
尚、ステップS204では基準位置を指定しているが、比較元波形45の表示が固定されれば、基準位置の指定は行わなくても構わない。
【0069】
尚、本実施の形態では、図15のステップS205にて、波形48のみを移動させるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、波形48と共に、波形46及び波形47のコピーを移動させるようにしてもよい。これにより、波形45及び波形48の位置関係だけではなく、波形46及び波形47と各々のコピーとの位置関係を踏まえた上での重ね合わせを調整することができる。
【0070】
その他の実施の形態.
本発明の実施の形態1又は2における全ての機能は、マウス操作、コンテキストメニュー、ショートカットメニュー、メニューバーなど、操作者からの何らかの指示を受け付けられる手段で実現されていれば良い。
【0071】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10が適用される制御システム1の構成例である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示装置10の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかるトレンドグラフ表示方法のフローチャート図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図13】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図14】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示装置11の使用時におけるトレンドグラフ表示画面を示す構成図である。
【図15】本発明の実施の形態2にかかるトレンドグラフ表示方法のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0073】
1 制御システム 10−11 トレンドグラフ表示装置
22 温度調節計 30 トレンドグラフ表示画面
30a トレンドグラフ表示画面 31 グラフ情報表示部
32 波形表示部 33 波形スクロールバー 34 拡大縮小バー
41−48 波形 50 イベントログ一覧表示部
51 イベントログ一覧表 101 通信制御部 102 メモリ
104 操作部 105 表示部 110 グラフ生成部
111 時間軸調整部 112 固定部 113 基準位置指定部
114 移動部 114a 移動部 115 イベントログ一覧生成部
120 計測データ記憶部 121 時間軸記憶部 122 固定位置記憶部
123 基準位置記憶部 124 現在表示位置記憶部
125 イベントログ記憶部 323−325 基準位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測値と計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示方法であって、
前記変位データ群を記憶する記憶手段から、第1の波形を画面にグラフ表示する第1波形表示ステップと、
前記第1の波形を背景として第2の波形を重ね合わせてグラフ表示する第2波形表示ステップと、
入力に応じて、前記第1の波形を固定した状態で、前記第2の波形を時間軸に沿って移動させることによりグラフ表示を更新する波形移動ステップと、
前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付ステップと、
入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示ステップと、
を備えるトレンドグラフ表示方法。
【請求項2】
前記第1の波形の比較元の計測時刻付近に、第2の波形の比較対象の計測時刻付近を重ね合わせるように移動させる操作を受け付ける第2波形移動指定受付ステップをさらに備え、
前記波形移動ステップでは、前記第2波形移動指定受付ステップにおける操作を入力とする、請求項1に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項3】
前記第2波形表示時刻指定受付ステップでは、
入力手段に対する操作に連動して画面上を移動するポインタによって、
前記画面上の前記第2の波形が選択されるとともに、
前記画面上で、前記第1の波形の比較元の計測時刻付近と、第2の波形の比較対象の計測時刻付近とを重ねて表示されるように時間軸方向に前記第2の波形を貼り付ける操作に応じて、前記第2の波形の移動させる操作を受け付ける、請求項1又は2に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項4】
前記変位データは、第1の処理と第2の処理を含めて実行された処理結果の計測値と計測時刻を含み、
前記第1及び前記第2の処理の開始時刻は、第1及び第2の処理イベントログとして前記記憶手段に記憶され、
前記第1波形表示ステップでは、前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を前記記憶手段から取得するとともに、前記第1の波形を表示し、
前記第2波形表示時刻指定受付ステップでは、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を前記記憶手段から取得するとともに、前記第2の波形を表示する、請求項1に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項5】
前記記憶手段から、前記第1及び第2の処理イベントログを含めた処理イベントログ群を取得するとともに、前記処理イベントログ群をイベントログ一覧表として前記画面上に表示するイベントログ一覧表示ステップと、
前記イベントログ一覧表から前記第1の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第1イベントログ選択受付ステップと、をさらに備え、
前記第2波形表示時刻指定受付ステップでは、前記イベントログ一覧表から前記第2の処理イベントログを選択する操作を受け付ける、請求項4に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項6】
前記計測値と前記計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示方法であって、
前記変位データは、第1の処理と第2の処理を含めて実行された処理結果の計測値と計測時刻を含み、
前記第1及び前記第2の処理の開始時刻は、第1及び第2の処理イベントログとして開始時刻に対応し、
前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記変位データ群を記憶する記憶手段から取得し、第1の波形として画面にグラフ表示する第1波形表示ステップと、
前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記記憶手段から取得し、前記第1の波形と重ね合わせて第2の波形として前記画面にグラフ表示する第2波形表示ステップと、
前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付ステップと、
入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示ステップと、を備え、
前記第2波形表示ステップでは、前記第1の波形の前記第1の処理イベントログの開始時刻の表示位置に基づいて、前記第2の波形の前記第2の処理イベントログの開始時刻の表示位置を調整する、トレンドグラフ表示方法。
【請求項7】
前記第2波形表示ステップでは、前記第1の波形における前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻に、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻を一致させて前記第2の波形を前記画面にグラフ表示する、請求項6に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の処理イベントログを記憶したイベントログ記憶手段から、イベントログ一覧表として前記画面上に表示するイベントログ一覧表示ステップと、
前記イベントログ一覧表から前記第1の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第1イベントログ選択受付ステップと、
前記イベントログ一覧表から前記第2の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第2イベントログ選択受付ステップと、をさらに備え、
前記第1波形表示ステップでは、前記第1イベントログ選択受付ステップにおいて選択された前記第1の処理イベントログに基づき、グラフ表示され、
前記第2波形表示ステップでは、前記第2イベントログ選択受付ステップにおいて選択された前記第2の処理イベントログに基づき、グラフ表示される、請求項6又は7に記載のトレンドグラフ表示方法。
【請求項9】
計測値と計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示装置であって、
前記変位データ群を記憶する記憶手段から、第1の波形を画面にグラフ表示する第1波形表示手段と、
前記第1の波形を背景として第2の波形を重ね合わせてグラフ表示する第2波形表示手段と、
入力に応じて、前記第1の波形を固定した状態で、前記第2の波形を時間軸に沿って移動させることによりグラフ表示を更新する波形移動手段と、
前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付手段と、
入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示手段と、
を備えるトレンドグラフ表示装置。
【請求項10】
前記第1の波形の比較元の計測時刻付近に、第2の波形の比較対象の計測時刻付近を重ね合わせるように移動させる操作を受け付ける第2波形移動指定受付手段をさらに備え、
前記波形移動手段では、前記第2波形移動指定受付手段における操作を入力とする、請求項9に記載のトレンドグラフ表示装置。
【請求項11】
前記第2波形表示時刻指定受付手段では、
入力手段に対する操作に連動して画面上を移動するポインタによって、
前記画面上の前記第2の波形が選択されるとともに、
前記画面上で、前記第1の波形の比較元の計測時刻付近と、第2の波形の比較対象の計測時刻付近とを重ねて表示されるように時間軸方向に前記第2の波形を貼り付ける操作に応じて、前記第2の波形の移動させる操作を受け付ける、請求項10又は11に記載のトレンドグラフ表示装置。
【請求項12】
前記変位データは、第1の処理と第2の処理を含めて実行された処理結果の計測値と計測時刻を含み、
前記第1及び前記第2の処理の開始時刻は、第1及び第2の処理イベントログとして前記記憶手段に記憶され、
前記第1波形表示手段では、前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を前記記憶手段から取得するとともに、前記第1の波形を表示し、
前記第2波形表示時刻指定受付手段では、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を前記記憶手段から取得するとともに、前記第2の波形を表示する、請求項9に記載のトレンドグラフ表示装置。
【請求項13】
前記記憶手段から、前記第1及び第2の処理イベントログを含めた処理イベントログ群を取得するとともに、前記処理イベントログ群をイベントログ一覧表として前記画面上に表示するイベントログ一覧表示手段と、
前記イベントログ一覧表から前記第1の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第1イベントログ選択受付手段と、をさらに備え、
前記第2波形表示時刻指定受付手段では、前記イベントログ一覧表から前記第2の処理イベントログを選択する操作を受け付ける、請求項12に記載のトレンドグラフ表示装置。
【請求項14】
前記計測値と前記計測時刻とが対応付けられた一連の変位データ群から時系列情報としてグラフ表示するトレンドグラフ表示装置であって、
前記変位データは、第1の処理と第2の処理を含めて実行された処理結果の計測値と計測時刻を含み、
前記第1及び前記第2の処理の開始時刻は、第1及び第2の処理イベントログとして開始時刻に対応し、
前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記変位データ群を記憶する記憶手段から取得し、第1の波形として画面にグラフ表示する第1波形表示手段と、
前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻付近の計測値を、前記記憶手段から取得し、前記第1の波形と重ね合わせて第2の波形として前記画面にグラフ表示する第2波形表示手段と、
前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を指定する操作を受け付ける波形相対位置指定受付手段と、
入力に応じて、前記第1及び第2の波形の相対的位置関係を固定したまま、前記第1及び第2の波形の表示時刻範囲を拡大又は縮小して表示を更新する波形更新表示手段と、を備え、
前記第2波形表示手段では、前記第1の波形の前記第1の処理イベントログの開始時刻の表示位置に基づいて、前記第2の波形の前記第2の処理イベントログの表示位置を調整する、トレンドグラフ表示装置。
【請求項15】
前記第2波形表示手段では、前記第1の波形における前記第1の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻に、前記第2の処理イベントログの開始時刻に対応する計測時刻を一致させて第2の波形を前記画面にグラフ表示する、請求項14に記載のトレンドグラフ表示装置。
【請求項16】
前記第1及び第2の処理イベントログを記憶したイベントログ記憶手段から、イベントログ一覧表として前記画面上に表示するイベントログ一覧表示手段と、
前記イベントログ一覧表から前記第1の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第1イベントログ選択受付手段と、
前記イベントログ一覧表から前記第2の処理イベントログを選択する操作を受け付ける第2イベントログ選択受付手段と、をさらに備え、
前記第1波形表示手段では、前記第1イベントログ選択受付手段において選択された前記第1の処理イベントログに基づき、グラフ表示され、
前記第2波形表示手段では、前記第2イベントログ選択受付手段において選択された前記第2の処理イベントログに基づき、グラフ表示される、
請求項14又は15に記載のトレンドグラフ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−104502(P2009−104502A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277186(P2007−277186)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】