説明

ドアホン装置、ドアホン装置のプログラム、ドアホンシステム、及びドアホン装置のデータ取得方法

【課題】アップデートを行うためのプログラムやデータを最適なタイミングで取得することができるドアホン装置を提供すること。
【解決手段】来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段により判定した不使用タイミングで、他の装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶されているデータ及びプログラムを適切なタイミングで更新することができるドアホン装置、同ドアホン装置のプログラム、ドアホンシステム、及びドアホン装置のデータ取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住居外の玄関などに設置される子機と、住居内部に設置される親機とを有し、この子機及び親機を介して、住居に来訪する者(来訪者)と住居内で応対する者(応対者)との通話を可能とするドアホン装置が知られている。
【0003】
上記のようなドアホン装置では、子機に設けられた呼び出しボタンが来訪者によって押されると、来訪の意思を有する者の存在が音などによって住人に通知される。そして、応対者に応対の意思があるとき、子機に設けられたスピーカ及びマイクと親機に設けられたスピーカ及びマイクとを通話状態にする。
【0004】
また、上記のようなドアホン装置では、近年、子機に来訪者(主に顔)を撮像するカメラが設けられ、このカメラによって撮像された画像(主に動画)を親機に設けられたモニタに表示するようにしたものが主流となっている。
【0005】
さらに、ドアホン装置は、単に呼び出し及び通話を行う機能にとどまらず、セキュリティ面などを強化するなど多機能化が図られており、かかる機能を実現するためのプログラムやそのプログラムで用いるデータのアップデート(更新)が必要な場合が生じてきた。
【0006】
そこで、サーバ装置にドアホン装置の更新プログラムなどを管理させておき、各ドアホン装置がサーバ装置に対して予め設定された時刻に接続し、最新のプログラムを取得してアップデートする手段を備えるドアホン装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−94366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のドアホン装置では、来訪者の来訪があるか否かにかかわらず、予め設定された時刻にサーバ装置に接続することになる。そのため、上記のドアホン装置では、来訪者に対する来訪処理とサーバ装置からのプログラム取得処理等を同時に行わなければならず、ドアホン装置の処理能力が低いと、その処理負荷により動作が不安定になる虞がある。
【0008】
また、ドアホン装置の利用者によってプログラムやデータを更新するタイミングを指定することも考えられる。しかし、近年の生活スタイルの変化もあり、いつ何時来訪者の来訪があるかを把握することは難しい。
【0009】
そこで、本発明は、アップデートを行うためのプログラムやデータを最適なタイミングで取得することができるドアホン装置、ドアホン装置のプログラム、ドアホンシステム、及びドアホン装置のデータ取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、来訪者に対してプログラムによって決定された来訪処理を行うドアホン装置であって、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段により判定した不使用タイミングで、他の装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備えたドアホン装置とした。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、単位期間における不使用タイミングを判定することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間内において来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯又は当該検出間隔が所定時間以上の時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間内において一定時間来訪者がない時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、前記アップデートデータのデータサイズ又は前記アップデートデータの取得時間に応じて前記一定時間を変更することを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、特定時間から始まる期間を前記単位期間として不使用タイミングを判定することを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段は、前記特定時間を午前0時として不使用タイミングを判定することを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のドアホン装置において、前記来訪履歴情報を他のドアホン装置へ前記通信回線を介して送信する来訪履歴情報送信手段を備え、前記他のドアホン装置から、前記データ取得手段により前記アップデートデータを取得する場合、前記不使用タイミング判定手段は、前記他のドアホン装置から当該他のドアホン装置の来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記通信回線を介して取得し、前記他のドアホン装置と自装置に共通する不使用タイミングを、前記データ取得手段がアップデートデータを取得する前記不使用タイミングとすることを特徴とする。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のドアホン装置において、前記来訪検出手段を設けた玄関子機を備え、前記不使用タイミング判定手段は、前記不使用タイミングとして前記玄関子機の不使用タイミングを判定することを特徴とする。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のドアホン装置において、玄関子機と、前記来訪検出手段を設けた室内親機を備え、前記来訪検出手段は、前記玄関子機からの通知に基づき前記来訪者の来訪を検出することを特徴とする。
【0020】
請求項11に係る発明では、コンピュータを、前記請求項1〜10のいずれかに記載のドアホン装置における各手段として機能させるためのプログラムとした。
【0021】
請求項12に係る発明では、ドアホン装置と、当該ドアホン装置にアップデートデータを送信するサーバ装置とを有するドアホンシステムであって、前記ドアホン装置は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記サーバ装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備え、前記サーバ装置は、アップデートデータを記憶するデータ記憶手段と、前記ドアホン装置からの要求に応じて、当該ドアホン装置に前記データ記憶手段に記憶したアップデートデータを送信するデータ送信手段と、を備えたドアホンシステムとした。
【0022】
請求項13に係る発明では、ドアホン装置と、当該ドアホン装置にアップデートデータを通信回線を介して送信するサーバ装置とを有するドアホンシステムであって、前記ドアホン装置は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記サーバ装置へ送信する来訪履歴情報送信手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記通信回線を介して前記サーバ装置からアップデートデータを取得するデータ取得手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記ドアホン装置から送信された来訪履歴情報に基づいて、前記ドアホン装置の不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記ドアホン装置へ通信回線を介してアップデートデータを送信するデータ送信手段と、を備えたドアホンシステムとした。
【0023】
請求項14に係る発明では、複数のドアホン装置を備え、当該ドアホン装置間でアップデートデータを通信回線を介して送受信するドアホンシステムであって、各前記ドアホン装置は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、他のドアホン装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備えたドアホンシステムとした。
【0024】
請求項15に係る発明では、ドアホン装置でアップデートデータを取得するデータ取得方法であって、来訪検出手段により来訪者の来訪を検出するステップと、前記来訪検出手段により検出した来訪の履歴情報を来訪履歴情報として来訪履歴情報記憶手段に記憶するステップと、前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを不使用タイミング判定手段により判定するステップと、前記タイミング判定手段によって判定した不使用タイミングで、データ取得手段により他のドアホン装置から通信回線を介してアップデータを取得するステップと、前記データ取得手段によって取得したアップデートデータにより記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータをアップデート手段により更新するステップとを有するデータ取得方法とした。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、使用者がアップデートのための時間をわざわざ設定しなくても、ドアホン装置の不使用タイミングでアップデート用のプログラムやデータを取得することができる。そのため、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とが同時に行わることを可及的に防止でき、ドアホン装置の処理能力を特別に高めることなく、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とを円滑に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るドアホン装置は、単に呼び出し及び通話を行う機能(基本機能)のみではなく、セキュリティ面などを強化するための機能を実行するためのプログラム及びそのプログラムで用いるデータが記憶手段に記憶されており、なおかつ、そのプログラムやデータを、アップデート(更新)することを可能とするとともに、アップデートするためのアップデートデータを取得するタイミングを、ドアホン装置としての基本機能(来訪者の存在報知)が実行されているときを除くタイミング(不使用タイミング)で行うようにしたものである。
【0027】
そこで、図1に示すように、本実施形態に係るドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段により判定した不使用タイミングで、他の装置から所定の通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備えた構成としている。
【0028】
アップデートデータの入手先となる他の装置としては、例えば、通信回線介して通信可能とした後述する管理サーバ100、あるいは他のドアホン装置などが考えられる。
【0029】
ドアホン装置1は、マイクロコンピュータからなる情報処理装置2を備えており、この情報処理装置2は、記憶手段としての記憶部3に、所定のセキュリティプログラムを含むドアホン装置の動作を制御するプログラムや当該プログラムで用いるデータを記憶している。なお、記憶部3は、書き換え可能な記憶装置であって、例えばEPROMやハードディスク(HDD)などを用いることができる。なお、出入自在のディスクタイプの記憶媒体を用いてもよい。
【0030】
また、記憶部3は、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶しており、来訪履歴情報記憶手段としても機能するものである。この来訪履歴情報記憶手段としては、前記RAMを用いてよいし、あるいは、前記ROMをEPROMとするか、別途備えるEPROMやHDDや出入自在の記憶媒体を来訪履歴情報記憶手段として用いることもできる。
【0031】
かかる記憶部3に記憶されたプログラムにより、本実施形態では、前記情報処理装置2(マイクロコンピュータ)を、前記来訪検出手段、不使用タイミング判定手段、データ取得手段、及びアップデート手段として機能させており、来訪者の検出機能、そして、その検出結果を在宅住人への報知する基本機能が実行されているか否かを判定する機能、例えばセキュリティ機能などをアップデートするためのアップデートデータを取得する機能、さらには、前記記憶部3に記憶したプログラムやデータを実際にアップデート(更新)する機能が発揮されるようになっている。
【0032】
かかる構成により、ドアホン装置1は、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とが同時に行わることを可及的に防止でき、ドアホン装置1の処理能力を特別に高めることなく、来訪者に対する基本的な来訪処理と、例えばセキュリティ機能などのためのプログラムやデータなどの取得処理とを円滑に行うことが可能となる。
【0033】
(第1実施形態)
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照しながらより具体的に説明する。なお、第1の実施形態では、ドアホン装置1と、当該ドアホン装置1がアップデートデータを入手する入手先である他の装置としての管理サーバ100とを有するドアホンシステム400について説明する。前記ドアホン装置1と管理サーバ100とは、例えばインターネットなどのネットワーク200(通信回線)を介して通信可能としている。
【0034】
[ドアホンシステム400の概要]
図2は第1の実施形態に係るドアホンシステムの構成の概要を示す説明図、図3は同システムにおけるドアホンを構成する室内親機の外観を示す説明図、図4は同システムにおけるドアホンを構成するドアホンを構成する玄関子機の外観を示す説明図である。
【0035】
本実施形態に係るドアホンシステム400は、図2に示すように、複数のドアホン装置1と管理サーバ100とが通信回線としてのネットワーク200を介して接続されることにより構成されている。
【0036】
すなわち、本実施形態に係るドアホンシステム400は、ドアホン装置1と、当該ドアホン装置1にアップデートデータを送信する管理サーバ100とを有し、前記ドアホン装置1は、前述した各手段、すなわち、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記管理サーバ100から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段とを備えている。
【0037】
一方、前記管理サーバ100は、アップデートデータを記憶するデータ記憶手段と、前記ドアホン装置1からの要求に応じて、当該ドアホン装置1に前記データ記憶手段に記憶したアップデートデータを送信するデータ送信手段とを備えている。
【0038】
ところで、ドアホン装置1は、住居の内部に設置される室内親機10と、玄関などの住居の外部に設置される玄関子機50とがペアになって構成されている。そして、室内親機10と玄関子機50とは、互いに通信可能に接続されており、家屋外の来訪者と家屋内の応対者との間で、音声通話や各種データの受け渡しを行うことが可能である。
【0039】
図3に示すように、室内親機10は、ケーシング表面に、スピーカ11と、マイク12と、タッチパネル15(図6参照)が内蔵されたモニタ13とを備えている。また、図4に示すように、玄関子機50は、ケーシング表面に、スピーカ51、マイク52、及びタッチパネル57(図9参照)が内蔵されたモニタ53の他、訪問者を撮像するためのカメラ55と、訪問者が来訪を知らせるために操作する呼出ボタン54とを備えている。
【0040】
管理サーバ100は、これもCPU、ROM、RAMなどからなる記憶装置(図示せず)備えたコンピュータからなる情報処理装置を備えており、記憶装置がアップデートデータを記憶する前記データ記憶手段として機能し、さらには、この記憶装置に、管理サーバ100により実行される処理を制御するプログラムを格納している。かかるプログラムにより、情報処理装置を、前記ドアホン装置1からの要求に応じて、当該ドアホン装置1に前記データ記憶手段に記憶したアップデートデータを送信するデータ送信手段として機能させている。
【0041】
すなわち、本実施形態におけるドアホンシステム400では、ドアホン装置1が自身の不使用タイミングを判定し、そのタイミングで管理サーバ100へアップデートデータの送信要求を行い、この要求に応じて、管理サーバ100は要求してきたドアホン装置1に前記記憶部に記憶したアップデートデータを送信するようになっている。
【0042】
したがって、本実施形態では、例えば使用者がアップデートのための時間をわざわざ設定しなくても、ドアホン装置1の不使用タイミングを判定すると、そのタイミングで管理サーバ100へアップデートデータの送信要求を行い、管理サーバ100からはドアホン装置1の不使用タイミングでアップデートデータが送信されるため、ドアホン装置1は自身の不使用タイミングでアップデート用のプログラムやデータを取得することができる。
【0043】
このように、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とは同時に行わることがなくなるため、ドアホン装置1自体の処理能力を必要以上に高めなくとも、処理負荷により動作が不安定になる虞を可及的に防止することできる。しかも、ドアホン装置1の制御機能が複雑化することもなく、電気的構成が単純化されて生産コストを下げることが可能となる。
【0044】
以下、本実施形態に係るドアホンシステム400の一例について、より具体的に説明する。なお、本実施形態では、上述したドアホン装置1の情報処理装置2としては、室内親機10は制御部30(図6参照)が、玄関子機50は制御部80(図9参照)が同じ機能を担うが、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段の機能としては、ここでは、玄関子機50の制御部80が担うこととしている。
【0045】
[ドアホンシステム400におけるドアホン装置1の動作概要]
本実施形態におけるドアホンシステム400におけるドアホン装置1は、来訪検出手段を設けた玄関子機50と室内親機10とを備えており、玄関子機50の来訪検出手段は、呼出ボタン54や、タッチパネルが内蔵されたモニタ53からの来訪検出情報によって来訪者の来訪を検出し、その検知結果を室内親機10に通知するようにしている。
【0046】
すなわち、ドアホン装置1は、来訪者により玄関子機50の呼出ボタン54が押されるか、又はモニタ53に来訪者の指先などが触れると、来訪者が来訪したことを玄関子機50が検出する。玄関子機50は来訪者の来訪を検出すると、カメラ55により来訪者の撮像を開始し、来訪検出情報を室内親機10に送信する。室内親機10は、カメラ55により撮像された画像データを含む来訪検出情報を受信すると、来訪検出情報を受信した日時を来訪履歴情報として来訪履歴情報記憶手段に記憶する。また、ドアホン装置1では、玄関子機50がマイク52で取得した来訪者の音声と来訪者の映像を室内親機10のスピーカ11とモニタ13に出力する。
【0047】
また、本実施形態におけるドアホン装置1では、室内応対者は、来訪者の音声等からモニタ53に内蔵されたタッチパネルで来訪者を評価することができ、この評価した来訪者の情報をタッチパネルの操作により室内親機10に記憶させることができる。また、ドアホン装置1は、来訪者の評価の情報を、室内親機10のモニタ13に内蔵されたタッチパネルの操作及びネットワーク200を介して管理サーバ100に送信することができる。
【0048】
室内親機10が単位期間となる一定期間の来訪履歴情報を記憶し、その来訪履歴情報に基づいて、後述する制御部30を備えた室内親機10が、ドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を判定し、この一定の時間帯をドアホン装置1の不使用タイミングとして記憶部3に記憶する。なお、来訪履歴を記憶するための一定期間(単位期間)は予め適宜に設定される。本実施形態では、毎日の来訪履歴情報を取得するとともに、古い日付のデータを順次破棄しながら常に1週間分の来訪履歴情報を記憶しておくこととしている。したがって、直近の1週間の来訪履歴情報が室内親機10の記憶部3に記憶されていることになる。
【0049】
このように、来訪履歴情報を記憶部3に記憶しておくことで、室内親機10の制御部30は不使用タイミングを判定することができる。つまり、単位期間を上述したように1週間と設定した場合、1週間内においてドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を不使用タイミングと判定して記憶部3に記憶し、室内親機10は、その時間帯にネットワーク200を介して管理サーバ100に接続し、アップデートデータ及び不審者の情報の送信要求を行うのである。
【0050】
ところで、ドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を決定するに際し、制御部30は、前記来訪履歴情報に基づき、前述のように設定された単位期間内において来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯又は当該検出間隔が所定時間以上の時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することができる。
【0051】
あるいは、制御部30は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間内において一定時間来訪者がない時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することができる。
【0052】
なお、不使用タイミングと判定される一定時間に関しては、アップデートデータのデータサイズ又は前記アップデートデータの取得時間に応じて変更できるようにすることが望ましい。
【0053】
また、制御部30は、特定時間から始まる期間を単位期間として不使用タイミングを判定するようにしている。例えば、特定時間を午前0時とし、午前0時から始まるある日から1週間を単位期間とし、この1週間の間において、来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯又は当該検出間隔が所定時間以上の時間帯を、不使用タイミングと判定するのである。
【0054】
このようにして決定された時間帯が、例えば、図5に示すように、午前2時〜午前4時までであれば、この時間帯が不使用タイミングとして記憶部3に記憶されることになる。なお、この不使用タイミングの決定については後に詳述する。
【0055】
ところで、室内親機10から管理サーバ100へのアップデートデータ及び不審者の情報の送信要求は、記憶した一定の時間帯になれば毎日送信要求を行ってアップデートする設定としてもよいが、例えば、毎週日曜日の当該時間帯、あるいは毎月1日の当該時間帯にアップデートを行う設定としてもよい。
【0056】
一方、管理サーバ100は、ドアホン装置1のためのアップデートデータを記憶している。アップデートデータは、ドアホン装置1で使用するデータや更新プログラムである。また、管理サーバ100は、不審者などに関するデータベースを有している。これは、複数のドアホン装置1により取得され管理サーバ100に送信された不審者の評価情報を集めたものである。
【0057】
なお、管理サーバ100に記憶されたアップデートデータは、例えば、管理サーバ100と通信可能に接続されたドアホンメーカやドアホン保守会社などの保守サーバ(図示せず)からアップロードされるものとしている。また、管理サーバ100が記憶している不審者などの不審情報に関するデータベースについても、複数のドアホン装置1により取得されて管理サーバ100に送信された不審者の評価情報の他、前記保守サーバから送られた評価情報も集積されている場合がある。
【0058】
室内親機10は、当該室内親機10の記憶部3に記憶された不使用タイミングを検出すると、ネットワーク200を介して管理サーバ100に接続し、アップデートデータ及び不審情報の送信要求を行う。
【0059】
管理サーバ100は、ドアホン装置1の室内親機10からの要求信号に応じて、アップデートデータ及び不審情報を折り返し送信する。そして、ドアホン装置1は、管理サーバ100から取得したアップデートデータにより、ドアホン装置1の記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新する。
【0060】
[室内親機10の電気的構成]
図6を参照して、本実施の形態における室内親機10が備える回路の構成について説明する。
【0061】
室内親機10は、制御部30、通話制御部40、呼出音制御部41、表示制御部42などの各種制御部と、通信インターフェイス(I/F)43と、外部通信I/F44と、記憶部3と、時計機能を有する計時部4と、スピーカ11、モニタ13などの各種出力装置と、マイク12、さらにはモニタ13に設けたタッチパネル15を入力装置として備えている。
【0062】
制御部30は、CPU31、ROM32及びRAM33により構成される。CPU31は、ROM32に記憶されている制御プログラムに基づいてドアホン装置1の全体の制御を行う。また、CPU31は、他の制御部(通話制御部40、呼出音制御部41、表示制御部42)、入力装置(タッチパネル15)、出力装置(マイク12、スピーカ11、モニタ13)、外部通信I/F44及び玄関子機50と協働し、ドアホン装置1が備える各手段(不使用タイミング判定手段、データ取得手段、及びアップデート手段)による機能を実現する。ROM32には、上記制御プログラムや、玄関子機50に対して各種信号を送信するためのデータ等が記憶されている。
【0063】
記憶部3は、前述したように、玄関子機50により検出して得られた来訪者の来訪情報の履歴を記憶している。図7に示すテーブルのように、本実施形態における来訪履歴情報は、来訪日時を示すデータである。そして、この来訪履歴情報に基づいて、制御部30のCPU31がドアホン装置1の不使用タイミングを決定する。
【0064】
また、記憶部3は、管理サーバ100のデータベースに記憶されている不審者情報などの不審データ(図11参照)がネットワークを介して取得されると、その取得された不審者データを記憶する。さらに、ドアホン装置1の室内親機10のモニタ13で用いられるアイコンや壁紙などのモニタ用データについても記憶している。そして、モニタ用データ、不審データのいずれも、ネットワークを介して新たにデータが取得される度に更新される。
【0065】
また、計時部4は、カレンダー機能を有する時計機能を有し、現在の年月日及び時刻を出力することができる。
【0066】
通話制御部40には、マイク12及びスピーカ11が接続されている。通話制御部40は、マイク12によって集音された応対者の声などの音声を取得し、通信I/F43を介して後述する玄関子機50に出力する。また、通話制御部40は、玄関子機50から通信I/F43を介して入力された来訪者の声などの音声をスピーカ11から出力する。
【0067】
呼出音制御部41には、スピーカ11が接続されている。呼出音制御部41は、玄関子機50から通信I/F43を介して入力された呼出信号に基づいて、応対者に来訪者の来訪を通知する呼出音をスピーカ11から出力する。玄関子機50は、呼出ボタン54が来訪者によって押されたとき、呼出信号を室内親機10に対して出力する。
【0068】
表示制御部42には、タッチパネル15を内蔵したモニタ13が接続されている。表示制御部42は、モニタ13の表示及びタッチパネル15からの入力を制御するもので、例えば、玄関子機50のカメラ55により撮像された来訪者の画像や、不審情報の表示や、応対者が対応した来訪者に関する不審情報のデータ入力を行う際の情報入力案内画像などをモニタ13に表示する。
【0069】
タッチパネル15は操作入力部となり、室内応対者によるタッチ操作の入力を受け付ける。例えば、来訪者を不審者と判断した場合の不審情報の入力や、玄関子機50との間の通話を許可する旨又は拒否する旨の入力を、表示される案内画面へのタッチ操作に応じて受け付けることができる。また、時刻調整などの入力もこのタッチパネル15から行うことができる。
【0070】
通信I/F43は、通信ケーブル(無線であっても良い)を介して玄関子機50が備える通信I/F95(図9参照)と接続される。外部通信I/F44は、ネットワーク200を介して管理サーバ100が備える通信装置143(図10参照)と接続されている。すなわち、通信I/F43は玄関子機50との間で、外部通信I/F44は管理サーバ100との間で各種情報を送受信する。
【0071】
室内親機10は上述した構成を備えており、制御部30のCPU31がROM32の制御プログラムに従って動作することにより、外部通信I/F44を介してネットワーク200に接続されている管理サーバ100に接続し、管理サーバ100からアップデートデータを受信することができる。
【0072】
すなわち、制御部30のCPU31は、記憶部3に記憶された来訪履歴情報に基づいてドアホン装置1の不使用タイミングを判定し、判定した不使用タイミング情報を記憶部3に記憶しておく。そして、CPU31が、記憶部3に記憶された不使用タイミング情報に相当する時間になったと判定すると、不使用タイミング情報をRAM33の作業領域に展開し、管理サーバ100に接続を要求する信号を送り、接続が許可されるとアップデートデータ要求信号を送信する。なお、ROM32には、当該ドアホン装置1のプロフィール情報として、図8に示すように、通信用アドレス、機種識別子、使用プログラム、プログラムのバージョン、製造年度などが記憶されている。CPU31は、アップデートデータ要求信号を送信する際に、当該ドアホン装置1の機種識別子についても同時に送信する。
【0073】
そして、アップデートデータの要求信号を受けた管理サーバ100は、機種識別子によって特定されるアップデートデータを室内親機10に送信し、当該室内親機10では、ROM32に記憶されている前記プロフィール情報に含まれる使用プログラム、プログラムのバージョンが更新されるとともに、前述したモニタ用データ、不審データについても更新されることになる。
【0074】
[玄関子機50の電気的構成]
次に、図9を参照して、本実施の形態における玄関子機50が備える回路の構成について説明する。
【0075】
玄関子機50は、制御部80、通話制御部91、表示制御部92、カメラ制御部93、画像信号制御部94などの各種制御部と、マイク52、カメラ55、呼出ボタン54、さらにはモニタ53に設けたタッチパネル57などの入力装置と、スピーカ51、モニタ53などの出力装置と、室内親機10と接続する通信I/F95とを備えている。
【0076】
制御部80は、CPU81、ROM82及びRAM83により構成される。CPU81は、ROM82に記憶されている制御プログラムに基づいて、玄関子機50の全体の制御を行い、来訪検出手段としての機能の他、玄関子機50が備える各機能を実現する。ROM82には、上記制御プログラムの他、室内親機10に対して各種信号を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM83には作業用の記憶領域が設けられている。
【0077】
通話制御部91には、マイク52及びスピーカ51が接続されており、マイク52によって集音された来訪者の声などの音声を取得するとともに、室内親機10から通信I/F95を介して入力された応対者の声などの音声をスピーカ51から出力する。
【0078】
表示制御部92には、モニタ53が接続されており、この表示制御部92はモニタ53の表示を制御する。
【0079】
なお、モニタ53には室内親機10同様に操作入力部であるタッチパネル57が内蔵されている。タッチパネル57は、来訪者による操作の入力を受け付けることができ、例えば、タッチすることで呼出ボタン54の代わりにもなるとともに、来訪目的の入力を受け付けることができる。
【0080】
カメラ制御部93は、カメラ55が接続されており、例えば、呼出ボタン54が押されるか又はモニタ53に来訪者の指先などが触れると、来訪者が来訪したことを検知して、カメラ制御部93は、カメラ55の動作を制御して来訪者を撮像する。そして、カメラ55によって撮像された来訪者の画像データ(静止画及び動画を含む)を、画像信号制御部94が通信I/F95を介して室内親機10に送信する。
【0081】
通信I/F95は、室内親機10が備える通信I/F43と接続されており、この通信I/F95は室内親機10との間で各種情報を送受信する。
【0082】
[管理サーバ100の電気的構成]
次に、図10を参照して、本実施の形態における管理サーバ100が備える回路の構成について説明する。
【0083】
管理サーバ100は、汎用のサーバコンピュータを適用することができ、制御部130と、制御部130に接続されるI/Oインターフェイス120と、I/Oインターフェイス120を介して制御部130に接続されるマウスコントローラ140、キーコントローラ141、ビデオコントローラ142、記憶部110としてのハードディスク装置(HDD)及び通信装置143と、マウス150と、キーボード151と、ディスプレイ152とを備えている。
【0084】
制御部130は、CPU131、ROM132及びRAM133により構成される。CPU131は、ROM132に記憶されている制御プログラムに基づいて、管理サーバ100の全体の制御を行い、管理サーバ100が備える各機能を実現する。ROM132には、上記制御プログラムの他、室内親機10に対して各種信号を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM133には、作業用の記憶領域が設けられる。また、本実施形態において、制御部130のCPU131は、ドアホン装置1の室内親機10の接続要求信号を受信して室内親機10との通信を確立する。さらに、CPU131は、ドアホン装置1のための、更新データや更新プログラムを記憶部110において検索し、発見された場合、ドアホン装置1にこれらを送信する制御を行う。
【0085】
マウスコントローラ140にはマウス150が接続され、キーコントローラ141にはキーボード151が接続される。そして、マウス150及びキーボード151を介して情報の入力が行われる。また、ビデオコントローラ142にはディスプレイ152が接続される。
【0086】
通信装置143は、ネットワーク200を介して室内親機10が備える外部通信I/F44と接続されている。通信装置143は、室内親機10との間で各種情報を送受信する機能を有する。
【0087】
記憶部110にはデータベースが記憶されている。データベースには、ドアホン装置1用の更新プログラムであるアップデートデータを記憶するアップデートデータのデータベース(更新プログラム記憶部)と、不審情報を記憶する不審情報データベース(不審情報記憶部)と、この管理サーバ100が管理するドアホン装置のプロフィールデータのデータベース(ドアホン装置のプロフィール記憶部)などが設けられている。
【0088】
アップデートデータベースは、ドアホン装置1の機種、使用プログラム、更新プログラム、更新データが記憶されている。更新データは、ドアホン装置1で使用するデータで、例えば、ドアホン装置1のモニタ13(53)に表示する画像やアイコンなどのデータである。更新プログラムは、ドアホン装置1の機能を追加したり、プログラムの不具合を修正したりするため現在の制御用プログラムを最新の制御用プログラムに書き換えるためのものである。これらのデータ等は前述の保守サーバ(図示せず)からアップロードされる。
【0089】
不審情報データベースは、例えば、図11に示すように、不審情報と、時間情報と、位置情報と、カメラ55で撮影した訪問者の画像情報とがIDと関連して記憶している。不審情報についても保守サーバからアップロードされるものとしているが、複数のドアホン装置1から入力された室内対応者の評価を収集できる。
【0090】
なお、不審情報の内容としては、例えば、「しつこい勧誘があった」、「口調がこわい」といった、不審者に対する応対者の評価が挙げられる。時間情報は、不審情報が応対者によって入力された日時を示すデータである。位置情報は、不審情報が入力されたドアホン装置1が設置されている住居の位置を特定するためのデータである。
【0091】
かかる不審情報についても、管理サーバ100からアップデート時に各ドアホン装置1に送信される。不審情報の更新データを受信したドアホン装置1の室内親機10は、これを記憶部3に上書きして記憶するようにしている。なお、かかる不審情報は、例えば以下のようなセキュリティプログラムに用いられる。
【0092】
すなわち、玄関子機50のモニタ53は、来訪者の来訪目的を入力させる項目情報を表示することができ、複数の項目情報の何れかを来訪者に選択させる。室内親機10の制御部30は、その入力された項目情報に関連付けて、記憶部3に記憶された不審情報を取得し、モニタ13に、不審情報の内容(画像を含む)を内部表示部に表示する。
【0093】
つまり、来訪者により入力された項目情報に応じて、過去の来訪者に関する不審情報が不審者と考えられる画像とともに応対者に表示されるので、応対者はこれを参考にして来訪者に応対するか否かを判断することができる。
【0094】
[ドアホンシステム400の動作フロー]
図12〜図17を参照して、ドアホンシステム400におけるドアホン装置1の室内親機10のCPU31がプログラムに沿って実行する処理の一例について説明する。なお、ここでは、アップデート処理を毎日行う設定としている。
【0095】
図12はドアホン装置1のメイン処理の流れを示す説明図であり、図示するように、制御部30のCPU31は、先ず、RAMアクセス許可、作業領域初期化などの初期設定処理を実行する(ステップS100)。
【0096】
次いで、CPU31は、アップデート処理するタイミングか否かを判定し(ステップS105)、アップデートタイミングであると判定するとステップS400に処理を移し、アップデートタイミングでないと判定した場合はドアホン装置1の基本動作処理である来訪処理を実行する(ステップS200)。
【0097】
ステップS200の来訪処理は、図13に示すように、CPU31は来訪者が検出されたか否かを判定する(ステップS210)。すなわち、玄関子機50の呼び出しボタンが来訪者によって押されるか、又はモニタ53に来訪者の指先などが触れると、玄関子機50の制御部80から室内親機10の制御部30に来訪検出情報が通知され、室内親機10のCPU31は、来訪者が来訪したことを検出する。
【0098】
来訪者が検出されると、CPU31は、来訪履歴情報記憶処理を実行する(ステップS220)。すなわち、玄関子機50の呼び出しボタンが来訪者によって押されるか、又はモニタ53に来訪者の指先などが触れると、玄関子機50のCPU81がカメラ55により来訪者を撮影するとともに、来訪日時を特定し、これを来訪履歴情報としてRAM83に一時的に記憶し、RAM83に記憶した来訪履歴情報を通信I/F95を介して室内親機10に送信する。室内親機10は、通信I/F43を介して、玄関子機50から送られた来訪履歴情報を記憶部3(来訪履歴情報記憶手段)に記憶するのである。
【0099】
次いで、CPU31は通話処理を実行する(ステップS230)。すなわち、玄関子機50がマイク52で取得した来訪者の音声と来訪者の映像を室内親機10のスピーカ11とモニタ13に出力するとともに、室内親機10のマイク12に入力された対応者の音声を玄関子機50に送信する。
【0100】
通話処理が終えると、CPU31は不審情報入力処理を行う(ステップS240)。すなわち、通話処理を終えると、モニタ13に不審情報入力画面を表示して、対応者が応対した訪問者に対する評価を、タッチパネル15を介して入力可能な状態とする。玄関子機50を介して訪問者への応接を終えた対応者がスキップ入力(不審情報の入力を行わない)あるいは所定の不審情報入力を行うと、CPU31は、スキップ入力の場合はそのまま処理を終了し、不審情報の入力があれば、入力された情報を管理サーバ100に送信する。なお、この送信タイミングは、不審情報が入力される度に行うようにしてもよいし、予め定められた時間に送信するようにしてもよい。本実施形態では、入力された不審情報を記憶部3に一時的に記憶しておき、アップデート処理を行うタイミングで管理サーバ100に送信するようにしている。
【0101】
なお、ステップS210において、来訪者が検出されない場合、CPU31は処理をメイン処理(図12)に移す。
【0102】
図12のメイン処理に戻り、CPU31は、ステップS200の来訪処理を終えると不使用タイミング決定処理を実行する(ステップS300)。
【0103】
この不使用タイミング決定処理について、図14を参照して説明する。図示するように、CPU31は、先ず、計時部4から取得した時間に基づいて、予め定められた一定期間が経過しているか否かを判定する(ステップS310)。本実施形態では、一定期間として24時間が設定されており、不使用タイミング決定処理を毎日1回行うようにしている。このステップS310で、24時間が経過していないと判定すると、処理をメイン処理に移す。
【0104】
24時間経過していると判定すると、CPU310は、記憶部3に記憶されている来訪履歴情報を、訪問時間順にソートする(ステップS320)。
本実施形態では、来訪履歴情報を、例えば、午前0時から始まる24時間を1日とした7日間(1週間)を単位期間として、図7(a)に示すように、記憶部3に時系列に記憶している。これを、図7(b)に示すように、1日における訪問時間の早い順にソートする。つまり、図7(a)に示す来訪履歴情報の中では、10:05(1月3日)の来訪時間が最も早い時間であり、19:34(1月6日)が最も遅い来訪時間である。
【0105】
次いで、CPU31は、訪問時間の各差分を計算して取得し(ステップS330)、次に訪問時間の差分の最大値を検出する(ステップS340)。そして、この差分の最大値から管理サーバ100へのアップデートデータ要求のためのアクセスに最適な時刻の目安となる時刻(仮アクセス時刻)を算出する(ステップS350)。具体的には、図7(c)に示すように、差分の最大値は、19:34(1月6日)から10:05(1月3日)までの間であるため14時間31分である。
【0106】
すなわち、単位期間である直近の1週間の間で見ると、来訪間隔が最も長いのは19:34から翌朝の10:05までの間なので、その時間帯が管理サーバ100へアクセスしてアップデートデータをダウンロードするのに適していることが分かる。ここでは、この時間帯内における中間の時刻をアクセルの目安となる仮アクセス時刻とし、この時刻がアクセス時間の中間となるように、以下のように算出している。
【0107】
すなわち、仮アクセス時刻=19:34+(14時間31分/2)=26:49となる。
【0108】
CPU31は、ステップS360において、ステップS350で算出した時刻が24:00を超えているか否かを判定し、上述したように超えている場合は、26:49−24:00として2:49を導出する(ステップS370)。つまり、午前2:49が不使用タイミング内における好適な管理サーバ100へのアクセス時間の中間時刻(仮アクセス時刻)となる。なお、ステップS360において、ステップS350で算出した時刻が24:00以内であれば、算出した時刻がそのままアアクセス時間の中間時刻となる(アクセス時刻)。
【0109】
また、本実施形態では、午前2:49を仮アクセス時刻としたが、不使用タイミングの時間帯としては14時間31分の長い時間に亘っている。不使用タイミングの時間帯は、アップデートデータの要求からデータを取得して更新処理を行う時間よりも長ければよいので、例えばこれを3時間とすれば、図16に示すように、午前2:49を中間とした3時間の時間帯を不使用タイミングと設定することができる。
【0110】
このように、仮アクセス時刻が決定されれば、CPU31は、この仮アクセス時刻よりも所定時間早い時刻を実際のアクセス時刻として、実際のアクセス時刻を記憶部3に記憶し(ステップS380)、本不使用タイミング決定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0111】
ところで、上述した例では、単位期間(1週間)内における一定時間帯を、来訪検出間隔が最も長い時間帯としたが、必ずしもそのように設定する必要はなく、来訪履歴情報に基づいて、一定時間来訪者がない時間帯を判定し、この時間帯を不使用タイミングとすることもできる。例えば、図17に示した例では、来訪履歴情報から算出した結果、01:00〜03:30の時間帯が不使用タイミングとなれば、月曜〜日曜日にかけて、毎日この時間帯にアップデート処理を行うのである。
【0112】
図7に示した来訪履歴情報に基づいて具体的に説明すると、訪問時間の順の差分で表わされる時間帯(図7(c)参照)は、単位期間内においては来訪者が無いことが分かる。そこで、一定時間を例えば2時間とすると、10:05〜13:00の時間帯A、15:10〜18:53の時間帯B、及び19:34〜10:05の時間帯Cが不使用タイミングとすることができる。
【0113】
なお、このように、複数の時間帯が算出された場合、アップデートデータやアップデートプログラムが有る無しに拘わらず、各時間帯にアップデート処理を行ってもよいし、複数の時間帯の中から最も長い時間帯を選択して不使用タイミングとしてもよい。
【0114】
また、上記一定時間については、アップデートデータのデータサイズ又はアップデートデータの取得時間に応じて変更することができる。
【0115】
例えば、アップデートデータの取得時間に3時間以上を要することが分かっている場合は、一定時間を3時間とすれば、図7に示した例からは時間帯Bと時間帯Cとが不使用タイミングとなる。
【0116】
なお、図7に示した例は、理解を容易にするため、来訪者の数を極めて少ない場合を設定しているが、来訪頻度が高くなればそれだけ来訪者がない時間帯が狭まることが考えられる。その場合、一定時間を例えば30分としても、アップデートデータのデータサイズ又はアップデートデータの取得時間によってはアップデート処理を終えることができない場合も考えられる。そのときは、アップデートデータとアップデート用プログラムとを切り離して、複数の時間帯に個別にアップデート処理を行うようにすることもできる。また、アップデートデータの量によっては、アップデートデータについても時間帯を分けてアップデート処理を行ってもよい。
【0117】
なお、単位期間は、必ずしも1週間とする必要はなく、1カ月や適宜に期間設定して構わない。しかし、1ヶ月や1年を単位期間とすると、来訪者が全く訪れることがない一定時間以上の時間帯が存在しなくなる場合も考えられるので、その場合は来訪者の頻度が最も少ない時間帯を不使用タイミングとすることもできる。
【0118】
さらに、単位期間の開始となる時間(特定時間)も、本実施形態では午前0時としたがその時刻に限るものではなく、午前6時からとか、正午からと設定してもよい。
【0119】
上述してきたように不使用タイミングが決定され、かつ管理サーバ100へのアクセス時刻が設定されたドアホン装置1は、図12のメイン処理に示すように、CPU31がステップS105において不使用タイミング(アクセス時刻)であると判定すると、アップデート処理を実行するが(ステップS400)、このアップデート処理について、図15を参照して説明する。なお、このアップデート処理については端末となる室内親機10のアップデート処理に関連してなされる管理サーバ100の動作処理についても並行して説明するため、図15には管理サーバ100の動作処理の流れについても示してある。
【0120】
ここで端末となるドアホン装置1(室内親機10)のCPU31は、不使用タイミングになると、図15に示すように、管理サーバ100に接続を要求する(ステップS410)。すなわち、室内親機10のCPU31が、室内親機10の記憶部3に記憶されている不使用タイミングの始点時刻(実際のアクセス時刻)を検出し、外部通信I/F44からネットワーク200を介して管理サーバ100へ接続を要求する信号を送るのである。
【0121】
管理サーバ100は、ドアホン装置1からの接続の要求が有るか否かを判定しながら待機しており(ステップS405)、要求有りと判定するとドアホン装置1に接続する(ステップS415)。すなわち、管理サーバ100の制御部130のCPU131が、ネットワーク200を介して通信装置143より室内親機10からの接続を要求する信号を受けるとCPU131はドアホン装置1の室内親機10と接続して通信を確立する。
【0122】
次に、室内親機10のCPU31は、管理サーバ100に、先ず、ドアホン装置1用の更新データがあるか問い合わせ信号を送る(ステップS420)。
【0123】
問い合わせを受けた管理サーバ100は、更新データがあるかどうかを検索し、更新データの有無をドアホン装置1に連絡する(ステップS425)。そして、管理サーバ100の制御部130のCPU131は、記憶部110にドアホン装置用の更新データがある場合(ステップS435:YES)、先の更新データの有無の連絡信号に続いて更新データを送信する(ステップS437)。この更新データの中には不審情報も含まれている。
【0124】
室内親機10のCPU31は、管理サーバ100からの信号を受けて、更新データの有無を判定し(ステップS430)、無いと判定した場合は処理をステップS450に移す一方、有る場合は管理サーバ100からの更新データを引き続き受信する(ステップS440)。更新データを受信した室内親機10のCPU31は、更新データを記憶部3に記憶して、必要に応じて古いデータを上書きする。
【0125】
次に、室内親機10のCPU31は、管理サーバ100にドアホン装置1用の更新プログラムがあるかどうか問い合わせ信号を送る(ステップS450)。
【0126】
問い合わせを受けた管理サーバ100は、更新プログラムがあるかどうかを検索し、更新プログラムの有無をドアホン装置1に連絡する(ステップS455)。そして、管理サーバ100の制御部130のCPU131は、記憶部110にドアホン装置用の更新プログラムがある場合(ステップS457:YES)、先の更新プログラムの有無の連絡信号に続いて更新プログラムを送信する(ステップS465)。
【0127】
室内親機10のCPU31は、管理サーバ100からの信号を受けて、更新プログラムの有無を判定し(ステップS460)、無いと判定した場合は処理をステップS480に移す一方、有る場合は管理サーバ100からの更新プログラムを引き続き受信する(ステップS470)。更新プログラムを受信した室内親機10のCPU31は、更新プログラムを記憶部3に上書きして記憶してアップデートを行う。
【0128】
更新プログラムの送信処理(ステップS465)を終えた管理サーバ100のCPU131は、ドアホン装置1(室内親機10)との通信を切断する(ステップS485)、そして、更新プログラムの受信を終えた室内親機10のCPU31も管理サーバ100との通信を切断する(ステップS480)。
【0129】
このようにして、本実施形態によれば、プログラムやデータのアップデート(更新)タイミングを、ドアホン装置1としての基本機能である来訪者との応答処理が実行されることのないタイミングで効率的に行うことができる。
【0130】
ところで、上述してきた実施形態では、玄関子機50の制御部80が来訪検出手段として機能し、室内親機10が玄関子機50からの通知に基づいて、来訪の履歴情報を来訪履歴情報として室内親機10の記憶部3で記憶し、この来訪履歴情報に基づいて不使用タイミングを判定するとしている。かかる構成の場合、例えば、室内親機10を介して外出情報を入力可能とし、この外出情報が玄関子機50に送信されるような構成とすることで、玄関子機50が来訪を検出した際に、「現在留守にしています。」などのメッセージをスピーカ51から出力させることもできる。また、タッチパネル57から用件を入力させてもよい。こうして、ドアホン装置1の利用者が留守であったり、対応しなかったりした場合でも、来訪者の来訪履歴を検出することができる。
【0131】
また、この場合も、セキュリティの面からすれば、玄関子機50は、来訪を検出するとカメラ55で来訪者を撮影し、この撮像データを来訪履歴情報とともに室内親機10に通信するものとしておくことが好ましい。
【0132】
他方、玄関子機50の制御部80に代えて、室内親機10の制御部30を来訪検出手段として機能させてもよい。すなわち、玄関子機50の制御部80は、タッチパネル57やカメラ55の制御を主体とし、玄関子機50が備える入力装置である呼出ボタン54やタッチパネル57の入力信号を、室内親機10の制御部30に直接入力させるようにして、室内親機10の制御部30を来訪検出手段とした構成するものである。
【0133】
また、室内親機10の制御部30を来訪検出手段とする場合、例えば、玄関子機50を、呼出ボタン54、マイク52、スピーカ51のみを入出力装置として設けた簡易な構成とすることができ、カメラ55やタッチパネル57などを備えていない分だけ廉価なドアホン装置1を実現することができる。
【0134】
(第2実施形態)
上述してきたドアホンシステム400では、ドアホン装置1で不使用タイミングを判定したが、管理サーバ100がドアホン装置の不使用タイミングを判定するドアホンシステムとすることもできる。
【0135】
図18は第2実施形態に係るドアホンシステムの概略を示す説明図であり、図示するように、ドアホンシステムは、ドアホン装置1と、当該ドアホン装置1にアップデートデータを通信回線であるネットワーク200を介して送信する管理サーバ100とを有する構成となっている。
【0136】
前記ドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記管理サーバ100へ送信する来訪履歴情報送信手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記ネットワーク200を介して前記サーバ装置からアップデートデータを取得するデータ取得手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備えている。この場合も来訪検出手段、データ取得手段、及びアップデート手段は制御部30がその機能を担い、来訪履歴情報記憶手段、記憶手段は記憶部3が、来訪履歴情報送信手段は外部通信I/F44がその機能を担う(図6参照)。
【0137】
このように、本実施形態に係るドアホン装置1は、図1に示した不使用タイミング判定手段に代わり、来訪履歴情報記憶手段に記憶されている来訪履歴情報を管理サーバ100に送信する来訪履歴情報送信手段を備えた構成となっている。
【0138】
一方前記管理サーバ100は、前記ドアホン装置1から送信された来訪履歴情報に基づいて、前記ドアホン装置1の不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記ドアホン装置1へネットワーク200を介してアップデートデータを送信するデータ送信手段とを備えている。不使用タイミング判定手段は、制御部130がその機能を担い、データ送信手段としては通信装置143がその機能を担っている。また、ドアホン装置1から送信された来訪履歴情報は、記憶部110に記憶するようにしている(図10参照)。
【0139】
そして、管理サーバ100が、ドアホン装置1から送信された来訪履歴情報に基づいて、ドアホン装置1の不使用タイミングを判定し、判定した不使用タイミングで、前記ドアホン装置1へネットワーク200を介してアップデートデータを送信するのである。
【0140】
なお、ドアホン装置1の前記来訪検出手段、データ取得手段、アップデート手段としては、室内親機10のマイクロコンピュータからなる制御部30がその機能を担い、来訪履歴情報送信手段としては、外部通信I/F44がその機能を担っている(図6参照)。
【0141】
以下、図19〜図21に基づいて第2実施形態に係るドアホンシステムのメイン処理及びアップデート処理、不使用タイミング決定処理について説明する。なお、前述したように、第2実施形態における室内親機10、玄関子機50及び管理サーバ100の電気的な基本構成は第1実施形態と略共通であるため、以下ではその構成、さらには第1実施形態と同様に行われる処理についての説明は省略する。
【0142】
図19に示すように、制御部30のCPU31は、先ず、RAMアクセス許可、作業領域初期化などの初期設定処理を実行する(ステップS100)。
【0143】
次いで、CPU31は、管理サーバ100からの接続要求が有るか否かを判定する(ステップS105)。このときの管理サーバ100からの接続要求は、後述するように、管理サーバ100がアップデートタイミングであると判定した際にドアホン装置1に送信する信号である。すなわち、本実施形態では、第1実施形態では室内親機10がメイン処理として行った不使用タイミング決定処理(図12及び図14参照)を管理サーバ100が行っている。
【0144】
ステップS105で接続要求有りと判定するとCPU31はステップS500に処理を移し、接続要求無しと判定した場合はドアホン装置1の基本動作処理である来訪処理を実行する(ステップS200)。このステップS200の来訪処理については、図13に示した処理の流れと同様である。次に、CPU31は、管理サーバ100に対して、来訪履歴情報を送信する(ステップS600)。
【0145】
なお、ここでは、来訪処理を終えた後に、来訪履歴情報を管理サーバ100に送信しているが、図13における来訪履歴情報記憶処理(ステップS220)と通話処理(ステップS230)との間で来訪履歴情報送信処理を行い、記憶部3内の来訪履歴情報を管理サーバ100へ送信するようにして、来訪履歴情報の送信処理を来訪処理内で行うこともできる。
【0146】
次に、ステップS500で実行されるアップデート処理について説明する。なお、このアップデート処理については端末となる室内親機10も関連するため、室内親機10の動作処理の流れについても示してある。
【0147】
ここで、管理サーバ100においては、図14に示した処理と略同様な処理によって不使用タイミング決定処理がなされている。すなわち、ドアホン装置1の室内親機10から送信されてきた来訪履歴情報を時系列的に記憶部110に記憶しておき、例えば1週間なりに設定された単位期間が経過し、例えば月曜日の0時などに設定した不使用タイミングを決定する時間になると、記憶された来訪履歴情報に基づいて不使用判定タイミングを決定し、算出した仮アクセス時刻を記憶部110に記憶するのである。
【0148】
図20に示すように、管理サーバ100は不使用タイミングになったか否かを判定し(ステップS605)、不使用タイミングになっていないと判定すると、図21に示す不使用タイミング決定処理を実行する。
【0149】
この不使用タイミング決定処理は、先に図14にて説明した処理と基本的に同じであるが、冒頭のステップS315にて、不使用タイミングの決定を行う所定の日時であるか否かを判定することとしている。この所定の日時は、来訪履歴情報の蓄積状況等に応じて適宜選択することができ、ここでは前述のように、月曜日の0時に実行することとしている。
【0150】
ここで管理サーバ100が、所定日時であると判断した場合には、処理をステップS320へ移し、以下、ステップS380に至るまで実行した後、分岐前のアドレスに処理を戻す。なお、このステップS320からステップS380までの処理については、先に図14にて説明した処理と基本的に同じであるため、説明を省略する。一方、所定日時ではないと判断した場合には、管理サーバ100は、処理をそのまま分岐前のアドレスに戻すこととなる。
【0151】
図20のステップS605に説明を戻すと、管理サーバ100が不使用タイミングになったと判定すると、室内親機10に接続を要求する(ステップS607)。すなわち、管理サーバ100のCPU131が、記憶部110に記憶されている不使用タイミングの始点時刻(実際のアクセス時刻)を検出し、通信装置143からネットワーク200を介して室内親機10へ接続を要求する信号を送るのである。
【0152】
ドアホン装置1の室内親機10は、管理サーバ100からの接続の要求が有ると管理サーバ100に接続する(ステップS610)。すなわち、室内親機10の制御部30のCPU31が、ネットワーク200を介して外部通信I/F44より管理サーバ100からの接続を要求する信号を受けるとCPU31は管理サーバ100との通信を確立するのである。
【0153】
また、管理サーバ100は、室内親機10との接続が確立すると、CPU131は、室内親機10に履歴データの有無の問い合わせ信号を送信する(ステップS615)。
【0154】
問い合わせを受けた室内親機10は、履歴データ有るかどうか検索し、その有無を管理サーバ100に連絡する(ステップS620)。そして、履歴データが有る場合は(ステップS630:YES)、履歴データを管理サーバ100に送信し(ステップS640)、さらには更新データの有無を管理サーバ100に問い合わせる(ステップS650)。
【0155】
一方、管理サーバ100は、ステップS620によって室内親機10から履歴データ有りの信号を受信した場合は(ステップS625:YES)、続いてその履歴データを受信し(ステップS645)、更新データの有無の問い合わせに対し、更新データがあるかどうかを検索して更新データの有無をドアホン装置1に連絡する(ステップS655)。
【0156】
そして、管理サーバ100の制御部130のCPU131は、記憶部110にドアホン装置用の更新データがある場合(ステップS665:YES)、先の更新データの有無の連絡信号に続いて更新データを送信する(ステップS667)。この更新データの中には不審情報も含まれている。
【0157】
室内親機10のCPU31は、管理サーバ100からの信号を受けて、更新データの有無を判定して有る場合(ステップS660:YES)、管理サーバ100からの更新データを引き続き受信する(ステップS670)。更新データを受信した室内親機10のCPU31は、更新データを記憶部3に記憶して、必要に応じて古いデータを上書きする。
【0158】
次に、室内親機10のCPU31は、管理サーバ100にドアホン装置1用の更新プログラムがあるかどうか問い合わせ信号を送る(ステップS680)。
【0159】
問い合わせを受けた管理サーバ100は、更新プログラムがあるかどうかを検索し、更新プログラムの有無をドアホン装置1に連絡する(ステップS685)。そして、管理サーバ100の制御部130のCPU131は、記憶部110にドアホン装置用の更新プログラムがある場合(ステップS695:YES)、先の更新プログラムの有無の連絡信号に続いて更新プログラムを送信する(ステップS697)。
【0160】
室内親機10のCPU31は、管理サーバ100からの信号を受けて、更新プログラムの有無を判定して、有る場合は管理サーバ100からの更新プログラムを引き続き受信する(ステップS690:YES)。更新プログラムを受信した室内親機10のCPU31は、更新プログラムを記憶部3に上書きして記憶してアップデートを行う。
【0161】
更新プログラムの送信処理(ステップS697を終えた管理サーバ100のCPU131は、室内親機10との通信を切断する(ステップS705)、そして、更新プログラムの受信を終えた室内親機10のCPU31も管理サーバ100との通信を切断し(ステップS710)、アップデート処理を終了する。
【0162】
このようにして、本実施形態によっても、プログラムやデータのアップデート(更新)タイミングをドアホン装置1としての基本機能である来訪者との応答処理が実行されることのないタイミングで効率的に行うことができる。また、不使用タイミングの決定については管理サーバ100が行うため、ドアホン装置1のCPU31の能力をさほど高くする必要がないため、コストアップを招く虞がない。
【0163】
(第3実施形態)
上述してきた第1、第2実施形態では、ドアホン装置1は、アップデートデータを当該ドアホン装置1とネットワーク200で接続された管理サーバ100から取得するようにしたが、ネットワーク200に接続された他のドアホン装置1から通信回線を介してアップデートデータを取得することもできる。
【0164】
すなわち、第3実施形態に係るドアホンシステムは、複数のドアホン装置1,1・・を備え、当該ドアホン装置1,1・・間でアップデートデータをネットワーク200を介して送受信することができ、各前記ドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、他のドアホン装置1からネットワーク200を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段とを備えている。なお、この場合、来訪検出手段、不使用タイミング判定手段、データ取得手段、及びアップデート手段は制御部30がその機能を担い、来訪履歴情報記憶手段、記憶手段は記憶部3がその機能を担う(図6参照)。
【0165】
つまり、システム中のドアホン装置1は、来訪履歴情報を他のドアホン装置1へネットワーク200を介して送信する来訪履歴情報送信手段として、上述してきた構成と同じく制御部30や外部通信I/F44を備えており、他のドアホン装置1から前記アップデートデータを取得する場合、前記不使用タイミング判定手段として機能する室内親機10の制御部30は、他のドアホン装置1から当該他のドアホン装置1の記憶部3に記憶された来訪履歴情報をネットワーク200を介して取得し、他のドアホン装置1と自装置1に共通する不使用タイミングを、前記制御部30が外部通信I/F44を介してアップデートデータを取得する不使用タイミングとするのでる。
【0166】
このように、ネットワーク200に接続されたアップデートデータを記憶している他のドアホン装置1に接続し、ドアホン装置1の相互の不使用タイミングを照合して、ドアホン装置1が全く使用されていない時間帯か、使用頻度が低い時間帯を利用して、P2Pにより、アップデートデータを記憶している他のドアホン装置1からアップデートデータを取得し、記憶しているプログラム及び当該プログラムで用いるデータを更新する。
【0167】
なお、アップデートデータの取得先となる他のドアホン装置1は、ネットワーク200に接続されている複数のドアホン装置1の中からランダムに選択する、順番に選択する、一律に取りに行く、アップデートデータがある程度たまったら更新データがある旨をマルチキャストする等の方法がある。なお本実施形態におけるドアホン装置1のハード構成は第1実施形態や第2実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0168】
以上の各実施形態から、以下のドアホン装置、ドアホン装置のプログラム、ドアホンシステム、及びドアホン装置のデータ取得方法が実現される。
【0169】
(1)来訪者に対してプログラムによって決定された来訪処理を行うドアホン装置であって、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段(例えば、室内親機10の制御部30又は玄関子機50の制御部80)と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段(例えば、室内親機10の記憶部3)と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)と、前記不使用タイミング判定手段により判定した不使用タイミングで、他の装置(例えば、管理サーバ100や他のドアホン装置1)から通信回線(ネットワーク200)を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30及び外部通信I/F44)と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段(例えば、室内親機10のROM32)と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段(例えば、室内親機10の制御部30)とを備えたドアホン装置1。
【0170】
(1)のドアホン装置1によれば、使用者がアップデートのための時間をわざわざ設定しなくても、ドアホン装置1の不使用タイミングでアップデート用のプログラムやデータを取得することができる。そのため、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とが同時に行わることを可及的に防止でき、ドアホン装置1の処理能力を特別に高めることなく、来訪者に対する来訪処理と、プログラムやデータなどの取得処理とを円滑に行うことが可能となる。
【0171】
(2)上記(1)のドアホン装置1において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、単位期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)における不使用タイミングを判定するドアホン装置1。
【0172】
(2)のドアホン装置1によれば、1日、1週間、1ヶ月等の単位期間における来訪者の状況に応じて、適当な時間帯をデータ等の更新のための不使用タイミングとすることができるので、アップデートを適切に行うことができる。
【0173】
(3)上記(2)のドアホン装置において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)内において来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯又は当該検出間隔が所定時間以上の時間帯(例えば、図16参照)を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定するドアホン装置1。
【0174】
(3)のドアホン装置1によれば、来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯を不使用タイミングとするので、来訪者が訪れる可能性が低い時間帯に、アップデートが適切に行われる。
【0175】
(4)上記(2)のドアホン装置1において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)内において一定時間来訪者がない時間帯(例えば、図17参照)を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定するドアホン装置1。
【0176】
(4)のドアホン装置1によれば、一定時間来訪者がない時間帯を不使用タイミングとして特定するため、複数の不使用タイミングを決定することができる。これにより、アップデートの機会を複数特定できるので、アップデートを適切に行うことができる。
【0177】
(5)上記(4)のドアホン装置1において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、前記アップデートデータのデータサイズ又は前記アップデートデータの取得時間に応じて前記一定時間を変更するドアホン装置1。
【0178】
(5)のドアホン装置1によれば、アップデートデータのサイズや取得時間に応じて、不使用タイミングを決定することができるため、アップデートを適切に行うことができる。
【0179】
(6)上記(2)〜(5)のいずれかのドアホン装置1において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、特定時間から始まる期間を前記単位期間として不使用タイミングを判定するドアホン装置1。
【0180】
(6)のドアホン装置1によれば、特定時間から始まる期間における来訪者の状況に応じて、適当な時間帯をデータ等の更新のための不使用タイミングとすることができるので、アップデートを適切に行うことができる。
【0181】
(7)上記(6)に記載のドアホン装置1において、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、前記特定時間を午前0時として不使用タイミングを判定するドアホン装置1。
【0182】
(7)のドアホン装置1によれば、午前0時から始まる期間を特定期間の開始とすることができるので、一般の家庭の場合、通常来訪者が来ない深夜の時間帯を不使用タイミングに決定することができ、アップデートを適切に行うことができる。
【0183】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかのドアホン装置1において、前記来訪履歴情報を他のドアホン装置1へ前記通信回線(ネットワーク200)を介して送信する来訪履歴情報送信手段(例えば、外部通信I/F44)を備え、前記他のドアホン装置1から、前記データ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30や外部通信I/F44)により前記アップデートデータを取得する場合、前記不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)は、前記他のドアホン装置1から当該他のドアホン装置1の来訪履歴情報記憶手段(例えば、記憶部3)に記憶した来訪履歴情報を前記通信回線(ネットワーク200)を介して取得し、前記他のドアホン装置1と自装置1に共通する不使用タイミングを、前記データ取得手段がアップデートデータを取得する前記不使用タイミングとするドアホン装置1。
【0184】
(8)のドアホン装置1によれば、アップデートデータを取得する他のドアホン装置1の不使用タイミングと、自ドアホン装置1の不使用タイミングとを調整して、アップデートデータを取得することができる。これにより、双方のドアホン装置1,1が動作が不安定になることを避けることができ、ドアホン装置1の利用に支障が生じない。
【0185】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかのドアホン装置1において、前記来訪検出手段(例えば、制御部80)を設けた玄関子機50を備え、前記不使用タイミング判定手段は、前記不使用タイミングとして前記玄関子機50の不使用タイミングを判定するドアホン装置1。
【0186】
(9)のドアホン装置1によれば、例えば、ドアホン装置1の利用者が留守であったり、対応しなかったりした場合でも、来訪者の来訪履歴を検出することができる。これにより、不使用タイミングを適切に決定することができ、ひいてはアップデートについても適切に行うことができる。
【0187】
(10)上記(1)〜(8)のいずれかのドアホン装置1において、玄関子機50と、前記来訪検出手段(例えば、制御部30)を設けた室内親機10を備え、前記来訪検出手段は、前記玄関子機50からの通知に基づき前記来訪者の来訪を検出するドアホン装置1。
【0188】
(10)のドアホン装置1によれば、ドアホン装置1の室内親機10が来訪者の来訪を検出するので、玄関子機50の機構を単純化し、ドアホン装置1の生産コストを下げることができる。
【0189】
(11)コンピュータを、上記(1)〜(10)のいずれかのドアホン装置1における各手段として機能させるためのプログラム(例えば、ROM32に記憶されているプログラム)。
【0190】
(11)かかるプログラムをコンピュータによって実行することにより、上記(1)〜(10)のいずれかのドアホン装置1における各手段を円滑に機能させ、上述した各作用効果を得ることができる。
【0191】
(12)ドアホン装置1と、当該ドアホン装置1にアップデートデータを送信するサーバ装置(例えば、管理サーバ100)とを有するドアホンシステム(例えばドアホンシステム400)であって、前記ドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段(例えば、室内親機10の制御部30や玄関子機50の制御部80)と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段(例えば、記憶部3)と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段(例えば、制御部30)と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記サーバ装置から通信回線(ネットワーク200)を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30や外部通信I/F44)と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段(例えば、ROM32)と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段(例えば、制御部30)と、を備え、前記サーバ装置は、アップデートデータを記憶するデータ記憶手段(例えば、記憶部110)と、前記ドアホン装置1からの要求に応じて、当該ドアホン装置1に前記データ記憶手段に記憶したアップデートデータを送信するデータ送信手段(例えば、通信装置143)と、を備えたドアホンシステム。
【0192】
(12)のドアホンシステムによれば、上記(1)と同様に、ドアホン装置1が、ドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を不使用タイミングとして判定し、その時間帯にプログラムやデータのアップデートを行うことができる。これにより、ドアホン装置1の動作が不安定となったり、アップデートのための時間を設定したりする不便を避けることができる。
【0193】
(13)ドアホン装置1と、当該ドアホン装置1にアップデートデータを通信回線(ネットワーク200)を介して送信するサーバ装置(例えば、管理サーバ100)とを有するドアホンシステムであって、前記ドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段(例えば、室内親機10の制御部30や玄関子機50の制御部80)と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段(例えば、室内親機10の記憶部3)と、前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記サーバ装置へ送信する来訪履歴情報送信手段(例えば、外部通信I/F44)と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段(例えば、ROM32)と、前記通信回線を介して前記サーバ装置からアップデートデータを取得するデータ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30や外部通信I/F44)と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段(例えば、室内親機10の制御部30)と、を備え、前記サーバ装置は、前記ドアホン装置1から送信された来訪履歴情報に基づいて、前記ドアホン装置1の不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段(例えば、制御部130)と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記ドアホン装置1へ通信回線を介してアップデートデータを送信するデータ送信手段(例えば、通信装置143)と、を備えたドアホンシステム。
【0194】
(13)のドアホンシステムによれば、プログラムやデータのアップデート(更新)タイミングをドアホン装置1としての基本機能である来訪者との応答処理が実行されることのないタイミングで効率的に行うことができる。また、不使用タイミングの決定についてはサーバ装置(管理サーバ100)が行うため、ドアホン装置1の能力をさほど高くする必要がないため、装置全体のコストアップを招く虞がない。
【0195】
(14)複数のドアホン装置1,1・・を備え、当該ドアホン装置1,1・・間でアップデートデータを通信回線(ネットワーク200)を介して送受信するドアホンシステムであって、各前記ドアホン装置1は、来訪者の来訪を検出する来訪検出手段(例えば、室内親機10の制御部30や玄関子機50の制御部80)と、前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段(例えば、室内親機10の記憶部3)と、前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)と、前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、他のドアホン装置1から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30や外部通信I/F44)と、プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段(例えば、ROM32)と、前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段(例えば、室内親機10の制御部30)と、を備えたドアホンシステム。
【0196】
(14)のドアホンシステムによれば、上記(1)と同様に、ドアホン装置1が、ドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を不使用タイミングとして判定し、その時間帯にプログラムやデータのアップデートを他のドアホン装置1からアップデートデータを取得して実行することができる。例えば、他のドアホン装置1と自装置1に共通する不使用タイミングを、制御部30がアップデートデータを取得する不使用タイミングとすることで、アップデートデータを供給する側、受ける側のいずれのドアホン装置1も、その動作が不安定となったり、アップデートのための時間を設定したりする不便を避けることができる。
【0197】
(15)ドアホン装置1でアップデートデータを取得するデータ取得方法であって、来訪検出手段(例えば、室内親機10の制御部30や玄関子機50の制御部80)により来訪者の来訪を検出するステップと、前記来訪検出手段により検出した来訪の履歴情報を来訪履歴情報として来訪履歴情報記憶手段(例えば、室内親機10の記憶部3)に記憶するステップと、前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを不使用タイミング判定手段(例えば、室内親機10の制御部30)により判定するステップと、前記タイミング判定手段によって判定した不使用タイミングで、データ取得手段(例えば、室内親機10の制御部30や外部通信I/F44)により他のドアホン装置1から通信回線(ネットワーク200)を介してアップデータを取得するステップと、前記データ取得手段によって取得したアップデートデータにより記憶手段(例えば,ROM32)に記憶したプログラム及び/又はデータをアップデート手段(例えば、室内親機10の制御部30)により更新するステップとを有するデータ取得方法。
【0198】
(15)のデータ取得方法によれば、(1)と同様に、ドアホン装置1が、ドアホン装置1が全く使用されていないか又はほとんど使用されていない一定の時間帯を不使用タイミングとして判定し、その時間帯にプログラムやデータのアップデートを行う。これにより、ドアホン装置1の動作が不安定となったり、アップデートのための時間を設定したりする不便を避けることができる。
【0199】
以上、第1〜第3の実施形態を通して本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、来訪履歴情報記憶手段をドアホン装置1に設ける場合、第1、第2実施形態では室内親機10の記憶部3としたが、図9に示した玄関子機50の制御部80のROM82を、例えばEPROMとしておき、これを来訪履歴情報記憶手段とすることもできる。この場合、不使用タイミング判定手段として機能する室内親機10の制御部30は、通信I/F43を介して来訪履歴情報を取得すればよい。
【0200】
また、玄関子機50の制御部80が来訪検出手段として機能する場合、例えば、室内親機10を介して外出情報を入力可能とし、この外出情報が玄関子機50に送信されるような構成とすることで、玄関子機50が来訪を検出した際に、「現在留守にしています。」などのメッセージをスピーカ51から出力させることもできる。このとき、タッチパネル57から用件を入力させてもよい。なお、この場合も、セキュリティの面からすれば、玄関子機50は、来訪を検出するとカメラ55で来訪者を撮影し、この撮像データを来訪履歴情報とともに室内親機10に通信するものとしておくことが好ましい。
【0201】
また、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】第1実施形態に係るドアホンシステムにおけるドア本装置の機能ブロック図である。
【図2】同ドアホンシステムの構成の概要を示す説明図である。
【図3】同ドアホンシステムにおけるドアホンを構成する室内親機の外観を示す説明図である。
【図4】同システムにおけるドアホンを構成するドアホンを構成する玄関子機の外観を示す説明図である。
【図5】不使用タイミングの時間帯を示す説明図である。
【図6】室内親機のブロック図である。
【図7】来訪履歴情報を示すテーブルである。
【図8】ドアホン装置のプロフィール情報を示すテーブルである。
【図9】玄関子機のブロック図である。
【図10】管理サーバのブロック図である。
【図11】不審情報データベースの説明図である。
【図12】ドアホン装置のメイン処理の流れを示す説明図である。
【図13】来訪処理の流れを示す説明図である。
【図14】不使用タイミング決定処理の流れを示す説明図である。
【図15】アップデート処理の流れを示す説明図である。
【図16】不使用タイミングの時間帯の一例を示す説明図である。
【図17】不使用タイミングの時間帯の一例を示す説明図である。
【図18】第2実施形態に係るドアホンシステムの概略を示す説明図である。
【図19】同ドアホンシステムのメイン処理の流れを示す説明図である。
【図20】同ドアホンシステムにおけるアップデート処理の流れを示す説明図である。
【図21】同ドアホンシステムにおける不使用タイミング決定処理の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0203】
1 ドアホン装置
3 記憶部
10 室内親機
30,80,130 制御部
50 玄関子機
100 管理サーバ(サーバ装置)
200 ネットワーク(通信回線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者に対してプログラムによって決定された来訪処理を行うドアホン装置であって、
来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、
前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、
前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、
前記不使用タイミング判定手段により判定した不使用タイミングで、他の装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、
プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、
前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、
を備えたドアホン装置。
【請求項2】
前記不使用タイミング判定手段は、単位期間における不使用タイミングを判定することを特徴とする請求項1に記載のドアホン装置。
【請求項3】
前記不使用タイミング判定手段は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間内において来訪通知の検出間隔が最も長い時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することを特徴とする請求項2に記載のドアホン装置。
【請求項4】
前記不使用タイミング判定手段は、前記来訪履歴情報に基づき、前記単位期間内において一定時間来訪者がない時間帯を判定し、当該時間帯を不使用タイミングとして判定することを特徴とする請求項2に記載のドアホン装置。
【請求項5】
前記不使用タイミング判定手段は、前記アップデートデータのデータサイズ又は前記アップデートデータの取得時間に応じて前記一定時間を変更することを特徴とする請求項4に記載のドアホン装置。
【請求項6】
前記不使用タイミング判定手段は、特定時間から始まる期間を前記単位期間として不使用タイミングを判定することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のドアホン装置。
【請求項7】
前記不使用タイミング判定手段は、前記特定時間を午前0時として不使用タイミングを判定することを特徴とする請求項6に記載のドアホン装置。
【請求項8】
前記来訪履歴情報を他のドアホン装置へ前記通信回線を介して送信する来訪履歴情報送信手段を備え、
前記他のドアホン装置から、前記データ取得手段により前記アップデートデータを取得する場合、前記不使用タイミング判定手段は、前記他のドアホン装置から当該他のドアホン装置の来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記通信回線を介して取得し、前記他のドアホン装置と自装置に共通する不使用タイミングを、前記データ取得手段がアップデートデータを取得する前記不使用タイミングとすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のドアホン装置。
【請求項9】
前記来訪検出手段を設けた玄関子機を備え、
前記不使用タイミング判定手段は、前記不使用タイミングとして前記玄関子機の不使用タイミングを判定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のドアホン装置。
【請求項10】
玄関子機と、前記来訪検出手段を設けた室内親機を備え、
前記来訪検出手段は、前記玄関子機からの通知に基づき前記来訪者の来訪を検出する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のドアホン装置。
【請求項11】
コンピュータを、前記請求項1〜10のいずれかに記載のドアホン装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
ドアホン装置と、当該ドアホン装置にアップデートデータを送信するサーバ装置とを有するドアホンシステムであって、
前記ドアホン装置は、
来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、
前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、
前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、
前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記サーバ装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、
プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、
前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
アップデートデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記ドアホン装置からの要求に応じて、当該ドアホン装置に前記データ記憶手段に記憶したアップデートデータを送信するデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするドアホンシステム。
【請求項13】
ドアホン装置と、当該ドアホン装置にアップデートデータを通信回線を介して送信するサーバ装置とを有するドアホンシステムであって、
前記ドアホン装置は、
来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、
前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、
前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報を前記サーバ装置へ送信する来訪履歴情報送信手段と、
プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、
前記通信回線を介して前記サーバ装置からアップデートデータを取得するデータ取得手段と、
前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ドアホン装置から送信された来訪履歴情報に基づいて、前記ドアホン装置の不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、
前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、前記ドアホン装置へ通信回線を介してアップデートデータを送信するデータ送信手段と、を備えたことを特徴とするドアホンシステム。
【請求項14】
複数のドアホン装置を備え、当該ドアホン装置間でアップデートデータを通信回線を介して送受信するドアホンシステムであって、
各前記ドアホン装置は、
来訪者の来訪を検出する来訪検出手段と、
前記来訪検出手段により検出された来訪の履歴情報を来訪履歴情報として記憶する来訪履歴情報記憶手段と、
前記来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを判定する不使用タイミング判定手段と、
前記不使用タイミング判定手段で判定した不使用タイミングで、他のドアホン装置から通信回線を介してアップデートデータを取得するデータ取得手段と、
プログラム及び当該プログラムで用いるデータを記憶する記憶手段と、
前記取得したアップデートデータにより前記記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータを更新するアップデート手段と、
を備えたことを特徴とするドアホンシステム。
【請求項15】
ドアホン装置でアップデートデータを取得するデータ取得方法であって、
来訪検出手段により来訪者の来訪を検出するステップと、
前記来訪検出手段により検出した来訪の履歴情報を来訪履歴情報として来訪履歴情報記憶手段に記憶するステップと、
前記来訪履歴情報記憶手段に記憶した来訪履歴情報に基づいて、不使用タイミングを不使用タイミング判定手段により判定するステップと、
前記タイミング判定手段によって判定した不使用タイミングで、データ取得手段により他のドアホン装置から通信回線を介してアップデータを取得するステップと、
前記データ取得手段によって取得したアップデートデータにより記憶手段に記憶したプログラム及び/又はデータをアップデート手段により更新するステップと、
を有するデータ取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−154347(P2010−154347A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331430(P2008−331430)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】