説明

ドア開閉装置

【課題】アウトサイドハンドルOHの操作性の向上
【解決手段】クローザ機構CLの遮断機構10はインサイドハンドルIHおよびアウトサイドハンドルOHに関連的に連結させて前記インサイドハンドルIHの開扉動作および前記アウトサイドハンドルOHの動作のいずれかによりロック状態またはアンロック状態に拘わらず前記クローザ機構CLの動力伝達経路を遮断できる構成とし、前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作は前記開扉状態保持機構ORに伝達させない。前記アクチュエータLAは前記ドアDの開扉により前記開扉状態保持機構ORのラッチ状態が検出されると前記ロッキングレバー191をロック状態に切り替える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの開閉装置に関するものであり、特に、車両スライドドアの内外に設けられるインサイドハンドル及びアウトサイドハンドルをコントロールユニットを介して閉扉状態保持機構および開扉状態保持機構に関連的に連結するドア開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のドア開閉装置のコントロールユニットには、インサイドハンドルに連結されるレバー、アウトサイドハンドルに連結されるレバー、ロック状態とアンロック状態とに切り替えるレバー、チャイルドロック状態とチャイルドアンロック状態とに切り替えるレバー等の複数のレバーが設けられており、インサイドハンドルやアウトサイドハンドルを操作したときに、どのレバーを連動させるかで、ハンドルの操作性が大きく異なっていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−138696号公報
【特許文献2】特開2006−159078号公報
【特許文献3】特開2001−182402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、インサイドハンドルやアウトサイドハンドの操作性向上(操作負荷低減)のために、連結させるレバーを少なくする方法が優先的に用いられていたが、この方法では、装置の機能性に問題が生じており、元々備わっている数々の機構を利用して機能性を損なうことなく操作性を向上させるとの思想はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、本発明は、ドアDを車体Bに対して閉扉位置に保持する閉扉状態保持機構CRと、前記ドアDを前記車体Bに対して開扉位置に保持する開扉状態保持機構ORと、前記ドアDの車内側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるインサイドハンドルIHと、前記ドアDの車外側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるアウトサイドハンドルOHと、所定位置の前記ドアDをモータ動力で閉扉位置まで移動させうるクローザ機構CLと、前記クローザ機構CLの動力伝達経路を遮断する遮断機構10と、少なくとも前記アウトサイドハンドルOHの動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないロック状態と伝達させうるアンロック状態とに切り替わるロッキングレバー191と、前記ロッキングレバー191を切り替えるアクチュエータLAとを有し、前記遮断機構10は前記インサイドハンドルIHおよび前記アウトサイドハンドルOHに関連的に連結させて前記インサイドハンドルIHの開扉動作および前記アウトサイドハンドルOHの動作のいずれかにより前記ロック状態または前記アンロック状態に拘わらず前記動力伝達経路を遮断できる構成とし、前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作は前記開扉状態保持機構ORに伝達させないものにおいて、前記アクチュエータLAは前記ドアDの開扉により前記開扉状態保持機構ORのラッチ状態が検出されると前記ロッキングレバー191をロック状態に切り替える構成としたドア開閉装置としたものである。
また、本発明は、ドアDを車体Bに対して閉扉位置に保持する閉扉状態保持機構CRと、前記ドアDを前記車体Bに対して開扉位置に保持する開扉状態保持機構ORと、前記ドアDの車内側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるインサイドハンドルIHと、前記ドアDの車外側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるアウトサイドハンドルOHと、所定位置の前記ドアDをモータ動力で閉扉位置まで移動させうるクローザ機構CLと、前記クローザ機構CLの動力伝達経路を遮断する遮断機構10と、少なくとも前記アウトサイドハンドルOHの動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないロック状態と伝達させうるアンロック状態とに切り替わるロッキングレバー191と、前記ロッキングレバー191を切り替えるアクチュエータLAと、前記インサイドハンドルIHの開扉動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないチャイルドロック状態と伝達させうるチャイルドアンロック状態とに切り替わるチャイルドロックレバー140とを有し、前記遮断機構10は前記インサイドハンドルIHおよび前記アウトサイドハンドルOHに関連的に連結させて前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作および前記アウトサイドハンドルOHの動作のいずれかにより前記ロック状態または前記アンロック状態及び前記チャイルドロック状態または前記チャイルドアンロック状態に拘わらず前記動力伝達経路を遮断できる構成とし、前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作は前記開扉状態保持機構ORに伝達させないものにおいて、前記アクチュエータLAは前記ドアDの開扉により前記開扉状態保持機構ORのラッチ状態が検出されると前記ロッキングレバー191をロック状態に切り替える構成としたドア開閉装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スライドドアDが開扉されるとロッキングアクチュエータLAがロッキングレバー191を回転させてコントロールユニット100をロック状態に切り替えるため、アウトサイドハンドルOHの動作により開扉状態保持機構ORをアンラッチさせるとき、アウトサイドハンドルOHの動作がロック状態への切替で作動不要なレバー等に伝達されることを防止でき、良好な操作性を得ることが出来る。
また、本発明によれば、特別な部品を追加することなく、上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のドア開閉装置を適用したスライドドアの概略斜視図。
【図2】図1に示したスライドドアの概略正面図。
【図3】図1に示したスライドドアの概略平面図。
【図4】図1に示したスライドドアを備える四輪自動車の概略側面図。
【図5】前記ドア開閉装置のコントロールユニットを室内側側面図。
【図6】前記コントロールユニットの室内側側面図。
【図7】前記コントロールユニットの室外側側面図。
【図8】図6のVIII−VIII線一部切欠断面図。
【図9】図6のIX−IX線一部省略断面図。
【図10】図6のX−X線断面図。
【図11】前記コントロールユニットのインサイドハンドルを開扉操作した状態を示す概念図。
【図12】前記インサイドハンドルを閉扉操作した状態を示す概念図。
【図13】前記コントロールユニットのアウトサイドハンドルを操作した状態を示す概念図。
【図14】前記コントロールユニットのロック状態を示す概念図。
【図15】前記ロック状態において前記インサイドハンドルを開扉操作した状態を示す概念図。
【図16】前記ロック状態において前記アウトサイドハンドルを操作した状態を示す概念図。
【図17】前記コントロールユニットのチャイルドロック状態を示す概念図。
【図18】前記チャイルドロック状態において前記インサイドハンドルを開扉操作した状態を示す概念図。
【図19】前記ドア開閉装置のリンクユニットの室内側側面図。
【図20】図19から前記アウトサイドハンドルを操作した状態を示す概念図。
【図21】図19から前記インサイドハンドルを閉扉操作した状態を示す概念図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドア開閉装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の実施の形態であるドア開閉装置を概念的に示したものである。ここで例示するドア開閉装置は、図4に示すように、四輪自動車の車体BとスライドドアDとの間に設けたもので、スライドドアDを車体Bに対して閉扉位置に保持する閉扉状態保持機構CR、開扉位置に保持する開扉状態保持機構OR、コントロールユニット100およびリンクユニット200を備えている。
【0009】
ドア開閉装置の適用対象となるスライドドアDは、車体Bの側方に沿って前後にスライドすることにより車両後部への乗車口DOを開閉するもので、その上部にウィンドウガラスGによって開閉される窓穴WOを有している。ウィンドウガラスGは、図2および図3に示すように、車両外側のドアパネル(以下、単にアウタパネルOPという)と、車両内側のドアパネル(以下、単にインナパネルIPという)との間に上下動可能に配設したもので、図示せぬレギュレータハンドルやレギュレータスイッチの操作によって窓穴WOを開閉することが可能である。尚、以下においては、車体Bの右側に配設されるスライドドアD(右ハンドル車においては運転席の後方側に配設されるドア)の開閉を行うドア開閉装置について順次説明を行う。
【0010】
前記閉扉状態保持機構CRは、車体Bに対してスライドドアDを全閉状態に保持するためのもので、スライドドアDの前縁部と車体Bとの間に設けたフロント側閉扉状態保持部CRF、並びにスライドドアDの後縁部と車体Bとの間に設けたリア側閉扉状態保持部CRRから構成されるが、これらは必ずしも前後一対で用いられるものではなく、フロント側若しくはリア側の閉扉状態保持部のみ構成することもある。フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRは、いずれも従前のものと同様の構成を有したものであり、例えば車体Bに設けたストライカに歯合するラッチとこのラッチの移動を制御するラチェットとを備えて構成してある。
【0011】
前記リア側閉扉状態保持部CRRには、クローザ機構CLが一体的若しくは別体的に設けられる。クローザ機構CLは、安全機構としての遮断機構(クラッチ機構)10を内蔵したアクチュエータであり(図1)、スライドドアDが所定位置(好適には閉扉状態保持機構CRがハーフラッチ状態になる位置)まで閉扉方向に移動すると、以後、スライドドアDをモータ動力で閉扉位置(閉扉状態保持機構CRがフルラッチ状態になる位置)まで移動させる。クローザ機構CLによりスライドドアDがハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移行途中であっても、遮断機構10が作動するとクローザ機構CLの動力伝達経路が遮断されて、直ちに移行動作が中断される。
【0012】
前記開扉状態保持機構ORは、車体Bに対してスライドドアDを全開状態に保持するためのもので、スライドドアDに設けたサポートフレームSFと車体Bとの間に設けてある。サポートフレームSFとは、スライドドアDを車体Bに対してスライド移動させる際のガイドとなる部分であり、インナパネルIPの前方下端部から車両内側に向けて突設してある。尚、開扉状態保持機構ORに関しても、従前のものと同様の構成を有したものであり、例えば車体Bに設けたストライカに歯合するラッチとこのラッチの移動を制御するラチェットとを備えて構成してある。
【0013】
前記コントロールユニット100は、スライドドアDのアウトサイドハンドルOHが操作された場合、あるいはスライドドアDのインサイドハンドルIHが操作された場合、それぞれ従動動作し、この従動動作によって閉扉状態保持機構CRおよび開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうる。なお、本実施例のインサイドハンドルIHは開扉操作と閉扉操作とに方向性があるタイプのハンドルであり、例えば、時計回転させると開扉操作となり反時計回転させると閉扉操作となるが、アウトサイドハンドルOHは操作方向に方向性のないタイプのハンドルで、操作においては閉扉操作と開扉操作とを区別する必要はない。したがって、以下において、アウトサイドハンドルOHの動作については「開扉」や「閉扉」とは明記せずに説明する。
【0014】
図5〜図10は、本実施の形態で適用するコントロールユニット100の構成例を示したものである。ここで例示するコントロールユニット100は、スライドドアDのインナパネルIPにおける車両室内側の外表面上方部にコントロールベースプレート101を介して取り付けられるもので、コントロールベースプレート101にインサイドハンドルシャフト102を備え、かつこのインサイドハンドルシャフト102にインサイドハンドルレバー110、第1リンクレバー120および第2リンクレバー130を備えているとともに、コントロールベースプレート101においてインサイドハンドルシャフト102の周囲となる部位にチャイルドロック機構としてのチャイルドロックレバー140およびスイッチレバー150を備えている。
【0015】
前記インサイドハンドルシャフト102は、先端部にインサイドハンドルIHを取り付けるためのスプラインを備えた軸部材であり、先端部を車両室内側に向けた状態で基端部を介してコントロールベースプレート101に回転可能に配設してある。このインサイドハンドルシャフト102に取り付けられるインサイドハンドルIHは、車両室内側に露出することになり、搭乗者によって適宜操作される。尚、以下の説明では、インサイドハンドルシャフト102にインサイドハンドルIHを装着した場合において、当該インサイドハンドルIHが鉛直上方に占位した状態をインサイドハンドルシャフト102の中立位置と称する(図5において実線で示す状態)。
【0016】
前記インサイドハンドルレバー110は、コントロールベースプレート101の裏面側(車両外側)においてインサイドハンドルシャフト102と一体に回転するようにインサイドハンドルシャフト102の基端部に配設される。インサイドハンドルレバー110は、第1リンク係合部111、第2リンク係合部112、スイッチレバー係合部113および第1ワイヤケーブルスライド接続部114を有している。第1リンク係合部111は、インサイドハンドルシャフト102が中立位置に占位した場合に該インサイドハンドルシャフト102から車両前方側に向けて延在した部分である。第2リンク係合部112は、インサイドハンドルシャフト102が中立位置に占位した場合に該インサイドハンドルシャフト102からほぼ上方に向けて延在した後、車両室内側に向けて屈曲延在した部分である。この第2リンク係合部112の先端は、コントロールベースプレート101に設けた切欠を通じて該コントロールベースプレート101の表面側に突出している。
【0017】
前記スイッチレバー係合部113は、インサイドハンドルシャフト102が中立位置に占位した場合に該インサイドハンドルシャフト102からほぼ下方に向けて延在した部分である。第1ワイヤケーブルスライド接続部114は、インサイドハンドルシャフト102が中立位置に占位した場合に該インサイドハンドルシャフト102から車両後方側に向けて延在した後、コントロールベースプレート101の切欠を通じて表面側に突出した部分である。この第1ワイヤケーブルスライド接続部114には、コントロールベースプレート101の表面側に突出した部分に長孔を介して第1ワイヤケーブルWC1の一端部がスライド可能に連結してある。インサイドハンドルレバー110の第2リンク係合部112とコントロールベースプレート101との間には、インサイドハンドルシャフト102を中立位置に占位させるためのハンドルリターンスプリング103が設けてある。
【0018】
前記第1リンクレバー120は、インサイドハンドルシャフト102に対して回転可能に支持され、コントロールベースプレート101とインサイドハンドルレバー110との間に配設されている。第1リンクレバー120は、第1スプリング係合部121、第1ピンスライド部122および第1ロッドスライド接続部123を有している。第1スプリング係合部121は、インサイドハンドルシャフト102からインサイドハンドルレバー110の第2リンク係合部112に沿って延在した後、車両室内側に向けて屈曲延在した部分である。この第1スプリング係合部121の延在端部は、第1リンクレバー120がインサイドハンドルシャフト102に対して回転した場合に上述したハンドルリターンスプリング103に係合し、該ハンドルリターンスプリング103を弾性変形させるように配設してある。第1ピンスライド部122は、インサイドハンドルシャフト102から第1リンク係合部111に沿って延在した部分である。この第1ピンスライド部122には、インサイドハンドルシャフト102の軸心に対して径方向に延在する態様で第1スライド溝122aが設けてあるとともに、この第1スライド溝122aに第1係合ピン124がスライド可能に配設してある。第1ロッドスライド接続部123は、インサイドハンドルシャフト102から車両後方側に向けて下方に延在する部分である。この第1ロッドスライド接続部123には、その延在端部に長孔を介して第1連結ロッドR1の一端部が連結してある。
【0019】
前記第2リンクレバー130は、インサイドハンドルシャフト102に対して回転可能となる態様でコントロールベースプレート101の表面側に配設したもので、ハンドルレバー係合部131および第2ロッドスライド接続部132を有している。ハンドルレバー係合部131は、インサイドハンドルシャフト102からインサイドハンドルレバー110の第2リンク係合部112に沿って延在した部分であり、係合穴133と第1インサイドハンドル操作検出部134とを有している。係合穴133は、上述した第2リンク係合部112の延在端部が係合するための開口である。第1インサイドハンドル操作検出部134は、ハンドルレバー係合部131の延在端部から車両後方側に向けて延在した部分である。この第1インサイドハンドル操作検出部134は、インサイドハンドルシャフト102が中立位置にあるときは、コントロールベースプレート101に設けたインサイドハンドル操作検出センサS1から離隔しているが、インサイドハンドルIHの閉扉動作により第2リンクレバー130が図12のように反時計回りに回転するとインサイドハンドル操作検出センサS1に当接してこれをON操作するものである。第2ロッドスライド接続部132は、インサイドハンドルシャフト102からほぼ第1リンクレバー120の第1ロッドスライド接続部123に沿って延在した部分である。この第2ロッドスライド接続部132には、その延在端部に長孔を介して第2連結ロッドR2の一端部が連結してある。
【0020】
前記スイッチレバー150は、コントロールベースプレート101の表面側においてインサイドハンドルシャフト102の下方となる部位にスイッチレバー軸151を介して回転可能に配設したものである。スイッチレバー150は、第2ピンスライド部152、第2スプリング係合部153および第2インサイドハンドル操作検出部154を有している。第2ピンスライド部152は、スイッチレバー軸151からインサイドハンドルシャフト102に向けて延在した場合にインサイドハンドルレバー110におけるスイッチレバー係合部113の回転移動域に達する長さを有した部分である。この第2ピンスライド部152には、スイッチレバー軸151の径方向に延在する態様で第2スライド溝152aが設けてあるとともに、この第2スライド溝152aに第2係合ピン155がスライド可能に配設してある。この第2係合ピン155は、コントロールベースプレート101に設けた切欠を通じて当該コントロールベースプレート101の裏面側に突出している(図9)。
【0021】
前記第2スプリング係合部153は、スイッチレバー軸151から第2ピンスライド部152に対して相反する方向に延在した部分である。この第2スプリング係合部153には、コントロールベースプレート101との間に第2リターンスプリング156が設けてある(図5、6)。第2リターンスプリング156は、図5においてスイッチレバー150を時計回りに付勢させることによって第2ピンスライド部152をコントロールベースプレート101の突起101aに押圧し、当該第2ピンスライド部152の先端が常時インサイドハンドルシャフト102に向いた姿勢となるように付勢するものである。第2インサイドハンドル操作検出部154は、第2ピンスライド部152と第2スプリング係合部153との間から延在した部分である。この第2インサイドハンドル操作検出部154は、第2ピンスライド部152が突起101aに当接した状態では、コントロールベースプレート101に設けた第2インサイドハンドル操作検出センサS2から離隔するが、図5において反時計回りに回転すると、図18のように第2インサイドハンドル操作検出センサS2に当接してこれをON操作するものである。
【0022】
前記チャイルドロックレバー140は、コントロールベースプレート101の裏面側においてスイッチレバー150よりも車両前方側となる部位にチャイルドロックレバー軸141を介して回転可能に配設される。チャイルドロックレバー140は、第1ピン作用部142、第2ピン作用部143および切替操作部144を有している。第1ピン作用部142は、チャイルドロックレバー軸141から第1リンクレバー120の第1ピンスライド部122と交差する方向に延在した部分である。この第1ピン作用部142には、位置決め部145および第1ピン作用溝146が設けてある。位置決め部145は、第1ピン作用部142の基端部に設けた弾性舌片であり、コントロールベースプレート101に設けた位置決め突起101bに当接係合することにより、チャイルドロックレバー140をチャイルドアンロック位置とチャイルドロック位置のいずれかに弾力的に保持する。第1ピン作用溝146は、第1ピン作用部142の長手方向に沿って延在したもので、前記第1リンクレバー120の第1係合ピン124が摺動可能に挿通される。第2ピン作用部143は、チャイルドロックレバー軸141からスイッチレバー150の第2ピンスライド部152に交差する方向に延在した部分である。この第2ピン作用部143には、第2ピン作用溝147(図7参照)が設けてある。第2ピン作用溝147は、ほぼ車両の前後方向に沿って延在したもので、前記スイッチレバー150の第2係合ピン155が摺動可能に挿通される。切替操作部144は、チャイルドロックレバー140を切替操作するための部分であり、チャイルドロックレバー軸141から車両前方に向けて延在している。
【0023】
前記チャイルドロックレバー140がチャイルドアンロック位置にあると、前記第1リンクレバー120の第1ピンスライド部122に挿通された第1係合ピン124は、インサイドハンドルレバー110の第1リンク係合部111の回転軌跡上に臨むが、スイッチレバー150の第2スライド溝152aに挿通された第2係合ピン155はインサイドハンドルレバー110のスイッチレバー係合部113の回転軌跡上から外れる。このため、チャイルドアンロック状態では、インサイドハンドルレバー110の時計回転は(開扉回転)は図11のように第1係合ピン124を介して第1リンクレバー120に伝達されるが、スイッチレバー150には伝達されない。
【0024】
前記チャイルドロックレバー140がチャイルドロック位置にあると、第1係合ピン124はインサイドハンドルシャフト102から離間するように移動してインサイドハンドルレバー110の第1リンク係合部111の回転軌跡から外れるが、第2係合ピン155はインサイドハンドルレバー110のスイッチレバー係合部113の回転軌跡上に移動する。このため、図18のように、インサイドハンドルレバー110の時計回転は(開扉回転)はスイッチレバー150に伝達されることになるが、第1リンクレバー120には伝達されない。
【0025】
前記コントロールユニット100は、コントロールベースプレート101においてインサイドハンドルシャフト102よりも車両後方側となる部位にオープンレバー160、オープンサブレバー170、フェイルセーフレバー180およびロック手段190を備えている。オープンレバー160、オープンサブレバー170およびフェイルセーフレバー180は、共通のレバー軸104を介してコントロールベースプレート101に配設したもので、該レバー軸104の軸心回りに個別に回転することが可能である。
【0026】
前記オープンレバー160は、コントロールベースプレート101の表面側に配設したもので、サブレバー係合部161とワイヤケーブル接続部162とを有している。サブレバー係合部161は、レバー軸104から上方に向けて延在した部分であり、ロックピンスライド溝163と係合凸部164とを有している。ロックピンスライド溝163は、サブレバー係合部161の延在方向に沿って形成した直線状の溝である。係合凸部164は、サブレバー係合部161の先端からコントロールベースプレート101に向けて屈曲延在した部分であり、コントロールベースプレート101に設けた切欠を介してコントロールベースプレート101の裏面側に突出している。ワイヤケーブル接続部162は、レバー軸104からサブレバー係合部161に対して相反する方向に延在した部分である。このワイヤケーブル接続部162には、第2ワイヤケーブルWC2の一端部および第3ワイヤケーブルWC3の一端部がそれぞれ連結してある。第2ワイヤケーブルWC2は、その他端部がフロント側閉扉状態保持部CRFに連係してあり、引張操作されるとフロント側閉扉状態保持部CRFをアンラッチ動作させる。第3ワイヤケーブルWC3は、その他端部がリア側閉扉状態保持部CRRに連係してあり、引張操作されるとリア側閉扉状態保持部CRRをアンラッチ動作させるものである。
【0027】
前記オープンサブレバー170は、コントロールベースプレート101の裏面側に配設したもので、オープンレバー係合部171、第4ワイヤケーブルスライド接続部172、第1ロッド接続部173およびロックピン係合部174を有している。オープンレバー係合部171は、レバー軸104から上方に向けて延在した部分であり、その車両前方側の側面にはオープンレバー160の係合凸部164が当接係合している。オープンレバー係合部171には、アウトサイドハンドル操作検出部175が設けてある。アウトサイドハンドル操作検出部175は、コントロールベースプレート101に設けた切欠を通じてコントロールベースプレート101の表面側に突出している。コントロールベースプレート101にはアウトサイドハンドル操作検出部175との接触によりオンオフするアウトサイドハンドル操作検出センサS3が設けられる。
【0028】
前記オープンサブレバー170およびオープンレバー160は後述するコイルスプリング184の弾力により間接的に図5においては反時計回転、図7においては時計回転に付勢され、オープンサブレバー170は係合凸部164に当接し、係合凸部164はコントロールベースプレート101に弾力的に当接停止する。オープンレバー係合部171が係合凸部164を介してコントロールベースプレート101に当接した状態では、アウトサイドハンドル操作検出部175は図12のようにアウトサイドハンドル操作検出センサS3から離間するが、図13のようにオープンサブレバー170が時計回りに回転するとアウトサイドハンドル操作検出センサS3は押圧されてONになる。
【0029】
前記第4ワイヤケーブルスライド接続部172は、レバー軸104から車両後方側に向けて上方に延在した後、該レバー軸104を中心として上方側に湾曲延在した部分である。この第4ワイヤケーブルスライド接続部172には、湾曲した部分に長孔を介して第4ワイヤケーブルWC4の一端部がスライド可能に連結してある。第1ロッド接続部173は、レバー軸104からオープンレバー係合部171に対して相反する方向に延在した後、車両後方側に屈曲して延在した部分である。この第1ロッド接続部173には、屈曲して延在した部分の先端部に前記第1連結ロッドR1の他端部が連結してある。ロックピン係合部174とオープンレバー係合部171との間には係合凹部176が設けられる。係合凹部176はオープンレバー160のロックピンスライド溝163と同じ幅で、オープンレバー係合部171が係合凸部164に当接した状態では、係合凹部176はロックピンスライド溝163の下部部位と重なり合う。ロックピン係合部174はロックピンスライド溝163に比べて十分に短い。
【0030】
前記フェイルセーフレバー180は、コントロールベースプレート101の表面側においてオープンレバー160よりも車両内方側に配設したもので、サブレバー押圧部181、第2ロッド接続部182および第5ワイヤケーブル接続部183を有している。サブレバー押圧部181は、レバー軸104から車両後方側に向けて延在した後、コントロールベースプレート101に向けて屈曲延在した部分であり、コントロールベースプレート101に設けた切欠を介してコントロールベースプレート101の裏面側に突出している。このサブレバー押圧部181は、コントロールベースプレート101との間に介在させたコイルスプリング184の弾性力により、図5、6において常時反時計回り付勢されており、オープンサブレバー170に弾力的に当接することにより、オープンサブレバー170およびオープンレバー160をそれぞれ反時計方向に付勢している。第2ロッド接続部182および第5ワイヤケーブル接続部183は、それぞれレバー軸104からオープンレバー160のワイヤケーブル接続部162に沿って延在した部分である。このうち第2ロッド接続部182がレバー軸104に近接した基端部側に構成してある一方、第5ワイヤケーブル接続部183が先端部側に構成してある。この第2ロッド接続部182には、上述した第2連結ロッドR2の他端部が連結してあり、また第5ワイヤケーブル接続部183には、第5ワイヤケーブルWC5の一端部が連結してある。第5ワイヤケーブルWC5は、その他端部がリア側閉扉状態保持部CRRのクローザ機構CLに連係してあり、引張操作された場合に当該クローザ機構CLの遮断機構10を接続状態から遮断状態に切り換えるものである。
【0031】
前記ロック機構190は、ロッキングレバー191およびロッキングアクチュエータLAを備えて構成してある。ロッキングレバー191は、コントロールベースプレート101の表面側においてレバー軸104よりもさらに車両後方側となる部位にロックレバー軸192を介して回転可能に配設したもので、ロックピン保持部193およびアクチュエータ係合部194を有している。ロックピン保持部193は、ロックレバー軸192から車両前方側に向けて延在した部分である。このロックピン保持部193には、その延在端部にロック部材195が設けてある。ロック部材195は、基端部を介してロックピン保持部193に回転可能に支承させたもので、その先端部にロックピン196を有している。ロックピン196は、ロック部材195の先端部からコントロールベースプレート101に向けて突出した円柱状部材であり、その突出端部がオープンレバー160のロックピンスライド溝163を摺動自在に貫通し、さらにコントロールベースプレート101に設けた切欠を貫通し、ロックピン196がロックピンスライド溝163の下部側に移動すると、オープンサブレバー170のオープンレバー係合部171とロックピン係合部174との間に設けた係合凹部176に係合する(アンロック状態)。
【0032】
前記アクチュエータ係合部194は、ロックレバー軸192から車両後方側に向けて延在し、その先端部が二股に分岐した部分である。ロッキングアクチュエータLAは、コントロールベースプレート101の最も車両後方側となる部位に取り付けたもので、車両前方側となる部位にロッキング出力レバーRLを備えている(図5〜7)。ロッキング出力レバーRLは、コントロールベースプレート101の表面に沿って上下に揺動するもので、その先端部に設けた係合突起RLaをアクチュエータ係合部194の分岐部分に係合させてある。このロッキングアクチュエータLAは、ロッキング出力レバーRLが最も上方に揺動した場合にアクチュエータ係合部194を介してロックピン保持部193を下動させて、オープンレバー160のロックピンスライド溝163の下部側に移動させ、オープンサブレバー170のオープンレバー係合部171とロックピン係合部174との間に設けた係合凹部176に係合させる。これにより、ロックピン196はロックピン係合部174の回転軌跡上に位置して、オープンサブレバー170の時計回転をオープンレバー160に伝達できる。
【0033】
また、ロッキング出力レバーRLを最も下方に揺動させるとアクチュエータ係合部194を介してロックピン保持部193は上動して、オープンレバー160のロックピンスライド溝163内の上部側に移動し、ロックピン196はロックピン係合部174の回転軌跡から外れてロック状態となり、オープンサブレバー170の時計回転はオープンレバー160に伝達されなくなる。尚、本実施の形態で適用するロック機構190では、ロッキングアクチュエータLAのロッキング出力レバーRLにインサイドロックボタンSN(図5)との間を連係するロッキングロッドLDが連結してあり、インサイドロックボタンSNが操作された場合にその操作力がロッキング出力レバーRLを介してロッキングレバー191に伝達され、当該ロッキングレバー191を回転動作させることによってロック状態とアンロック状態とを適宜切り換えることが可能である。
【0034】
前記開扉状態保持機構ORにはスライドドアDが開扉位置になって開扉状態保持機構ORがラッチ状態になるとこれを検出するドア開扉位置センサS4(図1)が内蔵若しくは別体で設けられる。ドア開扉位置センサS4は、周知のラッチとラチェットの噛み合いからスライドドアDの開扉位置を検出するものが好適である。
【0035】
前記ロッキングアクチュエータLAは、スライドドアDが開扉スライドしてドア開扉位置センサS4が開扉状態を検出すると、これに応じて出力して、ロッキングレバー191を時計回転させて、ロックピン196を上動させて、ロックピンスライド溝163から離脱させ、ロック状態に強制的に切り替える。つまり、ドアDが開くとロックされるようにする。このロック状態への切替により、アウトサイドハンドルOHの動作により、オープンサブレバー170が時計回転しても、オープンサブレバー170の回転は他の部材に伝達されなくなるため、アウトサイドハンドルOHの動作によりドアDを閉扉させる際にアウトサイドハンドルOHに不要な抵抗が加わらず、操作性が損なわれない。
【0036】
図11〜図18は、コントロールユニット100が動作した場合の各構成要素の状態を示す概念図である。以下、コントロールユニット100の初期状態を示す図5〜図7とともにこれらの図を参照しながらコントロールユニット100の動作について説明する。
【0037】
まず、コントロールユニット100では、ハンドルリターンスプリング103の作用により、図5中の実線で示すように、初期状態においてインサイドハンドルIHが鉛直上方に占位した状態にある。尚、図5〜図7に示す初期状態においては、チャイルドロックレバー140がアンロック位置にあり、ロック機構190がアンロック状態にある。
【0038】
この初期状態からハンドルリターンスプリング103の弾性力に抗してインサイドハンドルIHを車両後方側に向けて揺動させると(インサイドハンドルIHの開扉操作)、インサイドハンドルシャフト102が図中において時計回りに回転する。インサイドハンドルシャフト102が時計回りに回転すると、図11に示すように、インサイドハンドルレバー110が時計回りに回転することになり、このインサイドハンドルレバー110の回転が第1リンク係合部111および第1係合ピン124を介して第1リンクレバー120に伝達されるとともに、第2リンク係合部112および係合穴133を介して第2リンクレバー130に伝達され、それぞれが時計回りに回転する。
【0039】
第1リンクレバー120が回転すると、第1連結ロッドR1を介してオープンサブレバー170が時計回りに回転し、さらにオープンサブレバー170の回転がロックピン係合部174およびロックピン196を介してオープンレバー160に伝達され、第2ワイヤケーブルWC2および第3ワイヤケーブルWC3がそれぞれ引張操作されることになり、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチ動作される。この結果、例えばスライドドアDが全閉状態にあった場合であっても、インサイドハンドルIHの車両後方側への揺動操作によってこれを開扉移動させることができるようになる。尚、第1リンクレバー120の回転に伴うオープンサブレバー170の回転によってアウトサイドハンドル操作検出部175がアウトサイドハンドル操作検出センサS3をON操作することになるため、このアウトサイドハンドル操作検出センサS3の検出結果に基づいてインサイドハンドルIHの車両後方側への揺動操作を検出することが可能となる。
【0040】
また、第1リンクレバー120の回転とともに第2リンクレバー130が回転すると、第2連結ロッドR2を介してフェイルセーフレバー180が時計回りに回転し、第5ワイヤケーブルWC5が引張操作されることになり、クローザ機構CLの遮断機構10が遮断状態となる。この結果、例えばクローザ機構CLが作動している状態においても、インサイドハンドルIHを車両後方側へ揺動操作すれば、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行動作を中断することができるようになる。
【0041】
次に、初期状態からハンドルリターンスプリング103の弾性力に抗してインサイドハンドルIHを車両前方側へ向けて揺動させると(インサイドハンドルIHの閉扉操作)、インサイドハンドルシャフト102が図中の反時計回りに回転する。インサイドハンドルシャフト102が反時計回りに回転すると、インサイドハンドルレバー110が反時計回りに回転して、第1ワイヤケーブルWC1が引張操作され、開扉状態保持機構ORがアンラッチされ、ドアDの閉扉が可能となる。
【0042】
また、インサイドハンドルIHが閉扉操作されると、図12のように、インサイドハンドルレバー110の回転が第2リンク係合部112および係合穴133を介して第2リンクレバー130に伝達され、これが反時計回りに回転するが、第2リンクレバー130が反時計回転しても、第2連結ロッドR2の一端部が第2リンクレバー130の長孔を適宜移動するだけで、第2連結ロッドR2は動かず、フェイルセーフレバー180も回転しない。尚、第2リンクレバー130の反時計回転によって第1インサイドハンドル操作検出部134がインサイドハンドル操作検出センサS1をON操作することになるため、このインサイドハンドル操作検出センサS1の検出結果に基づいてインサイドハンドルIHの車両前方側への揺動操作(閉扉操作)を検出することが可能となる。
【0043】
次に、初期状態から第4ワイヤケーブルWC4を引張操作すると(第4ワイヤケーブルWC4は後述するようにアウトサイドハンドルOHの動作により牽引される)、図13に示すように、オープンサブレバー170が時計回りに回転する。オープンサブレバー170の回転は、ロックピン係合部174およびロックピン196を介してオープンレバー160に伝達され、第2ワイヤケーブルWC2および第3ワイヤケーブルWC3がそれぞれ引張操作されることになり、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチされる。この結果、例えばスライドドアDが全閉状態にあった場合であっても、アウトサイドハンドルOHの動作による第4ワイヤケーブルWC4の引張操作によって開扉移動させることができるようになる。この際、第1連結ロッドR1の一端部が第1リンクレバー120の長孔内を適宜移動するが、オープンサブレバー170の時計回りの回転によっては第1リンクレバー120は回転しない。尚、オープンサブレバー170の回転によってアウトサイドハンドル操作検出部175がアウトサイドハンドル操作検出センサS3をON操作することになるため、このアウトサイドハンドル操作検出センサS3の検出結果に基づいて第4ワイヤケーブルWC4の引張操作を検出することが可能となる。
【0044】
また、オープンサブレバー170が時計回転すると、サブレバー押圧部181を介してフェイルセーフレバー180が時計回りに回転し、第5ワイヤケーブルWC5が引張操作されることになり、クローザ機構CLの遮断機構10が遮断状態となる。この結果、例えばクローザ機構CLが作動している状態においても、アウトサイドハンドルOHの動作により第4ワイヤケーブルWC4を引張操作すれば、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行動作を中断することができるようになる。
【0045】
上述した初期状態からロック機構190をロック状態に切り換えると、図14に示すように、オープンレバー160のロックピンスライド溝163内の上部側にロックピン196が移動して、ロックピン係合部174の回転軌跡から外れる。このロック状態からインサイドハンドルIHを車両後方側に向けて揺動させると(開扉操作)、図15に示すように、第1リンクレバー120および第1連結ロッドR1を介してオープンサブレバー170は時計回転するが、オープンサブレバー170の動作はロックピン係合部174からロックピン196に伝達されないため、オープンレバー160は回転せず、従って、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチされることはない。但し、ロック状態であっても、第1リンクレバー120の回転に伴うオープンサブレバー170の回転によってアウトサイドハンドル操作検出部175がアウトサイドハンドル操作検出センサS3をON操作することになるため、このアウトサイドハンドル操作検出センサS3の検出結果に基づいてインサイドハンドルIHの車両後方側への揺動操作を検出することは可能である。また、インサイドハンドルIHの車両後方側への揺動によって第2リンクレバー130が回転するため、第2連結ロッドR2を介してフェイルセーフレバー180が時計回りに回転し、第5ワイヤケーブルWC5が引張操作されることになり、クローザ機構CLの遮断機構10が遮断状態となる。従って、ロック状態においても、インサイドハンドルIHを車両後方側へ揺動操作すれば、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行動作を中断することができるようになる。
【0046】
また、ロック状態からアウトサイドハンドルOHの動作により第4ワイヤケーブルWC4を引張操作したとしても、図16に示すように、オープンサブレバー170の回転がオープンレバー160に伝達されないため、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチされることもない。但し、ロック状態においても、第1リンクレバー120の回転に伴うオープンサブレバー170の回転によってアウトサイドハンドル操作検出部175がアウトサイドハンドル操作検出センサS3をON操作することになるため、このアウトサイドハンドル操作検出センサS3の検出結果に基づいて第4ワイヤケーブルWC4の引張操作を検出することは可能である。また、オープンサブレバー170の回転によってフェイルセーフレバー180が時計回りに回転し、第5ワイヤケーブルWC5が引張操作されることになり、クローザ機構CLの遮断機構10が遮断状態となる。従って、ロック状態においても、第4ワイヤケーブルWC4を引張操作すれば、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行動作を中断することができるようになる。
【0047】
さらに、上述した初期状態からチャイルドロックレバー140をロック位置に切り替えると、図17に示すように、第1リンクレバー120の第1ピンスライド部122の左方に第1係合ピン124が移動して、インサイドハンドルレバー110の第1リンク係合部111の回転軌跡から外れる。この状態からインサイドハンドルIHを車両後方側に向けて揺動させたとしても(開扉操作)、図18に示すように、インサイドハンドルレバー110の回転が第1リンクレバー120に伝達されることはなく、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチされることもない。但し、チャイルドロックレバー140がロック位置になると、スイッチレバー150の第2ピンスライド部152の上部側に第2係合ピン155が移動して、インサイドハンドルレバー110のスイッチレバー係合部113と係合可能に対峙するため、インサイドハンドルレバー110が時計回転すると、スイッチレバー150も回転し第2インサイドハンドル操作検出センサS2をON操作する。この第2インサイドハンドル操作検出センサS2の検出結果に基づいてインサイドハンドルIHの車両後方側への揺動操作を検出することは可能である。また、インサイドハンドルIHの車両後方側への揺動によって第2リンクレバー130が回転するため、第2連結ロッドR2を介してフェイルセーフレバー180が時計回りに回転し、第5ワイヤケーブルWC5が引張操作されることになり、クローザ機構CLの遮断機構10が遮断状態となる。従って、チャイルドロックレバー140がロック位置にある場合においても、インサイドハンドルIHを車両後方側へ揺動操作すれば、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行動作を中断することができるようになる。
【0048】
前記ドア開閉装置のリンクユニット200は、スライドドアDのアウタパネルOPに設けたアウトサイドハンドルOHと、インナパネルIPに設けたコントロールユニット100との間の中継動作を主機能とするものである。本実施の形態で例示するリンクユニット200は、図19に示すように、スライドドアDのインナパネルIPにおける車両室内側の外表面下方部、より具体的にはウィンドウガラスGの開閉移動領域よりもさらに下方となる部位にリンクベースプレート201を介して取り付けられる。リンクベースプレート201はリンクシャフト202を備え、かつこのリンクシャフト202にオープンハンドルレバー210、オープンハンドルサブレバー220を枢支させ、リンクシャフト202の周囲となる部位にリリースアクチュエータRAを備えている。
【0049】
前記オープンハンドルレバー210は、リンクシャフト202に対して回転可能となる態様でリンクベースプレート201の表面側(車両内側)に配設したもので、第6ワイヤケーブルスライド接続部211、第4ワイヤケーブル接続部212および入力部213を有している。第6ワイヤケーブルスライド接続部211は、リンクシャフト202から車両前方側に向けて下方に延在した後、車両前方側に向けて上方に湾曲延在した部分である。この第6ワイヤケーブルスライド接続部211には、湾曲延在した部分に長孔を介して第6ワイヤケーブルWC6の一端部がスライド可能に連結してある。第6ワイヤケーブルWC6は、その他端部がアウトサイドハンドルOHに連係してあり、アウトサイドハンドルOHが操作された場合にオープンハンドルレバー210を時計回りに回転させるように機能するものである。本実施の形態では、図2および図3に示すように、ウィンドウガラスGの開閉移動領域よりも下方側となる部位を通過するようにアウトサイドハンドルOHとリンクユニット200のオープンハンドルレバー210との間を連係する第6ワイヤケーブルWC6を敷設するようにしている。第4ワイヤケーブル接続部212は、リンクシャフト202から車両後方側に向けて延在した部分であり、その先端部に第4ワイヤケーブルWC4の他端部が連結してある。入力部213は、第4ワイヤケーブル接続部212の先端上部に小径円筒状のカラーを設けることによって構成したものである。
【0050】
前記オープンハンドルサブレバー220は、リンクシャフト202に対して回転可能となる態様でリンクベースプレート201とオープンハンドルレバー210との間に配設したもので、リンク側第1ワイヤケーブルスライド接続部221、第7ワイヤケーブル接続部222および当接突起片223を有している。リンク側第1ワイヤケーブルスライド接続部221は、リンクシャフト202から車両前方側に向けて膨出した部分である。このリンク側第1ワイヤケーブルスライド接続部221には、オープンハンドルレバー210の第6ワイヤケーブルスライド接続部211よりもリンクシャフト202に近接した部分に長孔を介して第1ワイヤケーブルWC1の他端部がスライド可能に連結してある。第7ワイヤケーブル接続部222は、リンクシャフト202から車両前方側に向けて下方に延在した部分である。この第7ワイヤケーブル接続部222には、第7ワイヤケーブルWC7の一端部が連結してある。第7ワイヤケーブルWC7は、その他端部が開扉状態保持機構ORに連係してあり、引張操作された場合に当該開扉状態保持機構ORをアンラッチ動作させるものである。当接突起片223は、リンクシャフト202から車両後方側に向けて延在した後、その下端縁から車両室内側に向けて屈曲延在した部分であり、その上面を介してオープンハンドルレバー210における第4ワイヤケーブル接続部212の下面に当接している。尚、このオープンハンドルサブレバー220には、リンクベースプレート201との間に押圧スプリング224が介在してある。この押圧スプリング224は、図19においてオープンハンドルサブレバー220を常時反時計回りに付勢することにより、当接突起片223を第4ワイヤケーブル接続部212の下面に圧接させるためのものである。
【0051】
前記リリースアクチュエータRAは、リンクベースプレート201の最も車両後方側となる部位に取り付けたもので、車両前方側となる部位にリリース出力レバーRALを備えている。リリース出力レバーRALは、リンクベースプレート201の表面に沿って上下に揺動するもので、その揺動移動域がオープンハンドルレバー210における入力部213の揺動移動域を通過するように設けてある。このリリースアクチュエータRAは、通常状態においてリリース出力レバーRALが最も上方に揺動し、該リリース出力レバーRALの下端面が入力部213に当接した状態にある。この状態においては、オープンハンドルレバー210に連結した第6ワイヤケーブルWC6および第4ワイヤケーブルWC4のいずれにも張力が発生しておらず、またオープンハンドルサブレバー220に連結した第1ワイヤケーブルWC1および第7ワイヤケーブルWC7のいずれにも張力が発生していない。この状態から、例えばアウトサイドハンドル操作検出センサS3がON状態となると、このアウトサイドハンドル操作検出センサS3のON状態をトリガとして駆動し、リリース出力レバーRALが下方に揺動することになる。
【0052】
図20および図21は、リンクユニット200が動作した場合の各構成要素の状態を示す概念図である。以下、リンクユニット200の初期状態を示す図19とともにこれらの図を適宜参照しながらリンクユニット200の動作について説明する。
【0053】
まず、リンクユニット200では、初期状態においてリリースアクチュエータRAのリリース出力レバーRALが最も上方に揺動した状態にあり、第1ワイヤケーブルWC1、第4ワイヤケーブルWC4、第6ワイヤケーブルWC6および第7ワイヤケーブルWC7のいずれもが引張操作されていない。従って、第1ワイヤケーブルWC1および第4ワイヤケーブルWC4によって連係されたコントロールユニット100も上述した初期状態に維持されている。
【0054】
この初期状態からアウトサイドハンドルOHが操作されると、図20に示すように、第6ワイヤケーブルWC6を介してオープンハンドルレバー210が時計回りに回転し、第4ワイヤケーブルWC4が引張操作されることになるとともに、オープンハンドルレバー210の回転により当接突起片223を介してオープンハンドルサブレバー220が時計回りに回転することになり、第7ワイヤケーブルWC7が引張操作されることになる。第4ワイヤケーブルWC4が引張操作されると、コントロールユニット100においては、ロック機構190がアンロック状態である場合、図13に示すように、オープンサブレバー170およびオープンレバー160がそれぞれ時計回りに回転し、第2ワイヤケーブルWC2および第3ワイヤケーブルWC3がそれぞれ引張操作されることになり、フロント側閉扉状態保持部CRFおよびリア側閉扉状態保持部CRRがそれぞれアンラッチされる。この結果、例えばスライドドアDが全閉状態にあった場合であっても、アウトサイドハンドルOHの操作によってこれを開扉移動させることができるようになる。また、第7ワイヤケーブルWC7が引張操作されると、開扉状態保持機構ORがアンラッチ動作されることになる。この結果、例えばスライドドアDが全開状態にあった場合であっても、アウトサイドハンドルOHの操作によってこれを閉扉移動させることができるようになる。このように操作に方向性のないアウトサイドハンドルOHでは、同一動作により開扉状態保持機構ORおよび閉扉状態保持機構CRの双方をアンラッチできる。
【0055】
また、本発明では、スライドドアDが開扉され開扉状態保持機構ORがラッチ状態になると、これをドア開扉位置センサS4が検出し、前記ロッキングアクチュエータLAは、ロッキングレバー191を時計回転させて、ロックピン196を上動させてロックピンスライド溝163から離脱させ、ロック状態に強制的に切り替える。このため、アウトサイドハンドルOHの動作により開扉状態保持機構ORをアンラッチさせるときは、コントロールユニット100はロック状態になっている。この状態で、アウトサイドハンドルOHの動作により第4、7ワイヤケーブルWC4、WC7を介して開扉状態保持機構ORをアンラッチさせる際には、第4ワイヤケーブルWC4との連結によりオープンサブレバー170は時計回転するが、ロック状態にあるため、オープンサブレバー170の回転は他の部材に伝達されず、アウトサイドハンドルOHの動作によりドアDを閉扉させる際にアウトサイドハンドルOHに不要な抵抗が加わらず、操作性が損なわれない。
【0056】
上述した初期状態から第1ワイヤケーブルWC1が引張操作されると、つまりインサイドハンドルIHを車両前方側へ向けて揺動させ(閉扉操作)、図12に示すように、コントロールユニット100のインサイドハンドルレバー110が反時計回りに回転することによって第1ワイヤケーブルWC1が引張操作されると、リンクユニット200においては、図21に示すように、オープンハンドルサブレバー220が時計回りに回転することになり、第7ワイヤケーブルWC7が引張操作されて開扉状態保持機構ORが解除動作される。この結果、例えばスライドドアDが全開状態にあった場合であっても、インサイドハンドルIHの車両前方側への揺動操作によってこれを閉扉移動させることができるようになる。また、第1ワイヤケーブルWC1の引張操作によっては、オープンハンドルレバー210が回転動作することがないため、スライドドアDが全閉状態であるときに、インサイドハンドルIHを閉扉操作しても、閉扉状態保持機構CRにはアンラッチ動作は伝達されない。
【0057】
ここで、上記のように構成したドア開閉装置では、アウトサイドハンドルOH、リンクユニット200、コントロールユニット100、閉扉状態保持機構CR、開扉状態保持機構ORの相互間をワイヤケーブルWC1,WC2,WC3,WC4,WC5,WC6,WC7で連係するようにしている。従って、それぞれの部品をスライドドアDに組み付ける際に多少の位置ずれが生じたとしてもワイヤケーブルWC1,WC2,WC3,WC4,WC5,WC6,WC7によってこれを吸収することが可能であり、組付作業において正確な位置合わせが必要になることもなく、組み付け後においても動作の検査・調整する作業が不要となり、製造作業の容易化を図ることが可能になる。
【0058】
しかも、ウィンドウガラスGの開閉移動領域よりも下方となる部位にリンクユニット200を設けているため、アウトサイドハンドルOHとリンクユニット200のオープンハンドルレバー210との間を連係する第6ワイヤケーブルWC6、並びにリンクユニット200のオープンハンドルレバー210とコントロールユニット100のオープンサブレバー170との間を連係する第4ワイヤケーブルWC4をそれぞれウィンドウガラスGの開閉移動領域に干渉させることなく可及的に直線状に敷設することができる。従って、アウトサイドハンドルOHやインサイドハンドルIHを操作すれば、伝達ロスが発生することもなく、コントロールユニット100を円滑、かつ性格に動作させることが可能になる。
【0059】
尚、上述した実施の形態では、四輪自動車のスライドドアDに適用するドア開閉装置を例示しているが、必ずしもスライドドアDである必要はなく、ウィンドウガラスG等の開閉体によって窓が開閉されるドアであれば、ヒンジによって左右方向や上下方向に開閉可能に配設されたものにも適用することが可能である。
【0060】
また、上述した実施の形態では、コントロールユニット100をインナパネルIPに設け、このコントロールユニット100とアウタパネルOPに設けたアウトサイドハンドルOHとの間をリンクユニット200によって連係させるようにしているが、コントロールユニット100をアウタパネルOPに設け、このコントロールユニット100とインナパネルIPに設けたインサイドハンドルIHとの間をリンクユニット200によって連係させるようにしても構わない。尚、いずれの場合においてもリンクユニット200をインナパネルIPに設ける必要はなく、アウタパネルOPに設けるようにしても良い。
【0061】
さらに、上述した実施の形態では、開閉体であるウィンドウガラスGの開閉移動領域よりも下方となる部位にリンクユニット200を設けるようにしているが、開閉体の開閉移動領域外であれば、下方部以外に設けても構わない。
【0062】
またさらに、上述した実施の形態では、開閉体の開閉移動領域よりも下方側となる部位を通過するようにアウトサイドハンドルOHとリンクユニット200との間を連係する第6ワイヤケーブルWC6を敷設するようにしているが、必ずしも開閉移動領域よりも下方側となる部位を通過させる必要はなく、開閉移動領域よりも前方側となる部位や後方側となる部位を通過させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0063】
10…遮断機構(クラッチ機構)、100…コントロールユニット、101…コントロールベースプレート、101a…突起、101b…位置決め突起、102…インサイドハンドルシャフト、103…ハンドルリターンスプリング、104…レバー軸、110…インサイドハンドルレバー、111…第1リンク係合部、112…第2リンク係合部、113…スイッチレバー係合部、114…第1ワイヤケーブルスライド接続部、120…第1リンクレバー、121…第1スプリング係合部、122…第1ピンスライド部、122a…第1スライド溝、123…第1ロッドスライド接続部、124…第1係合ピン、130…第2リンクレバー、131…ハンドルレバー係合部、132…第2ロッドスライド接続部、133…係合穴、134…第1インサイドハンドル操作検出部、140…チャイルドロックレバー(チャイルドロック機構)、141…チャイルドロックレバー軸、142…第1ピン作用部、143…第2ピン作用部、144…切替操作部、145…位置決め部、146…第1ピン作用溝、147…第2ピン作用溝、150…スイッチレバー、151…スイッチレバー軸、152…第2ピンスライド部、152a…第2スライド溝、153…第2スプリング係合部、154…第2インサイドハンドル操作検出部、155…第2係合ピン、156…第2リターンスプリング、160…オープンレバー、161…サブレバー係合部、162…ワイヤケーブル接続部、163…ロックピンスライド溝、164…係合凸部、170…オープンサブレバー、171…オープンレバー係合部、172…第4ワイヤケーブルスライド接続部、173…第1ロッド接続部、174…ロックピン係合部、175…アウトサイドハンドル操作検出部、176…係合凹部、180…フェイルセーフレバー、181…サブレバー押圧部、182…第2ロッド接続部、183…第5ワイヤケーブル接続部、184…コイルスプリング、190…ロック機構、191…ロッキングレバー、192…ロックレバー軸、193…ロックピン保持部、194…アクチュエータ係合部、195…ロック部材、196…ロックピン、200…リンクユニット、201…リンクベースプレート、202…リンクシャフト、210…オープンハンドルレバー、211…第6ワイヤケーブルスライド接続部、212…第4ワイヤケーブル接続部、213…入力部、220…オープンハンドルサブレバー、221…リンク側第1ワイヤケーブルスライド接続部、222…第7ワイヤケーブル接続部、223…当接突起片、224…押圧スプリング、B…車体、CL…クローザ機構、CR…閉扉状態保持機構、CRF…フロント側閉扉状態保持部、CRR…リア側閉扉状態保持部、D…スライドドア、DO…乗車口、G…ウィンドウガラス、IH…インサイドハンドル、IP…インナパネル、LA…ロッキングアクチュエータ、LD…ロッキングロッド、OH…アウトサイドハンドル、OP…アウタパネル、OR…開扉状態保持機構、R1…第1連結ロッド、R2…第2連結ロッド、RA…リリースアクチュエータ、RAL…リリース出力レバー、RL…ロッキング出力レバー、RLa…係合突起、S1…インサイドハンドル操作検出センサ、S2…第2インサイドハンドル操作検出部、S3…アウトサイド操作検出センサ、S4…ドア開扉位置センサ、SF…サポートフレーム、SN…インサイドロックボタン、WC1,WC2,WC3,WC4,WC5,WC6,WC7…ワイヤケーブル、WO…窓穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアDを車体Bに対して閉扉位置に保持する閉扉状態保持機構CRと、前記ドアDを前記車体Bに対して開扉位置に保持する開扉状態保持機構ORと、前記ドアDの車内側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるインサイドハンドルIHと、前記ドアDの車外側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるアウトサイドハンドルOHと、所定位置の前記ドアDをモータ動力で閉扉位置まで移動させうるクローザ機構CLと、前記クローザ機構CLの動力伝達経路を遮断する遮断機構10と、少なくとも前記アウトサイドハンドルOHの動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないロック状態と伝達させうるアンロック状態とに切り替わるロッキングレバー191と、前記ロッキングレバー191を切り替えるアクチュエータLAとを有し、前記遮断機構10は前記インサイドハンドルIHおよび前記アウトサイドハンドルOHに関連的に連結させて前記インサイドハンドルIHの開扉動作および前記アウトサイドハンドルOHの動作のいずれかにより前記ロック状態または前記アンロック状態に拘わらず前記動力伝達経路を遮断できる構成とし、前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作は前記開扉状態保持機構ORに伝達させないものにおいて、前記アクチュエータLAは前記ドアDの開扉により前記開扉状態保持機構ORのラッチ状態が検出されると前記ロッキングレバー191をロック状態に切り替える構成としたドア開閉装置。
【請求項2】
ドアDを車体Bに対して閉扉位置に保持する閉扉状態保持機構CRと、前記ドアDを前記車体Bに対して開扉位置に保持する開扉状態保持機構ORと、前記ドアDの車内側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるインサイドハンドルIHと、前記ドアDの車外側面に設けられ前記閉扉状態保持機構CRおよび前記開扉状態保持機構ORをアンラッチさせうるアウトサイドハンドルOHと、所定位置の前記ドアDをモータ動力で閉扉位置まで移動させうるクローザ機構CLと、前記クローザ機構CLの動力伝達経路を遮断する遮断機構10と、少なくとも前記アウトサイドハンドルOHの動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないロック状態と伝達させうるアンロック状態とに切り替わるロッキングレバー191と、前記ロッキングレバー191を切り替えるアクチュエータLAと、前記インサイドハンドルIHの開扉動作を前記閉扉状態保持機構CRに伝達させないチャイルドロック状態と伝達させうるチャイルドアンロック状態とに切り替わるチャイルドロックレバー140とを有し、前記遮断機構10は前記インサイドハンドルIHおよび前記アウトサイドハンドルOHに関連的に連結させて前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作および前記アウトサイドハンドルOHの動作のいずれかにより前記ロック状態または前記アンロック状態及び前記チャイルドロック状態または前記チャイルドアンロック状態に拘わらず前記動力伝達経路を遮断できる構成とし、前記インサイドハンドルIHの前記開扉動作は前記開扉状態保持機構ORに伝達させないものにおいて、前記アクチュエータLAは前記ドアDの開扉により前記開扉状態保持機構ORのラッチ状態が検出されると前記ロッキングレバー191をロック状態に切り替える構成としたドア開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記アウトサイドハンドルOHは同一の動作で開扉用動作と閉扉用動作の双方が行える構成としたドア開閉装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記インサイドハンドルIHの閉扉動作は前記閉扉状態保持機構CRに伝達させない構成としたドア開閉装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、前記アウトサイドハンドルOHの動作は前記閉扉状態保持機構CRには前記ロッキングレバー191を介して伝達させ前記開扉状態保持機構ORには前記ロッキングレバー191を介さずに伝達させる構成としたドア開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−184578(P2012−184578A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47730(P2011−47730)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【出願人】(000148896)三井金属アクト株式会社 (127)
【Fターム(参考)】