説明

ドメイン管理方法及びドメインデバイス並びにプログラム

【課題】複数のドメインマネジャを備えたドメインシステムを構成し、複数のドメインマネジャを用いて効率的なドメイン管理を実行することができるドメイン構成及び管理技術を提供する。
【解決手段】マルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法は、プライマリドメインマネジャを指定して、プライマリドメインマネジャにドメインデバイスを登録してドメインを構成した後、ドメインデバイスのうち少なくともいずれか一つのセカンダリドメインマネジャを指定する。そして、プライマリドメインマネジャとセカンダリドメインマネジャを連動してドメインを管理する。従って、マルチドメインマネジャを用いて効率的なドメイン管理を実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法及びドメインシステムに関し、複数のドメインマネジャを備えたドメインシステムを構成し、複数のドメインマネジャを用いて効率的なドメイン管理を実行することができるドメイン構成及び管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、デジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)は、デジタルコンテンツの違法コピー及び使用を未然に防止し、適法な権限を有したユーザのみがデジタルコンテンツを用いることができるようにする総合的なデジタルコンテンツ保護技術を意味する。このDRMはデジタルコンテンツの流通全般に対して総合的な保護フレームワークを提供する。例えば、DRMは、暗号化技術を用いてデジタルコンテンツをパッケージ形態の暗号化されたデータに変換させて、適法な認証手続きを経なければ該当コンテンツを用いることができないようにする。
【0003】
このようなDRMは、多様なコンテンツサービスモデルと連係しながら保護された合法的なコンテンツサービスの基盤となっている。実際、現在コンテンツサービスプロバイダは各自固有のDRMを採択して自身がサービスするコンテンツを保護している。
【0004】
ところが、一方ではDRMは、その特性上、技術的または政策的に相当閉鎖的な特徴があるため、ユーザがDRMの適用されたコンテンツを用いるためには多様な制限が存在する。このような制限はユーザにとっては不便であると認識されるおそれがある。
【0005】
従って、近年、DRMコンテンツのセキュリティを維持しながらもコンテンツの自由な使用をサポートできるシステムが提案されており、その代表例として、ドメインシステムがある。ドメインシステムはDRM信頼フレームワークの基本単位でドメインという概念を用いる。ここで、ドメインとは、認証されたデバイスやソフトウェアシステムの集合を意味する。ドメインに登録された認証されたデバイス間にはDRMコンテンツを許可された範囲内で共有して自由に用いることができる。
【0006】
このようなドメインシステムはドメインを構成するためのエンティティの物理的な連動環境を基盤とし、各エンティティの機能を定義してエンティティ間を適切に連係させることによって構成できる。特にドメインシステムの構成において最も重要な要素のうちの一つは、ドメインを管理するドメイン管理エンティティを構成及び運営することである。従って、ドメイン管理エンティティを効率的に構成して、これを運営できる技術が早急に要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、複数のドメインマネジャを指定し、これを介してドメインを効率的に管理できるマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、複数のドメインマネジャを備え、その複数のドメインマネジャでドメイン管理を実行することができるドメインシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような本発明の課題を解決するために、本発明は、一つの側面において、マルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法を提供する。上記マルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法は、プライマリドメインマネジャを指定する段階と、上記プライマリドメインマネジャにドメインデバイスを登録してドメインを構成する段階と、上記ドメインデバイスのうち少なくともいずれか一つのセカンダリドメインマネジャを指定する段階と、上記プライマリドメインマネジャと上記セカンダリドメインマネジャを連動して上記ドメインを管理する段階と、を有する。
【0010】
上記プライマリドメインマネジャを指定する段階は、特定のデバイスを選定する段階と、上記選定したデバイスでサービス提供エンティティにプライマリドメインマネジャ指定要求を伝送する段階と、上記サービス提供エンティティから伝送される確認メッセージに応答して上記デバイスを上記プライマリドメインマネジャとして指定する段階と、を含むことができる。上記プライマリドメインマネジャ指定要求は、上記デバイスの能力値情報を含むことができる。
【0011】
上記セカンダリドメインマネジャを指定する段階は、上記プライマリドメインマネジャが外部から入力される情報により選択された特定ドメインデバイスを上記セカンダリドメインマネジャとして指定する段階を含むことができる。
【0012】
上記セカンダリドメインマネジャを指定する段階は、上記プライマリドメインマネジャが上記ドメインデバイスからドメインデバイスの特定情報を収集して、上記収集された情報に基づいて上記セカンダリドメインマネジャを指定する段階を含むことができる。
【0013】
上記ドメインを管理する段階において、上記プライマリドメインマネジャは上記サービス提供エンティティと連動できる。上記セカンダリドメインマネジャは上記プライマリドメインマネジャを介して上記サービス提供エンティティと連動できる。
【0014】
上記セカンダリドメインマネジャは複数である。この場合、上記ドメイン運営方法は、上記指定された複数のセカンダリドメインマネジャに任意にまたは特定基準に従って優先順位を付与する段階をさらに含むことができる。
【0015】
一方、上述した本発明の他の技術的課題を解決するために、本発明は、他の側面において、ドメインシステムを提供する。上記ドメインシステムは、ドメインの管理のためのプライマリドメインマネジャと、上記プライマリドメインマネジャと連動して上記ドメインの情報を共有して、上記プライマリドメインマネジャの制御に従ってドメイン管理を実行する少なくとも一つのセカンダリドメインマネジャを含むことができる。
【0016】
上記プライマリドメインマネジャ及び上記セカンダリドメインマネジャのうち少なくともいずれか一方は、上記ドメインのドメインデバイスまたは上記ドメインに一時的に登録してサービスの提供を受けるテンポラリデバイスを管理できる。また、上記プライマリドメインマネジャは外部のサービス提供エンティティと連動でき、上記セカンダリドメインマネジャは上記プライマリドメインマネジャを介して上記サービス提供エンティティと連動できる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明した通り、本発明によると、プライマリドメインマネジャと少なくとも一つのセカンダリドメインマネジャを指定して、指定された複数のドメインマネジャを用いてドメインデバイス管理、テンポラリデバイスの管理などを効率的に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明が属する分野の通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する本発明の好ましい実施例では内容の明瞭性のために、特定の技術用語を用いる。しかしながら、本発明は、その選択された特定用語に限定されず、各々の特定用語が類似の目的を達成するために、類似の方式で動作する全ての技術的同義語を含む。
【0019】
まず、本発明の好ましい実施例によるドメインシステムはドメインを構成して運営できる。このとき、ドメインとはDRM信頼フレームワークの基本単位であって、ドメインシステムが実質的に適用される範囲を意味する。ドメインは許可されたデバイスの集合を含むことができる。ドメイン内に含まれたドメインデバイス間には許容された権限に従ってコンテンツを共有して用いることができる。
【0020】
ドメインはデバイスの物理的な位置を考慮して構成することもできる。即ち、特定の物理的領域内に存在するデバイスでドメインを構成する。このようなドメインを構成するためにはローカル環境が要求される。ここで、ローカル環境とは、特定のローカル領域内に属するデバイスが互いにインタラクティブに成り得る物理的なネットワークが備えられており、この物理的なネットワークが外部のネットワークとも連動できる環境を意味する。
【0021】
このようなローカル環境を提供できる例として、ホームネットワークシステムを挙げることができる。通常ホームネットワークシステムは、有線/無線ローカルネットワークを介して家庭内の家電機器、各種センサ、セキュリティ機器などが互いにインタラクティブとなることが可能であり、ホームゲートウエーのような通信ロードを介してインターネットのような外部ネットワークとも連動できる。上記ローカル環境は、このようなホームネットワークシステムだけでなく、互いにインタラクティブに成り得る2つ以上のネットワークデバイスが存在することにより構成可能である。
【0022】
以下に述べるドメイン領域は、上述したローカル環境が備えられているローカル領域であると仮定する。ドメイン領域内には複数のデバイスが存在でき、このようなドメイン領域内のデバイスでドメインを構成できる。このとき、ドメインに含まれたドメインデバイス間には許容された権限に従ってコンテンツを共有して用いることができる。一方、場合によっては、ドメイン領域外のデバイス、例えば、インターネットなどを介し接続する外部領域のデバイスなどもリモート状態でドメインに含めることもできる。
【0023】
図1は、このようなドメインを構成するための本発明に係るドメインシステムの基本的な構成エンティティを示すブロック図である。
【0024】
図1に示したように、ドメインシステムはドメインマネジャ(PD、SD)を含むことができる。ドメインマネジャ(PD、SD)とは、ドメインを管理する機能を実行するエンティティである。例えば、ドメインマネジャ(PD、SD)は、ドメインの生成、ドメインの破棄、ドメインへのデバイス連係、ドメインからデバイスの除去、ドメインデバイスのディスカバリ、ドメインデバイス管理などのような機能を実行することができる。
【0025】
ドメインマネジャ(PD、SD)は、プライマリドメインマネジャPD及びセカンダリドメインマネジャSDに分けられる。このとき、プライマリドメインマネジャPDは、1つのドメインのために1つが備えられて、セカンダリドメインマネジャSDは備えられないこともあり、1つが備えられてもよく、または複数が備えられてもよい。
【0026】
プライマリドメインマネジャPDはサービスプロバイダと連動して主要なドメイン管理を実行する。プライマリドメインマネジャPDはドメイン領域の内部または外部のどこにでも存在できる。例えば、プライマリドメインマネジャPDは、ドメイン領域内の特定デバイスまたは外部領域のデバイスに備えられてサービスプロバイダと通信することもでき、またはサービスプロバイダに含まれてもよい。
【0027】
セカンダリドメインマネジャSDは、プライマリドメインマネジャPDと連動してドメイン管理を助けたり、プライマリドメインマネジャPDの指示に従ってドメイン管理を実行したりする。また、セカンダリドメインマネジャSDは、プライマリドメインマネジャPDに異常が発生した場合、上記プライマリドメインマネジャPDを代替して新たなプライマリドメインマネジャとなることもできる。
【0028】
このようなセカンダリドメインマネジャSDはドメイン領域内に存在するのが好ましい。例えば、セカンダリドメインマネジャSDはドメイン領域内の特定デバイスに備えられてもよい。しかしながら、これには限定されず、セカンダリドメインマネジャSDはドメイン領域の外部に存在してもよい。
【0029】
図2は、本発明の好ましい一実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図であって、ドメイン内にプライマリドメインマネジャPDだけ存在する場合を示している。
【0030】
図2に示したように、ドメイン1内にはドメインデバイス10A、10Bを管理するためのプライマリドメインマネジャPDが備えられて、一つのドメインマネジャがドメインを管理するようになる。図2の図示において、上記プライマリドメインマネジャPDはドメイン領域内に存在してドメイン1に含まれる場合を示しているが、プライマリドメインマネジャPDは上述のように外部領域に存在してもよい。
【0031】
プライマリドメインマネジャPDは外部のサービスプロバイダSPと連動できて、ドメイン1に含まれるドメインデバイス10A、10B、例えば、ドメインデバイスA 10AとドメインデバイスB 10Bの登録、認証、解止、コンテンツ共有などに関与できる。上記サービスプロバイダSPはサービスを運営するエンティティであって、例えば、ドメインに供給されるコンテンツに対するソースとなることもできる。ユーザは正当な費用を支払ったり、それに相応する対応を介してコンテンツ及びコンテンツの権限を購入したりすることができる。
【0032】
また、プライマリドメインマネジャPDはドメイン1への一時的な登録を所望するテンポラリデバイス20をドメイン1に登録及び管理して制約的なドメインサービスを提供する機能を実行することもできる。このとき、テンポラリデバイス20とは、ドメイン1に一時的に登録して制限されたドメインサービスの提供を受けるドメインデバイスを意味する。例えば、ユーザAが自分の家をドメイン領域として構成したドメインAに、他のユーザであるユーザBのデバイスを一時的に登録してコンテンツを共有したいならば、上記ユーザBのデバイスはテンポラリデバイスとすることができる。このようなテンポラリデバイス20は他のドメインに含まれているデバイスであることもあり、またはいかなるドメインにも含まれていないデバイスであることもある。
【0033】
図3は、本発明の好ましい他の実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図であって、ドメイン1内にプライマリドメインマネジャPDとセカンダリドメインマネジャSDが存在する場合を示している。
【0034】
図3に示したように、ドメイン1内にはプライマリドメインマネジャPDとセカンダリドメインマネジャSDが備えられる。このとき、プライマリドメインマネジャPDは外部のサービスプロバイダSPと連動し、ドメインデバイス10A、10Bを管理する。
【0035】
セカンダリドメインマネジャSDはプライマリドメインマネジャPDと連動してデバイス情報及びドメインサービス情報などを共有する。このとき、デバイス情報はドメインデバイスの固有IDなどを含んでもよく、ドメインサービス情報はドメインと関連したサービスの項目別情報、権限情報などを含んでもよい。セカンダリドメインマネジャSDはサービスプロバイダSPと持続的な通信を実行する必要はないが、プライマリドメインマネジャPDを介して間接的にサービスプロバイダSPと連動して情報を交換できる。
【0036】
また、セカンダリドメインマネジャSDは、ドメイン管理機能の一部、例えば、テンポラリデバイス20を管理して制限的なドメインサービスを提供する機能などを実行することもできる。即ち、プライマリドメインマネジャPDは、ドメイン管理の主要な部分であるドメインデバイス10A、10Bの管理などを担当して、セカンダリドメインマネジャSDは、テンポラリデバイス20の管理を担当する。
【0037】
一方、プライマリドメインマネジャPDとセカンダリドメインマネジャSDは情報の共有及び異常発生の有無を把握するために持続的に通信する。このとき、もし、プライマリドメインマネジャPDに異常が発生した場合、セカンダリドメインマネジャSDが上記プライマリドメインマネジャPDを代替することもできる。
【0038】
図4は、本発明の好ましい他の実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図であって、プライマリドメインマネジャPDは外部に存在してセカンダリドメインマネジャSDはドメイン1内に存在する場合を示している。
【0039】
図4に示すように、プライマリドメインマネジャPDは外部でドメイン1の内部に存在するセカンダリドメインマネジャSDと連動する。このとき、プライマリドメインマネジャPDは外部領域でサービス事業者と通信し、あるいはサービス事業者内に備えられてもよい。例えば、プライマリドメインマネジャPDはウェブサービスの形態で具現化されうる。
【0040】
セカンダリドメインマネジャSDは、ドメイン1に含まれてドメイン1内でプライマリドメインマネジャPDの制御に従ってドメイン管理を実行する。即ち、プライマリドメインマネジャPDは、外部でセカンダリドメインマネジャSDを制御して実質的なドメイン管理、例えば、ドメインデバイス10A、10B及びテンポラリデバイス20の管理などは、ドメイン領域内に属する特定デバイスに備えられたセカンダリドメインマネジャSDが実行する。
【0041】
以上の説明でプライマリドメインマネジャPD及びセカンダリドメインマネジャSDを用いてドメイン管理を実行する実施例を考察した。
【0042】
一方、ドメインマネジャ(プライマリドメインマネジャまたはセカンダリドメインマネジャ)がドメインデバイスを検出する方法にはドメインマネジャによる検出モード及びユーザ開示による検出モードがある。
【0043】
ドメインマネジャによる検出モードは、ドメインマネジャがデバイスをブラウジングして検出するモードを意味する。ドメインマネジャによる検出モードは、ドメインマネジャがドメインサービスを受けているドメインデバイスやドメインサービスを受けようとするデバイスまたはテンポラリデバイスがネットワークに連結されれば、これを認識してブラウジングできる環境で適用されうる。例えば、ドメインマネジャによる検出モードは、ドメインマネジャがドメイン領域の特定デバイスに存在する場合、容易に適用されうる。
【0044】
一方、ユーザ開示による検出モードは、特定デバイスのドメインサービスのために、ユーザの開示に従って該当デバイスの検出を実行するモードを意味する。例えば、ユーザが特定デバイス、例えば、ドメインサービスを受けようとするデバイスまたはテンポラリデバイスに対するドメインサービスを要求すれば、上記デバイスはドメインマネジャに上記デバイスの検出を要求し、これに応答してドメインマネジャが上記デバイスを検出する。このようなユーザ開示による検出モードはドメインマネジャが外部領域に存在する場合や、デバイスをブラウジングできない場合に、容易に適用することができる。
【0045】
図5は、複数のドメインマネジャを運営してドメインを構成及び管理する手続きを説明するためのフローチャートである。
【0046】
図5に示したように、まずドメインシステムはドメインサービスを始めるためにプライマリドメインマネジャを指定する(段階:S1)。このとき、上記プライマリドメインマネジャはドメイン領域の内部に存在しうる。この場合、プライマリドメインマネジャの指定手続きを考察すると、次の通りである。
【0047】
まず、ユーザによる入力またはデバイス間の情報交換において、ドメイン領域内のデバイスのうちプライマリドメインマネジャとして用いる特定デバイスを選定する。例えば、ユーザはドメイン領域内の特定デバイスをプライマリドメインマネジャとして用いるために、デバイスを選択して要求情報を入力することもでき、またはローカルネットワークに連結したデバイス間で互いに能力値情報を交換して優れた能力のデバイスを選定することもできる。
【0048】
上記能力値とは、デバイス性能を所定基準によって数値化して相互比較できるようにした情報である。能力値は、ハードウェア性能、ネットワーキング性能、セキュリティ性能、バッテリー容量等とすることができる。
【0049】
次いで、選ばれたデバイスは、サービスプロバイダにプライマリドメインマネジャ指定要求を伝送する。上記プライマリドメインマネジャ指定要求にはデバイス情報(例えば、能力値情報、DRM情報など)を含むことができる。サービスプロバイダは、上記プライマリドメインマネジャ指定要求に応答して上記選定されたデバイスをプライマリドメインマネジャとして指定できるか否かを判断し、指定可能な場合、確認メッセージを伝送する。そうすると、上記デバイスはプライマリドメインマネジャとして指定される。
【0050】
一方、上記プライマリドメインマネジャはドメイン領域の外部に存在することもできる。この場合、サービスプロバイダ自身がプライマリドメインマネジャを指定できる。
【0051】
プライマリドメインマネジャが指定されれば、プライマリドメインマネジャはドメインデバイスを登録してドメインを構成する(段階:S2)。例えば、プライマリドメインマネジャはドメイン領域内のデバイスを検出して認証することを要求してドメインデバイスを登録することもでき、ドメイン領域のデバイスがプライマリドメインマネジャに登録を要求して登録することもでき、ユーザがプライマリドメインマネジャにドメインデバイスの登録を要求して登録することもできる。
【0052】
次いで、ドメインシステムはドメインに含まれるドメインデバイスのうちセカンダリドメインマネジャを指定する(段階:S3)。ここで、セカンダリドメインマネジャは、ユーザの入力、ドメインマネジャにより選択されたドメインデバイス、ドメインデバイス間の情報交換を介して選定されたデバイスである。例えば、ドメインマネジャは、ユーザから入力される特定のドメインデバイスをセカンダリドメインマネジャとして指定することもでき、ドメインデバイスの特定情報(例えば、能力値情報)を収集して優れた能力値を有したデバイスをセカンダリドメインマネジャとして指定することができる。また、他の方法で、ドメインデバイス間に特定情報(例えば、能力値情報)を相互交換して、このうち、他のドメインデバイスより優れた能力値を有したドメインデバイスがドメインマネジャにセカンダリドメインマネジャへの登録を要求してセカンダリドメインマネジャとして指定されることもできる。このように指定されたセカンダリドメインマネジャはプライマリドメインマネジャに登録できる。
【0053】
一方、セカンダリドメインマネジャは複数であってもよく、複数のセカンダリドメインマネジャは各々優先順位を有することもできる。上記優先順位はユーザやドメインマネジャで任意に付与することもでき、またはドメイン能力値の優れた順序で付与することもできる。
【0054】
セカンダリドメインマネジャが指定されれば、プライマリドメインマネジャとセカンダリドメインマネジャは相互間の通信を介してドメインデバイスの情報、コンテンツ情報、サービス情報などを共有しながらドメイン管理を実行する(段階:S4)。プライマリドメインマネジャはセカンダリドメインマネジャと通信しながら一定間隔でサービスプロバイダに対する情報をアップデートできる。プライマリドメインマネジャとセカンダリドメインマネジャを用いてドメイン管理する形態に関しては上記図3ないし図4を参照した説明で言及した。
【0055】
一方、プライマリドメインマネジャに異常が発生する場合(段階:S5)、セカンダリドメインマネジャはプライマリドメインマネジャから信号を受信することができず、この場合、セカンダリドメインマネジャはプライマリドメインマネジャを代替して新たなプライマリドメインマネジャとして指定されることができる(段階:S6)。例えば、セカンダリドメインマネジャは予め設定された時間内にプライマリドメインマネジャから信号が受信されなければ、これをサービスプロバイダに知らせて自分を新たなプライマリドメインマネジャとして指定することを要求し、確認メッセージが受信されればプライマリドメインマネジャの機能を実行できる。
【0056】
上記セカンダリドメインマネジャは複数であってもよく、この場合、任意にまたは各セカンダリドメインマネジャに付与された優先順位に従ってプライマリドメインマネジャを代替することができる。例えば、プライマリドメインマネジャに異常が発生すれば、最も優先順位の高いセカンダリドメインマネジャが新たなプライマリドメインマネジャとなり、その新たなプライマリドメインマネジャに異常が発生すれば、その次の優先順位を有したセカンダリドメインマネジャがプライマリドメインマネジャとなることができる。一方、セカンダリドメインマネジャに異常が発生した場合、プライマリドメインマネジャは上記言及したセカンダリドメインマネジャの指定手続きに従って新たなセカンダリドメインマネジャを指定したり、複数のセカンダリドメインマネジャが指定されている場合、任意にまたは優先順位の通り新たなセカンダリドメインマネジャを指定したりすることができる。
【0057】
図6は、相異なるドメインマネジャが互いにインタラクティブになるための手続きを説明するブロック図である。このとき、相異なるドメインマネジャ間の連動とは、相異なるコンテンツ保護システムのドメインマネジャ間の連動であってもよく、または同じコンテンツ保護システムのドメインマネジャ間の連動であってもよい。
【0058】
図6を参照すると、まず相異なるドメインマネジャ間で通信を実行し(段階:S11)、二つのドメインマネジャ間に連動関係を形成する(段階:S12)。このとき、連動関係とは、ドメインサービスと関連した基本的なサービス情報、例えば、ドメインのドメインデバイスの情報、ドメインサービス情報、コンテンツ情報などを共有できる関係を意味する。
【0059】
連動関係形成後、二つのドメインマネジャは、各々自分と連動関係にある相手ドメインマネジャが他のコンテンツ保護システムのドメインマネジャであるか否かを判断して(段階:S13)、相異なるコンテンツ保護システムのドメインマネジャである場合、相互間のアソシエーションを実行する(段階:S14)。ここで、アソシエーションとは、各ドメインマネジャのドメインサービス権限を分析するプロセスを意味する。このようなアソシエーションが行われれば、二つのドメインマネジャ間にはパートナーシップ関係が形成されうる(段階:S15)。パートナーシップ関係とは、相異なるコンテンツ保護システム間に互換できる関係を意味する。パートナーシップ関係では二つのコンテンツ保護システムにおける合意による新たなドメインサービス権限が定義されうる。
【0060】
一方、ドメインに含まれるドメインデバイスには多重入力単一出力デバイスが存在してもよい。多重入力単一出力デバイスとは、複数のコンテンツの入力を受けて一つの複合されたコンテンツで出力するデバイスを意味する。以下、このような多重入力単一出力デバイスのコンテンツ及びライセンス処理手続きを説明する。
【0061】
図7は、多重入力単一出力デバイスの入力コンテンツと出力コンテンツを説明するための例示図である。
【0062】
図7に示すように、多重入力単一出力デバイスは、多様な種類のコンテンツを含む入力データICを受信することができる。例えば、多重入力単一出力デバイスは動画像コンテンツ“Movie A”、音源“MP3 B”、“AAC C”、イメージ“Picture D”、ゲーム“Game E”などを含む各コンテンツの入力を受けることができる。このとき、動画像コンテンツ“Movie A”は、コンテンツ保護システムが適用されてライセンス“License A”と連係される。即ち、動画像コンテンツ“Movie A”はライセンス“License A”によって定義された範囲内で使用可能である。
【0063】
多重入力単一出力デバイスは、複数の入力コンテンツICを統合してコンプレックスファイルを生成し、そのコンプレックスファイルを用いることができる権限を定義するライセンスを生成して出力コンテンツOCを出力する。例えば、多重入力単一出力デバイスは、コンプレックスファイルである“One complex AV file X”及びこれを用いるためのライセンスである“License X”を出力できる。
【0064】
図8は、ドメインデバイスの多重入力単一出力処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0065】
図8に示すように、ドメインデバイスは複数のコンテンツの入力を受けた後(段階:S21)、入力されたコンテンツのうち、コンテンツ保護システムが適用されたコンテンツが存在するか否かを判断する(段階:S22)。上記コンテンツ保護システムの適用されたコンテンツは、DRMコンテンツまたはスクランブリングされたコンテンツなどである。
【0066】
上記判断により、コンテンツ保護システムの適用されたコンテンツが存在する場合、ドメインデバイスは、コンテンツ保護システムが適用されたコンテンツを用いることができる権限が定義されたライセンスを入手して分析する(段階:S23)。上記ライセンスは、該当コンテンツを用いることができる時間、再生回数、複写可能回数、移動可能回数などを含むことができる。
【0067】
次いで、ドメインデバイスは、上記複数のコンテンツを統合して複合的な一つのコンプレックスコンテンツを生成して、そのコンプレックスコンテンツを用いることができるライセンスを生成する(段階:S24)。
【0068】
このとき、ドメインデバイスは、上記コンプレックスコンテンツは上記入力コンテンツの連動関係を有するように統合することもでき、パッケージング形態で統合することもできる。例えば、ドメインデバイスは、特定動画像とその動画像の再生時に付加的に再生する音源、テキスト、広告イメージなどが各々入力された場合、これらを統合して統合再生コンテンツで生成することもでき、または複数の入力コンテンツを統合管理できるパッケージングファイルで生成することもできる。
【0069】
一方、コンプレックスコンテンツの使用のためのライセンスの場合、分析された入力コンテンツのライセンス内容、ドメインサービスの政策及びC&Rルールなどを考慮して新たなライセンスを発給することもできる。例えば、特定入力コンテンツのうちいずれか一つのライセンスをそのまま適用して新たなライセンスを発給することもでき、入力コンテンツのライセンスを政策に従って折衷して新たなライセンスを発給することもできる。
【0070】
以上、本発明に関してその好ましい実施例を参照して説明したが、本技術分野の当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想及び範囲から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させて実施できる。従って、本発明の今後の実施例等の変更は本発明の技術的範囲を逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ドメインを構成するための本発明に係るドメインシステムの基本的な構成エンティティを示すブロック図である。
【図2】本発明の好ましい一実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の好ましい他の実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の好ましい他の実施例によるドメインシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】複数のドメインマネジャを運営してドメインを構成及び管理する手続きを説明するためのフローチャートである。
【図6】相異なるドメインマネジャが互いにインタラクティブになるための手続きを説明するブロック図である。
【図7】多重入力単一出力デバイスの入力コンテンツと出力コンテンツを説明するための例示図である。
【図8】ドメインデバイスの多重入力単一出力処理手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
PD プライマリドメインマネジャ
SD セカンダリドメインマネジャ
1 ドメイン
10A、10B ドメインデバイス
20 テンポラリドメインデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリドメインマネジャを指定する段階と、
前記プライマリドメインマネジャにドメインデバイスを登録してドメインを構成する段階と、
前記ドメインデバイスのうち少なくともいずれか一つのセカンダリドメインマネジャを指定する段階と、
前記プライマリドメインマネジャと前記セカンダリドメインマネジャとを連動して前記ドメインを管理する段階と、を含むことを特徴とするマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項2】
前記プライマリドメインマネジャを指定する段階は、
特定のデバイスを選定する段階と、
前記選定したデバイスでサービス提供エンティティにプライマリドメインマネジャ指定要求を伝送する段階と、
前記サービス提供エンティティから伝送される確認メッセージに応答して前記デバイスを前記プライマリドメインマネジャとして指定する段階と、を含む、請求項1に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項3】
前記プライマリドメインマネジャ指定要求は、前記デバイスの能力値情報を含む、請求項2に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項4】
前記セカンダリドメインマネジャを指定する段階は、
前記プライマリドメインマネジャが外部から入力される情報により選択された特定ドメインデバイスを前記セカンダリドメインマネジャとして指定する段階を含む、請求項1に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項5】
前記セカンダリドメインマネジャを指定する段階は、
前記プライマリドメインマネジャが前記ドメインデバイスからドメインデバイスの特定情報を収集して、前記収集された情報に基づいて前記セカンダリドメインマネジャを指定する段階を含む、請求項1に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項6】
前記ドメインを管理する段階において、前記プライマリドメインマネジャは前記サービス提供エンティティと連動し、前記セカンダリドメインマネジャは前記プライマリドメインマネジャを介して前記サービス提供エンティティと連動する、請求項1に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項7】
前記セカンダリドメインマネジャは複数であり、前記指定された複数のセカンダリドメインマネジャに任意にまたは特定基準に従って優先順位を付与する段階をさらに含む、請求項1に記載のマルチドメインマネジャを用いたドメイン管理方法。
【請求項8】
ドメインの管理のためのプライマリドメインマネジャと、
前記プライマリドメインマネジャと連動して前記ドメインの情報を共有して、前記プライマリドメインマネジャの制御によってドメイン管理を実行する少なくとも一つのセカンダリドメインマネジャを含むことを特徴とするドメインシステム。
【請求項9】
前記プライマリドメインマネジャ及び前記セカンダリドメインマネジャのうち少なくともいずれか一方は、前記ドメインのドメインデバイスまたは前記ドメインに一時的に登録してサービスを提供を受けるテンポラリデバイスを管理する、請求項8に記載のドメインシステム。
【請求項10】
前記プライマリドメインマネジャは外部のサービス提供エンティティと連動し、前記セカンダリドメインマネジャは前記プライマリドメインマネジャを介して前記サービス提供エンティティと連動する、請求項8に記載のドメインシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−507864(P2010−507864A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534512(P2009−534512)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/000944
【国際公開番号】WO2008/100120
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】