説明

ドライブレコーダ及びドライブレコーダの感度補正方法

【課題】加速度センサの感度バラツキを補正し、検知精度の固体差をなくすことが可能なドライブレコーダ及びドライブレコーダの感度補正方法を提供することを目的とする。
【解決手段】車両(1)に印加される加速度に応じた加速度出力を行う加速度センサ(5)と、加速度出力に基づいて加速度を算出する制御部(24)を有し、制御部は、加速度センサの重力加速度による加速度出力に基づいて加速度出力から加速度を算出する感度を補正することを特徴とするドライブレコーダ(2)及びドライブレコーダの感度補正方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサを有するドライブレコーダ及びドライブレコーダが有する加速度センサの感度補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設置したカメラにより車両周辺の映像を撮影し、衝突や急ブレーキなど車両に衝撃が加わった際に周辺映像や車両速度を記録する車載用映像等記録装置、いわゆるドライブレコーダが提案されている。ドライブレコーダを車両に備えることにより、事故が発生した場合に記録した情報を解析することで、事故原因を検証することが可能となっている。また、運転手の安全運転意識の向上が図れるとともに、日頃の運転状況を記録した映像を安全運転指導など役立てることができる。
【0003】
特許文献1及び2は、車載カメラにより撮影した映像を循環的に記憶し、事故発生時に記憶した映像を他の記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。また、特許文献3及び4は、車両速度や変速機のシフト位置など走行データを循環記憶し、事故発生時に記憶した走行データを他の記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−16785号公報
【特許文献2】特開平06−237463号公報
【特許文献3】特開平06−331391号公報
【特許文献4】特開平06−186061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドライブレコーダでは、加速度センサを内蔵し、内蔵された加速度センサの出力に応じた加速度を基準にして、映像情報等を記録素子に記録するように構成されているが、加速度センサには、感度バラツキが存在し、感度バラツキによって、ドライブレコーダ毎に個体差が発生する可能性がある。しかしながら、同じ衝撃を受けても映像情報等を記録するドライブレコーダや記録しないドライブレコーダがあっては、ドライブレコーダの信頼性を担保することができない。
【0006】
そこで、本発明は、加速度センサの感度バラツキを補正し、検知精度の固体差をなくすことが可能なドライブレコーダ及びドライブレコーダの感度補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドライブレコーダは、車両に印加される加速度に応じた加速度出力を行う加速度センサと、加速度出力に基づいて加速度を算出する制御部を有し、制御部は、加速度センサの重力加速度による加速度出力に基づいて加速度出力から加速度を算出する感度を補正することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るドライブレコーダの感度補正方法は、車両に印加される加速度に応じた加速度出力を行う加速度センサ、及び加速度出力に基づいて加速度を算出する制御部を有するドライブレコーダにおいて、ドライブレコーダを所定の姿勢に維持し、加速度センサから重力加速度による加速度出力を取得し、取得した加速度出力に基づいて加速度出力から加速度を算出する感度を補正するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るドライブレコーダ及びドライブレコーダの感度補正方法によれば、加速度センサの感度バラツキを補正し、検知精度の固体差をなくすことが可能となった。したがって、車両に同じ加速度が加わった場合には、同じように動作するドライブレコーダを量産することができるので、ドライブレコーダの信頼性を担保することが可能となった。
【0010】
本発明に係るドライブレコーダ及びドライブレコーダの感度補正方法によれば、加速度センサの検出軸毎の感度が異なる場合に、軸毎の感度補正が可能であるので、ドライブレコーダをどのような状態で取り付けても軸毎に感度補正されているので、補正した加速度検出出力を用いることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ドライブレコーダを車両に搭載した例を示す図である。
【図2】ドライブレコーダ本体の斜視図である。
【図3】再生装置の外観例を示す図である。
【図4】ドライブレコーダの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】再生装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】感度補正の処理フローの一例を示す図である。
【図7】感度補正時のドライブレコーダの位置関係を示す図である。
【図8】加速度センサの事故診断処理フローの一例を示す図である。
【図9】ドライブレコーダと加速度センサとの位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
【0013】
図1は、車両1にドライブレコーダ2を搭載した例を示す図である。
【0014】
車両1内にドライブレコーダ2が設置され、車両1の前方を撮影する第1カメラ3及び車両1の後方を撮影する第2カメラ4と接続されている。第1カメラ3等による映像情報は、ドライブレコーダ2内の半導体記憶部15に循環的に記憶される。所定の記録条件が成立すると、半導体記憶部15に記憶された映像情報がメモリカード6に記録される。所定の記録条件とは、事故等の発生により車両1へ衝撃が加わった場合等を言い、詳細については後述する。
【0015】
また、ドライブレコーダ2は、映像情報の他に、車両の速度情報などを含む運行情報を取得して、ドライブレコーダ2内の半導体記憶部15に循環的に記憶する。運行情報は、前述した記録条件が成立した場合には、映像情報と関連付けられて映像情報と供にメモリカード6に記録される。運行情報の詳細については後述する。
【0016】
図2は、ドライブレコーダ2の本体の斜視図である。
【0017】
ドライブレコーダ2には、マイクロフォン7、撮影スイッチ8、電源スイッチ20、LED25、ブザー26、不図示の開閉センサ27、開閉ノブ31、スロット40等を有している。
【0018】
マイクロフォン7は車両1内の音声を集音する。撮影スイッチ8は、映像情報をドライブレコーダ2に記録するタイミングの決定、ドライブレコーダ2の初期化等のための諸入力に利用される。LED25及びブザー26は、発光や警告音等を発生させることによって、ドライブレコーダ2の状況をユーザに知らせる機能を有している。
【0019】
開閉ノブ31は、メモリカード6が後述するI/F11を構成するスロットに挿入された後に、メモリカード6を保護するようにその上部にスライドされて位置決めされる(図3の状況)。メモリカード6を抜く場合には、開閉ノブ31を矢印Aの方向にスライドさせる。また、ドライブレコーダ2は、開閉ノブ31に連動した開閉センサ27を有しており、開閉ノブ31がメモリカード6の上部にスライドされている状態(図2の状態)で、閉状態を示すOFF信号を出力し、メモリカード6を抜き出せる状態で、開状態を示すON信号を出力するように構成されている。
【0020】
図3は、再生装置の外観例を示す図である。
【0021】
メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等はパーソナルコンピュータ等から構成される再生装置400により再生される。メモリカード6はパーソナルコンピュータに接続されたI/Fに挿入され、映像情報及び運行情報等が読み取られる。ユーザは再生された映像情報及び運行情報等を検証することによって、車両の走行状態又は事故原因の究明等を行うことができる。
【0022】
図4は、ドライブレコーダ2の電気的構成を示すブロック図である。
【0023】
第1カメラ3は、車両1の前方を撮影してアナログのビデオ信号を第1映像情報500として出力するよう制御され、例えば二次元イメージセンサとしてCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)から構成される。
【0024】
第2カメラ4は、2台目のカメラとして車両1に設置され、車両後方や車室内等のカメラ3と異なる方向を撮影してアナログのビデオ信号を第2映像情報501として出力するよう制御される。なお、カメラを1台のみ必要とする場合には第2カメラ4をドライブレコーダ2に接続する必要はない。
【0025】
加速度センサ5は、車両1に加わる衝撃の加速度として検出することができ、3つの検出軸(X軸、Y軸、Z軸)を有する半導体加速度センサである。各検出軸は、受けた加速度に応じた電圧(Vx、Vy及びVz)を発生し、加速度出力信号502として、CPU24へ出力する。なお、加速度センサ5は、2つの検出軸を有するものであっても良い。
【0026】
メモリカード6は、ドライブレコーダ2から取り外し可能な記録媒体であり、プログラム可能な不揮発性半導体メモリカードであるSDカード(Secure Digital Memory Card)で構成される。メモリカード6には、映像情報及び運行情報が記録される。また、メモリカード6には、後述する記録条件、メモリカード6の固有のID、メモリカード6を利用する利用者(例えば、タクシー乗務員等)のID又は氏名のデータ等の諸情報が別途記録される。
【0027】
なお、本実施の形態では取り外し可能な記憶媒体としてSDカードを用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、取り外し可能な他のメモリカード(例えば、CFカード(Compact Flash Card)又はメモリスティック等)、ハードディスク等を利用することもできる。また、メモリカード6の替わりに、ドライブレコーダ2にハードディスクを内蔵して用いることも可能であり、この場合にはドライブレコーダ2に送信回路を設け無線通信によりハードディスクに記録した映像情報及び運行情報を再生装置400へ送信するよう構成すればよい。
【0028】
マイクロフォン7は、CPU24と電気的に接続され、車両1の車室内または車外の音声を集音して音声情報503としてCPU24へ送信するよう構成される。音声情報503はCPU24内のアナログ/デジタル変換器でデジタル信号に変換される。なお、道路上の騒音を不必要に集音しないように、マイクロフォンの正面の感度が高い単一指向性マイクロフォンを用いることが好ましい。
【0029】
撮影スイッチ(撮影SW)8は、ユーザにより操作されることにより、電気的に接続されたCPU24へ信号を送信する。これにより、CPU24は第2RAM15に記憶された映像情報及び運行情報をメモリカード6に記録させるよう制御する。すなわち、撮影SW8の操作は記録条件の成立として作用する。なお、撮影SW8が操作された瞬間の映像情報のみをメモリカード6に記録するようにしてもよい。また、撮影SW8は、後述するように、ドライブレコーダ2の他の機能を利用するための操作手段としても利用される。
【0030】
GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信機9は、複数のGPS衛星から衛星の軌道と、衛星に搭載された原子時計からの時刻データを含む電波信号を受信し、受信した電波の時間差により各衛星との相対的距離差を算出して現在地情報を得る。3個の衛星の電波を捉えれば地球上の平面での位置が判別できる。GPS受信機9は、かかる現在地情報を検出すると、位置情報及び時刻情報からなるGPS情報504をCPU24へ送信する。
【0031】
車速センサ10は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転を回転パルス信号505として出力し、磁気センサまたは光センサにより構成される。なお、CPU24は車速センサ10から受信するパルス信号から単位時間当たりの車輪回転数を算出することで車両1の速度情報を算出している。
【0032】
インターフェイス(I/F)11は、ドライブレコーダ2に設けられたメモリカード6の差込口、いわゆるスロット部をも構成する。I/F11は、ドライブレコーダ2から送信される映像情報及び運行情報を含む記録情報506を、差し込まれたメモリカード6へ転送し、ドライブレコーダ2に予め記憶されている、諸情報507をCPU24へ転送する。
【0033】
ビデオスイッチ(以下「ビデオSW」)12は、複数のカメラが設けられる場合に撮影するカメラを切り換えるためのスイッチである。本実施の形態では、第1カメラ3及び第2カメラ4が接続され、CPU24からの選択信号508により一方のカメラが選択されるよう構成されている。選択されたカメラからの映像情報を選択映像情報509として画像処理回路13へ出力する。なお、ビデオSW12に計時機能を持たせ、一定の時間間隔で切り換えを行うように構成してもよい。
【0034】
画像処理回路13は、第1カメラ3及び第2カメラ4からビデオSW12を介して入力される選択映像情報509をデジタル信号に変換し、画像データ510を作成して出力する。画像処理回路13は、JPEG−IC(Joint Photographic coding Experts Group−Integrated Circuit)から構成され、JPEG形式のデータを作成する。この場合、JPEG−ICはアドレスを指定してデータを出力する機能を有さないため、毎秒30ファイルを第1RAM(Random Access Memory)14へ書込み、1ファイル毎に上書き処理を行う。
【0035】
第1RAM14は、画像処理回路13によって変換された画像データ510を一時的に記憶する。なお、第1RAM14はCPU24内のDMA(Direct Memory Access)回路と接続されており、入力された映像のうち3枚に1枚、即ち、毎秒10ファイルがDMAの機能により第2RAM15へ転送されて循環的に記憶される。
【0036】
第2RAM(半導体記憶部)15は、画像処理回路13により画像データに変換された映像情報、及び運行情報を循環的に記憶する。
【0037】
なお、第1RAM14及び第2RAM15には、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。SDRAMはCPUのクロックに同期して動作するよう設計されているため、入出力の待ち時間が短く、従来のDRAM(Dynamic Random Access Memory)に比較してアクセスを高速に行うことができ、大容量の映像データを高速に処理する制御に適しているためである。
【0038】
不揮発性ROM16は、ドライブレコーダ2を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム等を記憶する。不揮発性ROM16には、マスクROMを用いてもよいが、プログラム可能な不揮発性半導体メモリであるフラッシュメモリ、EEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、強誘電体メモリ等を用いればプログラムの書き込みや消去が可能となる。
【0039】
アクセサリスイッチ(ACCスイッチ)19は、車両1に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されている。ユーザのキー操作によりスイッチがオンとされるとアクセサリオン信号511をドライブレコーダ2のCPU24及び電源制御回路22へ送信する。ドライブレコーダ2はACCスイッチ19のアクセサリオン信号511を受信することにより、電源制御回路22から電源が供給され制御を開始する。なお、ACCスイッチ19の出力信号に代わりに、イグニッションキー出力信号(IGオン信号)を利用することも可能である。
【0040】
電源スイッチ(電源SW)20は、ユーザによりスイッチ操作がなされると、電源オン信号をドライブレコーダ2のCPU24及び電源制御回路22へ送信する。ACCスイッチ17をオンさせずにドライブレコーダ2を動作させたい場合に用いることができる。
【0041】
バッテリ21は、車両1内に備えられ、ドライブレコーダ2の本体に電源を供給する。また、バッテリは、電源制御回路22へ電源を供給する。なお、バッテリ21は車両に装備可能で12Vの起電力を発生できるものであればよい。
【0042】
電源制御回路22は、バッテリ21からの電源をCPU24及びドライブレコーダ2の各部へ供給する。電源制御回路22の詳細は後述する。
【0043】
CPU(Central Processing Unit)24は、ドライブレコーダ2の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ及び内部メモリ等により構成される。CPU24は、制御プログラム17に基づき、ドライブレコーダ2の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。CPU24は、加速度センサ5から出力される加速度出力信号(Vx、Vy及びVz)の内の所定の2つの値に基づいて車両1の前後方向の加速度G1及び車両1の左右方向の加速度G2を演算により求め、車両1に加わった加速度を(G12+G221/2とする。
【0044】
LED25は、CPU24から電源が供給されることによるドライブレコーダ2の起動中は点灯し、ユーザへ起動中であることを報知する。また、ドライブレコーダ2に異常が生じた場合等には、CPU24によって所定の点滅を行い、異常の発生をユーザへ報知するよう構成されている。
【0045】
ブザー26は、ドライブレコーダ2に異常が生じた場合等には、CPU24によって所定の警告音を発生し、異常の発生をユーザへ報知するよう構成されている。
【0046】
開閉センサ27は、メモリカード6の抜き差しに伴う開閉ノブ31の移動に応じて、開信号及び閉信号を出力するように構成されている。
【0047】
RTC(Real Time Clock)28は、現在時刻に対応した信号を発生し、CPU24へ送信する。
【0048】
表示部30は、液晶ディスプレイ等から構成され、後述する所定の状況で、メモリカード6に記録された映像情報を再生する。図2では、車両に搭載されたナビゲーション装置のディスプレイを表示部30として用いる場合を示したが、別体のディスプレイを表示部30として利用するようにしても良い。表示部30の利用によって、事故が発生した場合にその場で事故原因を検証することが可能となる。いずれにしても、ドライブレコーダ2は、映像情報を出力するための出力ポートを有していることが好ましい。
【0049】
スロット40は、加速度センサ5の感度補正の際に検査用PC50と接続するケーブルのソケット41と接続するためのものである。加速度センサ5の感度補正については後述する。
【0050】
なお、ドライブレコーダ2は映像記録専用の装置として第1カメラ3、第2カメラ4、GPS受信機9、及び/又は表示部30等と同一の筐体内に収容して一体的に構成してもよい。また、ドライブレコーダ2は、車載用ナビゲーション装置の一機能として構成することもできる。
【0051】
図5は、再生装置400の電気的構成を示すブロック図である。
【0052】
インターフェイス(I/F)411は、再生装置400に設けられたメモリカード6の差込口、いわゆるスロット部を構成する。I/F411は、メモリカード6に記録された、映像情報及び運行情報等を再生装置400側に転送する。
【0053】
RAM414は、CPU424がメモリカード6から転送された映像情報の画像処理及び運行情報の情報処理等を行う際に一時的にデータを記憶するために利用される。RAM414には、例えばSDRAMが用いられる。
【0054】
不揮発性ROM416は、再生装置400を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム417等を記憶する。不揮発性ROM16には、例えば、EEPROM、強誘電体メモリ等が用いられる。
【0055】
制御プログラム417は、不揮発性ROM416内に記憶され、再生装置400の起動時にCPU424に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
【0056】
CPU424は、再生装置400の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU424は、制御プログラム417に基づき、再生装置400の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。
【0057】
操作部430は、キーボード、マウス等から構成され、ユーザが再生装置400を操作する場合に、CPU424への操作入力を行うための手段として利用する。
【0058】
表示部440は、液晶表示装置等から構成され、メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等を適宜表示するために利用される。
【0059】
地図情報記録部450は、ハードディスク、DVD等の記録媒体によって構成され、道路情報及び制限速度情報等を含んだ地図情報が記録されている。
【0060】
カード情報記録部460は、ハードディスク等の記録媒体によって構成され、メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等を、記録するために利用される。
【0061】
以下、ドライブレコーダが映像情報等を記録する記録条件について説明する。本ドライブレコーダ2では、以下の3つの場合に、記録条件が成立したものとして、映像情報等の記録を行うが、記録条件は以下の3つの例に限定されるものではなく、その内の1つ又は2つであってもよく、また3つ以外の他の条件を定めても良い。
【0062】
1.G検出:加速度センサ5が、0.40G以上の加速度を検出した場合を言う。このような場合を記録条件の成立としたのは、車両1にこのような重力加速度がかかった場合には、事故の発生又は事故の急迫と認識できるからである。なお、上記の設定値(0.40G)は一例であって、他の値を採用することも可能である。詳細については後述する。
【0063】
2.速度トリガ:車速センサ10から検出した車両1の所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合を言う。具体的には、60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上となった場合に、記録条件が成立したと判断する。このような場合を記録条件の成立としたのは、車両1がこのような速度変化を起こした場合には、事故の発生または事故の急迫と認識できるからである。なお、上記の設定値(60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上)は一例であって、他の値を採用することも可能である。
【0064】
3.撮影SW:撮影SW8が操作された場合をいう。
【0065】
CPU24は、記録条件が成立した場合には、記録条件成立前12秒間及び成立後8秒間の合計20秒間の映像情報(1回の記録条件成立毎に200枚分の静止画)及び運行情報を第2RAM15からメモリカード6に転送して記録する。また、記録条件が成立した場合には、成立した記録条件を示すイベントデータ(上記の3つの内の何れかを示すデータ)を合わせてメモリカード6に記録する。メモリカード6には、少なくとも15イベント分の映像情報等を記録することができる容量を有している。
【0066】
なお、記録条件が成立した場合には、記録条件成立前12秒及び成立後8秒間の合計20秒間における、マイクロフォン7から取得した音声情報を、映像情報等と供に、更にメモリカード6に記録するように構成しても良い。メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等は、再生装置400にて表示することができるので、ドライブレコーダ2のユーザは、車両1の走行状態及び事故状況を検証することが可能となる。なお、上述したCPU24が、記録条件成立時に、メモリカード6に記録する期間(記録条件成立前12秒及び記録条件成立後8秒)は一例であって、これに限定されるものではない。
【0067】
運行情報とは、以下の情報を言う。
【0068】
1.加速度センサ5の各軸で検出した重力加速度情報(G1、G2)。
【0069】
2.GPS受信機9から検出した車両1の位置情報及び時刻情報。
【0070】
3.車速センサ10から検出した速度情報。
【0071】
4.ACCスイッチ19のON/OFF情報。
【0072】
なお、運行情報の内容は、必ずしも上記の情報に限定されるものではなく、例えばウィンカー等の灯火類の点灯状態やハンドル操舵角のような車両1の運行や走行に関する情報を含めるようにしても良い。
【0073】
以下、ドライブレコーダ2の加速度センサ5の感度補正について説明する。
【0074】
図6は感度補正処理フローの一例を示す図であり、図7は感度補正時のドライブレコーダ2の位置関係を示した図である。
【0075】
感度補正が開始される時点で、ドライブレコーダ2は、図7(a)に示すような2つの軸A及びBにそってドライブレコーダ2を回転可能に保持できる検査用治具(不図示)に固定され、且つドライブレコーダ2のスロット40には、検査用PC50と接続されたケーブルのソケット41が接続されているものとする。
【0076】
最初に、オペレータは、検査用PC50を操作して、感度補正開始信号をケーブル、ソケット41及びスロット40を介して、CPU24へ送信する。ドライブレコーダ2のCPU24は、感度補正開始信号を受信すると、予め不揮発性ROM16に記録されている感度補正用プログラムに従って、図6に示す感度補正処理フローを実行する。
【0077】
次に、オペレータは、検査用治具を利用して、加速度センサ5のX検出軸及びY検出軸が、地面と平行となるようにドライブレコーダ2を配置し、その状態に維持する(図7(a)参照)。その後、オペレータは、検査用PC50を操作して、検査用PC50から、CPU24へ第1検査信号を送信する。CPU24は、第1検査信号を受信すると、ドライブレコーダ2は加速度センサ5のX検出軸及びY検出軸が地面と平行となるようにドライブレコーダ2が配置されたと判断する(S10)。なお、ドライブレコーダ2に内蔵される、加速度センサ5の各検出軸とドライブレコーダ2の姿勢との関係は予め判明しているものとし、オペレータは、例えば、本例では、ドライブレコーダ2の各姿勢と加速度センサ5の各検出軸との関係は、図7(a)〜(c)に示すような位置関係にあることが事前に判明しているものとする。なお、図7(a)〜(c)において、加速度センサ5の各検出軸を示す矢印の方向に加速度が加わった場合に、各検出軸は、正(+)の出力電圧を出力するものとする。
【0078】
次に、CPU24は、図7(a)の状態で、加速度センサ5のX検出軸からの出力電圧Vx、Y検出軸からの出力電圧Vyを取得する(S11)。加速度センサ5に特別な加速度を与えなくても、重力加速度によって、各検出軸の加速度出力を得ることができるので、検査装置を安価に構成することが可能となる。
【0079】
次に、CPU24は、S11で取得した出力電圧Vx及びVyが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S12)。図7(a)の状態では、X検出軸のからの出力電圧Vx、Y検出軸からの出力電圧Vyは正常であればともに0(G)に相当する電圧である0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲を−0.1〜+0.1(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。なお、上記の加速度センサ5の各軸の出力電圧と検知Gとの関係、前述した予め定めされた数値範囲は一例であるので、これに限定されるものではない。
【0080】
S12において、S11で取得した出力電圧Vx及びVyが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、CPU24は、図7(a)の状態で、加速度センサ5のZ検出軸のからの出力電圧Vzを取得する(S13)。
【0081】
次に、CPU24は、S13で取得した出力電圧Vzが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S14)。図7(a)の状態では、X検出軸のからの出力電圧Vzは正常であれば1(G)(即ち、重力加速度)に相当する2.0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲は+2.3〜+1.7(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。
【0082】
S14において、S13で取得した出力電圧Vzが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、オペレータは、検査用治具を利用して、加速度センサ5のX検出軸及びZ検出軸が、地面と平行となるようにドライブレコーダ2を配置し、その状態に維持する(図7(b)参照)。即ち、軸Bを基準として、ドライブレコーダ2を、図7(a)から90度反時計周りに回したのが図7(b)の状態である。その後、オペレータは、検査用PC50を操作して、検査用PCから、CPU24へ第2検査信号を送信する。CPU24は、第2検査信号を受信すると、加速度センサ5のX検出軸及びZ検出軸が地面と平行となるようにドライブレコーダ2が配置されたと判断する(S15)。
【0083】
次に、CPU24は、図7(b)の状態で、加速度センサ5のX検出軸のからの出力電圧Vx、Z検出軸からの出力電圧Vzを取得する(S16)。
【0084】
次に、CPU24は、S16で取得した出力電圧Vx及びVzが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S17)。図7(b)の状態では、X検出軸のからの出力電圧Vx、Z検出軸からの出力電圧Vzは正常であればともに0(G)に相当する電圧である0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲は−0.1〜+0.1(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。
【0085】
S17において、S11で取得した出力電圧Vx及びVzが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、CPU24は、図7(a)の状態で、加速度センサ5のY検出軸のからの出力電圧Vyを取得する(S18)。
【0086】
次に、CPU24は、S18で取得した出力電圧Vyが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S19)。図7(b)の状態では、Y検出軸からの出力電圧Vyは正常であれば1(G)に相当する2.0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲は+2.3〜+1.7(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。
【0087】
S19において、S18で取得した出力電圧Vyが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、オペレータは、検査用治具を利用して、加速度センサ5のY検出軸及びZ検出軸が、地面と平行となるようにドライブレコーダ2を配置し、その状態に維持する(図7(c)参照)。即ち、軸Aを基準として、ドライブレコーダ2を、図7(a)から90度図中の奥側に回したのが図7(c)の状態である。その後、オペレータは、検査用PC50を操作して、検査用PCから、CPU24へ第3検査信号を送信する。CPU24は、第3検査信号を受信すると、加速度センサ5のY検出軸及びZ検出軸が地面と平行となるようにドライブレコーダ2が配置されたと判断する(S20)。
【0088】
次に、CPU24は、図7(c)の状態で、加速度センサ5のY検出軸のからの出力電圧Vy、Z検出軸からの出力電圧Vzを取得する(S21)。
【0089】
次に、CPU24は、S21で取得した出力電圧Vy及びVzが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S22)。図7(b)の状態では、Y検出軸のからの出力電圧Vy、Z検出軸からの出力電圧Vzは正常であればともに0(G)に相当する電圧である0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲は−0.1〜+0.1(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。
【0090】
S22において、S21で取得した出力電圧Vy及びVzが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、CPU24は、図7(c)の状態で、加速度センサ5のX検出軸のからの出力電圧Vxを取得する(S23)。
【0091】
次に、CPU24は、S23で取得した出力電圧Vxが予め定められた数値範囲内にあるか否かの判断を行う(S24)。図7(c)の状態では、X検出軸のからの出力電圧Vxは正常であれば1(G)に相当する2.0(v)であるはずである。したがって、例えば、予め定められた数値範囲は+2.3〜+1.7(v)と定め、それ以外の出力電圧が検出された場合は、加速度センサ5に異常があるものとして、不良品である旨の警告動作(S26)を行い、一連の動作を終了する。
【0092】
S24において、S23で取得した出力電圧Vxが予め定められた数値範囲内にある場合、次に、CPU24は、各検出軸の基準値と感度を演算により求め、CPU24の内部メモリ等に記録し(S25)、一連の動作を終了する。具体的には、CPU24は、S11で取得したVx(0G相当)とS23で取得したVx(1G相当)からX検出軸に関する感度を求め、S11で取得したVy(0G相当)とS18で取得したVy(1G相当)からY検出軸に関する感度を求め、S16で取得したVz(0G相当)とS13で取得したVz(1G相当)からZ検出軸に関する感度を求める。言い換えれば、CPU24は、各検出軸についての初期感度を、図6のS25で演算により求めた感度に補正することとなる。
【0093】
例えば、S11で取得したVx(0G相当)が0(v)で、S23で取得したVx(1G相当)が2.0(v)であれば、基準値(0G)は0(v)、0.1G毎に0.20(v)という感度を有していることが分かる。また、S11で取得したVx(0G相当)が−0.1(v)で、S23で取得したVx(1G相当)が2.3(v)であれば、基準値(0G)は−0.1(v)、0.1G毎に0.24(v)という感度を有していることが分かる。
【0094】
S26の警告動作では、例えば、LED25を特定の周期で点灯させたり、ブザー26から所定の警告音を発生させたりする。
【0095】
なお、図6に示す例では、S11、S16及びS21で、それぞれ2回、0G相当のVx、Vy及びVzを取得しているが、S15を無くし、S21で0G相当のVzのみを取得するようにして、それぞれ1回だけ0G相当のVx、Vy及びVzを取得するようにしても良い。また、複数回ずつ、各種データを取得して、平均値を利用して、各検出軸についての基準値及び感度を求めるようにしても良い。
【0096】
なお、S25で求めた各軸についての基準値及び感度は、CPU24の内部メモリではなく、第1RAM14、第2RAM15、メモリカード6等に記録するようにしても良い。
【0097】
なお、S25では、各軸についての基準値及び感度を演算せずに、必要な場合に、記録されているデータを利用して、各軸についての基準値及び感度を演算するようにしても良い。
【0098】
図6及び7に従って、加速度センサ5の基準値及び感度補正を記録した後、ドライブレコーダ2は、車両1に取り付けられる。CPU24は、図6のS25で補正された感度及び記録された基準値に基づいて、加速度センサ5から出力される加速度出力信号から各検出軸の加速度(G1及びG2)及び車両1に加わった加速度Gtを演算により求め、加速度Gtが所定の閾値を超えた場合には、前述した記録条件が成立したと判断し、所定の映像情報をメモリカード6に記録するように動作する。例えば、ドライブレコーダ2は、図7(a)のような姿勢で、Y検出軸の正方向を車両1の進行方向に、X検出軸の正方向を車両1の右側方向に向けて配置される。その場合、車両1が受ける加速度Gtは、Y検出軸による加速度をGy(=G1)、X検出軸による加速度をGx(=G1)とすると、Gt=(Gx2+Gy21/2とすることができる。また、その場合、X検出軸のみの出力による加速度Gx(=G2)基づいて、車両1が右急カーブ又は左急カーブを行ったことを検出することも可能である。
【0099】
上記の場合には、Y検出軸の正方向を車両1の進行方向に、X検出軸の正方向を車両1の右側方向に向けて配置した。しかしながら、図6及び図7に従って、加速度センサ5の基準値及び感度補正を記録した場合、加速度センサ5の3つの検出軸(X検出軸、Y検出軸及びZ検出軸)の全てについて感度補正を行っているので、ドライブレコーダ2をどのような姿勢で設置しても、例えば、Z検出軸の正方向を車両1の進行方向に、Y検出軸の正方向を車両1の右側方向に向けて配置しても、感度補正された検出出力を得ることが可能となる。
【0100】
図8は、加速度センサ5の自己診断処理フローを示す図である。
【0101】
図8に示す自己診断処理フローは、ドライブレコーダ2の取り付け時等に所定の操作に対応して開始されるものであって、予め不揮発性ROM16に記録されているプログラムに従って、CPU24がドライブレコーダ2の各要素と共同して実行する。なお、図8に示す自己診断処理フローが開始される時点で、ドライブレコーダ2の加速度センサ5のどの検出軸が、車両の進行方向と平行に配置されるかは、予め設定されているものとする。また、ドライブレコーダ2が搭載された車両1は平地に対して水平に停車されているものとする。
【0102】
最初に、CPU24は、加速度センサ5の3つの検出軸(x軸、y軸及びz軸)の内、予め設定された車両1の前後方向に平行な第1軸の出力電圧V1及び、予め設定された車両1の左右方向に平行な第2軸の出力電圧V2をそれぞれ取得する(S30)。
【0103】
図9は、ドライブレコーダ2と加速度センサ5との位置関係を示す図である。図9(a)は図7(a)に対応する図であり、正確に加速度センサ5のY検出軸が車両1の進行方向(矢印C)に一致し、X検出軸が車両1の右側方向と一致して取り付けられた場合を示している。図9(a)の場合、V1はY検出軸の出力Vyに相当し、V2はX検出軸の出力Vxに相当する。
【0104】
これに対して、図9(b)は図9(a)の状態から角度θだけドライブレコーダ2の姿勢を、X検出軸を中心に半時計回りに傾けて取り付けた場合を示している。したがって、X検出軸は、依然、地面に対して平行であるが、Y検出軸及びZ検出軸は、角度θだけ図9(a)の状態から傾いた状態となる。
【0105】
次に、CPU24は、S30で取得した第1軸の出力電圧V1及び第2軸の出力電圧V2の出力が、それぞれ所定範囲の値であるか否かの判断を行う(S31)。ここでの所定範囲は、例えば、基準値±0.4(v)等と設定することができる。±0.4(v)は、ドライブレコーダ2が後述するオフセット補正可能な範囲を示している。
【0106】
図6に示す感度補正フローにおいて、既に加速度センサ5に異常が無いことは判断済みである。さらに、図6のS25において、各検査軸について、重力加速度が0Gの状態、例えば、図7(a)において地面と平行に配置されたX検査軸及びY検査軸の出力電圧の基準値は記録されている。したがって、正常に設置されていれば、V1及びV2は、図6のS25において記録された基準値となる。しかしながら、図9(b)に示すように、ドライブレコーダ2が角度θだけ傾いて設置された場合には、Y検出軸の出力は、Gy=G×cos(π/2−θ)分に相当する出力電圧が発生する(Gは重力加速度)。
【0107】
そこで、S30で取得したV1及びV2が所定の範囲内であれば、オフセット補正可能と判断し、図6のS25で取得した基準値の代わりに、以後S30で取得したV1及びV2を基準値として利用するようにオフセット設定を行う(S32)。例えば、図7(b)の例では、V1をY検出軸の基準値とし、V2をX検出軸の基準値とする。
【0108】
S31において、S30で取得したV1及びV2が、予め定められた範囲内(例えば、基準値±0.4(v))では無い場合には、CPU24は、オフセット設定ができないほどドライブレコーダ2が傾いて設置されていると判断し、取り付け異常であるむねの警告を行い、一連の処理を終了する。なお、本ドライブレコーダ2では、図9(b)に示す傾き角度θが30度程度までオフセット設定を行うことで適切に動作可能なように構成されている。この様に、オフセット補正を行うことによって、ドライブレコーダ2が、所定の角度で傾いて設置されたとしても、正確な加速度を検出することが可能となった。
【0109】
上述したように、予めドライブレコーダ2の加速度センサ5の各検出軸における基準値及び感度検出を行っているので、その後の加速度センサによる加速度の検出やオフセット補正を正確に実施することが可能となった。
【符号の説明】
【0110】
1 車両
2 ドライブレコーダ
5 加速度センサ
6 メモリカード
8 撮影スイッチ
24 CPU
25 LED
26 ブザー
40 スロット
50 検査用PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報を出力する撮像部と接続可能なドライブレコーダであって、
車両に印加される加速度に応じた加速度出力を行う加速度センサと、
前記加速度出力に基づいて加速度を算出する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記加速度センサの重力加速度による加速度出力に基づいて加速度出力から加速度を算出する感度を補正する、
ことを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
前記加速センサは、検出軸数を複数有しており、
前記制御部は、前記複数の検出軸数毎に、加速度出力から加速度を算出する感度補正を行う、請求項1に記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
前記制御部は、更に、ドライブレコーダの姿勢及び前記加速度センサからの重力加速度による加速度出力に基づいて、前記加速度センサの不具合を判断する、請求項1又は2に記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
前記制御部は、ドライブレコーダの姿勢及び前記加速度センサからの重力加速度による加速度出力に基づいて、ドライブレコーダの傾きを修正するためのオフセット補正を行う、請求項1〜3の何れか一項に記載のドライブレコーダ。
【請求項5】
車両に印加される加速度に応じた加速度出力を行う加速度センサ、及び加速度出力に基づいて加速度を算出する制御部を有するドライブレコーダにおける加速度センサの感度補正方法であって、
ドライブレコーダを所定の姿勢に維持し、
前記加速度センサから重力加速度による加速度出力を取得し、
取得した加速度出力に基づいて加速度出力から加速度を算出する感度を補正する、
ステップを有することを特徴とする加速センサの感度補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−250608(P2010−250608A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100137(P2009−100137)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】