説明

ナット部材及びこれを使用したパネル構造

【課題】ボルト部材に螺合されて、パネル部材を取り付けるためのナット部材を提供する。
【解決手段】軸心C0に沿って筒状に延びるナット部材10において、軸心C0と一致する第1中心軸C1を中心として貫通された第1雌ねじ部11と、第1中心軸C1に直交する第2中心軸C2を中心として貫通された第2雌ねじ部12とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルト部材に螺合されて、パネル部材を取り付けるためのナット部材、及びこれを使用したパネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
軸心に沿って長く延びる筒状のナットが、高ナットとして知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この高ナットは、2本のボルト部材を連結するのに使用される。すなわちナット部材の雌ねじ部のうちの一方の端部側を、一方のボルト部材の端部に螺合させ、さらに、ナット部材の雌ねじ部のうちの他方の端部側に、他方のボルト部材の端部を螺合させることにより、2本のボルト部材を簡単に連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−329120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常の高ナットによると、ボルト部材を連結することは可能であるものの、それ以外の使用、例えば、その高ナットを利用してパネルを支持する等の使用をすることができない。
【0006】
そこで、本発明は、ボルト部材の連結以外の使用を可能にしたナット部材、及びこのナット部材を使用したパネル構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、軸心に沿って筒状に延びるナット部材において、前記軸心と一致する第1中心軸を中心として貫通された第1雌ねじ部と、前記第1中心軸に直交する第2中心軸を中心として貫通された第2雌ねじ部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るナット部材において、前記第2雌ねじ部は、前記第1中心軸に沿った長さ方向の中央に配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るナット部材において、六角筒状に形成されている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナット部材において、前記第1雌ねじ部と前記第2雌ねじ部とは、ねじ径及びピッチが同じに形成されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、パネル構造において、軸状に延びるボルト部材と、前記ボルト部材に螺合されるナット部材と、前記ナット部材に螺合される固定ボルトと、前記固定ボルトによって前記ナット部材に固定されるパネル部材と、を備え、前記ナット部材が請求項1ないし4のいずれか1項に記載のナット部材であり、前記ボルト部材に前記ナット部材の前記第2雌ねじを螺合して、前記ボルト部材に対する前記ナット部材の位置調整をし、位置調整後の前記ナット部材の前記第1雌ねじ部に対して、前記パネル部材を貫通する前記固定ボルトを螺合することにより、前記パネル部材を前記ナット部材に固定する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に係るパネル構造において、前記パネル部材は、前記固定ボルトが貫通可能な複数の透孔を有する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項6に係るパネル構造において、前記パネル部材が、薄板金属製のパンチングメタルである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、第1雌ねじ部の第1中心軸に沿った一方の端部に、1本のボルト部材を螺合し、他方の端部に別のボルト部材を螺合させることにより、2本のボルト部材を連結することができる。つまり、ナット部材は、通常の高ナットと同様に、2本のボルト部材を連結するのに使用することが可能である。
【0015】
さらに、ナット部材は、ボルト部材に第2雌ねじ部を螺合させ、第1雌ねじ部に固定ボルトを螺合させることにより、この固定ボルトによって例えばパネル等を取り付けることができる。ここで、ボルト部材にナット部材の第2雌ねじ部を螺合させる際に、ナット部材をボルト部材の回りに回転させることにより、ボルト部材の長手方向に対するナット部材の位置を、ボルト部材(ナット部材)の半ピッチを単位として簡単に移動させる(調整する)ことができる。このように、ボルト部材に対するナット部材の位置を、半ピッチで移動させることができるので、移動させたナット部材の第1雌ねじ部に固定ボルトを螺合させることにより、パネル等の略任意の位置を固定ボルトによってナット部材に固定することが可能である。
【0016】
請求項2の発明によれば、第2雌ねじ部は、ナット本体の、第1中心軸に沿った長さ方向の中央に配置されているので、ボルト部材に第2雌ねじ部を螺合させたときに、ボルト部材の中心軸から、第1雌ねじ部の一方の端部までと他方の端部までとの距離が常に同じになる。このため、第1雌ねじ部に固定ボルトを螺合させてパネルを取り付ける場合に、ナット部材を半回転(1/2回転)させて、ボルト部材に対するナット部材の位置調整をすれば、常に、ボルト部材の中心軸からパネルまでの距離を一定にすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、六角スパナ等を使用して、ナット部材を回転させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、同一のねじ径及びピッチのボルト部材に対して、第1雌ねじ部と第2雌ねじ部とのいずれをも螺合させることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、ボルト部材に第2雌ねじ部を螺合させて、さらに第1雌ねじ部に固定ボルトを螺合させることにより、固定ボルトによってパネル部材を固定することができる。ボルト部材に第2雌ねじ部を螺合させる際に、ナット部材を適宜に回転させることにより、ボルト部材の中心軸に沿ったナット部材の位置、すなわち第1雌ねじ部の位置を簡単に調整することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、パネル部材は、固定ボルトが貫通可能な複数の透孔を有しているので、これら複数の透孔のうちの1つの透孔に固定ボルトを貫通させて、この固定ボルトをナット部材の第1雌ねじ部に螺合させることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、パンチングメタルには、多数の透孔が整列状態で穿設されているので、パンチングメタルを貫通させた固定ボルトによってパンチングメタルをナット部材の第1雌ねじ部に螺合させる際に、透孔を穿設する必要がなく、また、適宜な位置の透孔を選択することが容易である。言い換えると、ナット部材を適宜に回転させて位置調整することにより、いずれかの透孔をナット部材の第1雌ねじ部の位置に合わせることができるので、固定ナットを使用してのパンチングメタルの取り付けが容易である。すなわち、溶接等を使用することなく、ナット部材に対する固定ボルトの螺合作業によってパネルを取り付ける(組み立てる)ことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
【0023】
図1〜図7を参照して、本発明の実施形態1に係るナット部材10、及びこのナット部材10を使用したパネル構造を説明する。このうち、図1は、ナット部材10を示す斜視図である。図2は、ナット部材10と、ボルト部材30と、固定ボルト40と、パネル部材50とを備えたパネル構造を説明する斜視図である。図3は、図2におけるボルト部材30の軸心を含む縦断面図である。図4(a),(b)は、ナット部材10の位置調整を説明する図である。図5(a),(b)は、ナット部材10によってパネル部材50としてのパンチングメタルを取り付けた状態を説明する図である。図6(a)は、パネル部材50を並べて構成した衝立を示す正面図であり、(b)は側面図である。図7(a)は、パネル部材52,53を使用して構成した椅子を示す上面図であり、(b)は、側面図である。
【0024】
図1に示すようにナット部材10は、全体として、軸心C0に沿って延びる筒状に形成されていて、相互に交差する第1雌ねじ部11と第2雌ねじ部12とを備えている。
【0025】
ナット部材10は、図示例では、正六角筒状に形成されている。すなわち、軸心C0に沿っての異なる位置において、それぞれ軸心C0に直交するように配置された2つの正六角形の端面13,14と、これら端面13,14をそれぞれの対応する辺ごとに連結するように配置された6つの長方形状の側面15,16,17,18,19,20とを有している。
【0026】
ナット部材10は、軸心C0に沿って(長手方向に沿って)、第1雌ねじ部11が形成されている。第1雌ねじ部11は、軸心C0と一致する第1中心軸C1を有しており、この第1中心軸C1を中心として、長手方向に貫通するように螺刻されている。第1雌ねじ部11は、その長手方向の両端部がそれぞれ端面13,14に開口している。
【0027】
ナット部材10は、上述の第1雌ねじ部11に直交する第2雌ねじ部12を有している。第2雌ねじ部12は、その第2中心軸C2が第1雌ねじ部11の第1中心軸C1に直交している。第2雌ねじ部12は、この第2中心軸C2を中心として、長手方向に直交する方向に貫通するように螺刻されている。第2雌ねじ部12は、その両端部がそれぞれ側面15,18の中心に開口している。側面15〜20は、それぞれ長手方向の長さがL,幅がWに形成されていて、第2雌ねじ部12は、その第2中心軸C2が、長さLの中心、及び幅Wの中心に位置するように形成されている。言い換えると、図示例のナット部材10は、第2雌ねじ部12の第2中心軸C2からそれぞれの端面13,14までの距離が等しくなるように形成されている。
【0028】
上述のナット部材10においては、第1雌ねじ部11と第2雌ねじ部12とは、それぞれのねじ径及びピッチが同じになるように形成されている。つまり、これらと同一のねじ径及びピッチを有するボルト部材30(図4参照)に対して、第1雌ねじ部11及び第2雌ねじ部12のいずれも螺合することができるようになっている。このことにより、ナット部材10は、種々の仕様形態をとることができる。
【0029】
図2,図3に示すように、ナット部材10と、ボルト部材30と、固定ボルト40と、パネル部材50を使用して、本実施形態に係るパネル構造を構成することができる。ただし、図2では、固定ボルト40を締め付けた状態を、また、図3では、固定ボルト40を緩めた状態を図示している。
【0030】
ここで、ボルト部材30は、長手方向の全長にわたって雄ねじ部31が螺刻されている。この雄ねじ部31は、ナット部材10の第1雌ねじ部11及び第2雌ねじ部12と同様のねじ径及びピッチで形成されている。固定ボルト40は、頭部43と雄ねじ部44とによって構成されていて、頭部43は、さらに、六角部45と半球部46とによって構成されている。この固定ボルト40は、通常の雄ねじと袋ナットとを一体に構成したものであり、頭部43の端部に半球部46が形成されているため、頭部の端部が六角部に形成されている一般的なボルトと比較して、安全性が高い。このため、この固定ボルト40は、人が触れる可能性のある箇所に使用すると好適である。固定ボルト40の雄ねじ部44は、上述のボルト部材30と同様、そのねじ径及びピッチは、ナット部材10の第1雌ねじ部11及び第2雌ねじ部12と同様のねじ径及びピッチで形成されている。パネル部材50は、ナット部材10に対応する位置に透孔50aが穿設されている。
【0031】
図2,図3に示すパネル構造においては、同図の下部に示すように、ボルト部材30に、2個の特殊なナット部材60,60によって、パネル部材51を固定している。このナット部材60は、通常の袋ナットにおいて、雌ねじ部を貫通させたものである。まず、下側のナット部材60をボルト部材30に螺合させ、ワッシャ41を取り付ける。次に、パネル部材51の透孔(不図示)をボルト部材30に通して、ワッシャ41の上に載せる。このパネル部材51を上面側からワッシャ41及びナット部材60によって締め付ける。これによりパネル部材51の取り付けが完了する。
【0032】
つづいて、ナット部材10の第2雌ねじ部12(図1参照)をボルト部材30の雄ねじ部31に螺合させて、ボルト部材30に対する位置を調整する。ここで、図4(a),(b)に示すように、第2雌ねじ部12をボルト部材30の雄ねじ部31に螺合させたナット部材10は、ボルト部材30を中心として回転させることにより、ボルト部材30に対する位置を、適宜に移動させる(調整する)ことができる。つまり、ナット部材10は、固定ボルト40の螺合先となる第1雌ねじ部11の位置を、ボルト部材30に対して適宜に調整することが可能である。
【0033】
こうして、ナット部材10の位置調整をした後、ナット部材10の1つの側面15(又は側面18)にパネル部材51を載せる。この際、パネル部材51に穿設されている透孔(不図示)に、ボルト部材30の先端を通す。ボルト部材30の先端にワッシャ41を嵌め、さらに、袋ナット42で締め付けて固定する。
【0034】
次に、立てた状態のパネル部材50の透孔50aの位置を、ナット部材10の端面13に合わせ、透孔50a及びワッシャ41に貫通させた固定ボルト40を第1雌ねじ部11に端面13側から螺合させて締め付ける。これにより、パネル部材50の取り付けが完了する。さらに、ナット部材10の第1雌ねじ部11に端面14側から固定ボルト40を螺合させる。この固定ボルト40は、ナット部材10の端面14の六角部分が露出して、この部分に人が触れるのを防止するためのものである。
【0035】
このように、ナット部材10は、ボルト部材30に対して回転させることで、ボルト部材30の長手方向の任意の位置、さらに詳細には、ボルト部材30の雄ねじ部31のピッチの半分(半ピッチ)ごとの任意の位置に位置調整することができるので、例えば、パネル部材50の取り付け位置(図3の例では取り付け高さ)が決まっているような場合には、パネル部材50の透孔50aの位置に合わせて、移動させることができる。逆に言えば、ナット部材10の位置を調整することにより、パネル部材50を任意の位置に取り付けることが可能である。しかも、溶接等を使用する必要がなく、ボルトの締結作業のみによって簡単にパネル構造を構成することができる。
【0036】
また、図1,図3に示すように、本構成では、ナット部材10は、長さLに対して、第2雌ねじ部12を長さ方向の中心に形成しているので、図3中の、ボルト部材30の軸心C3からパネル部材50の裏面50bまでの距離がL/2となる。したがって、この距離は、ナット部材10を半回転(1/2回転)させて、ボルト部材30の半ピッチ分だけ移動させた場合も、同様の距離を確保することができる。
【0037】
これに対して、例えば、第2雌ねじ部12を、ナット部材10の長手方向の中心からずらして構成することも可能である。この場合には、ナット部材10を半回転させると、ボルト部材30の軸心C3からパネル部材50の裏面50bまでの距離が変化することになる。これを積極的に利用すれば、ボルト部材30の軸心C3からパネル部材50の取り付け位置を2種類実現することが可能である。
【0038】
また、第1雌ねじ部11と第2雌ねじ部12とは、ねじ径やピッチは、必ずしも同一にする必要はない。例えば、第1雌ねじ部11のねじ径やピッチを、第2雌ねじ部12のそれらよりも小さく設定してもよい。あるいはこの逆であってもよい。
【0039】
また、上述では、ナット部材10が六角筒状に形成されている場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、四角筒状、八角筒状や、円筒状、楕円状、レーストラック状に形成してもよい。また、例えば、楕円状やレーストラック状に形成する場合には、相互に平行な複数の第1雌ねじ部11を設けるようにしてもよい。この場合には、1つのナット部材10で、パネル部材50の複数個所を固定することが可能となる。
【0040】
図5に、パネル部材50として多数の透孔aを有する、いわゆるパンチングメタルを使用した例を示す。透孔aの直径は、固定ボルト40の、雄ねじ部44(図3参照)は通るが、頭部43は通らない直径に設定されている。パネル部材50としてパンチングメタルを使用した場合には、ナット部材10がボルト30の長手方向に位置調整が自在である点と、パンチングメタルに多数の透孔aが穿設されている点とが相俟って、パネル部材50の取り付け位置を適宜に設定することが可能となる。
【0041】
図6(a),(b)は、パネル構造を衝立(ついたて)に使用した例を図示している。長方形のベース部材71の両端に搬送ローラ72を取り付けた移動ベース70にボルト部材30を立設して構成したものを1対設け、ボルト部材30の適宜な高さに複数のナット部材10の第2雌ねじ部12(図1参照)を螺合させ、ナット部材10の第2雌ねじ部11(図1参照)にボルト部材40を螺合させて、パネル部材50としてのパンチングメタルを取り付けたものである。パネル部材50の大きさや取り付け位置についての設計の自由度を高めることができる。なお、図示例では、両面にパネル部材50を3枚ずつ取り付けた例を示しているが、これに限らず、片面のみとしてもよい。
【0042】
図7(a),(b)は、パネル構造を椅子に適用した例を図示している。背面側に2本のボルト部材30,30を立設して、その上部に、ナット部材10及び固定ボルト40を用いて、パネル部材(パンチングメタル)53を固定して背もたれを構成する。なお、2本のボルト部材30の間には、適宜、補強用のステー54をナット部材60によって取り付ける。一方、足側にも2本のボルト部材30を立設し、この2本のボルト部材30と、背面側の2本のボルト部材30との間に水平にパネル部材(パンチングメタル)52をナット部材60で固定して座面とする。さらに足側のボルト部材30と背面側のボルト部材30との間に補強用のステー54を取り付ける。この補強用のステー54のうち、上側に位置するステー54は、肘掛けとしても兼用される。
【0043】
図8(a),(b)に、ナット部材の変形例を示す。同図は、上面図であり、変形例のナット部材80を使用して、複数のパネル構造を横方向に連結した例を示している。同図に示すナット部材80は、上述のナット部材10と同様のナット本体81に、筒状の連結部材82を固定したものである。図示例では、2個の連結部材82を固定している。連結部材82には、ナット本体81の長手方向(第1雌ねじ部の軸心C1の方向)に直交し、かつ第2雌ねじ部の軸心C2の方向に対しても直交する方向に貫通孔82aが穿設されている。この貫通孔82aは、ボルト部材30の直径よりも少し大きく形成されている。このようなナット部材80を使用し、さらに、貫通孔82aを貫通させた横方向のボルト部材30を使用することにより、パネル構造を、横方向に比較的容易に、複数連結することが可能となる。なお、同図では横方向のボルト部材30を連結するのに、一般的な高ナット61を使用している。なお、ナット部材80としては、連結部材82を固定するに代えて、例えば、ナット本体81に、第1雌ねじ部11と第2雌ねじ部12との双方に直交する貫通孔(不図示)を設けるようにしてもよい。さらにこの貫通孔に雌ねじ部を設けて、第3雌ねじ部とすることも可能である。この場合には、ナット部材80の構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ナット部材10を示す斜視図である。
【図2】ナット部材10と、ボルト部材30と、固定ボルト40と、パネル部材50とを備えたパネル構造を説明する斜視図である。
【図3】図2におけるボルト部材30の軸心を含む縦断面図である。
【図4】(a),(b)は、ナット部材10の位置調整を説明する図である。
【図5】(a),(b)は、ナット部材10によってパネル部材50としてのパンチングメタルを取り付けた状態を説明する図である。
【図6】(a)は、パネル部材50を並べて構成した衝立を示す正面図であり、(b)は側面図である。
【図7】(a)は、パネル部材52,53を使用して構成した椅子を示す上面図であり、(b)は、側面図である。
【図8】ナット部材の別の構成、及びその使用例を説明する図である。
【符号の説明】
【0045】
10,80 ナット部材
11 第1雌ねじ部
12 第2雌ねじ部
30 ボルト部材
40 固定ボルト
50,52,53
パネル部材
a パネル部材の透孔
C0 軸心
C1 第1中心軸
C2 第2中心軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心に沿って筒状に延びるナット部材において、
前記軸心と一致する第1中心軸を中心として貫通された第1雌ねじ部と、
前記第1中心軸に直交する第2中心軸を中心として貫通された第2雌ねじ部と、を備える、
ことを特徴とするナット部材。
【請求項2】
前記第2雌ねじ部は、前記第1中心軸に沿った長さ方向の中央に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のナット部材。
【請求項3】
六角筒状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のナット部材。
【請求項4】
前記第1雌ねじ部と前記第2雌ねじ部とは、ねじ径及びピッチが同じに形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナット部材。
【請求項5】
軸状に延びるボルト部材と、
前記ボルト部材に螺合されるナット部材と、
前記ナット部材に螺合される固定ボルトと、
前記固定ボルトによって前記ナット部材に固定されるパネル部材と、を備え、
前記ナット部材が請求項1ないし4のいずれか1項に記載のナット部材であり、
前記ボルト部材に前記ナット部材の前記第2雌ねじを螺合して、前記ボルト部材に対する前記ナット部材の位置調整をし、位置調整後の前記ナット部材の前記第1雌ねじ部に対して、前記パネル部材を貫通する前記固定ボルトを螺合することにより、前記パネル部材を前記ナット部材に固定する、
ことを特徴とするパネル構造。
【請求項6】
前記パネル部材は、前記固定ボルトが貫通可能な複数の透孔を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のパネル構造。
【請求項7】
前記パネル部材が、薄板金属製のパンチングメタルである、
ことを特徴とする請求項6に記載のパネル構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−7269(P2011−7269A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151578(P2009−151578)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509178231)
【Fターム(参考)】