説明

ナノサイズないしマイクロサイズの粒子を製造するための水熱法

【課題】長時間の操作を可能にし、生成物を比較的高い収率で生じる、希土類金属および他の遷移金属の化合物のナノサイズないしマイクロサイズの粒子を製造するための方法、殊に連続的な方法を提供する。
【解決手段】希土類金属化合物または他の遷移金属化合物のマイクロ粒子またはナノ粒子を、1つ以上の沈殿試薬を用いて少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液からの前記粒子の均質な沈殿によって製造する方法の場合に、溶剤または溶剤混合物中で可溶性でありかつ処理温度で安定である、1つ以上の弱塩基性化合物を沈殿試薬として使用し、沈殿を熱水条件下で実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類金属および他の遷移金属の化合物のナノサイズないしマイクロサイズの粒子を製造する方法ならびに前記粒子のコロイド化学的に安定なゾルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水相からの金属イオンの沈殿および共沈は、例えば顔料、触媒およびセラミック材料のための無機のマイクロサイズ粒子を合成および製造するための久しく公知であった方法である。工業的生産において、前記方法は、主に(サブ)マイクロサイズ粒子、即ち100nmより大きい粒径を有する粒子を製造するために使用される。重要な製品の判断基準は、なかんずく粒子の形態、平均粒径、粒径分布および処理特性である。
【0003】
材料系に応じて、ナノサイズ粒子、即ち100nm未満の粒径を有する粒子を沈殿法により製造することも可能である。しかし、ナノサイズ粒子の湿式化学的製造は、マイクロサイズ粒子の湿式化学的製造よりも困難であり、したがってこれまでは、制限された数のナノサイズ粒子だけを湿式化学的に工業における沈殿法により製造することが可能であった(SiO2、TiO2およびFe23)。一般に、前記方法は、粒径を変動させる制限された機会だけを提供する(SiO2粒子の場合、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4218306号明細書参照)。
【0004】
不均一な沈殿法と均一な沈殿法とは、区別される。不均一な沈殿法においては、2つの出発材料の混合物は、即座の粒子形成を生じる。均一な沈殿反応においては、粒子は、均一な溶液中で形成される。この場合、粒子形成は、例えば:〜によって誘発されうる。
【0005】
溶解された金属錯体の分解、
水分子によって錯化された溶解金属イオンの強制的な加水分解または
必要に応じて熱を用いての有機分子の分解による沈殿試薬の制御された均一な遊離。
【0006】
希土類金属化合物のマイクロサイズ粒子を製造するための公知の不均一な沈殿法は、相応する金属塩溶液からアンモニア含有溶液を用いて沈殿させることである(M.D.Rasmussen, M.Akinc, O. Hunter, Ceramics International 1985, 11, 2, 51-55)。沈殿試薬としてのかかる塩基性溶液は、一般に水酸化物を形成し、この水酸化物は、か焼によって酸化物に変換されうる。
【0007】
マイクロサイズ粒子の金属化合物を製造するための公知方法は、高められた温度で金属塩溶液からの均一な沈殿法である。高められた温度は、溶解された金属イオンの強制された加水分解、ひいては粒子の形成を生じる。マティエビック(Matijevic)(Langmuir, 1986, 2, 12-20; Acc, Chem. Res. 1981, 14, 22-29; Ann.Rev. Mater. Sei., 1985m 15, 483-516)は、どのようにして前記方法をバッチ操作でマイクロサイズの酸化物粒子および水酸化物粒子の製造に使用することができるかを記載している。
【0008】
マイクロサイズの金属(水酸化物)酸化物粒子を製造するための公知方法は、可溶性の金属キレートを水酸化ナトリウム溶液中で水熱条件下で熱分解することをベースとする。サピエスツコ(Sapieszko)(Journal of Colloid Interface Science, 1980, 74, 2, 405-422)およびマティエビック(Matijevic)(Acc, Chem. Res. 1981, 14, 22-29; Langmuir, 1986, 2, 12-20)は、どのようにして前記方法をバッチ操作でマイクロサイズ粒子の多数の金属(水酸化物)酸化物の製造に使用することができるかを記載している。
【0009】
希土類金属の粒子を製造するための前記の2つの方法の中の後者の方法の適性については、これまで記載されたことがなかった。
【0010】
更に、単分散性のマイクロサイズ粒子を製造するための公知のバッチ方法は、金属化合物を尿素含有金属塩溶液中で均一に沈殿させることである。水溶液の加熱は、尿素の熱的に誘導される加水分解を生じ、ひいては沈殿試薬(アンモニアおよびCO2)の均一な遊離を生じ、この沈殿試薬は、金属の塩基性炭酸塩含有化合物の形成を生じる。
【0011】
前記化合物は、か焼によって相応する酸化物へ変換されうる。希土類金属のマイクロサイズ粒子およびサブマイクロサイズ粒子の製造への前記方法の適用は、AkincおよびSordelt(Advanced Ceramic Materials, 1987, 2(3A)232-38E)、MatijevicおよびHsu(Journal of Colloid and Interface Science 1987, 118, 2, 506-523)およびSordeletおよびAkinc(Journal of Colloid and Interface Science 1988, 122, 1, 47-59)によって記載された。前記方法は、低い出発材料濃度で、一般に50mM未満で操作される。それというのも、粒子は、よりいっそう高い濃度で凝集する傾向にあるからである。
【0012】
Sohn他(Powder Technology 2004, 142, 136-153)の記載によれば、濃厚な出発材料中での後還元により、ナノサイズ粒子のイットリウム化合物を得ることが可能であるが、しかし、50nm以上である。錯化剤、例えばEDTAの添加により、粒径の点で同じ還元を達成することが可能である(M. Kobayashi, Journal of Materials Science Letters, 1992, 11, 767-768)。
【0013】
欧州特許出願公開第842899号明細書および米国特許第2002/0017635号明細書には、0.2〜2.0μmの範囲内内の粒径を有する希土類金属の球状粒子を製造するために沈殿剤として尿素を使用する均一な沈殿法(バッチ操作)が記載されている。
【0014】
沈殿剤として尿素を使用する均一な沈殿法による無機粒子のバッチ合成は、次のような種々の欠点を有する:
サブマイクロサイズ粒子およびナノサイズ粒子は、極めて低い出発材料/生成物濃度で得ることができるにすぎず、この場合この固体含量は、有利に5g/l未満である。
【0015】
50nm未満の粒径を有するナノサイズ粒子は、高い出発材料濃度で得ることができず、粒子の凝集が起こる。
【0016】
高い、約20倍の過剰量の尿素でのみ、収率は、100%に接近する(例えば、Sordelet and Akinc, Journal of Colloid and Interface Science 1988, 122, 1, 47-59)。
【0017】
米国特許第6596194号明細書には、有利に金属イオンを有する錯体を形成することができる、溶解された界面活性剤により溶剤中で希土類金属(燐の粒子を含む)のナノサイズ(10nm未満)の酸化物粒子をバッチ合成することが記載されている。欧州特許出願公開第0684072号明細書には、希土類金属のナノサイズ粒子(10nm未満)および該ナノサイズ粒子と他の金属の組合せ物を水性媒体中で製造するためのバッチ方法が記載されている。この方法は、溶解された金属カチオンを0.1モル/lを上廻る濃度を有する溶液からアンモニア含有溶液の添加によって沈殿させ、固体を分離し、乾燥し、その後に脱塩水中で再分散させることを有する。WO−A 01/38225には、錯化剤、例えばクエン酸塩を用いて希土類金属のナノサイズ粒子を水性媒体中で製造するためのバッチ法が記載されている。この方法は、溶解された金属カチオン(濃度0.1Mを上廻る)をアンモニア含有溶液の添加によって室温で沈殿させ、その後に水熱処理することを含む。生じる粒子の寸法は、2〜5nmの範囲内にある。
【0018】
しかし、欧州特許出願公開第0684072号明細書およびWO−A 01/382225の記載によれば、粒径の変動および適合は、処理の変更により達成することはできない。10nmを上廻る粒径を有するナノサイズ粒子の製造は、記載されていない。
【0019】
米国特許第6719821号明細書Bおよび米国特許第2004139821号明細書Aには、沈殿剤としてアンモニアを使用する湿式化学的沈殿により希土類金属のナノサイズ粉末をバッチ法により製造することが記載されている。か焼された試料のXRD微結晶の寸法は、20nm未満である。一次粒子の寸法またはか焼後の再分散性についての情報は、記載されていない。
【0020】
全ての上記の方法は、なかんずくバッチ法である。しかし、前記バッチ法の操作の非連続的モードは、殊に効率に関連して工業的使用には不利である。
【0021】
米国特許第5652192号明細書AおよびWO−A 94/01361には、ナノサイズ粒子を連続的に均一に沈殿させるための水熱法が記載されている。この連続的な熱水法の例は、Matson他(Particulate Science and Technology, 1992, 10, 143-154)およびDarab他(Journal of Electronic Materials, 1998, 27,10)によっても記載されている。粒子の製造のために、必要な場合には、さらに熱反応性成分を有する金属塩水溶液は、連続的に種々の機能的ユニット、即ち加熱された毛管反応器および冷却された毛管(または熱交換器)を通してポンプ輸送される。ナノ粒子含有分散液は、冷却された毛管の下流で圧力弁および出口毛管を通じて捕集容器中に流入する。滞留時間および反応時間は、好ましい一定の体積流および機能的ユニットの寸法(直径、長さ)を設定することによって決定される。毛管の寸法は、流れる液体の温度が機能的ユニットの温度と迅速に同じになるように選択される。滞留時間および反応時間、温度および圧力を意図的に設定することは、制御可能な粒径分布を有する粒子の連続的製造を可能にする。ナノ粒子は、典型的に60秒未満の短い反応時間で水熱反応条件下で得ることができる。米国特許第5652192号明細書およびWO−A 94/01361には、溶解された物質、例えば尿素の使用が記載されており、この場合この尿素は、加熱時に分解し、均一に沈殿試薬を遊離する。しかし、この連続的な熱水尿素法は、ナノサイズ粒子のコロイド化学的に安定な分散液の経済的な製造、殊に工業的生産には不適当である。それというのも、この熱水尿素法は、重大な欠点、例えば反応の低い収率(50%未満)、毛管の閉塞による処理の操作の短い時間(数分の範囲内)および生成物分散液の不満足なコロイド状の安定性を有するからである。
【0022】
更に、欠点は、得られた生成物ゾルのpHが低いことであり、この場合には、pH=6未満である。このような酸性のpH値は、特殊な生成物の後処理、例えば希土類金属化合物の後処理には不適当である。生じた希土類粒子は、前記条件下で比較的急速に再溶解し、それ故に、この場合には、前記生成物の急速な後処理が必要である。
【0023】
それ故に、希土類金属および他の遷移金属の化合物のナノサイズないしマイクロサイズの粒子湿式化学的に連続的に製造することが必要とされ、ならびに上記欠点を有しない前記粒子のコロイド化学的に安定なゾルを連続的に製造することが必要とされる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第842899号明細書
【特許文献2】米国特許第2002/0017635号明細書
【特許文献3】米国特許第6596194号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0684072号明細書
【特許文献5】WO−A 01/382225
【特許文献6】米国特許第6719821号明細書B
【特許文献7】米国特許第2004139821号明細書A
【特許文献8】米国特許第5652192号明細書
【特許文献9】WO−A94/01361
【非特許文献1】M.D.Rasmussen, M.Akinc, O. Hunter, Ceramics International 1985, 11, 2, 51-55
【非特許文献2】Langmuir, 1986, 2, 12-20
【非特許文献3】Acc, Chem. Res. 1981, 14, 22-29
【非特許文献4】Ann.Rev. Mater. Sei., 1985m 15, 483-516
【非特許文献5】Sapieszko, Journal of Colloid Interface Science, 1980, 74, 2, 405-422)
【非特許文献6】Matijevic, Acc, Chem. Res. 1981, 14, 22-29; Langmuir, 1986, 2, 12-20
【非特許文献7】Akinc and Sordelt, Advanced Ceramic Materials, 1987, 2(3A)232-38E)
【非特許文献8】Matijevic and Hsu, Journal of Colloid and Interface Science 1987, 118, 2, 506-523)
【非特許文献9】Sordelet and Akinc, Journal of Colloid and Interface Science 1988, 122, 1, 47-59
【非特許文献10】Sohn, Powder Technology 2004, 142, 136-153
【非特許文献11】M. Kobayashi, Journal of Materials Science Letters, 1992, 11, 767-768
【非特許文献12】Matson, Particulate Science and Technology, 1992, 10, 143-154
【非特許文献13】Darab他, Journal of Electronic Materials, 1998, 27,10
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
それ故に、本発明の目的は、長時間の操作を可能にし、生成物を比較的高い収率で生じる、希土類金属および他の遷移金属の化合物のナノサイズないしマイクロサイズの粒子を製造するための方法、殊に連続的な方法を提供することである。
【0025】
この方法は、有利に20nm未満の粒径を有するナノサイズ粒子を製造することができる。得られた粒子は、好ましくはコロイド状の安定したゾルを製造することができるようにするために、直ちに液体媒体中に分散されるべきである。本発明による方法は、特に好ましくは7〜10のpHを有する僅かにアルカリ性のゾルを製造することができる。更に、本発明による方法は、好ましくは実験室規模から生産規模へ問題なしに拡大させることができる。狭い粒径分布を有するこのような粒子の製造および/または処理条件の変更による粒径の変動の可能性は、有利である。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的は、意外なことに、希土類金属化合物または他の遷移金属化合物のナノ粒子またはマイクロ粒子を弱塩基性の沈殿剤の存在下で水熱条件下で沈殿させるような方法により達成された。
【0027】
従って、本発明は、希土類金属化合物または他の遷移金属化合物のマイクロ粒子またはナノ粒子を、1つ以上の沈殿剤を用いて少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液からの前記粒子の均質な沈殿によって製造する方法を提供し、この方法は、溶剤または溶剤混合物中で可溶性でありかつ処理温度で安定である、1つ以上の弱塩基性化合物を沈殿試薬として使用し、沈殿を熱水条件下で実施することによって特徴付けられる。
【0028】
本発明による方法は、好ましくは次の処理工程:
金属塩および沈殿試薬を最初に互いに溶剤または溶剤混合物中で混合し、均一な沈殿混合物を生じさせ(混合段階)、
その後に、この沈殿混合物の温度を増加させ(沈殿段階)、
沈殿が完結した後に、得られたマイクロ粒子またはナノ粒子を、必要な場合には冷却後に、排出させることを有する。
【0029】
本発明の目的のためには、水熱条件は、80℃およびそれ以上の温度および大気圧を上廻る圧力(1atmより大きい)である。本発明の目的のためには、水熱条件は、好ましくは、80〜500℃、特に好ましくは90〜300℃、殊に好ましくは100〜250℃の範囲内の温度および大気圧を上廻る圧力である。増加された圧力下で沈殿段階での均一な沈殿混合物の温度の増加は、粒子の沈殿を誘発しおよび/または加速する。
【0030】
本発明の目的のためには、均一な沈殿は、実際に沈殿剤の濃度勾配を有しない溶液または分散液からの沈殿である。これは、例えば沈殿剤と金属塩溶液および任意の例えばの成分とを沈殿前に攪拌するかまたは他に均一に混合することによって達成されうる。材料系、即ち金属塩溶液および沈殿剤およびその濃度、ならびに処理パラメーター(例えば、処理温度、処理圧力、根号段階の時間および沈殿段階の時間)を適当に選択する場合には、本発明による方法は、球状または非球状の粒子形態(例えば、小板およびロッド)を有するマイクロ粒子またはナノ粒子を製造することができ、即ち粒径および粒子形態は、変更することができる。本発明の目的のためには、サブマイクロ粒子も、マイクロ粒子の用語によって含まれる。好ましくは、本発明の方法によりナノ粒子およびサブマイクロ粒子の製造が記載される。本発明による方法は、特に好ましくはナノ粒子の製造に使用される。
【0031】
本発明の目的のためには、ナノ粒子は、少なくとも1つの空間的寸法で100nmより小さい粒子として定義される。本発明の目的のためには、マイクロ粒子は、全ての3つの寸法で1μmより大きい粒子として定義される。本発明の目的のためには、サブマイクロ粒子は、全ての3つの寸法で100nmより大きくかつ少なくとも1つの寸法で1μmより小さい粒子として定義される。粒径は、測定される寸法が体積の平均直径であり、かつ上記の数値がD50に相当し、即ち全ての粒子の50質量%が支持された寸法未満の直径を有するような遠心測定により測定されるか、或いは直径が数平均直径であり、かつ指摘された数値が顕微鏡写真により実際に測定された粒径または実際に測定された最小または最大の粒径を表わすような透過電子顕微鏡により測定される。電子顕微鏡による測定は、好ましい。
【0032】
混合段階の時間は、好ましくは沈殿段階の開始前に金属塩核の形成が最少になるように設定される。
【0033】
本発明の目的のためには、希土類金属化合物または他の遷移金属化合物の粒子は、殊に希土類金属または他の遷移金属の酸化物、水酸化物、塩基性炭酸塩(即ちヒドロキシ炭酸塩)および塩基性カルボン酸塩(例えば、ヒドロキシ酢酸塩、ヒドロキシ蓚酸塩およびヒドロキシクエン酸塩)の粒子であり、この場合塩基性炭酸塩および塩基性カルボン酸塩は、同様にその後に相応する水酸化物または酸化物に変換されうる。
【0034】
それ故に、塩基性炭酸塩および塩基性カルボン酸塩は、以下、このような水酸化物または酸化物の前駆体と呼称される。本発明による方法は、好ましくは酸化物または水酸化物を希土類金属化合物または他の遷移金属化合物として直接にかまたは間接的に、即ち前駆体のその後の分解を経て製造するために使用される。この場合には、希土類金属または他の遷移金属から構成されている群から選択された1つ以上の金属のかかる化合物を得ることができる。複数のこのような金属の場合には、金属は、ドーパントとして存在することができるにすぎず、即ち他の金属の量よりも著しく少量で存在する。
【0035】
酸化物粒子のナノサイズの前駆体が得られる場合には、単離されたナノ粒子は、例えばか焼によって酸化物段階に変換することができる。もう1つの可能性は、この変換を、ナノサイズの形態を維持しながら有機溶剤中で高められた温度で(必要に応じて可溶媒熱的条件(solvothermal conditions)下)実施することである。これは、最初に、例えば沈殿剤含有生成物の分散液からの水の蒸留によって、水相から有機相へのナノサイズ前駆体の相転移を必要とする。
【0036】
本発明の目的のためには、希土類金属は、好ましくは第3族からの元素スカンジウム、イットリウムおよびランタンならびに原子番号58〜71を有する全てのランタニド、即ちCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。本発明の目的のためには、他の遷移金属は、好ましくはIUPAC(2005年10月3日)による長周期律表の第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族および第14族の金属である。好ましくは、他の遷移金属は、Ni、Ag、Nb、Taであり、特に好ましくはNbおよびTaである。
【0037】
本発明の目的のためには、前記金属の金属塩溶液は、好ましくは一価陰イオンを有する相応する金属塩の溶液である。この場合には、相応するハロゲン化物、好ましくは塩化物、カルボン酸塩、好ましくは酢酸塩、蓚酸塩またはクエン酸塩、または硝酸塩が挙げられる。
【0038】
沈殿は、1つ以上の出発溶液から実施されてよい。1つの出発溶液だけが使用される場合には、金属塩または沈殿試薬は、溶剤または溶剤混合物中で均一に混合され、沈殿混合物を生じる。沈殿混合物は、好ましくは少なくとも2つの混合された出発溶液を有し、この場合出発溶液の1つは、金属塩溶液であり、他の出発溶液は、1つ以上の沈殿試薬を含有する。この場合、金属塩溶液と沈殿試薬溶液とは、互いに同時にかまたは順次に、好ましくは同時に合わされ、均一に混合される。
【0039】
出発溶液または沈殿混合物は、例えば強力な攪拌または当業者に公知の他の方法によって均一に混合される。
【0040】
適当な溶剤は、水性溶剤または有機溶剤、好ましくは極性溶剤、例えば水、第1アルコール、第2アルコールおよび第3アルコール、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、プロパンジオール、ブタノール、トリメチロールプロパン、ジアセトンアルコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、グリセロール、ケトンまたはアルデヒド、例えばアセトン、アセチルアセトン、アセトアルデヒド、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、アミド、例えばジメチルホルムアミド、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、アミン、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンおよびトリエタノールアミンまたは前記溶剤の1つ以上を含有する混合物である。特に好ましい溶剤は、水または水含有溶剤混合物である。必要な場合には、沈殿剤と溶剤は、同一であってよい。
【0041】
金属塩溶液の濃度は、有利に0.001〜2.0モル/l、好ましくは0.01〜1.0モル/l、殊に0.1〜0.5モル/lの範囲内にある。このような金属塩溶液は、例えば図1に示されているように出発溶液1である(出発材料1)。
【0042】
沈殿混合物中の金属塩の濃度は、有利に0.0005〜1.0モル/l、好ましくは0.005〜0.5モル/l、殊に0.05〜0.25モル/lである。
【0043】
沈殿試薬としては、使用される溶剤または溶剤混合中で可溶性であり、好ましくは水中で可溶性であり、本発明による方法で処理温度で安定である、1つ以上の弱塩基性の化合物を使用することができる。混合段階中に出発混合物または均一な沈殿混合物中での金属塩核の最少かまたは少なくとも取るに足らない形成を生じる弱塩基性化合物の使用は、特に好適である。
【0044】
本発明の目的のためには、弱塩基性化合物は、3.0〜11.0、好ましくは4.0〜7.0のpKaを有する化合物である。
【0045】
弱塩基性の沈殿試薬として、好ましくは、第1アミン、第2アミンまたは第3アミンならびにアミノアルコールを使用することが記載される。特に好ましくは、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、第三ブチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、アニリン、ベンジルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エチルジイソプロピルアミン、ジメチル−シクロヘキシルアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、ジイソプロピルアミン、ヒドロキシルアミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)であり、特に好ましいのは、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンである。
【0046】
意外なことに、室温で溶解された金属イオンの化合物の沈殿を生じないかまたはこのような化合物の緩徐にすぎない沈殿を熱水条件下で、殊に高められた温度で生じる弱塩基性物質は、均一な沈殿試薬として効果を収めて使用されうることが見出された。本発明による沈殿反応は、アミンを用いる公知の熱水バッチ法とは異なり、この公知方法の場合、強塩基、例えば水酸化カリウム溶液の同時の使用は、公知文献に記載されている。本発明による熱水沈殿反応は、公知の熱水連続法(米国特許第5652192号明細書AおよびWO 94/01361A)とは異なり、なかんずく、加熱時に分解し、こうして沈殿試薬を均一に遊離する物質は、使用されない。これは、前記の熱分解で形成される副生成物を、例えば反応器を閉塞させることから回避する。更に、本発明による使用される弱塩基性沈殿試薬は、付加的に得られる粒子を安定化し、例えばこれから生じるゾル中での制御されない凝集を回避する。
【0047】
沈殿試薬溶液の濃度は、有利に0.01〜10モル/l、好ましくは0.1〜10.0モル/l、殊に0.1〜5.0モル/lである。このような沈殿試薬溶液は、例えば図1に示されているように出発溶液2である(出発材料2)。
【0048】
沈殿混合物中の沈殿試薬の濃度は、有利に0.005〜5モル/l、好ましくは0.05〜5.0モル/l、殊に0.05〜2.5モル/lである。
【0049】
好ましくは、貯蔵安定性の出発溶液を使用することが記載される。化学的または物理的に不安定な液状出発溶液、例えば金属塩および沈殿剤を含有する前混合された出発溶液は、場合によっては使用されてよい。必要な場合には、出発溶液の構成と方法の実施との間の滞留時間は、監視されてもよいしおよび/または特に設定されてもよい。
【0050】
必要に応じて、可溶性物質、例えば低分子量の添加剤、塩、界面活性剤、ポリマー、分散剤および錯化剤は、出発溶液に添加されてよい。
【0051】
このような添加剤および/または水溶性溶剤の添加は、ナノ粒子の意図的な凝集を誘発させることを可能にし、固体を液体の分離を著しく簡易化する。適当な凝集条件が選択される場合には、凝集は、可逆的であり、したがって凝集された粒子は、場合によってはエネルギーの投入と共に、水または溶剤中に取り込むことによって再分散させることができる。
【0052】
出発溶液または複数の出発溶液から構成された沈殿混合物は、好ましくは処理条件下で単相であり、液状系である。
【0053】
本発明による方法は、バッチ法で操作することもできるし、連続的に操作することもできる。この場合、好ましくは、方法を連続的に実施することが記載される。
【0054】
更に、希土類金属化合物または他の遷移金属化合物のナノ粒子またはマイクロ粒子の相応するゾルは、本発明の方法により製造されることができる。
【0055】
本発明の目的のためには、ゾルは、液体中のナノ粒子またはマイクロ粒子、好ましくはナノ粒子またはサブマイクロ粒子の分散液である。これは、好ましくは、高度に濃縮された透明なゾルであることができる。本発明の目的に適した液体は、上記の溶剤または溶剤混合物である。本発明の方法により、溶剤の量に依存して、ナノ粒子またはマイクロ粒子、好ましくはナノ粒子またはサブマイクロ粒子を含有するペーストまたは非ニュートン液体を得ることも可能である。殊に好ましくは、ナノ粒子を含有するゾルが記載される。
【0056】
このゾルは、本発明によれば、粒子を適当な溶剤または溶剤混合物中に排出することによって直接に得ることができるかまたは得られた粒子をその後に適当な溶剤または溶剤混合物中で再分散させることによって製造することができる。
【0057】
ゾル中の粒子のコロイド化学的安定性は、必要に応じて、洗浄工程または添加剤の添加により最適化されてもよい。
【0058】
本発明による方法は、無機マイクロ粒子またはナノ粒子を希土類金属化合物または他の遷移金属化合物と一緒に被覆するために使用されてもよい。
【0059】
それ故に、更に、本発明は、1つ以上の沈殿試薬により少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液から均一な沈殿によって希土類金属化合物または他の遷移金属化合物で被覆された無機マイクロ粒子またはナノ粒子を製造するための本発明の上記方法による方法を提供し、この方法は、この被覆を、2つ以上の出発溶液を有する均一化された沈殿混合物から行ない、この場合出発溶液の1つは、金属塩溶液であり、第2の出発溶液は、無機マイクロ粒子またはナノ粒子を含有し、沈殿剤を2つの出発溶液の1つまたは他の出発溶液と一緒に添加することによって特徴付けられる。
【0060】
可能な無機ナノ粒子またはマイクロ粒子、好ましくはナノ粒子として、無機酸化物または水酸化物が使用される。例えば、好ましくは公知の定義された粒径分布を有するSiO2、Al23、TiO2、ZrO2または希土類酸化物が存在する。
【0061】
上記に示された処理パラメーター、沈殿剤に関する情報、金属化合物、溶剤、濃度等および同様に好ましい範囲は、前記の被覆方法に適用される。
【0062】
本発明の上記方法による湿式化学的な均一沈殿法によるマイクロ粒子およびナノ粒子の連続的製造において、特に均一な沈殿混合物を製造するための本発明の場合には、混合ユニットの使用が必要とされる。混合ユニットとしては、なかんずくマイクロ反応器および分散ノズルまたはジェット反応器を使用することができる。
【0063】
使用される"マイクロ反応器"の用語は、小型化された、好ましくは連続的に操作される反応器に帰因し、この反応器は、マイクロ反応器、ミニ反応器、マイクロミキサーまたはミニミキサーの名称で公知である。例は、種々の企業(例えば、Ehrfeld Mikrotechnik BTS GmbH、 Institut fur Mikrotechnik Mainz GmbH、 Siemens AG、 CPC-Cellulare Process Chemistry Systems GmbH)からのT型ミキサーおよびY型ミキサーならびにマイクロミキサーである。ジェット反応器の例は、マイクロジェットリアクターズMicroJetReactors(Synthesechemie GmbH)およびジェットディスパーザーjet disperser(Bayer Technology Services GmbH)である。
【0064】
本発明による方法は、好ましくはマイクロプロセスとして1個以上のマイクロミキサー(1)、滞留帯域(2)、反応器(3)、冷却器(4)および圧力弁(5)を有する毛管系中で実施される。この場合、出発溶液は、特に好ましくはプラントまたは毛管系を通して一定の流速で高圧ポンプ、例えばHPLCポンプにより圧送される。液体は、圧力弁(5)を介して冷却器の下流で減圧され、出口毛管(6)を介して生成物容器(7)中に捕集される(図1)。
【0065】
処理を連続的に実施するために、幾つかの処理技術的パラメーター、例えば毛管の寸法(長さ、直径)およびミキサーの選択は、決定されており、一方で、他の例えば温度、体積流速および圧力は、本発明による方法を実施しながら目標とされる方法で設定されうる。こうして、プラント中での平均滞留時間も制御される。
【0066】
ミキサーは、好ましくは10秒未満、好ましくは5秒未満、殊に0.5秒未満の混合時間を有するマイクロミキサーである。
【0067】
毛管または毛管系は、通常、滞留帯域、反応器および冷却器として使用される。
【0068】
反応器および冷却器の滞留帯域の有効な毛管直径は、通常、0.05mm〜20mm、好ましくは0.1mm〜10mm、殊に0.5〜5mmである。
【0069】
毛管反応器および冷却器の滞留帯域の長さは、通常、0.05〜10m、好ましくは0.05〜5m、殊に0.1〜0.5mである。
【0070】
滞留帯域の温度は、有利に0℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃、殊に0℃〜30℃である。
【0071】
冷却器の温度は、有利に0℃〜50℃、好ましくは0℃〜20℃、殊に0℃〜10℃である。
【0072】
毛管反応器の温度は、有利に50℃〜500℃、好ましくは80℃〜500℃、特に好ましくは90℃〜300℃、殊に100℃〜250℃である。
【0073】
供給原料流の流速は、有利に0.05ml/分〜5ml/分、好ましくは0.05ml/分〜250ml/分、殊に1.0〜100ml/分である。
【0074】
出発溶液は、好ましくはプラントまたは毛管系を通して一定の流速および特殊な設定圧力で高圧ポンプにより圧送される。
【0075】
毛管系中での圧力は、有利に1〜500バール、特に有利に50バール〜300バール、殊に75バール〜200バールである。圧力は、好ましくは反応温度に依存して、単相および液相が毛管反応器中に処理条件下で存在するように設定される。
【0076】
本発明の水熱法は、米国特許第5652192号明細書およびWO−A94/01361に記載の公知の水熱連続的方法とは異なり、本発明の方法によれば、2つの処理技術的工程、即ちマイクロミキサー(1)中での出発材料の混合および滞留帯域(2)中での出発混合物の滞留は、付加的に実施される。これらの付加的な工程は、沈殿前の核の制御されない形成を回避する。それ故に、双方の処理技術的工程は、制御された、殊に恒温条件下で、即ち殊に定義された温度で実施される。滞留帯域の寸法は、所定の流速で滞留帯域中での出発混合物の平均滞留時間を決定する。粒径は、滞留時間を設定することによって制御されうる。
【0077】
ナノ粒子を製造するために、出発溶液は、通常、加熱された毛管反応器の上流で直ちに混合され、即ち滞留帯域(2)中での滞留時間は、沈殿混合物の混合、ひいては均一性が最適化され、同時に金属塩核の形成が最少化されるような値に設定される。
【0078】
連続的操作で、毛管反応器中での液体の平均滞留時間は、5分以下、好ましくは1分以下、特に好ましくは0.1秒〜5秒である。公知の連続的水熱法と比較して、本発明による方法は、なかんずく意外にも長時間の操作で公知技術水準の安定した操作による約40%以下と比較して通常60%を上廻る、好ましくは70%を上廻る、通常少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍の意外にも高い反応収率によって区別される。
【0079】
付加的に公知の連続的水熱法と対比して、異なる形態、例えば球、ロッドおよび小板のナノサイズ粒子および(サブ)マイクロ粒子のコロイド状の化学的に安定したゾルは、意外なことに、材料系と処理条件の機能としてもたらされうる。
【0080】
処理によって得ることができるゾルは、僅かにアルカリ性であり、好ましくは、7〜12のpH、特に好ましくは7〜10のpHを有する。
【0081】
生成物分散液中に溶解された随伴される物質および/または塩を除去するため、および分散液を濃縮するために、機械的な液体除去(例えば、圧力フィルター上または遠心領域内での濾過、または重力領域内または遠心領域内での沈殿)、抽出、メンブラン技術(透析)および蒸留の通常の方法を使用することができる。
【0082】
粒子を特性決定するために、粒径、粒径分布および粒子形態は、例えば透過電子顕微鏡(TEM、Philips CM 20)を用いて測定され、粒径および粒径分布は、例えば超遠心分離(UC)を用いても測定される。超遠心分離の方法は、H.G. Mullerによって記載された(Colloid and Polymer Science 267, 1113-1116, 1989;Progress in Colloid and Polymer Science 107, 180-188, 1997)。粒子の結晶度を特徴付けるのに適した方法は、例えばX線回折法である(反射回折計 D5000, Bruker AXS)。
【0083】
反応の収率は、例えば必要に応じて800℃で単離された粒子のか焼後に、重量的に測定される。
【0084】
粒子の化学組成を特性決定するために、粒子は、結合熱重量/質量分析ユニット(TG-MS)を用いて熱重量的に試験される。この目的のために、粒子は、遠心分離によって単離され、最初に定義された温度で不活性ガス流(ヘリウム、毎分50ml)中で定義された時間でTG−MSユニット中で前乾燥される。次に、試料は、100℃で1時間維持され、次に毎分5Kの傾斜板を用いて800℃に加熱される。全測定法の間、1〜200amu(原子質量単位)の質量範囲内の質量スペクトルは、記録される。
【0085】
本発明による方法は、例えば顔料、触媒、コーティング材料、薄手の機能層、電子機器のための材料、エレクトロセラミクス、研磨組成物、光学的、例えば高い屈折性を有する材料および被覆、ストークス(Stokes)の蛍光体およびアンチストークス(anti-Stokes)の蛍光体、バイオラベル(biolabel)、インク、半導体、超伝導体、偽造防止法のための材料、ポリマー複合体、抗菌材料および活性化合物の調製物のための、無機ナノサイズおよびマイクロサイズ、好ましくはナノサイズおよびサブマイクロサイズ、特に好ましくはナノサイズの粒子ならびにそのゾルおよび配合物を製造するために使用されうる。
【0086】
特に、本発明による方法によって得ることができるニオブ化合物またはタンタル化合物のナノ粒子またはマイクロ粒子ならびにそのゾルは、これまで刊行物には記載されたことがなかった。
【0087】
それ故に、さらに、本発明は、本発明による方法によって得ることができるニオブ化合物またはタンタル化合物、殊に酸化ニオブまたは酸化タンタルを含有するナノ粒子またはマイクロ粒子ならびにそれらのゾルを提供する。好ましくは、ニオブ化合物またはタンタル化合物、殊に酸化ニオブまたは酸化タンタルを含有する前記タイプのナノ粒子またはマイクロ粒子、ならびにそれらのゾルが記載される。
【0088】
前記のナノ粒子またはマイクロ粒子、ならびにそれらのゾルは、特に好ましくはセラミック多重層コンデンサーのためのドーパントとして適しており、および選択的酸化のための触媒中に使用するために適している。
【0089】
次の実施例は、本発明を詳説するが、しかし、本発明は、これに制限されるものではない。
【実施例】
【0090】
例1:
イットリウム含有ナノ粒子を連続的に図1に略示した方法によって連続的に製造した。
【0091】
ミキサー(1)への供給原料用毛管、滞留帯域(2)、毛管反応器(3)および冷却器(4)は、内径2.25mmを有する毛管を有していた。滞留帯域は、10cmの長さ、30cmの毛管反応器の長さおよび100cmの冷却器の長さを有していた。このミキサーは、供給原料用毛管と滞留帯域との間にSwagelok社のT字形の断片の形状でねじ結合を有していた。
【0092】
加熱されないプラントの構成要素のミキサー(1)および滞留帯域(2)を大気と接触させた。毛管反応器を加熱された油浴中での(3)の浸漬によって235℃で維持した。冷却器を恒温浴中での(4)の浸漬によって4℃で維持した。毛管反応器と冷却器とを15cmの長さおよび2.0mmの内径を有する毛管によって結合した。
【0093】
出発材料1としての酢酸イットリウム(YAc3)の0.2モル溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの2.0モル溶液を形成させた。脱塩水(Milli-Qplus、QPAK(登録商標)2, Millipore Corporation社、を用いて処理した)を溶剤として使用した。2つの出発材料を出発材料容器から室温で5ml/分の一定の流速でそのつど、圧力センサーを備えた高圧HPLCポンプ(Shimazdu LC-7 A)を用いてプラントに圧送した。プラント内の圧力を圧力弁(レリーフバルブR3A, Nupro Company社)の調整によって試験の開始時に100バールに設定した。圧力は、試験中、3時間に亘って一定に保持された。
【0094】
ナノサイズの球状粒子を有する、コロイド状の安定した、僅かに乳白色の僅かにアルカリ性(pH=8.6)のゾルを生成物として得た。電子顕微鏡を用いての粒径測定は、4〜10nmの範囲内の直径を有する無定形粒子を示した。超遠心分離を用いての粒径測定は、D50=16nmの平均体積の平均直径を示した。
【0095】
前記粒子を遠心分離(Avanti J 30i, Rotor JA 30.50 Ti, Beckman Coulter GmbH社)を用いて単離し、前記粒子の一部分を100℃で前乾燥し、その後に炉内で800℃で1時間か焼した。
【0096】
か焼された試料のX線回折(反射回折計 D5000, Bruker AXS)を用いての構造測定は、Y23構造またはY23類似の構造を示した。か焼されていない粒子を質量分析検出と結合した熱重量を用いて試験した(熱重量バランスTGA/SDTA 851e, Mettler-Toledo; 4倍精度型質量分光器Thermostar, Balzers社)。この目的のために、粒子を、遠心分離によって単離し、最初に定義された温度で不活性ガス流(ヘリウム、毎分50ml)中で定義された時間でTG−MSユニット中で前乾燥した。次に、試料を100℃で1時間維持し、次に毎分5Kの傾斜板を用いて800℃に加熱した。質量スペクトルを全測定法の間、記録した。この結果は、イットリウムヒドロキシカーボネート類似の構造を示した。
【0097】
例2:
イットリウム含有ナノ小板を例1と同様の方法によって製造した。
【0098】
出発材料1としての塩化イットリウム(YCl3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの0.2モル水溶液を形成させた。毛管反応器を160℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど2.5ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。圧力は、試験中、3時間に亘って一定に保持された。乳白色の生成物分散液の遠心分離後、澄明な上澄液を脱塩水によって置き換えた。その後に、沈殿した固体を攪拌によって再分散させ、僅かに乳白色のコロイド状の安定したゾルを生じた。
【0099】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、200〜500nmの範囲内の直径および10nm未満の厚さを有する、小板に類似した水酸化イットリウム粒子を示した。
【0100】
例3:
イットリウムおよびユーロピウム含有のナノ粒子を例1と同様の方法によってY23:Eu燐の前駆体として製造した。
【0101】
出発材料1としての酢酸ユーロピウム8mMを含有する酢酸イットリウム(YAc3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの0.2モル水溶液を形成させた。毛管反応器を195℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど5ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。圧力は、試験中、3時間に亘って一定に保持された。
【0102】
ユーロピウムでドープされたイットリウムヒドロキシアセテートナノ粒子を含有するコロイド状の安定した僅かに混濁したゾルを生成物として得た。このゾルの固体含量は、0.80質量%であった(乾燥された無水状態での酸化物をベースとした)。この反応の収率は、少なくとも71%であった。
【0103】
前記粒子を遠心分離により単離し、(100℃での前乾燥後)その後にマッフル炉内で800℃で1時間、か焼した。か焼された試料は、UV励起(254nm)下で強力な蛍光を示し、これは、粒子がユーロピウムでドープされていることを示す。
【0104】
例4:
ジスプロシウム含有ナノ粒子を例1と同様の方法によって製造した。
【0105】
出発材料1としての酢酸ジスプロシウム(DyAc3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの0.2モル水溶液を形成させた。毛管反応器を200℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0106】
ナノサイズの球状粒子を含有しかつ1.36質量%の固体含量(酸化物をベースとした)を有するコロイド状の安定した僅かに乳白色のゾルを生成物として得た。
【0107】
ゾルを濃縮するために、前記粒子を遠心分離(Avanti J 30i, Rotor JA 30.50 Ti, Beckman Coulter GmbH社)を用いて単離し、脱塩水中に再分散させた。ジスプロシウム含有ナノ粒子(ジスプロシウムヒドロキシアセテート)を含有しかつ12.0質量%の固体含量(乾燥された無水状態での酸化物をベースとした)を有する透明なゾルを得た。
【0108】
電子顕微鏡を用いての粒径測定は、5〜10nmの範囲内の直径を示した。超遠心分離を用いての粒径測定は、D50=16nmの平均体積の平均直径を示した。この反応の収率は、少なくとも73%であった。
【0109】
例5:
ジスプロシウム含有ナノ粒子を例4と同様の方法によって製造した。
【0110】
出発材料1としての酢酸ジスプロシウム(DyAc3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの0.2モル水溶液を形成させた。15cmの長さを有する毛管反応器を120℃に維持し、多層ミキサー(櫛形ミキサー、Ehrfeld Mikrotechnik BTS GmbH社)をミキサーとして使用した。2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。圧力は、試験中、3時間に亘って一定に保持された。
【0111】
透明なナノゾル(ジスプロシウムヒドロキシアセテートナノ粒子)を生成物として得た。超遠心分離を用いての粒径測定は、D50=5nmの平均体積の平均直径を示した。
【0112】
例6:
セリウム含有ナノ粒子を例5と同様の方法によって製造した。
【0113】
出発材料1としての塩化セリウム(CeCl3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの0.2モル水溶液を形成させた。毛管反応器を190℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0114】
ナノサイズ粒子を含有する混濁した僅かに黄色の分散液を生成物として得た。電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、50〜200nmの範囲内の長さおよび2〜3の範囲内のアスペクト比を有するロッド形状のCeO2粒子を示した。
【0115】
例7:
ニッケル含有ナノ粒子を例1と同様の方法によって製造した。
【0116】
出発材料1としての硝酸ニッケル(Ni(NO32)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの2.0モル水溶液を形成させた。毛管反応器を200℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど2.5ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0117】
混濁した緑色の分散液を生成物として得た。生成物分散液の遠心分離後、澄明な上澄液を脱塩水によって置き換えた。その後に、沈殿した固体を攪拌によって再分散させ、緑色ではあるが透明のコロイド状の安定したゾルを生じた。
【0118】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、10〜15nmの範囲内の直径を有する球状の二酸化ニッケルナノ粒子を示した。
【0119】
例8:
銀含有ナノ粒子を例1と同様の方法によって製造した。
【0120】
出発材料1としての硝酸銀(AgNO3)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのPVP K15 2質量%(Fluka社)を含有するトリエタノールアミンの2.0モル水溶液を形成させた。毛管反応器を120℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0121】
灰色がかった黒色の分散液を生成物として得た。生成物分散液の遠心分離後、澄明な上澄液を脱塩水によって置き換えた。その後に、沈殿した固体を攪拌によって再分散させ、透明のコロイド状の安定したゾルを生じた。
【0122】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、幅広い粒径分布(10〜60nmの範囲内の直径)を有するほぼ球状のAg2Oナノ粒子を示した。
【0123】
例9:
ニオブ含有ナノ粒子を例5と同様の方法によって製造した。
【0124】
出発材料1としてのアンモニウムニオブオキサレート(H.C. Starck GmbH社)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのトリエタノールアミンの2.0モル水溶液を形成させた。毛管反応器を160℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。圧力は、試験中、3時間に亘って一定に保持された。
【0125】
ナノサイズ粒子を含有する水澄明な僅かにアルカリ性(pH=8.4)ゾルを生成物として得た。前記粒子を単離しかつ濃縮するために、前記ゾル100部をアセトン40部と混合し、24時間放置し、粒子を沈殿させた。その後に、遠心分離後に形成された沈殿物を水30部中に取り込み、超音波(Branson Digital Sonifier)の導入によって再分散させた。この再分散させたゾル中のアセトンの残留含量をロータリーエバポレーター上で40゜で取り出した。450nmのフィルター(Millex HV(登録商標)、Millipore Corporation社)を通しての濾過は、ニオブ含有ナノ粒子を含有しかつ7.5質量%の固体含量を有する透明なゾルを生じた。
【0126】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、5〜15nmの範囲内の直径を有する無定形の粒子を示した。
【0127】
この粒子をESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis, Escalab 220 i-XL, Thermo VG Scientific社)およびEDX(Energy Dispersive X-ray Analysis, Philips CM 20)を用いて試験した。この測定は、無定形のNb2O5構造を示した。
【0128】
例10:
ニオビウム含有ナノ粒子を例5と同様の方法によって製造した。
【0129】
出発材料1としてのアンモニウムニオビウムオキサレート(H.C. Starck GmbH社)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのエタノールアミンの1.0モル水溶液を形成させた。毛管反応器を180℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど20ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0130】
ナノサイズ粒子を含有する僅かに乳白色の弱アルカリ性(pH=8.4)ゾルを生成物として得た。粒子を単離するために、このゾルをpHが7.3に低下するまで透析した。その後に、このゾルをロータリーエバポレーター上で蒸発させた。
【0131】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、5〜15nmの範囲内の直径を有する無定形の粒子を示した。
【0132】
この粒子の組成を熱重量により測定した。この測定は、Nb25水和物を示した。
【0133】
例11:
ニオビウム含有ナノ粒子を例5と同様の方法によって製造した。
【0134】
出発材料1としてのアンモニウムニオビウムオキサレート(H.C. Starck GmbH社)の0.2モル水溶液および出発材料2としてのジエタノールアミンの1.0モル水溶液を形成させた。毛管反応器を200℃に加熱し、2つの出発材料をそのつど20ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。
【0135】
ナノサイズ粒子を含有する僅かに乳白色の弱アルカリ性(pH=8.4)ゾルを生成物として得た。粒子を精製するために、このゾルをpHが7.5に低下するまで透析した。その後に、このゾルをロータリーエバポレーター上で蒸発させた。
【0136】
電子顕微鏡による粒径および形態の試験は、5〜15nmの範囲内の直径を有する無定形の粒子を示した。
【0137】
この粒子の組成を熱重量(Mettler Toledo SDTA 851E)により測定した。この測定は、Nb25水和物を示した。
【0138】
例12:
タンタル含有ナノ粒子を例5と同様の方法によって製造した。
【0139】
出発材料1を生じさせるために、蓚酸タンタル水溶液(H.C. Starck GmbH)を水で0.2モル/lのタンタル濃度に希釈した。トリエタノールアミンの2.0モル水溶液を出発材料2として形成させた。
【0140】
45cmの長さを有する毛管反応器を160℃に維持した。
【0141】
2つの出発材料をそのつど10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。圧力は、試験中、1時間に亘って一定に保持された。
【0142】
熱水反応器からの生成物を脱塩水に対して透析する(Visking dialysis tube、 タイプ36/32、Carl Roth GmbH & Co.)ことによって精製した。Ta25ナノ粒子を含有しかつ1.56質量%の固体含量(乾燥された無水状態での酸化物をベースとした)および7.5のpHを有する透明なコロイド化学的に安定したゾルを得た。
【0143】
動的光散乱による粒径の試験は、78nm(輝度平均)または21nm(数平均)の有効な流体力学的直径を有する粒子を示した。
【0144】
この反応の収率は、少なくとも76%であった。
【0145】
比較例:
米国特許第5652192号明細書およびWO 94/01361Aによる比較例
塩化イットリウム0.1モル/l(YCl3)および尿素1.0モル/lを含有する水溶液を出発溶液として形成させた。反応プラントとして、例1のプラントを、1つの出発溶液だけを使用する操作のために、即ち構成要素(ミキサー)を取り外すことによって変更した。毛管反応器を235℃に加熱し、出発溶液を10ml/分の一定の流速でプラントに圧送した。プラントの圧力を試験の開始時に圧力弁の調節によって設定した。
【0146】
20分間に亘る試験中、圧力は、絶えず300バール以上の圧力に上昇し、その結果、試験は、停止された。
【0147】
5.5のpHおよび10.0g/lの固体含量(120℃での乾燥後)を有するコロイド状の不安定な混濁した分散液を生成物として得た。一晩に亘る貯蔵中、この分散液は、沈殿された粒子の部分的な溶解によって澄明になった。
【0148】
この反応の収率は、40%以下であった。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】発明をこれまでのように制限することなく、本方法を実施するための装置の1実施例を示す略図。
【図2】例2からのナノ粒子の構造を示す電子顕微鏡写真(TEM)。
【符号の説明】
【0150】
1 ミキサー、 2 滞留帯域、 3 加熱された毛管反応器、 4 冷却器、 5 圧力弁、 6 出口毛管、 7 生成物容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類金属化合物または他の遷移金属化合物のマイクロ粒子またはナノ粒子を、1つ以上の沈殿試薬を用いて少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液からの前記粒子の均質な沈殿によって製造する方法において、溶剤または溶剤混合物中で可溶性でありかつ処理温度で安定である1つ以上の弱塩基性化合物を沈殿試薬として使用し、沈殿を熱水条件下で実施することを特徴とするマイクロ粒子またはナノ粒子を製造する方法。
【請求項2】
沈殿試薬は、第1アミン、第2アミンまたは第3アミン、アミノアルコールまたはこれらの混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
金属塩および沈殿試薬を最初に互いに溶剤または溶剤混合物中で混合し、均一な沈殿混合物を生じさせ(混合段階)、
その後に、この沈殿混合物の温度を増加させ(沈殿段階)、
沈殿が完結した後に、得られたマイクロ粒子またはナノ粒子を、必要な場合には冷却後に、排出させる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
均一な沈殿混合物を少なくとも2つの出発溶液の混合によって生じさせ、この場合出発溶液の1つは、少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液であり、他の出発溶液は、1つ以上の沈殿試薬を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
混合段階中に、沈殿段階の開始前に金属塩核の形成が最少化されるように設定する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
方法を連続的に操作する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
連続的処理を1個以上のマイクロミキサー(1)、滞留帯域(2)、反応器(3)、冷却器(4)および圧力弁を有する毛管系中で操作する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
毛管反応器中での連続的操作において、混合段階の時間および沈殿段階の時間は、5分未満である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
マイクロ粒子またはナノ粒子をゾルの形、好ましくはコロイド状で安定したゾル、ペーストまたは非ニュートン液体の形で得る、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
マイクロ粒子またはナノ粒子を7〜12、好ましくは7〜10のpHを有するゾルの形で得る、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
希土類金属化合物または他の遷移金属化合物で被覆された無機マイクロ粒子またはナノ粒子を、1つ以上の沈殿試薬を用いて少なくとも1つの相応する希土類金属または遷移金属の金属塩溶液から均質な沈殿によって製造するための請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法において、被覆を2つ以上の出発溶液を有する均一化された沈殿混合物から行ない、この場合出発溶液の1つは、金属塩溶液であり、第2の出発溶液は、無機マイクロ粒子またはナノ粒子を含有し、沈殿剤を2つの出発溶液の1つと一緒に添加するかまたは他の出発溶液と一緒に添加することを特徴とする無機マイクロ粒子またはナノ粒子を製造するための請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、ニオブ化合物またはタンタル化合物、好ましくは酸化ニオブまたは酸化タンタルを含有するナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項13】
請求項12記載のナノ粒子またはマイクロ粒子を含有するゾル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−44833(P2008−44833A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−184451(P2007−184451)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(507239651)ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (59)
【氏名又は名称原語表記】H.C. Starck GmbH
【住所又は居所原語表記】Im Schleeke 78−91, D−38642 Goslar, Germany
【Fターム(参考)】