説明

ナノパターン形成方法および装置

本発明の実施形態は、大面積の基体のナノパターン形成において有用である方法および装置に関し、可動式のナノ構造化されたフィルムは放射線感受性材料をイメージングするために用いられる。ナノパターン形成技術は近接場フォトリソグラフィーを利用し、ナノ構造化されたフィルムは、放射線感受性層に達する光度を調節するために用いられる。近接場フォトリソグラフィーはエラストマー位相シフトマスクを利用してもよく、または、表面プラズモン技術を用いてもよく、ここで可動式のフィルムは金属ナノホールまたは金属ナノ粒子を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、大きい基体、または巻かれた物品として販売される可能性があるフィルムなどの基体をパターン形成するために使用することができるナノパターン形成方法に関する。本発明の他の実施形態は、基体をパターン形成するために使用されてもよい、および記載される種類の方法を含めた方法の実施形態を実施するために使用されてもよい装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この節は、本発明の開示された実施形態に関連する背景主題を記載する。この節で論じられる背景技術が法律的に先行技術を構成するということを、明示的にも暗示的にも表現する意図はない。
【0003】
ナノ構造形成は、多くの用途および産業のため、および開発中の新しい技術のために必要である。効率の改善は、太陽電池およびLEDなどの領域、および例えば、そして限定としてではなく次世代のデータ記憶デバイスにおける現在の用途に対して成し遂げることができる。
【0004】
ナノ構造形成された基体は、例えば電子線直接描画、深紫外線リソグラフィー、ナノ粒子リソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、近接場位相シフトリソグラフィー(near−filed phase shift lithography)、およびプラズモニックリソグラフィー(plasmonic lithography)などの技術を使用して製造されてもよい。
【0005】
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は、インプリントレジストの機械的変形、それに続く後加工によってパターンを作成する。インプリントレジストは、典型的には、インプリンティングの間に熱によってまたはUV光によって硬化される単量体配合物または高分子配合物である。NILの多くのバリーションが存在する。しかしながら、このプロセスのうちの2つが最も重要であると思われる。これらは熱可塑性ナノインプリントリソグラフィー(TNIL)およびステップアンドフラッシュナノインプリントリソグラフィ(SFIL)である。
【0006】
TNILは、最も初期のかつ最も成熟したナノインプリントリソグラフィーである。標準的なTNILプロセスでは、インプリントレジスト(熱可塑性ポリマー)の薄層が試料基体の上へとスピンコーティングされる。次いで、所定の位相幾何学的パターンを有する型がその試料と接触するようにされ、そして与えられた圧力の下でその試料に対して押し付けられる。その熱可塑性ポリマーのガラス転移温度よりも上に加熱されるとき、この型の上のパターンは熱可塑性ポリマーフィルムの融解物へと押し付けられる。押し付けられた型を伴うこの試料が冷却された後、この型はその試料から分離され、このインプリントレジストがその試料基体表面上に残される。このパターンはそのインプリントレジストを貫通しない。試料基体表面の上に残る未変化の熱可塑性ポリマーフィルムの残留厚さが存在する。反応性イオン・エッチングなどのパターン転写プロセスを、そのレジストにあるパターンを下にある基体へと転写するために使用することができる。未変化の熱可塑性ポリマーフィルムの残留厚さのばらつきは、そのパターンを基体へと転写するために使用されるエッチングプロセスの均一性および最適化に関する問題を呈示する。
【0007】
フィンランドの技術研究センターであるVTTのTapio Makelaらは、高スループットでサブミクロンの構造体を製造するための専用の、特注の実験室スケールのロールツーロールインプリンティングツールについての情報を公開した。日立(Hitachi)等は、シートまたはロールツーロール基本型のNIL機を開発し、15メートル長のシートを加工する能力を実証した。目標は、燃料電池、バッテリおよび場合によりディスプレイ用の膜などの大きい幾何構造用途のためのポリスチレンシートをインプリントするための、ベルトモール(ニッケルメッキされた型)を使用する連続インプリントプロセスを創出することであった。
【0008】
プリンストン大学のHua Tanらは、ローラーナノインプリントリソグラフィーの2つの実施について出版している。すなわち、平らで固い基体上に円筒形の型をローリングすること、および、基体上に直接平らな型を押して、型の上で平滑なローラをローリングすることである。両方の方法ともTNILアプローチに基づいており、ローラ温度はガラス遷移温度、すなわちレジスト(PMMA)のTgより上に設定され、他方でプラットフォームはTg以下の温度に設定される。現在、そのプロトタイプツールは所望のスループットを提供しない。さらには、インプリントされた表面についての信頼性および再現性を改善する必要が存在する。
【0009】
SFILプロセスでは、UV硬化性液体レジストが試料基体へと付与され、型は溶融シリカなどの透明な基体で作られる。この型および試料基体が一緒に押し付けられた後に、レジストはUV光を使用して硬化され、固体になる。硬化されたレジスト材料からのその型の分離後、TNILで使用されたパターンと類似のパターンが、そのパターンを下にある試料基体へ転写するために使用されてもよい。韓国機械研究院のDae−Geun Choiは、フッ素化された有機−無機のハイブリッドの型を、ナノインプリントリソグラフィーのためのスタンプとして用いることを提案しており、これは、基体材料からそれを離型するための反静摩擦層(anti−stiction layer)を必要としない。
【0010】
ナノインプリントリソグラフィーはレジストの機械的変形に基づくため、スタティックステップアンドリピートまたはロールツーロールの実施において、SFILおよびTNILプロセスの両方に多数の難題が存在する。これらの難題は、テンプレートの寿命、スループット率、インプリント層の許容差、およびそのパターンを下にある基体に転写する間の限界寸法制御が挙げられる。インプリンティングプロセス後に残る残留するインプリントされない層は、主たるパターン転写エッチングに先立ってさらなるエッチング工程を必要とする。ネガ型パターンの不十分な充填および縮小現象(これはポリマー材料についてしばしば生じる)によって欠陥が生成され得る。型と基体との間の熱膨張係数の差は、横方向の歪みを生じ、こうした歪みはパターンの角に集中する。この歪みは欠陥を誘発し、離型工程の間にこのパターンの基礎部分で破壊欠陥を引き起こす。
【0011】
ソフトリソグラフィーは、マイクロファブリケーションおよびナノファブリケーションの方法としてフォトリソグラフィーに代わるものである。この技術は、自己組織化単分子層のレプリカ成形に関連する。ソフトリソグラフィーでは、表面上にパターン形成されたレリーフ構造を有するエラストマーのスタンプが使用されて、30nm〜100nmの範囲の加工寸法を有するパターンおよび構造が生成される。最も有望なソフトリソグラフィー技術は、自己組織化した単分子層(SAMS)を用いるマイクロコンタクトプリンティング(μCP)である。μCPの基本的プロセスは、以下を含む。1.ポリジメチルシロキサン(PDMS)の型が特定の物質の溶液の中へと浸漬される。この特定の物質は、自己組織化した単分子層(SAM)を形成することができる。このような特定の物質はインキと呼ばれてもよい。この特定の物質は、このPDMSのマスター表面上の突き出ているパターンに付着する。2.このPDMSの型は、この物質でコーティングされた表面を下方向に向けて、金または銀などの金属コーティングされた基体の表面と接触され、その結果、PDMSの型の表面上のパターンだけがこの金属コーティングされた基体と接触する。3.この特定の物質はその金属と化学結合を形成し、その結果、突き出ているパターン表面上にある特定の物質だけが、このPDMSの型を取り除いた後に、金属コーティングされた表面上にいまだ残る。この特定の物質は、金属コーティングされた基体上で、(まさに一片の紙の上のインキのように)その金属コーティングされた表面の上におよそ1〜2ナノメートル延在するSAMを形成する。4.このPDMSの型は、その基体の金属コーティングされた表面から取り除かれ、パターン形成されたSAMをその金属コーティングされた表面上に残す。
【0012】
光リソグラフィーは、ナノインプリントリソグラフィーのように、レジスト材料の機械的変形または位相変化を用いず、ソフトリソグラフィーのように材料管理の問題を有さないので、より良い加工部分のレプリケーションの精度およびさらなる製造性の高い処理を提供する。通常の光リソグラフィーは回折によって解像度に限界があるが、近接場エバネッセント効果に基づくいくつかの新しい光リソグラフィー技術は、小面積の上だけではあるが、サブ100nm構造をプリンティングすることにおいて優位点をすでに実証した。近接場位相シフトリソグラフィー(near−field phase shift lithography)NFPSLには、エラストマーの位相マスクがフォトレジストと共形接触にある間に、フォトレジスト層をそのマスクを通過する紫外(UV)光に曝露することが関与する。エラストマーの位相マスクをフォトレジストの薄層と接触させると、このフォトレジストがこのマスクの接触表面の表面を「濡らす」ということが引き起こされる。マスクがフォトレジストに接触している間にUV光にこのマスクを通過させると、そのフォトレジストは、そのマスクの表面を作り上げる光の強度の分布に露光される。透過光の位相をπだけ調節するように設計されたレリーフの深さを有するマスクの場合は、強度の局所的なゼロが、レリーフのステップのエッジに現れる。ポジ型フォトレジストが使用される場合、このようなマスクを通しての露光、それに続く現像により、強度ゼロの特徴的な幅に等しい幅を持つフォトレジストの線が得られる。従来のフォトレジストと組み合わせた365nmの(近紫外線)光については、強度ゼロの幅はおよそ100nmである。PDMSマスクは、フォトレジストの平坦な、固体層との共形の、原子スケールでの接触を形成するために使用することができる。この接触は、加えられる圧力なしに、接触の際に自然発生的に確立される。全体にわたる接着力はこのプロセスを案内し、そして完全な接触を確立するために、そのマスクをそのフォトレジスト表面に対して法線方向にある角度および位置に整列させる単純かつ簡便な方法を提供する。このフォトレジストに対する物理的間隙は存在しない。PDMSは、300nmを超える波長を有するUV光に対しては透明である。PDMSがフォトレジストの層に共形接触している間に水銀ランプ(主なスペクトル線は355〜365nmである)からそのPDMSを通って光を通過させると、そのフォトレジストは、そのマスクで生成する強度分布に曝される。
【0013】
2006年のthe 32nd International Conference on Micro and Nano Engineeringにおける、「Near−Field Lithography as a prototype nano−fabrication tool(基本型ナノファブリケーションツールとしての近接場リソグラフィー)」と題するプレゼンテーションで、Yasuhisa Inaoは、キャノン(Canon,Inc.)によって開発されたステップアンドリピート近接場ナノリソグラフィーを説明した。マスクとパターンが転写されることになるフォトレジストとの間の距離ができるだけ近いところでは、近接場リソグラフィー(NFL)が使用される。このマスクとウェーハ基体との間の最初の距離は約50μmに設定された。このパターン形成技術は、非常に薄いフォトレジストを使用する「3層レジストプロセス」として説明された。パターン転写マスクが圧力容器の底部に取り付けられ、そのマスクとウェーハ表面との間の「完全な物理的接触」を成し遂げるために、加圧された。このマスクは、「そのウェーハにフィットするように変形され」た。このマスクとウェーハとの間の最初の50μmの距離は、このマスクが5mm×5mmを超える面積の露光およびパターニングのための別の位置へと移動することを可能にすると言われている。このパターニングシステムは、光源としての水銀ランプからのi線(365nm)放射線を利用した。50nmよりも小さい構造を有する4インチ(約10cm)のシリコンウェーハの成功裏のパターニングは、このようなステップアンドリピート法によって成し遂げられた。
【0014】
非特許文献1において、Kunzらは、近接場位相シフトマスクリソグラフィーを、剛直な溶融シリカマスクおよび深UV波長の露光を使用する柔軟性のあるシート(ポリイミドフィルム)のナノパターン形成に適用した。非特許文献2において、Mariaらは、フォトレジストの層と共形接触にある2成分からなるエラストマーマスクを使用する位相シフトフォトリソグラフィー技術の実験による研究およびコンピュータによる研究を提示した。この研究は、SiO2/Si上の単結晶シリコンの異方的にエッチングされた構造に接してプレポリマーをキャストし、それをエラストマーポリ(ジメチルシロキサン)へと硬化することによって形成された最適化されたマスクを組み込む。著者らは、マスク上のレリーフの幾何構造全体の中にレジスト加工部を形成するためにそのPDMS位相マスクが使用できるということについて報告する。
【0015】
2004年6月22日に発行された、発明の名称「Transparent Elastomeric,Contact−Mode Photolithography Mask,Sensor,and Wavefront Engineering Element(透明なエラストマーの、接触様式フォトリソグラフィマスク、センサ、および波面工学要素)」のRogersらに対する特許文献1は、複数のくぼみおよび突起を有する回折表面を備える接触様式フォトリソグラフィー位相マスクを記載する。この突起は、ポジ型フォトレジストの表面と接触するようにされ、この表面は位相シフトマスクを通して電磁放射線に曝される。突起と対向しているくぼみを通過する放射線に起因する位相シフトは実質的に完結している。これにより、電磁放射線の強度の最小値は、そのくぼみと突起との間の境界で生成される。このエラストマーマスクはこのフォトレジストの表面によく一致し、このフォトレジストの現像後、100nmより小さい加工部を得ることができる(要約)。1つの実施形態では、その基体および接触マスクの外部で反射性プレートが使用され、そのため、放射線は、シフトした位相で所望の場所へと跳ね返されるであろう。別の実施形態では、この基体は、位相シフトマスクの変形を引き起こして露光の間の位相シフトマスクの挙動に影響を及ぼす様式で形作られてもよい。
【0016】
近接場表面プラズモンリソグラフィー(Near Field Surface Plasmon Lithography、NFSPL)は、ナノ構造を製造するための光化学的変化または光物理的変化を誘発するために近接場励起を利用する。主な近接場技術は、表面プラズモン共鳴周波数で照射されたときの、金属ナノ構造の周りの局所場での増強に基づく。プラズモンプリンティング(plasmon printing)は、金属ナノ構造の下の層に光化学的変化または光物理的変化を生成するための、その金属ナノ構造を通る、プラズモンに案内されたエバネッセント波の使用からなる。特に、g線フォトレジスト(ドイツ、ウルム(Ulm)のマイクロケミカルズ(MicroChemicals GmbH)、エーゼット−エレクロトニック・マテリアルズ(AZ−Electronic Materials)から入手できるAZ−1813)の薄膜にごく近接した銀ナノ粒子の可視光への露光(λ=410nm)は、λ/20よりも小さい直径を有する選択的に露光された領域を生成することができる。W.Srituravanichらは、非特許文献3において、励起光波長に比べて効果的により短い波長を用いてサブ波長の周期的な開口部を通る透過を増強するための、金属基体上のSPを励起するための近紫外光(λ=230nm〜350nm)の使用を記載する。UV範囲でのリソグラフィー用に設計されたプラズモンマスクは、二次元の周期的な穴のアレイで穿孔したアルミニウム層および2つの囲む誘電体層(各側に1つある)から構成される。アルミニウムはUV範囲でSPを励起できるため、アルミニウムが選択される。マスク支持基体として石英が用いられ、これとともに、このアルミニウム箔に対する接着剤としておよびアルミニウムと石英との間の誘電体として作用するポリ(メタクリル酸メチル)スペーサ層も用いられる。ポリ(メタクリル酸メチル)は石英と組み合わせて使用される。なぜなら、露光波長(365nmのi線)においてはUV光に対してそれらは透明であり、かつ同等の誘電率(石英およびPMMA、それぞれ2.18および2.30)を有するからである。170nmの周期でサブ100nmのドットアレイパターンが、365nm波長の露光放射線を使用して成功裏に生成された。見かけ上、パターニングの総面積は約5μm×5μmであったが、規模拡大可能性の論点は上記論文では論じられていない。
【0017】
Joseph Martinは、特許文献2において、近接場リソグラフィーのための近接マスキング装置を提案しており、光の内部反射のために、金属フィルムで覆われた円筒形のブロックが、シリンダーの一端(シリンダの底)に対して光を案内するために用いられ、これは、近接場露出のために用いられる表面レリーフのパターンを含む。このブロックは、サンプル上のフォトレジストから一部の近い距離(「非常に僅かだがゼロではない」)に保たれている。シリンダーは、フォトレジスト領域をパターン形成するために用いられる一部の精密機械を用いて、水平方向に向けられる。
【0018】
光リソグラフィーのためにローラを用いることについて開示された考えは、「Large Area Exposure Apparatus」と題された、1984年11月13日公開の特許文献3にのみ見出すことができる。青木寿男(Toshio Aoki)らは、透明円筒ドラムであって、内部光源、および円筒ドラムの外側に取り付けられたパターン形成されたフォトマスク材料のフィルムとともに回転および前進できる透明円筒ドラムの使用を記載する。透明な熱反射性材料のフィルムはこのドラムの内部に存在する。表面上にアルミニウム膜およびこのアルミニウム膜の上にあるフォトレジストを有する基体は、このドラム表面上のパターン形成されたフォトマスクと接触されて、イメージング光は、このフォトマスクを通過してこのアルミニウム膜の表面上のフォトレジストをイメージングする。このフォトレジストは、その後現像されて、パターン形成されたフォトレジストを与える。次いでこのパターン形成されたフォトレジストは、その基体上に存在するアルミニウム膜に対するエッチングマスクとして使用される。
【0019】
フォトマスクフィルムとして、またはそのアルミニウム膜の表面上のフォトレジストとして使用された材料の種類に関する記載はない。高圧水銀ランプ光源(500W)が、アルミニウム膜の上にあるフォトレジストをイメージングするために使用された。約210mm(8.3インチ)×150mm(5.9インチ)および厚さ約0.2mm(0.008インチ)のガラス基体は、円筒ドラムパターン転写装置を使用して製造された。この技術を使用して転写されたパターンの加工寸法(feature size)は、見かけ上は約22.2μm×22.2μmの寸法を有する正方形であり約500μmであった。この加工寸法は、当該特許出願が1984年に出願された当時のLCDディスプレイのおよその画素サイズに基づいていた。この円筒ドラムの外部にあるフォトマスクフィルムは、およそ140,000パターン転写持ちこたえると言われていた。青木寿男らによって使用された接触リソグラフィースキームは、サブミクロンの加工部(feature)を製造することはできない。
【0020】
ナノインプリンティング方法(熱硬化またはUV硬化)またはSAM材料を用いたプリンティングを用いるソフトリソグラフィーが製造性の高いプロセスであるようにはみえない。一般に、インプリンティング方法は、熱処理(例えば熱NIL)に起因する基体材料の変形、またはポリマーが硬化するとなるパターン加工部(UV硬化した高分子の加工部)の収縮を生み出す。スタンプと基体との間の圧力(ハードコンタクト)が付与されることに起因して、実質的に、欠陥は回避することはできず、スタンプは非常に限られた寿命を有する。ソフトリソグラフィーは、それが熱および負荷のない(無応力の)プリンティング技術であるという点でたしかに利点を有する。しかしながら、100nm未満のパターンのための「インク」としてのSAMの使用は、表面上の分子の移動(drafting)に起因して非常に問題含みであり、大面積への適用は実験的にも確認されていない。
【0021】
初期の研究者は、特許文献4および特許文献5において記載された近接場光リソグラフィーに基づいて、大面積の剛性かつ可撓性の基体材料をナノパターン形成する方法を提案している。ここで回転可能な円筒形または円錐形のマスクは放射線感受性材料をイメージングするために用いられる。このナノパターン形成技術は近接場フォトリソグラフィーを用い、基体をパターン形成するために用いられるマスクは、基体と接触する。近接場フォトリソグラフィーは、エラストマー位相シフトマスクを利用してもよく、あるいは、表面プラズモン技術を利用してもよく、ここで回転シリンダー表面は金属のナノホールまたはナノ粒子を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第6,753,131号
【特許文献2】米国特許第5,928,815号
【特許文献3】特開59200419A
【特許文献4】国際公開第2009094009号
【特許文献5】米国特許出願第20090297989号
【0023】
【非特許文献1】「Large−area patterning of 50 nm structures on flexible substrates using near−field 193 nm radiation(近接場193nm放射線を使用するフレキシブル基板上の50nm構造の大面積パターニング)」JVST B 21(2002),ページ78−81
【非特許文献2】「Experimental and computational studies of phase shift lithography with binary elastomeric masks(2成分からなるエラストマーマスクを用いる位相シフトリソグラフィーの実験による研究およびコンピュータによる研究)」、JVST B 24(2)(2006)ページ828−835
【非特許文献3】「Plasmonic Nanolithography(プラズモンナノリソグラフィー)」、Nanoletters V4,N6(2004),pp.1085−1088
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の実施形態は、大面積の基体、剛性で平らな、または湾曲した物体、あるいは可撓性のフィルムをナノパターン形成することにおいて有用である方法および装置に関する。ナノパターン形成技術は、近接場UVフォトリソグラフィーを利用し、ここで基体をパターン形成するために用いられるマスクは、基体と接触する。近接場フォトリソグラフィーは、位相シフトマスクまたは表面プラズモン技術を含んでもよい。近接場マスクは、可撓性のフィルムから製造され、これは、所望されるパターンに従ってナノ構造化されていない。位相シフトの方法において、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)のフィルムなどのナノ構造化されていないエラストマーフィルムを用いることができる。ナノ構造化は、レーザ処理、選択エッチング、または他の利用可能な技術を用いてなすことができ、あるいは、公知のナノファブリケーション方法(電子線描画、ホログラフィックリソグラフィー、レーザ直接描画、またはナノインプリントステップアンドリピート、あるいは、ロールツーロールリソグラフィー等)を用いて作られる、ナノ構造化された「マスター」からのレプリケーション(モールディング、キャスティング)によってなすことができる。このフィルムは別の透明な可撓性フィルム(キャリア)によってサポート可能である。プラズモン方法において、上述の方法の1つを用いて、または、例えば、コロイド溶液から堆積された金属ナノ粒子を堆積させることによって作られた、ナノホール構造を有する金属層を用いるフィルムを用いることができる。近接場リソグラフィーのための均一の接触領域を提供するために、我々は、基体上において、エラストマーのフィルムとフォトレジスト層との間の静摩擦のファンデルワールス力に依拠する。あるいは、透明シリンダーが、ナノ構造化されたフィルムと基体との間の制御可能な接触を提供するために用いられる。このようなシリンダーは、可撓性の壁を有してもよく、かつ、ナノ構造化されたフィルムと基体との間の制御可能な圧力を提供するためにガスによって加圧されることができる。
【0025】
本発明の例示的な実施形態が達成される方法は、上記で提供された特定の記載を参照し、かつ、出願人が図面を提供している例示的な実施形態の詳細な記載を参照して、明らかとなり、かつ詳細に理解可能である。本発明の例示的な実施形態を理解するのに必要な場合にのみ図面が提供され、所定の周知のプロセスおよび装置は本開示の主たる事項の発明的な性質を曖昧にしないように、本明細書において図示されていないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1Aは、位相シフトマスク特性を有する、可撓性のナノ構造化されたフィルム1の実施形態の断面図を示す。表面レリーフナノ構造3は、フィルム2の表面の1つの上に作られている。図1Bは、プラズモンマスク特性を有する、可撓性のナノ構造化されたフィルム1の実施形態の断面図を示す。ナノホールのアレイがフィルムに作られるか、またはナノ粒子のアレイがその表面上に堆積される。
【図2】図2は加工を開始する前の、提案されたナノパターン形成システムを示す。ナノ構造化されたフィルム1はサポートドラム4および5周囲に巻きつけられている。基体6はその表面上に堆積されたフォトレジスト層7を有する。
【図3】図3は別の実施形態を示し、ナノ構造化されたフィルム1は1つのロール4から別のロール5へと巻かれることができる。
【図4】図4は、フィルム1が、可動式アーム8を用いて、フォトレジスト7と接触する場合の、加工の開始点を示す。
【図5】図5は、アーム8がフィルム−基体接触から取り除かれ、基体6が一方向に移動し、UV光源7がフィルムと基体との間の接触領域を照射する場合の、パターン形成プロセスを示す。
【図6】図6は別の実施形態を示し、ナノパターン形成されたフィルムが、著しく大きな表面領域において、基体に接触している。
【図7】図7は実施形態を示し、透明シリンダー11が、ナノ構造化されたフィルム1を、基体6上のフォトレジスト7と接触させるために用いられている。
【図8】図8は実施形態を示し、基体は可撓性のフィルム12であり、1つのロール14から別のロール13へと移動可能である。
【図9】図9は実施形態を示し、基体は両側からナノパターン形成される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な記載の前置きとして、留意すべきは、本明細書および特許請求の範囲の請求項において用いられているように、単数の形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別意を指示していないならば、複数の指示対象物を含む。
【0028】
用語「約、およそ」が本出願において用いられる場合、これは、提示された名目上の値は±10%以内の精度であることを意味することが位置される。
【0029】
本発明の実施形態は、大面積の基体のナノパターン形成において有用である方法および装置に関し、可撓性のナノ構造化されたフィルムは放射線感受性材料を描画(イメージング)するために用いられる。ナノパターン形成技術は近接場フォトリソグラフィーを利用し、基体上において放射線感受性層をイメージングするために用いられる放射線の波長は650nm以下であり、基体をパターン形成するために用いられるマスクは基体と接触する。近接場フォトリソグラフィーは位相シフトマスクを利用してもよく、または、表面プラズモン技術を用いてもよく、可動式の可撓性フィルムの表面上の金属層はナノホールを含むか、あるいは、金属のナノ粒子がこのような可撓性フィルムの表面上に分散されている。以下で提供される詳細な記載は、本出願の開示内容を読了後、当業者によって認識されるであろう可能性のサンプリングである。
【0030】
それらの実施形態の1つは、位相シフトマスクのアプローチを提案し、可撓性のナノ構造化されたフィルムによって実施される。このような可撓性のナノ構造化されたフィルムと基体との間の均一かつ永続的な接触を提供することの問題は、強いが一時的な接着をフォトレジスト層に対して作ることのできる材料からこのフィルムを製造することによって解消される。このような材料の一例は、エラストマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。PDMSフィルムは、平らで、固体のフォトレジストの層との共形の、原子スケールでの接触を形成するために用いられ得る。この接触は、加えられる圧力なしに、接触の際に自然発生的に確立される。このようなフィルムの図は図1Aに示されており、ここでフィルム2は透明表面レリーフの形態でナノ構造3を有する。
【0031】
フィルム2は、1つの材料(例えばPDMS)から作られていてもよく、あるいは、2つ以上の材料からなる複合体または複数層から作られていてもよく、例えば、ナノ構造化されたPDMSは、透明および可撓性のサポートフィルム上に積層または堆積され得る。そのようなサポートフィルムは、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非結晶フッ素ポリマー(fluoric−polymer)、例えばCYTOP、ならびに他の材料から作られ得る。透明な可撓性のサポートフィルム上のPDMSの堆積は、例えば浸漬、噴霧、またはキャスティング等の利用可能な技術の1つを用いてなされることができる。サポートフィルムは、酸素プラズマ、UVオゾン、コロナ放電、または、シラン等、エラストマーのフィルムと高分子フィルムサポートとの間のより良い接着を促進するための接着促進剤を用いて処理可能である。
【0032】
フォトレジストと動的な接触を生成するために、エラストマーの代わりに用いることのできる「粘着性の」材料の別の実施形態は、架橋シラン材料である。このような材料は、多量の水/湿気を用いたシラン前駆体(自己組織化した単分子層、SAMを堆積するために通常用いられる)から堆積可能である。例えば、DDMS(ジクロロジメチルシラン)は、多量の湿気と共に堆積された場合、非常に粘着質な表面を作る。この実施形態において、キャリア層は、公知のナノ構造化技術の1つ(好ましくはロールツーロールナノインプリンティングリソグラフィー)を用いてナノ構造化され、次いで、シラン材料でコーティングして「粘着性」を提供する。
【0033】
位相シフトリソグラフィーのための表面レリーフは、以下の方法の任意を用いてエラストマーまたはシランフィルムにおいて作られてよい:まず、「ナノ構造化された「マスター」が、利用可能なナノファブリケーション技術(深UVステッパー、電子ビーム、イオンビーム、ホログラフィ、レーザ処理、エンボス加工、ナノインプリンティング、および他)の1つを利用して得られることができる。第2に、所望されるナノ構造のレプリカは、例えば、ロールツーロールモードまたはステップアンドリピートモードにおいて、キャスティングまたはモールディングを用いて、エラストマーのフィルムの表面上にそのようなマスターから得られることができる。
【0034】
別の実施形態は、キャリア層は、公知のナノ構造化技術(好ましくは、ロールツーロールのナノインプリンティングリソグラフィー)の1つを用いてナノ構造化され、次いで、エラストマー材料(PDMS等)でコーティングし、または、(DDMS等)のシラン材料でコーティングして、「粘着性」を提供する。
【0035】
このようなマスクのナノ構造は、位相調整器として機能するように設計可能であり、この場合、加工部(feature)の高さはπに比例すべきである。例えば露出365nmの波長について、屈折率1.43を有するPDMS材料は、位相シフト効果を生じるために、約400nmの深度を有する加工部を有するべきである。この場合、光度の局所的最小は、マスクのステップ端において生じる。例えば、20nmから150nmの線は、位相シフトマスクにおける表面レリーフエッジの位置に対応するフォトレジストにおいて得られることができる。従って、このリソグラフィーは、イメージ収縮特性(image reduction property)を有し、ナノ構造は、マスク上で、さらに大きな加工部を用いて達成可能である。
【0036】
別の実施形態は、1:1のレプリケーションマスクとして機能する可撓性のマスク上にナノ構造を用いている。以前の刊行物において証明されているが、例えば、Tae−Woo Leeらは、Advanced Functional Materials, 2005年, 15,1435において、フォトレジストの露出および現像の特定のパラメータに依存して、マスクからフォトレジストまでの加工部の1:1のレプリケーション、または、同じエラストマーのマスク上の表面レリーフエッジ上の位相シフトを用いて、加工部サイズの収縮を達成可能である。特に、通常の露出量および現像時間よりも露出不足または現像不足は、マスクの非接触領域および接触領域における効率的な露出量との間での著しい差を生じる。これは、ポジ型またはネガ型のトーンにおいて(フォトレジストのタイプに依存して)、マスクからフォトレジストへの、1:1のレプリケーションを生成するために用いられることができる。
【0037】
別の実施形態はプラズモンマスクのアプローチを提案する。このようなプラズモンフィルムは、所望されるパターンに従ったナノホールのアレイを有する、図1Bに示された可撓性の金属フィルムであってよい。あるいは、金属層は可撓性の透明フィルム上に堆積される。金属層のパターン形成は、利用可能なナノパターン形成技術(深UVステッパー、電子ビーム、イオンビーム、ホログラフィ、レーザ処理、エンボス加工、ナノインプリンティング、および他)のうちの1つを用い、続いて、金属層エッチングを用いてなされることができる。
【0038】
あるいは、ナノパターン形成は、透明フィルム上で上述の方法を用いて製造可能であり、次いで、金属材料は、ナノパターン形成されたレジスト上に堆積され、続いて、金属層のリフトオフが可能である。
【0039】
さらに別の実施形態は、プラズモンマスクを生成するために、可撓性の透明フィルムの表面上に、制御可能な方法において分配された金属ナノ粒子を用いる。例えば、メタルナノ粒子は、PDMS材料を可撓性の透明なサポートフィルム上に堆積させるのに先立って、液相にてPDMS材料で混合可能である。あるいは、金属ナノ粒子は、エラストマー層において製造されたナノテンプレート上に堆積可能である。
【0040】
ナノ構造化されたフィルムは、サポートドラム4および5周囲に巻かれることができ、図2に示すように、制御可能なテンションにて保たれることができる。
【0041】
あるいは、ナノ構造化されたフィルムは、図3に示すように、1つのロール4から別のロール5へと巻かれることができる。
【0042】
プロセスは、図4に示すように、可動式のアーム8を用いて、ナノ構造化されたフィルム1を、基体6上に堆積されたフォトレジスト7と接触させることによって開始する。このような接触は、ファンデルワースル力を利用しており、フィルムを、フォトレジストに一時的にくっつける。次いで、図5に示すように、可動式のアーム8は、フィルム−基体接触から取り除かれ、光焦点、コリメート、またはフィルタリングのシステム9を含み得る光源がオンにされ、フィルム−基体接触の領域への露出を提供し、基体6は、一定または可変の速度を用いて、ある方向に移動される。このような移動は、フィルムをも、その移動方向に移動させて、フィルム上に作られるナノ構造に依存して、同じまたは異なるパターンに対して、基体の異なる部分を露出させる。
【0043】
別の実施形態は、図6に提示されているが、より広い領域に亘ってフォトレジストと接触するナノ構造化されたフィルムを示す。この接触領域は、基体がある方向に移動を開始するや否や、移動を開始する。ナノ構造化されたフィルムと基体との間の接触領域の幅は、基体6と、ドラム4および5との間の相対的位置を変化させることによって、ならびに、ナノ構造化されたフィルム材料の粘着性を変化させることによって変更可能である。この構成はまた、光に対するナノ構造化されたフィルムの露出の領域を増加させることが可能であり、これにより、動的な露出量の増加に起因して、本方法のスループットを改善するのを助ける。
【0044】
ナノ構造化されたフィルム表面接触が十分に粘着質ではない場合(例えば、プラズモンマスクのアプローチの場合などのように)、可動式のアームは、引っ込まず、ナノ構造化されたフィルムと基体との間の制御可能かつ均一の圧力を保つ。例えば、可動式のアームは、図7に示すように、透明のシリンダー1の形態において製造可能である。このシリンダーは、ナノ構造化されたフィルムと基体との間の制御可能かつ均一の接触を提供する機械的システムによって作動される。この場合、照明9の光源はそのようなシリンダー内部に配置可能である。
【0045】
このようなシリンダーは、透明な可撓性材料から作製可能であり、かつガスによって加圧可能である。このような場合、マスクと基体との間の接触領域および圧力は、ガスの圧力によって制御可能である。
【0046】
ガスは、可撓性−壁シリンダーを介して一定して流れることができ、必要な制御可能な圧力を生成し、同時に、このシリンダー内に配置された光源を冷却する。
【0047】
開示されたナノパターン形成方法は、図8に示すように、可撓性フィルム12をパターン形成するために利用可能であり、フィルムは、露出の間、1つのロール14から別のロール13へと移動可能である。
【0048】
開示されたナノパターン形成方法は、図9に示すように、両側から、剛性または可撓性の材料をパターン形成するために用いられることができる。
【0049】
開示されたナノパターン形成方法は、図10に示すように、非平坦または湾曲の基体をパターン形成するために用いられることができる。図10aは、可動式のアーム上にあるシリンダーが基体の湾曲に従っている仕方を示し、図10bは、可撓性−壁ガス加圧シリンダーが基体の湾曲に従っている仕方を示す。後者の場合、垂直方向にアームを移動させる代わりに、湾曲によって生じる基体の高さの偏差に対応するためにシリンダー内の圧力を調節することができる。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノパターン形成方法であって、
(a)基体を提供する工程であって、前記基体はその表面上に放射線感受性層を有する、工程と、
(b)可動式のナノ構造化されたフィルムを提供する工程と、
(c)前記ナノ構造化されたフィルムを、接触表面に沿って、前記基体上の前記放射線感受性層と接触させる工程と、
(d)前記フィルムに対して前記基体を移動させる間に、前記接触を介して放射線を分散させる工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ナノ構造化されたフィルムは、放射線感受性層の面において、光度の調節を生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノ構造化されたフィルムは表面レリーフを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノ構造化されたフィルムは、前記放射線感受層において、干渉パターンを形成するために放射線を生じる位相シフトマスクである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノ構造化されたフィルムは共形のエラストマー材料からできている、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ナノ構造化されたフィルムは、2つ以上の透明な可撓性材料の層からできている、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
外側層はエラストマー材料でできている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外側層はシラン材料でできている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記表面レリーフは、ナノ構造化されたマスター基体から、モールディングまたはキャスティングによって作製される、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記共形のナノ構造化されたフィルムはプラズモンマスクである、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記プラズモンマスクは、ナノホールのアレイを有する金属フィルムでできている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プラズモンマスクは、透明な可撓性フィルム上に堆積または積層された、ナノパターン形成された金属層を用いてできている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記プラズモンマスクは、透明な可撓性フィルム上に堆積された金属ナノ粒子のアレイによって形成される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ナノ構造化されたフィルムと放射線感受性層との間の前記接触は、可動式のアームを用いてなされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記可動式のアームは、感光性層の露出の間、前記接触から取り除かれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記可動式のアームはシリンダーであり、前記シリンダーは回転され、同時に、前記ナノ構造化されたフィルムと接触する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記シリンダーは可撓性の壁を有し、ガスによって加圧される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
光源は、前記シリンダー内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記基体は、接触ラインからの放射線の分散の間、前記ナノ構造化されたフィルムの接触ラインに向かう方向に、または、前記ナノ構造化されたフィルムの接触ラインから離れる方向に、移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ナノ構造化されたフィルムは閉ループにて移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記ナノ構造化されたフィルムはロールからロールへと移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記基体は剛性のプレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記基体は湾曲を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記基体は可撓性のフィルムである、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
さらなるナノ構造化された可撓性のフィルムおよび光源が、前記基体の両側におけるナノパターン形成のために、両側表面上に、感光性の層でコーティングされた前記基体の他方の側上に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
ナノパターン形成を実行するための装置であって、
(a)ナノ構造化されたフィルムと、
(b)前記ナノ構造化されたフィルムの一部を介して、650nm以下の波長の放射線を供給し、同時に、前記一部は、放射線感受性材料の層と接触している、放射線源と
を備える、装置。
【請求項27】
ナノ構造化されたフィルムは表面レリーフを有するポリマーである、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
ナノ構造化されたフィルムは、孔の開いた金属フィルムまたは、金属ナノ粒子を有する高分子フィルムである、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記ナノ構造化されたフィルムは2つ以上の層を有する、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
可動式のシリンダーは、前記放射線感受性層と接触するナノ構造化されたフィルムを制御するために提供される、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記シリンダーはガスによって加圧される、請求項30に記載の装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517625(P2013−517625A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548955(P2012−548955)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/000029
【国際公開番号】WO2011/087896
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(313000324)
【Fターム(参考)】