ナノ構造体チップの製造方法
カーボンナノチューブチップを有する複数の装置の製造方法であって、複数の前駆体チップ(202)を備えた第1面(102)を有する第1基板(100)を提供し、第1面(102)に面する第2面(302)を有する第2基板(300)を提供し、実質的にすべての前駆体チップ(202)にカーボンナノチューブチップを生成し、第2面(302)と前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部との間に電位を印加することを有する製造方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ構造体チップの製造方法に関し、より詳細には、カーボンナノチューブAFMチップの製造方法に関する。
【0002】
本出願は、35USC.§119(e)の規定に従い2003年11月6日付け出願の米国特許出願第60/518,384号に基づく優先権を主張するものである。上記の出願の内容はすべてこの参照により開示に含まれる。
【背景技術】
【0003】
カーボンナノチューブは、炭素系分子構造で、数ナノメートルの直径及び数ナノメートルから数マイクロメートルの長さを有し得る。カーボンナノチューブは、独特な機械的・電気的物性を有し、様々な用途に利用することができる。例えば、カーボンナノチューブは、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy;AFM)のプローブチップとして使用することができる。
【0004】
この原子間力顕微鏡は、試料表面あるいは試料表面の近傍をプローブチップで掃引することにより、試料からの画像を得るためにプローブチップを使用する。カンチレバーに装着したプローブチップを試料の表面全体で掃引し、プローブチップが試料の位相を追跡して試料の画像を生成しながらカンチレバーの変位を記録することができる。例えば、プローブチップが試料の表面全体を掃引している間、レーザービームによりカンチレバーの背部表面を照射し、カンチレバーの表面からの反射光の角度あるいは位置の変化からカンチレバーの移動量を測定することができる。AFMで取得された画像の解像度は、プローブチップのサイズ及び形状と関連し、直径が小さく、直径対長さであるアスペクト比が高いチップは、横縦方向の小さい形状を解像するのに使用することができる。カーボンナノチューブは、非常に強度があり、ユーザーのニーズに合わせて様々な長さ及びアスペクト比に作ることができるので、AFMのプローブチップとして有用である。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,346,189号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0178846号明細書
【非特許文献1】リー(Li)及びリュー(Liu)の「Preparation of Monodispersed Fe−Mo Nanoparticels as the Catalyst for CVD Synthesis of Carbon Nanotubes(カーボンナノチューブのCVD合成用の触媒としての単分散Fe−Moナノ粒子の製造)」(Chem. Matter、第13巻、1008〜14頁、2001年)
【非特許文献2】リミン・ホォアン(Limin Huang)、シャオドング・クイ(Xiaodong Cui)、ブライアン・ホワイト(Brian White)、スティーブン・P.オブライアン(Stephen P.O’Brien)の「Long and Oriented Single−Walled Carbon Nanotubes Grown by Ethanol Chemical Vapor Deposition(エタノール化学蒸着法で生成した尺長で配向の単層カーボンナノチューブ)(J. Phys.Chem.B、第108巻、16451〜56頁、2004年)
【非特許文献3】丸山らの「Direct Synthesis of High−Quality Single−Walled Carbon Nanotubes on Silicon and Quartz Substrates(シリコン及び石英基板上の高品質単層カーボンナノチューブの直接合成)」(Chem.Phys.Lett.第377巻、49〜54頁)
【非特許文献4】ヂャン (Zheng)らの「Efficient CVD Growth of Single−Walled Carbon Nanotubes on Surfaces Using Carbon Monoxide Precursor(一酸化炭素前駆体を用いた表面に単層カーボンナノチューブを有効にCVD生成する)」(Nano Lett.第2巻、895〜898頁、2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カーボンナノチューブは、例えば、特許文献1及び特許文献2で説明するように、AFMチップとして使用するために製造されてきており、両文献は参照することによって本発明の開示に含まれる。しかしながら、そのようなカーボンナノチューブチップを大量生産するのは困難であった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ナノ構造体チップの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の実施態様において、カーボンナノチューブチップを備えた装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1表面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成し、実質的にすべてのカーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0009】
また、他の実施態様において、カーボンナノチューブチップを有する複数の装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、第1面に面した第2面を有する第2基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成し、第2面と前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部との間に電位を印加することが含まれる。
【0010】
また、他の実施態様において、カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法には、触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての触媒島にカーボンナノチューブチップを生成し、実質的にすべてのカーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0011】
また、他の実施態様において、ナノ構造体チップを備えた装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにナノ構造体チップを生成し、実質的にすべてのナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0012】
また、他の実施態様において、ナノ構造体チップを有する複数の装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、第1面に面した第2面を有する第2基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにナノ構造体チップを生成し、第2面と前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部との間に電位を印加することが含まれる。
【0013】
また、他の実施態様において、ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法には、触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての触媒アイランドにナノ構造体チップを生成させ、実質的にすべてのナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0014】
発明の実施形態には、次の特徴を1つ以上が含まれる。例えば、カーボンナノチューブチップは、他のカーボンナノチューブチップから分離し得る。前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーで支持し得る。第2面を有する第2基板は、第1基板の第1面に面して、かつ分離して設置することもできる。第2基板は電導性でもよく、第2面と前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部との間に電位を印加することもできる。前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部は、第2基板の第2面から切断することができる。第2面と第1面との間の距離は実質的に一定であってもよく、あるいは変化してもよい。
【0015】
カーボンナノチューブチップは、所望の長さに短縮することができる。所望の長さは、約5ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約5ナノメートルと約50マイクロメートルの間、約5ナノメートルと約5マイクロメートルの間、約100ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約100ナノメートルと50マイクロメートルの間、約100ナノメートルと5マイクロメートルの間、約500ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約500ナノメートルと50マイクロメートルの間、約500ナノメートルと5マイクロメートルの間、あるいは約3マイクロメートルと5マイクロメートルの間であってもよい。
【0016】
ナノ構造体の生成に関する実施態様において、次の特徴を1つ以上含むことができる。ナノ構造体は、カーボンナノ構造体、コバルト酸化物ナノ構造体、ナノチューブ、ナノワイヤーあるいはナノファイバーであってもよい。ナノ構造体チップは、他のナノ構造体チップから分離することができる。前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーで支持されることができる。第2面を有する第2基板は、第1基板の第1面に面して、かつ分離して設けることもできる。第2基板は導通でもよく第2面と前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部との間に電位を印加することもできる。前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部は、第2基板の第2面から切断することができる。第2面と第1面との間の距離は実質的に一定であってもよく、あるいは変化してもよい。ナノ構造体チップは所望の長さに短縮することができる。
【0017】
本発明の1つ以上の実施形態を添付の図面と以下の記述で詳細に説明する。本発明の他の特徴、目的及び利点は、記述と図面、及び請求項から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、パターン化した基板の上面図である。市販のウェーハ基板100(例えば、カリフォルニア州サンタバーバラ所在のNanodevices社製品)は、パターン化されていない周囲部分106と、事前に製造され各々には角錐形状のチップを有する375個のカンチレバーを備えた中央のパターン化された部分104を含むウェーハ表面102を有している。ウェーハ基板(第1基板)100は、カンチレバーの配列の製造にシリコンあるいは他の適切な材料で製造することができる。パターン化したウェーハ基板100は、このウェーハ基板100に化学蒸着法(CVD)の処理を施す間により厚い基板に付着させてパターン化したウェーハ基板100に支持と平坦さを提供することができる。
【0019】
図2Aは、前駆体チップ(precursor tip)の配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。角錐形状のチップ202は、ウェーハ基板100の上面102の上部におよそ1〜20ミクロンほど突出し得る。任意のウェーハ基板100において、角錐形状のチップ202は、ウェーハ基板100上の角錐形状のチップ202の特定の平均高さの約5%以内で一定の高さを有し得るが、同一メーカーが製造するのと異なったウェーハ基板100は、異なる平均高さの角錐形状のチップ202を有し得る。
【0020】
図2Bは、レジスト層を備えた前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。角錐形状のチップ202の配列を含むウェーハ表面102にレジスト層204が回転塗布されて角錐形状のチップ202の基部でウェーハ表面102を覆う。レジスト層204の材料としてポリメチルメタクリレート(PMMA)材料を使用するが、他の材料を使用することもできる。レジスト層204は、角錐形状のチップ202の基部周辺で溜まる傾向があり、レジスト層204が塗布されない角錐形状のチップ202のアペックス(頂部;apex)を残すことになる。角錐形状のチップ202のほとんどを覆うが、チップのアペックス206は覆わない、所望の厚さのレジスト層204に達するまで、レジストをウェーハ表面102に数回塗布することができる。角錐形状のチップ202のアペックス206を除いてすべて覆うように適当な量のレジストが塗布された後、レジストは約90℃のホットプレートで約1分間熱処理し硬化させる。
【0021】
図2Cは、レジスト層の上に触媒材料の層を有する前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。触媒懸濁層(触媒材料)208が、角錐形状のチップ202のアペックス206上及びレジスト層204の上部に回転塗布される。触媒懸濁層208は、チップ202のアペックス206上のナノチューブの生成に触媒作用を及ぼす材料を含む。例えば、ナノチューブの生成に触媒作用を及ぼすFe−Moナノ粒子を含む触媒懸濁層208は、非特許文献1で説明された手順により製造することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。触媒懸濁溶液は、5.00mLのオクチルエーテルで1.00mmol(0.196g)のFe(CO)5、0.020mmol(0.053g)のMo(CO)6、0.100mmol(0.144g)のオクタン酸、0.100mmol(0.242g)ビス−2−エチルヘキシルアミンを溶かして、溶液をN2雰囲気下で、高温(例えば、約300℃)で30分間還流することで調製することができる。溶液中にFe−Mo触媒ナノ粒子が形成されると溶液が黒色に変化する。他の触媒材料も使用することができる。例えば、シリカマトリックスに埋め込まれたCo−Mo触媒は、非特許文献2で説明された手順により製造することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。
【0022】
他の方法においては、触媒材料208は、最初にレジスト層を塗布せずにウェーハ基板100のウェーハ表面102の全面に塗布してもよい。そのような場合、触媒材料208は、前駆体チップ202のアペックス206だけでなくチップ202の全面に塗布される。
【0023】
上述した非特許文献2の手順に従って触媒材料溶液が製造されると、溶液が、中央がパターン化された部分104に注がれる。
【0024】
図2Dは、レジスト層が取り除かれ触媒材料が前駆体チップのアペックス上にある前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。ウェーハ基板100は、触媒溶液が塗布されると急速に蒸発して、触媒材料208で覆われた角錐形状のチップ202のアペックス206が残るように15分間200℃で予熱処理される。角錐形状のチップ202は、ナノチューブチップが生成される前駆体基部を提供するので、角錐形状のチップ202は前駆体チップとしても知られている。前駆体チップ202は角錐形状である必要はなく、触媒材料208が蒸着される基部を提供する任意の形でもよい。次に、触媒が塗布されたアペックス206を非特許文献2の手順によって焼成する。
【0025】
前駆体チップ202のアペックス202に触媒材料208を塗布する方法を説明したが、触媒材料208は、他の方法で個々のカンチレバーの端部の局部的なアイランド(island)に塗布してもよく、カンチレバーの端部に触媒材料208を検出するために前駆体チップ202がある必要はない。例えば、既知のマスキング及びリソグラフィー技術を使って、カンチレバーから突出する前駆体チップ202を使用しないで平坦のカンチレバーの端部に小さい触媒アイランドを直接蒸着させることができる。
【0026】
図3Aは、周囲レールを備えた平坦でドープした基板の上面図で、図3Bは、パターン化した基板とドープした基板を挟んだ側面図である。中央の平坦な部分306より高い周囲レール304を持つエッチングした上面302を有する第2ウェーハ基板(第2基板)300は、第1ウェーハ基板(第1基板)100上に、所定の長さの複数のナノチューブが前駆体チップ202のアペックス206上で同時に生成できるような位置に置くことができる。第2ウェーハ基板300のレール304は等しい高さであっても異なる高さであってもよい。レール304は、周知のリソグラフィー及びエッチング技術によって平坦でドープしたシリコン基板300に生成することができる。例えば、リソグラフィーとエッチングの技術を使って、エッチングされないレール304の領域を除く基板の表面から層を取り除き、第2ウェーハ基板300の表面306の上部に延長するレール304がエッチング工程後に残るようにすることができる。図3Bに示すように、第2ウェーハ基板300がパターン化した第1ウェーハ基板100の上部に置かれると、周囲レール304がパターン化した第1ウェーハ基板100の周囲部分106に置かれ、第2ウェーハ基板300の中央の平坦な部分306はパターン化した第1ウェーハ基板100の表面102から距離dの位置に配置されて、パターン化した第1ウェーハ基板100と第2ウェーハ基板300との間に中央が中空のトンネルを有する挟み形状を形成する。図3Bは、前駆体チップ202が上向きに示されているが、第1ウェーハ基板100が第2ウェーハ基板300の上部で前駆体チップ202が下向きになるように第1ウェーハ基板100及び第2ウェーハ基板300の配向を逆にしてもよい。以下で詳細に説明するように、前駆体チップ202に生成したナノチューブを短縮するのに、電導性及び材料の層を第2ウェーハ基板300の表面306に蒸着してウェーハ基板の電導性を向上させることができる。例えば、非特許文献3で説明された伝導性材料を第2ウェーハ基板300の表面306に塗布することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。電導性材料の層は、表面のナノチューブの生成に触媒作用を及ぼすため、あるいは前駆体チップ202に生成させるナノチューブが直接表面306に向かって生成すべく吸引するために、触媒材料を含むこともできる。
【0027】
ナノチューブは、炭素(カーボン)を含むガスを中央の中空のトンネルを通ってアペックス206上に流すことで、前駆体チップ202のアペックス206に生成することができる。パターン化した第1ウェーハ基板100と第2ウェーハ基板300との間のトンネルで、アペックス206は第2ウェーハ基板300の中央の平坦な部分306から離れて位置しており、中央の平坦な部分306と前駆体チップ202のアペックス206との間の距離は、距離dと前駆体チップ202の高さとの差に等しい。レール304が同じ高さの場合、この距離は平坦な部分306の面全体で実質的に一定である。レール304が異なる高さの場合、距離は中央の平坦な部分306の全域で変化する。前駆体チップ202のアペックス206とドープした第2ウェーハ基板300の表面306との間の距離が、ナノチューブが前駆体チップ202上で生成できる最大長を決定する。最大長は5ナノメートルから500マイクロメートルの間で選択することができる。第2ウェーハ基板300は、この第2ウェーハ基板300が電導性になるようにドープしたシリコン(例えば、立法センチメートル当たり1017個のボロン原子でドープする)で製造することができる。電気的接触312は、第2ウェーハ基板300に電位を印加できるようにこの第2ウェーハ基板300の裏面310に配置することができる。
【0028】
ウェーハ基板の挟み形状が形成されると、CVD工程を通じて前駆体チップ202のアペックス206にナノチューブを生成するために、炭素を含むガスが中央のトンネルを通って流される。
【0029】
図4は、処理炉の配置の概略図である。非特許文献4に記載され、それは参照することにより本明細書に含まれるが、ナノチューブを生成する1つの工程で2つの炉の配置を使用することができる。ウェーハの挟み形状は、第2炉404に配置され、H2が第1ガス源400から第1炉402に第1炉の温度が約500℃に達するまで400標準立方センチメートル/分(sccm)の流量で入力され、H2が第2ガス源406から第2炉404に第2炉の温度が約800〜900℃に達するまで400sccmの流量で入力される。第1炉402及び第2炉404は、ガスが1つの炉からもう一つの炉に流れるように小さい導管408で連結される。第1炉402及び第2炉404の両方が所定の温度に達すると、第1炉402へのガスの流量は400sccmの流量のCOに変更され、第2炉404へのH2の流量が800sccmに増加させる。COがウェーハ基板の挟み形状の中央のトンネルを通ってパターン化した第1ウェーハ基板の表面102に流入する間、COは分離してカーボンナノチューブが前駆体チップ202の触媒で覆われたアペックス206上に生成する。ナノチューブは、第2ウェーハ基板300の中央の平坦の部分306に達するまで、第1ウェーハ基板の表面102に対して垂直に前駆体チップ202上に生成する。ガスの流量を約15分間維持した後に、システム全体はH2の流れの下で冷却される。ナノチューブがドープしたシリコンウェーハ基板300の表面306の近くまで、あるいは接触する最大長に達するまで、前駆体チップのアペックス206にある触媒アイランド上のナノチューブの生成は進む。
【0030】
炭素源としてCOを使用する2つの炉の設定をナノチューブの生成に使用することができるが、ナノチューブは他の方法を使用しても生成することができる。例えば、上述した特許文献1に記載されるように、炭素源としてメタンの単一炉を使用してもよく、ここに参照することにより本発明の開示に含まれる。別のプロセスにおいて、単一炉室にウェーハ基板の挟み形状を載置して、アルゴンと水素ガスをそれぞれ480sccm及び100sccmの流量で炉を通ってウェーハ基板の挟み形状の上部に流す。アルゴンと水素ガスが炉室へ導入されている間にウェーハ基板の挟み形状の温度は約850℃に上げられて、触媒材料を酸化物から金属に変化させる。炉の温度が約850℃に到達後、アルゴンと水素ガスの流量が約10分間維持されて、次に水素の流量を約40sccmに減少させ、アルゴンの流量を約740sccmに上げる間、エタノールがおよそ10sccmの流量で炉に導入される。エタノール、アルゴン、水素の混合が約15分間炉に導入され、エタノールガス中の炭素は、ナノチューブがチップ202のアペックス206上に生成するための炭素源を提供する。ナノチューブが生成した後、エタノールと水素ガスの流入が止められ、炉はアルゴンガスの流入下で室温まで冷却される。ナノチューブが、前駆体チップ202のアペックス206上に生成し、システム冷却後に、アペックス上に生成したナノチューブは所望の長さに短縮される。1つのプロセスにおいて、生成炉の冷却後、ウェーハ基板の挟み形状が入った炉は非反応性のガス(例えば、Ar、He、Xe、Kr、N2)で置換して不純物を除去する。次に、第1ウェーハ基板100が接地されている間、ドープした第2ウェーハ基板300に定電圧を印加する。第1ウェーハ基板100とウェーハ基板300との間の電位差は約1.5ボルト、あるいはそれより高い、例えば約20〜50ボルトであってもよい。ドープした第2ウェーハ基板300への電圧の印加は、ナノチューブとドープした第2ウェーハ基板300の表面306との間の接続を切断し、前駆体チップから末端であるナノチューブの端部が第2ウェーハ基板300の表面から劈開(cleave)する。電圧が増加するほどナノチューブは短縮される。前駆体チップ202に生成したナノチューブはすべて同時に短縮されるので、自由端はドープした第2ウェーハ基板300の表面306から実質的に同距離に位置するようになる。電圧の印加による劈開及び短縮に加えて、ナノチューブチップは他の方法で、例えば、ナノチューブの劈開あるいは短縮を誘起する液相あるいは気相化学法(liqud or a gas phase chemical)を用いて、短縮・劈開することができる。
【0031】
ナノチューブが短縮された後、パターン化した第1ウェーハ基板100の上の個々のカンチレバーは互いに分離され個々の原子間力顕微鏡に使用される。
【0032】
図5Aは、前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図である。ウェーハ基板100の表面102の上部に突出する前駆体チップ202の代わりに、前駆体チップ202をウェーハ基板100の表面に作成されるレール502間に置くことができる。レール502は、前駆体チップ202がレール502間のチャンネル500に形成されてチップ202を損傷から保護するように、ウェーハ基板100の表面をエッチングして生成することができる。図5Bに示すように、レール502間に位置する前駆体チップ202にナノチューブを形成するには、表面506を有する平坦な基板504をレール502の上部に置き、炭素を含むガスがチャンネル500を通って流入されて前駆体チップ202上のナノチューブの生成に必要な材料を供給する。そのような設定で前駆体チップ202に生成されたナノチューブの長さは、チップ202のアペックスと基板504の表面506間との距離によって変わる。
【0033】
図6A及び図6Bは、前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図である。上述した方法による前駆体チップ602上に生成したナノチューブ600の走査型電子顕微鏡写真を示している。
【0034】
一定の長さのカーボンナノチューブの生成を説明したが、ここに記述した方法とシステムは、他の化学成分のナノ構造体(つまり、ナノチューブ、ナノワイヤー、ナノファイバー)を一定長に生成するのに使用することができる。例えば、一定の長さのコバルト酸化物(Co3O4)ワイヤーを生成することができる。
【0035】
(他の実施形態)
本発明の多くの実施形態を説明してきたが、数多くの修正が可能であることは明白である。従って、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】パターン化した基板の上面図である。
【図2A】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2B】レジスト層を備えた前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2C】レジスト層の上に触媒材料の層を有する前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2D】レジスト層が取り除かれ触媒材料が前駆体チップのアペックス上にある前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図3A】周囲レールを備えた平坦でドープした基板の上面図である。
【図3B】パターン化した基板とドープした基板を挟んだ側面図である。
【図4】処理炉の配置の概略図である。
【図5A】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図(その1)である。
【図5B】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図(その2)である。
【図6A】前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図(その1)である。
【図6B】前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図(その2)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ構造体チップの製造方法に関し、より詳細には、カーボンナノチューブAFMチップの製造方法に関する。
【0002】
本出願は、35USC.§119(e)の規定に従い2003年11月6日付け出願の米国特許出願第60/518,384号に基づく優先権を主張するものである。上記の出願の内容はすべてこの参照により開示に含まれる。
【背景技術】
【0003】
カーボンナノチューブは、炭素系分子構造で、数ナノメートルの直径及び数ナノメートルから数マイクロメートルの長さを有し得る。カーボンナノチューブは、独特な機械的・電気的物性を有し、様々な用途に利用することができる。例えば、カーボンナノチューブは、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy;AFM)のプローブチップとして使用することができる。
【0004】
この原子間力顕微鏡は、試料表面あるいは試料表面の近傍をプローブチップで掃引することにより、試料からの画像を得るためにプローブチップを使用する。カンチレバーに装着したプローブチップを試料の表面全体で掃引し、プローブチップが試料の位相を追跡して試料の画像を生成しながらカンチレバーの変位を記録することができる。例えば、プローブチップが試料の表面全体を掃引している間、レーザービームによりカンチレバーの背部表面を照射し、カンチレバーの表面からの反射光の角度あるいは位置の変化からカンチレバーの移動量を測定することができる。AFMで取得された画像の解像度は、プローブチップのサイズ及び形状と関連し、直径が小さく、直径対長さであるアスペクト比が高いチップは、横縦方向の小さい形状を解像するのに使用することができる。カーボンナノチューブは、非常に強度があり、ユーザーのニーズに合わせて様々な長さ及びアスペクト比に作ることができるので、AFMのプローブチップとして有用である。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,346,189号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0178846号明細書
【非特許文献1】リー(Li)及びリュー(Liu)の「Preparation of Monodispersed Fe−Mo Nanoparticels as the Catalyst for CVD Synthesis of Carbon Nanotubes(カーボンナノチューブのCVD合成用の触媒としての単分散Fe−Moナノ粒子の製造)」(Chem. Matter、第13巻、1008〜14頁、2001年)
【非特許文献2】リミン・ホォアン(Limin Huang)、シャオドング・クイ(Xiaodong Cui)、ブライアン・ホワイト(Brian White)、スティーブン・P.オブライアン(Stephen P.O’Brien)の「Long and Oriented Single−Walled Carbon Nanotubes Grown by Ethanol Chemical Vapor Deposition(エタノール化学蒸着法で生成した尺長で配向の単層カーボンナノチューブ)(J. Phys.Chem.B、第108巻、16451〜56頁、2004年)
【非特許文献3】丸山らの「Direct Synthesis of High−Quality Single−Walled Carbon Nanotubes on Silicon and Quartz Substrates(シリコン及び石英基板上の高品質単層カーボンナノチューブの直接合成)」(Chem.Phys.Lett.第377巻、49〜54頁)
【非特許文献4】ヂャン (Zheng)らの「Efficient CVD Growth of Single−Walled Carbon Nanotubes on Surfaces Using Carbon Monoxide Precursor(一酸化炭素前駆体を用いた表面に単層カーボンナノチューブを有効にCVD生成する)」(Nano Lett.第2巻、895〜898頁、2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カーボンナノチューブは、例えば、特許文献1及び特許文献2で説明するように、AFMチップとして使用するために製造されてきており、両文献は参照することによって本発明の開示に含まれる。しかしながら、そのようなカーボンナノチューブチップを大量生産するのは困難であった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ナノ構造体チップの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の実施態様において、カーボンナノチューブチップを備えた装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1表面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成し、実質的にすべてのカーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0009】
また、他の実施態様において、カーボンナノチューブチップを有する複数の装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、第1面に面した第2面を有する第2基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成し、第2面と前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部との間に電位を印加することが含まれる。
【0010】
また、他の実施態様において、カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法には、触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての触媒島にカーボンナノチューブチップを生成し、実質的にすべてのカーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0011】
また、他の実施態様において、ナノ構造体チップを備えた装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにナノ構造体チップを生成し、実質的にすべてのナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0012】
また、他の実施態様において、ナノ構造体チップを有する複数の装置の製造方法には、複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供し、第1面に面した第2面を有する第2基板を提供し、実質的にすべての前駆体チップにナノ構造体チップを生成し、第2面と前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部との間に電位を印加することが含まれる。
【0013】
また、他の実施態様において、ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法には、触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供し、実質的にすべての触媒アイランドにナノ構造体チップを生成させ、実質的にすべてのナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限することが含まれる。
【0014】
発明の実施形態には、次の特徴を1つ以上が含まれる。例えば、カーボンナノチューブチップは、他のカーボンナノチューブチップから分離し得る。前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーで支持し得る。第2面を有する第2基板は、第1基板の第1面に面して、かつ分離して設置することもできる。第2基板は電導性でもよく、第2面と前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部との間に電位を印加することもできる。前駆体チップの末端にあるカーボンナノチューブの端部は、第2基板の第2面から切断することができる。第2面と第1面との間の距離は実質的に一定であってもよく、あるいは変化してもよい。
【0015】
カーボンナノチューブチップは、所望の長さに短縮することができる。所望の長さは、約5ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約5ナノメートルと約50マイクロメートルの間、約5ナノメートルと約5マイクロメートルの間、約100ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約100ナノメートルと50マイクロメートルの間、約100ナノメートルと5マイクロメートルの間、約500ナノメートルと約500マイクロメートルの間、約500ナノメートルと50マイクロメートルの間、約500ナノメートルと5マイクロメートルの間、あるいは約3マイクロメートルと5マイクロメートルの間であってもよい。
【0016】
ナノ構造体の生成に関する実施態様において、次の特徴を1つ以上含むことができる。ナノ構造体は、カーボンナノ構造体、コバルト酸化物ナノ構造体、ナノチューブ、ナノワイヤーあるいはナノファイバーであってもよい。ナノ構造体チップは、他のナノ構造体チップから分離することができる。前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーで支持されることができる。第2面を有する第2基板は、第1基板の第1面に面して、かつ分離して設けることもできる。第2基板は導通でもよく第2面と前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部との間に電位を印加することもできる。前駆体チップの末端にあるナノ構造体の端部は、第2基板の第2面から切断することができる。第2面と第1面との間の距離は実質的に一定であってもよく、あるいは変化してもよい。ナノ構造体チップは所望の長さに短縮することができる。
【0017】
本発明の1つ以上の実施形態を添付の図面と以下の記述で詳細に説明する。本発明の他の特徴、目的及び利点は、記述と図面、及び請求項から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、パターン化した基板の上面図である。市販のウェーハ基板100(例えば、カリフォルニア州サンタバーバラ所在のNanodevices社製品)は、パターン化されていない周囲部分106と、事前に製造され各々には角錐形状のチップを有する375個のカンチレバーを備えた中央のパターン化された部分104を含むウェーハ表面102を有している。ウェーハ基板(第1基板)100は、カンチレバーの配列の製造にシリコンあるいは他の適切な材料で製造することができる。パターン化したウェーハ基板100は、このウェーハ基板100に化学蒸着法(CVD)の処理を施す間により厚い基板に付着させてパターン化したウェーハ基板100に支持と平坦さを提供することができる。
【0019】
図2Aは、前駆体チップ(precursor tip)の配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。角錐形状のチップ202は、ウェーハ基板100の上面102の上部におよそ1〜20ミクロンほど突出し得る。任意のウェーハ基板100において、角錐形状のチップ202は、ウェーハ基板100上の角錐形状のチップ202の特定の平均高さの約5%以内で一定の高さを有し得るが、同一メーカーが製造するのと異なったウェーハ基板100は、異なる平均高さの角錐形状のチップ202を有し得る。
【0020】
図2Bは、レジスト層を備えた前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。角錐形状のチップ202の配列を含むウェーハ表面102にレジスト層204が回転塗布されて角錐形状のチップ202の基部でウェーハ表面102を覆う。レジスト層204の材料としてポリメチルメタクリレート(PMMA)材料を使用するが、他の材料を使用することもできる。レジスト層204は、角錐形状のチップ202の基部周辺で溜まる傾向があり、レジスト層204が塗布されない角錐形状のチップ202のアペックス(頂部;apex)を残すことになる。角錐形状のチップ202のほとんどを覆うが、チップのアペックス206は覆わない、所望の厚さのレジスト層204に達するまで、レジストをウェーハ表面102に数回塗布することができる。角錐形状のチップ202のアペックス206を除いてすべて覆うように適当な量のレジストが塗布された後、レジストは約90℃のホットプレートで約1分間熱処理し硬化させる。
【0021】
図2Cは、レジスト層の上に触媒材料の層を有する前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。触媒懸濁層(触媒材料)208が、角錐形状のチップ202のアペックス206上及びレジスト層204の上部に回転塗布される。触媒懸濁層208は、チップ202のアペックス206上のナノチューブの生成に触媒作用を及ぼす材料を含む。例えば、ナノチューブの生成に触媒作用を及ぼすFe−Moナノ粒子を含む触媒懸濁層208は、非特許文献1で説明された手順により製造することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。触媒懸濁溶液は、5.00mLのオクチルエーテルで1.00mmol(0.196g)のFe(CO)5、0.020mmol(0.053g)のMo(CO)6、0.100mmol(0.144g)のオクタン酸、0.100mmol(0.242g)ビス−2−エチルヘキシルアミンを溶かして、溶液をN2雰囲気下で、高温(例えば、約300℃)で30分間還流することで調製することができる。溶液中にFe−Mo触媒ナノ粒子が形成されると溶液が黒色に変化する。他の触媒材料も使用することができる。例えば、シリカマトリックスに埋め込まれたCo−Mo触媒は、非特許文献2で説明された手順により製造することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。
【0022】
他の方法においては、触媒材料208は、最初にレジスト層を塗布せずにウェーハ基板100のウェーハ表面102の全面に塗布してもよい。そのような場合、触媒材料208は、前駆体チップ202のアペックス206だけでなくチップ202の全面に塗布される。
【0023】
上述した非特許文献2の手順に従って触媒材料溶液が製造されると、溶液が、中央がパターン化された部分104に注がれる。
【0024】
図2Dは、レジスト層が取り除かれ触媒材料が前駆体チップのアペックス上にある前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。ウェーハ基板100は、触媒溶液が塗布されると急速に蒸発して、触媒材料208で覆われた角錐形状のチップ202のアペックス206が残るように15分間200℃で予熱処理される。角錐形状のチップ202は、ナノチューブチップが生成される前駆体基部を提供するので、角錐形状のチップ202は前駆体チップとしても知られている。前駆体チップ202は角錐形状である必要はなく、触媒材料208が蒸着される基部を提供する任意の形でもよい。次に、触媒が塗布されたアペックス206を非特許文献2の手順によって焼成する。
【0025】
前駆体チップ202のアペックス202に触媒材料208を塗布する方法を説明したが、触媒材料208は、他の方法で個々のカンチレバーの端部の局部的なアイランド(island)に塗布してもよく、カンチレバーの端部に触媒材料208を検出するために前駆体チップ202がある必要はない。例えば、既知のマスキング及びリソグラフィー技術を使って、カンチレバーから突出する前駆体チップ202を使用しないで平坦のカンチレバーの端部に小さい触媒アイランドを直接蒸着させることができる。
【0026】
図3Aは、周囲レールを備えた平坦でドープした基板の上面図で、図3Bは、パターン化した基板とドープした基板を挟んだ側面図である。中央の平坦な部分306より高い周囲レール304を持つエッチングした上面302を有する第2ウェーハ基板(第2基板)300は、第1ウェーハ基板(第1基板)100上に、所定の長さの複数のナノチューブが前駆体チップ202のアペックス206上で同時に生成できるような位置に置くことができる。第2ウェーハ基板300のレール304は等しい高さであっても異なる高さであってもよい。レール304は、周知のリソグラフィー及びエッチング技術によって平坦でドープしたシリコン基板300に生成することができる。例えば、リソグラフィーとエッチングの技術を使って、エッチングされないレール304の領域を除く基板の表面から層を取り除き、第2ウェーハ基板300の表面306の上部に延長するレール304がエッチング工程後に残るようにすることができる。図3Bに示すように、第2ウェーハ基板300がパターン化した第1ウェーハ基板100の上部に置かれると、周囲レール304がパターン化した第1ウェーハ基板100の周囲部分106に置かれ、第2ウェーハ基板300の中央の平坦な部分306はパターン化した第1ウェーハ基板100の表面102から距離dの位置に配置されて、パターン化した第1ウェーハ基板100と第2ウェーハ基板300との間に中央が中空のトンネルを有する挟み形状を形成する。図3Bは、前駆体チップ202が上向きに示されているが、第1ウェーハ基板100が第2ウェーハ基板300の上部で前駆体チップ202が下向きになるように第1ウェーハ基板100及び第2ウェーハ基板300の配向を逆にしてもよい。以下で詳細に説明するように、前駆体チップ202に生成したナノチューブを短縮するのに、電導性及び材料の層を第2ウェーハ基板300の表面306に蒸着してウェーハ基板の電導性を向上させることができる。例えば、非特許文献3で説明された伝導性材料を第2ウェーハ基板300の表面306に塗布することができ、ここに参照することによって開示に含まれる。電導性材料の層は、表面のナノチューブの生成に触媒作用を及ぼすため、あるいは前駆体チップ202に生成させるナノチューブが直接表面306に向かって生成すべく吸引するために、触媒材料を含むこともできる。
【0027】
ナノチューブは、炭素(カーボン)を含むガスを中央の中空のトンネルを通ってアペックス206上に流すことで、前駆体チップ202のアペックス206に生成することができる。パターン化した第1ウェーハ基板100と第2ウェーハ基板300との間のトンネルで、アペックス206は第2ウェーハ基板300の中央の平坦な部分306から離れて位置しており、中央の平坦な部分306と前駆体チップ202のアペックス206との間の距離は、距離dと前駆体チップ202の高さとの差に等しい。レール304が同じ高さの場合、この距離は平坦な部分306の面全体で実質的に一定である。レール304が異なる高さの場合、距離は中央の平坦な部分306の全域で変化する。前駆体チップ202のアペックス206とドープした第2ウェーハ基板300の表面306との間の距離が、ナノチューブが前駆体チップ202上で生成できる最大長を決定する。最大長は5ナノメートルから500マイクロメートルの間で選択することができる。第2ウェーハ基板300は、この第2ウェーハ基板300が電導性になるようにドープしたシリコン(例えば、立法センチメートル当たり1017個のボロン原子でドープする)で製造することができる。電気的接触312は、第2ウェーハ基板300に電位を印加できるようにこの第2ウェーハ基板300の裏面310に配置することができる。
【0028】
ウェーハ基板の挟み形状が形成されると、CVD工程を通じて前駆体チップ202のアペックス206にナノチューブを生成するために、炭素を含むガスが中央のトンネルを通って流される。
【0029】
図4は、処理炉の配置の概略図である。非特許文献4に記載され、それは参照することにより本明細書に含まれるが、ナノチューブを生成する1つの工程で2つの炉の配置を使用することができる。ウェーハの挟み形状は、第2炉404に配置され、H2が第1ガス源400から第1炉402に第1炉の温度が約500℃に達するまで400標準立方センチメートル/分(sccm)の流量で入力され、H2が第2ガス源406から第2炉404に第2炉の温度が約800〜900℃に達するまで400sccmの流量で入力される。第1炉402及び第2炉404は、ガスが1つの炉からもう一つの炉に流れるように小さい導管408で連結される。第1炉402及び第2炉404の両方が所定の温度に達すると、第1炉402へのガスの流量は400sccmの流量のCOに変更され、第2炉404へのH2の流量が800sccmに増加させる。COがウェーハ基板の挟み形状の中央のトンネルを通ってパターン化した第1ウェーハ基板の表面102に流入する間、COは分離してカーボンナノチューブが前駆体チップ202の触媒で覆われたアペックス206上に生成する。ナノチューブは、第2ウェーハ基板300の中央の平坦の部分306に達するまで、第1ウェーハ基板の表面102に対して垂直に前駆体チップ202上に生成する。ガスの流量を約15分間維持した後に、システム全体はH2の流れの下で冷却される。ナノチューブがドープしたシリコンウェーハ基板300の表面306の近くまで、あるいは接触する最大長に達するまで、前駆体チップのアペックス206にある触媒アイランド上のナノチューブの生成は進む。
【0030】
炭素源としてCOを使用する2つの炉の設定をナノチューブの生成に使用することができるが、ナノチューブは他の方法を使用しても生成することができる。例えば、上述した特許文献1に記載されるように、炭素源としてメタンの単一炉を使用してもよく、ここに参照することにより本発明の開示に含まれる。別のプロセスにおいて、単一炉室にウェーハ基板の挟み形状を載置して、アルゴンと水素ガスをそれぞれ480sccm及び100sccmの流量で炉を通ってウェーハ基板の挟み形状の上部に流す。アルゴンと水素ガスが炉室へ導入されている間にウェーハ基板の挟み形状の温度は約850℃に上げられて、触媒材料を酸化物から金属に変化させる。炉の温度が約850℃に到達後、アルゴンと水素ガスの流量が約10分間維持されて、次に水素の流量を約40sccmに減少させ、アルゴンの流量を約740sccmに上げる間、エタノールがおよそ10sccmの流量で炉に導入される。エタノール、アルゴン、水素の混合が約15分間炉に導入され、エタノールガス中の炭素は、ナノチューブがチップ202のアペックス206上に生成するための炭素源を提供する。ナノチューブが生成した後、エタノールと水素ガスの流入が止められ、炉はアルゴンガスの流入下で室温まで冷却される。ナノチューブが、前駆体チップ202のアペックス206上に生成し、システム冷却後に、アペックス上に生成したナノチューブは所望の長さに短縮される。1つのプロセスにおいて、生成炉の冷却後、ウェーハ基板の挟み形状が入った炉は非反応性のガス(例えば、Ar、He、Xe、Kr、N2)で置換して不純物を除去する。次に、第1ウェーハ基板100が接地されている間、ドープした第2ウェーハ基板300に定電圧を印加する。第1ウェーハ基板100とウェーハ基板300との間の電位差は約1.5ボルト、あるいはそれより高い、例えば約20〜50ボルトであってもよい。ドープした第2ウェーハ基板300への電圧の印加は、ナノチューブとドープした第2ウェーハ基板300の表面306との間の接続を切断し、前駆体チップから末端であるナノチューブの端部が第2ウェーハ基板300の表面から劈開(cleave)する。電圧が増加するほどナノチューブは短縮される。前駆体チップ202に生成したナノチューブはすべて同時に短縮されるので、自由端はドープした第2ウェーハ基板300の表面306から実質的に同距離に位置するようになる。電圧の印加による劈開及び短縮に加えて、ナノチューブチップは他の方法で、例えば、ナノチューブの劈開あるいは短縮を誘起する液相あるいは気相化学法(liqud or a gas phase chemical)を用いて、短縮・劈開することができる。
【0031】
ナノチューブが短縮された後、パターン化した第1ウェーハ基板100の上の個々のカンチレバーは互いに分離され個々の原子間力顕微鏡に使用される。
【0032】
図5Aは、前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図である。ウェーハ基板100の表面102の上部に突出する前駆体チップ202の代わりに、前駆体チップ202をウェーハ基板100の表面に作成されるレール502間に置くことができる。レール502は、前駆体チップ202がレール502間のチャンネル500に形成されてチップ202を損傷から保護するように、ウェーハ基板100の表面をエッチングして生成することができる。図5Bに示すように、レール502間に位置する前駆体チップ202にナノチューブを形成するには、表面506を有する平坦な基板504をレール502の上部に置き、炭素を含むガスがチャンネル500を通って流入されて前駆体チップ202上のナノチューブの生成に必要な材料を供給する。そのような設定で前駆体チップ202に生成されたナノチューブの長さは、チップ202のアペックスと基板504の表面506間との距離によって変わる。
【0033】
図6A及び図6Bは、前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図である。上述した方法による前駆体チップ602上に生成したナノチューブ600の走査型電子顕微鏡写真を示している。
【0034】
一定の長さのカーボンナノチューブの生成を説明したが、ここに記述した方法とシステムは、他の化学成分のナノ構造体(つまり、ナノチューブ、ナノワイヤー、ナノファイバー)を一定長に生成するのに使用することができる。例えば、一定の長さのコバルト酸化物(Co3O4)ワイヤーを生成することができる。
【0035】
(他の実施形態)
本発明の多くの実施形態を説明してきたが、数多くの修正が可能であることは明白である。従って、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】パターン化した基板の上面図である。
【図2A】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2B】レジスト層を備えた前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2C】レジスト層の上に触媒材料の層を有する前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図2D】レジスト層が取り除かれ触媒材料が前駆体チップのアペックス上にある前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の側面図である。
【図3A】周囲レールを備えた平坦でドープした基板の上面図である。
【図3B】パターン化した基板とドープした基板を挟んだ側面図である。
【図4】処理炉の配置の概略図である。
【図5A】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図(その1)である。
【図5B】前駆体チップの配列を示すパターン化した基板の一部分の概略側面図(その2)である。
【図6A】前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図(その1)である。
【図6B】前駆体チップに生成したナノチューブの走査型電子顕微鏡写真の画像を示す図(その2)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブチップを備えた装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブチップを他のカーボンナノチューブチップから分離させるステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記前駆体チップのそれぞれは、原子間力顕微鏡カンチレバーに支持されていることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第2面と前記第1面との間の距離は、実質的に一定であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項10】
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項11】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項15】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項16】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項17】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項18】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから50マイクロメートルの間であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項19】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項20】
前記所望の長さは、約3マイクロメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項21】
カーボンナノチューブチップを有する複数の装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
前記第1面に面した第2面を有する第2基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項22】
カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法であって、
触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記触媒アイランドにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを他のカーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップから分離させるステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項25】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項28】
前記第2面と前記第1面との間の距離は一定であることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項29】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項30】
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項31】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項33】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項34】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項35】
前記所望の長さは約100ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項36】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項37】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項38】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項39】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項40】
前記所望の長さは、約3マイクロメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項41】
ナノ構造体チップを備えた装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにナノ構造体チップを生成するステップと、
実質的にすべての前記ナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項42】
前記ナノ構造体チップを他のナノ構造体チップから分離するステップをさらに有することを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項43】
前記前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーに支持されことを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項44】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項45】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項46】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項45に記載の製造方法。
【請求項47】
前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項48】
前記第2面と前記第1面との間の距離は実質的に一定であることを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項49】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項50】
実質的にすべての前記ナノ構造体チップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項51】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項52】
前記ナノ構造体はコバルト酸化物ナノ構造体であることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項53】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項54】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項55】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項56】
ナノ構造体チップを有する複数の装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
前記第1面に面した第2面を有する第2基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにナノ構造体チップを生成するステップと、
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項57】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項58】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項59】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項60】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項61】
ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法であって、
触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記触媒アイランドにナノ構造体チップを生成させるステップと、
実質的にすべての前記ナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項62】
ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを他のナノ構造体原子間力顕微鏡チップから分離するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項63】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項64】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項65】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項64に記載の製造方法。
【請求項66】
前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項67】
前記第2面と前記第1面との間の距離は一定であることを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項68】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項69】
実質的にすべての前記ナノ構造体チップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項70】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項71】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項72】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項73】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項1】
カーボンナノチューブチップを備えた装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブチップを他のカーボンナノチューブチップから分離させるステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記前駆体チップのそれぞれは、原子間力顕微鏡カンチレバーに支持されていることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第2面と前記第1面との間の距離は、実質的に一定であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項10】
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項11】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項15】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項16】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項17】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項18】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから50マイクロメートルの間であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項19】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項20】
前記所望の長さは、約3マイクロメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項21】
カーボンナノチューブチップを有する複数の装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
前記第1面に面した第2面を有する第2基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項22】
カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法であって、
触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記触媒アイランドにカーボンナノチューブチップを生成するステップと、
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップを他のカーボンナノチューブ原子間力顕微鏡チップから分離させるステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項25】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記前駆体チップの末端にある前記カーボンナノチューブの端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項28】
前記第2面と前記第1面との間の距離は一定であることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項29】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
【請求項30】
実質的にすべての前記カーボンナノチューブチップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項31】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項33】
前記所望の長さは、約5ナノメートルから約5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項34】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項35】
前記所望の長さは約100ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項36】
前記所望の長さは、約100ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項37】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから約500マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項38】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから50マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項39】
前記所望の長さは、約500ナノメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項40】
前記所望の長さは、約3マイクロメートルから5マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項41】
ナノ構造体チップを備えた装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにナノ構造体チップを生成するステップと、
実質的にすべての前記ナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項42】
前記ナノ構造体チップを他のナノ構造体チップから分離するステップをさらに有することを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項43】
前記前駆体チップは、原子間力顕微鏡カンチレバーに支持されことを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項44】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項45】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項46】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項45に記載の製造方法。
【請求項47】
前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項48】
前記第2面と前記第1面との間の距離は実質的に一定であることを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項49】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項50】
実質的にすべての前記ナノ構造体チップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項44に記載の製造方法。
【請求項51】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項52】
前記ナノ構造体はコバルト酸化物ナノ構造体であることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項53】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項54】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項55】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項41に記載の製造方法。
【請求項56】
ナノ構造体チップを有する複数の装置の製造方法であって、
複数の前駆体チップを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
前記第1面に面した第2面を有する第2基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記前駆体チップにナノ構造体チップを生成するステップと、
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項57】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項58】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項59】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項60】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項56に記載の製造方法。
【請求項61】
ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを備えた装置の製造方法であって、
触媒アイランドを有する複数のカンチレバーを備えた第1面を有する第1基板を提供するステップと、
実質的にすべての前記触媒アイランドにナノ構造体チップを生成させるステップと、
実質的にすべての前記ナノ構造体チップの生成を所定の最大長に制限するステップと
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項62】
ナノ構造体原子間力顕微鏡チップを他のナノ構造体原子間力顕微鏡チップから分離するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項63】
第2面を有する第2基板を前記第1基板の前記第1面に面して、かつ離して設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項64】
前記第2基板は電導性であることを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項65】
前記第2面と前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部との間に電位を印加するステップをさらに有することを特徴とする請求項64に記載の製造方法。
【請求項66】
前記前駆体チップの末端にある前記ナノ構造体の端部を前記第2基板の前記第2面から劈開するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項67】
前記第2面と前記第1面との間の距離は一定であることを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項68】
前記第2面と前記第1面との間の距離は変化することを特徴とする請求項63に記載の製造方法。
【請求項69】
実質的にすべての前記ナノ構造体チップを所望の長さに短縮するステップをさらに有することを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項70】
前記ナノ構造体は炭素ナノ構造体であることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項71】
前記ナノ構造体はナノチューブであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項72】
前記ナノ構造体はナノワイヤーであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【請求項73】
前記ナノ構造体はナノファイバーであることを特徴とする請求項61に記載の製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【公表番号】特表2007−518067(P2007−518067A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539660(P2006−539660)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/036854
【国際公開番号】WO2005/046305
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506155048)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/036854
【国際公開番号】WO2005/046305
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506155048)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]