説明

ナノ構造UV吸収剤

本発明は、(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物がIn、Gaおよび/またはAlでドープされているナノ粒子酸化物ならびに(b1)立体障害アミンおよび/またはポリマーヒドロキシルフェニルトリアジンを含むUV安定/吸収物質;あるいは(a2)第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子酸化物とならびに(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含むUV光安定化物質の有効量を含むUV吸収ポリマー組成物に関する。また、本発明は、前記組成物を含むポリマー、およびポリマー、特に農業用フィルムまたは包装フィルムにおけるUV吸収剤としての前記組成物の使用に関する。最後に、本発明は、ドープされたナノ粒子金属酸化物を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物が周期律表の第13族、第14族および第17族から、好ましくはIn、Gaおよび/またはAlから選択されるドーピング元素でドープされたナノ粒子金属酸化物ならびに(b1)立体障害アミンを含むUV光安定化物質および/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含むUV吸収物質;あるいは(a2)非ドープナノ粒子酸化物および(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含むUV光安定化物質を含むUV吸収組成物に関する。また、本発明は、前記組成物を含むポリマー、およびポリマー、特に農業用フィルムまたは包装フィルムにおけるUV吸収剤としての前記組成物の使用に関する。最後に、本発明は、ドープされたナノ粒子酸化物を製造するための方法に関する。
【0002】
ボトルおよびフィルム内容物を保護するためのUV吸収剤の使用は、周知である。しかし、透明または薄い色の容器を使用する傾向がある。内容物を見ることも可能にする透明プラスチックから、より美的好感が持てる容器を形成することができる。残念なことに、透明および薄い色の容器およびフィルムは、紫外光の大部分、すなわち約280〜約400nmの範囲の光を透過させる。さらに、より軽量であるため、より薄肉厚の容器を求める傾向がある。薄肉厚容器は、光路長がより短いため、より多量のUV光を透過させる。包装材におけるこれらの傾向により、この分野における使用のためのより効率的なUV吸収剤が必要とされる。
【0003】
しかし、例えばWO03/099911から、ナノ粒子UV吸収剤は、UVインターバル全体をスクリーンしないため、その能力が制限されることが既知である。金属酸化物バンドギャップ値および材料粒径は、それぞれ、UV範囲全体の包含性および吸収の効率性にとって重要である。加えて、粒径および厳密な材料組成は、ナノ粒子UV吸収剤の特性に大きな影響を及ぼす。
【0004】
また、特に農業用フィルム(例えば温室フィルム)は、太陽放射線被曝、および植物病害を駆除するために使用される農薬の悪影響の観点での厳しい条件により、プラスチックの最も重要な用途の1つである。多くの安定剤系が、紫外線からプラスチックを保護するために障害アミン安定剤またはニッケル単重項酸素失活剤と併用されてきたが、なかでもChimassorb81、ベンゾトリアゾール(Tinuvin 326、Tinuvin 327、Tinuvin 328)、ヒドロキシルフェニルトリアジン(Cyasorb1164)などのベンゾフェノン誘導体が広く使用されてきた。
【0005】
すべてのこれらのUV吸収剤は、農業用途において制限がある。ベンゾフェノンおよびベンゾトリアゾールは、例えば、比較的高揮発性であり、それらは、プラスチックフィルム外部への蒸発または移動により急速に消失する。
【0006】
ヒドロキシフェニルトリアジンは、揮発性の点でははるかに安定しているが、農薬に対する化学的抵抗力が低い。例として、元素硫黄は、農業に広く使用され、プラスチック材料と相互作用して、それらの寿命を著しく縮める傾向にあり、特に、ヒドロキシフェニルトリアジンは、低量の硫黄の存在下でも迅速に劣化する。硫黄は、UV光の存在下で障害アミンを攻撃して、非常に短時間でそれらを不活性化させ得ることが想定された。
【0007】
上記の問題に基づいて、UV吸収性および耐久性が向上した新規の安定化組成物の必要性が明らかになる。最近では、無機ナノ粒子への関心が強くなり、ナノ粒子UV吸収剤の使用が報告された。ナノ粒子金属酸化物および有機UV吸収剤が、例えばUS6,337,362およびWO96/09348に記載されている。
【0008】
しかしながら、二酸化チタンのような従来の無機広バンドキャップ半導体は、粒子が約100nmより小さいときに明らかなバンドギャップの拡大を示し、これは、吸収がより高エネルギーでシフトすることを意味する。残念なことに、このバンドギャップ拡大は、太陽スペクトルのUV領域の包含性を悪化させる。また、前記UV吸収剤は、硫黄、特に硫黄含有農薬に対して十分な抵抗を示さなかった。加えて、農業材料として先行技術に使用されているポリマーフィルムは、しばしば、ウィルスおよび真菌の攻撃から作物を十分に保護しない。したがって、先行技術に開示されている、無機ナノ粒子酸化物および有機UV吸収剤を含むUV吸収組成物には、まだ改善が必要である。
【0009】
したがって、本発明の目的は、有利には有機ポリマーにおけるUV安定剤として使用することができる組成物を提供することであった。特に、該組成物は、農薬の存在下、特に硫黄含有農薬の存在下でポリマーのエージング挙動を改善することが可能なものである。また、本発明の組成物は、強度の、かつ/または長時間の太陽光曝露によるエージングに対してポリマー、特にLDPEを安定させることが可能なものである。
【0010】
また、本発明の目的は、以下の利点を有するポリマーを提供することであった。
−光学的透明性;
−280nm〜400nmの波長のUV光遮光;
−添加剤の移動が実質的にないこと;
−硫黄に対する抵抗。
【0011】
本発明のポリマーは、農業材料に有用であり、ウィルスおよび真菌の攻撃から作物を保護するものである。結果として、好適なポリマーの群は、熱可塑性ポリマーフィルムである。
【0012】
さらに、本発明の目的は、ドープされたナノ粒子金属酸化物を製造するための効率的な方法を提供することであった。
【0013】
予想外に、ドープされたナノ粒子金属酸化物、ならびに立体障害アミンおよび/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンから選択される特定の有機UV光安定剤/吸収剤、あるいは非ドープナノ粒子酸化物、およびN−酸素置換立体障害アミンの群から選択される特定の有機UV光安定剤を含む組成物によって上記目的を解決することができる。
【0014】
したがって、本発明は、
(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物が周期律表の第13、14および17族から、好ましくはIn、Gaおよび/またはAlから選択されるドーピング元素でドープされているナノ粒子金属酸化物、
(b1)立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質および/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含むUV吸収物質、あるいは
(a2)第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物、ならびに
(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質
を含む組成物(特に、UV吸収および安定化組成物)に関する。
【0015】
ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)は、周期律表の第4族(第IVA族またはチタン族としても既知である)ならびに第12族(第IIB族または亜鉛族として既知である)の酸化物、すなわちTi、ZrおよびHfを含む族およびZn、CdおよびHgを含む族の酸化物から選択される。また、本発明は、成分(a1)または(a2)におけるこれらの金属酸化物の混合物をも包含する。
【0016】
好適な実施形態において、ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)は、亜鉛酸化物またはチタン酸化物から選択される。特に、ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)は、TiO2またはZnOから選択される。
【0017】
ナノ粒子金属酸化物は、本発明の2つの異なる実施形態に使用される。第1の実施形態において、ナノ粒子金属酸化物は、上記ドーピング元素、好ましくはインジウム(以降Inと称する)、ガリウム(以降Gaと称する)および/またはアルミニウム(以降Alと称する)がドープされる。本実施形態の金属酸化物を化合物(a1)と呼ぶ。第2の実施形態において、ナノ粒子金属酸化物は、ドープされない。本実施形態の金属酸化物を化合物(a2)と呼ぶ。特記しない限り、「ナノ粒子金属酸化物」という用語は、両実施形態、すなわち成分(a1)または(a2)を指す。
【0018】
成分(a1)において、ナノ粒子金属酸化物は、周期律表の第13族(第IIIB族またはホウ素族としても既知である)、第14族(第IVBまたは炭素族としても既知である)および第17族(第VIIB族またはハロゲン化物族)から選択されるドーピング元素がドープされる。好適なドーピング元素は、例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、フッ素および/またはヨウ素である。ケイ素も可能である。好適な実施形態において、ドーピング元素は、好ましくは、インジウム、ガリウムおよび/またはアルミニウムから選択され、インジウムおよびガリウムが特に好適である。また、上記ドーピング元素の混合物も可能である。
【0019】
一般に、「ナノ粒子」という用語は、金属酸化物が所謂ナノ粒子の形で存在することを意味する。本発明において、ナノ粒子は、1000nm未満の粒径を有する粒子であると理解することができる。
【0020】
好適な実施形態において、ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)の平均粒径は、1nm〜150nm、好ましくは10nm〜120nm、より好ましくは20nm〜110nmである。別の実施形態において、80nm〜120nmの平均粒径が好適であり、90nm〜110nmの平均粒径が特に好適である。本実施形態は、TiO2が金属酸化物として使用される場合に特に好適である。別の実施形態において、10nm〜50nmの平均粒径が好適であり、20nm〜40nmの平均粒径が特に好適である。本実施形態は、ZnOが金属酸化物として使用される場合に特に好適である。
【0021】
一般に、金属酸化物の粒径は、本出願では、Malvern Zeta Nano Sizerを使用して動的光散乱法(DLS)によって測定される。粒径の分析のために、金属酸化物は、ゾルとして製造される。ゾルは、分析の前に、メトキシエタノールで希釈され、1600ワット出力で10分間にわたって超音波浴にて超音波処理される。z平均値によって示される流体力学的径および多分散指数は、粒径の指示的結果として捉えられる。
【0022】
したがって、本出願に示されるすべての粒径は、動的光散乱(DLS)法によって測定されたz平均粒径を指す。
【0023】
好適な実施形態において、ナノ粒子金属酸化物は、0.01〜0.2、より好ましくは0.05〜0.15の多分散性指数(PI)を有する。
【0024】
好適な実施形態において、ドープされたナノ粒子金属酸化物(成分(a1))は、ドープされたナノ粒子金属酸化物の全質量に対して、0.1〜15質量%、好ましくは1〜14質量%、より好ましくは3〜12質量%、最も好ましくは4〜10質量%の含有率のドーピング元素を含む。好ましくは、ドープされたナノ粒子金属酸化物(成分(a1))は、ドープされたナノ粒子金属酸化物の全質量に対して、0.01〜15質量%、好ましくは1〜14質量%、より好ましくは3〜12質量%、例えば4〜10質量%の含有率のIn、Gaおよび/またはAlの金属を含む。
【0025】
成分(a1)がドープされたナノ粒子金属酸化物として使用される本発明の組成物の第1の実施形態において、本発明の組成物は、立体障害アミンおよび/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンから選択される有機UV安定化/吸収物質をさらに含む。第1の実施形態において、前記有機UV安定化/吸収物質は、成分(b1)と称する。
【0026】
成分(a2)がナノ粒子金属酸化物として使用される本発明の組成物の第2の実施形態において、本発明の組成物は、N−酸素置換立体障害アミンから選択される有機UV安定化物質をさらに含む。第2の実施形態において、前記有機UV安定化物質は、成分(b2)と称する。
【0027】
一般に、Zn2+またはTi4+等のカチオンをGa、AlおよびIn等の他の原子価の元素のカチオンで置き換えることにより、電気特性および光学特性を変化させることによって、ZnOまたはTiO2等の金属酸化物のドーピングを達成することができる。ドーピング元素の効率性は、その電気陰性度およびイオン半径に左右されるが、合成方法にも強く影響される。
【0028】
したがって、本発明は、また、ドープされたナノ粒子金属酸化物を製造するための方法に関する。したがって、本発明のさらなる主題は、チタン酸化物および亜鉛酸化物から選択され、In、Gaおよび/またはAlでドープされたナノ粒子金属酸化物を製造するための方法であって、
(i)チタン化合物または亜鉛化合物を、好ましくは溶液または分散液の形で調製する工程と、
(ii)酢酸塩、硝酸塩、水酸化物およびハロゲン化物から選択されるIn、Gaおよび/またはAl塩を、好ましくは溶液または分散液の形で添加する工程と、
(iii)得られた組成物を加熱する工程と、
(iv)得られたナノ粒子金属酸化物を単離する工程と
を含む方法である。
【0029】
好ましくは、工程(i)は、好ましくは上記好適な平均粒径を有するチタン酸化物もしくは亜鉛酸化物またはそれらの混合物を含む。あるいは、他のチタン塩または亜鉛塩を使用することもできる。特に、Zn(CH3COO)2が好適である。金属化合物を好適な溶媒、好ましくはアルコール、例えばメトキシエタノールに溶解または分散させることができる。メトキシエタノールを使用すると、得られた粒径の優れた制御が可能になる。
【0030】
工程(ii)において、酢酸塩、硝酸塩、水酸化物およびハロゲン化物から選択されるIn、Gaおよび/またはAl塩あるいはそれらの混合物を、好ましくは分散体の形で工程(i)の分散液に添加する。あるいは、In、Gaおよび/またはAl塩を工程(i)の分散液に粉末または金属酸化物として添加することができ、In、Gaおよび/またはAl塩を粉末として混合し、次いで分散させることができる。
【0031】
工程(ii)において、以下の塩、すなわち
Ga(NO33(場合によって水和物の形)および/またはIn(CH3COO)3を添加するのが好適である。
【0032】
工程(iii)において、該組成物を、好ましくは70℃〜200℃、より好ましくは100〜170℃に加熱する。また、加熱を加圧下、例えば、1.5〜3バール、好ましくは2〜3バールの圧力下で実施することができる。一定時間、例えば1分〜1時間、好ましくは5〜30分後に、温度を例えば室温まで下げる。
【0033】
所望のドープされたナノ粒子金属酸化物はゾルの形で得られ、単離され得る。
【0034】
単離されたナノ粒子酸化物は、好ましくは、成分(a)については以上に定義された平均粒径を有する。したがって、本発明のさらなる主題は、本発明の上記方法によって得られるドープされたナノ粒子金属酸化物である。好適な実施形態において、ドープされたナノ粒子金属酸化物は、インジウムがドープされたZnOである。好ましくは、インジウム含有率は、酸化物の全質量に対して2〜12質量%である。インジウムがドープされた亜鉛酸化物は、好ましくはウルツ鉱構造で得られ、より好ましくは六角形P63mc構造を有する。
【0035】
ナノ粒子金属酸化物(成分(a1)または(a2))に加えて、本発明の組成物は、立体障害アミン(成分(b1)または(b2))を含むこともできる。
【0036】
一般に、「立体障害アミン」という用語は、当該技術分野で既知である。立体障害アミンは、周知の種類の有機UV光安定剤であり、しばしばHALS(障害アミン光安定剤)と称する。好適な立体障害アミンの例は、以下の通りである。
【0037】
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合体、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチル−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合体、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合体、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合体、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合体(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合体(CAS登録番号[19226864−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ−[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS登録番号106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジン。
【0038】
好適な実施形態において、成分(b1)の立体障害アミンは、N−酸素置換立体障害アミンである。本実施形態において、成分(b1)および(b2)は同じである。
【0039】
また、「N−酸素置換立体障害アミン」という用語は、当該技術分野で既知である。それは、=N−O−基を含む立体障害アミンを指す。
【0040】
特に好適な実施形態において、成分(b1)または(b2)のN−酸素置換立体障害アミンは、ニトロキシル、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミンまたはヒドロキシルアルコキシアミン類のものである。ニトロオキシ、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミンまたはヒドロキシルアルコシアミン類の好適なN−酸素置換立体障害アミンは、当該技術分野で既知であり、WO03/16388に成分(i)として記載されている。WO03/16388における成分(i)の記載に含まれるすべての化合物が、参考として本明細書で援用される。特に、(a’)から(m’)類に含まれるWO03/16388に記載のすべての成分が参考として援用される。
【0041】
特に、成分(b1)または(b2)の立体障害アミンは、好ましくは、式(I)または(II)
【化1】

[式中、
Gは、水素またはメチルであり、
1およびG2は、互いに独立して、水素、メチルであり、またはともに置換基=Oである]
の少なくとも1つの活性部分を含むニトロキシル、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミンまたはヒドロキシアルコキシアミン類の立体障害アミンである。
【0042】

【化2】

[式中、
1およびG2は、独立して、1〜4個の炭素原子のアルキルであり、またはともにペンタメチレンであり、
Lは、O、OHまたはO−E1であり;
1は、C1−C18アルキル、C5−C12シクロアルキルまたはC7−C15であり;あるいはE1は、それぞれ脂肪族部が1〜3つのOH基で置換されたC1−C18アルキル、C5−C12シクロアルキルまたはC7−C15アラルキルであり;あるいは
ジアルキルエステルまたはイソシアネートと式(I’)
【化3】

の化合物との反応により製造されたオリゴマーまたはポリマー障害アミン分子であり、
1およびG2は、以上に定義されている通りであり、E1は1つのOH基を含み、
Tは−CH2−CH(OH)−CH2−であり;あるいは
式(I)の化合物の単純なジエステルまたはウレタン誘導体であり、E1は1つのOH基を含む、Tは−CH2−CH(OH)−CH2−である]の基を含む立体障害アミンも好適である。
【0043】
この成分の分子量は、通常、170〜10000g/mol、好ましくは500〜5000g/molの範囲である(GPCによって測定された数平均分子量)。
【0044】
式(II’)
【化4】

[式中、
Tは、5員または6員環を形成する基であり;
L、G1およびG2は、以上に定義されている通りである]の1つ以上の基を含む立体障害アミンも便利に採用される。
【0045】
上式の2つ以上のニトロキシル基は、
【化5】

[式中、
Eは結合基である]
に例示されるように、T部分を介して結合されることによって同じ分子内に存在することができる。
【0046】
好ましくは、G1およびG2は、それぞれメチルである。
【0047】
特に技術的に重要なのは、LがO−E1であり、E1がメチレン−OH、エチレン−OH、2−プロピレン−OHまたは2−メチル−2−プロピレン−OHである上式に従う化合物である。
【0048】
1がOH基を含まないときは、それは、好ましくはC1−C18アルキルまたはシクロヘキシルである。
【0049】
1が1つのOH基を含むときは、それは、好ましくは、2−メチル−2−プロパノール、2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、アリルアルコール、フェネチルアルコールまたは1−フェニル−1−エタノール;最も好ましくは、2−メチル−2−プロパノール(=tert−ブチルアルコール)またはシクロヘキサノールから形成された炭素中心基またはジラジカルである。
【0050】
1が2つのOH基を含むときは、それは、好ましくは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオール;最も好ましくは、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールから形成された炭素中心基またはジラジカルである。
【0051】
1が3つのOH基を含むときは、それは、グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオールまたは1,2,6−ヘキサントリオール;最も好ましくはグリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールから形成された炭素中心基またはジラジカルである。
【0052】
有用な立体障害アミンは、一般式:
【化6】

[式中、
Lは、以上に記載されている通りであり、GおよびG1の各々は、水素またはメチルから独立して選択される]のものをさらに含むことができる。1分子当たり2つ以上の障害アミンおよび2つ以上の飽和アミン酸化物を含むアミン酸化物も含まれる。アルコキシアミンまたはヒドロキシアルコキシアミン類の立体阻害アミン、すなわちLが−O−E1であるものが好適である。
【0053】
好適なN−酸素置換立体障害アミンの例は、以下の化合物である。
−2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物;
−1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン;
−ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
−2,4−ビス[(シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン;
−ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート
−2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジン;
−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン。
【0054】
Tinuvin NOR371(トリアジン誘導体)をN−酸素置換立体障害アミン(成分(b1)または(b2))として使用するのが特に好適である。
【0055】
発明の組成物において、成分(b1)は、立体障害アミンおよび/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含む。
【0056】
一般に、ポリマーヒドロキシフェニルトリアジンは、当該技術分野で既知である。通常、該用語は、少なくとも1つのヒドロキシフェニルトリアジン基を含むポリマー化合物を指す。好適なポリマーヒドロキシフェニルトリアジンの好適な実施形態が、参考として本明細書で援用されるWO2004/104081に記載されている。
【0057】
好ましくは、成分(b1)において、ポリマーヒドロキシフェニルトリアジンは、式(III)
−[A−O−D−O]x− (III)
[式中、
xは、1〜50の数であり;
Aは、式(IV)
【化7】

の基であり、あるいは
Tについて示される意味の1つを有し;
Dは、C4−C12アルキレン、またはOHによって置換された、もしくはOによって中断された、またはOHによって置換され、Oによって中断された前記アルキレンであり;
Lは、C1−C18アルキレン;C5−C12シクロアルキレン;C3−C18アルケニレン;またはフェニル、C7−C11アルキルフェニル、C5−C12シクロアルキル、OH、ハロゲン、C1−C18アルコキシ、C5−C12シクロアルコキシ、C3−C18アルケニルオキシ、COOHによって置換された前記残基の1つであり;
1は、互いに独立して、H、OR7またはOHであり、R1またはR13の少なくとも1つはOHであり;
7は、互いに独立して、水素、C1−C12アルキルまたは式−L−CO−O−R9の基であり;
9は、H、C1−C18アルキル、C2−C12ヒドロキシアルキルであり;
10は、水素、C1−C4アルキル、Cl、フェニルまたは−OR7基であり;
11は、水素またはメチルであり;
13は、水素、メチル、OHまたはOR7であり;
Tは、13〜60個の炭素原子の脂肪族または脂環式ジカルボン酸の二価のアシル残基であり;
式(IV)の少なくとも1つの部分および少なくとも1つのT部分が含まれる]のオリゴエステルまたはポリエステルである。
【0058】
より具体的には、式(III)の上記オリゴエステルまたはポリエステルにおいて、
Dは、Oによって中断されたC4−C12アルキレンまたはC4−C10アルキレンであり;
Lは、C1−C14アルキレンであり;
Tは、二価のアシル残基CO−T’−COであり、T’は、1つ以上の酸素原子によって中断されたC20−C50アルキレンまたはC20−C50アルキレンであり;あるいはそれぞれ無置換であるか、またはアルキルによって置換されたC5−C12シクロアルキレンまたはC5−C12シクロアルケニレンによって中断されたアルキレンであり、T’は、全部で20〜50個の炭素原子を含み;
7は、水素またはメチルであり;
10は、水素、メチルまたは−OR7基であり;
11は、水素であり;
13は、水素、OHまたはメチルである。
【0059】
より好適な実施形態において、ポリマーヒドロキシフェニルトリアジン(成分(b1))は、式(IV)
【化8】

[式中、
xは、1〜20の数であり;
数字yは、少なくとも1であり、(x+z−1)から(x+z+1)の範囲であり;
zは、1〜20の数であり;
8は、水素、C1−C12アルキル;C5−C12シクロアルキル;C2−C12アルケニル;フェニル;C7−C11アルキルフェニル;フェニル、OH、ハロゲンによって置換されたC1−C12アルキル;C1−C18アルコキシ、C5−C12シクロアルコキシ、C3−C18アルケニルオキシまたはCOOH;特に水素またはC1−C4アルキルであり;
12は、水素またはC1−C8アルキルであり;
18は、水素またはC1−C4アルキルであり;
Dは、Oによって中断されたC4−C8アルキレンまたはC1−C10アルキルであり;
T’は、C20−C50アルキレン、または1つ以上の酸素原子によって中断されたC20−C50アルキレン;それぞれ無置換であるか、またはアルキルで置換されたC5−C12シクロアルキレンまたはC5−C12シクロアルケニレンによって中断されたアルキレンであるとともに、T’は、全部で20〜50個の炭素原子を含み;すべての他の記号は、式Iのエステルについて以上に定義されている通りである]に従うオリゴエステルまたはポリエステルである。好ましくは、上式IIIにおいて、xは、2〜50の範囲であり、二価の酸残基に対する式IIのトリアジン部分の数は、1対3〜10対1である。
【0060】
一般に、本発明の組成物において、成分(a1)および(b1)または(a2)および(b2)は、所望のUV吸収特性に十分な量で存在する。好適な実施形態において、本発明の組成物は、10〜70質量%の成分(a1)または(a2)および30〜90質量%の成分(b1)または(b2)、より好ましくは20〜45質量%の成分(a1)または(a2)および55〜80質量%の成分(b1)または(b2)を含み、所定の質量パーセントは、組成物の全質量を指す。
【0061】
本発明の組成物を有機材料のためのUV吸収剤として使用することができる。したがって、本発明のさらなる主題は、
(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物が周期律表の第13族、第14族および第17族、好ましくはIn、Gaおよび/またはAlから選択されるドーピング元素でドープされたナノ粒子金属酸化物、ならびに
(b1)立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質および/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含むUV吸収物質、あるいは
(a2)第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物、ならびに
(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質
を有機材料、好ましくはポリマー、特に有機ポリマーのためのUV吸収剤として含む組成物の使用である。「UV吸収剤」という用語は、UV光を吸収し、有機材料、好ましくは有機ポリマーを化学線による劣化に対して安定化させることが可能な材料を指す。
【0062】
したがって、本発明のさらなる主題は、本発明の上記UV吸収組成物を含むポリマーである。
【0063】
本発明のポリマーは、(成分(a1)もしくは成分(a2)またはそれらの混合物を指す)成分(a)を、ポリマーの全質量に対して、0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜2質量%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%の量で含む。
【0064】
さらなる好適な実施形態において、本発明のポリマーは、(成分(b1)もしくは成分(b2)またはそれらの混合物を指す)成分(b)を、ポリマーの全質量に対して、0.001〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%、最も好ましくは0.8〜2質量%の量で含む。
【0065】
本発明のポリマーは、好ましくは光学的に透明である。本出願において、「光学的に透明」とは、450nm〜800nmの可視領域の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の光が透過できることを意味する。
【0066】
さらに、本発明のポリマーは、通常、UVを吸収する。本出願において、「UVを吸収する」とは、280nm〜400nmのUV領域の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の光が透過できないことを意味する。
【0067】
一般に、UV吸収能力は、UV−VIS分光法を介して測定される。本出願において、積分球と連結されたPerkin Elemer Lamba 35UV/VIS分光計を使用した。
【0068】
一般に、「ポリマー」という用語は、すべての種類の熱可塑性ポリマー材料を指し、有機ポリマーが好適である。以下の有機ポリマーを使用することができる。
【0069】
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンもしくはポリブタジエンならびにシクロオレフィン、例えばシクロペンテンもしくはノルボルネンのポリマー、(場合によって架橋され得る)ポリエチレン、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0070】
ポリオレフィン、すなわち先のパラグラフに例示されているモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンを、異なる方法、特に以下の方法によって製造することができる。
a)(通常は高圧および高温下での)ラジカル重合
b)通常、周期律表の第IVb族、Vb族、VIb族またはVIII族の1つ以上の金属を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常、1つ以上の配位子、典型的には、πもしくはσ配位結合された酸化物、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離した形であっても、基質、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化珪素に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶または不溶であってよい。それらの触媒を重合にそのまま使用することができ、またはさらなる活性化剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物または金属アルキルオキサンを使用することができ、前記金属は、周期律表の第Ia族、IIa族および/またはIIIa族の元素である。活性化剤を便利にはさらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で変性することができる。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil(Indiana)、ジーグラー(ナッタ)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0071】
2.1)に記載されているポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)および異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0072】
3.モノオレフィンおよびジオレフィン同士または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(1−オレフィンがin−situ生成される);プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アクリルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)ならびにエチレンとプロピレンと、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンなどのジエンとのターポリマー;当該コポリマーの混合物、ならびに上記1)に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0073】
4.それらの水素化変性物(例えば粘着剤)を含む炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)およびポリアルキレンとデンプンの混合物。
【0074】
1.)〜4.)のホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好適である。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0075】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0076】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンのすべての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンならびにそれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマーおよびコポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好適である。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0077】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル酸誘導体ならびにそれらの混合物、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;高衝撃強度のスチレンコポリマーと別のポリマー、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの混合物;スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプロピレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンなどのスチレンブロックポリマーから選択される前記ビニル芳香族モノマーおよびコモノマーを含むコポリマー。
【0078】
6b.特に、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称する、アタクチックポリスチレンを水素化することによって製造されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む、6.)に記載のポリマーの水素化により誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0079】
6c.6a.)に記載のポリマーの水素化により誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0080】
ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好適である。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0081】
7.スチレンまたはα−メチルスチレンなどのビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上スチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上スチレン;ポリブタジエン上スチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上スチレン、アクリロニトリルおよびメタクリル酸メチル;ポリブタジエン上スチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエン上スチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上スチレンおよびマレイミド;ポリブタジエンスチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸アルキル;エチレン/ポリレン/ジエンターポリマー上スチレンおよびアクリロニトリル;ポリアクリル酸アルキルまたはポリメタクリル酸アルキル上スチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上スチレンおよびアクリロニトリル、ならびにそれらと6)に記載のコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして既知のコポリマー混合物。
【0082】
8.ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレン(ハロブチルゴム)の塩素化および臭素化コポリマー、塩素化またはスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーなどのそれらのコポリマーなどのハロゲン含有ポリマー。
【0083】
9.ポリアクリレートおよびポリメタクリレート;アクリル酸ブチルで耐衝撃性が改質されたポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリルなどの、α,β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導されたポリマー。
【0084】
10.9)に記載のモノマー同士または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキルもしくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマーまたはアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。
【0085】
11.不飽和アルコールおよびアミンもしくはアシル誘導体またはそれらのアセタールから誘導されたポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリフタル酸アリルまたはポリアリルメラミン、ならびに上記1)に記載のオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0086】
12.ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマーなどの環式エーテルのホモポリマーおよびコポリマー。
【0087】
13.ポリオキシメチレン、およびエチレンオキシドをコモノマーとして含むポリオキシメチレンなどのポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0088】
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、ならびにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0089】
15.一方ではヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンから誘導され、他方では脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン、ならびにそれらの前駆体。
【0090】
16.ジアミンおよびジカルボン酸、および/またはアミノカルボン酸もしくは対応するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から製造され、改質剤としてエラストマーを含む、または含まないポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;ならびに前記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学結合もしくはグラフトエラストマー;あるいはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;ならびにEPDMもしくはABSで変性されたポリアミドまたはコポリアミド;ならびに処理時に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0091】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0092】
18.ジカルボン酸およびジオールおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシ末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;ならびにポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
【0093】
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0094】
20.ポリケトン。
【0095】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0096】
22.セルロース、ゴム、ゼラチンおよびそれらの化学変性同族誘導体などの天然ポリマー、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロース、またはメチルセルロースなどのセルロースエーテル;ならびにロジンおよびそれらの誘導体。
【0097】
23.前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0098】
好適な実施形態において、ポリエチレンが使用され、LDPEが特に好適である。本発明のポリマーは、ポリマー基質としてのポリエチレンからなることも好適である。
【0099】
成分(a)および(b)を含む上記UV吸収組成物の他に、本発明のポリマーは、さらなる添加剤をさらに含むことができる。
【0100】
好適な添加剤の例を以下に記載する。
【0101】
1.アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールδ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、b−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミン系抗酸化剤あるいはそれらの混合物から選択される抗酸化剤。
【0102】
2.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−トリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール)、さらなる2−ヒドロキシベンゾフェノン、置換および無置換安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、オキサミド、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、またはそれらの混合物から選択されるUV吸収剤および光安定剤。
【0103】
3.金属不活性化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド。
【0104】
4.ホスファイトおよびホスホナイト、例えば、亜リン酸トリフェニル、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Incs.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトまたはそれらの混合物。
【0105】
5.ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン。
【0106】
6.ニトロン、例えばN−ベンジル−α−フェニルニトロン。
【0107】
7.チオ相乗剤、例えばチオジプロピオン酸ジラウリル。
【0108】
8.過酸化物捕捉剤、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル。
【0109】
9.ポリアミド安定剤、例えば、銅塩とヨウ化物および/または亜リン酸化合物との組合せ、ならびに二価のマンガンの塩。
【0110】
10.塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、シアヌル酸トリアリル、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0111】
これらのさらなる添加剤の1種または複数種が、通常、ポリマーの全質量に対して、0.01〜約10質量%の量、好ましくは0.1〜5質量%の量、より好ましくは0.5〜3質量%の量で含まれる。
【0112】
好適な実施形態において、Tinuvin 326(2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)が、さらなる添加剤として、好ましくはポリマーの全質量に対して0.5〜1.0質量%の量で使用される。
【0113】
本発明のポリマーを建築グレージング、建築および建設におけるグレージング、自動車用グレージング、輸送車両グレージング、農業用フィルムおよび構造体等の技術的応用分野に使用することができる。それらの材料は、固形シート、モノリシックシート、ツインウォールシート、マルチウォールシート、フラットシート、波形シート、フィルム、延伸または一軸もしくは二軸延伸フィルム、積層フィルム、キャップストックフィルムであってよい。具体的な応用分野としては、冬園およびベランダ建築物、ファサード、天窓、プールカバーおよび囲い、屋根構造体、ヴォールト、歩道、シェルター、信号、内装および外装設計構成要素、日除け、側窓、後窓、パノラマ屋根、温室が挙げられる。したがって、本発明のさらなる主題は、本発明のポリマーを含む農業用フィルムおよび包装フィルムである。
【0114】
農業用フィルムの具体的な応用分野は、温室、小形トンネル、マルチフィルム、飼料フィルム、ベールラップ、網および不織布である。好適なポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)および/またはエチル−酢酸ビニルコポリマーである。それらのフィルムは、通常、単層または共押出層を含む。フィルムの厚さは、通常、50〜200マイクロメートルの範囲である。
【0115】
本発明のポリマーは、また、包装製品の製造に好適である。包装という用語は、製造物(例えば食品または製造品、スペース部品等)を封入するための容器および包材等、ならびに当該容器または包材のための蓋等のクロージャを包含する。広く使用されるポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン(PP、PE)、およびエチレンとビニルアルコール、塩化ビニリデンおよび塩化ビニルとのコポリマーである。包装に使用されるフィルムの厚さは、例えば、50〜500マイクロメートル、好ましくは70〜200マイクロメートルの範囲であり得る。
【0116】
(成分(a)および(b)を含む)UV吸収組成物および任意のさらなる成分のポリマーへの混入は、粉末の形の乾式混合、あるいは例えば不活性溶媒、水または油の溶液、分散液または懸濁液の形の湿式混合等の既知の方法によって実施される。UV吸収組成物および任意のさらなる添加剤を、例えば、成形の前または後に、あるいは後の溶媒または懸濁/分散剤の蒸発を伴って、または伴わずに溶解または分散組成物をポリマー材料に塗布することによって混入することができる。該組成物を加工装置(例えば、押出機、内部ミキサー等)に乾燥混合物もしくは粉末として、または溶液もしくは分散液もしくは懸濁液もしくは溶融物としてそのまま加えることができる。
【0117】
該混入を、攪拌機を備えた任意の加熱可能容器、例えば、混練機、ミキサーまたは撹拌容器等の密閉装置で実施することができる。該混入は、好ましくは、押出機または混練機で実施される。加工を不活性雰囲気で行うか、または酸素の存在下で行うかは重要でない。
【0118】
ポリマーの組成物の添加を、ポリマーが溶融され、添加剤と混合されるすべての従来の混合機で実施することができる。好適な機械は、当業者に既知である。それらは、主にミキサー、混練機および押出機である。
【0119】
該方法は、好ましくは、加工時に添加剤を導入することによって押出機で実施される。
【0120】
特に好適な加工装置は、一軸押出機、逆転または共回転二軸押出機、遊星歯車押出機、環状押出機または共混練機である。真空にすることができる少なくとも1つのガス除去室を設けた加工装置を使用することも可能である。
【0121】
好適な押出機および混練機は、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,Vol.1 Grundlagen,Editors F.Hensen,W.Knappe,H.Potente,1989,pp.3−7,ISBN:3−446−14339−4(Vol.2 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載されている。例えば、スクリュー長は、1〜60スクリュー直径、好ましくは20〜48スクリュー直径である。スクリューの回転速度は、好ましくは、1〜800回転/分(rpm)、特に好ましくは25〜400rpmである。
【0122】
本発明の添加剤および任意のさらなる添加剤を、成分(a)および(b)ならびに場合によってさらなる添加剤を含む組成物を含むマスターバッチ(「濃縮物」)の形で、濃縮物の全質量に対して1質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜約20質量%の濃度にてポリマーに添加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】In充填量を増加させた場合におけるメトキシエタノールで合成されたZnO系サンプルのXRDパターンを示す図である。
【図2】ZnOの非ドープの市販のサンプル(直線−)および上記手順に従って製造された3つの異なるドープ形態のZnOの粉末拡散反射分析を示す図である。
【0124】
本発明を以下の実施例によって説明する。百分率は、特記しない限り、質量%である。
【0125】
実施例
実施例1:フィルム製造1
一定量の以下に記載のマスターバッチに、0.6g/10分のメルトインデックスを有するLDPE(Riblene FF−29)をターボミキサー(Caccia、Labo 10)によってペレットの形で導入した(190℃/2.16Kg)。210℃の最大温度で動作するブロー押出機(Dolci)を使用して、該混合物を200μm厚さのフィルムに加工した。
【0126】
12%のCiba(登録商標)Tinuvin NOR371(N酸素置換立体障害アミン)および3%のTinuvin326を含む15%マスターバッチであるマスターバッチA(「MB A」)を使用した。ポリマー配合物において、2つの添加剤の結果的濃度は、0.4%のCiba(登録商標)Tinuvin NOR371および0.1%のCiba(登録商標)Tinuvin 326である。
【0127】
「MB1A」および「MB2A」は、以下に記載される粒径を有する非ドープナノ粒子TiO2を含むマスターバッチであった。「MB3」は、以下に記載される粒径を有するInドープされたナノ粒子TiO2のマスターバッチであった。
【0128】
すべてのマスターバッチは、LDPEにおける濃縮物であった。
【0129】
以下の表に、TiO2のサンプルの平均粒径を報告する。
【0130】
【表1】

【0131】
マスターバッチA、1A、2Aおよび3Aを使用して、以下の配合物1〜4を製造した。
【0132】
【表2】

【0133】
実施例2:性能結果
実施例1の配合物1〜4から得られた200ミクロンのLDPEフィルムの性能を、燃焼硫黄または硫黄含有農薬の存在下で自然エージング(イタリアBolognaに設置された屋外ステーション)および人工エージング(6500Wキセノンランプ(連続光サイクル、黒色パネル温度=63℃))が装備されたATLAS Weatherometer型式Ci65A)して評価した。曝露時間の関数としての機械特性を監視した。
【0134】
それらの結果を以下の表に示した。
【0135】
【表3】

【0136】
上記結果から、無機UV吸収剤をナノ粒子の形でN−酸素置換HALSとともに混入すると、過酷な硫黄処理の存在下でも、エージングに対するフィルムの抵抗性が顕著に向上する。光安定剤をドープされたナノ粒子金属酸化物と組み合わせると性能がより向上する。
【0137】
実施例3:フィルム製造2
ターボミキサー(Caccia、Labo10)にて、以下の表に報告される一定量の添加剤と、0.6g/10分のメルトインデックスを有するLDPE Riblene FF−29とを混合した(190℃/2.16Kg)。O.M.C.二軸押出機(型式ebv 19/25)を使用して200℃の最大温度で該混合物を押し出して造粒し、続いて210℃の最大温度で動作する実験規模の押出機(Formac)を使用して150μmの厚さのフィルムに加工した。
【0138】
【表4】

【0139】
様々なUV吸収剤の粒径分布を以下の表に報告する。
【0140】
【表5】

【0141】
配合物5は非ドープZnOを含むのに対して、配合物6〜8はドープされたナノ粒子ZnOを含むことが上記の表から分かる。配合物6と7の違いは、ドープされたナノ粒子ZnOの粒径である。
【0142】
実施例4:性能結果
150ミクロンのLDPEフィルムの性能を人工エージング(6500Wキセノンランプ(連続光サイクル、黒色パネル温度=63℃))が装備されたATLAS Weatherometer型式Ci65A)して評価した。曝露時間の関数のカルボニル増分(FT−IR Perkin−Elmer Spectrum Oneによる1710cm−1におけるピーク)を監視した。
【0143】
【表6】

【0144】
配合物5および7は、人工エージングに対して特に安定していることがわかる。
【0145】
実施例5:InドープされたZnOの製造
すべての化学物質をSigma Aldrichから調達し、特記しない限りそのまま使用する。
【0146】
反応スキーム
【化9】

【0147】
14.0gの(CH3CO22Znおよび1.13gのIn(CH3CO23をオートクレーブ装置内で166mlのメトキシエタノール(>99.5%)に溶解させた。温度を150℃まで昇温させ、展開圧力を約2バールとする。温度を設定すると、該混合物を当該温度で1時間放置し、次いで室温まで下げた。得られたゾルは青色で安定していた。反応終了直後に、サンプルをDLS分析のために採取した。溶媒を蒸発させ、続いて19時間にわたって150℃に設定された回転式クーゲルロールオーブン内で1回以上熱処理することによって、粗製物を乾燥させる。
【0148】
実施例6:InドープされたZnOの特徴付け
In含有率が2、6および12質量%であるInドープされたZn(IZO)を実施例5に従って製造した。それぞれのサンプルをそれぞれIZO−M2、IZO−M6およびIZO−M12とした。
【0149】
以下の表は、Inドープされたサンプルに関するDLSデータを要約したものであり、懸濁物の平均粒径が、使用した溶媒およびIn含有率の双方に依存することを示すものであった。概して、多分散性指数(PI)によって示されるように、粒径分布は、平均粒径に密接に関連し、粒径が大きいほど粒径分布が広くなる。さらに、メトキシエタノールを溶媒として使用すると、恐らくはエタノール(異なるサンプルをエタノールでも製造した)と比較して錯化および安定化能力が高いため、粒径のより良好な制御が可能になり、インジウム含有率が多くなると、より大きい寸法の粒子が得られる。
【0150】
【表7】

【0151】
In充填量を増加させた場合におけるメトキシエタノールで合成されたZnO系サンプルのXRDパターンを図1に示す。
【0152】
得られた粉末は、結晶性であり、安定なウルツ鉱構造を示す。すべての反射光をZnOの六角形P63mc構造に割り当て、JCPDSカードNo.36−1451に基づいて指数化する。酸化インジウムまたは他の化合物に対応する相が検出されなかった。ドープされたナノ粒子のピーク幅は、非ドープ材料のピーク幅よりはるかに広く、それは、インジウム導入による格子の歪みを示すものである。ドーパント含有率がより大きくなると、最も有意な広幅化が生じることが注目される。この結果は、ZnO結晶子の形成に対するIn原子の影響を明確に示している。
【0153】
粉末の粒径を、Scherrer式D=(0.9λ)/[(β’)cosθ][Dは結晶子の直径を表し、λはCuKαラインの波長である]を使用して計算した。β’は、計器広幅化に対してクリーンにされた所定の2θブラッグ角[(β2−βst2-1/2][βは、サンプル中の実測反射光のFWHMを表し、βstは、同じ2θ領域における非常に大きい結晶子を有する歪みのないサンプルの好適な反射光のFWHMである]における反射光のFWHMである。
【0154】
以下の表に報告されるように、粒径は、In充填量が増加するに従って小さくなることが判明した。
【0155】
【表8】

【0156】
特に、当該粒子の縮小は、ある格子面(すなわち、002、102および103)に沿ってより一定する。それぞれ(100)および(002)回折ピークからの粒径aおよびcを考慮すると、これらのデータは、ドーパントの不在下で形成された製造物が、15〜20nmの平均直径を有する球体または楕円体の粒子であったことを示すものと思われる。対照的に、インジウムが存在すると、優先的にa軸に沿って成長するロッドの形成に有利である。実際、In含有率が増加した場合の結晶子サイズの推定値は、その方向では一定であるが、c方向では20nm〜3nmへと減じる。これは、c方向におけるウルツ鉱ZnOの結晶成長がインジウムの導入によって大いに抑制されたことを意味する。格子パラメータの向上に基づいて、In充填量の関数としての基本格子容量の変化を確認することが可能である。
【0157】
図2は、ZnOの非ドープの市販のサンプル(直線−)および上記手順に従って製造された3つの異なるドープされた形態のZnOの粉末拡散反射分析を示す。
【0158】
2%InドープされたZnO(点波線−--−--)、6%InドープされたZnO(波線−−−)および12%InドープされたZnO(点線----)。
【0159】
実施例7:GaドープされたZnOの製造
Ga(NO33・xH2Oを8時間にわたって150℃(15mmHg)に設定されたクーゲルロールオーブンにて乾燥させ、電量水測定を実施した(含水量:12.23%)。この材料は、使用されているガリウム前駆体であった。
【0160】
オートクレーブ装置は、恒温装置Julabo 5HCによって冷却することによって300ml容量のハステロイC22ウオーターである。実験を、シリコン油Haake高温装置と対になった250ml容量の鋼製オートクレーブ内で成功裡に繰り返した。
【0161】
クーゲルロールオーブンは、15mmHgで機能する真空ポンプを備えた回転式Buechi装置であった。
【0162】
8.42gの(CH3CO22Znおよび1.15gのGa(NO33・xH2Oをオートクレーブ装置内で100mlのメトキシエタノール(>99.5%)に溶解させた。温度を150℃まで上昇させ、展開圧力を約2バールとする。温度を設定すると、該混合物を当該温度で15分間放置し、次いで室温まで下げた。得られたゾルは乳状で安定していた。反応終了直後に、サンプルをDLS分析のために採取した。溶媒を蒸発させ、続いて19時間にわたって150℃に設定された回転式クーゲルロールオーブン内で1回以上熱処理することによって、粗製物を乾燥させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性有機ポリマーと、
(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物が周期律表の第13、14および17族から、好ましくはIn、Gaおよび/またはAlから選択されるドーピング元素でドープされているナノ粒子金属酸化物、および
(b1)立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質および/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含むUV吸収物質、あるいは
(a2)第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物、および
(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含む有機UV光吸収物質
とを含む組成物であって、(a1)または(a2)が、ポリマーの全質量に対して、0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜2質量%の量で存在することを特徴とする組成物。
【請求項2】
ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)の平均粒径が、1nm〜150nm、好ましくは10nm〜120nmである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ナノ粒子金属酸化物(a1)または(a2)が、亜鉛酸化物またはチタン酸化物から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ナノ粒子金属酸化物(a1)が、ナノ粒子金属酸化物の全質量に対して、3〜12質量%、好ましくは4〜10質量%の含有率のIn、Gaおよび/またはAlの金属を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
成分(b1)または(b2)の立体障害アミンが、ニトロキシル、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミンまたはヒドロキシルアルコキシアミン類のN−酸素置換立体障害アミンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記立体障害アミンが、式(I)または(II)
【化1】

[式中、
Gは、水素またはメチルであり、G1およびG2は、互いに独立して、水素、メチル、またはともに置換基=Oである]の基を含む化合物であり、且つ、その際、該化合物は、好ましくは170g/mol〜10000g/molの範囲の分子量を有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
成分(b1)において、ポリマーヒドロキシフェニルトリアジンが、式(III)
−[A−O−D−O]x− (IV)
[式中、
xは、1〜50の数であり;
Aは、式(IV)
【化2】

の基であり、あるいは
Tについて示される意味の1つを有し;
Dは、C4−C12アルキレン、またはOHによって置換された、もしくはOによって中断された、またはOHによって置換され、且つOによって中断された前記アルキレンであり;
Lは、C1−C18アルキレン;C5−C12シクロアルキレン;C3−C18アルケニレン;またはフェニル、C7−C11アルキルフェニル、C5−C12シクロアルキル、OH、ハロゲン、C1−C18アルコキシ、C5−C12シクロアルコキシ、C3−C18アルケニルオキシ、COOHによって置換された前記残基の1つであり;
1は、互いに独立して、H、OR7またはOHであるが、但し、R1またはR13の少なくとも1つはOHであり;
7は、互いに独立して、水素、C1−C12アルキルまたは式−L−CO−O−R9の基であり;
9は、H、C1−C18アルキル、C2−C12ヒドロキシアルキルであり;
10は、水素、C1−C4アルキル、Cl、フェニルまたは−OR7基であり;
11は、水素またはメチルであり;
13は、水素、メチル、OHまたはOR7であり;且つ
Tは、13〜60個の炭素原子の脂肪族または脂環式ジカルボン酸の二価のアシル残基であり;且つ
式(IV)の少なくとも1つの部分および少なくとも1つのT部分が含まれる]のオリゴエステルまたはポリエステルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
10〜70質量%の成分(a1)または(a2)および30〜90質量%の成分(b1)または(b2)、好ましくは20〜45質量%の成分(a1)または(a2)および55〜80質量%の成分(b1)または(b2)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分(b)が、ポリマーの全質量に対して0.1〜4質量%、好ましくは0.5〜3質量%の量で存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記ポリマーが、光学的に透明であり、且つ280nm〜400nmの波長範囲の光を吸収する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
ポリマー材料としてポリエチレン、特にLDPEを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリマーを含む農業用プラスチックフィルムまたは包装フィルム。
【請求項13】
チタン酸化物および亜鉛酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物において該金属酸化物がIn、Gaおよび/またはAlでドープされているナノ粒子金属酸化物を製造するための方法であって、
(i)チタン酸化物または亜鉛酸化物を、好ましくは溶液または分散液の形で提供する工程と、
(ii)酢酸塩、硝酸塩、水酸化物およびハロゲン化物から選択されるIn、Gaおよび/またはAl塩を、好ましくは溶液または分散液の形で添加する工程と、
(iii)工程(ii)で得られた組成物を加熱する工程と、
(iv)得られるドープされたナノ粒子金属酸化物を単離する工程と
を含む方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法によって得られるナノ粒子金属酸化物。
【請求項15】
(a1)周期律表の第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物であって該金属酸化物が周期律表の第13、14および17族から、好ましくはIn、Gaおよび/またはAlから選択されるドーピング元素でドープされているナノ粒子金属酸化物、および
(b1)立体障害アミンを含む有機UV光安定化物質および/またはポリマーヒドロキシフェニルトリアジンを含むUV吸収物質、あるいは
(a2)第4族および第12族の酸化物から選択されるナノ粒子金属酸化物、ならびに
(b2)N−酸素置換立体障害アミンを含む有機UV光吸収物質の、
有機材料、好ましくは熱可塑性ポリマーにおけるUV吸収剤としての使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−506722(P2011−506722A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538599(P2010−538599)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067366
【国際公開番号】WO2009/080548
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】