説明

ナノ結晶を被包するための方法

本発明は、発光ナノ結晶を気密封止する方法、ならびに気密封止された発光ナノ結晶を含む組成物および容器を提供する。発光ナノ結晶を気密封止することによって、寿命の延長およびルミネセンスの強化を達成することができる。一実施形態では、本発明は、複数の発光ナノ結晶を含む組成物を気密封止する方法を提供する。適当には、この方法は、組成物上にバリア層を配置する(例えばスパッタリングし、または原子層堆積によって堆積させる)ことを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ナノ結晶(luminescent nanocrystal)を気密封止する方法および気密封止されたナノ結晶組成物(composition)に関する。
【背景技術】
【0002】
空気および水分にさらされた発光ナノ結晶は酸化的損傷を受け、その結果、しばしばルミネセンス(luminescence)を失う。ダウンコンバージョン層、フィルタリング層などの用途における発光ナノ結晶の使用はしばしば、発光ナノ結晶を、高温、高強度光、環境ガスおよび水分にさらす。これらの因子は、これらの用途における長い発光寿命に対する要求とあいまって、しばしば発光ナノ結晶の使用を限定し、または頻繁な交換を要求する。したがって、発光ナノ結晶を気密封止し、それによって使用寿命を延ばし、発光強度を増大させることを可能にする方法および組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
必要とされているのは、発光ナノ結晶を気密封止する方法および組成物を提供する解決策である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、発光ナノ結晶を気密封止する方法および組成物を提供する。本発明に従って調製された組成物はさまざまな用途に応用することができ、本発明の方法は、さまざまな形状および構成の気密封止されたナノ結晶組成物の調製を可能にする。
【0005】
一実施形態では、本発明は、複数の発光ナノ結晶を含む組成物を気密封止する方法を提供する。適当には、この方法は、組成物上にバリア層を配置する(例えばスパッタリングし、または原子層堆積によって堆積させる)ことを含む。例示的なバリア層は、限定はされないがSiO、TiO、AlOなどの無機層を含む。適当な実施形態では、本発明の実施に際して使用される発光ナノ結晶がコア−シェル発光ナノ結晶、例えばCdSe/ZnS、CdSe/CdSまたはInP/ZnSナノ結晶である。
【0006】
本発明はさらに、複数の発光ナノ結晶を含む容器を気密封止する方法を提供する。適当には、発光ナノ結晶を気密封止するため、容器上にバリア層(例えば無機層)が配置される。他の実施形態では、容器をヒートシールし、超音波溶接し、はんだ付けし、または接着することによって、容器が気密封止される。適当には、本発明の方法が不活性雰囲気中で実施される。
【0007】
追加の実施形態では、本発明は、発光ナノ結晶を含む気密封止された組成物および容器を提供する。適当には、この発光ナノ結晶は、コア−シェルナノ結晶、例えばCdSe/ZnSまたはInP/ZnSナノ結晶を含む、約1〜10nmのサイズを有する半導体発光ナノ結晶である。適当には、この組成物および容器は、バリア層、例えば、SiO、TiO、AlOなどの無機層、または充填材入りエポキシ樹脂、液晶ポリマー、配向ポリマー(oriented polymer)、本来的に低透過性のポリマーなど、酸素および水分の透過を相当に低減するように設計された有機材料によって気密封止される。他の実施形態では、この気密封止された組成物および容器はさらに、マイクロレンズを形成するために組成物または容器中に成形されたマイクロパターンをさらに含むことができる。他の実施形態では、気密封止された組成物および容器は、組成物および容器に関連付けられた光集束装置を含むことができる。該装置は、組成物および容器から放出された光を集束させて、ビームにするのに役立つ。
【0008】
本発明の追加の特徴および利点は以下の説明に記載されており、それらの一部は以下の説明から明白であり、または他の部分は本発明の実施によって学ぶことができる。本発明の利点は、この構造によって実現され、達成され、本明細書の説明文および特許請求の範囲、ならびに添付図面に具体的に示される。
【0009】
以上のおおまかな説明および以下の詳細な説明はともに例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲に記載された発明の追加の説明を提供することが意図されていることが理解されるべきである。
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は本発明を図解するものであり、また、本明細書の説明とともに、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を実施および使用することを可能にするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に基づく気密封止された発光ナノ結晶組成物を示す図である。
【図2】図2は、発光ナノ結晶を含む容器を気密封止する本発明の一実施形態に基づく方法を示す図である。
【図3】図3は、個別に封止された組成物を含む、本発明の一実施形態に基づく気密封止された発光ナノ結晶組成物を示す図である。
【図4】図4は、発光ナノ結晶を含む、本発明の一実施形態に基づく気密封止された容器を示す図である。
【図5】図5は、マイクロレンズをさらに含む、本発明の一実施形態に基づく気密封止された組成物を示す図である。
【図6】図6A〜6Cは、光集束装置をさらに含む、本発明の一実施形態に基づく気密封止された組成物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明を説明する。添付図面では、同様の参照符号が、同一の要素または機能的に類似した要素を指示する。
【0013】
本明細書に示され、記載された特定の実施態様は本発明の例であり、それらの実施態様は、いかなる形であれ本発明の範囲を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。事実、簡潔にするため、従来のエレクトロニクス、製造、半導体デバイス、ならびにナノ結晶、ナノワイヤ(NW)、ナノロッド、ナノチューブおよびナノリボン技術、ならびにシステムの他の機能態様(およびシステムの個々のオペレーティング構成要素の構成要素)は、本明細書では詳細に説明されないことがある。
【0014】
本発明は、発光ナノ結晶を含むナノ結晶を含むさまざまな組成物を提供する。吸収特性、放出特性および屈折率特性を含む発光ナノ結晶のさまざまな特性を、さまざまな用途に対して調整および調節することができる。本明細書で使用されているとおり、用語「ナノ結晶」は、実質的に単結晶であるナノ構造物を指す。ナノ結晶は、約500nm未満から約1nm未満程度までの寸法を有する少なくとも1つの領域または特性寸法を有する。本明細書で使用されているとおり、数値に言及するときに「約」は、明示された値の±10%の値を意味する(例えば「約100nm」は90nm以上110nm以下のサイズ範囲を包含する)。用語「ナノ結晶」、「ナノドット」、「ドット」および「量子ドット」が同様の構造物を表すことは当業者によって直ちに理解され、本明細書ではこれらの用語が相互に交換可能に使用される。本発明はさらに、多結晶または非晶質ナノ結晶の使用を包含する。本明細書で使用されているとおり、用語「ナノ結晶」はさらに「発光ナノ結晶」を包含する。本明細書で使用されているとおり、用語「発光ナノ結晶」は、外部エネルギー源(適当には光)によって励起されたときに光を放出するナノ結晶を意味する。ナノ結晶の気密封止を説明するときに本明細書で使用されているとおり、適当な実施形態においては、ナノ結晶が発光ナノ結晶であることが理解されるべきである。
【0015】
一般に、上記の特性寸法の領域は構造物の最も小さな軸に沿う。ナノ結晶の材料特性は実質的に均一あることができ、または、ある種の実施形態では不均一であることができる。ナノ結晶の光学特性は、その粒径、化学または表面組成によって決定されうる。発光ナノ結晶のサイズを、約1nmから約15nmの範囲に調整することができることは、全光スペクトル内の光放出範囲が、演色における大きな融通性(versatility)を提供することを可能にする。粒子カプセル化は、化学およびUV劣化作用因子に対するロバストネスを提供する。
【0016】
発光ナノ結晶を含む、本発明で使用されるナノ結晶は、当業者に知られている任意の方法を使用して製造することができる。適当な方法および例示的なナノ結晶が、2005年1月13日に出願された米国特許出願第11/034,216号、2004年3月10日に出願された米国特許出願第10/796,832号、米国特許第6,949,206号、および2004年6月8日に出願された米国特許仮出願第60/578,236号に記載されている。これらの文献の開示はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本発明で使用されるナノ結晶は、無機材料、より適当には無機導体または半導体材料を含む、適当な任意の材料から製造することができる。適当な半導体材料は、米国特許出願第10/796,832号に開示された材料を含み、II−VI族、III−V族、IV−VI族およびIV族半導体を含む任意のタイプの半導体を含む。適当な半導体材料は、限定はされないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al,Ga,In)(S,Se,Te)、AlCO、および2種以上の該半導体の適当な組合せを含む。
【0017】
ある種の態様では、半導体ナノ結晶が、p型ドーパントまたはn型ドーパントからなるグループからのドーパントを含むことができる。本発明において有用なナノ結晶はさらにII−VIまたはIII−V半導体を含むことができる。II−VIまたはIII−V半導体ナノ結晶の例は、Zn、Cd、Hgなどの周期表のII族の元素と、S、Se、Te、PoなどのVI族の任意の元素との任意の組合せ、ならびにB、Al、Ga、In、Tlなどの周期表のIII族の元素と、N、P、As、Sb、BiなどのV族の任意の元素との任意の組合せを含む。
【0018】
発光ナノ結晶を含む、本発明において有用なナノ結晶はさらに、全体を通じて説明したようにナノ結晶の表面に共役し、配位し、会合し、または堆積したリガンドを含むことができる。適当なリガンドは、米国特許出願第11/034,216号、米国特許出願第10/656,910号および米国特許仮出願第60/578,236号に開示されたものを含む、当業者に知られている任意のリガンド群を含む。これらの文献の開示はそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。このようなリガンドの使用によって、ポリマーを含むさまざまな溶媒およびマトリックス中に混和するナノ結晶の能力を強化することができる。さまざまな溶媒およびマトリックス中におけるナノ結晶の混和性(すなわち分離せずに混合される能力)を増大させることは、ナノ結晶が互いに凝集せず、したがって光を散乱させないように、ナノ結晶をポリマー組成物全体に分布させることを可能にする。このようなリガンドは、本明細書では「混和性強化」リガンドと記述される。
【0019】
本明細書で使用されているとおり、用語ナノコンポジットは、その中に分配されまたは埋め込まれたナノ結晶を含むマトリックス材料を指す。適当なマトリックス材料は、ポリマー材料、有機および無機酸化物を含む、当業者に知られている任意の材料でありうる。本発明のナノコンポジットは、本明細書に記載された層、カプセル材料、コーティングまたはフィルムとすることができる。層、ポリマー層、マトリックスまたはナノコンポジットに言及した本発明の実施形態では、これらの用語が相互に交換可能に使用されること、およびこれらの用語に言及して記述された実施形態は、1つのタイプのナノコンポジットには限定されず、本明細書に記載されたまたは当技術分野で知られている任意のマトリックス材料または層を包含することが理解されるべきである。
【0020】
(例えば米国特許出願第11/034,216号に開示されているような)ダウンコンバーティングナノコンポジットは、特定の波長の光を吸収し、次いで第2の波長で発光するように調整された発光ナノ結晶の放出特性を利用し、それによって活性源(例えばLED)の性能および効率を強化する。上で論じたとおり、このようなダウンコンバージョン用途および他のフィルタリングまたはコーティング用途における発光ナノ結晶の使用はしばしば、ナノ結晶を、高温、高強度光(例えばLED源)、外部ガスおよび水分にさらす。これらの条件にさらされることが、ナノ結晶の効率を低下させ、それによって有効製品寿命を短縮することがある。この問題を解決するため、本発明は、発光ナノ結晶を気密封止する方法、ならびに発光ナノ結晶を含む気密封止された容器および組成物を提供する。
【0021】
発光ナノ結晶蛍りん光体
ナノ結晶蛍りん光体を製造するためには、当業者に知られている任意の方法を使用することができるが、適当には、無機ナノ材料蛍りん光体の制御された成長のための溶液相コロイド法が使用される。Alivisatos, A.P.、「Semiconductor clusters, nanocrystals, and quantum dots」、Science、271巻:933頁(1996年)、X. Peng, M. Schlamp、A. Kadavanich、A.P. Alivisatos、「Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、J. Am. Chem. Soc.、30巻:7019〜7029頁(1997年)、およびC. B. Murray、D.J. Norris、M.G. Bawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E = sulfur, selenium, tellurium) semiconductor nanocrystallites」、J. Am. Chem. Soc.、115巻:8706頁(1993年)を参照されたい。これらの文献の開示はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。この製造工程技術は、クリーンルームおよび高価な製造機器が必要ない低コストプロセッサビリティ(processability)を後押しする。これらの方法では、高温で熱分解を受ける金属前駆体が、有機界面活性剤分子の熱溶液中に急速に注入される。これらの前駆体は高温で分解し、反応して、ナノ結晶の核を生成する。この最初の核生成段階の後、成長中の結晶に単量体を追加することによって成長段階が始まる。その結果は、有機界面活性剤分子が表面を覆った溶液中の独立した結晶性ナノ粒子である。
【0022】
この方法を利用すると、数秒間にわたって起こる最初の核生成事象、およびそれに続く数分間の高温での結晶成長として、合成が起こる。反応の性質および進行を変化させるため、温度、存在する界面活性剤のタイプ、前駆体材料、界面活性剤と単量体の比などのパラメータを変更することができる。温度は、核生成事象の構造段階、前駆体の分解速度および成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、溶解度とナノ結晶の形状制御の両方に関与する。界面活性剤と単量体の比、界面活性剤相互間の比、単量体相互間の比および個々の単量体の濃度は、成長の速度論に強く影響する。
【0023】
適当な実施形態では、CdSeが、ナノ結晶材料として、一例では可視光ダウンコンバージョン用のナノ結晶材料として使用される。これは、この材料の合成が比較的に成熟しているためである。総称界面化学の使用によって、カドミウムを含まないナノ結晶を代わりに使用することも可能である。
【0024】
コア/シェル発光ナノ結晶
半導体ナノ結晶では、光誘導放出が、ナノ結晶のバンドエッジ状態から起こる。発光ナノ結晶からのバンドエッジ放出は、表面電子状態から生じる放射性および非放射性の崩壊チャネルと競合する。X. Pengら、J. Am. Chem. Soc.、30巻:7019〜7029(1997年)。その結果、ダングリングボンドなどの表面欠陥の存在が無放射性再結合中心を提供し、放出効率の低下に寄与する。この表面トラップ状態を不活性化し、除去する効率的で永続的な1つの方法が、ナノ結晶の表面に無機シェル(shell)材料をエピタキシャル成長させる方法である。X. Pengら、J. Am. Chem. Soc.、30巻:7019〜7029(1997年)。シェル材料は、電子準位がコア(core)材料に対してI型であるように(例えば電子および正孔をコアに局在化させる潜在的なステップを提供するためより大きなバンドギャップを有するように)選択することができる。その結果、無放射性再結合の確率を低下させることができる。
【0025】
コア−シェル構造物は、シェル材料を含む有機金属前駆体を、コアナノ結晶を含む反応混合物に加えることによって得られる。この場合には、核生成事象に続いて成長が起こるのではなく、コアが核の働きをし、コアの表面からシェルが成長する。コア表面へのシェル材料単量体の付加を促進し、シェル材料のナノ結晶の独立した核生成を防ぐため、反応温度は低く維持される。シェル材料の制御された成長を誘導し、溶解性を保証するため、反応混合物中に界面活性剤が存在する。均一なエピタキシャル成長シェルは、これらの2つの材料間に低い格子不整合が存在するときに得られる。さらに、球の形状は、大きな曲率半径による界面ひずみエネルギーを最小化する働きをし、それによって、ナノ結晶系の光学特性を悪化させうる転位の形成を防ぐ。
【0026】
コア−シェル発光ナノ結晶を調製するための例示的な材料は、限定はされないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、Co、Au、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al,Ga,In)(S,Se,Te)、AlCO、および2種以上の該材料の適当な組合せを含む。本発明の実施に際して使用される例示的なコア−シェル発光ナノ結晶は、限定はされないが、(コア/シェルとして)CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、CdTe/ZnSおよびその他を含む。
【0027】
気密封止された発光ナノ結晶組成物および発光ナノ結晶を含む容器
一実施形態では、本発明は、複数の発光ナノ結晶を含む組成物を気密封止する方法を提供する。適当にはこの方法は、発光ナノ結晶を封止するために組成物上にバリア層を配置することを含む。全体を通じて論じたとおり、用語「気密」、「気密封止」および「気密封止された」は、全体を通じて、容器を通過しまたは組成物内に浸透し、かつ/あるいは発光ナノ結晶と接触するガス(例えば空気)または水分の量が、ナノ結晶の性能(例えばルミネセンス)を実質的に達成しないレベルまで低減されるような態様で、組成物、容器および/または発光ナノ結晶が調製されたことを示すために使用される。したがって、「気密封止された組成物」、例えば発光ナノ結晶を含む気密封止された組成物は、ある量の空気(あるいは他のガス、液体または水分)が組成物内に浸透し、発光ナノ結晶と接触して、その結果、ナノ結晶の性能(例えばルミネセンス)が実質的に達成されまたは影響を受ける(例えば低下する)ことを許さない組成物である。
【0028】
全体を通じて使用されているとおり、複数の発光ナノ結晶は2つ以上のナノ結晶(すなわち2、3、4、5、10、100、1,000、1,000,000などのナノ結晶)を意味する。適当には、組成物が、同じ組成を有する発光ナノ結晶を含むが、他の実施形態では、複数の発光ナノ結晶が異なるさまざまな組成であることができる。例えば、発光ナノ結晶が全て同じ波長で発光することができ、または、他の実施形態では、組成物が、異なる波長で発光する発光ナノ結晶を含むことができる。
【0029】
図1に示されているように、一実施形態では、本発明は、複数の発光ナノ結晶104を含む組成物100を提供する。本発明の組成物においては、全体を通じて説明したナノ結晶、および当技術分野で知られている他のナノ結晶、例えば米国特許出願第11/034,216号に開示されたナノ結晶を含む、任意のナノ結晶を調製することができる。
【0030】
適当な実施形態では、組成物100が、マトリックス102全体に分散した複数の発光ナノ結晶104を含む。全体を通じて使用されているとおり、分散は、ナノ結晶の一様な(すなわち実質的に均一な)分布/配置、および一様でない(すなわち実質的に不均一な)分布/配置を含む。本発明の組成物において使用される適当なマトリックスは、ポリマーならびに有機および無機酸化物を含む。本発明のマトリックスに使用される適当なポリマーは、このような目的に使用することができる当業者に知られた任意のポリマーを含む。適当な実施形態では、ポリマーが実質的に半透明または実質的に透明である。このようなポリマーは、限定はされないが、ポリ(ビニルブチラール);ポリ(酢酸ビニル);エポキシ樹脂;ウレタン;シリコーンならびに限定はされないがポリフェニルメチルシロキサン、ポリフェニルアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、フッ化シリコーン、ビニルおよび水素化物置換シリコーンを含むシリコーン誘導体;限定はされないがメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸ラウリルを含む単量体から形成されたアクリルポリマーおよびコポリマー;スチレンベースのポリマー;ならびにジビニルベンゼンなどの2官能性単量体で架橋されたポリマーを含む。
【0031】
適当な任意の方法、例えば、ポリマーにナノ結晶を混入し、フィルムを注型する方法、ナノ結晶を単量体と混合し、それらを一緒に重合させる方法、ゾル−ゲルにナノ結晶を混入して酸化物を形成する方法、または当業者に知られている他の任意の方法を使用して、本発明において使用される発光ナノ結晶を、ポリマー(または他の適当な材料、例えばワックス、油)マトリックス中に埋め込むことができる。本明細書で使用されているとおり、用語「埋め込む」は、マトリックスの主成分を構成するポリマーに発光ナノ結晶が取り囲まれている、または包み込まれていることを示すために使用される。適当には、発光ナノ結晶がマトリックス全体に均一に分布するが、他の実施形態では、用途を特定した均一性分布関数(uniformity distribution function)に従って、発光ナノ結晶を分布させることができることに留意すべきである。
【0032】
スピンコーティング、スクリーン印刷などの当技術分野で知られている任意の方法によって、本発明の組成物の厚さを制御することができる。本発明の発光ナノ結晶組成物は、望ましい任意のサイズ、形状、構成および厚さであることができる。例えば、本発明の組成物は、層ならびに他の形状、例えば円板、球、立方体ないしブロック、管形などの形態をとることができる。本発明のさまざまな組成物は必要なまたは所望の任意の厚さであることができるが、適当には、組成物の厚さ(すなわち1次元)が約100mm程度から約1mm未満程度までである。他の実施形態では、本発明のポリマー層の厚さを数十から数百ミクロン程度とすることができる。発光ナノ結晶は、さまざまな組成物/マトリックスに、所望の機能のために適当な任意のローディング比で埋め込むことができる。適当には、発光ナノ結晶が、用途、マトリックスおよび使用されるナノ結晶のタイプに応じて約0.001体積%から約75体積%までの比でロードされる。適当なローディング比は当業者が容易に決定することができ、本明細書では特定の用途に関してさらに説明される。例示的な実施形態では、発光ナノ結晶組成物にロードされるナノ結晶の量が、約10体積%程度から百万分率(ppm)レベルまでである。
【0033】
適当には、本発明で使用される発光ナノ結晶のサイズが約100nm未満から約2nm未満までである。適当な実施形態では、本発明の発光ナノ結晶が可視光を吸収する。本明細書で使用されているとおり、可視光は、人間の眼に見える約380ナノメートルから約780ナノメートルまでの波長を有する電磁放射である。可視光は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫など、スペクトルのさまざまな色に分離されうる。これらの色のうちの任意の1つまたは複数の色を構成する光を吸収するように、本発明の光子フィルタリングナノコンポジットを構築することができる。例えば、青色光、赤色光または緑色光、このような色の組合せ、あるいはこれらの色の任意の中間色を吸収するように、本発明のナノコンポジットを構築することができる。本明細書で使用されているとおり、青色光は、波長約435nmから約500nmまでの光を含み、緑色光は、約520nmから565nmまでの光を含み、赤色光は、約625nmから約740nmまでの光を含む。当業者は、これらの波長またはこれらの色間の波長の任意の組合せをフィルタリングすることができるナノコンポジットを構築することができ、このようなナノコンポジットは本発明によって具体化される。
【0034】
他の実施形態では、紫外、近赤外および/または赤外スペクトル中にある光子を発光ナノ結晶が吸収するようなサイズおよび組成を、発光ナノ結晶が有する。本明細書で使用されているとおり、紫外スペクトルは約100nmから約400nmまでの光を含み、近赤外スペクトルは波長約750nmから約100μmまでの光を含み、赤外スペクトルは波長約750nmから約300μmまでの光を含む。
【0035】
本発明の実施に際しては、適当な任意の材料の発光ナノ結晶を使用することができるが、ある種の実施形態では、ナノ結晶を、ZnS、InAsまたはCdSeナノ結晶とすることができ、あるいは、本発明の実施に際して使用されるナノ結晶の集団を形成するため、ナノ結晶がさまざまな組合せを含むことができる。上で論じたとおり、他の実施形態では、発光ナノ結晶が、CdSe/ZnS、CdSe/CdS、InP/ZnSなどのコア/シェルナノ結晶である。
【0036】
本発明の組成物を気密封止するため、組成物上にバリア層が配置される。例えば、図1に示されているように、発光ナノ結晶104を含むマトリックス102上にバリア層106が配置され、それによって気密封止された組成物を生成する。用語「バリア層」は、全体を通じて、組成物を気密封止するようにマトリックス102上に配置された層、コーティング、封止材または他の材料を示すために使用される。バリア層の例は、組成物上に気密シールを生み出すことができる任意の材料層、コーティングまたは物質を含む。適当なバリア層は無機層、適当にはAl、Ba、Ca、Mg、Ni、Si、Ti、Zrの酸化物などの無機酸化物を含む。例示的な無機酸化物層はSiO、TiO、AlOなどを含む。全体を通じて使用されているとおり、用語「配置する」および「配置」は、バリア層を堆積させる適当な任意の方法を含む。例えば、配置は、レイヤリング(layering)、コーティング、吹付け、スパッタリング、プラズマ援用化学蒸着、原子層堆積(atomic layer deposition)、または組成物にバリア層を堆積させる他の適当な方法を含む。適当な実施形態では、組成物上にバリア層を配置するためにスパッタリングが使用される。スパッタリングは、材料元素源を衝撃するために高エネルギーイオンが使用され、材料元素源が原子蒸気を放出し、次いで原子蒸気が基材(substrate)上に薄層として堆積する、物理蒸着工程を含む。例えば米国特許第6,541,790号、6,107,105号および5,667,650号を参照されたい。これらの文献の開示はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
他の実施形態では、バリア層の配置を、原子層堆積を使用して実施することができる。LEDのコーティングなどの用途では、ナノ結晶を含むポリマー層などの発光ナノ結晶組成物がしばしば、複雑な幾何形状およびフィーチャ(feature)を有する。例えば、ボンディングワイヤ、はんだ接続などのLEDの構成要素はしばしばポリマー層と直接に接触し、またはポリマー層の中に含まれることさえある。ナノ結晶組成物を適切に気密封止するためには、事実上欠陥のない(すなわちピンホールのない)バリア層がしばしば必要である。さらに、バリア層の配置が、ポリマーまたはナノ結晶を劣化させてはならない。したがって、適当な実施形態では、バリア層を配置するのに原子層堆積が使用される。
【0038】
原子層堆積(ALD)は、発光ナノ結晶組成物上に酸化物層(例えばTiO、SiO、AlOなど)を配置することを含むことができ、または、他の実施形態では、窒化物(例えば窒化シリコン)などの非導電層の堆積を使用することができる。ALDは、反応ガスとパージガスを交互に供給することによって、原子層(すなわち分子わずか数個分の厚さ)を堆積させる。高いアスペクト比、凹所内における均一性、ならびに良好な電気および物理特性を有する薄いコーティングを形成することができる。適当には、ALD法によって堆積させたバリア層が、低い不純物濃度、および1000nm未満、適当には約500nm未満、約200nm未満、約50nm未満、約20nm未満または約5nm未満の厚さを有する。
【0039】
例えば、適当な実施形態では、2種類の反応ガス、AおよびBが使用される。反応ガスAだけが反応室内へ流入すると、発光ナノ結晶組成物上に反応ガスAの原子が化学的に吸着する。次いで、残った反応ガスAがAr、窒素などの不活性ガスでパージされる。次いで、反応ガスBが流入し、発光ナノ結晶組成物の反応ガスAが吸着した表面でだけ、反応ガスAとBとの間の化学反応が起こり、その結果、組成物上に原子バリア層が形成される。
【0040】
窒化物層などの非導電層が配置される実施形態では、窒化シリコン層を配置するため、適当には、SiHClおよび遠隔プラズマ援用NHが使用される。この実施形態は低温で実行することができ、活性酸素種の使用を必要としない。
【0041】
発光ナノ結晶組成物上にバリア層を配置するためのALDの使用は、基材の形態にかかわらず、事実上ピンホールのないバリア層を生成する。これらの堆積ステップを繰り返すことによって、バリア層の厚さを増大させることができ、それによって原子層ユニットの層厚を、繰返し回数に応じて増大させることができる。加えて、バリア層を保護し、またはバリア層をさらに強化するため、バリア層を(例えばスパッタリング、CVDまたはALDによる)追加の層でさらにコーティングすることもできる。
【0042】
適当には、本発明の実施に際して利用されるALD法は、約500℃未満、適当には約400℃未満、約300℃未満または約200℃未満の温度で実行される。
【0043】
例示的なバリア材料は、酸素および水分の透過を明確に低減させるように設計された有機材料を含む。例は、(アルミナ充填材入りエポキシ樹脂などの)充填材入りエポキシ樹脂および液晶ポリマーを含む。
【0044】
全体を通じて論じたとおり、適当にはマトリックス102がポリマー基材を含む。したがって、本発明は、本明細書に開示されたさまざまな方法または当技術分野で知られている他のさまざまな方法のうちの任意の方法を使用して組成物上にバリア層を配置することによって、発光ナノ結晶を含む組成物、適当には発光ナノ結晶を含むポリマー基材を気密封止する方法を含む。
【0045】
ポリマー基材をマトリックス102として使用することができることは、単純に、組成物を所望の形状/配向に成形しまたは他の方法で操作することによって、さまざまな形状および構成の組成物を形成することを可能にする。例えば、発光ナノ結晶の溶液/懸濁液(例えばポリマーマトリックス中の発光ナノ結晶)を調製することができる。この溶液を次いで所望の型に入れて必要な形状を形成し、次いで硬化させて(例えばポリマーのタイプに応じて冷却または加熱して)、固体または半固体の構造物を形成することができる。例えば、LED上またはLEDを覆って配置するために、キャップ形または円板形の型を用意することができる。このことは、例えばダウンコンバーティング層として使用することができる組成物の調製を可能にする。所望の形状の調製に続いて、組成物を気密封止し、それによって発光ナノ結晶が酸化することを防ぐため、組成物上にバリア層が配置される。
【0046】
追加の実施形態では、発光ナノ結晶を含む組成物(例えばポリマー組成物)を、所望の基材または物品(例えばLED)上に直接に配置することができる。次いで、発光ナノ結晶組成物(例えば溶液または懸濁液)を硬化させ、次いで組成物上にバリア層を配置することができ、それによって所望の基材または物品上で直接に組成物を気密封止することができる。このような実施形態はしたがって、別個の組成物の調製を必要とせず、その代わりに、所望の物品/基材(例えば光源または他の最終製品)上に組成物を直接に調製することを可能にする。
【0047】
他の実施形態では、本発明は、複数の発光ナノ結晶を含む容器を気密封止する方法を提供する。適当には、この方法が、容器を用意すること、容器の中へ発光ナノ結晶を導入すること、および次いで容器を封止することを含む。例えば、発光ナノ結晶の容器を気密封止する例示的な方法が、図3および4に関する図2の流れ図200に示されている。図2の場合、ステップ202では、容器が用意され、例えば図3および4の容器302または402が用意される。本明細書で使用されているとおり、「容器」は、ナノ結晶を保持するための適当な任意の物品または入れ物を指す。本明細書で使用されているとおり、発光ナノ結晶を含む「容器」と発光ナノ結晶を含む「組成物」とは、本発明の異なる実施形態を表すことが理解されるべきである。発光ナノ結晶を含む「組成物」は、全体にわたって分散したナノ結晶を含むマトリックス、例えばポリマー基材、溶液または懸濁液を指す。本明細書で使用されているとおり、「容器」は、その中に発光ナノ結晶(しばしば発光ナノ結晶の組成物、例えば発光ナノ結晶を含むポリマーマトリックス)が導入される担体、入れ物または予め形成された物品を指す。容器の例は、限定はされないが、管、成形または形成された器、入れ物などのポリマーまたはガラス構造物を含む。例示的な実施形態では、ポリマーまたはガラス物質を、管(円形、長方形、三角形、楕円形または他の所望の断面)または類似の構造など、所望の形状に押出し成形することによって、容器を形成することができる。全体を通じて説明したポリマーを含む任意のポリマーを使用して、本発明の実施に際して使用される容器を形成することができる。本発明の実施に際して使用される容器を調製するための例示的なポリマーは、限定はされないが、アクリル樹脂、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)およびさまざまなシリコーン誘導体を含む。本発明の実施に際して使用される容器を形成するため、追加の材料を使用することもできる。例えば、金属、各種ガラス、セラミックなどから容器を調製することができる。
【0048】
例えば、図2に示されているように、ステップ202で容器が用意された後、次いでステップ204で、容器の中へ複数の発光ナノ結晶104が導入される。本明細書で使用されているとおり、「導入される」は、容器の中へ発光ナノ結晶を供給する適当な任意の方法を含む。例えば、発光ナノ結晶を容器の中へ注入し、容器の中へ入れ、容器の中へ(例えば吸引または真空機構を使用することによって)吸い込ませ、容器の中へ、例えば電磁場を使用することによって誘導し、または、他の適当な方法で容器の中へ発光ナノ結晶を導入することができる。適当には、発光ナノ結晶が、溶液または懸濁液中、例えばポリマー溶液中に存在し、それによって容器の中へナノ結晶を導入するのを助ける。例示的な実施形態では、発光ナノ結晶104を容器、例えば図3に示されているような管状容器302の中へ吸い込ませることができる。他の実施形態では、図4に示されているように、発光ナノ結晶104をその中へ導入することができる空洞または空隙404を有する容器402を調製することができる。例えば、発光ナノ結晶104の溶液を、容器402の空洞404の中へ導入することができる。
【0049】
容器の中への発光ナノ結晶の導入に続き、図2のステップ206に示されているように、次いで容器が気密封止される。容器を気密封止する方法の例は、限定はされないが、容器をヒートシールする方法、容器を超音波溶接する方法、容器をはんだ付けする方法、または容器を接着する方法を含む。例えば、図3に示されているように、任意の数の位置で容器302を封止して、容器全体にわたるさまざまな数のシール304を形成することができる。例示的な実施形態では、例えば容器を加熱し、次いでさまざまな封止箇所(304)で容器を「挟みつぶす(pinching)」ことによって、容器全体にわたるさまざまな位置で容器302をヒートシールすることができる。
【0050】
適当な実施形態では、図3に示されているように、ポリマーまたはガラス管を容器302として使用することができる。次いで、単純に容器の一端に減圧を加えることによって、発光ナノ結晶104の溶液を容器の中へ吸い込ませることができる。次いで、容器を加熱し、容器の全長にわたるさまざまな封止位置またはシール304で容器を「挟みつぶす」ことによって、あるいは全体を通じて説明した他の封止機構を使用することによって、容器302を封止することができる。このようにして、容器302を、さまざまな個々の部分306に分離することができる。これらの部分は、図3に示されているように、封止された単一の容器308として一体に保持し、または個々の断片に分離することができる。容器302の気密封止は、それぞれの個々のシール304が同じナノ結晶の溶液を分離するように実行することができる。他の実施形態では、容器302の別個の部分がそれぞれ異なるナノ結晶溶液(すなわち異なるナノ結晶組成、サイズまたは密度)を含むように、シール304を形成することができる。
【0051】
他の実施形態では、図4に示されているように、容器402内に形成された空洞/空隙404の中に発光ナノ結晶を入れることができる。容器402は、適当な任意の工程を使用して製造することができる。例えば、容器402を、所望の任意の形状または構成に射出成形することができる。空洞/空隙404は、最初の調製工程中(すなわち成形中)に調製することができ、または形成後に続いて追加することができる。次いで、空洞/空隙404の中へ発光ナノ結晶104が導入される。例えば、容器402の空洞/空隙404の中へ発光ナノ結晶を注入し、または入れることができる。適当には、発光ナノ結晶の溶液が容器全体を満たすが、ナノ結晶で容器を完全に満たす必要はない。しかしながら、容器全体が満たされない場合には、発光ナノ結晶が気密封止されることを保証するため、封止の前に、容器内の実質的に全ての空気を除去する必要がある。図4に示されているように、例示的な実施形態では、容器にカバーまたはふた406を接着または溶接することによって、あるいは他の方法で容器をカバーまたはふた406で封止することによって、容器402を気密封止することができる。適当には、カバー406が容器402と同じ材料から製造される(かつ適当には封止の前に部分的に取り付けることができる)が、カバー406が容器402とは異なる材料を含むこともできる。追加の実施形態では、酸素および水分の透過を明確に低減させるように設計された有機材料などの材料を使用して、容器402にふたをし、または容器402を封止することができる。例は、(アルミナ充填材入りエポキシ樹脂などの)充填材入りエポキシ樹脂および液晶ポリマーを含む。
【0052】
例えば容器を成形し、押出成形し、または他の方法で形成することによって、カスタム設計された容器を製造することができることは、その中へ発光ナノ結晶を導入し、気密封止することができる非常に専門化された部品の調製を可能にする。例えば、(例えば他の光学構成要素内へダウンコンバージョンを送達するのに使用される)LEDまたは他の光源の周囲にぴったり沿う形状を製造することができる。さらに、さまざまなフィルム、円板、層および他の形状を調製することができる。例示的な実施形態では、それぞれが発光ナノ結晶の異なる組成物(すなわちそれぞれの組成物が異なる色の光を放出する)を含むことができるいくつかの異なる容器を調製し、次いでそれらの別個の容器を一緒に利用して、所望の性能特性を生み出すことができる。他の実施形態では、その中へ発光ナノ結晶を導入することができる複数の空洞またはリザーバ(reservoir)を有する容器を調製することができる。
【0053】
発光ナノ結晶104は、まだ溶液の状態にある間に容器302、402の中へ気密封止することができるが、発光ナノ結晶溶液は適当には気密封止の前に硬化させる(例えば図2のステップ210)。本明細書で使用されているとおり、「硬化させる」は、発光ナノ結晶の溶液(例えばポリマー溶液)を硬くする工程を指す。硬化は、単純に溶液を乾燥させ、溶媒を蒸発させることによって達成することができ、あるいは硬化は、溶液を加熱することによって、または光もしくは他の外部エネルギーに溶液を露出することによって、達成することができる。硬化に続いて、全体を通じて説明したさまざまな方法を使用して容器を気密封止することができる。
【0054】
発光ナノ結晶が酸化分解することを防ぐため、例示的な実施形態では追加の気密封止が不要である。例えば、ガラスまたはポリマー容器の中に発光ナノ結晶を封止することは、さらなる変更が不要な、酸素および水分からの十分な保護を提供する。しかしながら、追加の実施形態では、容器上にバリア層を配置することによって、気密封止された容器に、追加の酸化防止レベルを追加することができる。例えば、図2のステップ208に示されているように。全体を通じて説明したとおり、例示的なバリア層は、SiO、TiO、AlOのような無機酸化物などの無機層および有機材料を含む。容器上へバリア層を配置する任意の方法を使用することができるが、適当には、バリア層が、容器上にスパッタリングされ、またはALDによって容器上に配置される。図3に示されているように、封止された複数の部分を有する容器上、または封止し、互いから分離した後の個々の部分上に、バリア層106を配置することができ、それによって気密封止された容器(310、312)を製造することができる。
【0055】
本発明の適当な実施形態では、発光ナノ結晶の気密封止された容器を製造するさまざまなステップが、不活性雰囲気中で実行される。例えば、適当には、ステップ204、206および208(ならびに必要ならば210)が全て不活性雰囲気中、すなわち真空中、および/あるいはNまたは他の不活性ガス(1種または数種)だけが存在する雰囲気中で実行される。
【0056】
追加の実施形態では、本発明が、複数の発光ナノ結晶を含む気密封止された組成物および容器を提供する。例示的な実施形態では、発光ナノ結晶が、(全体を通じて説明した)1種または数種の半導体材料を含み、適当には、CdSe/ZnS、CdSe/CdS、InP/ZnSなどのコア/シェル発光ナノ結晶である。一般に、発光ナノ結晶のサイズは1〜50nm、適当には約1〜30nm、より適当には約1〜10nm、例えば約3〜9nmである。例示的な実施形態では、全体を通じて説明したとおり、本発明の気密封止された組成物および容器が、組成物を覆うバリア層(例えば図1の組成物100を覆うバリア層106)を含み、任意選択で、容器を覆うバリア層(例えば図3の容器302を覆うバリア層106)を含む。バリア層の例示的なタイプは、SiO、TiO、AlOのような無機層など、全体を通じて説明したタイプを含む。
【0057】
発光ナノ結晶を気密封止する容器のさまざまな形状、配向およびサイズを生成することに加え、それらの容器/組成物に追加の変更を加えることもできる。例えば、光源のフィルトレーション(filtration)または他の変更のため、容器/組成物をレンズの形状に調整することができる。追加の実施形態では、例えば反射器または同様の装置を調製し、容器/組成物に取り付けることによって、容器/組成物を変更することができる。
【0058】
さらに、組成物または容器内にマイクロパターンを直接に成形して、平面(または曲面)マイクロレンズを形成することができる。これは、成形工程中にまたは後続のエンボス加工ステップにおいて実行することができる。マイクロパターンは、ディスプレイ内など限られた空間が利用可能なときに平面マイクロレンズを製造するためにしばしば利用される。この技術の例は、20から50ミクロンのプリズムが表面に成形された3M corporation社の明るさ強化フィルムを含む。適当な実施形態では、本発明が、カプセル化ポリマー内(または容器内)に発光ナノ結晶が気密封止され、次いでカプセル化ポリマーに、マイクロレンズが形成されるようにマイクロパターンが形成された、マイクロレンズを提供する。例えば、図5に示されているように、マイクロレンズアセンブリ500は、適当には、基材508によって支持されたLED506の上に置かれ、または他の方法でLED506と接触した発光ナノ結晶104の層504を含む気密封止された組成物502を含む。組成物502の表面は、それによってマイクロレンズを形成するさまざまな形状に、例えば図5に示されているように一連のマイクロプリズム510を含むように、成形することができる。
【0059】
例示的な実施形態では、本発明の気密封止された組成物と組み合わされたマイクロレンズの使用が、捕捉される(したがって組成物から放出される)LED/発光ナノ結晶からの放出光の量の増大を可能にする。例えば、本発明の気密封止された組成物および容器にマイクロプリズムまたは他のマイクロレンズアセンブリを追加することが、適当には、マイクロプリズムまたは他のマイクロレンズアセンブリを含まない組成物と比較して、捕捉される光量を、約10%超(例えば約10〜60%、約10〜50%、約10〜40%、約20〜40%または約30〜40%)増大させる。捕捉される光量のこの増大は、組成物または容器から放出される全光量の増大に直接に相関する。
【0060】
適当な実施形態では、光源の上に配置されるレンズを形成する容器/組成物に、ダイクロイックミラーを取り付け、または他の方法で関連付けることができる。ダイクロイックミラーは、特定の波長の光を透過させ、他の光を反射することができる。光源からの光がレンズ形の容器/組成物に入ると、光子は、容器/組成物に入り、気密封止された内部のさまざまな発光ナノ結晶を励起することができる。発光ナノ結晶が光を放出すると、光子は、容器/組成物を出ることができるが、(それらの光子はダイクロイックミラーによって反射されるので)最初の光源に向かって反射することはできない。実施形態では、次いで、光源(例えばLED)の上にぴったりとはまる適当な容器/組成物を形成することができる。ダイクロイックミラーは、光源から光が入り、内部の発光ナノ結晶を励起することを許すが、放出光は、光源から遠ざかる方向に容器/組成物を出ることしかできず、再び光源の中へ反射することは、ダイクロイックミラーによって阻止される。例えば、LED源からの青色光は、ダイクロイックミラーを通過することが許され、カプセル化された発光ナノ結晶を励起し、励起された発光ナノ結晶は次いで緑色光を放出する。この緑色光はダイクロイックミラーによって反射され、光源の中へ再び反射することはできない。
【0061】
本明細書で論じたとおり、適当な実施形態では、本発明の気密封止された発光ナノ結晶組成物が、LEDまたは他の光源と組み合わせて使用される。これらの封止されたナノ結晶/LEDの用途は当業者によく知られており、以下のものを含む。例えば、このような封止されたナノ結晶/LEDは、マイクロプロジェクタ(例えば米国特許第7,180,566号および6,755,563号参照。これらの文献の開示はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる)の中で使用し、形態電話;パーソナルディジタルアシスタント(PDA);パーソナルメディアプレーヤ;ゲーム装置;ラップトップコンピュータ;ディジタルバーサタイルディスク(DVD)プレーヤおよび他のビデオ出力装置;パーソナルカラーアイウェア;自動車および航空機用のヘッドアップまたはヘッドダウン(およびその他の)ディスプレイなどの用途で使用することができる。追加の実施形態では、ディジタル光プロセッサ(DLP)プロジェクタなどの用途で、気密封止されたナノ結晶を使用することができる。
【0062】
追加の実施形態では、全体を通じて開示された気密封止された組成物および容器を使用して、エタンデュ(etendue)(すなわち光が広がる領域および角度がどの程度か)として知られている光学系の特性を最小化することができる。特許請求の範囲に記載の発明の組成物または容器を配置し、層状に重ね、あるいは他の方法でLEDまたは他の光源を覆い(部分的に覆い)、発光ナノ結晶組成物または容器の全体領域(例えば厚さ)とLEDの領域(例えば厚さ)の比を制御することによって、エタンデュの量または範囲を最小化し、それによって捕捉され、放出される光量を増大させることができる。適当には、発光ナノ結晶組成物または容器の厚さが、LED層の厚さの約1/5未満である。例えば、発光ナノ結晶組成物または容器は、LED層の厚さの約1/6未満、約1/7未満、約1/8未満、約1/9未満、約1/10未満、約1/15未満または約1/20未満である。
【0063】
他の実施形態では、特許請求の範囲に記載の発明の気密封止された発光ナノ結晶を、例えば図6A〜6Cに示されているような光集束装置(または集束装置)604を含むシステム602において使用することができる。例示的な実施形態では、光集束装置604が調製され、LED506に取り付けられ、または他の方法でLED506に関連付けられる。適当には、光集束装置604が立方体または長方形の箱の形状を有し、箱の底面はLED506上またはLED506の上方に位置し、装置の側面はLEDよりも上に延びる。図6Aは、図6Bの平面1−1で切った装置604の断面図を示し、図6Bは、装置604、LED506および基材508の上面図を示す。例示的な実施形態では、装置604が、LED506を取り囲む4つの側面を含むが、他の実施形態では、任意の数(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10など)の側面を使用することができ、または、単一の材料片(または連続する1つの材料片を形成するように形成された複数の材料片)だけがLED506を取り囲むように円形の装置を使用することができる。一般に、光集束装置604の上面および底面は開いている(すなわち、装置はLED506の上面に直接に置かれ、LED506を取り囲む)が、他の実施形態では、追加の材料片によって、装置604の上面または底面、あるいはその両方を閉じることができる。
【0064】
適当には、集束装置604が、LEDによって生成された光を反射することができる材料から製造され、または光を反射する材料でコーティングされる。例えば、集束装置は、ポリマー、金属、セラミックなどを含むことができる。他の実施形態では、内面(すなわちLEDに面した面)を、金属(例えばAl)または他の反射コーティングなどの反射材料でコーティングすることができる。この反射コーティングは、吹付け塗り、ALD、塗装、浸し塗り、スピンコーティングなど適当な任意の方法を使用して、集束装置の表面に堆積させることができる。
【0065】
適当には、集束装置604が、本発明の気密封止されたナノ結晶組成物504(または気密封止されたナノ結晶容器)を取り囲み、またはカプセル化し、したがって、この装置は組成物または容器に関連付けられる。適当な実施形態では、集束装置604をLED506とは別に調製し、次いで例えばエポキシ樹脂などの接着剤によってLEDに取り付け、次いで、装置604の中心部分を、気密封止されたナノ結晶組成物504で埋めることができる。他の実施形態では、集束装置604をLED506上に直接に組み付けることができる。他の実施形態では、気密封止された組成物をLED上に配置し、次いで集束装置を予め製造された装置として追加し、または集束装置をLED上で直接に構築することができる。適当な実施形態では、装置604がさらに、ナノ結晶組成物504を封止するためのカバー(例えばガラスまたはポリマーカバー)を含む。このようなカバーは、ナノ結晶組成物を覆う気密シールの働きをすることができ、または、単純に、ナノ結晶組成物および集束装置を支持する追加の構造要素の働きをすることができる。このようなカバーは、ナノ結晶組成物504の上面に直接に配置することができ、または装置604の上面に配置することができ、あるいはその中間の任意の位置に配置することができる。
【0066】
図6Aおよび6Cに示されているように、適当な実施形態では、装置の側面が底面(例えばLEDの近く)では内側に向かって狭まり、上面(LEDから遠い方)では外側に広がるように、集束装置604が調製される。このことは、装置から外に光を誘導するために、光606を集め、集束させてビームにするのを助けるのに役立つ。図6Cに示されているように、適当には、集束装置604がLEDから出た光606を誘導する。次第に狭まる、すなわち傾いた側面を使用することにより、LED/ナノ結晶から放出された光606は、装置の内部で行ったり来たり反射することによって失われたり、または単純に脱出できないために失われたりすることなく、装置604から外へ誘導される。適当には、本発明の発光ナノ結晶組成物および容器と組み合わされた光集束装置の使用を、マイクロプロジェクタおよび集束光ビームが望ましいかまたは必要な他の用途において使用することができる。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、本発明の方法および組成物を例示するものであり、本発明の方法および組成物を限定するものではない。ナノ結晶の合成において通常遭遇する、当業者には明らかであると思われるさまざまな条件およびパラメータの他の適当な変更および適合は、本発明の趣旨および範囲に含まれる。
【0068】
(実施例1)
気密封止された容器の調製
PMMAの押出成形によって、2mm×0.5mmの空洞を有する寸法約3mm×0.5mmの長方形の管が調製される。次いで、管の全長に、蛍光発光ナノ結晶を含む溶液が充填される。次いで、この発光ナノ結晶溶液を硬化させる。次いで、管の中にナノ結晶を閉じ込めるため、管の複数の部分がヒートシールされる。適当には、この充填および封止が不活性雰囲気中で実行される。次いで、管の外面に、バリア層(例えばSiO、TiOまたはAlO)を配置することができる。
【0069】
引抜きによって製造されたガラス毛管を使用して、ナノ結晶を含む気密封止された容器を調製することもできる。溶融封止によって、あるいははんだもしくは接着剤または同様の構造物で栓をすることによって、毛管の端が封止される。この毛管には、毛管の容積全体に同じナノ結晶溶液が充填されるように発光ナノ結晶の溶液を充填することができ、または、毛管の全長に沿って異なるナノ結晶が分離されるように、数段階に分けて発光ナノ結晶の溶液を毛管に充填することができる。例えば、第1の発光ナノ結晶溶液を毛管の中へ導入し、次いでこの溶液に隣接して、(例えば毛管を溶融封止し、または毛管に栓をする以外で)シールを配置することができる。次いで、第2の発光ナノ結晶溶液を毛管に加え、次いで再び、その溶液に隣接してシールを配置することができる。気密封止された所望の数の個々のナノ結晶部分が生成されるまで、この工程を必要な回数繰り返すことができる。このようにして、同じ容器の中で発光ナノ結晶の異なる組成物を互いから分離することができ、それによって、発光ナノ結晶の複数の組成物(例えば色)を含む容器を製造することができる。類似の実施形態では、発光ナノ結晶の異なる組成物(例えば異なる色の光を放出する組成物)を導入することができ、したがってそれらを互いに分離された状態で保持することができ、外部の空気および水分から依然として気密封止することができる、多孔(multi−lumen)毛管を使用することができる。
【0070】
本発明の例示的な実施形態が提示された。本発明はこれらの例に限定されない。これらの例は、例示のために本明細書に提示されたのであって、限定のために本明細書に提示されたのではない。当業者には、本明細書に含まれる教示に基づく(本明細書に記載された実施形態の等価、拡張、変形、偏向形態などを含む)代替実施形態が明白であろう。このような代替実施形態は本発明の範囲および趣旨に含まれる。
【0071】
本明細書に記載された全ての発表論文、特許および特許出願は、それぞれの個々の発表論文、特許または特許出願は参照によって組み込まれていると個別に明示されたのと同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ナノ結晶を含む組成物を気密封止する方法であって、前記組成物上にバリア層を配置することを含む方法。
【請求項2】
前記配置することが無機層を配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無機層を配置することが、SiO、TiOまたはAlOの層を配置することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記配置することが原子層堆積を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配置することが、前記組成物上に前記バリア層をスパッタリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリマー基材と前記ナノ結晶とを含む組成物が気密封止される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数のコア−シェル発光ナノ結晶を含む組成物を封止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
CdSe/ZnS、CdSe/CdSおよびInP/ZnSからなるグループから選択された複数のコア−シェル発光ナノ結晶を含む組成物を封止することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の発光ナノ結晶を含む容器を気密封止する方法であって、
(a)前記容器の中へ発光ナノ結晶を導入すること、および
(b)前記容器を気密封止すること
を含む方法。
【請求項10】
前記容器上にバリア層を配置することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記配置することが無機層を配置することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無機層を配置することが、SiO、TiOまたはAlOの層を配置することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記配置することが、前記組成物上にバリア層をスパッタリングすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記配置することが原子層堆積を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記導入することが、前記容器の中へ発光ナノ結晶溶液を導入することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記封止することの前に、前記発光ナノ結晶溶液を硬化させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記導入することが、前記容器の中へ発光ナノ結晶溶液を吸い込ませることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記容器が押出成形されたポリマー容器である、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記押出成形された容器が、押出成形されたポリ(メタクリル酸メチル)容器である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記気密封止することが、前記容器をヒートシールし、超音波溶接し、はんだ付けし、または接着することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記導入すること、前記気密封止すること、および前記配置することが、不活性雰囲気中で実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
前記導入することが、コア−シェル発光ナノ結晶を導入することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項23】
前記導入することが、CdSe/ZnSおよびInP/ZnSからなるグループから選択されたコア−シェル発光ナノ結晶を導入することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の発光ナノ結晶を含む気密封止された組成物。
【請求項25】
前記発光ナノ結晶が半導体材料を含む、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項26】
前記発光ナノ結晶がコア−シェル発光ナノ結晶を含む、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項27】
前記コア−シェル発光ナノ結晶が、CdSe/ZnS、CdSe/CdSおよびInP/ZnSからなるグループから選択された、請求項26に記載の気密封止された組成物。
【請求項28】
前記発光ナノ結晶のサイズが約1〜10nmである、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項29】
前記組成物を覆うバリア層を含む、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項30】
前記バリア層が無機層を含む、請求項29に記載の気密封止された組成物。
【請求項31】
前記無機層がSiO、TiOまたはAlOを含む、請求項30に記載の気密封止された組成物。
【請求項32】
前記発光ナノ結晶を含むポリマー層である、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項33】
マイクロレンズを形成するために前記組成物中に成形されたマイクロパターンをさらに含む、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項34】
前記マイクロレンズが、前記組成物から放出された光を、前記マイクロレンズを含まない組成物に比べて少なくとも10%多く捕捉する、請求項33に記載の気密封止された組成物。
【請求項35】
前記マイクロレンズが、前記組成物から放出された光を、前記マイクロレンズを含まない組成物に比べて約30〜40%多く捕捉する、請求項34に記載の気密封止された組成物。
【請求項36】
前記組成物に関連付けられた光集束装置をさらに含む、請求項24に記載の気密封止された組成物。
【請求項37】
複数の発光ナノ結晶を含む気密封止された容器。
【請求項38】
前記発光ナノ結晶が半導体材料を含む、請求項37に記載の気密封止された容器。
【請求項39】
前記発光ナノ結晶がコア−シェル発光ナノ結晶を含む、請求項37に記載の気密封止された容器。
【請求項40】
前記コア−シェル発光ナノ結晶が、CdSe/ZnS、CdSe/CdSおよびInP/ZnSからなるグループから選択された、請求項39に記載の気密封止された容器。
【請求項41】
前記発光ナノ結晶のサイズが約1〜10nmである、請求項37に記載の気密封止された容器。
【請求項42】
前記容器を覆うバリア層をさらに含む、請求項37に記載の気密封止された容器。
【請求項43】
前記バリア層が無機層を含む、請求項42に記載の気密封止された容器。
【請求項44】
前記無機層がSiO、TiOまたはAlOを含む、請求項43に記載の気密封止された容器。
【請求項45】
マイクロレンズを形成するために前記容器中に成形されたマイクロパターンをさらに含む、請求項37に記載の気密封止された容器。
【請求項46】
前記マイクロレンズが、前記容器から放出された光を、前記マイクロレンズを含まない容器に比べて少なくとも10%多く捕捉する、請求項45に記載の気密封止された容器。
【請求項47】
前記マイクロレンズが、前記容器から放出された光を、前記マイクロレンズを含まない容器に比べて約30〜40%多く捕捉する、請求項46に記載の気密封止された容器。
【請求項48】
前記容器に関連付けられた光集束装置をさらに含む、請求項37に記載の気密封止された容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−6C】
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【公表番号】特表2010−528118(P2010−528118A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554552(P2009−554552)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/003549
【国際公開番号】WO2008/115498
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(504327085)ナノシス・インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】Nanosys, Inc.
【Fターム(参考)】