説明

ナノ電子カプノメーターアダプター

本発明は、ナノ構造体センサー(12)を具備するカプノメーターアダプター(10)に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主流となっている患者の気道を、例えばカプノメーターを用いて医学的に監視するための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願に関するクロス・リファレンス
本件出願は、米国特許法第119(e)条により、仮出願第60/531079号(出願日:2003年12月18日;発明の名称:ナノ電子カプノメーターアダプター)及び同第60/564248号(出願日:2004年4月20日;発明の名称:遠隔連絡性電池式ナノ構造体センサー装置)に基づく優先権を伴うものである。又、本件出願は、米国特許出願第10/940324号(出願日:2004年9月13日;発明の名称:二酸化炭素用ナノ電子センサー)及び同第10/656898号(出願日:2003年9月5日;発明の名称:ナノ構造体センサー装置用ポリマー認識層)の一部係属出願である。これらの仮出願と特許出願の明細書の記載内容も本件出願の明細書の一部を成すものである。
【0003】
関連技術の説明
呼吸作用中の二酸化炭素の濃度を測定することは、集中治療中や麻酔中における標準的な手順であり、又、呼吸機能の診断と管理における重要な手段である。この治療上の監視において必要なことは、呼気中のCOの濃度を測定して追跡することでありこのような操作はしばしばカプノグラフィー(capnography)と呼ばれている。
【0004】
このようなカプノグラフィー用装置に必要な規格を満たすために現在利用されている技術は、大型で高価な非分散型赤外吸収(NDIR)センサーを用いてCOの濃度を決定するものである。コスト高で限定されたこの技術は、管理された環境(例えば、外科病室等)におけるカプノグラフィーの有効利用を制限している。さらに、救急医療応答において気管内チューブの適切な移動を決定する際にカプノグラフィーが特に重要であることが判明している。
【0005】
この検出法実施するためには2つのアプローチの仕方(主流と副流)がある。主流の装置は、気道アダプターを用いて患者の気道内に配置させたセンサーを利用する。これに対して、副流の装置は、試料ラインと気道との接続部及び患者から離れて設置されるセンサーを必要とする。これらのアプローチには利点があるにもかかわらず、各々のアプローチには、COの監視の実効性を低下させる一定の制限がある。
【0006】
従来技術による装置と方法に係る制限を以下に比較して例示する。
主流のアプローチ
i)分泌物と湿分がセンサーの機能を妨げる。
ii)凝縮を防止するために発熱体が使用される。
iii)嵩高の器具が患者の気道に装着される。
iv)センサーは使用毎に殺菌処理に付して較正されなければならない。
v)センサーは挿管処置をしていない患者には使用できない。
【0007】
副流のアプローチ
i)分泌物が試料の管内への採取(tubing)を妨げる。
ii)水分のトラップが必要である。
iii)CO濃度の変化に対する応答が遅い。
iv)空気流の減少が1回呼吸量を低減させる。
v)付加的な試料の管内への採取が必要である。
vi)高価なポンプと吸引系が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、当該分野においては、患者の気道中のCOやその他のガス類を監視するための装置と方法であって、従来技術に係る上記の制限を克服する該装置と方法を提供することが要請されており、本発明はこのような要請に応えるためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、新規なカプノメーター装置を使用することによって、従来技術に係る上記の制限事項は解消される。本発明による特徴を有するナノ電子カプノメーターは次の利点をもたらす:
i)赤外線技術による性能に比べて同等又はこれを凌駕する性能を有する。
ii)使い捨てパッケージを用いるプラグ・アンド・プレイ(plug-and-play)のような簡便性を有する。
iii)サイズが小型で、無線集積体に必要な消費電力は少ない。
iv)センサーの配列を単一のチップへ組み込むことができる。
このCO検知技術は、センサーの構成部材のコストを桁違いに低減させる。
【0010】
このカプノメーターは、主流のカプノメトリー(capnometry)のための気道アダプターに組み込まれたナノ電子ガスセンサーを具備する。このナノ電子ガスセンサーは固体ナノチューブ又はその他のナノ構造体センサー、例えば、米国特許出願10/940324号明細書に記載されているようなナノ構造体センサーを具有していてもよい。このカプノメーター装置はさらに、センサーの性能を最大にする適当なアダプター取り付け部材を具有していてもよい。これらのアダプター取り付け部材とセンサーは比較的低コストでコンパクトなアセンブリーに組み込んでもよい。使用後のカプノメーターは殺菌処理に付さず、又、検知ユニットは廃棄してもよく、これによって殺菌処理に関連する障害やコストの問題を回避することができる。
【0011】
ナノ電子ガスセンサーは、問題となる化学物質、例えば、二酸化炭素、酸素又は麻酔ガス等に対して応答するように設計されていてもよい。該センサーは、例えば、麻酔処置中及び/又は呼吸監視中に挿管された患者又は挿管されない患者の気道内へ挿入されるように設計された取り付け部材へ組み込んでもよい。ナノ電子ガスセンサー(ナノセンサー)自体は、小さな容器に収容された固体器具を具備していてもよく、該器具にはナノ構造体センサーが組み込まれていてもよく、該センサーはチューブの内側の空気流に曝されると共にチューブの外側と電子的に接続される。取り付け部材と封入されたナノセンサーは使い捨て器具として設計されていてもよい。信号処理用電子機器を具有する潜在的に再使用可能な電子機器パッケージはソケット方式又はスナップ方式によってセンサーへ安全に連結させてもよい。この電子機器モジュールは、マイクロプロセッサー、メモリーセル(memory cell)、電源(電池を含む)、及びセンサー出力の記憶及び/又は表示がおこなわれるモニターへの有線若しくは無線接続部を具備していてもよい。
【0012】
活性な検知領域はナノメーターサイズの極めて小さな領域であるために、汚染からセンサーを容易に保護することができる。従って、センサーは、応答時間をより迅速におこなうためにより望ましい主流となっている構造内に配設させることができる。同時に、チップの大きさの低コストセンサーの利用により、各々の使用後のセンサーとこれに付随するアダプターの使い捨てが可能となるために、滅菌消毒の問題は解消される。センサーを伴うカプノメーターアダプターは非常にコンパクトで、原価効率が高く、臨床的な設定において簡便に使用することができる。従って、本発明は、カプノグラフィーの有効な実用化を著しく促進して強化する。
【0013】
本発明によるカプノメーターの1つの実施態様によれば、該カプノメーターは下記の構成部品(i)〜(iv)を具備する:
(i)呼吸ガスの通路用に設計された少なくとも1つの溝を有する気道アダプター、
(ii)該通路と連絡する気道アダプターに隣接して配設された少なくとも1つの固体ナノ構造体センサー(固体センサー)であって、呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分に対する感度を有する該センサー、
(iii)該固体センサーへ接続された電子回路であって、呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分の濃度を表示する信号を少なくとも受容するように設計された該電子回路、
(iv)該電子回路へ接続された出力装置であって、呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分の濃度に関する少なくとも1つの定量的及び定性的尺度を供給するように設計された該出力装置。
【0014】
好ましくは、呼出息に含まれるガス状成分の少なくとも1種の成分には二酸化炭素が含まれ、また、固体センサーには少なくとも1種の該ガス状成分に応答する検知素子としてナノ構造体が組み込まれる。
【0015】
本発明の特定の実施態様においては、少なくとも1つのナノ構造体センサーは下記の構成部材(a)〜(d)を具備する:
(a)支持体、
(b)支持体上に配設された第1ナノ構造体、
(c)第1ナノ構造体と電気的に接続された少なくとも2個の導電性素子、及び
(d)第1ナノ構造体と共同して機能する少なくとも1種の認識材料であって、二酸化炭素と相互作用するように設計された該認識材料。
【0016】
本発明の別の実施態様においては、気道アダプターは、下記の系の内の少なくとも1つの系からの呼気流の少なくとも一部を伝送するように設計される:
レスピレーター/蘇生システム、気管内ベンチレーターシステム、睡眠時無呼吸処置システム、睡眠時無呼吸診断システム、麻酔システム、心機能診断システム、代謝機能測定システム、喘息監視システム及び胃腸検査システム。
【0017】
添付図面に基づく以下の好ましい実施態様に関する詳細な説明によれば、当業者であれば、上記のカプノメーターアダプターをより完全に理解すると共に、該アダプターの付加的な利点と目的も理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
最初に、添付図面について簡単に説明する。
図1A及び図1Bは有線カプノメーターセンサーとアダプター系の側面方向からの模式図及びチューブの断面方向からの模式図である。
【0019】
図2は、無線カプノメーターセンサーとアダプター系のチューブ取り付け部に対する模式的端面図である。
【0020】
図3は、有線カプノメーターセンサーとアダプター系(全ての電子機器はセンサーから遠隔配置される)のチューブ取り付け部に対する模式的端面図である。
【0021】
図4は、カプノメーターセンサーとアダプター(この場合、電子機器は遠隔配置され、センサーはアダプター取り付け部の空気流中に直接的に配置される)の模式図である。
【0022】
図5は、図4に示すタイプのアダプターとセンサーとは異なる別の構造を示す模式図である。
【0023】
図6は、一般的には図1Aと図1Bに示す態様と類似するカプノメーターセンサーとアダプター(但し、センサーは、気道の通路と連絡する第2の平行な内腔に隣接して配置される)の模式的側面図である。
【0024】
図7は、一般的には図6に示す態様と類似するカプノメーターセンサーとアダプター(但し、呼気の流路内への気道の通路内へ突出する第2の平行な内腔の入口端部と出口端部が配設される)の模式的側面図である。
【0025】
図8は、本発明に使用される代表的なナノ構造体センサーを示す模式図である。
【0026】
図9は、空気中の二酸化炭素の低濃度領域に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。
【0027】
図10は、空気中の二酸化炭素の広範囲の濃度に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。
【0028】
図11は、シミュレートされたヒトの呼吸に対して本発明による代表的なカプノメーターの応答をプロットしたグラフである。
【0029】
図12A、図12B,図12Cは、カプノメーターのアダプター(この場合、出力装置がアダプターのハウジングに装着され、定量的な棒グラフが表示される)の代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【0030】
図13は、カプノメーターアダプター(この場合、出力装置がアダプターのハウジングに装着され、デジタル式の読みと定量的な棒グラフの両方が表示される)の代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【0031】
図14は、鼻用カニューレに適合した形態を有する代表的なカプノメーターアダプターの模式的斜視図である。この場合、図示されてはいないが、該アダプターは外部のデータ記憶用回路と連絡する。
【0032】
図15A及び図15Bは、カプノメーターアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。センサーと電子回路の一方又は両方は気道アダプターから別々に離脱可能である。
【0033】
本発明の1つの態様においては、ナノ電子カプノメーターが、患者の気道を監視するアダプターへ組み込まれる。得られる装置は、主流のカプノメーターの構成中へ継ぎ目なく一体的に組み込まれ、今日の主流と副流のNDIRカプノメーターの性能に比べて有利な性能をもたらす。
【0034】
図1〜図7は、種々の異なる態様を示すものであって、図中において、同一若しくは一般に類似の要素は同じ数字で示す。複数桁の数字の最後の数字は等価な若しくは対応する素子にできるだけ対応させた。各図において、最後の数字に先行する数字は、各々の実施態様の図の番号に対応する。
【0035】
本発明の特徴を有する代表的な態様を示す図1A及び1Bにおけるユニットは、ハウジング(14)の内部を延びる空気溝(19)への連結管用の入力と出力を有する常套の気道アダプターのような形態に設計されていてもよい。ハウジング(14)の1つの開口部には患者の呼吸気が供給されてもよく、又、他方の開口部は呼吸回路又は麻酔回路へ接続されてもよい。アダプター(10)は動力と信号用ケーブル(15)へ接続させてもよい。ケーブル(15)は、ガス監視データの表示ユニットへの中継に使用してもよく、又、センサーへの送電に使用してもよい。該ケーブルは電子モジュール(11)へ直接的に接続してもよい。このモジュールは、信号の処理、解析、及びユーザーへのデータの値と波形の供給ができるような構成に設計してもよい。モジュール(11)は、埋設されたソフトウェアとバックアップ動力用電池を具有するマイクロプロセッサーを具備していてもよい。このような電子モジュールは、固体センサー(12)(例えば、米国特許出願10/940324号明細書に開示されているようなナノ電子カプノメーターセンサー)へのコネクター(17)に連結されてその上部に設置されてもよい。モジュール(11)は、容易に離脱と再装着できるような形態に設計することによって、センサーを具有するアダプターの取り替え操作を促進させてもよい。所望により、電子モジュール(11)とセンサー(12)は、シリコンチップのような単一の一体化半導体装置に取り付けられていてもよい。
【0036】
固体センサー(12)は、溝(19)を通過する呼吸気と流体を介して連絡するように配設してもよい。所定量の試料をカプノメーターへ供給するためには、固体センサー(12)と溝(19)との間に小さな窓又は開口部(13)を設置してもよい。患者の分泌物の凝縮とこれによる閉塞を低減させてセンサーの安定性を全体的に維持するために、試料用窓には膜及び/又はフィルター(18)を設置してもよい。例えば、ガス透過性疎水性膜、例えば、PFC膜を使用してもよい。
【0037】
従来の二酸化炭素検知用NDIRセンサーの場合とは異なり、ナノチューブ電子センサーを使用する場合には、光学的経路を透明に維持する必要はない。さらに、ナノチューブ電子センサーの活性検知領域は極めて小さいので、センサーは、患者からの気流中での汚染から容易に保護される。例えば、凝縮を防止する安定な温度までセンサーを加熱するためには非常に小さな電力が必要なだけである。又、センサーは簡単な機械的フィルター及び/又はガス透過性膜によって不揮発性汚染物から保護してもよい。この場合、フィルターや膜は、センサーの予測される寿命中でのフィルター等の過度の閉塞の可能性を最小にするのに充分な大きさにするだけでよい。再使用可能なセンサーの場合、次の使用の前に、フィルターユニットを除去して廃棄した後、新しいフィルターユニットに置き換えればよい。しかしながら、大抵の用途に対しては、関連するフィルターを含む全ユニット(10)を廃棄して取り替えるようにする態様が望ましい。
【0038】
ユニット(10)は機械的に安定なハウジング(14)を本来的に具備していてもよい。ハウジング(14)は、当該分野において知られているような医療用チューブ取り付け部材に使用される材料と類似の化学的特性と物理的特性を有するいずれかの適当なプラスチック又はその他の材料から構成されていてもよい。
【0039】
カプノメーターセンサー(12)は、二酸化炭素を選択的に検知するために、本願の親特許出願である米国特許出願10/940323号明細書に記載されているようなナノスケールの構成部品に基づいていてもよい。その他のガス類の検知は、適当な形態に設計されたナノチューブセンサーを使用することによっておこなってもよい。このようなセンサーとしては、次の米国特許出願の明細書に記載されているようなセンサーが例示される:仮出願60/457697号(2003年3月出願)、同60/468621号(2003年5月出願)、非仮出願10/177929号(2002年6月出願)、同10/656898号(2003年9月5日出願)、同10/655529号(2003年9月4日出願)、同10/388701号(2003年3月14日出願)、及び同10/345783号(2003年1月16日出願)。なお、これらの特許出願の明細書の記載内容も本願明細書の一部を成すものである。
【0040】
2種若しくはそれ以上のガス類(例えば、二酸化炭素と酸素)の検知は、1又は複数のセンサー(12)のようなセンサーを使用することによっておこなってもよい。単一のセンサーは複数のナノチューブセンサーを具有していてもよく、各センサーは異なるガスを検知するような形態に設計させる。付加的に、又は代替的に、複数のナノセンサーの各々のセンサーは、代理機能性のために、同一のガスを検知するような形態に設計されていてもよいナノチューブセンサーのサイズは非常に小さいために、単一のガス検知ユニット(12)内へ多数のナノメーターサイズのセンサーを高い原価効率で組み込むことが可能となる。この場合、該ユニットは非常にコンパクトなシリコンチップ又はその他の装置から実質的に構成されていてもよい。あるいは、1又は複数のナノチューブ検知装置を、多重センサーを具有する検知ユニット内へ一緒に組み込んでもよい。各々の装置は極めて小さいので、スペース及び/又はコストが制限要因になることはない。
【0041】
本発明によるカプノメーターは、無線方式で操作できるような形態に容易に設計することができる。図2は、動力用又は信号用ケーブルを必要としない無線方式ユニット(20)を示す。この代替を補償するために、基地(26)への無線連絡用電子モジュール(21)用の無線連絡手段を採用することができる。カプノメーターは僅かの電力しか消費しないので、基盤上に実装された小型の電池(23)はその寿命中は十分な電力を供給する。ハウジング(24)と溝(29)はカプノメーター(10)の場合と類似の形態を有するように設計してもよい。
【0042】
あるいは、カプノメーター(30)は、図3に示すように、センサー(32)から分離される全ての電子部品(31)と共に機能するように設計してもよい。センサー(32)は、該センサーを電子モジュール(31)へ連結するケーブルを有しており、該ケーブルは遠隔に配置される。例えば、モジュール(31)は、表示機能も有する基地(36)に組み込まれていてもよい。該基地は別のカプノメーターユニット(30)において再利用してもよい。基地(36)は、カプノグラフィー用のより複雑なハードウェアとソフトウェア(例えば、表示システム又は解析システム)と合体させてもよい。センサーへの信号/動力用コード(35)はユニット(30)と離脱可能に連結させ、センサーユニット(30)のみを廃棄して交換してもよい。
【0043】
使い捨てのカプノメーターの検知アダプターであって、検知パッケージが呼吸系の主要な空気溝内に直接的に装着された検知アダプターを提供することも要請されている。図4及び図5は、このタイプの代表的な実施態様を示す。図4は、カプノメーターの検知/気流アダプターユニット(40)を示すもので、該ユニットは、内部空気溝(49)を有する管状アダプター(44)を具備する。ナノ電子ユニット(42)は溝(49)の壁部に取り付けてもよく、又、該ユニットは、ワイヤによってアダプター(44)の外側に取り付けられたケーブルコネクター(47)へ接続されていてもよい。例えば、プラスチックの成形工程中において、検知ユニット(42)とその連結ワイヤをアダプター(44)内へ組み込むことによって、センサー(42)に隣接する溝(49)の内部又は外部への漏洩の可能性を最小限にすることが可能である。前述のように、センサー(42)はナノチューブ装置を具有していてもよい。該ナノチューブ装置は、センサーの周囲又は上部に配置された適当なフィルター及び/又はガス透過性膜(図示せず)によって汚染から保護してもよい。例えば、センサー(12)をガス透過性膜中にカプセル化してもよく、及び/又は適当なフィルター及び/又は膜を溝(49)の内部へ別々に取り付けてもよい。
【0044】
あるいは、検知ユニットを気流中へより直接的に配置させてもよい。例えば、図5は、カプノメーターセンサーとアダプター(50)を示す。この場合、ナノ電子センサーは溝(59)の中央部に複数のリブ(58)を用いて設置される。リブ(58)はセンサー(52)及び/又はアダプターのハウジング(54)と一体的に成形されると共に、ケーブル(55)と一体的に連結されていてもよい。あるいは、リブ(58)とセンサー(52)は、後でハウジング内において組み立てられる副集成部品を具備していてもよい。この種の副集成部品は、ハウジング(54)の壁部内を通る一体的に成形された電気コネクター(図示せず)へ取り付けてもよい。いずれの構成態様によっても、外部への空気の漏洩に基づいてセンサーの読みが不正確になる可能性は実質上除去される。リブ(58)又はその他のいずれかの適当なセンサー(52)の取り付け構造部材を用いることによって、保護用のフィルター又は膜をセンサー(52)の周囲に保持してもよい。このような構成態様は、呼気試験装置(例えば、血中アルコール試験等のための装置)内の被験者からの呼吸気を監視するために特に適している。
【0045】
図6は、一般的には図1Aと図1Bに示す態様と類似するカプノメーターセンサーとアダプター(30)の模式的側面図である。但し、この場合、センサー(62)は、気道通路(69)と連絡する第2の平行な内腔(66)に隣接して配置される。窓又は開口部(63)は平行な内腔(66)と直接的に連絡するが、通路(69)とは間接的に連絡する。
【0046】
図7は、一般的には図6に示す態様と類似するカプノメーターセンサーとアダプター(但し、呼気の流路内への気道の通路(79)内へ突出する第2の平行な内腔(76)の入口端部(66a)と出口端部(76b)が配設される)の模式的側面図である。
【0047】
図6及び図7に示す態様には、アダプターのハウジングと第1通路に近接して配置される平行な内腔が示されていることに注意すべきである。あるいは、平行な内腔は、センサー、電子回路、表示装置及び/又はデータ記憶装置が気道から離れて配置されるように延びていてもよい。
【0048】
本発明の実施態様には、ナノ電子構成部品を使用する新規な二酸化炭素(CO)検知技術が含まれる。小さくて低コストのナノセンサーチップは、赤外線技術による性能に比べて同等又はこれを凌駕する性能を有すると共に、デジタル方式とアナログ方式による制御システムを用いるプラグ・アンド・プレイのような簡便性を有し、又、そのサイズは小型で、無線集積体に必要なその消費電力も少ない。
【0049】
半導性の単壁カーボンナノチューブ製の電界効果トランジスター(NTFET)は、感度の高い化学的センサー用のプラットフォーム(platform)として使用されている。図8は、二酸化炭素(801)を検知するための電子システム(800)を示しており、該電子システムはナノ構造体検知装置(802)を具備する。該検知装置(802)は支持体(804)及び該支持体上に配設されたナノ構造体(806)を具備する。図示されているように、該ナノ構造体は支持体と接触していてもよいが、支持体から離れて配設されていてもよい(この場合、介在層が存在していてもよいが、存在していなくてもよい)。
【0050】
本発明の1つの実施態様においては、ナノ構造体(806)はカーボンナノチューブを具有していてもよい。その他の適当なナノ構造体、例えば、ナノワイヤ(nanowire)、ナノファイバー(nanofiber)又はナノロッド(nanorod)を使用してもよい。付加的に、又は、代替的に、ナノ構造体(806)はホウ素、窒化ホウ素、窒化炭素ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、リン化インジウム、二流化モリブデン、銀、又はその他のいずれかの適当な物質を含有していてもよい。別の実施態様においては、ナノ構造体(806)は、より小さなナノ構造体が相互に連結したネットワークを具有していてもよい。例えば、ナノ構造体(806)は、メッシュを形成する多数のナノチューブを具有していてもよい。
【0051】
2つの導電性素子(808、810)は支持体上に配設され、ナノ構造体(806)へ電気的に接続されていてもよい。これらの導電性素子(808、810)は、ナノ構造体(806)と直接的に接触する金属製電極を具有していてもよい。あるいは、導電性若しくは半導性の物質(図示せず)を導電性素子(808、810)とナノ構造体(806)との間に介在させてもよい。二酸化炭素と反応性のある機能性材料層(815)がナノ構造体検知装置(802)、特にナノ構造体(806)上に配設される。機能性材料層(815)は連続層又は不連続層として沈着させてもよい。機能性材料層(815)は、複数種の材料を含有していてもよく、及び/又は複数層から構成されていてもよい。
【0052】
検知装置(802)はゲート(812)をさらに具備していてもよい。さらにまた、検知装置(802)は抑止材料層(814)を具備していてもよく、該抑止材料層は、導電性素子(808、810)と第1ナノ構造体(806)との間の連結部に隣接する領域を被覆する。抑止材料は少なくとも1種の化学種(例えば、二酸化炭素)に対して不透過性であってもよい。抑止材料は、当該分野において知られている不動態物質(例えば、二酸化ケイ素)を含有していてもよい。NTFETにおける抑止材料の使用に関する詳細な事項は、米国特許出願10/280265号(2002年10月26日出願)の明細書に記載されており、該明細書の関連する記載内容も本願明細書の一部を成すものである。
【0053】
さらに、システム(800)は、検知装置(802)に類似する第2のナノ構造体検知装置(図示せず)をさらに具備する。この場合、機能性材料層(815)に組み込まれた物質とは異なる物質が組み込まれた機能性材料層を有する第2の検知装置を配設する態様が有利である。
【0054】
さらにまた、システム(800)はナノ構造体検知装置回路(816)を具備する。該回路(816)は、1個若しくは複数個の給電源(818)、該給電源と電気的に接続する計器(820)、並びに第1のナノ構造体検知装置(802)及び給電源と計器との間の電気的接続線(822)を具備していてもよい。さらに、システムは、当該分野において既知の信号の制御と処理ユニット(図示せず)を具備する。該ユニットは第1のナノ構造体検知装置回路と連絡する。
【0055】
カーボンナノチューブは検知素子自体として作用するのではなく、高感度の変換器として作用する。基本的なプラットフォームとしては種々のデザインのものがある。このようなプラットフォームには、1個若しくは数個のナノチューブを有する装置、及びナノチューブのネットワークを有する装置が含まれる。有用なナノチューブのネットワーク装置の構造は、共願に係る米国特許出願10/177929号(2002年6月21日出願)の明細書に記載されており、該明細書の関連する記載内容も本願明細書の一部を成すものである。ナノチューブ変換器を化学的に機能化させることによって、所望の感度と選択率を達成することができる。該変換器は、種々の不活性ガスを検知するように機能化させることができる。この機能化法は、電子供与性機能を有する芳香族化合物並びに塩基性の無機化合物及び有機ポリマーのナノチューブへの電子供与能に基づくものであり、これによってNTFETのn−ドーピングがもたらされる。
【0056】
COに対する感度も機能化によって達成することができる。機能化層は2つの主要な機能を有する:i)二酸化炭素分子を選択的に認識し、ii)COと結合するときに、カーボンナノチューブ変換器へ伝送される増幅化信号を発生する。水分の存在下では、二酸化炭素は炭酸を形成し、該炭酸は解離して機能化層のpHを変化させる。この結果、電子供与性基が保護され、NTFETのp型の度合いはより高くなる。COを検知するためのNTFETの機能化に使用できる基材物質としては、次の化合物が例示される:無機化合物(例えば、炭酸ナトリウム)、pH感受性ポリマー[例えば、ポリアニリン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(3−メチルチオフェン)及びポリピロール]、並びに芳香族化合物(例えば、ベンジルアミン、ナフタレンメチルアミン、アントラセンアミン及びピレンアミン)。機能化層は、特定のポリマー材料、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルアルコール)、及びポリサッカリド(種々のデンプン並びにこれらの成分であるアミロース及びアミロペクチン)を用いて形成させることができる。
【0057】
機能化層の形成材料は、被沈着物質に応じて、種々の異なる方法を使用することによって、NTFET上へ沈着させてもよい。例えば、無機材料(例えば、炭酸ナトリウム)を、軽質アルコールを溶媒とする1mM溶液から滴下流延させることによって沈着させてもよい。次いで、機能化センサーは、窒素又はその他の適当な乾燥剤を吹き付けることによって乾燥させてもよい。ポリマー材料は浸漬被覆法によって沈着させてもよい。この場合の一般的な手順には、カーボンナノチューブ装置を有するチップをポリマーの10%水溶液中に24時間浸漬した後、該チップを水で数回ゆすぎ、次いで該チップを窒素で乾燥させる過程を含めてもよい。水性溶液中に溶解しないポリマーは、有機溶剤を溶媒とする有機溶液からのスピン被覆法によってチップ上へ沈着させてもよい。この場合、ポリマーの濃度とスピンコーターの回転速度は各ポリマーに対して最適化させてもよい。ポリマーの認識層に関するさらに詳細な事項は、共願に係る米国特許出願10/658898号(2003年9月5日出願)明細書に記載されており、該明細書の関連する記載内容も本願明細書の一部を成すものである。
【0058】
図9は、空気中の二酸化炭素の低濃度領域に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。異なる濃度におけるCOガスに対する応答は速く、再現性がある。
【0059】
図10は、空気中の二酸化炭素の広範囲の濃度に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。センサーは、500〜100000ppm(0.5〜10%)の濃度範囲内において、広い動的範囲を示した。適当な認識化学と特異性に起因して、センサーは異なる相対湿度条件下で作動し、又、麻酔性ガス(酸素と亜酸化窒素)に対して低い交差感度を示した。
【0060】
図11は、シミュレートされたヒトの呼吸に対して本発明による代表的なカプノメーターの応答をプロットしたグラフである。この臨床的に関連する条件下でのセンサーの性能は、カプノグラフィーと麻酔医療におけるこの種のセンサーとしての大きな可能性を示す。
【0061】
本発明の特徴を有するカプノメーターは、医療上有用な多くの異種のシステムにおいて、永続的な構成部品、半使い捨て構成部品又は完全使い捨て構成部品として使用してもよい。同様に、多種多様なセンサーの配置、信号と電力回路、及びデータの表示と記録のサブシステムは実用的である。
【0062】
図12A、図12B及び図12Cは、本発明の特徴を有するカプノメーターのアダプター(120、121、122)の代表的な形態を示す模式的斜視図である。この場合、出力装置はアダプターのハウジングに装着され、定量的な棒グラフを表示する。
【0063】
図13は、カプノメーターアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。この場合、出力装置はアダプターのハウジングに装着され、デジタル式の読みと定量的な棒グラフの両方を表示する。
【0064】
図14は、本発明の特徴を有する代表的なカプノメーターアダプターの模式的斜視図である。この場合、該アダプターは鼻用カニューレに適合した形態を有しており、又、外部のデータ記憶用回路(図示せず)と連絡する。
【0065】
図15A及び図15Bは、本発明の特徴を有するカプノメーターアダプター(150、151)の代表的な形態を示す模式的斜視図である。アダプター(150)においては、センサーと電子回路の両方は気道アダプターのハウジングから別々に離脱可能である。一方、アダプター(151)においては、電子回路は気道アダプターのハウジングから離脱可能であるが、センサーからは取り外すことはできない。
【0066】
本発明の特徴を有するカプノメーターは、多種多様なデータの取得、保存、処理及び出力のための装置を具備していてもよい。例えば、カプノメーターの信号は呼吸速度の測定、並びに呼出息組成(例えば、呼気終末のCO値)及び吸入ガス組成の測定のために使用してもよい。不連続な値のほかに、呼吸気組成の実時間における連続的な変化値を測定して、例えば、時間に対するCO濃度値のプロットとして表示してもよい。
【0067】
その他の医療上の用途
本発明の特徴を有するカプノメーターは、救急医療において呼吸を監視するために一般的に利用されている標準的な用具類[例えば、気道アダプター、マスク類、アンビュバッグ(ambubag)及び喉頭マスク]に埋設することができる。センサー集成体の構造は、大抵の気道監視環境に適用できるように自由に適応させることができる。このセンサーは、病院、予備病院及び病院外施設において使用することによって、非常に価値の高い監視情報を全ての健康管理に従事する者(例えば、医者、看護婦、呼吸技術士及びEMT等)へ提供することができる。
【0068】
本発明の特徴を有するカプノメーターが健康管理に関する重要な利点をもたらす用途には、次の用途が含まれる:気管内チューブ検査、呼吸特性の評価、病院内及び病院間での患者の搬送、及びCPR(心肺蘇生術)の妥当性評価。
【0069】
小型で非侵襲性の使い捨ての直列型センサーであって、変化するCO濃度を連続的に監視することによって呼気終末の二酸化炭素濃度の正確な測定値を供給するセンサーを、一般的な救急医療サービス/救急部門へ提供するように設計された本発明の特徴を有する使い捨てカプノメーターアダプターの仕様書の一例を以下の表1に示す。例えば、この装置は、CO濃度を連続的に追跡する棒グラフを表示してもよい。センサーの作動寿命(6時間)は、長い移送時間に適用させるのに十分すぎる。
【0070】

表1

【0071】
本発明によるカプノメーターのその他の用途には次の用途が含まれる。
i)麻酔−カプノグラフィー:麻酔を必要とする外科手術中の換気の妥当性、挿管の適正性及び呼吸の質の監視に利用される。手術後の集中治療や臨床治療の監視にも適用できる。
【0072】
ii)救急医療サービス/救急部門:呼気終末のCO濃度は心臓の出力の予測尺度であり、又、適当な呼吸の指示尺度である。EMS(救急医療サービス)における多くの状況(例えば、心臓停止、呼吸停止、外傷、発作、ショック、糖尿病のケトアシドーシス、喘息、病院内及び/又は病院間における患者の移送、及び最も重要な気管内挿管等)に関するデータは、この濃度の報告値から得ることができる。
【0073】
iii)手続的鎮静:保健機関認定合同委員会(JCAHO)は、鎮静中の呼吸の連続的監視が指示されている。オフィスで治療を受けるべき患者には、挿管処置の有無に拘わらず、手術室における場合と同等の治療(患者の呼気中のCO濃度の追跡を含む)が施されなければならない。
【0074】
iv)喘息:CO濃度の監視によって、気管支痙攣の痛みを評価すると共に、薬物による効果的な治療と処置に関するデータが得られる。
【0075】
v)睡眠時無呼吸:CO濃度を監視することによって、無呼吸(呼吸停止)を評価することができる。診断的な用途のほかに、CO濃度の監視は治療用機器類の効率を評価するためにも利用することができる。
【0076】
vi)代謝試験:種々の代謝試験は、代謝(休息時の代謝速度を含む)を評価する手段として、呼気中のCOの濃度と量を追跡する。
【0077】
vii)胃腸検査:COの測定は、種々の呼吸気試験[例えば、ラクトース/フルクトース不耐性、バクテリアの異常増殖及び幽門炎(消化性潰瘍)等]のためのサンプリングの一部として肺胞からの呼吸ガスを監視して捕集することが必要である。
【0078】
以上の説明は、ナノ電子カプノメーターセンサーの好ましい実施態様に関するものである。当業者には明らかなように、このシステムを用いることによって一定の利点が得られている。又、上述の実施態様の種々の変形態様、改良態様及び代替態様も、本発明の技術的範囲と技術的思想の範囲内において実施することができる。本発明においては、多種多様な支持体の構造及び/又はアダプターの幾何学的形態を適宜採用してもよく、本発明は、添付図面に記載された特定の構造や形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1A】図1Aは有線カプノメーターセンサーとアダプター系の側面方向からの模式図及びチューブの断面方向からの模式図である。
【図1B】図1Bは有線カプノメーターセンサーとアダプター系の側面方向からの模式図及びチューブの断面方向からの模式図である。
【図2】図2は、無線カプノメーターセンサーとアダプター系のチューブ取り付け部に対する模式的端面図である。
【図3】図3は、有線カプノメーターセンサーとアダプター系のチューブ取り付け部に対する模式的端面図である。
【図4】図4は、カプノメーターセンサーとアダプターの模式図である。
【図5】図5は、図4に示すタイプのアダプターとセンサーとは異なる別のアダプターとセンサーを示す模式図である。
【図6】図6は、一般的には図1Aと図1Bに示す態様と類似するカプノメーターのセンサーとアダプターの模式的側面図である。
【図7】図7は、一般的には図6に示す態様と類似するカプノメーターのセンサーとアダプターの模式的側面図である。
【図8】図8は、本発明に使用される代表的なナノ構造体センサーを示す模式図である。
【図9】図9は、空気中の二酸化炭素の低濃度領域に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。
【図10】図10は、空気中の二酸化炭素の広範囲の濃度に対して代表的な二酸化炭素用ナノ電子センサーの応答をプロットしたグラフである。
【図11】図11は、シミュレートされたヒトの呼吸に対して本発明による代表的なカプノメーターの応答をプロットしたグラフである。
【図12A】図12Aは、出力装置がアダプターのハウジングに装着されて定量的な棒グラフを表示するカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【図12B】図12Bは、出力装置がアダプターのハウジングに装着されて定量的な棒グラフを表示するカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【図12C】図12Cは、出力装置がアダプターのハウジングに装着されて定量的な棒グラフを表示するカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【図13】図13は、出力装置がアダプターのハウジングに装着されてデジタル式の読みと定量的な棒グラフの両方が表示されるカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【図14】図14は、外部のデータ記憶用回路と連絡する鼻用カニューレに適合した形態を有する代表的なカプノメーターのアダプターの模式的斜視図である。
【図15A】図15Aは、センサーと電子回路が気道アダプターから離脱可能であるカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【図15B】図15Bは、電子回路が気道アダプターから離脱可能であるカプノメーターのアダプターの代表的な形態を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0080】
10 アダプター
11 電子モジュール
12 センサー
20 アダプター
21 電子モジュール
23 小型電池
30 アダプター
31 電子モジュール
40 アダプターユニット
42 センサー
44 アダプター
50 アダプター
52 センサー
62 センサー
66 内腔
69 気道通路
76 内腔
79 気道通路
800 電子システム
801 二酸化炭素
802 ナノ構造体検知装置
804 支持対
806 ナノ構造体
808 導電性素子
810 導電性素子
812 ゲート
814 抑止材料層
815 機能性材料層




【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構成部品(i)〜(iii)を具備するカプノメーター:
(i)呼吸ガスの通路用に設計された少なくとも1個の溝を具有する気道アダプター、
(ii)該通路と流体を介して連絡する少なくとも1個のナノ構造体センサーであって、呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分に対して選択的に応答するように設計された該ナノ構造体センサー、及び
(iii)該ナノ構造体センサーに接続された電子的ハードウェアであって、少なくとも1種の該ガス状成分に対する該ナノ構造体センサーの応答を表示する信号を供給するように設計された該電子的ハードウェア。
【請求項2】
電子的ハードウェアに接続された出力装置であって、呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分の濃度を表示する出力を供給するように設計された該出力装置をさらに具備する請求項1記載のカプノメーター。
【請求項3】
ナノ構造体センサーが、二酸化炭素を含有する呼出息に含まれる少なくとも1種のガス状成分に対して選択的に応答するように設計された請求項1記載のカプノメーター。
【請求項4】
少なくとも1個のナノ構造体センサーが下記の部材(a)〜(d)を具備する請求項3記載のカプノメーター:
(a)支持体、
(b)支持体上に配設された第1ナノ構造体、
(c)第1ナノ構造体と電気的に接続された少なくとも2個の導電性素子、及び
(d)第1ナノ構造体と共同して機能する少なくとも1種の認識材料であって、二酸化炭素と相互作用するように設計された該認識材料。
【請求項5】
第1ナノ構造体が、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノファイバー及びナノロッドから成る群から選択される請求項4記載のカプノメーター。
【請求項6】
第1ナノ構造体が下記の群から選択される少なくとも1種の素子を含有する請求項4記載のカプノメーター:炭素、ホウ素、窒化ホウ素、窒化炭素ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、リン化インジウム、二流化モリブデン及び銀。
【請求項7】
第1ナノ構造体が単壁カーボンナノチューブを具有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項8】
導電性素子が金属電極を具有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項9】
導電性素子が第1ナノ構造体と物理的に直接的に接触する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項10】
少なくとも1種の認識材料が金属カーボネートを含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項11】
少なくとも1種の認識材料が下記の群から選択される請求項4記載のカプノメーター:炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸銀。
【請求項12】
少なくとも1種の認識材料がpH−感受性ポリマーを含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項13】
少なくとも1種の認識材料が下記の群から選択される請求項4記載のカプノメーター:
ポリアニリン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(3−メチルチオフェン)及びポリピロール。
【請求項14】
少なくとも1種の認識材料が芳香族化合物を含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項15】
少なくとも1種の認識材料がベンジルアミン、ナフタレンメチルアミン、アントラセンアミン及びピレンアミンから成る群から選択される請求項4記載のカプノメーター。
【請求項16】
少なくとも1種の認識材料がポリマー材料を含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項17】
少なくとも1種の認識材料がポリエチレングリコール、ポリ(ビニルアルコール)、ポリサッカリド及びデンプンから成る群から選択される請求項4記載のカプノメーター。
【請求項18】
少なくとも1種の認識材料が、ナノ構造体上に配設された実質的に連続な層を含む請求項4記載のカプノメーター。
【請求項19】
少なくとも1種の認識材料が複数の異種材料を含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項20】
ナノ構造体に接近して配設されたゲート電極をさらに具有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項21】
導電性素子間の接続部に隣接したセンサーの領域を被覆する抑止材料層をさらに具有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項22】
少なくとも1種の認識材料が金属、金属酸化物及び金属水酸化物から成る群から選択される請求項4記載のカプノメーター。
【請求項23】
少なくとも1種の認識材料が、第1ナノ構造体に隣接して配設された金属層を含む請求項4記載のカプノメーター。
【請求項24】
認識材料が、金属層に隣接して配設されたポリマー材料層を含む請求項23記載のカプノメーター。
【請求項25】
少なくとも1種の認識材料が、ゲート電極に隣接して配設された金属層を含む請求項18記載のカプノメーター。
【請求項26】
認識材料が、金属層に隣接して配設されたポリマー層を含む請求項25記載のカプノメーター。
【請求項27】
認識材料が、デンプンと混合したポリ(エチレンイミン)を含有する請求項4記載のカプノメーター。
【請求項28】
デンプンがアミロース及びアミロペクチンの少なくとも1種を含有する請求項27記載のカプノメーター。
【請求項29】
気道アダプターが、下記の群から成るシステムの少なくとも1種のシステムからの呼気流を受容するように設計された請求項3記載のカプノメーター:レスピレーターシステム、気管内ベンチレーターシステム、睡眠時無呼吸処置システム、睡眠時無呼吸診断システム、麻酔システム、心機能診断システム、代謝機能測定システム、喘息監視システム及び胃腸検査システム。
【請求項30】
気道アダプターが、患者の体外で操作できるように設計された請求項29記載のカプノメーター。
【請求項31】
気道アダプターが、患者の体内で操作できるように設計された請求項29記載のカプノメーター。
【請求項32】
気道アダプターが、下記の群から成るシステムの少なくとも1種のシステムからの呼気流の一部を受容するように設計された請求項3記載のカプノメーター:レスピレーターシステム、気管内ベンチレーターシステム、睡眠時無呼吸処置システム、睡眠時無呼吸診断システム、麻酔システム、心機能診断システム、代謝機能測定システム、喘息監視システム及び胃腸検査システム。
【請求項33】
カプノメーターが、レスピレーターマスク、アンビュバッグ又は喉頭マスクと連動するように設計された請求項3記載のカプノメーター。
【請求項34】
カプノメーターの少なくとも一部が使い捨てできるように設計された請求項3記載のカプノメーター。



【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【公表番号】特表2007−515227(P2007−515227A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545585(P2006−545585)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/042998
【国際公開番号】WO2005/062031
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(504468470)ナノミックス・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】