ナビゲーションスイッチ
本発明は、ナビゲーションスイッチであって、作動エレメント(1)が設けられており、該作動エレメント(1)が、少なくとも2つの方向に傾倒可能であり、該作動エレメント(1)によって当該ナビゲーションスイッチが操作可能である形式のものに関する。作動エレメント(1)はケーシング(2,7)内に収容されていて、スイッチングエレメント(3)に作用するようになっている。本発明によれば、作動エレメント(1)とケーシング(2,7)との間に制限エレメント(5,6)が配置されており、該制限エレメント(5,6)が、当該ナビゲーションスイッチに対する作動力を制限するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションスイッチであって、作動エレメントが設けられており、該作動エレメントが、少なくとも2つの方向に傾倒可能であり、該作動エレメントによってナビゲーションスイッチが操作可能であり、作動エレメントを収容しているケーシングが設けられており、スイッチングエレメントが設けられており、該スイッチングエレメントに作動エレメントが作用するようになっている形式のものに関する。
【0002】
ナビゲーションスイッチは、通常、スイッチングケーシングを有しており、このスイッチングケーシングは、スイッチングケーシングの内室内に配置されたスイッチングエレメントを備えている。このスイッチングエレメントは、少なくとも2つのコンタクト領域に向かって移動可能であって、移動に際してコンタクト位置に到達するようになっており、このコンタクト位置は電気的なコンタクトをスイッチングする。スイッチングエレメントは、ケーシングの内室内に配置されたスイッチングレバーの軸方向の延長部として外方へ案内された作動アームを有している。作動アームは、スイッチングケーシング内に存在する操作エレメントを介して、中心の非作業位置から複数の方向に旋回させられるようになっている。
【0003】
このようなナビゲーションスイッチは、多様な応用のために公知である。このようなナビゲーションスイッチは、一般的に、例えばデジタルカメラ、ビデオレコーダまたは移動電話のような娯楽用電子機器類の電子機器を制御するために使用されるが、電子式のデータ処理機器内でメニュー制御するためにも使用される。前記のようなナビゲーションスイッチは、特に、個々の構成部材に複数の機能が配属される場合に、構成部材を減少させる際に使用される。
【0004】
スイッチングエレメントを作動させるために、作動エレメントは、スイッチングエレメントの作動アームの機械的な接触が行われ得るように、下面に存在するタペットを有している。作動エレメントの作動に際して、作動エレメントのタペットは、作動力をスイッチングエレメントの作動アームに伝達する。これにより、作動アームはコンタクト位置に到達し、電気的なコンタクトをスイッチングする。
【0005】
冒頭に述べたナビゲーションスイッチは、今日の時点では、あまりにも高すぎる作動力に対する防護装置を有していない。作動エレメントの不適切な作動またはあまりにも強すぎる作動は、スイッチングエレメントの作動アームに高い作動力を生ぜしめ、この作動力は、スイッチングエレメントの破壊という結果を招くことがあり得る。さらに、作動エレメントの不定の傾動によって、スイッチングエレメントが破壊されることがあり得る。
【0006】
本発明の課題は、スイッチングエレメントが予定よりも早い磨耗および破壊から、より良好に防護されているナビゲーションスイッチを提供することである。
【0007】
この課題は本発明によれば、作動エレメントとケーシングとの間に制限エレメントが配置されており、該制限エレメントが、スイッチングエレメントに対する作動力を制限するようになっていることによって解決される。
【0008】
このナビゲーションスイッチは、作動エレメントとこの作動エレメントを収容しているケーシングとの間で制限エレメントが使用されることによって、どのような形式のスイッチングエレメントも、不適切な作動もしくはあまりにも強すぎる作動から防護されることができるという利点を有している。
【0009】
制限エレメントが、中央に設けられた切欠きを有しており、該切欠きが、作動エレメントにおけるタペットの寸法に対応していることによって、作動エレメントを軌道内で案内することが可能になり、したがって、不定の傾倒が防止される。
【0010】
あまりにも大きすぎる作動力は、制限エレメントを介して、この制限エレメントを収容しているケーシングの側壁内に導入される。作動エレメントのタペットを、スイッチングエレメントの作動アームにおいて確実に案内することが可能になる。
【0011】
有利な1実施態様では、制限エレメントがケーシングと一体的に形成されており、制限エレメントおよびケーシングが弾性プラスチックから製作されていることが考えられている。
【0012】
さらに、有利な1実施態様では、制限エレメントが作動エレメントに向かって凸状に形成されていて、格子状の構造を有していることが考えられている。
【0013】
同じく、制限エレメントは、プラスチックまたは金属から製作された、湾曲させられたプレートとして形成されていてもよい。
【0014】
この場合、制限エレメントが、作動エレメントの下面に存在するタペットを収容するための、軸方向の切欠きを有していることが有利である。
【0015】
本発明の有利な1実施態様では、制限エレメントを収容しているケーシングが、円形の中空室を有しており、この場合、該中空室を制限している底部の外側領域に、少なくとも2つの係止部が形成されており、凸状に形成された制限エレメントが、少なくとも2つの別の対応係止部を有しており、該対応係止部が、ケーシングの、適当に設けられた係止部内に係合するようになっていることが考えられている。
【0016】
ここでは、制限エレメントはケーシングの中空室内に嵌め込まれており、この場合、組付けが行われた後、制限エレメントは、係止のために45度だけ時計回りに回動させられており、これにより、制限エレメントの対応係止部が、ケーシングの係止部内に係合している。
【0017】
本発明に基づいて、通常の状況下で生じる、あまりにも高すぎる作動力に起因した磨耗が、制限エレメントによって阻止されるようになっているナビゲーションスイッチを、極めて僅かな製作兼組付け費用で提供することが可能になっている。作動エレメントを収容するためのケーシングの構成ユニットは、前組付けされた形状で、特別に念を入れる必要なしにストックされることができ、取り扱われることができる。
【0018】
作動エレメントに生じる大きい作動力は、付加的な作動エレメントを介してケーシングの側壁内に導入される。制限エレメントの使用によって、マイクロスイッチを、不適切な作動もしくはあまりにも強すぎる作動から防護することもできる。同時に、制限エレメントによって、不定の傾倒を防止するために作動エレメントを軌道内で案内することが可能になる。
【0019】
オプションで使用されることができる制限エレメントの使用によって、特性をケーシングの材料とは無関係に適合させることが可能になる。ナビゲーションスイッチもしくはスイッチングエレメントの寿命に有利な影響が与えられる。
【0020】
以下に本発明を、図面に示した実施例に基づき詳しく説明する。種々異なる図面中の同じかまたは対応するエレメントは、同じ参照符号を備えている。
【0021】
図1には、本発明によるナビゲーションスイッチの斜視図を示してある。このナビゲーションスイッチはスイッチングエレメント3を有しており、このスイッチングエレメント3は正方形の底面を有している。この底面は例えばケーシング部またはボード4に配置されている。スイッチングエレメント3は、このスイッチングエレメント3のカバーにおける切欠きを通して案内されている作動アーム31を有している。この作動アーム31は、スイッチングエレメント3の内室内に配置されたスイッチングレバー(ここでは図示せず)の軸方向の延長部として働く。中央でスイッチングエレメント3の内室内に配置されたスイッチングレバーは、少なくとも2つのコンタクト領域に向かって移動可能である。これにより、コンタクト位置への移動に際して、電気的なコンタクトがスイッチングされる。
【0022】
さらに、ナビゲーションスイッチは円形の作動エレメント1を有しており、この作動エレメント1は、半径方向に配置された4つのスイッチング位置と中央に配置された1つのスイッチング位置とを備えている。作動エレメント1の下面には、軸方向に配置されたタペット11が設けられている。ナビゲーションスイッチは、さらに、ケーシング2を有しており、このケーシング2は、作動エレメント1の寸法に対応する円形の中空室21を備えている。組み付けられた状態では、作動エレメント1はケーシング2によって収容され、このケーシング2はスイッチングエレメント3の上方に配置されている。これにより、作動エレメント3のタペット11は、中央でスイッチングエレメント3の作動アーム31に係合する。
【0023】
スイッチングエレメント3の作動は、作動エレメント1を介して行われる。この場合、作動エレメント1のタペット11は、作動力をスイッチングエレメント3の作動アーム31に伝達するので、この作動アーム31はスイッチング位置に移動させられる。この場合、ケーシング2内に配置された制限エレメント5が、スイッチングエレメント3の作動アーム31に作用する力を制限する。
【0024】
図2には、図1に記載したナビゲーションスイッチを、ケーシング2内で中央に配置された作動エレメント1を備えて平面図で示してある。
【0025】
図2による線D−Dに沿った断面図は、図3に示してある。既に予め論じたように、作動エレメント1がケーシング2内に存在するのがわかる。この場合、作動エレメント1のタペット11は、スイッチングエレメント3の作動アーム31を把持している。ケーシング2の中空室21内の底部領域には、作動エレメント1に向かって凸状に配置された、一体に成形された制限エレメント5が設けられている。
【0026】
図4の制限エレメント5の斜視図と、図5の、組み込まれた制限エレメント5を備えたケーシング2の平面図とに詳しく示してあるように、制限エレメント5は中央の切欠き53を有している。この切欠き53は、操作エレメント1におけるタペット11の外側寸法に対応する。さらに、制限エレメント5が格子状に構造化されていることが示してある。この場合、制限エレメント5は、図5に示した有利な構成では、中央に切欠きを備えた正方形の冠状部51を起点として対を成して、制限エレメント5の横軸線および縦軸線に対して平行に互いに向かい合っている末端部52を有している。これらの末端部の端部は、ケーシングに一体に成形されている。
【0027】
図示のこの実施形態では、有利には、制限エレメント5はケーシングと一体的に、例えば弾性プラスチックから製作されている。
【0028】
図6には、図5によるA−A線に沿った水平断面図、図7には、図5によるB−B線に沿った鉛直断面図を示してある。凸状に湾曲させられた制限エレメントは、1つの製作プロセスでケーシングと一緒に成形される。
【0029】
図8には、本発明によるナビゲーションスイッチの別の有利な構成を示してある。ここでは、別個の制限エレメント6が設けられており、この制限エレメント6はケーシング7の底部に嵌め込まれる。
【0030】
図9には、図8に記載したナビゲーションスイッチを、ケーシング7内で中央に配置された作動エレメント1を備えて平面図で示してある。
【0031】
図11〜図14には、作動エレメント1を収容しているケーシング7の、種々異なる視点から見た図を示してある。ケーシング7は円形の中空室71を有していて、底部には、図11〜図14に詳しく示してあるように半径方向で中空室71の側壁に配置された4つの係止部72を有している。
【0032】
図15〜図17には、制限エレメント6の1実施形態を示してある。この制限エレメント6は、凸状に湾曲させられたプレートとして形成されており、このプレートは、側縁部62に配置された4つの対応係止部61を備えている。これらの対応係止部61は半径方向で同じ間隔を置いて配置されている。
【0033】
制限エレメント6は中央に切欠き63を有しており、この切欠き63は、作動エレメント1のタペット11の寸法に対応している。この切欠き内に作動エレメント1のタペット11が延びているので、タペット11の確実な案内が可能になり、ひいては作動アーム31の、コントロールされない作動が防止される。
【0034】
係止のために、制限エレメント6は45度だけ時計回りに回動させられ、したがってケーシング7に堅固に結合されている。
【0035】
制限エレメント5,6の特別な作用形式は、図3および図10の断面図に示す。
【0036】
作動エレメント1の下面は、組み付けられた状態では、ケーシング2,7内に存在する制限エレメント5,6の上面54,64(図3および図10参照)に対して最小間隔dを有している。作動エレメント1への力導入fは、中心または離心で行われることができる。図10に特別に示してあるように、中心の力導入fは、作動エレメント1がスイッチングエレメント3の作動アーム31を距離eだけ下方へスイッチングエレメント3内に移動させるという結果をもたらす。距離eは、制限エレメント5,6によって実現された行程制限量を表す。さらに、制限エレメント5,6は、作動エレメント1と制限エレメント5,6の上面54,64との間隔dに基づく離心の力導入に際して、傾倒制限を行う。中心または離心の、あまりにも大きすぎる力導入fに際して、作動エレメント1に対する押圧力の、ケーシング2,7の壁内への誘導が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるナビゲーションスイッチの斜視図的な分解図である。
【図2】図1に示したナビゲーションスイッチの平面図である。
【図3】図2によるD−D線に沿った鉛直断面図である。
【図4】組み込まれた制限エレメントを備えた、作動エレメントを収容しているケーシングの、斜め上方からの斜視図である。
【図5】図4に示したケーシングの平面図である。
【図6】図5に示したケーシングのA−A線に沿った水平断面図である。
【図7】図5に示したケーシングのB−B線に沿った鉛直断面図である。
【図8】本発明による別のナビゲーションスイッチの斜視図的な分解図である。
【図9】図8に示したナビゲーションスイッチの平面図である。
【図10】図9に示したナビゲーションスイッチのC−C線に沿った鉛直断面図である。
【図11】作動エレメントを収容しているケーシングの、斜め上方からの斜視図である。
【図12】図11に示したケーシングの平面図である。
【図13】図12に示したケーシングのA−A線に沿った鉛直断面図である。
【図14】図12に示したケーシングのB−B線に沿った対角線方向断面図である。
【図15】図8による本発明によるナビゲーションスイッチの制限エレメントの平面図である。
【図16】図15によるA−A線に沿った断面図である。
【図17】図15に示した制限エレメントの側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションスイッチであって、作動エレメントが設けられており、該作動エレメントが、少なくとも2つの方向に傾倒可能であり、該作動エレメントによってナビゲーションスイッチが操作可能であり、作動エレメントを収容しているケーシングが設けられており、スイッチングエレメントが設けられており、該スイッチングエレメントに作動エレメントが作用するようになっている形式のものに関する。
【0002】
ナビゲーションスイッチは、通常、スイッチングケーシングを有しており、このスイッチングケーシングは、スイッチングケーシングの内室内に配置されたスイッチングエレメントを備えている。このスイッチングエレメントは、少なくとも2つのコンタクト領域に向かって移動可能であって、移動に際してコンタクト位置に到達するようになっており、このコンタクト位置は電気的なコンタクトをスイッチングする。スイッチングエレメントは、ケーシングの内室内に配置されたスイッチングレバーの軸方向の延長部として外方へ案内された作動アームを有している。作動アームは、スイッチングケーシング内に存在する操作エレメントを介して、中心の非作業位置から複数の方向に旋回させられるようになっている。
【0003】
このようなナビゲーションスイッチは、多様な応用のために公知である。このようなナビゲーションスイッチは、一般的に、例えばデジタルカメラ、ビデオレコーダまたは移動電話のような娯楽用電子機器類の電子機器を制御するために使用されるが、電子式のデータ処理機器内でメニュー制御するためにも使用される。前記のようなナビゲーションスイッチは、特に、個々の構成部材に複数の機能が配属される場合に、構成部材を減少させる際に使用される。
【0004】
スイッチングエレメントを作動させるために、作動エレメントは、スイッチングエレメントの作動アームの機械的な接触が行われ得るように、下面に存在するタペットを有している。作動エレメントの作動に際して、作動エレメントのタペットは、作動力をスイッチングエレメントの作動アームに伝達する。これにより、作動アームはコンタクト位置に到達し、電気的なコンタクトをスイッチングする。
【0005】
冒頭に述べたナビゲーションスイッチは、今日の時点では、あまりにも高すぎる作動力に対する防護装置を有していない。作動エレメントの不適切な作動またはあまりにも強すぎる作動は、スイッチングエレメントの作動アームに高い作動力を生ぜしめ、この作動力は、スイッチングエレメントの破壊という結果を招くことがあり得る。さらに、作動エレメントの不定の傾動によって、スイッチングエレメントが破壊されることがあり得る。
【0006】
本発明の課題は、スイッチングエレメントが予定よりも早い磨耗および破壊から、より良好に防護されているナビゲーションスイッチを提供することである。
【0007】
この課題は本発明によれば、作動エレメントとケーシングとの間に制限エレメントが配置されており、該制限エレメントが、スイッチングエレメントに対する作動力を制限するようになっていることによって解決される。
【0008】
このナビゲーションスイッチは、作動エレメントとこの作動エレメントを収容しているケーシングとの間で制限エレメントが使用されることによって、どのような形式のスイッチングエレメントも、不適切な作動もしくはあまりにも強すぎる作動から防護されることができるという利点を有している。
【0009】
制限エレメントが、中央に設けられた切欠きを有しており、該切欠きが、作動エレメントにおけるタペットの寸法に対応していることによって、作動エレメントを軌道内で案内することが可能になり、したがって、不定の傾倒が防止される。
【0010】
あまりにも大きすぎる作動力は、制限エレメントを介して、この制限エレメントを収容しているケーシングの側壁内に導入される。作動エレメントのタペットを、スイッチングエレメントの作動アームにおいて確実に案内することが可能になる。
【0011】
有利な1実施態様では、制限エレメントがケーシングと一体的に形成されており、制限エレメントおよびケーシングが弾性プラスチックから製作されていることが考えられている。
【0012】
さらに、有利な1実施態様では、制限エレメントが作動エレメントに向かって凸状に形成されていて、格子状の構造を有していることが考えられている。
【0013】
同じく、制限エレメントは、プラスチックまたは金属から製作された、湾曲させられたプレートとして形成されていてもよい。
【0014】
この場合、制限エレメントが、作動エレメントの下面に存在するタペットを収容するための、軸方向の切欠きを有していることが有利である。
【0015】
本発明の有利な1実施態様では、制限エレメントを収容しているケーシングが、円形の中空室を有しており、この場合、該中空室を制限している底部の外側領域に、少なくとも2つの係止部が形成されており、凸状に形成された制限エレメントが、少なくとも2つの別の対応係止部を有しており、該対応係止部が、ケーシングの、適当に設けられた係止部内に係合するようになっていることが考えられている。
【0016】
ここでは、制限エレメントはケーシングの中空室内に嵌め込まれており、この場合、組付けが行われた後、制限エレメントは、係止のために45度だけ時計回りに回動させられており、これにより、制限エレメントの対応係止部が、ケーシングの係止部内に係合している。
【0017】
本発明に基づいて、通常の状況下で生じる、あまりにも高すぎる作動力に起因した磨耗が、制限エレメントによって阻止されるようになっているナビゲーションスイッチを、極めて僅かな製作兼組付け費用で提供することが可能になっている。作動エレメントを収容するためのケーシングの構成ユニットは、前組付けされた形状で、特別に念を入れる必要なしにストックされることができ、取り扱われることができる。
【0018】
作動エレメントに生じる大きい作動力は、付加的な作動エレメントを介してケーシングの側壁内に導入される。制限エレメントの使用によって、マイクロスイッチを、不適切な作動もしくはあまりにも強すぎる作動から防護することもできる。同時に、制限エレメントによって、不定の傾倒を防止するために作動エレメントを軌道内で案内することが可能になる。
【0019】
オプションで使用されることができる制限エレメントの使用によって、特性をケーシングの材料とは無関係に適合させることが可能になる。ナビゲーションスイッチもしくはスイッチングエレメントの寿命に有利な影響が与えられる。
【0020】
以下に本発明を、図面に示した実施例に基づき詳しく説明する。種々異なる図面中の同じかまたは対応するエレメントは、同じ参照符号を備えている。
【0021】
図1には、本発明によるナビゲーションスイッチの斜視図を示してある。このナビゲーションスイッチはスイッチングエレメント3を有しており、このスイッチングエレメント3は正方形の底面を有している。この底面は例えばケーシング部またはボード4に配置されている。スイッチングエレメント3は、このスイッチングエレメント3のカバーにおける切欠きを通して案内されている作動アーム31を有している。この作動アーム31は、スイッチングエレメント3の内室内に配置されたスイッチングレバー(ここでは図示せず)の軸方向の延長部として働く。中央でスイッチングエレメント3の内室内に配置されたスイッチングレバーは、少なくとも2つのコンタクト領域に向かって移動可能である。これにより、コンタクト位置への移動に際して、電気的なコンタクトがスイッチングされる。
【0022】
さらに、ナビゲーションスイッチは円形の作動エレメント1を有しており、この作動エレメント1は、半径方向に配置された4つのスイッチング位置と中央に配置された1つのスイッチング位置とを備えている。作動エレメント1の下面には、軸方向に配置されたタペット11が設けられている。ナビゲーションスイッチは、さらに、ケーシング2を有しており、このケーシング2は、作動エレメント1の寸法に対応する円形の中空室21を備えている。組み付けられた状態では、作動エレメント1はケーシング2によって収容され、このケーシング2はスイッチングエレメント3の上方に配置されている。これにより、作動エレメント3のタペット11は、中央でスイッチングエレメント3の作動アーム31に係合する。
【0023】
スイッチングエレメント3の作動は、作動エレメント1を介して行われる。この場合、作動エレメント1のタペット11は、作動力をスイッチングエレメント3の作動アーム31に伝達するので、この作動アーム31はスイッチング位置に移動させられる。この場合、ケーシング2内に配置された制限エレメント5が、スイッチングエレメント3の作動アーム31に作用する力を制限する。
【0024】
図2には、図1に記載したナビゲーションスイッチを、ケーシング2内で中央に配置された作動エレメント1を備えて平面図で示してある。
【0025】
図2による線D−Dに沿った断面図は、図3に示してある。既に予め論じたように、作動エレメント1がケーシング2内に存在するのがわかる。この場合、作動エレメント1のタペット11は、スイッチングエレメント3の作動アーム31を把持している。ケーシング2の中空室21内の底部領域には、作動エレメント1に向かって凸状に配置された、一体に成形された制限エレメント5が設けられている。
【0026】
図4の制限エレメント5の斜視図と、図5の、組み込まれた制限エレメント5を備えたケーシング2の平面図とに詳しく示してあるように、制限エレメント5は中央の切欠き53を有している。この切欠き53は、操作エレメント1におけるタペット11の外側寸法に対応する。さらに、制限エレメント5が格子状に構造化されていることが示してある。この場合、制限エレメント5は、図5に示した有利な構成では、中央に切欠きを備えた正方形の冠状部51を起点として対を成して、制限エレメント5の横軸線および縦軸線に対して平行に互いに向かい合っている末端部52を有している。これらの末端部の端部は、ケーシングに一体に成形されている。
【0027】
図示のこの実施形態では、有利には、制限エレメント5はケーシングと一体的に、例えば弾性プラスチックから製作されている。
【0028】
図6には、図5によるA−A線に沿った水平断面図、図7には、図5によるB−B線に沿った鉛直断面図を示してある。凸状に湾曲させられた制限エレメントは、1つの製作プロセスでケーシングと一緒に成形される。
【0029】
図8には、本発明によるナビゲーションスイッチの別の有利な構成を示してある。ここでは、別個の制限エレメント6が設けられており、この制限エレメント6はケーシング7の底部に嵌め込まれる。
【0030】
図9には、図8に記載したナビゲーションスイッチを、ケーシング7内で中央に配置された作動エレメント1を備えて平面図で示してある。
【0031】
図11〜図14には、作動エレメント1を収容しているケーシング7の、種々異なる視点から見た図を示してある。ケーシング7は円形の中空室71を有していて、底部には、図11〜図14に詳しく示してあるように半径方向で中空室71の側壁に配置された4つの係止部72を有している。
【0032】
図15〜図17には、制限エレメント6の1実施形態を示してある。この制限エレメント6は、凸状に湾曲させられたプレートとして形成されており、このプレートは、側縁部62に配置された4つの対応係止部61を備えている。これらの対応係止部61は半径方向で同じ間隔を置いて配置されている。
【0033】
制限エレメント6は中央に切欠き63を有しており、この切欠き63は、作動エレメント1のタペット11の寸法に対応している。この切欠き内に作動エレメント1のタペット11が延びているので、タペット11の確実な案内が可能になり、ひいては作動アーム31の、コントロールされない作動が防止される。
【0034】
係止のために、制限エレメント6は45度だけ時計回りに回動させられ、したがってケーシング7に堅固に結合されている。
【0035】
制限エレメント5,6の特別な作用形式は、図3および図10の断面図に示す。
【0036】
作動エレメント1の下面は、組み付けられた状態では、ケーシング2,7内に存在する制限エレメント5,6の上面54,64(図3および図10参照)に対して最小間隔dを有している。作動エレメント1への力導入fは、中心または離心で行われることができる。図10に特別に示してあるように、中心の力導入fは、作動エレメント1がスイッチングエレメント3の作動アーム31を距離eだけ下方へスイッチングエレメント3内に移動させるという結果をもたらす。距離eは、制限エレメント5,6によって実現された行程制限量を表す。さらに、制限エレメント5,6は、作動エレメント1と制限エレメント5,6の上面54,64との間隔dに基づく離心の力導入に際して、傾倒制限を行う。中心または離心の、あまりにも大きすぎる力導入fに際して、作動エレメント1に対する押圧力の、ケーシング2,7の壁内への誘導が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるナビゲーションスイッチの斜視図的な分解図である。
【図2】図1に示したナビゲーションスイッチの平面図である。
【図3】図2によるD−D線に沿った鉛直断面図である。
【図4】組み込まれた制限エレメントを備えた、作動エレメントを収容しているケーシングの、斜め上方からの斜視図である。
【図5】図4に示したケーシングの平面図である。
【図6】図5に示したケーシングのA−A線に沿った水平断面図である。
【図7】図5に示したケーシングのB−B線に沿った鉛直断面図である。
【図8】本発明による別のナビゲーションスイッチの斜視図的な分解図である。
【図9】図8に示したナビゲーションスイッチの平面図である。
【図10】図9に示したナビゲーションスイッチのC−C線に沿った鉛直断面図である。
【図11】作動エレメントを収容しているケーシングの、斜め上方からの斜視図である。
【図12】図11に示したケーシングの平面図である。
【図13】図12に示したケーシングのA−A線に沿った鉛直断面図である。
【図14】図12に示したケーシングのB−B線に沿った対角線方向断面図である。
【図15】図8による本発明によるナビゲーションスイッチの制限エレメントの平面図である。
【図16】図15によるA−A線に沿った断面図である。
【図17】図15に示した制限エレメントの側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションスイッチ(1)であって、
−作動エレメント(1)が設けられており、該作動エレメント(1)が、少なくとも2つの方向に傾倒可能であり、該作動エレメント(1)によって当該ナビゲーションスイッチが操作可能であり、
−作動エレメント(1)を収容しているケーシング(2,7)が設けられており、
−スイッチングエレメント(3)が設けられており、該スイッチングエレメント(3)に作動エレメント(1)が作用するようになっている形式のものにおいて、
作動エレメント(1)とケーシング(2,7)との間に制限エレメント(5,6)が配置されており、該制限エレメント(5,6)が、スイッチングエレメント(3)に対する作動力を制限するようになっていることを特徴とするナビゲーションスイッチ。
【請求項2】
制限エレメント(5)がケーシング(2)と一体的に形成されている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項3】
制限エレメント(5)およびケーシング(2)が弾性プラスチックから製作されている、請求項1または2記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項4】
制限エレメント(5,6)が作動エレメント(1)に向かって凸状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項5】
制限エレメント(5)が格子状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項6】
制限エレメント(6)が、湾曲させられたプレートとして形成されている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項7】
制限エレメント(6)がプラスチックまたは金属から形成されている、請求項6記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項8】
制限エレメント(5,6)が、作動エレメント(1)の下面に存在するタペット(11)を収容するための、軸方向の切欠きを有している、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項9】
ケーシング(7)が円形の中空室(71)を有しており、この場合、中空室(71)を制限している底部の外側領域に、少なくとも2つの係止部(72)が形成されており、凸状に形成された制限エレメント(6)が、少なくとも2つの別の対応係止部(61)を有しており、該対応係止部(61)が、ケーシング(7)の、適当に設けられた係止部(72)内に係合するようになっている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項10】
制限エレメント(6)がケーシング(7)の中空室(71)内に嵌め込まれており、この場合、制限エレメント(6)が、係止のために45°だけ時計回りに回動させられており、これにより、制限エレメント(6)の対応係止部が、ケーシング(7)の係止部(72)内に係合している、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項1】
ナビゲーションスイッチ(1)であって、
−作動エレメント(1)が設けられており、該作動エレメント(1)が、少なくとも2つの方向に傾倒可能であり、該作動エレメント(1)によって当該ナビゲーションスイッチが操作可能であり、
−作動エレメント(1)を収容しているケーシング(2,7)が設けられており、
−スイッチングエレメント(3)が設けられており、該スイッチングエレメント(3)に作動エレメント(1)が作用するようになっている形式のものにおいて、
作動エレメント(1)とケーシング(2,7)との間に制限エレメント(5,6)が配置されており、該制限エレメント(5,6)が、スイッチングエレメント(3)に対する作動力を制限するようになっていることを特徴とするナビゲーションスイッチ。
【請求項2】
制限エレメント(5)がケーシング(2)と一体的に形成されている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項3】
制限エレメント(5)およびケーシング(2)が弾性プラスチックから製作されている、請求項1または2記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項4】
制限エレメント(5,6)が作動エレメント(1)に向かって凸状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項5】
制限エレメント(5)が格子状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項6】
制限エレメント(6)が、湾曲させられたプレートとして形成されている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項7】
制限エレメント(6)がプラスチックまたは金属から形成されている、請求項6記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項8】
制限エレメント(5,6)が、作動エレメント(1)の下面に存在するタペット(11)を収容するための、軸方向の切欠きを有している、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項9】
ケーシング(7)が円形の中空室(71)を有しており、この場合、中空室(71)を制限している底部の外側領域に、少なくとも2つの係止部(72)が形成されており、凸状に形成された制限エレメント(6)が、少なくとも2つの別の対応係止部(61)を有しており、該対応係止部(61)が、ケーシング(7)の、適当に設けられた係止部(72)内に係合するようになっている、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【請求項10】
制限エレメント(6)がケーシング(7)の中空室(71)内に嵌め込まれており、この場合、制限エレメント(6)が、係止のために45°だけ時計回りに回動させられており、これにより、制限エレメント(6)の対応係止部が、ケーシング(7)の係止部(72)内に係合している、請求項1記載のナビゲーションスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2006−502542(P2006−502542A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542175(P2004−542175)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003120
【国際公開番号】WO2004/034414
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003120
【国際公開番号】WO2004/034414
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
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