説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置に関するもので、使い勝手を向上させる。
【解決手段】ナビゲーション装置の本体ケースと、この本体ケースに設けた表示部5と、この表示部に接続した制御部6と、この制御部6に接続した位置検出部、地図データ記憶部7、地図データ入力部とを備え、前記地図データ記憶部7は、全国版地図エリア格納部12と、地域版地図エリア格納部13とを有し、前記制御部6は、前記地図データ入力部から全国版地図エリア格納部12と、地域版地図エリア格納部13への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記全国版地図エリア格納部12、或いは地域版地図エリア格納部13からの地図データの読み出しを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、その地図データ記憶部に記憶された地図データを更新するために地図データ入力部を備えており、例えば1年に1回、前記地図データ入力部から、新規地図データを地図データ記憶部に記憶させるようになっている。
近年の地図データは情報量が極めて大きなものとなっているので、前記地図データの更新には1時間以上の時間が必要となっている。
【0003】
そこで、地図データ記憶部に記憶された地図データに優先度をつけ、先ず優先度の低い地図データを削除し、次に削除されたエリアに優先度の高い地図データを記憶させるようにしたものもある(たとえば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−199053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例の課題は、使い勝手が悪いということであった。
【0006】
すなわち、上記従来例のものでも、地図データ記憶部に記憶された地図データに優先度をつけ、先ず優先度の低い地図データを削除し、次に削除されたエリアに優先度の高い地図データを記憶させるようにすることで、この地図データの更新途中でも、その更新作業を一時中断し、更新された優先度の高い地図データの範囲内で、案内ルートの検索、表示ができるようにしている。
【0007】
この場合、例えば優先度の高い地図データを、使用者の住居近傍の地図データとした場合、その住居近傍の案内ルートを検索、表示をさせることはできるが、遠方へ移動するときには、この案内ルートの検索、表示をさせることはできず、使い勝手が悪かった。
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、地図データ記憶部、地図データ入力部とを備え、前記地図データ記憶部は、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、地図データ記憶部、地図データ入力部とを備え、前記地図データ記憶部は、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア
格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能としたものであるので、その使い勝手の良いものとなる。
【0010】
すなわち、本発明においては、前記地図データ記憶部が、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能としたものであるので、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部或いは、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込み時であっても、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しが可能で、このときにも案内ルートの検索、表示が可能となり、その使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に関するナビゲーション装置の正面図
【図2】本発明の一実施形態に関するナビゲーション装置の自動車に装着した状態を示す側面図
【図3】本発明の一実施形態に関するナビゲーション装置の制御ブロック図
【図4】本発明の一実施形態に関するナビゲーション装置の制御フローチャート
【図5】本発明の一実施形態に関するナビゲーション装置の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1において、1はナビゲーション装置を示し、このナビゲーション装置1は図2に示すように自動車2の車内3前方に装着されている。
【0013】
前記ナビゲーション装置1は、よく知られているように、図1に示す本体ケース4と、この本体ケース4に設けた表示部5と、この表示部5に接続した図3の制御部6と、この制御部6に接続したGPSセンサなどを含む位置検出部(図示せず)、地図データ記憶部7、音声出力部8、地図データ処理部9などを備えている。
また、制御部6には、地図データ入力部としてデッキ処理部10、カード処理部11も接続されている。
【0014】
また、地図データ記憶部7には、広域版地図エリア格納部として、例えば日本国の全国版地図エリア格納部12が、さらに狭域版地図エリア格納部として、例えば日本国の地域版地図エリア格納部13が設けられている。なお、地域版地図エリア格納部13とは、例えば日本国の、九州・沖縄地方であるとか、中国地方・四国地方であるとか、関西地方であるとか、使用者の住居が存在する地方を示している。
【0015】
本実施形態で特徴的なのは、地図データ記憶部7が、広域版地図エリア格納部として、例えば日本国の全国版地図エリア格納部12を、さらに狭域版地図エリア格納部として、例えば日本国の地域版地図エリア格納部13を備えていることと、前記制御部6が、これらの全国版地図エリア格納部12と地域版地図エリア格納部13に対して選択的に地図データの書き込みを行えること、およびこの地図データの書き込み時に非選択の前記全国版地図エリア格納部12、あるいは地域版地図エリア格納部13からの地図データを読み出し可能としたことである。
以下、この地図データの更新について、説明する。
【0016】
先ず、この地図データの更新行うためには、地図データ入力部として設けた図3のデッキ処理部10、またはカード処理部11に、メディア(デスクやカード)を挿入する(図4のS1)と、制御部6により更新作業が開始される(S2)。
【0017】
本実施形態においては、地域版地図エリア格納部13の地図データを優先的に更新するようになっているので、住居登録情報から、地域版地図エリア格納部13への更新地域を選択し(S3)、続けてその地域の地図データを地域版地図エリア格納部13に対して書き込む(S4)。
この時、この地域版地図エリア格納部13に対する地図データの更新作業が終了したか否かの判定が、繰り返し行われている(S5)。
【0018】
この、地域版地図エリア格納部13に対する地図データの更新作業は例えば10分程度で終了し、その後、全国版地図エリア格納部12への地図データの更新作業が行われる(S6)。
また、全国版地図エリア格納部12に対する地図データの更新作業が終了したか否かの判定も、繰り返し行われる(S7)。
この、全国版地図エリア格納部12に対する地図データの更新作業は例えば1時間程度で終了し、その後、年度更新の完了が確認される(図5のS8)。
【0019】
年度更新の完了が確認されると、図3のデッキ処理部10、またはカード処理部11から、メディア(デスクやカード)が排出され(図5のS9)、この更新作業が終了する(図5のS10)。
【0020】
以上のような地図データの更新時において、例えば図4の(S5)時において、つまり地域版地図エリア格納部13への地図データ書き込みが完了していないときにナビゲーションが起動されると(図4のS11)、本実施形態では、地図データの更新をしていない全国版地図エリア格納部12の地図データにより、目的地検索、ルート表示がなされる(図4のS12)。
このため、この時でも、目的地検索、ルート表示がなされ、極めて使い勝手の良いものとなる。
【0021】
また、図4の(S7)時において、つまり全国版地図エリア格納部12への地図データ書き込みが完了していないときにナビゲーションが起動されると(図4のS13)、本実施形態では、地図データの更新が完了している地域版地図エリア格納部13の地図データにより、目的地検索、ルート表示がなされる(図4のS14)。
このため、この時には、更新された最新の地図データにより、目的地検索、ルート表示が行え、極めて使い勝手の良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けた表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、地図データ記憶部、地図データ入力部とを備え、前記地図データ記憶部は、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能としたものであるので、その使い勝手の良いものとなる。
【0023】
すなわち、本発明においては、前記地図データ記憶部が、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能としたものであるので、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部或いは、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込み時であっても、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しが可能で、このときにも案内ルートの検索、表示が可能となり、その使い勝手の良いものとなる。
したがって、カーナビゲーション装置などへの活用が広く期待される。
【符号の説明】
【0024】
1 ナビゲーション装置
2 自動車
3 車内
4 本体ケース
5 表示部
6 制御部
7 地図データ記憶部
8 音声出力部
9 地図データ処理部
10 デッキ処理部
11 カード処理部
12 全国版地図エリア格納部
13 地域版地図エリア格納部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースに設けた表示部と、この表示部に接続した制御部と、この制御部に接続した位置検出部、地図データ記憶部、地図データ入力部とを備え、前記地図データ記憶部は、広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部とを有し、前記制御部は、前記地図データ入力部から広域版地図エリア格納部と、狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを選択的に行うとともに、この地図データの書き込み時において非選択の前記広域版地図エリア格納部、或いは狭域版地図エリア格納部からの地図データの読み出しを可能としたナビゲーション装置。
【請求項2】
制御部は、地図データ入力部から狭域版地図エリア格納部への地図データの書き込みを優先的に行う構成とした請求項1に記載のナビゲーション装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−196922(P2011−196922A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66062(P2010−66062)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】