説明

ナースコールシステム

【課題】表示しきれない数のポップアップ表示がある場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを適切に表示できるようにする。
【解決手段】呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが第一の所定の数を超える場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を第一の所定の数よりも少ない第二の所定の数だけディスプレイの上方に表示し、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を第一の所定の数から第二の所定の数を減じた数だけディスプレイの下方に表示して、第一の所定の数を超えるものについては、ポップアップ表示の存在のみを表示するので、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を上方に優先して表示しつつ、両方とも表示されるので、両者を適切に表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者や被介護者が看護師や介護師を呼び出すためのナースコールシステムに関し、特に患者や被介護者が呼び出しを行ったことを報知するために、ナースコール親機のディスプレイ上にポップアップを表示するナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、病院の患者が看護師のサポートを必要とする際、または介護施設の被介護者が介護師のサポートを必要とする際に、患者や被介護者(以下、患者と記載する)が呼出操作部を操作することによって看護師や介護師(以下、医療従事者と記載する)を呼び出すことができるように成されたシステムである。
【0003】
多くのナースコールシステムは、病室のベッド近傍やトイレ、浴室などに設置されるナースコール子機と、ナースステーションに設置されるナースコール親機と、病室や介護室等の各部屋の入口付近に設置される廊下灯と、通話やデータの送受信に関する制御を行う制御機とを備えて構成されている。また、上述した構成に加えて、医療従事者が携帯する携帯端末(例えば、PHS(Personal Handy phone System)端末など)とPBX(Private Branch Exchange:電話交換機)とを備えたナースコールシステムも提供されている。ここで、ナースコール子機は、呼出操作部を備えている。
【0004】
このようなナースコールシステムは、患者がナースコール子機の呼出操作部を操作した場合に、ナースコール子機からナースコール親機へ呼出信号を出力し、呼出信号を入力したナースコール親機にて呼び出しを報知するように構成されている。
【0005】
ナースコール親機には、LED(light-emitting diode)などのランプと患者の名前などを表示する表示欄とを備えた選局部を患者の数に応じて組み合わせたボード形のものが知られている。ボード形のナースコール親機は、ナースステーションの壁面などに取り付けられ、ナースステーション内の医療従事者がボード形親機に表示された情報を閲覧することが可能である。ここで、ナースコール子機から出力された呼出信号を入力したナースコール親機では、呼出信号に含まれ、ナースコール子機を識別するための子機識別情報により呼び出しを行った患者(実際にはナースコール子機)を特定する。そして、特定されたナースコール子機を使用している患者の表示欄に対応する選局部のランプを点灯または点滅させることで呼び出しの報知を行っている。また、呼び出しの報知は、選局部のランプの点灯や点滅だけではなく、スピーカーから出力される音声によっても行われる。
【0006】
また、ナースコール親機としては、上述したボード形のものだけではなく、卓上に設置される卓上形のものや、報知や各種情報をディスプレイ上に表示するPC(personal computer)形のものも知られている。ここで、病室およびベッドの配置に合わせて患者の氏名などの患者情報をディスプレイ上に表示したり、ナースコール子機により呼び出しが行われた場合に、呼び出しを行った患者の患者情報をディスプレイ上にポップアップ表示したりするナースコールシステムが知られている(例えば、特許文献1など)。
【0007】
また、上述したように、ナースコール親機にて呼び出しの報知が行われると、これに気付いた医療従事者が応答する必要がある。そのため、ナースコール親機には、呼び出しの報知に応答するためのハンドセットが設けられている。呼び出しの報知が行われている場合に、医療従事者がハンドセットをオフフックすると、呼び出しの報知が停止し、ナースコール親機とナースコール子機(またはナースコール子機が設置された病室)との間で通話路が形成される。ここで、ナースコール子機(または病室)には、通話用のスピーカーやマイクが設けられているため、患者と医療従事者との間で通話が可能となる。また、携帯端末が使用可能である場合には、医療従事者は、携帯端末を操作して呼び出しに応答することができる。
【0008】
ところで、ナースコール親機のハンドセットや携帯端末で応答が行われた場合に、呼び出しの報知を停止するものの、病室内や病室の出入口近傍に設けた復旧操作部を操作しない限り、ナースコール子機の呼出操作部を再び操作することができないようにするナースコールシステムも知られている(例えば、特許文献2など)。この特許文献2では、復旧操作部が病室内や病室の出入口近傍(例えば、ナースコール子機の近傍や廊下灯など)に設けられているため、医療従事者は病室を必ず訪問して復旧操作部を操作しなければならない。
【0009】
しかしながら、医療従事者がハンドセットや携帯端末で応答を行うと、呼び出しの報知が停止するため、医療従事者は病室を訪問して復旧操作部を操作することを忘れてしまうケースが生じるという問題があった。このような問題を解決するために、医療従事者がハンドセットや携帯端末で応答を行っても、呼び出しの報知を示す音声の出力を停止するだけで、ディスプレイ上に表示されるポップアップ表示をそのままの状態とすることが考えられる(例えば、現場復旧待ち状態であることをポップアップ表示する)。このように、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示が行われることで、医療従事者は復旧操作部の操作を忘れないようにすることができる。
【0010】
ここで、応答が行われていない呼び出しの報知を示すポップアップ表示と、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが重複した場合には、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を優先してディスプレイ上に表示することが好ましい。すなわち、優先する呼び出しの報知を示すポップアップ表示をディスプレイの上方に表示し、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示をディスプレイの下方に表示することが好ましい。
【0011】
しかしながら、上述した従来技術では、複数の呼び出しが行われ、呼び出しの報知を示すポップアップ表示がディスプレイに表示しきれなくなった場合には、優先度の低い現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示がディスプレイ上に表示されなくなってしまうので、医療従事者が現場復旧待ち状態であるナースコール子機の存在を把握できなくなってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−268019号公報
【特許文献2】特開2010−233629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ディスプレイ上に表示しきれない数のポップアップ表示が存在する場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを適切に表示することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明では、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを同時に第一の所定の数だけディスプレイ上に表示可能なナースコール親機であって、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが第一の所定の数を超えた場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を第一の所定の数よりも少ない第二の所定の数だけディスプレイの上方に表示するとともに、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を第一の所定の数から第二の所定の数を減じた数だけディスプレイの下方に表示して、第一の所定の数を超えたポップアップ表示については、ポップアップ表示の存在のみをディスプレイに表示してポップアップ表示を行わないようにしている。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明によれば、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが第一の所定の数を超えた場合でも、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を優先しつつ両方とも表示されるので、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを適切に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるナースコールシステムのナースコール親機の表示例を示す図である。
【図3】本実施形態によるナースコールシステムのナースコール親機の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。1はナースコール子機であり、各患者のベッド近傍に設置されている。ここで、ナースコール子機1は、子機制御部2、呼出操作部3、子機インターフェース4を備えて構成されている。
【0018】
復旧操作装置5は、ナースコール子機1の近傍に設置されており、ナースコール子機1の呼出操作部3が操作され、呼び出しが行われている状態から、ナースコール子機1の呼出操作部3を再び操作可能とするために操作されるものである。
【0019】
10はナースコール親機であり、医療従事者が常駐するナースステーションなどに設置されており、医療従事者によって使用される。ここで、ナースコール親機10は、制御部11、インターフェース12、記憶部13、スピーカー14、ディスプレイ15、応答操作部16を備えて構成されている。
【0020】
次に、ナースコール子機1の各構成要素について説明する。子機制御部2は、ナースコール子機1の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部3は、呼出ボタンなどにより構成されており、医療従事者を呼び出すために患者によって使用される。また、呼出操作部3が操作されると、子機制御部2は呼出信号を生成する。ここで、呼出信号は、ナースコール子機1を他のナースコール子機1と識別するための子機識別情報(例えば、ベッド番号など)を含む。なお、本実施形態では、呼出操作部3は呼出ボタンなどにより構成されているが、これに限定されない。例えば、患者の離床や転倒/転落を検出するためのマットセンサーなどのセンサーにより呼出操作部3を構成するようにしても良い。
【0021】
子機インターフェース4は、ナースコール子機1とナースコール親機10とを接続して通信を行うためのものである。ここで、子機インターフェース4は、子機制御部2によって生成された呼出信号を出力する。また、子機インターフェース4は、後述する復旧操作装置5から出力された復旧信号を、ナースコール親機10を介して入力する。
【0022】
このように、呼出操作部3が操作されて、子機制御部2により呼出信号が生成され、子機インターフェース4により呼出信号が出力されている状態では、続けて呼出操作部3が操作されても、子機制御部2は呼出信号を生成することができない。そのため、復旧操作装置5を操作して、ナースコール子機1を復旧する必要がある。
【0023】
次に、復旧操作装置5について説明する。復旧操作装置5は、近傍に設置されたナースコール子機1の子機制御部2によって生成される呼出信号と同様に、子機識別情報を含む復旧信号を生成して出力する。ここで、復旧操作装置5は、近傍に設置されたナースコール子機1の呼出操作部3が操作された状態で操作可能となる。すなわち、近傍に設置されたナースコール子機1の呼出操作部3が操作されていない状態では、復旧操作装置5は操作されても復旧信号を生成して出力しない。
【0024】
次に、ナースコール親機10の各構成要素について説明する。制御部11は、ナースコール親機10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。インターフェース12は、ナースコール親機10とナースコール子機1とを接続して通信を行うためのものである。また、インターフェース12は、ナースコール親機10と復旧操作装置5とを接続して通信を行うためのものである。ここで、インターフェース12は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力する。また、インターフェース12は、復旧操作装置5から出力された復旧信号を入力して、ナースコール子機1へ出力する。
【0025】
記憶部13は、子機識別情報と、この子機識別情報によって特定されるナースコール子機1を使用する患者を識別するための患者識別情報とを関連付けて予め記憶している。スピーカー14は、ナースコール子機1の呼出操作部3が操作されて患者が医療従事者を呼び出したことを音声にて報知する。
【0026】
ディスプレイ15は、ナースコール子機1の呼出操作部3が操作されて患者が医療従事者を呼び出したことを、ポップアップ表示を行うことで報知する。また、ディスプレイ15は、病室およびベッドの配置に合わせて子機識別情報および患者識別情報を表示する。また、ディスプレイ15は、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示に対して後述する応答操作部16が操作され、そのナースコール子機1が現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を行う。
【0027】
ここで、インターフェース12が呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、制御部11はスピーカー14を動作させる。また、制御部11は記憶部13を参照して、インターフェース12が入力した呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている患者識別情報を取得する。そして、制御部11は、子機識別情報および取得した患者識別情報に基づいて呼び出しの報知を示すポップアップ表示を生成してディスプレイ15に表示させる。
【0028】
応答操作部16は、フックスイッチおよびハンドセットなどにより構成されており、スピーカー14による報知やディスプレイ15による報知に気付いた医療従事者がハンドセットをオフフックすることで操作される。スピーカー14が音声による報知を行い、ディスプレイ15に呼び出しの報知を示すポップアップ表示が行われている状態で応答操作部16が操作されると、制御部11は、スピーカー14の動作を停止させ、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示を、ナースコール子機1による呼び出しの報知に対して応答操作部16による応答のみが行われ復旧操作装置5が操作されていない現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示に切り替える。
【0029】
ここで、図2(a)に示すように、ディスプレイ15上には最大で5件(特許請求の範囲の第一の所定の数に該当する)のポップアップ表示が可能であるものとする。また、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示が2件(子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「山田 太郎」のポップアップ表示、子機識別情報が「801−2」で患者識別情報が「吉田 一郎」のポップアップ表示)と、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示が3件(子機識別情報が「803−2」で患者識別情報が「白井 順子」のポップアップ表示、子機識別情報が「804−3」で患者識別情報が「平松 俊夫」のポップアップ表示、子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「石井 浩」のポップアップ表示)とがディスプレイ15上に表示される。
【0030】
また、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示の上部には、「一般呼出」という文言が記載されており、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示の上部には、「現場復旧待ち」との文言が記載されている。また、両者を色などで区別するようにしている。
【0031】
また、制御部11は、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示をディスプレイ15の上方に表示させ、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示をディスプレイ15の下方に表示させる。このように、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示の数と、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示の数との合計が5件以内である場合には、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示の数と、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示の数とに上限値は存在しない。
【0032】
一方、図2(b)に示すように、ディスプレイ15上には最大で5件のポップアップ表示が可能であり、ナースコール子機1による呼び出しが5件、現場復旧待ち状態のナースコール子機1が4件存在する場合には、制御部11は、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示を上限値の3件(特許請求の範囲の第二の所定の数に該当する)だけディスプレイ15の上方に表示させる。具体的には、子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「山田 太郎」のポップアップ表示、子機識別情報が「801−2」で患者識別情報が「吉田 一郎」のポップアップ表示、子機識別情報が「803−4」で患者識別情報が「坂本 綾子」のポップアップ表示がディスプレイ15の上方に表示される。また、制御部11は、他に2件のナースコール子機1の呼び出しが存在することをディスプレイ15の左上に表示させる。
【0033】
ここで、ディスプレイ15の上方に表示されるポップアップ表示は、優先度が高く設定されているナースコール子機1であったり、先に呼出操作部3が操作されたナースコール子機1であったりする。また、他にナースコール子機1の呼び出しが存在することをディスプレイ15に表示する場合には、他の呼び出しの件数および子機識別情報を表示する。なお、子機識別情報の代わりに患者識別情報を表示するようにしても良い。
【0034】
また、制御部11は、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を上限値の2件(特許請求の範囲の第一の所定の数から第二の所定の数を減じた数に該当する)だけディスプレイ15の下方に表示させる。具体的には、子機識別情報が「804−3」で患者識別情報が「平松 俊夫」のポップアップ表示、子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「石井 浩」のポップアップ表示がディスプレイ15の下方に表示される。また、制御部11は、他に2件の現場復旧待ち状態のナースコール子機1が存在することをディスプレイ15の左下に表示させる。
【0035】
ここで、ディスプレイ15の下から二番目に表示されるポップアップ表示は、先に現場復旧待ち状態になったナースコール子機1であり、ディスプレイ15の下方に表示されるポップアップ表示は、二番目に現場復旧待ち状態になったナースコール子機1である。また、他に現場復旧待ち状態のナースコール子機1が存在することをディスプレイ15に表示する場合には、他の現場復旧待ち状態の件数および子機識別情報を表示する。なお、子機識別情報の代わりに患者識別情報を表示するようにしても良い。
【0036】
例えば、図2(b)に示す状態で、応答操作部16が操作されると、制御部11は、ディスプレイ15の上方に表示されている子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「山田 太郎」のポップアップ表示を現場復旧待ち状態に切り替え、ディスプレイ15の左下に「現場復旧待ちあり 3件、801−1、806−2、802−3」との表示を行わせる。また、制御部11は、ディスプレイ15の左上に「次呼出あり 1件、805−1」との表示を行わせる。また、制御部11は、ディスプレイ15の上方に子機識別情報が「801−2」で患者識別情報が「吉田 一郎」のポップアップ表示を行わせ、上から二番目に、子機識別情報が「803−4」で患者識別情報が「坂本 綾子」のポップアップ表示を行わせて、上から三番目に、子機識別情報が「804−2」で患者識別情報が「秋山 浩二」のポップアップ表示を行わせる(図3(a)参照)。
【0037】
また、例えば、図2(b)に示す状態で、子機識別情報「804−3」によって特定されるナースコール子機1の近傍に設置された復旧操作装置5が操作されると、復旧操作装置5は、子機識別情報「804−3」を含む復旧信号を生成してナースコール親機10へ出力する。ナースコール親機10では、インターフェース12が復旧信号を入力し、制御部11は、子機識別情報が「804−3」で患者識別情報が「平松 俊夫」のポップアップ表示をディスプレイ15から消去する。そして、制御部11は、ディスプレイ15の下から二番目に、子機識別情報が「802−3」で患者識別情報が「石井 浩」の現場復旧待ち状態を示すポップアップ表示を行わせ、下方に、子機識別情報が「801−1」で患者識別情報が「青木 武」の現場復旧待ち状態を示すポップアップ表示を行わせる。また、制御部11は、ディスプレイ15の左下に「現場復旧待ちあり 1件、806−2」との表示を行わせる(図3(b)参照)。
【0038】
また、例えば、図2(b)に示す状態で、子機識別情報「802−1」によって特定されるナースコール子機1の呼出操作部3が操作されると、子機制御部2は、子機識別情報「802−1」を含む呼出信号を生成し、子機インターフェース4は、子機制御部2によって生成された呼出信号をナースコール親機10へ出力する。ナースコール親機10では、インターフェース12が呼出信号を入力し、制御部11は、子機識別情報「802−1」を加えて、ディスプレイ15の左上に「次呼出あり 3件、804−2、805−1、802−1」との表示を行わせる。
【0039】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ナースコール子機1による呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを同時に第一の所定の数の5つだけディスプレイ15上に表示可能である場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが第一の所定の数である5つを超える場合に、呼び出しの報知を示すポップアップ表示を第一の所定の数である5つよりも少ない第二の所定の数である3つだけディスプレイ15の上方に表示するとともに、現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を第一の所定の数である5つから第二の所定の数である3つを減じた数である2つだけディスプレイ15の下方に表示して、第一の所定の数である5つを超えたポップアップ表示については、ポップアップ表示の存在のみをディスプレイ15の左方に表示してポップアップ表示を行わないようにしている。
【0040】
これにより、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが第一の所定の数である5つを超える場合でも、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが、呼び出しの報知を示すポップアップ表示をディスプレイ15の上方に優先して表示しつつ、両方とも表示されるので、呼び出しの報知を示すポップアップ表示と現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを適切に表示することができる。
【0041】
なお、前述した実施形態では、ポップアップ表示には、ナースコール子機1による呼び出しの報知であるか現場復旧待ち状態であるかを示す文言と、子機識別情報(ベッド番号)と、患者識別情報とを表示するようにしているが、これに限定されない。例えば、その他の患者情報(救護区分や担当医療従事者氏名、診療科目などの情報)を同時に表示するようにしても良い。
【0042】
また、前述した実施形態では、第一の所定の数を5としているが、これに限定されない。例えば、第一の所定の数を6以上としても良い。ここで、第一の所定の数は少なくとも2以上であれば良い。
【0043】
また、前述した実施形態では、第一の所定の数を5とし、第二の所定の数を3としているが、これに限定されない。例えば、第一の所定の数を5とし、第二の所定の数を2とするようにしても良い。ここで、第二の所定の数は少なくとも1以上であれば良い。
【0044】
また、前述した実施形態では、制御部11は、ポップアップ表示をディスプレイ15の右側に表示させるようにしているが、これに限定されない。例えば、制御部11がポップアップ表示をディスプレイ15の左側に表示させても良いし、ポップアップ表示をディスプレイ15の中央に表示させるようにしても良い。
【0045】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ナースコール子機
2 子機制御部
3 呼出操作部
4 子機インターフェース
5 復旧操作装置
10 ナースコール親機
11 制御部
12 インターフェース
13 記憶部
14 スピーカー
15 ディスプレイ
16 応答操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド毎に設置されており、患者によって操作される呼出操作部と、この呼出操作部の操作により呼出信号を生成する子機制御部と、この子機制御部により生成された呼出信号を出力する子機インターフェースとを備えるナースコール子機と、
前記ナースコール子機の近傍に設置され、前記ナースコール子機の前記呼出操作部を再び操作可能とするために操作される復旧操作装置と、
前記呼出信号を入力するインターフェースと、前記ナースコール子機による呼び出しを音声により報知するスピーカーと、前記ナースコール子機による呼び出しの報知を示すポップアップ表示と前記ナースコール子機による呼び出しの報知に対して応答のみが行われ前記復旧操作装置が操作されていない現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とを同時に第一の所定の数だけ表示するディスプレイと、前記ナースコール子機による呼び出しの報知に対して応答を行うための応答操作部と、前記インターフェースが呼出信号を入力した場合に、前記スピーカーを動作させるとともに、前記ディスプレイに呼び出しの報知を示すポップアップ表示を表示させ、この状態で前記応答操作部が操作されたときに、前記ナースコール子機による呼び出しの報知を示すポップアップ表示を前記現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示に切り替える制御部とを備えるナースコール親機とを有するナースコールシステムであって、
前記制御部は、前記ナースコール子機による呼び出しの報知を示すポップアップ表示と前記現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示とが前記第一の所定の数を超えると判定した場合に、前記ナースコール子機による呼び出しの報知を示すポップアップ表示を前記第一の所定の数よりも少ない第二の所定の数だけ前記ディスプレイの上方に表示させるとともに、前記現場復旧待ち状態であることを示すポップアップ表示を前記第一の所定の数から前記第二の所定の数を減じた数だけ前記ディスプレイの下方に表示させて、前記第一の所定の数を超えたポップアップ表示については、そのポップアップ表示の存在のみを前記ディスプレイに表示させることを特徴とするナースコールシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate