説明

ニア・オンデマンド放送システム、ニア・オンデマンド放送方法、サーバ装置およびそのプログラム

【課題】 伝送量が抑制されているニア・オンデマンド放送システムを提供する。
【解決手段】 メインサーバ6は、複数の主送信開始時刻毎に、各ストリームブロック(イ)、(ロ)および(ハ)の再生順序順で送信されるように、ニア・オンデマンドストリームの送信を開始する。また端末装置3から送信される送信要求信号に基づいて、主送信開始時刻と異なる複数の副送信開始時刻毎に、各ストリームブロック(イ)および(ロ)が再生順序順で送信されるように、第1補間サーバ7が第1補間ストリームの送信を開始する。また受信手段で第1補間ストリームを受信しているとき、ニア・オンデマンドストリームを受信すると、ストリームブロック(ハ)を記憶部12で記憶する。表示部13は、再生順序順にストリームブロック(イ)、(ロ)および(ハ)を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の利用者の要求に応じて、動画または音楽などの情報を提供するニア・オンデマンド放送システム、ニア・オンデマンド放送方法、サーバ装置およびそのプログラムに関する。
本発明において、「サーバ」は、「サーバコンピュータ」と同義である。
【背景技術】
【0002】
地上デジタルテレビ放送が始まり、高画質・高音質のテレビ放送が手近に楽しめる時代に入っている。本年4月からは、地上デジタル放送の1セグメントを使用するワンセグ放送で、携帯電話など移動体向け放送が開始され、野外でのテレビ視聴が可能になる。
【0003】
また、インターネット通信網(以下、「インターネット」という)によるブロードバンド放送も既に開始され、電波による放送以外の放送が行われる様になり、ますます放送の形態が多様化しつつある。
【0004】
しかし、従来からの放送には、その番組の放送時間にならなければ、その番組が見られないと云う大きな制約がある。個人的に行う、番組をVTRに録画して好みの時間に再生する方法をシステム化した、サーバ放送なども提案されている。しかし、このサーバ放送の方法も記録していない番組は見られず、見たい番組を見たい時に見たいという要求に、充分応えている放送とは言えない。その要求に応える方法として、インターネットを使用するオンデマンド放送が提案されている(たとえば特許文献1および2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−51523号公報
【特許文献2】特開平7−193788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オンデマンド放送の基地局であるインターネット放送局のサーバに、視聴者のアクセスが集中した場合、この方法では、インターネット放送局と視聴者の端末装置とが1対1で接続されるため、数百の端末装置から同時にアクセスされると接続が困難になる。
【0007】
このような問題を解決する手段として、ニア・オンデマンド放送という方法がある。既に、この方法は知られていて詳細な説明も必要としないが、同じ内容の番組を、間隔をおいて伝送することによって、時間をずらして複数回伝送する方法である。この方法は、サーバへの負担が軽減されるが、視聴者にとっては、番組が間欠的に開始するので、その開始時刻まで待たなければ視聴できなく、疑似的なオンデマンド放送となっている。
【0008】
このニア・オンデマンド放送による伝送間隔を、視聴者が満足するまで可及的に狭め、伝送回数を多くすると、伝送量が急速に増加しサーバやインターネットへの負担が大きくなる。また、伝送量の増大は、通信経費の増加となるなどビジネスとしても成り立たなくなる。
【0009】
そこで、伝送量を増加させずに、サーバや網の負担を余り増加させない方法であって、ニア・オンデマンド放送の番組の開始時刻の間隔を出来るだけ短くし、視聴者を待たせない方法およびそれを実現するための装置が期待されている。
【0010】
本発明の目的は、伝送量が抑制されているニア・オンデマンド放送システム、ニア・オンデマンド放送方法、サーバ装置およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、(a)サーバ装置と、前記サーバ装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含むニア・オンデマンド放送システムであって、
(b)サーバ装置は、
(b1)端末装置で再生可能なストリームを送信する送信手段であって
(b11)ストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームが格納され、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順に送信されるように前記ストリームの送信を開始するメインサーバと、
(b12)ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームが格納され、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように前記補間ストリームの送信を開始可能な補間サーバとを含む送信手段と、
(b2)端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、補間サーバに補間ストリームの送信を開始させる送信制御手段とを含み、
(c)端末装置は、
(c1)入力に基づいてサーバ装置に送信要求信号を送信する要求送信手段と、
(c2)サーバ装置から送信されるストリームを受信可能な受信手段と、
(c3)1つのストリームを受信しているとき、そのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、前記1つのストリームに含まれていない情報ブロックでありかつ前記他のストリームに含まれる情報ブロックを記憶する記憶手段と、
(c4)受信するストリームに含まれる情報ブロックを、再生順序順に再生可能な再生手段とを含むことを特徴とするニア・オンデマンド放送システムである。
【0012】
本発明に従えば、複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックの再生順序順で送信されるように、メインサーバがメインストリームの送信を開始する。また端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、主送信開始時刻と異なる複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように、補間サーバが補間ストリームの送信を開始する。補間ストリームは、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む。したがって補間ストリームが送信されている時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。さらに送信制御部によって、補間サーバからの送信を制御することができる。
【0013】
また本発明では、受信手段でストリームを受信しているとき、1つのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、1つのストリームに含まれていない情報ブロックであって、かつ他のストリームに含まれている情報ブロックを記憶する。再生手段は、再生順序順に受信するストリームの情報ブロックを再生する。
【0014】
本発明は、サーバ装置と、前記サーバ装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含むニア・オンデマンド放送システムにおいて、
予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、端末装置で再生可能なストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームを、各情報ブロックが再生順序順にサーバ装置から送信することを開始する主送信工程と、
端末装置からサーバ装置に送信要求信号が伝送されると、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、前記ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームを、各情報ブロックが再生順序順でサーバ装置から送信することを開始する副送信工程と、
サーバ装置から送信されるストリームを端末装置が受信する受信工程と、
1つのストリームを受信しているとき、そのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、前記1つのストリームに含まれていない情報ブロックでありかつ前記他のストリームに含まれる情報ブロックを端末装置が記憶する記憶工程と、
受信するストリームに含まれる情報ブロックを、再生順序順に端末装置が再生する再生工程とを含むことを特徴とするニア・オンデマンド放送方法である。
【0015】
本発明に従えば、主送信工程で、複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックの再生順序順で送信されるように、サーバ装置からメインストリームの送信を開始する。また副送信工程では、端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、主送信開始時刻と異なる複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように、補間ストリームの送信を開始する。補間ストリームは、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む。したがって補間ストリームが送信している時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。
【0016】
また本発明では、受信工程でストリームを受信しているとき、記憶工程では、1つのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、1つのストリームに含まれていない情報ブロックであって、かつ他のストリームに含まれている情報ブロックを記憶する。再生工程では、再生順序順に受信するストリームの情報ブロックを再生する。
【0017】
本発明は、インターネット回線網を介して端末装置と通信可能に接続され、
端末装置で再生可能なストリームを送信する送信手段であって
ストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームが格納され、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順に送信されるように前記ストリームの送信を開始するメインサーバと、
ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームが格納され、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように前記補間ストリームの送信を開始可能な補間サーバとを含む送信手段と、
端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、補間サーバに補間ストリームの送信を開始させる送信制御手段とを含むことを特徴とするサーバ装置である。
【0018】
本発明に従えば、複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックの再生順序順で送信されるように、メインサーバがメインストリームの送信を開始する。また端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、主送信開始時刻と異なる複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように、補間サーバが補間ストリームの送信を開始する。補間ストリームは、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む。したがってしたがって補間ストリームが送信している時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。さらに送信制御部によって、補間サーバからの送信が制御することができる。
【0019】
本発明は、端末装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続されるコンピュータに、前記サーバ装置の機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0020】
本発明に従えば、端末装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続されるコンピュータに、サーバ装置の機能の実行させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、補間サーバを含むので、メインストリームの主送信開始時刻の数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位の情報ブロックが送信される間隔を、メインストリームだけを送信する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって前記最上位の情報ブロックを受信するまでの待ち時間が減少する。また補間ストリームがメインストリームの一部であるので、補間ストリームが送信されている時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。補間ストリームが送信されている時間が短いので、一の補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する副送信開始時刻の数が抑制される。これによってインターネット回線網を伝送する補間ストリームの数が抑制され、サーバ装置からインターネット回線網に伝送される伝送量を抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、インターネット回線網に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また常時補間サーバからの送信が行われていないので、サーバ装置から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少ない。
【0022】
また本発明では、記憶手段によって、1つのストリームに含まれていない情報ブロックであって、かつ他のストリームに含まれている情報ブロックを記憶するので、再生手段で再生順序順でストリームを再生することができる。これによって利用者は、端末装置を用いて、最上位の情報ブロックの送信時間間隔が短く、かつ伝送量が抑制されているストリームを再生順序で再生させることができる。
【0023】
また本発明によれば、副送信工程を有するので、メインストリームの送信回数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位の情報ブロックが送信される間隔を、主送信工程だけを有する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって前記最上位の情報ブロックを受信するまで待つ時間が減少する。また補間ストリームがメインストリームの一部であるので、補間ストリームが送信されている時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。補間ストリームが送信されている時間が短いので、一の補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する副送信開始時刻の数が抑制される。これによってインターネット回線網を伝送する補間ストリームの数が抑制され、サーバ装置からインターネット回線網に伝送される伝送量が抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、インターネット回線網に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また送信要求信号が伝送されると、副送信工程で送信を開始するので、常時補間サーバからの送信が行われておらず、サーバ装置から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少なくなる。
【0024】
また本発明では、記憶工程で1つのストリームに含まれていない情報ブロックであって、かつ他のストリームに含まれている情報ブロックを記憶するので、再生工程で再生順序順でストリームを再生することができる。これによって利用者は、端末装置を用いて、最上位の情報ブロックの送信時間間隔が短く、かつ伝送量が抑制されているストリームを再生順序で再生させることができる。
【0025】
本発明によれば、補間サーバを含むので、メインストリームの送信回数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位の情報ブロックが送信される間隔を、メインストリームだけを送信する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって前記最上位の情報ブロックを受信するまでの待ち時間が減少する。また補間ストリームがメインストリームの一部であるので、補間ストリームが送信されている時間は、メインストリームが送信されている時間より短い。補間ストリームが送信されている時間が短いので、一の補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する副送信開始時刻の数が抑制される。これによってインターネット回線網を伝送する補間ストリームの数が抑制され、サーバ装置からインターネット回線網に伝送される伝送量が抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、インターネット回線網に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。
【0026】
本発明によれば、端末装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続されるコンピュータに、サーバ装置の機能の実行させることができ、従来の技術より送信時間間隔が短く、伝送量が抑制されているを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0028】
図1は、ニア・オンデマンド放送システム1を示す系統図である。ニア・オンデマンド放送システム1は、複数の視聴者の要求に応じて、動画および音楽などの情報を配信し、受信した動画および音楽を視聴者に提供するシステムである。ニア・オンデマンド放送システム1は、視聴者の臨む時刻に好みの動画および音楽を視聴することを可能にするシステムである。ニア・オンデマンド放送システム1は、ニア・オンデマンドストリームとして、ニア・オンデマンドのストリーム(以下、「ニア・オンデマンドストリーム」と称する場合がある)を時間ずらしながら間欠的に、たとえばIPマルチキャスト方式で伝送する。またニア・オンデマンド放送システム1は、ニア・オンデマンドストリームの送信時間間隔を擬似的に短くするための補間的なストリーム(以下、「補間ストリーム」と称する場合がある)を、たとえばIPユニキャスト方式で伝送する。ただし補間ストリームは、IPユニキャスト方式での伝送に限定されず、マルチキャスト方式での伝送であってもよい。
【0029】
メインストリームであるニア・オンデマンドストリームは、たとえば放送される動画および音楽の1番組分のストリームである。本実施の形態では、ニア・オンデマンドストリームは、放送される動画の1番組分に相当する。ニア・オンデマンドストリームは、複数のストリームブロックから成り、補間ストリームは、前記複数のストリームブロックのうち少なくとも1つ以上のストリームブロックを含み、かつ最初に送信して再生させるべきストリームブロックが含まれている。ストリートブロックは、情報ブロックに相当する。
【0030】
図2は、サーバ装置2の系統図である。ニア・オンデマンド放送システム1は、サーバ装置2と端末装置3とを含み、サーバ装置2と端末装置3とがインターネット4によって通信可能に接続されている。本実施の形態では、複数の端末装置3がインターネット4にルータ5を介して接続され、サーバ装置2から伝送される情報をルータ5が各端末装置3に分配する。サーバ装置2は、たとえば放送局に備えられている。ただしサーバ装置2は、放送局に備えられていることに限定されない。サーバ装置2は、ニア・オンデマンドストリームを送信するためのメインサーバ6と、複数の補間ストリームを送信するための複数の補間サーバ、本実施の形態では2つの補間サーバ7,8および、静止画ファイルを伝送するための静止画サーバ9を含む。メインサーバ6と2つの補間サーバ7,8とが送信手段17に相当する。
【0031】
メインサーバ6は、放送する番組の全時間のデータファイル(以下、単に「Aファイル」と称する場合がある)を格納する、比較的大きなサーバである。本実施の形態では、Aファイルがニア・オンデマンドストリームに相当し、再生ストリームの1つであり、Aファイルは、再生時間が60分である。ただしAファイルの再生時間は、60分に限定されず、30分、120分であってもよく、時間は限定されない。メインサーバ6は、視聴者からの要求がなくてもニア・オンデマンド放送として、常時メインサーバ6から送信している。このニア・オンデマンドストリームだけでも、補間ストリームを使用しない簡便な端末装置3での視聴が可能になっている。
【0032】
2つの補間サーバ7,8には、Aファイルの先頭の一部のデータファイルを補間ファイル(以下、単に「Bファイル」と称する場合がある)として格納してある第1補間サーバ7と、さらにBファイルの先頭の一部のデータファイルを補間ファイル(Cファイル)として格納してある第2補間サーバ8とがある。ただし2つの補間サーバ7,8に限定されるものではなく、3つ以上の補間サーバを有してもよく、必要に応じて、さらに補間する補間サーバを増加させてもよい。本実施の形態では、BファイルおよびCファイルが補間ストリームに相当し、再生ストリームの1つである。BファイルおよびCファイルを区別する場合、Bファイルを第1補間ストリームと称し、Cファイルを第2補間ストリームと称する場合がある。本実施の形態では、Bファイルの再生時間は、12分であり、Cファイルの再生時間は、3分である。ただしBおよびCファイルの再生時間を、前記のような値に限定するものではない。
【0033】
さらに具体的に説明すると、Aファイルには、再生順序を有する複数のストリームブロック、本実施の形態では3つのストリームブロックが含まれている。3つのストリームブロックをストリームブロック(イ)、ストリームブロック(ロ)およびストリームブロック(ハ)と称し、これら3つのストリームブロックは、ストリームブロック(イ)、ストリームブロック(ロ)およびストリームブロック(ハ)の順番で再生される。Bファイルには、ストリームブロック(イ)およびストリームブロック(ロ)が含まれる。Cファイルには、ストリームブロック(イ)が含まれる。第1補間サーバ7は、Bファイルを送信するとき、ストリームブロック(イ)、ストリームブロック(ロ)の順に送信する。第2および第1補間サーバ7,8は、視聴者からの要求に応じて、具体的には受信端末から伝送される送信要求信号に応じて、BおよびCファイルを送信するサーバであり、視聴者の要求のない、具体的には端末装置3から送信要求信号が送信されていない場合は、送信を停止してインターネット4に対する負担を軽減している。
【0034】
静止画サーバ9は、静止画のデータファイルを静止画ファイルとして格納している。静止画サーバ9は、視聴者の任意な時間のアクセスに対して、具体的には端末装置3から送信される送信要求信号に応答して、静止画のファイルを送信する。静止画サーバ9は、補間ストリームの送信が開始されるまでの間を補間するための静止画を送信するためのファイルサーバである。
【0035】
以上のニア・オンデマンドストリームを補間するための2種類の補間ストリームと静止画ファイルは、視聴者がアクセスしたタイミングに応じて、具体的には端末装置3からの送信要求信号に応答して、前記サーバ7,8,9からインターネット4への送信および送信停止が切替制御部10で切替えられる。さらにサーバ装置2は、この送信制御部である切替制御部10を含んで構成される。サーバ装置2は、ストリームブロック(イ)、(ロ)および(ハ)を再生すべき再生順序を含む制御情報を送信可能に構成されている。
【0036】
視聴者は、端末装置3によって、インターネット4を通じて放送局のサーバ装置2にアクセスし、各サーバ6〜9から送信される再生ストリームおよびファイルを受信し、放送局から送信される制御情報に基づいて、再生ストリームに含まれるストリームブロックを再生順序順に再生し、映像および音声として視聴する。A、BおよびCファイルは、ストリーム方式で送信されているけれども、伝送時間が短い場合、ストリーム方式である必要はなく、ダウンロード方式で送信してもよい。ストリーム方式およびダウンロード方式のファイルのうちいずれか一方を示す場合、再生情報と称する場合がある。
【0037】
図3は、視聴者の端末装置3の系統図である。端末装置3は、送受信端末11と記憶部12と表示部13と切換部14と入力部15を有する。端末装置3は、たとえばコンピュータまたはテレビジョン受信機である。ただしこのようなものに限定されない。受信手段および送信要求手段である送受信端末11は、サーバ装置2からインターネット4を介して伝送される再生ストリーム、静止画ファイルおよび制御情報を受信する機能を有する。この送受信端末11で受信される再生ストリームおよび静止画ファイルは、伝送経路16を介して記憶部12や表示部13に伝送される。伝送経路16は、略リアルタイムでストリームブロックを再生する直接側伝送経路16aと、記憶部12で一度記録させて、開始時間を調整した後に再生する再生側伝送経路16bとを有する。送受信端末11は、制御情報に基づいて、前記再生ストリームおよび静止画ファイルを、直接側伝送経路16aおよび再生側伝送経路16bのうちのいずれかの経路によって表示部13に伝送する。
【0038】
記憶手段である記憶部12は、再生側伝送経路16bで伝送される再生ストリームを記憶する機能を有する。表示部13は、再生ストリームを再生し、映像を表示し、音を流すことができる。切換部14は、制御情報に基づいて、再生ストリームおよび静止画ファイルを表示部13に伝送するための経路を直接側伝送経路16aおよび再生側伝送経路16bのうちいずれかに切替える機能を有する。再生手段である表示部13は、この切換部14より再生ストリームおよび静止画ファイルが伝送される方向下流側に接続されている。入力部15は、視聴者が入力可能に構成される。入力部15は、再生ストリームの送信を要求するときに、つまり視聴者が番組を見たいとき、視聴者が入力するための構成である。送受信端末11は、入力部15への入力に基づいて、インターネット4を介してサーバ装置2に送信要求信号を送信する。
【0039】
図4はニア・オンデマンドストリーム、および2つの補間ストリームのタイミングチャートを示す図である。図4は、横軸が時刻を示されている。図4には、紙面上から順にニア・オンデマンドストリーム、第1補間ストリーム、第2補間ストリームのタイミングチャートが示されている。以下では、第1および第2補間ストリームの使い方の概要を説明する。ニア・オンデマンドストリームと、そのニア・オンデマンドストリームのうち再生順序が上位のストリームブロック(イ)および(ロ)を含む第1補間ストリームと、ニア・オンデマンドストリームのうち再生順序が最上位のストリームブロック(イ)を含む第2補間ストリームの2つの補間ストリームがある。ニア・オンデマンドストリーム、第1補間ストリームおよび第2補間ストリームは、連続して繰返して送信されている。ニア・オンデマンドストリーム、第1補間ストリームおよび第2補間ストリームの送信は、各サーバ6,7,8からニア・オンデマンドストリーム、第2補間ストリームおよび第1補間ストリームの順序で送信が開始されている。
【0040】
ニア・オンデマンドストリームの送信を開始する送信開始時刻に対して遅れて、端末装置3から送信要求信号が送信されて、サーバ装置2が受信した場合、つまりある視聴者がニア・オンデマンドストリームの番組スタートより遅れてアクセスした場合、そのアクセスした時刻に応じて、ニア・オンデマンドストリーム、第1補間ストリームおよび第2補間ストリームのうちいずれかを送受信端末11で受信する。以下では、第1補間ストリームから送信を開始する時刻より遅れて視聴者がサーバ装置2にアクセスすると、サーバ装置2から第2補間ストリームが送信され、図4に示される実線囲みのストリームブロック(イ)(図4の(3)を参照)の先頭から視聴を開始する場合について説明する。
【0041】
その送受信端末11で受信される第2補間ストリームのストリームブロック(イ)の再生が終了すると、図4の矢印A1で示す、第1補間ストリームに実線囲みのストリームブロック(ロ)(図4の(2)を参照)に乗り換えて、その先頭から引き続き再生する。ストリームブロック(ロ)の再生が終了すると、図4の矢印A2で示す、ニア・オンデマンドストリームのストリームブロック(ハ)の先頭に乗り換えて、ストリームブロック(ハ)を再生する。これによって残りのすべての番組の内容が再生される。
【0042】
このようにストリームブロック(イ)〜(ハ)を再生するとき、ストリームブロック(イ)の再生中に、第1補間ストリームにおけるストリームブロック(ロ)の送信が開始する。端末装置3は、第1補間ストリームのストリームブロック(ロ)を受信すると、ストリームブロック(ロ)の記憶を開始し、ストリームブロック(ロ)のうち図4に示される第1斜線部21を、記憶部12で記憶する。ストリームブロック(イ)の再生の終了後に、記憶部12で記憶されるストリームブロック(ロ)を、表示部13によって先頭から再生し、引き続き記憶を行う。ストリームブロック(ロ)の記憶は、ストリームブロック(ロ)の最後の部分まで継続され、記憶されるストリームブロック(ロ)は、再生されると消去される。したがって図4の(3)において、時刻の経過とともに、未再生であって、記憶部12に記憶される部分を示す第1斜線部21が右に移動する。
【0043】
補間ストリーム1からニア・オンデマンドストリームに乗り換える場合も、同様に、ストリームブロック(ロ)の再生中に、ニア・オンデマンドストリームにおけるストリームブロック(ハ)の送信が開始する。端末装置3は、ニア・オンデマンドストリームのストリームブロック(ハ)を受信すると、ストリームブロック(ハ)の記憶を開始し、ストリームブロック(ハ)のうち図4に示される第2斜線部22を、記憶部12で記憶する。ストリームブロック(ロ)の再生の終了後に、記憶部12で記憶されるストリームブロック(ハ)を、表示部13によって先頭から再生し、引き続き記憶を行う。ストリームブロック(ロ)の記憶は、ストリームブロック(ロ)の最後の部分まで継続され、記憶されるストリームブロック(ロ)は、再生されると消去される。したがって図4の(2)において、時刻の経過とともに、未再生であって、記憶部12に記憶される部分を示す第2斜線部22が右に移動する。先行して記憶する動作に遅れた再生を続けて番組の最後まで視聴する。
【0044】
図4の第1および第2斜線部21,22は、先行記憶の動作と再生の動作の動作時間差であり、番組スタートに遅れてアクセスした場合に、この動作時間差だけニア・オンデマンドストリームの番組終了より遅れて視聴を完了することになる。
【0045】
図5は、複数のニア・オンデマンドストリームのタイミングチャートを示す図である。このようなニア・オンデマンドストリームだけを送信するニア・オンデマンド放送は、従来の技術である。メインサーバ6は、図5に示すように複数本のニア・オンデマンドストリームを送信している。メインサーバ6は、予め定められる主送信時間間隔をあけた主送信開始時刻に、各ニア・オンデマンドストリームの送信を開始している。主送信時間間隔は、たとえば第1補間ストリームのファイル長、すなわちBファイルの再生時間である。ただしこの時間間隔に限定するものではない。本実施の形態では、ニア・オンデマンドストリームは、再生時間が60分の番組のストリームである。主送信時間間隔が12分であり、メインサーバ6から12分間隔で時間ずらししながら5本のニア・オンデマンドストリームが伝送されている。したがって各主送信開始時刻は、0分、12分、24分、36分および48分である。各ニア・オンデマンドストリームは、60分のAファイルの送信を終了した後も、連続して同じ内容のニア・オンデマンドストリームを引き続き送信するので、24時間連続してニア・オンデマンドストリームが送信される。同じ内容の各ニア・オンデマンドストリームが12分間隔で時間ずらして送信されているので、視聴者は、この5本のニア・オンデマンドストリームだけが受信可能な場合であっても、最長で12分間待てば番組の先頭から再生させ、視聴することが可能である。
【0046】
図6は、ニア・オンデマンドストリームおよび第1補間ストリームのタイミングチャートを示す。以下では、複数本のニア・オンデマンドストリームからなるニア・オンデマンドストリーム群と複数本の第1補間ストリームからなる第1補間ストリーム群とを使用し、このような2つのストリーム群からなる2段構成の場合について説明する。本実施の形態では、メインサーバ6は、図5の場合と同様に、5本のニア・オンデマンドストリームを送信し、主送信時間間隔が12分であり、主送信開始時刻が0分、12分、24分、36分および48分である。実際には、各ニア・オンデマンドストリームが連続して繰返されるので、主送信開始時刻は12×α分である。ここでαは、0および正の整数である。以下では、便宜上、0分〜60分について説明する。0分、12分、24分、36分および48分にそれぞれ送信されるニア・オンデマンドストリームを、ニア・オンデマンドストリームa1、a2、a3、a4およびa5とそれぞれ称する。
【0047】
第1補間サーバ7は、11本の第1補間ストリームを送信する。第1補間サーバ7は、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻で送信を開始している。副送信時間間隔を決定することによって、視聴者が待つべき最長の時間が決定する。本実施の形態では、副送信時間間隔は1分であり、副送信開始時刻は、主送信開始時刻0分を基準として、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分および11分である。実際には、副送信開始時刻は、1×β分であり、βは、12の倍数を除く正の整数である。副送信開始時刻は、1分以上11分以下の間に送信される第1補間ストリームを、送信が開始される時刻順に第1補間ストリームb1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9、b10およびb11とそれぞれ称する。また第1補間ストリームで繰返し送信されているBファイルの再生時間は、本実施の形態では12分である。
【0048】
以下では2段構成の場合のニア・オンデマンド放送システム1の動作について説明する。以下、説明を簡単にするために、主送信開始時刻0分と正時とが一致する場合について説明する。ただし一致する場合に限定されない。視聴者が正時の00分00秒にサーバ装置2にアクセスすると、制御情報を端末装置3に送信し、その後、1段目の1本目のニア・オンデマンドストリームa1が端末装置3に送信される。端末装置3は、制御情報に基づいて、送受信端末11でニア・オンデマンドストリームa1を受信して、直接側伝送経路16bを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生する。これによってニア・オンデマンドストリームa1が再生され、視聴者は表示部13によって視聴することができる。同様に12分、24分、36分、48分の00秒にアクセスした場合も、正時の00分00秒にサーバ装置2にアクセス場合と同様に、1段目の他のニア・オンデマンドストリームa2,a3,a4,a5のうちいずれかのストリームが再生され、視聴者は直ちに視聴することができる。
【0049】
次に、正時00分を越えて1分未満の間にアクセスした場合は、静止画像を表示すべき旨の制御情報とともに静止画ファイルが送信され、表示部13で静止画ファイルが再生され、静止画が表示される。第1補間ストリームが送信される時刻、たとえば1分まで静止画が表示される状態が続き、その後、2段目の1本目の第1補間ストリームb1が送信される。正分以外でアクセスされた場合は、アクセスに応答してサーバ装置2が静止画ファイルと制御情報とを端末装置に伝送するけれども、以下では、この説明を省略する。1分にアクセスした場合は、制御情報が送信され、その後に第1補間ストリームb1が送信される。その後端末装置3では、制御情報に基づいて、第1補間ストリームb1を受信し、直接側伝送経路16bを介して表示部13に伝送する。表示部13では、ニア・オンデマンドストリームの先頭の0分から12分まで部分のBファイルである第1補間ストリームが再生され、視聴者は表示部13によって視聴することができる。この第1補間ストリームを再生している間に、送信開始から12分経過後に再生すべき部分であるストリームブロック(ハ)が含まれているニア・オンデマンドストリームa1がメインサーバ6から送信される。したがって端末装置3は、前記ニア・オンデマンドストリームa1のうちストリームブロック(ハ)の記憶が可能となる。ニア・オンデマンドストリームa1のうちストリームブロック(ハ)の送信が開始されると、端末装置3は、制御情報に基づいて、前記ストリームブロック(ハ)の受信を開始し、記憶部12に前記ストリームブロック(ハ)を記憶させることを開始する。
【0050】
次に第1補間ストリームb1の視聴が終了(13分後)すると、端末装置3は、制御情報に基づいて、切換部14が表示部13に接続される伝送経路16を再生側伝送経路16bに切替え、引き続き記憶部12に記憶されるストリームブロック(ハ)を最初から最後まで、表示部13で再生を行う。この場合、記憶部12は表示部13で再生されている部分に対して1分先行する部分を記録し続けるので、この再生および記憶する状態のままで、最初の時刻13分から最後の時刻61分まで視聴を続けられる。このように再生される情報を先行して記憶し、その後記憶される情報を再生する方法は、いわゆる追いかけ再生方式である。
【0051】
同様に、サーバ装置2にアクセスした時刻が1分を越えて11分以下の場合、そのアクセスする時刻に応じて、2段目の残りの第1補間ストリームb2〜b11のうちのいずれかの第1補間ストリームを再生する。端末装置3は、第1補間ストリームが再生されている間にメインサーバ6から送信されるニア・オンデマンドストリームa1のストリームブロック(ハ)を、制御情報に基づいて、記憶部12に記憶する。第1補間ストリームの再生終了後に、制御情報に基づいて、追いかけ再生でストリームブロック(ハ)を最後まで再生する。
【0052】
11分を越えて12分までにサーバ装置2にアクセスされると、12分まで静止画が表示されている状態が継続し、端末装置3は、12分に1段目の2本目のニア・オンデマンドストリームa2を受信し、ニア・オンデマンドストリームa2を再生する。
【0053】
12分を越えて23分以下にサーバ装置2にアクセスされると、端末装置3は、アクセスした時刻が1分を越えて11分以下の場合と同様に、アクセスされた時刻に応じて、13分から23分の間で送信される第1補間ストリームのうちいずれかの第1補間ストリームを再生する。次にニア・オンデマンドストリームa2に含まれるストリームブロック(ハ)を受信して記憶し、Bファイルの再生終了後、ストリームブロック(ハ)を追いかけ再生する。
【0054】
アクセスした時刻が23分を越えている場合についても、同様に、端末装置3は、ニア・オンデマンドストリームおよび第1補間ストリームを受信して再生する。第1補間ストリームを再生する場合、前述の場合と同様に、ニア・オンデマンドストリームに含まれるストリームブロック(ハ)を追いかけ再生する。このようにサーバ装置2および端末装置3は、0分以上23以下の場合と略同様の動作である。したがって23分を越えている場合のニア・オンデマンド放送システム1の動作の詳細な説明については、前述の記載を参照し省略する。
【0055】
このようにしてニア・オンデマンドストリームおよび第1補間ストリームを送信すれば、どの時刻で視聴者がサーバ装置2にアクセスしても、最長で1分間(静止画視聴)待てば番組の先頭から最後まで視聴が可能である。
【0056】
1段目の12分間隔の5本のニア・オンデマンドストリームに、1分間隔の11本の第1補間ストリームを加えるこの方法で、最長12分の待ち時間が、最長1分の待ち時間に短縮される。この60分の番組のニア・オンデマンド放送を、1分間隔の送信開始をニア・オンデマンドストリーム群だけの1段構成で行おうとすれば、60本のニア・オンデマンドストリームを送信する必要があるけれども、ニア・オンデマンドストリーム群と第1補間ストリーム群の2段構成にすることで、60本の再生ストリームを合計16本の再生ストリームにストリーム数を減少させる優れた方法である。以下では、この追加の11本の第1補間ストリームのストリーム数をさらに削減する方法について説明する。
【0057】
図7は、ニア・オンデマンドストリーム、補間ストリームのタイミングチャートを示す。以下では、複数本のニア・オンデマンドストリームからなるニア・オンデマンドストリーム群と、複数本の第1補間ストリームからなる第1補間ストリーム群と、複数本の第2ストリームからなる第2補間ストリーム群を使用し、このような3つのストリーム群からなる3段構成の場合について説明する。ニア・オンデマンド放送システム1の動作については、図6に示す2段組構成をさらに進め、3段構成としたものである。動作原理としては、図6に示す2段構成の場合と同様の考え方である。
【0058】
本実施の形態では、1段目の5本のニア・オンデマンドストリームがメインサーバ6から送信されている。たとえば主送信時間間隔は、第1補間ストリームのファイル長であり、本実施の形態では、主送信時間間隔は、12分であり、主送信開始時刻は、12×α分である。以下では、2段構成の場合と同様に、0分以上60分以下について説明する。次に2段目の第1補間ストリームは、Bファイルから成ることは変わらないけれども、第1補間サーバ7から送信されるストリーム数が3本に削減されている。2段目の第1補間ストリームが送信される時間間隔である第1副送信時間間隔は、たとえば第2補間ストリームのファイル長、すなわちCファイルの再生時間であり、本実施の形態では、第1副送信時間間隔が3分となっている。2段目の第1補間ストリームの第1副送信開始時刻は、1段目の1本目のニア・オンデマンドストリームの先頭部分を代用するため、最初が3分であり、6分および9分と続いている。実際には、第1送信開始時刻は、3×γ分であり、γは、4の倍数を除く正の整数である。
【0059】
新たに加わった3段目の第2補間ストリームは、第2補間サーバ8から送信され、その送信は、予め定められる第2副送信時間間隔をあけた第2副送信開始時刻に開始されている。第2補間ストリームには、ニア・オンデマンドストリームおよび第1補間ストリームの先頭のストリームブロック(イ)が含まれ、ストリームブロック(イ)の送信間隔を1分間隔にするため用いられる。第2補間サーバからは、2本の第2補間ストリームc1,c2が送信される。第2副送信時間間隔は、視聴者が視聴するために待つべき最長の時間である。本実施の形態では、第2副送信時間間隔は、1分に決定され、第2副送信開始時刻は、δ分である。δは、3の倍数を除く正の整数である。
【0060】
ニア・オンデマンド放送システム1の動作は、2段構成の場合と基本的に同じであるので、2段構成の場合と同様の動作については、2段構成の場合の説明を参照して簡単に説明し、異なる点については、詳細に説明する。視聴者のアクセスが0分、12分・・・12×α分にアクセスした場合、1段目のニア・オンデマンドストリームの先頭から再生する。3分、6分、9分・・・3×γ分にアクセスした場合、2段目の第1補間ストリームの先頭から再生した後に、1段目のニア・オンデマンドストリームのストリームブロック(ハ)に乗り換え、追いかけ再生する。1分、2分、4分、5分・・δ分にアクセスした場合、サーバ装置2から制御情報が送信され、その後、新たに加わった3段目の第2補間ストリームが送信される。端末装置3は、第2補間ストリームを受信し、この受信される第2補間ストリームを直接側伝送経路16aを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生する。この第2補間ストリームを再生している間に、送信開始から3分経過後に再生すべき部分であるストリームブロック(ロ)が含まれている第1補間ストリームが第1補間サーバ7から送信される。したがって端末装置3は、第1補間ストリームのうちストリームブロック(ロ)を受信し記憶することが可能となる。第1補間ストリームのうちストリームブロック(ロ)の送信が開始されると、端末装置3は、制御情報に基づいて、前記ストリームブロック(ロ)の受信を開始し、記憶部12にストリームブロック(ロ)を記憶させることを開始する。
【0061】
次に第2補間ストリームの視聴が終了すると、端末装置3は、制御情報に基づいて、切換部14が表示部13に接続される伝送経路16を再生側伝送経路16bに切替え、引き続き記憶部12に記憶されるストリームブロック(ロ)を最初から最後まで、表示部13で再生する。すなわち端末装置3は、2段目の第1補間ストリームのストリームブロック(ロ)に乗り換え追いかけ再生する。ストリームブロック(ロ)を追いかけ再生している間に、送信開始から12分経過後に再生すべき部分であるストリームブロック(ハ)が含まれているニア・オンデマンドストリームがメインサーバ6から送信される。端末装置3は、ストリームブロック(ロ)の場合と同様に、送受信端末11によって受信して記憶部12に記憶させる。ストリームブロック(ロ)の再生終了後に、1段目のニア・オンデマンドストリームのストリームブロック(ハ)に乗り換え、引き続き追いかけ再生する。
【0062】
正分以外の時刻にアクセスされると、サーバ装置2から制御情報とともに静止画ファイルが送信される。端末装置3では、正分になるまで表示部13で静止画ファイルを再生し、静止画を表示させる。正分になると、ニア・オンデマンド放送システム1は、前記正分の時刻にアクセスした場合と同様の動作が行われる。たとえば1分30秒にアクセスされると、2分まで静止画が表示部13に表示され、その後、第2補間ストリームを受信し再生する。
【0063】
このような3段構成でも、2段構成の場合と同様に、視聴者はどの時刻にアクセスしても、最長1分の待ち時間で視聴が可能となっている。この3段構成のニア・オンデマンドストリーム、第1補間ストリームおよび第2補間ストリームを用いることで、2段構成の第1補間ストリームのストリーム数11本に対して、3段構成の第1および第2補間ストリームのストリーム数の合計5本に削減されている。これによってニア・オンデマンドストリームのストリーム数5本とあわせても、ストリーム数が10本になり、ニア・オンデマンド放送システム1全体のストリーム数が低減されている。ストリーム数を低減することによって、再生順序が最上位のストリームブロック(イ)の送信を開始する間隔を維持しつつ、単位時間当たりの伝送量を抑制することができる。
【0064】
図8は、3段構成の場合のサーバ装置2の処理動作を示すフローチャートである。サーバ装置2の処理動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。サーバ装置2は、プログラムを実行することによって、図8に示すフローチャートの処理動作が行われる。以下では、説明の便宜上、ニア・オンデマンドストリームをAストリーム、第1補間ストリームをBストリーム、第2補間ストリームをCストリームと称する場合がある。またアクセスタイミング、すなわちアクセスされる時刻であるアクセス時刻をt0とし、その分の位をtTとし、秒の位をtSとする。したがって時刻t0は、tT分tS秒と表される。またAストリーム、BストリームおよびCストリームの各送信開始間隔を、X1、X2およびX3とする。またAファイル、BファイルおよびCファイルのファイル長、すなわち再生時間をA、BおよびCと称する。再生時間の単位は、たとえば秒である。
【0065】
視聴者が時刻t0にサーバ装置2にアクセスすると、処理が開始され、ステップs1へ移行する。ステップs1では、アクセス時刻t0を格納する。アクセス時刻を格納すると、ステップs2へ移行する。ステップs2では、サーバ装置2からサーバ情報を送信する。サーバ情報には、各ストリームの送信開始間隔X1、X2およびX3が含まれる。サーバ情報が伝送されると、ステップs2からステップs3へ移行する。
【0066】
ステップs3では、秒の位tS=0を充足するか否かを判定する。tS≠0であると判定されると、ステップs4へ移行し、tS=0であると判定されると、ステップs5へ移行する。ステップs4では、正分になるまで、サーバ装置2から静止画ファイルを送信する。正分になると、ステップs5へ移行する。ステップs5では、分の位tTをBストリームの送信開始間隔X2で除して得られる余りPを求める。余りPが求められると、ステップs6へ移行する。ステップs6では、余りP=0を充足するか否かを判定する。P=0を充足すると判定するとステップs7へ移行する。
【0067】
ステップs7では、サーバ装置2から端末装置3にAストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を送信する。サーバ装置2からは、主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻に、Aストリームの送信が開始されている。前記制御情報を送信すると、処理が終了する。
【0068】
ステップs6で余りP≠0であると判定すると、ステップs8へ移行する。ステップs8では、余りPをCストリームの送信開始間隔X3で除して得られる商Qおよび余りRを求める。商Qおよび余りRが求められると、ステップs9へ移行する。ステップs9は、ステップs8で求められる商Qを端末装置3に送信する。商Qが送信されると、ステップs10へ移行する。ステップs10では、ステップs8で求められた余りRがR=0を充足するか否かを判定する。余りR=0を充足すると判定すると、ステップs11へ移行する。
【0069】
ステップs11では、第1副送信開始時刻にサーバ装置2から端末装置3にBストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を送信し、その後、サーバ装置2からBストリームの送信を開始する。Bストリームの送信を開始すると、ステップs12へ移行する。ステップs12では、Bストリームの送信が完了し終了したか否かを判定する。Bストリームの送信が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップs12へ戻り、再度Bストリームの送信が完了し終了したか否かを判定する。ステップ13でBストリームの送信が完了し終了したと判定すると、ステップs13へ移行する。ステップs13では、Bストリームの送信を停止する。Bストリームの送信を停止すると、処理が終了する。
【0070】
ステップs10で、ステップs8で求められた余りR≠0であると判定すると、ステップs14へ移行する。ステップs14では、サーバ装置2からCストリームの送信を開始する。Cストリームの送信を開始すると、ステップs15へ移行する。ステップs15では、第1副送信開始時刻にサーバ装置2から端末装置3にBストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を送信し、その後、サーバ装置2からBストリームの送信を開始する。Bストリームの送信を開始すると、ステップs16へ移行する。ステップs16では、Cストリームの送信が完了し終了したか否かを判定する。Cストリームの送信が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップs16へ戻り、再度Cストリームの送信が完了し終了したか否かを判定する。ステップ17でCストリームの送信が完了し終了したと判定すると、ステップs17へ移行する。ステップs17では、Cストリームの送信を停止する。Cストリームの送信を停止すると、ステップs12へ移行する。
【0071】
主送信開始時刻にAストリームの送信を開始する工程が主送信工程に相当し、ステップs11、ステップs14およびステップs15のBストリームまたはCストリームを送信を開始する工程が副送信工程に相当する。
【0072】
図9は、3段構成の端末装置3の記録および再生の制御手順を示すフローチャートである。端末装置3の制御手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。端末装置3は、プログラムを実行することによって、図9に示すフローチャートの処理動作が行われる。視聴者が視聴を開始するために入力部15を操作すると処理が開始し、ステップt1へ移行する。ステップt1では、前記入力部15の操作に基づいて、端末装置3からアクセス時刻t0である視聴開始時刻t0を含む送信要求信号をサーバ装置2に送信する。送信要求信号を送信すると、ステップt2へ移行する。ステップt2では、サーバ装置2から送信されるサーバ情報を格納する。サーバ情報を格納すると、ステップt3へ移行する。ステップt3では、アクセス時刻t0が正分であるか否か、すなわちtT=0を充足するか否かを判定する。tT≠0であると判定すると、ステップt4へ移行し、tT=0と判定すると、ステップt5へ移行する。
【0073】
ステップt4では、サーバ装置2から送信される静止画ファイルを受信し、正分になるまで静止画ファイルを再生し、表示部13で静止画を表示する。正分になるとステップs5へ移行する。ステップt5では、Aストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を受信したか否かを判定する。前記制御情報を受信したと判定すると、ステップt6へ移行する。ステップt6では、サーバ装置2から送信されるAストリームを受信し、直接側伝送経路16aを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する。Aストリームの再生が開始されると、ステップt7へ移行する。ステップt7では、Aストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Aストリームの再生が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップt7へ戻り、再度Aストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Aストリームの再生が完了し終了したと判定すると、処理が終了する。
【0074】
ステップt5で、Aストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を受信していないと判定すると、ステップt8へ移行する。ステップt8では、サーバ装置2から送信される商Qを格納し、この商QがQ=0を充足するか否かを判定する。商Q=0を充足すると、ステップt9へ移行する。ステップt9では、Aストリームのうち送信が開始されてからC分後に開始される部分、すなわちAストリームのストリームブロック(ロ)および(ハ)の送信が開始されると、Aストリームのうちストリームブロック(ロ)および(ハ)を記憶を開始するように設定される。その後Aストリームのストリームブロック(ロ)および(ハ)の送信が開始されると、前記ストリームブロック(ロ)および(ハ)の記憶を開始する。設定されると、ステップt10へ移行する。
【0075】
ステップt10では、サーバ装置2から送信されるCストリームを受信し、直接側伝送経路16aを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する。Cストリームの再生が開始されると、ステップt11へ移行する。ステップt11では、Cストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Cストリームの再生が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップt11へ戻り、再度Cストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Cストリームの再生が完了し終了したと判定すると、ステップt12へ移行する。ステップt12では、記憶部12で記憶されるストリームブロック(ロ)および(ハ)を再生側伝送経路16bを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する、すなわち追いかけ再生を開始する。ストリームブロック(ハ)を追いかけ再生を開始すると、ステップt7へ移行する。
【0076】
またステップt8で、商Q≠0であると判定すると、ステップt13へ移行する。ステップt13では、Aストリームのうち送信が開始されてからB分後に開始される部分、すなわちAストリームのストリームブロック(ハ)の送信が開始されると、Aストリームのうちストリームブロック(ハ)を記憶を開始するように設定される。その後Aストリームのストリームブロック(ハ)の送信が開始されると、前記ストリームブロック(ハ)の記憶を開始する。設定されると、ステップt13からステップt14へ移行する。
【0077】
ステップt14では、Bストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を受信したか否かを判定する。前記制御情報を受信したと判定すると、ステップt15へ移行する。ステップt15では、サーバ装置2から送信されるBストリームを受信し、直接側伝送経路16aを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する。Bストリームの再生が開始されると、ステップt16へ移行する。ステップt16では、Bストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Bストリームの再生が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップt16へ戻り、再度Bストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Bストリームの再生が完了し終了したと判定すると、ステップt17へ移行する。ステップt17では、記憶部12で記憶されるストリームブロック(ハ)を再生側伝送経路16bを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する、すなわち追いかけ再生を開始する。ストリームブロック(ハ)を追いかけ再生を開始すると、ステップt7へ移行する。
【0078】
ステップt14で、Bストリームを受信して再生すべき旨の制御情報を受信していないと判定すると、ステップt18へ移行する。ステップt18では、Bストリームのうち送信が開始されてからC分後に開始される部分、すなわちBストリームのストリームブロック(ハ)の送信が開始されると、Bストリームのうちストリームブロック(ハ)を記憶を開始するように設定される。その後Bストリームのストリームブロック(ロ)の送信が開始されると、前記ストリームブロック(ロ)の記憶を開始する。設定されると、ステップt19へ移行する。
【0079】
ステップt19では、サーバ装置2から送信されるCストリームを受信し、直接側伝送経路16aを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する。Cストリームの再生が開始されると、ステップt20へ移行する。ステップt20では、Cストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Cストリームの再生が完了せず、終了していないと判定すると、一定時間経過後にステップt20へ戻り、再度Cストリームの再生が完了し終了したか否かを判定する。Cストリームの再生が完了し終了したと判定すると、ステップt21へ移行する。ステップt21では、記憶部12で記憶されるストリームブロック(ロ)を再生側伝送経路16bを介して表示部13に伝送し、表示部13で再生を開始する、すなわち追いかけ再生を開始する。ストリームブロック(ロ)を追いかけ再生を開始すると、ステップt16へ移行する。
【0080】
ステップt6、ステップt9、ステップt13、ステップt15、ステップt18およびステップt19において、再生ストリームを受信する工程が受信工程に相当する。ステップt9、ステップt13およびステップt18において、ストリームブロック(ロ)および(ハ)のうち少なくとも一方を記憶する工程が記憶工程に相当する。さらにステップt6、ステップt15、ステップt17、ステップt19およびステップt21で再生ストリームを再生する工程が再生工程に相当する。
【0081】
ニア・オンデマンド放送システム1のサーバ装置2および端末装置3が図8および図9に示されるフローチャートで動作することによって、視聴者が映像が開始されるまでの待ち時間が従来の技術より少ないのニア・オンデマンド放送を実現できる。以下では、ニア・オンデマンド放送システム1、サーバ装置2および端末装置3が奏する効果について説明する。
【0082】
本実施の形態のニア・オンデマンド放送システム1によれば、第1および第2補間サーバ7,8を含むので、ニア・オンデマンドストリームの主送信開始時刻の数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位のストリームブロック(イ)が送信される間隔を、ニア・オンデマンドストリームだけを送信する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって端末装置3がストリームブロック(イ)を受信するまでの待ち時間が減少する。また第1および第2補間ストリームがニア・オンデマンドストリームの一部であるので、第1および第2補間ストリームが送信されている時間は、ニア・オンデマンドストリームが送信されている時間より短い。第1および第2補間ストリームが送信されている時間が短いので、一の第1補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する第1副送信開始時刻の数が抑制される。また一の第2補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する第2副送信開始時刻の数が抑制される。これによってインターネット4を伝送するストリーム数が抑制され、サーバ装置2からインターネット4に伝送される伝送量を抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、インターネット4に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また常時第1および第2補間サーバ7,8からの送信が行われていないので、サーバ装置2から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少ない。
【0083】
また本発明では、記憶部12によって、第1補間ストリームに含まれていないストリームブロックであって、かつニア・オンデマンドストリームに含まれているストリームブロック(ハ)を記憶し、同様に、第2補間ストリームに含まれず、第1補間ストリームに含まれているストリームブロック(ロ)を記憶するので、表示部13でストリームブロック(イ)、(ロ)および(ハ)を再生順序順でストリームを再生することができる。これによって利用者は、端末装置3を用いて、ストリームブロック(イ)が送信される間隔が短く、かつ伝送量が抑制されている再生ストリームを再生させることができる。
【0084】
また本実施の形態のニア・オンデマンド放送によれば、副送信工程を有するので、第1および第2補間サーバ7,8を含むので、ニア・オンデマンドストリームの主送信開始時刻の数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位のストリームブロック(イ)が送信される間隔を、ニア・オンデマンドストリームだけを送信する従来の技術の場合より短くすることができる。これによってストリームブロック(イ)を受信するまでの待ち時間が減少する。また第1および第2補間ストリームがニア・オンデマンドストリームの一部であるので、第1および第2補間ストリームが送信されている時間は、ニア・オンデマンドストリームが送信されている時間より短い。第1および第2補間ストリームが送信されている時間が短いので、一の第1補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する第1副送信開始時刻の数が抑制される。また一の第2補間ストリームが送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する第2副送信開始時刻の数が抑制される。これによってインターネット4を伝送するストリーム数が抑制され、サーバ装置2からインターネット4に伝送される伝送量を抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、インターネット4に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また常時第1および第2補間サーバ7,8からの送信が行われていないので、サーバ装置2から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少ない。また送信要求信号が伝送されると、常時第1および第2補間サーバ7,8からの送信が行われておらず、サーバ装置2から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少ない。
【0085】
また本発明では、記憶工程で第1補間ストリームに含まれていないストリームブロックであって、かつニア・オンデマンドストリームに含まれているストリームブロック(ハ)を記憶し、同様に、第2補間ストリームに含まれず、第1補間ストリームに含まれているストリームブロック(ロ)を記憶するので、再生工程で再生順序順で再生ストリームを再生することができる。これによって利用者は、端末装置3を用いて、ストリームブロック(イ)が送信される間隔が短く、かつ伝送量が抑制されている再生ストリームを再生させることができる。
【0086】
本実施の形態のサーバ装置2のプログラムによれば、端末装置3とインターネットを介して通信可能に接続されるサーバ装置2に、図8のフローチャートに示される処理動作を実行させることができ、従来の技術よりストリームブロック(イ)が送信される間隔が短く、伝送量が抑制されているサーバ装置2を実現することができる。
【0087】
次にストリーム数の最適化について説明する。ここで、この待ち時間を短くするニア・オンデマンド放送において、総計のストリーム数を少なくする、各段のストリーム数の最適化について説明する。
【0088】
いま、Aファイル、BファイルおよびCファイルのファイル長を、図7に示すようにA、B、Cとし、最上位のストリームブロック、本実施の形態ではストリームブロック(イ)が送信される送信時間間隔をDとする。このときA〜Dは、式(1)のような関係を有する。
【0089】
【数1】

【0090】
また、総ストリーム数Xは、式(2)で求められる。
【数2】

第1項のA/Bは、1段目のニア・オンデマンドストリームのストリーム数を表し、第2項の(B/C−1)は2段目の第1補間ストリームのストリーム数を表し、C/D−1は3段目の第2補間ストリームのストリーム数を表している。総ストリーム数Xは、式(1)を充足しつつ、式(2)で与えられる。
【0091】
式(1)の関係を保ちながら、式(2)の総ストリーム数Xを最小にする最適化について説明する。A,B,C,D>0のとき、相加相乗平均の定理から式(3)の関係を有する。
【0092】
【数3】

【0093】
式(3)に式(2)を代入し、展開すると、式(4)が与えられる。
【数4】

(A/B)=(B/C)=(C/D)となる場合、式(3)の左辺と右辺とが等しくなり、(A/B)=(B/C)=(C/D)のとき、式(3)の左辺は、最小値となる。したがって総ストリーム数Xは、式(5)の関係を有する。
【0094】
【数5】

【0095】
ファイル長A,B,Cおよび送信時間間隔Dは、以下の条件を充足する必要がある。(1)総ストリーム数Xおよび各段のストリーム数(A/B),(B/C−1),(C/D−1)は、整数であること、(2)各段のファイル長が整数であること、および(3)式(1)を充足することが必要である。条件(1)〜(3)を充足し、かつ総ストリーム数Xが最小になるように、ファイル長A,B,Cおよび送信時間間隔Dを決定する。特に第1および第2補間ストリームの再生時間が、ニア・オンデマンドストリームの再生時間の約数であることが好ましい。
【0096】
さらにこの関係式を一般化してk段構成のニア・オンデマンド放送について考える。各段の送信間隔を、a,a,a,…,ak−1,aとすると、式(6)および式(7)が与えられる。
【0097】
【数6】

【0098】
k段構成における最小の総ストリーム数Xは、相加相乗平均の定理に基づいて、演算すると、式(8)で与えられる。
【数7】

したがって、k段構成の場合、条件(3)は、式(8)を充足することであり、条件(1)〜(3)を充足し、かつ総ストリーム数Xが最小になるように、ファイル長A,B,Cおよび送信時間間隔Dの最適解を演算し、これらの値を決定する。特に補間ストリームの再生時間が、ニア・オンデマンドストリームの再生時間の約数であることが好ましい。またファイル長A、B、Cおよび送信時間間隔Dは、その単位が「分」および「秒」のいずれかである。
【0099】
【表1】

【0100】
表1には、60分番組を、ほぼ、オンデマンド放送といえる10秒まで補間し、且つ条件(1)〜(3)を充足するように最適化した計算例を示す。送信時間間隔Dの単位を「分」とし、Dが整数となるように、2段目〜5段目の演算を行っている。縦軸に段数を示し、横軸に各段のストリームの本数、主送信開始間隔(ニア・オンデマンド間隔)、ニア・オンデマンドストリームを除くストリームの総数(補間ストリーム)、総ストリーム数および伝送ビットレートの順で示されている。多段構成になるにつれて総ストリーム数は減少するが、段数が多くなるほど複雑化する割に、総ストリーム数の減少率は小さく、この例では、3段、4段とすることが好ましい。また伝送ビットレートは、H.264コーデックなどで圧縮される10MbpsのHDTVとしたオンデマンド放送の場合に必要な伝送ビットレートの一例である。また最小のビットレートは、固定ビッレートとなる1段目のニア・オンデマンドストリームによるものである。つまり2段目以降の補間ストリームが送信されていない場合の伝送ビットレートである。補間ストリームは、伝送量が可変するビットレートであり、視聴者のアクセスにより一定しないため、表は、最小から最大までのビットレートとして表している。
【0101】
本実施の形態のニア・オンデマンド放送システムによれば、たとえば10秒の送信開始間隔であっても、伝送ビットレートを抑えることができ、インターネット4への負担を抑制できる。これによって多数の視聴者に対して提供が可能になり、視聴中に映像および音がとまるなどすることが抑制され、視聴者に快適に視聴させることができる。このようにニア・オンデマンド放送システム1は、特にニア・オンデマンド放送において、優れた効果を奏する。
【0102】
本実施の形態では、制御情報は、各再生ストリームが送信される直前に送信されているけれども、予め送信しておいてもよい。たとえばサーバ装置2が送信要求信号を受信すると、予めファイルの受信および再生順序を示すタイミングチャートを含む制御情報を送信してもよい。端末装置3は、このタイミングチャートに沿って、受信および再生すればよい。また月または日の一番初めに端末装置3の電源が投入されたときに、全ての番組に対しての受信、再生順序を示すタイミングチャートを含む制御情報を送信し、端末装置3の記憶部12に格納させてもよい。この場合、端末装置3は、この記憶部12に格納される制御情報に基づいて、各構成を制御し、再生ストリームを受信し再生する。このように予め制御情報を受信することによって、各ストリーム間の乗り換えおよび受信を滑らかに行うことができる。
【0103】
本実施の形態では、ストリームブロック(イ)が端末装置3から伝送される送信要求信号に基づいて、伝送を開始されているけれども、必ずしもこのような構成に限定されない。たとえば複数の番組の再生順序が最上位のストリームブロックを予め端末装置3にダウンロード方式のファイルで送信し、記憶部12に格納させておいてもよい。視聴者が、入力部15によって、視聴したい番組の最上位のストリームブロックを選択し、このストリームブロックを表示部13で再生する。さらに端末装置3は、選択されると、送信要求信号をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、次に再生すべきストリームブロックを送信し、このストリームブロックを端末装置3が受信し再生する。このようなニア・オンデマンド放送であってもよい。
【0104】
本実施の形態では、ニア・オンデマンド放送であり、映像および音の情報を配信であるけれども、配信される情報は、文字データであってもよく、また音情報であってもよく、限定されない。
【0105】
また本実施の形態では、制御情報と補間ストリームとが別々であるけれども、制御情報が補間ストリームの先頭部分に含まれてもよく、補間ストリームを再生することによって、制御情報を取得することができる。
【0106】
本実施の形態では、主送信開始時刻、副送信開始時刻、第1副送信開始時刻がおよび第2副送信開始時刻が等間隔であるけれども、必ずしも等間隔である必要はなく、異なる間隔であってもよい。本実施の形態で示す主送信時間間隔、副送信時間間隔、第1副送信時間間隔がおよび第2副送信時間間隔は、一例であり、所望の時間に設定すればよい。
【0107】
本発明は、次の実施形態が可能である。
情報提供装置と、前記情報提供装置と通信回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含む情報提供システムであって、情報提供装置は、端末装置で再生可能な再生情報を送信する送信手段であって、再生情報の1つである主再生情報であり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含む主再生情報が格納され、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順に送信されるように前記再生情報の送信を開始する主送信部と、再生情報の1つである副再生情報であり、主再生情報に含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む副再生情報が格納され、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように前記副再生情報の送信を開始可能な副送信部とを含む送信手段と、端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、副送信部に副再生情報の送信を開始させる送信制御手段とを含み、端末装置は、入力に基づいて情報提供装置に送信要求信号を送信する要求送信手段と、情報提供装置から送信される再生情報を受信可能な受信手段と、1つの再生情報を受信しているとき、その再生情報に含まれていない情報ブロックを含む他の再生情報を受信すると、前記1つの再生情報に含まれていない情報ブロックでありかつ前記他の再生情報に含まれる情報ブロックを記憶する記憶手段と、受信する再生情報に含まれる情報ブロックを、再生順序順に再生可能な再生手段とを含むことを特徴とする情報提供システム。
【0108】
本実施の形態の情報提供システムによれば、副送信部を含むので、主再生情報の主送信開始時刻の数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位の情報ブロックが送信される間隔を、主再生情報だけを送信する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって前記最上位の情報ブロックを受信するまでの待ち時間が減少する。また副再生情報が主再生情報の一部であるので、副再生情報が送信されている時間は、主再生情報が送信されている時間より短い。副再生情報が送信されている時間が短いので、一の副再生情報が送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する副送信開始時刻の数が抑制される。これによって通信回線網を伝送する副再生情報の数が抑制され、情報提供装置から通信回線網に伝送される伝送量を抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、通信回線網に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また常時副送信部からの送信が行われていないので、情報提供装置から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少ない。
【0109】
また情報提供システムでは、記憶手段によって、1つの再生情報に含まれていない情報ブロックであって、かつ他の再生情報に含まれている情報ブロックを記憶するので、再生手段で再生順序順で再生情報を再生することができる。これによって利用者は、端末装置を用いて、最上位の情報ブロックの送信時間間隔が短く、かつ伝送量が抑制されている再生情報を再生順序で再生させることができる。
【0110】
情報提供装置と、前記情報提供装置と通信回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含む情報提供システムにおいて、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、端末装置で再生可能な再生情報の1つである主再生情報であり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含む主再生情報を、各情報ブロックが再生順序順に情報提供装置から送信することを開始する主送信工程と、端末装置から情報提供装置に送信要求信号が伝送されると、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、前記再生情報の1つである副再生情報であり、主再生情報に含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む副再生情報を、各情報ブロックが再生順序順で情報提供装置から送信することを開始する副送信工程と、情報提供装置から送信される再生情報を端末装置が受信する受信工程と、1つの再生情報を受信しているとき、その再生情報に含まれていない情報ブロックを含む他の再生情報を受信すると、前記1つの再生情報に含まれていない情報ブロックでありかつ前記他の再生情報に含まれる情報ブロックを端末装置が記憶する記憶工程と、受信する再生情報に含まれる情報ブロックを、再生順序順に端末装置が再生する再生工程とを含むことを特徴とする情報提供方法。
【0111】
本実施の形態の情報提供方法によれば、副送信工程を有するので、主再生情報の送信回数が維持されているままの状態で、再生順序で最上位の情報ブロックが送信される間隔を、主送信工程だけを有する従来の技術の場合より短くすることができる。これによって前記最上位の情報ブロックを受信するまで待つ時間が減少する。また副再生情報が主再生情報の一部であるので、副再生情報が送信されている時間は、主再生情報が送信されている時間より短い。副再生情報が送信されている時間が短いので、一の副再生情報が送信開始してから送信が完了するまでの間に経過する副送信開始時刻の数が抑制される。これによって通信回線網を伝送する副再生情報の数が抑制され、情報提供装置から通信回線網に伝送される伝送量が抑制できる。伝送量を抑制できるので、副送信時間間隔を短くしても、通信回線網に与える負担を抑制できる。したがって副送信時間間隔を短縮を実現できる。また送信要求信号が伝送されると、副送信工程で送信を開始するので、常時副送信部からの送信が行われておらず、情報提供装置から伝送される最小の伝送量も、従来の技術に比べて少なくなる。
【0112】
また情報提供方法では、記憶工程で1つの再生情報に含まれていない情報ブロックであって、かつ他の再生情報に含まれている情報ブロックを記憶するので、再生工程で再生順序順で再生情報を再生することができる。これによって利用者は、端末装置を用いて、最上位の情報ブロックの送信時間間隔が短く、かつ伝送量が抑制されている再生情報を再生順序で再生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】ニア・オンデマンド放送システム1を示す系統図である。
【図2】サーバ装置2の系統図である。
【図3】視聴者の端末装置3の系統図である。
【図4】ニア・オンデマンドストリーム、および2つの補間ストリームのタイミングチャートを示す図である。
【図5】複数のニア・オンデマンドストリームのタイミングチャートを示す図である。
【図6】ニア・オンデマンドストリームおよび第1補間ストリームのタイミングチャートを示す。
【図7】ニア・オンデマンドストリーム、補間ストリームのタイミングチャートを示す。
【図8】3段構成の場合のサーバ装置2の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】3段構成の端末装置3の記録および再生の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
1 ニア・オンデマンド放送システム
2 サーバ装置
3 端末装置
4 インターネット
6 メインサーバ
7 第1補間サーバ
8 第2補間サーバ
10 切替制御部
11 送受信端末
12 記憶部
13 表示部
17 送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)サーバ装置と、前記サーバ装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含むニア・オンデマンド放送システムであって、
(b)サーバ装置は、
(b1)端末装置で再生可能なストリームを送信する送信手段であって
(b11)ストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームが格納され、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順に送信されるように前記ストリームの送信を開始するメインサーバと、
(b12)ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームが格納され、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように前記補間ストリームの送信を開始可能な補間サーバとを含む送信手段と、
(b2)端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、補間サーバに補間ストリームの送信を開始させる送信制御手段とを含み、
(c)端末装置は、
(c1)入力に基づいてサーバ装置に送信要求信号を送信する要求送信手段と、
(c2)サーバ装置から送信されるストリームを受信可能な受信手段と、
(c3)1つのストリームを受信しているとき、そのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、前記1つのストリームに含まれていない情報ブロックでありかつ前記他のストリームに含まれる情報ブロックを記憶する記憶手段と、
(c4)受信するストリームに含まれる情報ブロックを、再生順序順に再生可能な再生手段とを含むことを特徴とするニア・オンデマンド放送システム。
【請求項2】
サーバ装置と、前記サーバ装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続される端末装置とを含むニア・オンデマンド放送システムにおいて、
予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、端末装置で再生可能なストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームを、各情報ブロックが再生順序順にサーバ装置から送信することを開始する主送信工程と、
端末装置からサーバ装置に送信要求信号が伝送されると、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、前記ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームを、各情報ブロックが再生順序順でサーバ装置から送信することを開始する副送信工程と、
サーバ装置から送信されるストリームを端末装置が受信する受信工程と、
1つのストリームを受信しているとき、そのストリームに含まれていない情報ブロックを含む他のストリームを受信すると、前記1つのストリームに含まれていない情報ブロックでありかつ前記他のストリームに含まれる情報ブロックを端末装置が記憶する記憶工程と、
受信するストリームに含まれる情報ブロックを、再生順序順に端末装置が再生する再生工程とを含むことを特徴とするニア・オンデマンド放送方法。
【請求項3】
インターネット回線網を介して端末装置と通信可能に接続され、
端末装置で再生可能なストリームを送信する送信手段であって
ストリームの1つであるメインストリームであり、かつ再生順序を有する複数の情報ブロックを含むメインストリームが格納され、予め定められる主送信時間間隔をあけた複数の主送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順に送信されるように前記ストリームの送信を開始するメインサーバと、
ストリームの1つである補間ストリームであり、メインストリームに含まれる一部の情報ブロックであり、再生順序が上位の1または複数の情報ブロックを含む補間ストリームが格納され、主送信開始時刻と異なり、かつ予め定められる副送信時間間隔をあけた複数の副送信開始時刻毎に、各情報ブロックが再生順序順で送信されるように前記補間ストリームの送信を開始可能な補間サーバとを含む送信手段と、
端末装置から送信される送信要求信号に基づいて、補間サーバに補間ストリームの送信を開始させる送信制御手段とを含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
端末装置とインターネット回線網を介して通信可能に接続されるコンピュータに、請求項3に記載されるサーバ装置の機能を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−201557(P2007−201557A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14373(P2006−14373)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(391004104)株式会社毎日放送 (4)
【Fターム(参考)】