説明

ニューカッスル病の発症を治療および軽減する方法

【解決手段】 ニューカッスル病の予防的治療、及びニューカッスル病の治療に関する。本方法は、ターメリックから得られる第1の成分、緑茶から得られる第2の成分、生姜から得られる第3の成分、および許容可能な担体を有する一定量の組成物を、トリに投与する工程を含む。本発明の組成物は、ニューカッスル病の罹患率の軽減、またはニューカッスル病の伝染性の軽減の目的に利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューカッスル病の治療、または発症を軽減させる方法に関するものである。より具体的には、本発明はニューカッスル病の伝染性を軽減させて、トリのニューカッスル病を治療またはその発症を軽減させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニューカッスル病は、トリの呼吸器系および神経系に影響を及ぼす急性で発熱性の接触伝染性の高い疾患である。接触伝染性が高く容易に伝染するため、前記疾患は1926年より、非常に多くのトリの伝染病の原因となってきた。前記疾患は突然発生して、分泌物、糞、呼吸器系分泌物、および凍結しているか他の状態の感染した鳥類または以前にワクチン接種を受けた鳥類の死骸との直接接触によって、免疫力の弱い群れに素早く蔓延する。前記疾患は、飼料、水、器具、または建物などの、汚染された表面によってもまた、伝染する。前記疾患は、無症状感染から大量死までの結果を引き起こす可能性がある。若いトリでは、死亡率は低率から100%までの範囲に及ぶ。同様に、産卵している群れでの死亡率は、ウイルス株に依存して、0〜100%まで変化する。これまで、ニューカッスル病の処置または治療法は知られていない。
【0003】
ニューカッスル病は、ミクソウイルスのグループに属するパラミクソウイルスであり、多くの異なるウイルス株および型がある。ニューカッスル病の全ての株は、形態学的、構造学的、および血清学的に判別不能である。しかし、ニワトリ、卵、および組織培養系における異なる株の病原性には大きな相違が存在する。それらの相違は、強毒株、中等毒株、弱毒株として異なる分類で表現されている。
【0004】
非病原性の弱毒株は多くの生ワクチンの調製に用いられる。弱毒株のニューカッスル病は、ニューカッスル病ウイルスの弱病原性株によって引き起こされ、主に呼吸器系の症状で特徴付けられる。この型の前記疾患は商業的家禽産業では一般的であり、家畜損失、家畜の成長低下、飼料効率、および処理における家畜死骸の不良認定の増加、による経済的損失を結果として招く。
【0005】
病原性について中間的である中等毒株、例えばKomarov(Haifa)およびRoakinなどの市販で入手可能な中等毒株は、高齢の鳥類の免疫性を高めるワクチン種として用いる。中等毒株ニューカッスル病は、世界中の様々な鳥類で一般的に見られる。
【0006】
強毒株は病原性が高く、免疫力および死亡率を試験するために用いる。内臓強毒株ニューカッスル病は、消化管の重篤な障害を伴う高い死亡率で特徴付けられる。世界の他のほとんどの地域に存在するにもかかわらず、米国内では見られない。1970〜74の間、カリフォルニアで起こった内臓強毒株ニューカッスル病の最後の大発生では、前記疾病を撲滅するために、米国農務省(United States Department of Agriculture:USDA)は6,000万ドル以上を費やした。神経強毒型ニューカッスル病は、高い死亡率および重篤な神経症状によって特徴付けられる。米国内ではほとんど見られないものの、神経強毒型ニューカッスル病は、他国では比較的に広く行き渡っている。
【0007】
商業的家禽産業でのニューカッスル病による経済的損失を抑える努力として、若いニワトリには定期的にニューカッスル病ウイルスのワクチン接種を行っている。用いるワクチンは、弱毒株または中等毒株に由来する弱毒化したニューカッスル病の生ウイルスから調製して用い、ニューカッスル病の全ての形態に対する免疫性を付与する。
【0008】
ニワトリは一般的に生ウイルスワクチンの飲み水への配合、およびニワトリへのワクチンの直接的なスプレーを含む集団接種方式で接種する。ニワトリ中に一旦入ると、前記ウイルスは気道中で複製して、エアロゾルおよび直接的な接触経路によってニワトリからニワトリへと拡がり、理論的には、比較的短期間のうちにニューカッスル病の様々な型に対して群れを免疫する。しかし、この免疫付与はしばしば、ニューカッスル病の無症状または軽度の症状の型を誘発する。付与した免疫性は群れ中で不均一、および持続期間が短くなる傾向がある。また、不活性化ワクチンは不十分であり、免疫性を誘発するために非経口で非効率的に投与する大量の抗原の利用を必要とし、アレルゲン性物質、すなわち抗生物質、防腐剤、その他を含む可能性がある。さらに、生ワクチンの病原性が増すに従って免疫反応は増加するため、予防接種はしばしば、複数回の次第に悪性度が高くなるウイルスまたは生ウイルスの連続的な投与に続く、不活性化ウイルスを用いたワクチン投与を必要とする。もう1つの他の重要な問題は、外来性のニューカッスル病株といった、いくつかの悪性株は、あらかじめワクチン接種したトリに感染して殺傷することが可能なことである。
【0009】
このような一般的な問題を受けて、ウイルスに基づかない治療方法の開発のための研究を行ってきた。米国公開特許第2003/0185912号および第2005/0147697号など幾つかの参考文献では、生姜、緑茶、ターメリック、およびセイヨウワサビから成る組成物の抗ウイルス特性について述べているが、それらの文献はニューカッスル病の治療方法に関しては開示していない。
【0010】
従って、ニューカッスル病の治療、発症の軽減、または伝染性を軽減する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ニューカッスル病の治療、ニューカッスル病の罹患率の軽減、ニューカッスル病の伝染性の軽減のための方法を対象とする。
【0012】
第1の態様において、本発明は、ニューカッスル病の罹患率および/または伝染性を軽減する組成物の予防的利用方法に関連する。前記方法は、ニューカッスル病ウイルスに曝露した、曝露したであろう、または曝露するトリに対して、ターメリック抽出物から得られる第1の成分、緑茶から得られる第2の成分、及び許容可能な担体を含む組成物の有効量を投与する工程を有する。抗菌性組成物の量は、投与した場合に、ニューカッスル病ウイルスの罹患率および/または伝染性を軽減するのに有効な量である。
【0013】
本発明の第2の態様において、前記組成物は、ニューカッスル病の治療に有効な量の当該組成物を投与することにより、ニューカッスル病に感染したトリを治療するために用いることが可能である。
【0014】
本発明の第3の態様は、ターメリックから得られる第1の成分、緑茶から得られる第2の成分、および許容可能なエアロゾルスプレー賦形剤を含む、エアロゾール又は液体組成物に関するものである。前記エアロゾール組成物は、治療として投与されるものであるか、或いは例えばトリへのスプレーまたは噴霧などのエアロゾルスプレーまたは噴霧組成物に適切なあらゆる標準的技術を用いて予防的にトリに投与することができるものである。
【0015】
第4の態様において、本発明は、ターメリックから得られる第1の成分および緑茶から得られる第2の成分を含む動物飼料、乾燥製剤、及び液体製剤に関するものである。
【0016】
本発明を特徴付ける新規性の、これらおよび他の様々な利点および特徴は、本明細書に添付し、その一部を形成する請求項中で特殊性を指摘する。しかし、本発明、その利点、およびその利用により得られる対象物のより良い理解のためには、本発明の好ましい実施形態を記述した添付文書への参照がなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、VERO E6細胞中におけるニューカッスル病ウイルス(NDV)株B1/B1の生存率に対する組成物1の効果を示した細胞濃度に対する希釈対数を示すグラフである。
【図2】図2は、胚含有卵中におけるNDV株B1/B1の生存率に対する本願発明組成物の効果を示した細胞濃度に対する希釈対数を示すグラフである。
【図3】図3の左パネルは、1×10−3希釈の本願発明組成物で処理したNDVに曝露した後、細胞は細胞変性効果(cytopathic effects:CPE)を示していないことを示しており、右パネルは、1×10−3希釈のプラセボで処理したNDVに曝露した後のCPEを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ニューカッスル病ウイルスの罹患および/または伝染の発生率を軽減する組成物の予防的利用方法に関連する。当該方法は、ターメリックから得られる第1の成分、緑茶から得られる第2の成分、および許容可能な担体を有する組成物の一定量を、ニューカッスル病に曝露した、または曝露するトリに投与する工程を有する。抗菌性組成物の量は、投与した場合に、ニューカッスル病の罹患および/または伝染の発生を軽減するのに有効な量である。当該組成物は、ニューカッスル病を治療する当該組成物の有効量を投与することによりニューカッスル病に罹患した鳥を治療するために使用されても良い。
【0019】
本発明の方法に用いられる組成物は、ターメリックから得られる第1の成分、および緑茶から得られる第2の成分を含むものであっても良い。生姜およびセイヨウワサビから得られる成分もまた、本発明の組成物の選択的な更なる成分として含むものであってもよいる。
【0020】
本願明細書で用いる場合、「許容可能な(acceptable)」という用語は、トリへの過度の副作用(毒性、炎症、アレルギー反応など)がなく、適度な危険性/利点の比と釣り合いのとれた使用に適した成分を意味する。
【0021】
さらに、本願明細書で用いる場合、「安全かつ有効な量(safe and effective amount)」という用語は、本願明細書で記述した方法で利用した場合に、過度の副作用(毒性、炎症、アレルギー反応など)がなく、適度な危険性/利点の比と釣り合いのとれた所望の治療反応を得るために十分な成分の量について言及する。
【0022】
本願明細書で用いる場合、「抑制する(inhibiting)」という用語は、ニューカッスル病ウイルス株のさらなる成長を軽減または予防する、または正常細胞へのニューカッスル病ウイルス株の付着を予防する、および/または処理したヒトまたは動物から一部または全ての感染粒子を除去することについて言及する。ウイルス抑制の適切な測定方法は、実施例において議論する。
【0023】
本願明細書で用いる場合、「伝染性(transmissivity)」または「伝染性の(transmitting)」という用語は、1つの宿主から他への微生物の移動に言及するものである。
【0024】
本発明で用いる全ての活性化合物は、入手可能であれば、他の材料から得ることができる。従って、「から得ることが可能な」または「から得ることができる」という語句は、ターメリック、生姜、緑茶、またはセイヨウワサビから得られる化合物または組成物を包含し、従って同一の化合物および/または組成物の合成形態も包含し、さらには他の材料から得られる同一の化合物および/または組成物もまた包含することを意味する。
【0025】
第1の実施形態において、本発明の組成物は、本願明細書に記述する1若しくはそれ以上の有益な効果を提供するために安全かつ有効な量の、ターメリックから得られる第1の成分、および緑茶から得られる第2の成分を含む。
【0026】
本発明の組成物の第1の成分はターメリックから得ることができる。ターメリックから得られる成分は、本願明細書に記述する1若しくはそれ以上の有益な効果を提供する安全かつ有効な量にて使用される。ターメリック(Turmeric(Curcuma longa))またはヒンディ語においてハルディと呼ばれるものは、薬物としてだけでなく、インド料理の一般的材料としても、とても広く用いられている。ターメリックの根茎は微粉として、薬物および食品に用いる。
【0027】
ターメリック根茎の黄色い色素は、クルクミノイドとして知られる3つの化合物から成る。3つのクルクミノイドは、クルクミン(ジフェルロイルメタン)、デスメトキシクルクミン(ヒドロキシシンナモイルフェルロイルメタン)、およびビス−デスメトキシクルクミン(ジヒドロキシジシンナモイルメタン)である(Drug Analysis,Chromatography and Microscopy,p.169,Ann Arbor Science Inc.,1973 を参照のこと)。ターメリック(Turmeric(Curcuma longa))の精油は、主として以下の化合物から成る:d−ショウノウ(約1%)、環状イソプレンミルセン(約85%),およびp−トリルメチルカルビノール(約5%)、(E.Gunther,The Essential Oil,pp.123〜4、Van Nostrand Co.,1955を参照)。
【0028】
ターメリックから得られる、本発明の組成物の成分は、好ましくは、クルクミン(ジフェルロイルメタン)、デスメトキシクルクミン(ヒドロキシシンナモイルフェルロイルメタン)、およびビス−デスメトキシクルクミン(ジヒドロキシジシンナモイルメタン)といったクルクミノイド、およびそれらクルクミノイドの2若しくはそれ以上の混合物を含む。
【0029】
ターメリックからのクルクミノイドの単離方法は既知である(Janaki and Bose,An Improved Method for the Isolation of Curcumin From Turmeric,J.Indian Chem.Soc.44:985,1967 を参照のこと)。あるいは、本発明に用いるクルクミノイドは、合成的方法によって調製可能である。
【0030】
ターメリックから得ることが可能な成分は、あらゆる異なる形態で、本発明の組成物へ組み入れることが可能である。それら異なる形態は、好ましくは、ターメリック粉末抽出物、ターメリック液体抽出物、Aquaresin(登録商標)Turmeric、Oleoresin(登録商標)Turmeric、といったターメリック抽出物、1若しくはそれ以上のクルクミノイド化合物、およびターメリック粉末、ターメリックの植物全体または一部、それらのチンキ剤、およびそれらの混合物を含む。より好ましくは、ターメリックから得られる第1の成分は、ターメリック抽出物である。
【0031】
ターメリックから得られる成分を用いる場合、本発明の組成物の1グラム当たりには、好ましくは、約0.001mg〜約20mgの、ターメリック粉末抽出物などターメリックから得られる成分を含む。最も好ましくは、組成物の1グラム当たり、約0.01mg〜約15mgのターメリック粉末抽出物などターメリックから得られる成分を含む。それらの範囲は、摂取製剤であるTurmeric Extract 95%,ex. Pharmline,Inc.、およびスプレー製剤であるTurmeric Root Extract(Oleoresin(登録商標)Turmeric),ex.Kalsec,Inc.,ミシガン州Kalamazoo.の利用に基づいたものである。
【0032】
本発明の組成物の第2の成分は、緑茶から得ることができる。緑茶から得られる第2の成分は、抗酸化作用を有する可能性がある。緑茶は、カメリアシネンシス潅木の乾燥葉および葉芽である。それは主に、中国および日本で生産されている。乾燥茶葉は主に、ポリフェノール(約36%)として知られる植物化学物質、主にフラボノール(カテキンを含む)、フラボノイド、およびフラボンジオールから成る。葉は、カフェインを含めた植物アルカノイド(約4%)、テオブロミン、およびテオフィリンもまた含む。
【0033】
緑茶の薬理活性は主にその活性化合物によるものである。本発明において有用な緑茶の活性化合物は、限定するわけではないが、フラボノール、カテキン、フラボノイド、フラボンジオール、植物アルカロイド、カフェイン、テオブロミン、テオフィリン、フェノール酸、タンパク質、炭水化物、およびミネラルを含む。
【0034】
緑茶から得ることができる第2の成分は、緑茶粉末、緑茶粉末抽出物、緑茶液体抽出物、および1若しくはそれ以上の緑茶活性化合物といった緑茶抽出物、緑茶の植物全体または一部、緑茶葉、それらのチンキ剤、またはそれらの混合物の形態で組成物に含めることが可能である。好ましくは、本発明の組成物の第2の成分は、緑茶葉、緑茶粉末、および緑茶抽出物から選択する。より好ましくは、本発明の組成物の第2の成分は、緑茶抽出物である。
【0035】
本発明の組成物の1グラム当たりには、好ましくは約0.001mg〜約20mgの、緑茶抽出物など緑茶から得られる成分を含む。最も好ましくは、組成物の1グラム当たりには、約0.01mg〜約15mgの、緑茶抽出物など緑茶から得られる成分を含む。それらの範囲は、摂取製剤であるGreen Tea,ex.Stryker Botanics、およびスプレー製剤であるGreen Tea Extract,ex.Phytoway,Inc,Chang Sha,P.R.中国の利用を基準として用いた。
【0036】
本発明の組成物の選択的な成分は生姜から得られるものであっても良く、安全かつ有効な量にて使用される。南アジア原産の生姜は、長さ1フィートおよび幅約1インチの草状葉を生じる2〜4フィートの多年生植物である。食品店では生姜の根と呼ばれているが、実際は植物の地下茎から成り、樹皮状の外皮を削り取ったものである。
【0037】
本発明に使用する生姜の活性化合物は、限定するわけではないが、1,8−シネオール、10−デヒドロジンゲジオン、10−ジンジェロール、6−ジンゲジオン、6−ジンジェロール、6−ショウガオール、8−ベータ−17−エポキシ−λ−トランス−12−エン−15,16−ジオール、8−ジンジェロール、8−ショウガオール、9−オクソ−ネロリドール、アセトアルデヒド、酢酸、アラニン、アルファ−リノレン酸、アルファ−リノレン酸、アルファ−フェランドレン、アルファ−ピネン、アルファ−テルピネン、アルファ−テルピネオール、アルファ−ジンギベレン、芳香クルクメン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン、ベータ−ビサボロール、ベータ−カロチン、ベータ−エレメン、ベータ−ユーデスモール、ベータ−イオノン、ベータ−ミルセン、ベータ−フェランドレン、ベータ−ピネン、ベータ−セリネン、ベータ−セスキフェランドレン、ベータ−シトステロール、ベータ−ツジョン、酢酸ボルニル、ホウ素、コーヒー酸、カルシウム、カンフェン、ショウノウ、カプリン酸、カプリル酸、カプサイシン、カリオフィレン、カビコール、クロロゲン酸、クロム、シトラール、シトロネラル、シトロネラル、コバルト、銅、クメン、クルクミン、シスチン、デルフィニジン、デルタ−カジネン、エレモール、酢酸エチル、ミリスチン酸エチル、ファルネサール、ファルネセン、フェルラ酸、フルフラール、ガンマ−アミノ酪酸、ガンマ−テルピネン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、gingerenone、グルタミン酸、グリシン、ヘキサハイドロクルクミン、ヒスチジン、isogingerenone−B、イソロイシン、ケンペロール、レシチン、リモネン、リノール酸、マグネシウム、マンガン、メチオニン、mufa、ミルセン、ミリセチン、ミリスチン酸、ネラール、ネロール、ネロリドール、ナイアシン、ニッケル、オレイン酸、シュウ酸、p−クマル酸、p−シメン、p−ヒドロキシ安息香酸、パルミチン酸、パントテン酸、パラドール、patchoulic alcohol、フェニルアラニン、ケルセチン、リボフラビン、セレン、シキミ酸、テルピン−4−オール、チアミン、トリプトファン、バニリン酸、バニリン、亜鉛、およびジンゲロン、を含む。また、それら活性化合物の2若しくはそれ以上の混合物もまた、使用できる。
【0038】
生姜は、本発明の組成物へ多くの異なる形態で取り込むことが可能であり、前記異なる形態は、生姜粉末抽出物、生姜液体抽出物を含む生姜抽出物といった抽出物、生姜根粉末、Aquaresin(登録商標)ginger、Oleoresin(登録商標)生姜を含む生姜粉末、および生姜の1若しくはそれ以上の活性化合物、生姜の植物全体、または一部、それらのチンキ剤、およびそれらの混合物、を含む。好ましくは、本発明の組成物の選択的な成分は、生姜抽出物、および生姜粉末から選択する。
【0039】
本発明の組成物の1グラム当たり、好ましくは、約0.001mg〜約30mgの生姜抽出物などの生姜から得られる成分を含む。最も好ましくは、組成物の1グラム当たり、約0.01mg〜約20mgの生姜抽出物などの生姜から得られる成分を含む。それら使用量の範囲は、摂取製剤であるGinger Root Powder,ex.Stryka Botanics、およびスプレー製剤であるGinger Extract K(Aquaresin(登録商標)ginger),ex.Kalsec,Inc.,ミシガン州Kalamazooの利用を基準として用いた。
【0040】
様々な成分の量は、本願明細書において、成分、すなわち生姜抽出物の一形態に関して定めている。その成分が他の形態で存在する場合、用いられるべき量は、本願明細書で定めるその成分の量と同量の1若しくはそれ以上の活性化合物を提供するだけの量となる。
【0041】
また、本発明の組成物は、本願明細書で記述する1若しくはそれ以上の有益な効果を提供する安全かつ有効な量のセイヨウワサビから得られる1若しくはそれ以上の成分を含むことができる。セイヨウワサビから得られる選択的な成分は、Cochlearia Armoraciaからの抽出物を含むことができ、セイヨウワサビから得られる成分は、例えばセイヨウワサビ粉末抽出物、セイヨウワサビ液体抽出物などのセイヨウワサビ抽出物、およびセイヨウワサビ油などのセイヨウワサビ根抽出物、形態とすることができる。セイヨウワサビは、マスタードに見られるのと同様な揮発性油を含む。それらは、グルコシノレート(からし油配糖体)、グルコナストルチイン、および胃中で分解した場合にイソチオシアン酸アリルを生成するシニグリンを含む。本発明の組成物は、セイヨウワサビ油などのセイヨウワサビから得られる成分を当該組成物1グラム当たり、好ましくは約0.0001mg〜10mg含み、より好ましくは、本発明の組成物は、セイヨウワサビ油などのセイヨウワサビから得られる成分を当該組成物1グラム当たり0.001mg〜5mg含む。
【0042】
本発明の典型的な組成物は、ターメリックおよび緑茶のそれぞれから得られる1若しくはそれ以上の成分、ターメリック、緑茶、および生姜のそれぞれから得られる1若しくはそれ以上の成分、ターメリック、緑茶、およびセイヨウワサビのそれぞれから得られる1若しくはそれ以上の成分、または、ターメリック、緑茶、生姜、およびセイヨウワサビのそれぞれから得られる1若しくはそれ以上の成分、を含むものであっても良い。
【0043】
エタノール、プロピレングリコール、およびグリセリン、およびそれらの様々な組合せを、本発明の液組成物中に選択的に、選択的な成分の総重量で約10%まで含めることができる。最も好ましくは、選択的な成分として、総重量の約10%までのエタノールを添加する。よりさらに好ましくは、2.5〜7%エタノールを添加する。
【0044】
好ましくは、ターメリックおよび緑茶、および選択的に、生姜および/またはセイヨウワサビに由来する上述の主成分が、組成物の総重量の約0.001〜約90%を構成する。より好ましくは、主成分が、組成物の総重量の約0.01〜約20%を構成する。最も好ましくは、主成分が、組成物の総重量の約1〜約10%を構成する。
【0045】
上述したターメリック、緑茶、生姜、およびセイヨウワサビから得られる成分を含む、組成物の非担体成分は、組成物の意図する利用法の有効性に大幅に影響しない範囲で、組成物中に用いる担体の量に依存して、本発明の組成物中で比例的に増減することが可能である。
【0046】
本発明の組成物に用いることができる、例えば、ターメリック抽出物、生姜抽出物、緑茶抽出物、およびセイヨウワサビ抽出物などの植物抽出物は、一般的な抽出手順を用いて製造できる。あるいは、前記抽出物は、the Kalsec,Inc.ミシガン州Kalamazoo.など商業的供給源から購入可能である。
【0047】
上述のいずれかの植物から、簡便に、薬理学的または生物学的に活性な植物抽出物の投与可能な形態への調製手順は、当該技術分野で周知である。
【0048】
本発明の組成物は、ニューカッスル病ウイルスの様々な株のトリ間での感染性および伝染性を抑制するために利用することができる。前記組成物は、ニューカッスル病の治療、およびそれによってニューカッスル病に関連した症状を和らげるための、治療組成物として用いることも可能である。
【0049】
本発明の組成物の安全かつ有効な量は、ニューカッスル病に曝露された、または曝露されるトリへ投与して、ニューカッスル病ウイルスに曝露された、または曝露されるトリでの、前記疾患の罹患率を軽減することができる。
【0050】
好ましくは、本発明の組成物は、限定するわけではないが、トリの餌などの動物飼料、粉末、あらゆる種類の乾燥製剤、スプレー、懸濁液、溶液、注射などのあらゆる種類の液体製剤、または大量予防接種のあらゆる標準的形態を含む、あらゆる許容可能な剤形で製剤化することができる。本発明の組成物は、本発明の組成物が栄養補給剤となりうる場合、または更なる成分を含む栄養補給剤の一部をなすことができる場合には、栄養補給剤の形態で投与することもまた、できる。
【0051】
本発明の錠剤は、形状、サイズ、および製造技術において異なっていても良い。錠剤の場合、経口における使用に対しては、許容可能な担体は更に乳糖、およびコーンスターチを含むものであっても良い。例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクを含む、平滑剤を錠剤へ添加することもまた、できる。錠剤は、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸カルシウムなどの賦形剤を含むこともまた、できる。澱粉、アルギン酸、および複合ケイ酸塩などの崩壊剤もまた、利用できる。錠剤は、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、PEG−8000、およびアカシアゴムなどの結合剤もまた含むことができる。
【0052】
あるいは、本発明の組成物は、水、またはそれ以外の液体などの溶媒または分散剤によって、シロップ、溶液、液剤、霧、またはスプレーといった液状形態で、および選択的に、持続的な期間において前記組成物を口腔および口腔咽頭粘膜へ繰り返し投与するための、薬理学的に許容できる担体中で、製剤化することができる。好ましくは、口腔、鼻咽頭および咽喉組織への組成物の長期間の接触を許すために、治療時間は約5〜60分間、より好ましくは約20〜30分間とする。あるいは、そうした製剤は、使用前に、水または他の材料で希釈するのに適する濃縮形態とすることが可能である。
【0053】
本発明の組成物は、許容可能な担体と共に製剤化することもまた可能である。許容可能な担体は、これらに限定されないが、(a)グリセリン、(b)エタノール、(c)リン脂質、(d)MCT oil、(e)水、および(f)澱粉、セルロース、シクロデキストリン、二酸化ケイ素、および脂質/油脂を含む、比較的に不溶性の適切な賦形剤を含むことができる。
【0054】
当該組成物は、動物飼料などのチュアブル形態(chewable forms)に、食品添加物または前記動物飼料の成分などとして製剤化することもまた可能である。あるいは、本発明の組成物は、希釈剤添加或いは無添加のカプセル形態に製剤化することも可能である。カプセルに有用な希釈剤は、乳糖および乾燥コーンスターチを含む。懸濁液を利用する場合は、懸濁液中に、乳化および/または懸濁剤を用いても良い。さらに、上述のトローチ剤の1若しくはそれ以上の成分を含む固体組成物は、ソフトおよびハード・ゼラチンカプセルに用いることができる。
【0055】
本発明の組成物は、エアロゾルまたは吸入組成物として製剤化することもまた可能である。そうした組成物は、周知の技術を用いて調製することが可能である。そのような種類の製剤に適切な担体は、以下の成分、すなわち、1若しくはそれ以上の防腐剤を含む生理食塩水、生物学的利用能を高める吸収促進剤、フッ化炭素、および/または標準的な可溶化または分散剤を含むものであっても良い。
【0056】
当該組成物は、既知のあらゆる標準的送達手段を用いて投与することもまた可能である。更に、当該組成物は、水または溶液の添加物として製剤化可能である。さらに、組成物はインオボ(in ovo)にて投与することが可能である。選択的に、本発明の組成物は、表面を拭う抗ウイルス殺菌剤として使用することも可能である。
【0057】
本発明の組成物に選択的に含むことが可能な他の材料は、レスベラトロル(トリヒドロキシスチルベン)、イノシトール、他のビタミンB複合体、および追加的な抗炎症剤を含む。また、甘味剤、フレーバー(flavorant)、着色剤、染料、防腐剤、乳化剤、懸濁剤、溶融剤、賦形剤、鎮痛剤、および水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの溶剤または希釈剤、およびそれらの様々な組合せなどの成分を本発明の組成物に含むことが可能である。
【0058】
伝染の軽減または抑制は、(感染した)トリから(未感染の)他のトリへの微生物の拡大の抑制または軽減に関連する。一部のトリは感染の保菌者と考えることができる。保菌者は、ニューカッスル病の微生物を活発に撒き散らすが、急性感染を被ることはない個体である。それら保菌者は、ニューカッスル病のウイルス株で、持続(または慢性的)感染を受けたと言うことができる。持続感染を受けた感染源に加えて、感染した他のトリは、活動性感染するもの、および特に、急性感染の初期または後期に当たるものである。本発明の一態様は、他のトリへの疾病の拡大を防ぐための、ニューカッスル病の株に感染したトリへの、本発明の組成物の投与に関連する。
【0059】
予防治療は、ニューカッスル病にじきに曝露される、またはニューカッスル病ウイルスにすでに最近曝露されたトリに対して、活動性感染の事例を軽減する目的で行うものである。そういった予防治療は、単独またはワクチンへの追加としてのいずれでも有効である。本発明の予防治療は、ワクチンが未だ入手不可能なニューカッスル病のウイルス株に対してもまた、用いることができる。
【0060】
本発明はまた、例えば疾患の持続期間、死亡率、または有害影響の軽減によって、疾病を治療するための、ニューカッスル病に感染したトリの治療方法に関するものである。本発明の他の態様において、本発明は、生姜および緑茶から得ることが可能な成分を含む本発明の組成物を、ニューカッスルウイルスに感染したトリに投与することにより、ウイルス感染の少なくとも1つの症状または有害影響の軽減、治療、または少なくとも一部を予防する方法に関するものである。治療可能な症状は、エネルギー欠乏、産卵の減少、卵殻の脆弱化、腫れ、鼻汁、咳嗽、息切れ、頭部振戦、羽および脚部の麻痺、斜頸、食欲の低下、下痢、腸病変、抑うつ、食欲不振、呼吸促迫、およびとさかの青色化を含む。
【0061】
本発明の組成物は、一般的な商業用家禽類、すなわちニワトリ、七面鳥、アヒル、およびガチョウ、一般性がやや低いものとしては、ダチョウ、それらに加えて例えばカナリアおよびオウムなど一般的にペットとして飼育されている他の鳥類を含む、鳥類のあらゆる種類に投与可能である。
【0062】
本組成物は、当該組成物のトリ鼻道への直接噴霧、トリ口腔への噴霧することによって投与可能であり、またはトリへ曝露させる霧を発生することにより組成物を投与することが可能である。従って、当該組成物は、殺ウイルス性またはウイルス増殖抑止として働かせることによって、予防的に与えることができる。あるいは、組成物は、ウイルスの伝染性を軽減するために用いることができる。
【0063】
当該組成物の有効量は、治療対象、投与の特定の方式、利用する特定の有効成分の活性、日齢、体重、健康状態、トリの性別および食習慣、投与の時間、排泄速度、利用する成分の特定の組合せ、組成物の主成分の総含量、および疾病または症状の重篤性、などの要因に依存して変化する。それら要因を説明するのは、当業者の範囲内である。
【0064】
当該組成物は、必要に応じて1日当たり約1〜約15回、より好ましくは、必要に応じて1日当たり約2〜約12回、または最も好ましくは、必要に応じて1日当たり約6〜10回投与することができる。本発明の組成物は、上述した通り、限定されるものではないが、錠剤、カプセル、粉末、口腔スプレー、鼻腔用スプレー、点鼻薬、チュアブル組成物(chewable compositions)、懸濁液、溶液、およびインオボ投与を含む許容可能なあらゆる剤形で投与することができる。
【0065】
当該組成物のそれぞれの用量は、本発明の組成物の安全かつ有効な量を含む。各治療的投与の有効量は、ターメリックおよび緑茶から得られる成分を総量で約0.001ミリグラム〜約1グラムまでを含む。より好ましくは、各治療的投与の有効量は、ターメリックおよび緑茶から得られる成分を総量で約0.01ミリグラム〜約0.5グラム含む。本願方法において投与される当該組成物の様々な成分量は、上述の本願発明の組成物と同様である。
【0066】
組成物を飼料または水の添加物として投与する場合は、飼料または水の添加物中の有効成分の量は、飼料全体の組成の約0.01〜50重量%の範囲とすることができる。好ましい一実施形態では、前記有効成分は、飼料全体の組成の約0.1〜約30重量%を構成し、最も好ましい一実施形態では、前記有効成分は飼料全体の組成の約1〜約20重量%を構成する。前記有効成分は、ターメリックからの成分、緑茶からの成分、生姜からの成分、および/またはセイヨウワサビからの成分を含む。
【0067】
組成物を液体、霧、スプレー、注射、エアロゾルまたは霧として投与する場合は、例えばトローチ剤またはカプセルと比較して、スプレー組成物は前記有効成分をそれらが必要とされる場所により直接的に輸送するため、各有効成分の量を低減することができる。当該組成物は、水または他の適切な希釈剤によりあらゆる所望の濃度まで希釈することができる。希釈組成物は水または他の希釈剤の約0.1重量%〜約99.999重量%のいずれかで含ませることができ、より好ましくは、水または他の希釈剤の約10重量%〜約40重量%、および最も好ましくは水または他の希釈剤の約10重量%〜約30重量%である。
【0068】
以下の好ましい範囲は、本発明の方法に従ったスプレーなどの液体製剤における投与に適した本発明の組成物を規定する。
【0069】
本発明の方法に従ったスプレーによって投与する組成物の1グラム当たりには、可溶性或いは混和性ターメリック含油樹脂などのターメリック抽出物を好ましくは約0.001mg〜約12mg含む。最も好ましくは、当該組成物1グラム当たり、約0.01mg〜約9mgの可溶性或いは混和性ターメリック含油樹脂などのターメリック抽出物を含む。本発明の方法に従ったスプレーによって投与される組成物の1グラム当たりには、緑茶葉抽出物などの緑茶抽出物を好ましくは約0.001mg〜約20mg含む。最も好ましくは、組成物の1グラム当たり、緑茶葉抽出物などの緑茶抽出物を約0.01mg〜約15mgの、含む。
【0070】
本発明の方法に従ったスプレーによって投与する組成物の選択的な実施形態の1グラム当たり、選択的に約0.001mg〜約10mgのAquaresin(登録商標)gingerなどの生姜抽出物を含む。最も好ましくは、組成物の1グラム当たり、約0.01mg〜約7mgのAquaresin(登録商標)gingerなどの生姜抽出物を含む。
【0071】
選択的に、当該組成物の1グラム当たり、約0.0001mg〜約5mgのセイヨウワサビ根抽出物、より好ましくは約0.001mg〜約2mg、および最も好ましくは約0.5mg〜約1mgのセイヨウワサビ根抽出物も含む。
【0072】
器具に付着するニューカッスル病ウイルスのあらゆる株の一部または全てを不活性化するために、トリに組成物を投与するのに用いられるあらゆる器具を消毒および/または滅菌するために、当該組成物の有効量を用いることもまた可能である。器具を消毒するために、組成物をあらゆる器具または機器の表面へ局所的に適用しても良い。
【0073】
本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。本発明の範囲は、本願明細書に添付する請求項によって決定されるべきである。
【実施例1】
【0074】
【表1】

【0075】
スプレー、霧、エアロゾル、または液組成物などとしての様々な用途に使用されるより希釈した組成物を提供するためには、製剤を水または他の適切な希釈剤により1〜1300倍に希釈することが可能である。
【実施例2】
【0076】
様々な用量および投与経路を用いて、ニワトリに組成物1の安全性および許容性の実験を行った。その結果、組成物1は、家禽の給水への液体添加物、点鼻薬製剤への液体添加物、家禽飼料への固体添加物として有効で適切であることが示された。
【0077】
132羽の約7日齢の白色レグホン種ニワトリを11グループに分け、表1(a)〜1(c)に対応する様々な形態および濃度の組成物1を投与し、その後にニューカッスルウイルスに曝露した。
【0078】
表1(a)〜1(c)は、許容性および毒性試験において、132羽の白色レグホン種ニワトリに与えた本発明の組成物の用量、投与経路、および濃度を要約したものである。
【0079】
【表1a】

【0080】
【表1b】

【0081】
【表1c】

【0082】
各トリ籠にニワトリを3羽ずつ入れた。トリ籠は華氏約85度および相対湿度65%に維持した。それらへ毎日、白色光を連続16時間、続いて暗闇を8時間提供した。
【0083】
組成物1に対するニワトリの許容性および毒性を決定するために、ニワトリを観察した。各グループによって消費された水および飼料の量を評価し、ニワトリ各個体の体重を定期的に測定した。
【0084】
組成物1を点鼻薬の形態で投与したニワトリについては、飼料および水で投与したグループと平行して、4日間の投与の間、1日4(4)回、各鼻孔へ1(1)滴ずつ点鼻薬を投与した。点鼻薬は朝2回、各投与の間隔を約1時間空けて行い、午後/夕方に2回、やはり各投与の間隔を約1時間空けて行った。この鼻孔投与スケジュールは、朝または午後に立て続けに1時間より短い間隔で投与しない限り、1日当たり各鼻孔に全部で4滴を投与するならば柔軟に変更可能である。点鼻薬は、20滴/ml、または1滴当たり50マイクロリットルを含む標準的なボトル型点眼器を用いて投与した。
【0085】
組成物1を飼料添加物として投与したニワトリについては、飼料添加物を4日の期間提供した。24羽のニワトリの1グループへは、高用量の飼料添加物を与えた。他の24羽のニワトリの1グループへは中用量を、他の24羽のニワトリの1グループへは低用量を与えた。飼料および水は、4日間定期的に随意、提供した。
組成物1を水分添加物として投与したニワトリについては、水分添加物を4日の期間提供した。24羽のニワトリの1グループへは、高用量の水分添加物を与えた。他の24羽のニワトリの1グループへは中用量を、他の24羽のニワトリの1グループへは低用量を与えた。水は4日間定期的に随意、提供した。飼料は随意に提供した。本実験のコントロールグループは、通常の条件に従って4日間、トリ籠へ入れて飼育した。
【0086】
最適な有効用量を決定するために、ニワトリの各グループへ1週間のうち1〜4日の期間で組成物1を投与した。ニワトリを毎日観察して、羽の逆立ち、元気の無い様子、元気の無いトリ、またはストレスまたは不快感を示す他の兆候を含めて、気分の不調または異常行動の現われを探した。あらゆる障害または異常は毎日ごとに記録した。実験の終了後、ニワトリは安楽死させ、個別に解剖してあらゆる障害を検査した。収集したサンプルは組織学的評価のために10%ホルマリンへ漬けた。
【0087】
飼料および水は、毎日、トリ籠ごとに重量を測定した。量はデータ収集形式で記録した。1日目に、飼料および水を最初に測定および記録した。2〜4日目には、追加的な飼料および水を測定して、飼料および水の表へ追加的に記録した。5日目には、残った飼料および水を秤量し、実験全体の期間にトリ籠ごとで消費された飼料および水の総量を計算した。
【0088】
表2には、体重変化のデータを要約した。低飼料、低水分、低飼料および水分、中飼料、高飼料、鼻、およびコントロールを与えたニワトリについては、処理グループ間の相違は統計学的に有意ではなかった。
【0089】
【表2−1】

【0090】
【表2−2】

【0091】
【表2−3】

【0092】
表3には、水および飼料の消費データを要約した。この表では、データはトリ籠ごとの基準で要約した。未使用の4つのトリ籠は、自然に起こる飼料および水の損失を示す解析に含めた。低飼料、低水分、低飼料および水分、中飼料、高飼料、鼻、およびコントロールを与えたニワトリについては、処理グループ間の相違は統計学的に有意ではなかった。
【0093】
【表3−1】

【0094】
【表3−2】

【0095】
【表3−3】

【0096】
表4には、飼料消費データに対する体重増加の比率を要約した。この表では、データはトリ籠ごとの基準で要約した。この解析によって、以下の処理グループ間の相違は統計学的に有意でないことが明らかとなった:低飼料、低水分、低飼料および水分、中飼料、高飼料、鼻、およびコントロール。
【0097】
【表4−1】

【0098】
【表4−2】

【0099】
【表4−3】

【0100】
これらの結果は、家禽への組成物1の適切な用量を提供する。データは、様々な(低、中、および高)濃度の薬用飼料を、安全性の問題または許容性の問題なしに、成長期の家禽へ提供可能であることを示している。
【実施例3】
【0101】
希釈していない実施例1の抗ウイルス組成物である組成物1、および10倍連続希釈法により希釈した組成物を調製し、VERO E6細胞および受精後10日のニワトリ胚含有卵中で、NDVに対する抗ウイルス活性を試験した。更に、プラセボも同様に希釈して試験した。
【0102】
VERO E6連続継代性細胞系(CRL−1586)はAmerican Type Culture Collection(メリーランド州、Rockdale)から入手し、2mM L−グルタミン、1.5g/L 重炭酸ナトリウム、0.1mM 非必須アミノ酸、1.0mM ピルビン酸ナトリウム、および10%ウシ胎仔血清(Invitrogen Corp[Gibco],カリフォルニア州、Carlsbad)を添加した最小必須(イーグル)培地中で、37℃および5%COで増殖させた。細胞は、T75 flask(BD Biosciences,ニュージャージー州、Franklin Lakes)中で増殖させ、96穴プレートへ移して、90%コンフルエントまで成長させた。
【0103】
組織培養感染用量50(Ttissue culture infectious dose50:TCID50)の濃度1×10のNDVのB1/B1株を、抗ウイルス化合物、または細胞培養維持培地(1%ウシ胎仔血清を含む)中で調整したプラセボの(細胞に対して非毒性の、1×10−3希釈から始まる)7つの10倍希釈系列と混合した。混合物は室温で30分間インキュベートして;次に細胞への接種のために、各混合物の9つの10倍希釈系列を調製した。細胞培地を細胞から除去して、前記混合物を単層上へ接種した。細胞培養維持培地のみを与えたネガティブコントロールのウェルも、同様に実験に含めた。37℃および5%COで7日間、細胞をインキュベートして、毎日2回、細胞変性効果(cytopathic effects:CPE)の検査を行った。
【0104】
図1は、NDVへの抗ウイルス効果の結果を示している。図3は、本発明の組成物によるウイルス感染から保護されたVERO E6細胞、および組成物を適用しておらず、NDVウイルスCPEに感染した細胞を示している。1×10−3希釈により、NDVのTCID50力価が5倍に低減され、当該組成物の1×10−4希釈によりNDV力価が1.8倍低減された。それ以上に希釈した当該組成物はいずれもNDVの力価を低減しなかった。それに対して、プラセボではどの希釈率でもNDVのウイルス力価の低減は観察されず、これは組成物が抗ウイルス効果に関与していることを示している。更に、陰性対照のウェルではCPEは全く見られなかった。
【0105】
組成物の効能を決定するために、NDVに感染したニワトリ胚含有卵においても試験を行った。ニワトリ胚含有卵も、VERO E6細胞と同様の方法で調整した。組織培養細胞の代わりに受精後10日のニワトリ胚含有卵に接種したこと、および化合物は胚に対して毒性を示さないため、組成物3およびプラセボは希釈しないものから始めたこと、以外については実験計画は同一とした。特定病原体未感染(Specific pathogen free:SPF)のニワトリ受精卵は、Sunrise farms(ニューヨーク州、Catskill)から入手し、37℃で10日間インキュベートした。PBS(pH7.4)中で調製した組成物またはプラセボの未希釈物および各10倍希釈系列物200μlを用意して、1×10胚感染用量50(EID50)または1×10 EID50のNDVと混合したものを、胚含有卵の漿尿嚢(chorioallantoic sac:CAS)中へ接種した。PBSのみを与えたネガティブコントロール卵もまた、含めた。卵は37℃でインキュベートし、7日間、毎日明りに透かして検査して、死亡率を記録した。最初の24時間以内に生じたあらゆる死亡は、接種に関連した外傷によるものと判断して無視した。7日目に、残った全ての卵を4℃に冷却し、殻を開けて臨床的兆候について胚を検査した。
【0106】
図2は、未希釈組成物の滴定濃度の100倍の減少を示しているが、1×10−1〜1×10−5の組成物の希釈については100倍以下の減少が観察され、1×10−6においては極めて微量の減少のみが観察された。VERO E6細胞と同様に、プラセボは胚含有卵中のいずれのウイルスの力価も軽減せず、このことは組成物中の有効成分が抗ウイルス効果に関与していることを示している。従って、組成物1は低および高濃度において、NDVに対して測定可能なだけの効果を有していると思われる。
【0107】
本発明の数量的特徴および利点が、前述の記載において本発明の構造および機能の詳細と共に説明されているが、開示内容は説明のためのみのものであり、特に本発明の本質の範囲内の形状、大きさ、および部品の配置については、添付の請求項が表現する用語の広範な意味によって示される最大限まで変更することが可能であることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューカッスル病ウイルス株を有するトリの治療方法であって、
ニューカッスル病を保持したトリに、安全かつ有効な量の組成物を投与する工程を有するものであり、前記組成物は、
ターメリック粉末抽出物、ターメリック液体抽出物、ターメリック抽出物、ターメリック粉末、ターメリックの植物全体の少なくとも一部、ターメリックのチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第1の成分と、
緑茶粉末、緑茶粉末抽出物、緑茶液体抽出物、緑茶の植物全体の少なくとも一部、緑茶のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第2の成分と、
生姜粉末抽出物、生姜液体抽出物、生姜粉末、生姜の植物全体の少なくとも一部、生姜のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第3の成分と、
セイヨウワサビ粉末抽出物、セイヨウワサビ液体抽出物、及びセイヨウワサビ根抽出物から成る群から選択される第4の成分と、
許容可能な担体と
を含む組成物であり、
前記量は、投与した場合に、他のトリによるニューカッスル病の罹患率を軽減するのに有効な量である、方法。
【請求項2】
ニューカッスル病の罹患率または伝染性を軽減するために組成物を予防的に使用する方法であって、ニューカッスル病に曝露された、または曝露されるトリに、安全かつ有効な量の組成物を投与する工程を有し、前記組成物は、
ターメリック粉末抽出物、ターメリック液体抽出物、ターメリック抽出物、ターメリック粉末、ターメリックの植物全体の少なくとも一部、ターメリックのチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第1の成分と、
緑茶粉末、緑茶粉末抽出物、緑茶液体抽出物、緑茶の植物全体の少なくとも一部、緑茶のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第2の成分と、
生姜粉末抽出物、生姜液体抽出物、生姜粉末、生姜の植物全体の少なくとも一部、生姜のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第3の成分と、
セイヨウワサビ粉末抽出物、セイヨウワサビ液体抽出物、及びセイヨウワサビ根抽出物から成る群から選択される第4の成分と、
許容可能な担体と
を含む組成物であり、
前記量は、投与した場合に、前記処理したトリに曝露した他のトリの罹患率を軽減するために有効な量である、方法。
【請求項3】
請求項1〜2記載のいずれか1つの方法において、前記組成物は、乾燥製剤、液剤、錠剤、カプセル、飼料添加物、および水添加物から成る群から選択される形態で投与されるものである。
【請求項4】
請求項1〜2記載のいずれか1つの方法において、前記組成物は、エアロゾル、スプレー、または霧として投与されるものである。
【請求項5】
請求項1〜2記載のいずれか1つの方法において、前記組成物は、インオボ(in ovo)で投与されるものである。
【請求項6】
請求項1〜2記載のいずれか1つの方法において、前記組成物の投与は、器具に存在するニューカッスル病ウイルスの少なくとも一部を不活性な状態にするために、前記器具の物品を消毒するのに有効な量の前記組成物を使用する工程をさらに有するものである。
【請求項7】
請求項1〜6記載のいずれか1つの方法において、第1の原料はターメリック抽出物を含み、第2の原料は緑茶抽出物を含むものである。
【請求項8】
請求項1〜7記載のいずれか1つの方法において、前記組成物の1グラム当たりは、約0.001mg〜約20mgの緑茶抽出物、および約0.0011mg〜約30mgのターメリック粉末抽出物を含むものである。
【請求項9】
請求項1〜8記載のいずれか1つの方法において、前記第3の原料は生姜抽出物を含むものである。
【請求項10】
請求項1〜9記載のいずれか1つの方法において、前記組成物は約0.001mg〜約30mgのターメリック粉末抽出物を含むものである。
【請求項11】
請求項1〜10記載のいずれか1つの方法において、前記第4の成分は、セイヨウワサビ油を含むものである。
【請求項12】
請求項1〜11記載のいずれか1つの方法において、前記組成物は、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、リン脂質、中鎖脂肪酸トリグリセリド油、および水から成る群から選択される1若しくはそれ以上の原料をさらに有するものである。
【請求項13】
トリの餌であって、
トリの飼料成分と、
安全かつ有効な量の組成物と
を有し、前記組成物は、
ターメリック粉末抽出物、ターメリック液体抽出物、ターメリック抽出物、ターメリック粉末、ターメリックの植物全体の少なくとも一部、ターメリックのチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第1の成分と、
緑茶粉末、緑茶粉末抽出物、緑茶液体抽出物、緑茶の植物全体の少なくとも一部、緑茶のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第2の成分と、
生姜粉末抽出物、生姜液体抽出物、生姜粉末、生姜の植物全体の少なくとも一部、生姜のチンキ剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される第3の成分と、
セイヨウワサビ粉末抽出物、セイヨウワサビ液体抽出物、及びセイヨウワサビ根抽出物から成る群から選択される第4の成分と
を含む組成物であり、
前記量は、トリに飼料として投与した場合、ニューカッスル病を治療、前記トリにおけるニューカッスル病の発症を軽減、または前記治療したトリに曝露した他のトリでのニューカッスル病の発症を軽減するために有効な量である、トリの餌。
【請求項14】
請求項13記載のトリの餌において、前記第1の成分はターメリック抽出物を含み、前記第2の成分は緑茶抽出物を含むものである。
【請求項15】
請求項13〜14記載のいずれか1つのトリの餌において、前記組成物は1グラム当たりに、約0.001mg〜約20mgの緑茶抽出物、および約0.001mg〜約30mgのターメリック粉末抽出物を含むものである。
【請求項16】
請求項13〜15記載のいずれか1つのトリの餌において、前記第3の成分は生姜抽出物を含むものである。
【請求項17】
請求項13〜16記載のいずれか1つのトリの餌において、前記組成物は、約0.001mg〜約30mgの生姜抽出物を含むものである。
【請求項18】
請求項13〜16記載のいずれか1つのトリの餌において、前記第4の成分はセイヨウワサビ油を含むものである。
【請求項19】
請求項13〜18記載のいずれか1つのトリの餌において、前記組成物は、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、リン脂質、中鎖脂肪酸トリグリセリド油、および水から成る群から選択される1若しくはそれ以上の成分をさらに含むものである。
【請求項20】
請求項13〜19記載のいずれか1つのトリの餌において、前記トリの餌は、前記トリの餌の総重量に基づいて約0.001〜約50重量%の前記組成物を含むものである。
【請求項21】
請求項13〜19記載のいずれか1つのトリの餌において、前記トリの餌は、前記トリの餌の総重量に基づいて約0.01〜約30重量%の前記組成物を含むものである。
【請求項22】
請求項14〜19記載のいずれか1つのトリの餌において、前記トリの餌は、前記トリの餌の総重量に基づいて約0.1〜約20重量%の前記組成物を含むものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−513312(P2010−513312A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541610(P2009−541610)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/087536
【国際公開番号】WO2008/074028
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(503220565)ザ キグリー コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】