説明

ヌクレオチド及びヌクレオシド(XiTP)類似体の組合せ生産

【課題】下記式で表される化合物の提供。
【解決手段】本発明は、突然変異を誘導し得るかあるいはDNAポリメラーゼまたはキナーゼを抑制し得る化合物(式I)を調製するための初期シントンとして用いられる反応性ヒドラジド官能基を含む新規ヌクレオチド類似体に関する。本発明は、前記ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体を含む核酸にも関する。このような化合物の中の1つとしては、特に式(I)の化合物が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突然変異を誘導し得るかあるいはDNAポリメラーゼまたはキナーゼを抑制し得る化合物(式I)を調製するための初期シントンとして用いられる反応性ヒドラジド官能基(式II)を含む新規のヌクレオチド類似体に関する。本発明は、前記のヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体を含む核酸にも関する。
【背景技術】
【0002】
一般に利用可能なヌクレオチド阻害剤(アシクロビル、ガンシクロビル、AZT、ddC、d4T、3TC)は、長期治療および反復投与の場合に望ましくない二次作用を生じる。一方で、これらのヌクレオチド類似体の固有の毒性は、特に、それらがポリメラーゼまたは既定の逆転写酵素に相対して特異性を欠き得るという事実から起こる。他方、一定期間後、用量が増大された場合でも、ウイルスはこれらの阻害剤に耐性になる。
【0003】
新規のヌクレオチド阻害剤の合成は、HIV、CMVおよびHSVのようなウイルス感染の治療方法の更新に対する重要な寄与を示す。Hutchinson(1990)は、極大集団の修飾化ヌクレオチドの合成に関連づけられる多数の困難が存在することを示す。例えば、基の各付加または修飾を用いて塩基のまたはリボースの反応性官能基を保護することが必要であると思われる。
単一過程でライブラリーからヌクレオチドまたはヌクレオシド類似体を生成することを可能にする塩基性シントンのために、本発明はこれらの困難を克服することを可能にする。これらのライブラリーのおかげで、例えば高特異的HIV逆転写酵素阻害剤をスクリーニングすることができる。
【0004】
不確かな(ambiguous)対合、即ちマトリックス鎖からの4つの塩基A、C、GおよびTのうちの1つより多くに応答するプライマー鎖中に組入れられ得る対合を用いる新規ヌクレオチドの調製も、突然変異誘発過程を遂行するのに不可欠である(Sala et al., 1996; Zaccolo et al., 1996; Pochet et al., 1997)。究極的突然変異誘発剤は、トリホスフェートとして組入れられる段階で、次にそれがマトリックスとしてコピーされる場合、4つのカノニカル塩基と対合し得るDNAモノマーから成る。
【0005】
このような不確かな(ambiguous)塩基のデオキシヌクレオシドトリホスフェートは、DNAポリメラーゼによる複製中に3つの他の塩基のいずれかにより任意のカノニカル塩基を複製することを可能にする。さらに、不確かな(ambiguous)塩基の組入れによるin vivo高突然変異誘発過程は、プラスミドにより保有される遺伝子の指向性進化プロトコールを単純化し、促進する一方、見当違いのPCRによる費用のかかる取扱いの必要性をなくす。その他の用途における両意的塩基の使用を正当であるとする要約は、参考文献(Bergstrom et al., 1995; Loakes et al., 1995; Hill et al., 1998)中に見出され得る。
【0006】
さらに、単純化されるがしかし4つのDNA塩基、言い換えればA、C、GおよびT置換基の各々と同じ1対1対合能力を付与される化学構造の発見は、種々の標的核酸増幅および検出技法に用いられ得る新規のプローブまたは新規のプライマーの調製を可能にする。
さらに、例えばアミノ酸のファミリー中に置かれ、したがってDNAを官能化することを可能にする反応性分子を、式II(以下参照)の初期シントン上にグラフトすることが可能である。
【0007】
位置4および5で置換される単純イミダゾール核中に単純化プリンを保有するデオキシヌクレオシドは、Pochet et al, 1998に記載されている。これらのヌクレオシドは、グリコシド結合(シンおよびアンチ配座)およびカルボキサミド結合(「A様」および「G様」)周囲の回転により、4つのカノニカル塩基と水素結合を固有に形成し得る(Pochet et al, 1995; Pochet et al, 1998)。DNAポリメラーゼによるこれらのヌクレオシドの組入れ(LeBee et al., 1997)およびそれらの対合の突然変異誘発作用は、Sala et al., 1996; Pochet et al, 1997に記載されている。
【0008】
本発明の範囲内では、可変性側基が、カルボヒドラジド基を介して単純化DNAモノマー(以後、X0と呼ぶ)にグラフトされ得る。この初期シントンは、一工程でDNAポリメラーゼの多重置換基を調製するのを可能にする。カルボヒドラジド基は、任意のアルデヒドまたはケトンと縮合し得る高反応性官能基を構成する。したがって同じ数のヒドラゾン誘導体(以後X1と呼ぶ)が、X0から生成され得る。X1の還元により、同じ数のヒドラジン誘導体(以後、X2と呼ぶ)が生成され得る。
【発明の概要】
【0009】
したがって本発明は、一般式I:
【化1】

【0010】
〔式中、
R1基は水素、あるいはホスフェート、ジホスフェートまたはトリホスフェート基から選択される基あるいはDMTのような保護基を表し;
R2およびR2’は互いに別々にH、OH、ホスホルアミダイトおよびその誘導体、H−ホスホネート並びに延長ターミネーターTから選択され;
R3およびR3’は互いに別々にH、OH、ハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R5基から選択され、R5基は炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表し;
R4は式:
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Eは炭素数0〜20の飽和または不飽和炭素鎖から成るスペーサーアームを意味し、これは異種原子を含むこともあり、および/または任意に置換される)
の置換複素環(丸で表される)を表し、前記複素環が:
a)次式の5−原子複素環:
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、各Xは互いに別々にCH、C-R6またはN基を表し、R6はハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R7またはS-R7基から選択され、R7は水素または炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表す)であって、前記複素環は特にアゾールファミリー、例えば以下の環:
【0015】
【化4】

に属し、
【0016】
b)次式の6−原子環、特にピリミジン:
【化5】

【0017】
c)次式のプリン類似体:
【化6】

【0018】
(式中、
Y1はNH2(シントンX0と称する)または:
【化7】

基を表し、
【0019】
Y2およびY3は互いに別々にH、OH、O、NH2、ハロゲン(F、Br、Cl、I)、SCH3、SH、アミン、アミド(-NH-CO-R方向で)、あるいは炭素数1〜6の分枝鎖または線状アルキル(-OR方向)から選択され、
Z1およびZ2は互いに別々にHおよび有機基から選択される)
から選択される〕
により表される化合物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明に関連する物質に合成経路を示す。
【図2】図2は、本発明に関連する物質に合成経路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
「プリン」および「ピリミジン」という用語に関しては、Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology, Oxford Press, 1997に示された定義を参照すべきである。これらの化合物の合成経路の例は、この文書の546〜547ページに記載されている。
B化合物に関しては、図2に示された合成例は、リボおよびデオキシシリーズのヌクレオシドに、ならびにリン酸化誘導体に通用する。XがCONHNH2である場合、シントンX0はスペーサー腕CH=CHCONH(CH2)n(この例ではn=6)を含む本発明にしたがって生成される。
【0022】
シトシンX0、X1およびX2の中で、本発明は特に、X0TP、X1TPおよびX2TPと呼ばれるヌクレオシド類似体およびヌクレオチドトリホスフェート類似体に関する。本発明のヌクレオチド類似体は、好ましくは、本目的が核酸中へのそれらの組入れを包含する場合に用いられる。本発明のヌクレオシド類似体は、好ましくは、特に薬剤の製造のために、細胞中でin situでポリメラーゼを抑制するために用いられる。
【0023】
式Iの化合物において、R1基は好ましくは前記で言及された目的によりトリホスフェート基または水素を表す。同様に、所望の目的によれば、R2およびR2’基の少なくとも1つはOH基を表し、これは、その存在がポリメラーゼ阻害剤を生成するために望ましい場合には、ポリメラーゼまたはターミネーター基Tによる延長の継続を可能にする。したがってR2およびR2’基の少なくとも1つは、好ましくはF、Br、Cl、I、N3および炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基から選択されるT基を表し得る。もちろん、延長ターミネーターとして機能する任意の等価基は、レトロウイルス逆転写酵素を抑制する化合物の調製のために意図される。
【0024】
有益には、Y1がNH2である場合、本発明の目的は、一般式II:
【化8】

【0025】
(式中、R1、R2、R2’、R3、R3’およびEは式Iの基に対応する)
の初期シントン(シントンX0)である。このような化合物の中で、本発明は特に、dX0TP(式中、R1はトリホスフェート基であり、そしてR3およびR3’はHを表す)と呼ばれる化合物に関する。
【0026】
上で説明された式IIの化合物は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド類似体のライブラリーの調製のための初期シントンとして用いられ得る。それらのカルボヒドラジド基は、事実上、縮合後にX1シントンをまたは還元後にX2を生じるアルデヒドまたはケトン官能基を含む任意の分子と単一工程でこれらの化合物を結合することを可能にする。
【0027】
アルデヒドまたはケトン官能基を含む任意の分子との式IIの化合物(シントンX0およびX0TP)の縮合により、式Iの化合物が生成され、この場合、Y1は一般式:
【化9】

【0028】
(式中、Z1およびZ2は互いに別々に水素または有機基を表す)を表す。これらの化合物は、X1TP(ヌクレオチドトリホスフェート類似体)またはX1(ヌクレオシド類似体)と呼ばれる。
【0029】
このような化合物を還元して、式Iの化合物(シントンX2およびX2TP)を生成し得るが、この場合、Y1は一般式:
【化10】

【0030】
を表す。例えばZ1およびZ2基の少なくとも1つが芳香族から、特に次式:
【化11】

【0031】
の基から選択される化合物が言及される。Z1およびZ2基のうちの少なくとも1つは、チオール、アルキル、カルボニル、アミン、アルコール、アリールおよびアミノ酸基からも選択され得る。
【0032】
別の局面から、本発明の化合物は、Z1またはZ2がY3とともに環を形成することを特徴とし得る。
特定の実施態様では、本発明は、Z1またはZ2が蛍光または燐光マーカー、特にフルオレサミンまたはフルオレセインを含む前記の化合物に関する。例えばフルオレサミンは、化合物をマークするために、または核酸内のその存在を検出するために反応され得る。
【0033】
したがって化合物は、スペーサーアームおよびマーカー、例えば次式:
【化12】

の化合物を用いて調製され得る。
【0034】
有益には、前記の化合物はポリメラーゼの基質であって、天然塩基と対合を形成し得るし、逆転写酵素および/またはヌクレオチドキナーゼの基質である。
さらに、前記の化合物は、特にDNポリメラーゼ、レトロウイルス逆転写酵素およびキナーゼにより、核酸中に突然変異を導入し得るし、あるいはDNAまたはRNAの合成を遮断し得る。キナーゼの中では、モノ−またはジ−ホスフェートヌクレオチドをin vivoまたはin vitroでリン酸化し得る任意のキナーゼ、特にデオキシシチジンキナーゼ、特に米国特許第5,914,258号に記載されたヒトDCK2、デオキシグアノシンキナーゼおよびチミジンキナーゼを意味する。
【0035】
したがって、Y1がNH2である本発明の化合物は、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド類似体のライブラリーの調製のための初期シントンとして用いられ得るし、ならびに前記の類似体のうち、突然変異を誘導し、および/またはDNAまたはRNAの合成を遮断し得るものが同定され得る。
本発明は、前記の一般式IIの化合物の製造方法であって、以下の工程:
【0036】
a)複素環として次式:
【化13】

【0037】
(式中、Xは互いに別々にCH、C-R6またはN基を表し、R6はハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R7またはS-R7基から選択され、R7は水素または炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表す)
の5-原子複素環を有し、前記複素環が特にアゾールファミリー、例えば以下の環:
【0038】
【化14】

に属するヌクレオシドの調製、
【0039】
b)5’アルコールの保護、ならびにヒドラジンの作用によるエチルエステル官能基のカルボヒドラジド官能基への転化、
c)保護基、例えばベンジルオキシカルボニル基によるカルボヒドラジド基のアミン官能基の保護、位置3’におけるアルコールのアセチル化、
d)位置5’におけるアルコールの脱保護化後のリン酸化、ならびに
e)ベンジルオキシカルボニル基の水素化分解、
【0040】
を包含することを特徴とする方法にも関する。工程a)は、好ましくは、デオキシリボースの場合にはN−トランスデオキシリボシラーゼにより実行され、そして工程d)はジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でシアノエチルホスフェートによるヌクレオシドのリン酸化;位置3’におけるアルコールのおよび5’ホスフェートのシアノエチル基の基本培地中での共在放出;次にモルホリデートの形態の5’活性化ホスフェートへのピロホスフェートの縮合から成る。
【0041】
一般式IIの化合物から、アルデヒドまたはケトンと一般式IIの化合物との縮合と、その後の還元により、前記の一般式Iの化合物を調製することが可能である。式Iの化合物のライブラリーを生成するために、一般式IIの1つまたはそれ以上の化合物(単数または複数)をアルデヒドおよび/またはケトンのライブラリーと反応させ、任意にその後還元することが可能である。
【0042】
図1に記載された合成経路は、本発明の方法の特定の実施態様を説明する。デオキシリボースの供給源としてチミジンを採用するライヒマン乳酸桿菌ラクトバチルス・ライクマニー(Lactobacillus leichmannii)のタンパク質抽出物の形態で精製せずに用いられるN−トランスデオキシリボシラーゼの作用により、イミダゾール−4−カルボン酸のエチルエステルはそのデオキシヌクレオシドに転化された。ジメトキシトリチル基による位置5’におけるアルコールの保護後、エチルエステル官能基を保有するヌクレオシドは次に、ヒドラジンの作用によりそのカルボヒドラジド誘導体に転化された。カルボヒドラジド基のアミン官能基は次に、ベンジルオキシカルボニル基の縮合により保護された。
【0043】
位置3’におけるアルコールのアセチル化および位置5’に置けるアルコールの放出後、生成されたシントンは以下のリン酸化過程に付された:即ち、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でのシアノエチルホスフェートによるリン酸化;位置3’におけるアルコールの、および5’ホスフェートの基本培地中での共在的放出;モルホリデートの形態の5’活性化ホスフェートへのピロホスフェートの縮合。カルボヒドラジドの反応性シントンデオキシヌクレオシドトリホスフェートdX0TPの製造は、ベンジルオキシカルボニル基の水素化分解により達成された。
【0044】
Z1-CHOおよびZ1CO-Z2とのdX0TPカルボヒドラジドの縮合は、dX1TPヒドラゾン誘導体を、ついで還元後にdX2TP化合物をもたらす。
本発明の他の局面は、前記の方法を用いて生成され得る化合物に、そして一般式IIの1つまたはそれ以上の化合物がアルデヒドおよび/またはケトンのライブラリーと反応させられる場合に生成され得る一般式Iの化合物のライブラリーに関する。
【0045】
本発明は、核酸中に突然変異を導入し得る化合物の同定方法であって、i)Y1がNH2基である式Iの化合物を合成オリゴヌクレオチド中に組入れ、ii)少なくとも1つのアルデヒドおよび/またはケトンとの縮合により前記化合物を反応させ、任意にその後還元して、iii)ポリメラーゼを用いて前記のオリゴヌクレオチドを複製し、そして突然変異が新規合成鎖中に導入されていたか否かを確定することからなる過程を含む方法にも関する。
【0046】
したがって別の実施態様では、本発明は、核酸の局在化突然変異の方法であって、i)本発明の少なくとも1つの化合物を含む合成オリゴヌクレオチドが調製され、ii)前記のオリゴヌクレオチドがポリメラーゼを用いて複製されることを特徴とする方法に関する。
別の実施態様では、本発明は、核酸の増幅のための少なくとも1つの前記の化合物を含む反応混合物を用いることから成る過程を包含する核酸の無作為突然変異のための方法に関する。このような無作為突然変異誘発方法は、有意のポリペプチドの活性を修飾するのに特に有用である。
【0047】
延長、複製および増幅のために、エキソ−DNAポリメラーゼ、例えばTaqポリメラーゼ、クレノウ断片およびベントポリメラーゼを用いることができる。
しかしながらその存在が本発明の化合物をスクリーニングするために望ましい場合には、エキソ+DNAポリメラーゼを用い得るが、これはエキソヌクレアーゼ活性に耐性である。このような化合物は、突然変異検出方法に特に有用である。
【0048】
付加的局面は、ポリメラーゼ、特に逆転写酵素および/またはキナーゼ、特にモノ−またはジ−ホスフェートヌクレオチドをin vivoまたはin vitroでリン酸化し得る任意のキナーゼ(デオキシシチジンキナーゼ、デオキシグアノシンキナーゼおよびチミジンキナーゼ)から選択される酵素を抑制し得る化合物の同定方法であって、前記酵素の活性が本発明の少なくとも1つの化合物の存在下で試験されることを特徴とする方法に関する。
【0049】
この方法では、レトロウイルスに感染した細胞に及ぼす少なくとも1つの前記の化合物の作用を試験し得るし、前記の化合物は、ヌクレオシドの形態で見出される。ヌクレオシドは、ホスフェート基の負電荷のために、実際、細胞の膜を通過し得るが、これはヌクレオチドを用いた場合にはそうではない。したがって大規模スクリーニングは、本発明のライブラリーを用いて実行され、そしてルーチン実験によるライブラリーの断片を用いた反復過程は、ウイルスの複製を遮断する1つまたはそれ以上の化合物(単数または複数)の同定をもたらす。
【0050】
本発明は、前記の方法を用いて生成され得る化合物に関する。
さらに本発明の化合物は、標的核酸の増幅および/または検出のためにプライマーまたはプローブ中に用いられ得る。
【0051】
「プローブ」または「プライマー」は、本発明の意味内で、10〜100、特に15〜35の天然または修飾ヌクレオチドを含む、前記の式Iに対応する少なくとも1つの化合物を含む、そして標的核酸とのハイブリダイゼーション複合体を形成するための確定条件でハイブリダイゼーション特異性を保有するヌクレオチド断片であると定義される。本発明のプローブは、特異的であっても非特異的であっても、固体支持体上に直接または間接的に固定され得る。それらはその場合、「係留プローブ」と呼ばれる。さらに前記のプローブはマーカー剤を保有して、それらの検出を可能にする。それらはその場合、「検出プローブ」と呼ばれる。
【0052】
「係留プローブ」は、任意の適切な手段により、例えば固体支持体上での共有原子価により、吸着により、または直接合成により、固体支持体上に固定されるかまたは固定可能である。これらの技法は特に、特許出願WO 92/10092に記載されている。最も一般的な方法は、支持体(例えばニトロセルロース、ナイロンTM、ポリスチレン)上に異なる組織の細胞からまたは培養細胞から抽出された核酸を固定し、そして十分に限定された条件下で、プローブと固定された標的核酸をインキュベートすることから成る。ハイブリダイゼーション後、余分のプローブが排除され、形成されたハイブリッド分子が、適切な方法(プローブと結合された放射能、蛍光または酵素活性の測定)を用いて検出される。
【0053】
「検出プローブ」は、例えば放射性同位元素、酵素、特に色原性、蛍光原性または発光性基質に作用し得る酵素(特にペルオキシダーゼまたはアルカリ性ホスファターゼ)、発光団性化学化合物、色原性、蛍光原性または発光性化合物、ヌクレオチド塩基類似体およびリガンド、例えばビオチンから選択されるマーカーによりマークされ得る。本発明により生成されたプライマーまたはプローブのマーキングは、放射性元素または非放射性分子により実行される。非放射性物質は、リガンド、例えばビオチン、アビジン、ストレプタビジン、ジオキシゲニン、ハプテン、着色剤、発光剤、例えば放射性発光剤、化学発光剤、生物発光剤、蛍光剤(フルオレセインイソチオシアネートFITC、R−フィコエリトリンPE、クアンタムレッドTM(SIGMA)およびフルオレサミン(Molecular Bioprobes))ならびに燐光剤から選択される。
【0054】
特定の実施態様では、本発明は、式Iの有標化合物に関する。前記のように、式IIの化合物は、アルデヒドまたはケトン官能基を含む分子と縮合され得る。この場合、前記の分子は、発色団型マーカー、色原性、蛍光原性または発光化合物あるいはリガンド、例えばビオチンを保有する。
【0055】
式Iの少なくとも1つの化合物を含む核酸は、本発明の目的物である。それらは、PCR型技法に利用され得る(Erlich, 1989; Innis et al., 1990およびRolfs et al., 1991)。この技法は、増幅される断片をフレーミングするオリゴヌクレオチドプライマーの対の選択を要する。例えば、米国特許第4,683,202号に記載された技法が参照され得る。その他の増幅技法は、有益には、PCR(PCR様)の代替物として、本発明のプライマー対の助けを借りて用いられ得る。「PCR様」という用語は、核酸配列の直接または間接的再現を用いる、あるいはマーキング系が増幅されたすべての方法を意味するよう意図されており、これらの技法は当業者に周知である。
【0056】
本発明は、本発明の化合物または本発明の核酸を含む標的核酸および製剤組成物の増幅および/または検出のためのキットに関する。本発明は、リボザイムとしての前記の核酸の使用にも関する。「リボザイム」という用語は、本発明の意味内では、触媒的特性、あるいはタンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは遺伝子の活性または発現の調整という特性を有する核酸、核酸誘導体または核酸およびペプチド間の化学的ハイブリッドを指す。したがって本発明の核酸は、酵素の代わりに置換され得る。
【0057】
別の局面から、本発明は、式Iの少なくとも1つの化合物を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。「アンチセンス」という用語は、転写または翻訳を遮断する標的DNAまたはRNAの相補的オリゴヌクレオチドを指すことを意味する。使用例は、特にWO9954463、WO9838204、WO9829448、WO9735960、WO9710840およびWO9625497に示されている。それゆえ、本発明の前記の核酸は、薬剤として、ならびに治療方法として有用である。
本発明は、薬剤の製造のための、特にレトロウイルス感染および癌の治療を意図された薬剤の製造のための前記の化合物の使用にも関する。
【実施例】
【0058】
実施例1本発明の好ましい化合物の製造方法(図1)
トリホスフェート1の合成は、中性条件で放出され得るヒドラジン官能基上の一時的保護基の導入を包含する。この目的のために、ベンジルオキシカルボニル基を選択した。TenerとMoffattが記載した手法にしたがって、3工程でトリホスフェート鎖を導入した。Pochet et al. 1995により以前記載されたように、N−デオキシリボシルトランスフェラーゼを用いて酵素的トランスグリコシル化により、化合物2からヌクレオシド3を生成した。
【0059】
ピリジン中の化合物3の5’−ジメトキシトリチル化は、収率73%で化合物4を生成するのを可能にした。60℃での大余分量のヒドラジン水和物による化合物4の処理は、付加的精製なしで次の段階に用いられ得る化合物5を生じた。
化合物5をベンジルオキシカルボニルスクシンイミドと反応させることにより、ベンジルオキシカルボニル基を導入して、化合物6を収率81%で生成した。ピリジン中の無水酢酸を用いたアシル化は、3’−O−アセチル化化合物7(24%)および3’−O,N−ジアセチル化化合物8(38%)に対応する2つの主要化合物の混合物を生じた。DMAPにより触媒されたトリエチルアミンの存在下で無水酢酸(2.2当量)を用いてアセトニトリル中で完全アセチル化を迅速に生じて、収率80%での化合物8の生成を可能にした。
【0060】
化合物8の脱トリチル化後、DCCの存在下でピリジン中でのシアノエチルホスフェートとの化合物9の縮合と、その後のメタノール中の2%ナトリウムメチレートの溶液による処理は、5’モノホスフェート化合物11(52%)を生じた。モルホリデート化合物12を介して、2工程でトリホスフェート化合物13を得た(収率50%)。H2の存在下でのPd/C上での水素化分解により、保護ベンジルオキシカルボニル基の抑制を達成した。したがって化合物11および13の処理は、モノホスフェート14およびトリホスフェート1誘導体の生成を可能にした。
【0061】
実施例2アルデヒドとの化合物1の縮合
芳香族および脂肪族アルデヒドを用いて、ヒドラジン官能基の誘導化を実行した。先ず、モノホスフェート化合物14を、H2O/メタノール中の3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよびベンズアルデヒドで処理して、化合物15aおよび15bを得た。これらの生成物を逆相HPLCにより単離し、マススペクトロメトリー法により、ならびにNMRにより特性化した。同様に、TEAA緩衝液(pH7.5)中の化合物1を4℃でメタノール中の余分量のアルデヒドで処理して、化合物16aおよび16bを得た。トリホスフェート誘導体の構造を質量分析法により確証した。
【0062】
0.1 MのTEAA0.2 ml中の化合物1に、アルデヒド(0.1 mLのメタノール中25 μL)を付加した。2時間後、溶液を濃縮し、HPLCによりλ=230 nmで精製した(10 mM TEAA中0〜25%アセトニトリル)。精製産物を含有する分画を凍結乾燥し、陽イオン交換カラム(Dowex)に通して、ナトリウム塩の形態のトリホスフェートを得た。
【0063】
実施例3核酸中のdX0TPおよびdX1TP類似体の組入れ
類似体(dX0TP、dX1TP(a)およびdX1TP(b))を、エキソ−クレノウ断片により触媒されるプライマー延長実験に付した。T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて[γ−32P]ATPの反応により、プライマーをその5’末端にマークをつけた。適切なマトリックスおよび有標プライマーを75℃で15分間インキュベートし、次に1時間、徐々に室温に冷却した。異なる反応混合物において、既定のdX1TPの存在下でDNAポリメラーゼを用いて、プライマーの延長を実行した。次に試料を変性し、次いでポリアクリルアミドゲル(20%7 M尿素)上に載せた。電気泳動後、ホスホルイメージャーTMを用いてオートラジオグラフィーにより、ゲルを可視化した。
【0064】
参考文献
Bergstrom D.E., Zhang P., Toma P.H., Andrews P.C. & Nichols R. (1995)“Synthesis, structure, and deoxyribonucleic acid sequencing with a universal nucleoside: 1-(2'-deoxy-β-D-ribofuranosyl)-3-nitropyrrole” J.Am.Chem.Soc.117, 1201-1209.
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【0065】
Loakes D., Brown D.M., Linde S. & Hill F. (1995)“3-Nitropyrrole and 5-nitroindole as universal bases in primers for DNA sequencing and PCR”Nucleic Acids Research 23, 2361-2366.
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【0066】
Pochet S. & Dugue L. (1998)“Imidazole-4-carboxamide and triazole-4-carboxamide deoxynucleosides as simplified DNA building-blocks with ambiguous base pairing capacity”Nucleosides & Nucleotides 17 (9-11), 2003-2009.
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

〔式中、
R1基は水素、あるいはホスフェート、ジホスフェートまたはトリホスフェート基から選択される基あるいはDMTのような保護基を表し;
R2およびR2’は互いに別々にH、OH、ホスホルアミダイトおよびその誘導体、H−ホスホネート並びに延長ターミネーターTから選択され;
R3およびR3’は互いに別々にH、OH、ハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R5基から選択され、R5基は炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表し;
R4は式:
【化2】

(式中、Eは炭素数0〜20の飽和または不飽和炭素鎖から成るスペーサーアームを意味し、これは異種原子を含むこともあり、および/または任意に置換される)
の置換複素環(丸で表される)を表し、前記複素環が:
a)次式の5−原子複素環:
【化3】

(式中、Xは互いに別々にCH、C-R6またはN基を表し、R6はハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R7またはS-R7基から選択され、R7は水素または炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表す)であって、前記複素環は特にアゾールファミリー、例えば以下の環:
【化4】

に属し、
b)次式の6−原子環、特にピリミジン:
【化5】

c)次式のプリン類似体:
【化6】

(式中、
Y1はNH2(シントンX0と称する)または:
【化7】

基を表し、
Y2およびY3は互いに別々にH、OH、O、NH2、ハロゲン(F、Br、Cl、I)、SCH3、SH、アミン、アミド(-NH-CO-R方向で)、あるいは炭素数1〜6の分枝鎖または線状アルキル(-OR方向)から選択され、
Z1およびZ2は互いに別々にHおよび有機基から選択される)
から選択される〕
により表される化合物。
【請求項2】
R1基がトリホスフェート基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1およびR2’基のうちの少なくとも1つがOH基を表すことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
Tが好ましくはF、Br、Cl、I、N3および炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
Y1がNH2である一般式II:
【化8】

(式中、R1、R2、R2’、R3、R3’およびEは式Iの基に対応する)
のシントン(シントンX0)に対応することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
Y1が下記の基:
【化9】

(式中、Z1およびZ2は互いに別々に水素または有機基(シントンX1およびX1TP)を表す)から選択される基を表すことを特徴とする請求項1〜4記載の化合物。
【請求項7】
Y1が下記の基:
【化10】

(式中、Z1およびZ2は互いに別々に水素または有機基(シントンX2およびX2TP)を表す)から選択される基を表すことを特徴とする請求項1〜4記載の化合物。
【請求項8】
Z1およびZ2基のうちの少なくとも1つが芳香族から、特に次式:
【化11】

の基から選択されることを特徴とする請求項6および7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Z1およびZ2基のうちの少なくとも1つがチオール、アルキル、カルボニル、アミン、アルコール、アリールおよびアミノ酸基から選択されることを特徴とする請求項6および7のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Z1またはZ2がY3とともに環を形成することを特徴とする請求項6および7のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Z1またはZ2が蛍光または燐光マーカー、特にフルオレサミンを含むことを特徴とする請求項6および7のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
それらがポリメラーゼ、逆転写酵素および/またはヌクレオチドキナーゼの基質であることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
それらが天然塩基とともに対を形成することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
それらがポリメラーゼ、特にレトロウイルス逆転写酵素および/またはキナーゼを抑制することを特徴とする請求項12記載の化合物。
【請求項15】
以下の工程:
a)複素環として次式:
【化12】

(式中、Xは互いに別々にCH、C-R6またはN基を表し、R6はハロゲン(F、Br、Cl、I)、炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基およびO-R7またはS-R7基から選択され、R7は水素または炭素数1〜6の線状または分枝鎖アルキル基を表す)
の5-原子複素環を有し、前記複素環が特にアゾールファミリー、例えば以下の環:
【化13】

に属するヌクレオシドの調製、
b)位置5’におけるアルコールの保護、およびヒドラジンの作用によるエチルエステル官能基のカルボヒドラジド官能基への転化、
c)保護基、例えばベンジルオキシカルボニル基によるカルボヒドラジド基のアミン官能基の保護、位置3’におけるアルコールのアセチル化、
d)位置5’におけるアルコールの脱保護化後のリン酸化、ならびに
e)ベンジルオキシカルボニル基の水素化分解、
を包含することを特徴とする請求項5記載の一般式IIの化合物の製造方法。
【請求項16】
工程a)がN−トランスデオキシリボシラーゼにより実行されることを特徴とする請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
工程d)がジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でシアノエチルホスフェートによるヌクレオシドのリン酸化;位置3’におけるアルコールのおよび5’ホスフェートのシアノエチル基の基本培地中での同時放出;次にモルホリデートの形態の5’活性化ホスフェートへのピロホスフェートの縮合から成ることを特徴とする請求項15および16のいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
請求項5の一般式IIの化合物がアルデヒドまたはケトンと縮合されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の一般式Iの化合物の製造方法。
【請求項19】
請求項5の一般式IIの1つまたはそれ以上の化合物がアルデヒドおよび/またはケトンのライブラリーと反応させられ、任意にその後還元されることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれかに記載の方法を用いて生成され得る化合物。
【請求項21】
請求項19の方法を用いて生成され得る請求項1〜11のいずれかに記載の一般式Iの化合物のライブラリー。
【請求項22】
核酸中に突然変異を導入し得る化合物の同定方法であって、
i)Y1がNH2基である請求項1記載の化合物を合成オリゴヌクレオチド中に組入れ、
ii)請求項18または19記載の方法にしたがって前記化合物を反応させ、任意にその後還元して、
iii)ポリメラーゼを用いて前記オリゴヌクレオチドを複製し、そして突然変異が新規合成鎖中に導入されていたか否かを確定することからなる過程を含む方法。
【請求項23】
i)請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物を含む合成オリゴヌクレオチドが合成され、ii)前記オリゴヌクレオチドがポリメラーゼを用いて複製されることを特徴とする核酸の局在化突然変異のための方法。
【請求項24】
核酸の増幅のための請求項1〜11記載の少なくとも1つの化合物を含む反応混合物を用いることから成る過程を包含する核酸の無作為突然変異のための方法。
【請求項25】
DNAエキソポリメラーゼが用いられることを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ポリメラーゼ、特に逆転写酵素およびキナーゼから選択される酵素を抑制し得る化合物の同定方法であって、前記酵素の活性が請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物の存在下で試験されることを特徴とする方法。
【請求項27】
レトロウイルスの逆転写酵素を抑制し得る化合物の同定方法であって、請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物の作用がレトロウイルスに感染された細胞で試験され、前記化合物がヌクレオシド類似体の形態で見出されることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項21記載のライブラリーが用いられることを特徴とする請求項23〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物を含む核酸。
【請求項30】
無作為突然変異誘発方法における請求項1〜11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項31】
両意的塩基としての請求項1〜11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項32】
標的核酸の増幅および/または検出のためのプライマーまたはプローブにおける請求項1〜11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
前記化合物がマークされることを特徴とする請求項32記載の使用。
【請求項34】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物を含む標的核酸または請求項29記載の核酸の増幅および/または検出のためのキット。
【請求項35】
薬剤の調製のための請求項29記載の核酸の使用。
【請求項36】
薬剤の調製のためのリボザイムとしての請求項29記載の核酸の使用。
【請求項37】
薬剤の調製のためのアンチセンスとしての請求項29記載の核酸の使用。
【請求項38】
Y1がヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド類似体のライブラリーの調製のための初期シントンとしてのNH2である請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項39】
薬剤の製造のための請求項1〜11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項40】
レトロウイルス感染の治療を意図された薬剤の製造のための請求項39記載の使用。
【請求項41】
癌の治療を意図された薬剤の製造のための請求項39記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−240321(P2009−240321A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−154231(P2009−154231)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【分割の表示】特願2002−510495(P2002−510495)の分割
【原出願日】平成13年6月13日(2001.6.13)
【出願人】(591282984)アンスティテュ パストゥール (17)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)
【Fターム(参考)】