説明

ネイルアート玩具

【課題】簡単な操作で短時間に爪にネイルアートを施すことができるネイルアート玩具を提供すること。
【解決手段】玩具本体1内には所定のデザインのシールaがベーステープ6aの裏面に仮着されたシールテープ6を供給する供給リール4と、この供給リール6に巻きつけられたシールテープ6を巻取る巻取リール5とを所定の間隔をおいて配置し、上記巻取リール5を玩具本体1の外部から回転操作可能に構成し、上記供給リール4と巻取リール5との中間には上記シールテープ6の下方に指先を載置する載置部50を配置し、該載置部50に対面するシールテープ6の上方には上記シールテープ6を載置部50上の指の爪に押し付け、上記シールaを上記爪に転着する押圧部材33を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルアート玩具、詳しくはシールを爪に貼付して爪にアートを施すためのネイルアート玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、爪に装飾を施すネイルアートが普及しているが、ワンポイント・マークの模様を爪に描くことは至難の業で、この問題を解決する方法として爪の一部にワンポイントのマニキュアを施すことができるネイルアートシートが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このネイルアートシールは、異なる所定の模様を描いた切抜き線が形成された単体シールを、所定の台紙上に複数枚着脱自在に仮着したもので、好きなデザインの模様の付いた単体シールを選んで台紙から剥がし、爪に貼って、単体シールの上からマニュキュアを塗ることにより爪に所望のデザインのアートを形成することができるようにしたものである。
【特許文献1】登録実用新案第3045862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述のネイルアートシールを用いることにより、ネイルアートを確実に爪の上に施すことができるが、台紙から単体シールを剥がし、剥がした単体シールを爪に貼り、単体シールの上からマニキュアを施した後、単体シールを剥がせば所望のデザインのアートを爪に確実に形成することができるが、手間と時間がかかることは否めない点であった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、簡単な操作で短時間に爪にネイルアートを施すことができるネイルアート玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係るネイルアート玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)玩具本体内には所定のデザインが施されたシールがベーステープの裏面に仮着されたシールテープを供給する供給リールと、該供給リールに巻きつけられたシールテープを巻取る巻取リールとが配置され、供給リールと巻取リールとは所定の間隔をおいて配置されていること
(ロ)上記巻取リールは玩具本体の外部から回転可能に構成されていること
(ハ)上記供給リールと巻取リールとの中間に配置されるとともに上記シールテープの下方には指先を載置する載置部が配置されていること
(ニ)上記載置部に対面するシールテープの上方には上記シールテープを載置部上の指の爪に押し付け、上記シールを上記爪に貼付する押圧部材が配置されていること
【0007】
なお、前記ネイルアート玩具は、以下の要件を備えるようにしてもよい。
(イ)前記供給リールと巻取リールとは所定間隔をおいてカートリッジに内装され、該カートリッジは前記玩具本体に着脱可能に構成されていること
(ロ)上記カートリッジ内の巻取リールは、玩具本体に設けた回転部材の回転操作でシールテープを巻取るように構成されていること
(ハ)上記カートリッジの前面には前記載置部に対応して指を差し込む差込孔が形成され、上面には前記押圧部材に対応する開口部が形成されていること
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、供給リールに巻かれたシールテープを巻取リールに巻き取り、シールが載置部に対応したところで載置部に指を載せ、押圧部材でシールテープを爪に押圧することによりベーステープに仮着されているシールは爪に転着し、簡単にネイルアートを実施することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、玩具本体に供給リール、巻取リールを着脱する必要がないので取り扱い性に優れたネイルアート玩具を実現することができるとともに、カートリッジを入れ替えることにより様々なシールを爪に貼り付けることができるので、ネイルアートの楽しみを倍化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
玩具本体内には所定のデザインが施されたシールがベーステープの裏面に仮着されたシールテープが巻きつけられた供給リールと、この供給リールに巻きつけられたシールテープを巻取る巻取リールとの2つのリールを所定間隔をおいて配置し、上記巻取リールは玩具本体の外部から回転操作可能に構成し、上記供給リールと巻取リールとの中間の上記シールテープの下方には指先を載置する載置部を配置し、上記載置部に対面するシールテープの上方には上記シールテープを載置部上の指の爪に押圧部材を配置し、押圧部材でシールテープを爪に押し付けることにより上記シールを上記爪に貼着させネイルアートができるようにした。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明に係るネイルアート玩具を示し、このネイルアート玩具は玩具本体1とカートリッジ2とで構成され、カートリッジ2を交換することにより様々なネイルアートを爪に施すことができるようにしたものである。
【0012】
カートリッジ2は、図2(a)に示すように、前面には指を差し込む差込穴11が形成され、上面から背面にかけてシールテープを露出させるための開口部12が形成され、内部には、図2(b)に示すように、供給リール4と、巻取リール5とが配置され、供給リール4にはシールaがベーステープ6aの上に仮着され、さらに剥離テープ6bでシールaが保護されたシールテープ6(図6参照)が予め巻き付けられている。
【0013】
この供給リール4に巻き付けられているシールテープ6は、カートリッジ2を玩具本体1に装填し、玩具本体1に設けられたダイヤル7を回して巻取リール5を回転させ、供給リール4に巻かれているシールテープ6を巻取リール5に巻き取ることができるようになっている。
【0014】
カートリッジ本体10は、前部材10aと後部材10bとで形成され、前部材10aの前面には指の先端を差し込むための差込穴11が形成され、上面にはシールテープ6を指の爪に押し当てるための後述する押圧部材33を没入させるための開口部12aが形成され、内壁面には供給リール4と、巻取リール5とをそれぞれ回転可能に支持する支軸13、14が形成されている。
【0015】
後部材10bは上面から背面に連続して開口部12bが形成され、底面には後述する剥離テープ6bを排出する排出口15aと、この排出口15aに連接して剥離テープ6bを排出口15aに案内する案内板15bとから構成される排出部15が形成されている。開口部12bは前部材10aと後部材10bとを連結した際には、前部材10aの開口部12aと連続し、開口部12が形成されるようになっている。
【0016】
後部材10bの内部には供給リール4に対応して、ラチェットギヤ16が環状に形成されたラチェット板17が支軸18に支持されるとともに、適宜手段(接着剤など)で内壁面に固定されている。このラチェット板17と支軸18とは後部材10bと一体に成形されていてもよい。そして、支軸18には供給リール4を保持して回転する回転板20に形成された軸部21が回転可能に軸支され、この回転板20には供給リール4を取り付けることができるようになっている。
【0017】
なお、供給リール4の軸穴22にはキー溝22aが形成され、回転板20の軸部21にはキー溝20aに対応してキー21aが形成され、供給リール4を回転板20に取り付けたときにはキー溝22aとキー21aとが噛み合い、供給リール4と回転板20とを一体で回転させることができるようになっている。
【0018】
そして、上記回転板20には上記ラチェット板17のラチェットギヤ16に噛み合う2つの係止爪23が軸部21に対して対称に形成されている。この係止爪23はシールテープ6が巻取リール5に巻き取られて供給リール4が図3上で時計方向に回転する際に、惰性で回転してシールテープ6が弛まないように常にテンションをかけるようにするためのものである。
【0019】
そして、巻取リール5に対応する壁面には、軸受け孔25が形成されている。この軸受け孔25は巻取リール5の軸26が軸支される軸受け孔で、巻取リール5の軸26が軸受け孔26に、巻取リール5の軸孔27に前部材10aの支軸14がそれぞれ支持され巻取リール5が回転できるようになっている。軸26の前面にはクラウンギヤ26aが形成され、カートリッジ2を玩具本体1にセットしたときには、玩具本体1に配置された後述する回転板51の軸60bのクラウンギヤ61と噛み合い、回転板51の回転に連動して巻取リール5が回転するようになっている。
【0020】
玩具本体1は、図4に示すように、前部材1aと後部材1bとで構成され、前部材1aの前面には上述のカートリッジ2を挿入する開口部30が形成され、上面には切欠き部31aが形成され、内面下部には後述する脚部材65を回動可能に支持する支軸32が形成されている。
【0021】
後部材1bの上面には上記切欠き部31aに対応して切欠き部31bが形成され、切欠き部31a、31bで押圧部材33の下部を没入させる開口部31を構成している。そして、背面には押圧部材33を支持する支持板が34が形成され、押圧部材33は支軸35を中心に上下に回動させることができるようになっている。
【0022】
押圧部材33は、図5(a)に示すように、基台36と、基台36の上に前後にスライド可能に配置されたスライド板37と、スライド板37に取り付けられたゴムローラ38とで構成され、スライド板37の上面に設けた葉っぱを模して形成された摘み39を前後させるとスライド板37が長穴36aに沿って前後にスライド移動し、ゴムローラ38がシールテープ6を後述する載置部50に載せた指に押圧することができるようにしたものである。この押圧部材33は軸孔36bに支軸35を挿通し、上下に回動可能に支持板34に支持されている。
【0023】
この押圧部材33はゴムローラに限定されるものではなく、図5(b)に示すように、押しボタン方式であっても構わない。この押圧部材33は上下2枚の支持板40、41で構成されたフレーム42に上下動可能に配置されたボタン43と支軸44の下端に設けた押圧板45で構成し、このボタン43と押圧板45とはスプリング46で常に上動するように付勢され、ボタン43を押下したときには押圧板45がシールテープ6を載置部50上の指に押し付けられるようになっていればよい。この押圧部材33は支持板41の前後に形成された張り出し部41aが開口部31を跨ぐように配置されていればよい。
【0024】
後部材1bの内壁面には、指を載置する載置部50と、カートリッジ2の巻取リール5を回転させる回転板51と、回転板51の逆転を阻止するラチェット板52と、回転板51を回転させるダイヤル7、中間歯車54が配置され、下部には後述する脚部材65を回動可能に支持する支軸55が形成されている。
【0025】
押圧部材50は指先を載せる載置板50aと爪先を支持する支持板50bとで構成され、支持板50bは爪の先端を下から支持するもので、押圧部材33でシールテープ6を爪に押し付けたとき、爪の先端が下がらないようにするためのものである。
【0026】
回転板51は、適宜手段(接着剤など)で内壁面に固定されているラチェットギヤ56が環状に形成されたラチェット板52の支軸57に回転可能に軸支されている。このラチェット板52と支軸57とは後部材1bと一体に成形されていてもよい。そして、回転板51の軸部60は二段軸で先端の軸部60aは巻取リール5の軸孔26bに係合し、後端の軸部60aの先端にはクラウンギヤ61が形成されている。
【0027】
上記回転板51には上記ラチェット板52のラチェットギヤ56に噛み合う2つの係止爪62が軸部60に対して対称に形成されている。この係止爪62は回転板51が逆転しないようにするためのもので、シールテープ6が巻取リール5に巻き取られて供給リール4が図3上で時計方向に回転する際に、惰性で回転してシールテープ6が弛まないように常にテンションをかけるようにするためのものである。
【0028】
なお、前部材1aの内壁面に形成された板部材63及び後部材1bの内壁面に形成された板部材64は、前部材1aの開口部30から差し込んだカートリッジ2を保持する保持板を示し、符号65は玩具本体1を支持する脚部材を示す。この脚部材65は前部材1aに形成された支軸32と、後部材1bに形成された支軸55とで回動可能に軸支され、使用しないときには玩具本体1内に回動して収容し、玩具本体1がリンゴの形態をなすように構成されている。
【0029】
シールテープ6は、図6(a)(b)に示すように、透明なベーステープ6a裏側面にシールaの上面が仮着され、シールaの下面には接着層bが形成され、この接着層bは剥離テープ6bで保護されているものである。シールテープ6は剥離テープ6bの前部を剥がした状態でベーステープ6aの先端を巻取リール5に取り付け、剥離テープ6bの前部はガイド板15bに案内されて排出口15aからカートリッジ2の外部に引き出した状態にして、前部材10aと後部材10bとを結合させ、カートリッジ2を形成しておけばよい。
【0030】
次に、上記構成のネイルアート玩具の使用態様について説明する。
【0031】
先ず、カートリッジ2を玩具本体1の前面の開口部30から差し込む。このとき、回転板51のクラウンギヤ61と、巻取リール5のクラウンギヤ26aが噛み合い、差込穴11が載置部50に対応する位置にセットされる。
【0032】
次に、ダイヤル7を回して、中間歯車54を介して回転板51を回転させる。回転板51の回転に連係して巻取リール5が回転し、シールテープ6を巻き取る。このとき、剥離テープ6bはベーステープ6aから剥がれ、排出口15aからカートリッジ2の外に順次排出される。透明なベーステープ6aの裏面にはシールaが仮着されているので、玩具本体1の上部の開口部31からシールaを視認することができ、シールaが載置部50の上方に到達したことを確認したら、図7(a)に示すように、ネイルアートを施したい指の先を差込穴11に差し込み、図8(a)に示すように、指先を載置板50aに、爪先を支持板50bの上に載せた状態で、押圧部材33を下方に回動させてシールaの仮着しているベーステープ6aを爪に押し付け、図8(b)に示すように、摘み39を図示しないもう一方の手で摘んで前後に往復させ、ゴムローラ38を爪に圧接した状態で前後に往復動させる。シールaの裏面には粘着層bが形成されているので、図8(c)に示すように、シールaはベーステープか6aから剥がれて爪に貼着されるので、図7(b)に示すように、爪にシールaを貼着することができる。
【0033】
なお、押圧部材33が押しボタン式の場合は、玩具本体1の上部の開口部31からシールaが載置部50の上方に到達したことを確認したら、図9(a)に示すように、ネイルアートを施したい指の先を差込穴11に差し込んで指先を載置板50aに、爪先を支持板50bの上に載せた状態で、押圧部材33を開口部31にセットし、図9(b)に示すように、ボタン43をスプリング46に抗して押下し、押圧板45でシールaの仮着しているベーステープ6aを爪に押し付ける。シールaの裏面には粘着層bが形成されているので、図9(c)に示すように、シールaはベーステープ6aから剥がれて爪に貼着されるので、図7(b)に示すように、爪にシールaを貼着することができる。
【0034】
上述のように、ダイヤルを回してシールが爪に対応する位置になったならば、差込穴に指の先を差し込み、押圧部材を押圧操作すれば爪にシールaを貼り付けることができ、簡単にネイルアートを施すことができる。
【0035】
なお、異なったデザインのシールを爪に貼り付けたい場合は、好みのデザインのシールが設定されているカートリッジに交換すれば、好みのデザインのネイルアートをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るネイルアート玩具の構成を説明する斜視図
【図2】(a)(b)はカートリッジの斜視図及び内部を透視した透視斜視図
【図3】上記カートリッジの分解斜視図
【図4】玩具本体の分解斜視図
【図5】(a)(b)は押圧部材を説明する斜視図
【図6】(a)(b)はシールテープの構成を説明する側面図及び斜視図
【図7】(a)(b)はネイルアート玩具の使用態様の説明図
【図8】(a)〜(c)は押圧部材でシールを爪に貼着する状態を説明する要部を切断した側面図
【図9】(a)〜(c)は他の押圧部材でシールを爪に貼着する状態を説明する要部を切断した側面図
【符号の説明】
【0037】
1 玩具本体
2 カートリッジ
4 供給リール
5 巻取リール
6 シールテープ
6a ベーステープ
33 押圧部材
36 載置部
a シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とするネイルアート玩具。
(イ)玩具本体内には所定のデザインが施されたシールがベーステープの裏面に仮着されたシールテープを供給する供給リールと、該供給リールに巻きつけられたシールテープを巻取る巻取リールとが配置され、供給リールと巻取リールとは所定の間隔をおいて配置されていること
(ロ)上記巻取リールは玩具本体の外部から回転操作可能に構成されていること
(ハ)上記供給リールと巻取リールとの中間に配置されるとともに上記シールテープの下方には指先を載置する載置部が配置されていること
(ニ)上記載置部に対面するシールテープの上方には上記シールテープを載置部上の指の爪に押し付け、上記シールを上記爪に転着する押圧部材が配置されていること
【請求項2】
以下の要件を備えることを特徴とする、請求項1記載のネイルアート玩具。
(イ)前記供給リールと巻取リールとは所定間隔をおいてカートリッジに内蔵され、該カートリッジは前記玩具本体に着脱可能に構成されていること
(ロ)上記カートリッジ内の巻取リールは、玩具本体に設けた回転部材の回転操作でシールテープを巻取るように構成されていること
(ハ)上記カートリッジの前面には前記載置部に対応して指を差し込む差込孔が形成され、上面には前記押圧部材に対応する開口部が形成されていること

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−130052(P2006−130052A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322235(P2004−322235)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000132998)株式会社タカラ (35)
【Fターム(参考)】