説明

ネコノヒゲ抽出液の製造方法および該製造方法により得られるネコノヒゲ抽出液を含む化粧料

【課題】沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れたネコノヒゲ抽出液を効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】シソ科ネコノヒゲを、1,3−ブチレングリコールを50〜70質量%含む水溶液に浸漬して抽出する工程、得られる抽出物を濾過する工程、および得られる濾液を0〜−50℃にて4日間以上静置した後、さらに濾過する工程を包含する、ネコノヒゲ抽出液の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れたネコノヒゲ抽出液を効率よく製造する方法、および該製造方法により得られるネコノヒゲ抽出液を含有する、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シソ科植物のネコノヒゲ(Orthosiphon aristatus (Blume) Miq.またはOrthosiphon stamineus Benth.)は、利尿効果を有すること、腎炎症状を軽減することなどが知られており、健康増進を目的として、お茶として飲用されている。
【0003】
また、ネコノヒゲが有する種々の作用を利用した化粧料または皮膚外用剤も提案されている。例えば、特許文献1には、ネコノヒゲから得られる生理活性物質を含有する抗アレルギー、抗炎症作用を有する化粧品が開示されている。特許文献2には、シソ科植物の抽出物を含有する抗アレルギー化粧料組成物が開示され、シソ科植物の抽出物としてネコノヒゲ抽出物が挙げられている。特許文献3には、レムジャン(Orthosiphon aristatus)を含有する抗老化剤が開示されている。特許文献4には、クミスクチン(Orthosiphon aristatus Bl.)抽出物を含有するチロシナーゼ生合成促進剤および該促進剤を含む頭髪用化粧料または日焼け用化粧料が開示されている。特許文献5には、オルソシフォンスタミネウス(Orthosiphon stamineus)の抽出物を含有する活性酸素消去剤または抗菌剤が開示されている。特許文献6には、ネコノヒゲを有効成分とする育毛剤組成物が開示されている。特許文献7には、ネコノヒゲ抽出物を含有するテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤および該阻害剤を含有する育毛剤が開示されている。そして特許文献8には、ネコノヒゲ抽出物を含有する老化防止剤、肌荒れ防止剤、またはニキビ改善剤が開示されている。
【0004】
このネコノヒゲ抽出物(抽出液)は、一般にネコノヒゲを有機溶媒で抽出することによって得られる。例えば、特許文献1では、ネコノヒゲの葉または茎の乾燥物に20〜30倍量の水を加えて、30〜95℃にて1分〜24時間抽出し、さらに濃縮した、固形分を40〜55%含む褐色の抽出物が記載されている。特許文献3では、レムジャンの植物全草を室温にて1週間エタノールに浸漬した抽出物が記載されている。特許文献4では、クミスクチンの葉の粉砕物に水を加えて2時間還流抽出した抽出物が記載されている。特許文献5では、オルソシフォンスタミネウスの乾燥物に50%含水エタノール水溶液を加えて室温にて3日間抽出した抽出物が記載されている。特許文献6では、乾燥したネコノヒゲの全草の粉砕物にメタノールを加えて還流抽出した抽出物が記載されている。特許文献7では、ネコノヒゲを熱水またはエタノールで抽出した抽出物が記載されている。そして特許文献8では、ネコノヒゲ全草の乾燥物に1,3−ブチレングリコールを加えて常温にて7日間抽出した抽出物が記載されている。
【0005】
しかしながら、ネコノヒゲには特有の色素成分および糖類を多量に含有するため、従来のネコノヒゲ抽出液では経時的に沈殿物が生じ易いという問題がある。さらに、従来のネコノヒゲ抽出液を液状の化粧料に配合した場合、沈殿物が生じるといった製剤状の問題がある。したがって、ネコノヒゲ抽出液を化粧料に用いる場合には、剤形および抽出液の配合量の制約がある。特にネコノヒゲの水抽出液を用いる場合には経時的な沈殿物の発生は避けられない問題である。そこで、経時安定性が良好で、さらに化粧料に配合した場合でも、製剤の経時安定性が良好なネコノヒゲ抽出液が望まれている。
【特許文献1】特開平3−7234号公報
【特許文献2】特開平6−293652号公報
【特許文献3】特開平10−29924号公報
【特許文献4】特開平11−228337号公報
【特許文献5】特開2000−95663号公報
【特許文献6】特開2001−31528号公報
【特許文献7】特開2003−26594号公報
【特許文献8】特開2002−241295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れたネコノヒゲ抽出液を効率よく製造する方法を提供することである。本発明の目的はまた、上記製造方法により得られるネコノヒゲ抽出液を含む、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れた化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のネコノヒゲ抽出液の製造方法は、シソ科ネコノヒゲを、1,3−ブチレングリコールを50〜70質量%含む水溶液に浸漬して抽出する工程、得られる抽出物を濾過する工程、および得られる濾液を0〜−50℃にて4日間以上静置した後、さらに濾過する工程を包含する。
【0008】
本発明の化粧料は、上記製造方法により得られるネコノヒゲ抽出液を乾燥固形分量で0.001〜1質量%含有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れたネコノヒゲ抽出液が得られる。このネコノヒゲ抽出液を用いることによって、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れた化粧料を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のネコノヒゲ抽出液の製造方法は、シソ科ネコノヒゲを、1,3−ブチレングリコールを50〜70質量%含む水溶液に浸漬して抽出する工程、得られる抽出物を濾過する工程、および得られる濾液を0〜−50℃にて4日間以上静置した後、さらに濾過する工程を包含する。
【0011】
本発明に用いられるネコノヒゲは、上述のように、シソ科の植物であり、学名は、Orthosiphon aristatus (Blume) Miq.またはOrthosiphon stamineus Benth.である。ネコノヒゲの原産地は、インドからマレーシアにおよぶ一帯であり、日本においては、沖縄で栽培されている。日本では、ネコノヒゲよりもクミスクチンというマレー語に由来する名称でよく知られている。
【0012】
ネコノヒゲの使用部位は、特に制限されず、葉、茎、花、根などの植物全体を使用することができる。収穫が容易な点から、地上部が特に好適に使用される。収穫したネコノヒゲは、通常、乾燥してから使用する。乾燥後、必要に応じて、当業者が通常用いる方法により粉砕してから使用してもよい。
【0013】
本発明においては、上記ネコノヒゲを、1,3−ブチレングリコールを50〜70質量%含む水溶液(以下、単にブチレングリコール含有水溶液という)に浸漬して抽出する。上記水溶液中の1,3−ブチレングリコールの含有量は、好ましくは55〜65質量%である。1,3−ブチレングリコールの含有量が50質量%未満の場合、あるいは70質量%を超える場合、得られる抽出液は安定性が悪く、沈殿物を生じ易くなる。なお、ブチレングリコール含有水溶液以外の水溶液、例えば、エタノール水溶液をネコノヒゲの抽出溶媒として用いる場合、得られる抽出液の安定性は悪く、沈殿物が発生する。
【0014】
上記ブチレングリコール含有水溶液の使用量は、ネコノヒゲを完全に浸漬できる量であればよく、特に制限されない。通常、ネコノヒゲの乾燥質量の5〜50倍量である。
【0015】
抽出条件は、ネコノヒゲから十分に成分が抽出される条件であればよい。通常、常温、例えば、15〜25℃にて2日間以上、好ましくは4〜7日間に設定される。
【0016】
上記抽出により得られる抽出物を、次いで濾過する。濾過により植物体残渣などの固形分が除去され、濾液が回収される。
【0017】
次いで、上記濾液を0〜−50℃にて4日間以上、好ましくは4〜10日間静置する。この静置保存温度および静置保存期間は、一般に静置保存温度に応じて、静置保存期間を適宜設定すればよい。即ち静置保存温度が高ければ静置保存期間を長く設定し、静置保存温度が低ければ静置保存期間を短く設定すればよい。例えば、0℃の場合、7〜10日間好ましく、−50℃の場合、4〜5日間が好ましい。より好ましくは−5〜−20℃にて6〜7日間である。この0〜−50℃にて4日間以上静置する処理によって、濾液中に沈殿物(澱)が生じる。この沈殿物(澱)を濾過により除去することによって、所望のネコノヒゲ抽出液が得られる。
【0018】
上記静置保存温度が0℃を超える場合、長期間静置して生じる沈殿物を濾過により除去したとしても、得られる抽出液にさらに沈殿を生じる場合があり、所望の抽出液が得られない場合がある。−50℃より低い場合、静置中に濾液が凍結する場合があり、所望の抽出液が得られない場合がある。そして静置保存期間が4日未満の場合、さらに濾過して得られる抽出液において沈殿物の発生が認められる。
【0019】
上記低温における静置処理をし、さらに濾過して得られるネコノヒゲ抽出液は、沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れている。したがって、このネコノヒゲ抽出液は、例えば、沈殿などにより外観に影響を与えやすい液状の化粧料、特にローション、乳液、クリームなどの化粧料の原料として特に有用である。
【0020】
本発明によって得られるネコノヒゲ抽出液を化粧料に配合する場合、化粧料中のネコノヒゲ抽出液の含有量が乾燥固形分量で0.001〜1質量%となるように設定される。このような量のネコノヒゲ抽出液を含有する本発明の化粧料は、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れている。ネコノヒゲ抽出液の含有量が乾燥固形分量で0.001質量%未満の場合、十分な肌荒れ防止作用が得られない。1質量%を超える場合は、含有量に見合う効果が得られず、経済的に不利である。
【0021】
本発明の化粧料は、本発明の性能を損なわない範囲で当業者が通常化粧料に用いる添加剤を含有する。このような添加剤としては、例えば、アルコール類、水性基剤、油性基剤、界面活性剤、顔料、色素、pH調整剤、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、香料、無機塩などが挙げられる。
【0022】
本発明の化粧料は、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れている。
【実施例】
【0023】
次に実施例によって本発明を詳細に説明する。
【0024】
(実施例1)
ネコノヒゲの地上部を乾燥し、粉砕した粉砕物50gを、1,3−プロピレングリコールを55質量%含む水溶液1000gに浸漬し、室温にて5日間抽出した。その後、5C濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過し、濾液を得た。この濾液を−20℃にて7日間静置保存した後、さらに5C濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過してネコノヒゲ抽出液を得た(ネコノヒゲ抽出液1とする)。得られたネコノヒゲ抽出液1の経時安定性について、以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0025】
(ネコノヒゲ抽出液の経時安定性)
ネコノヒゲ抽出液1を、5℃または40℃にて1ヵ月保存した後、沈殿物の発生を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
【0026】
(評価基準)
○: 澱が全く発生しない
△: 澱が僅かに認められる
×: 澱が明らかに認められる
【0027】
(実施例2)
ネコノヒゲの地上部を乾燥し、粉砕した粉砕物50gを、1,3−プロピレングリコールを65質量%含む水溶液1000gに浸漬し、室温にて5日間抽出した。その後、5C濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過し、濾液を得た。この濾液を0℃にて10日間静置保存した後、さらに5C濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過してネコノヒゲ抽出液を得た(ネコノヒゲ抽出液2とする)。このネコノヒゲ抽出液2について、実施例1と同様にして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
1,3−プロピレングリコールを55質量%含む水溶液の代わりに、1,3−プロピレングリコールを40質量%含む水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてネコノヒゲ抽出液を得た(ネコノヒゲ抽出液3とする)。このネコノヒゲ抽出液3について、実施例1と同様にして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0029】
(比較例2)
1,3−プロピレングリコールを55質量%含む水溶液の代わりに、1,3−プロピレングリコールを80質量%含む水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてネコノヒゲ抽出液を得た(ネコノヒゲ抽出液4とする)。このネコノヒゲ抽出液4について、実施例1と同様にして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
(比較例3)
1,3−プロピレングリコールを55質量%含む水溶液の代わりに、エタノールを60質量%含む水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてネコノヒゲ抽出液を得た(ネコノヒゲ抽出液5とする)。このネコノヒゲ抽出液5について、実施例1と同様にして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
(比較例4)
実施例1と同様にして濾液を得た。この濾液をネコノヒゲ粗抽出液とした。このネコノヒゲ粗抽出液について、実施例1と同様にして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の結果から、実施例1および2のネコノヒゲ抽出液1および2は、沈殿物の発生が認められず、経時安定性に優れていた。他方、比較例1では抽出溶媒の1,3−ブチレングリコールの濃度が低いため、比較例2では抽出溶媒の1,3−ブチレングリコールの濃度が高いため、比較例では抽出溶媒がエタノール水溶液のため、そして比較例4では低温保存する工程がないため、得られる抽出液に澱(沈殿物)が認められた。
【0034】
(実施例3:化粧水の安定性および肌荒れ防止効果)
実施例1で得られたネコノヒゲ抽出液1を用いて、表2に示す組成で化粧水を調製した(化粧水1とする)。なお、ネコノヒゲ抽出液の含有量は、乾燥固形分量として示す。得られた化粧水1の経時安定性および肌荒れ防止効果について、以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0035】
(1)経時安定性
化粧水1を透明ガラス容器に密封して5℃または40℃にて3ヵ月間保存した。その後、沈殿物の発生を目視にて観察し、実施例1と同じ基準で評価した。
【0036】
(2)肌荒れ防止効果
10名の被験者(23〜38歳)に対して、最小紅斑量(MED)を測定した。この被験者の前腕内側に2×2cmの区画を設け、0.7MEDの紫外線B波を3日間連続照射した。同時に紫外線照射開始から1週間に渡って、化粧水を照射部位に朝晩一日2回の割合で塗布した。紫外線照射開始から2週間後、照射部位の肌の状態を目視にて以下の基準で評価した。
【0037】
(評価基準)
2点: 照射部位と非照射部位との肌状態が変わらす、肌荒れが起きていない
1点: 照射部位に角層剥離が僅かに認められ、やや肌荒れが起きている
0点: 照射部位に角層剥離が認められ、明らかに肌荒れが起きている
【0038】
得られた点数の平均点が1.5点以上の場合は、肌荒れ防止効果が優れていると評価し、平均点が1.5点未満の場合は、肌荒れ防止効果がないとして評価した。
【0039】
(実施例4および5)
ネコノヒゲ抽出液1の代わりに、実施例2で得られたネコノヒゲ抽出液2を表2に示す割合で用いたこと以外は、実施例3と同様にして化粧水を調製した(化粧水2とする)。これとは別に、ネコノヒゲ抽出液1を0.01質量%用いたこと以外は実施例3と同様にして化粧水を調製した(化粧水3とする)。得られた化粧水2および3を用いて、実施例3と同様にして化粧水の経時安定性および肌荒れ防止効果を評価した。結果を表2に示す。
【0040】
(比較例5〜8)
ネコノヒゲ抽出液1の代わりに、比較例1〜4で得られたネコノヒゲ抽出液3〜5およびネコノヒゲ粗抽出液を表2に示す割合で用いたこと以外は、実施例3と同様にして化粧水を調製した(化粧水4〜7とする)。得られた化粧水4〜7を用いて、実施例3と同様にして化粧水の経時安定性を評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
表2の結果から、実施例3〜5のネコノヒゲ抽出液1または2を含む化粧水は、いずれも沈殿物の発生が認められず、経時安定性に優れていた。さらに上記化粧水は、優れた肌荒れ防止効果を有していた。
【0043】
他方、比較例5〜8のネコノヒゲ抽出液3〜5またはネコノヒゲ粗抽出液を含む化粧水では、沈殿物の発生が認められた。すなわち、比較例1では抽出溶媒の1,3−ブチレングリコールの濃度が低いネコノヒゲ抽出液3を用いているため、比較例2では抽出溶媒の1,3−ブチレングリコールの濃度が高いネコノヒゲ抽出液4を用いているため、比較例では抽出溶媒がエタノール水溶液のネコノヒゲ抽出液5を用いているため、そして比較例4では低温保存する澱出し工程がないネコノヒゲ粗抽出液を用いているため、沈殿物の発生が認められると考えられる。
【0044】
(実施例6:乳液の経時安定性)
実施例1で得られたネコノヒゲ抽出液1を用いて、表3に示す組成で乳液を調製した(乳液1とする)。なお、ネコノヒゲ抽出液の含有量は、乾燥固形分量として示す。得られた乳液を透明ガラス容器に密封して5℃または40℃にて3ヵ月間保存した。その後、沈殿物の発生を目視にて観察し、実施例1と同じ基準で評価した。結果を表3に示す。
【0045】
(実施例7〜11)
実施例1で得られたネコノヒゲ抽出液1または実施例2で得られたネコノヒゲ抽出液2を表3に示す割合で用いて、表3に示す組成で乳液を調製した(乳液2〜6とする)。得られた化粧水2〜6を用いて、実施例6と同様にして乳液の経時安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
表3の結果から、実施例6〜11のネコノヒゲ抽出液1または2を含む乳液は、いずれも沈殿物の発生が認められず、経時安定性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の製造方法によって、沈殿物の発生がなく、経時安定性に優れたネコノヒゲ抽出液が得られる。このネコノヒゲ抽出液を用いることによって、肌荒れ防止作用に優れ、かつ経時安定性に優れた化粧料を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シソ科ネコノヒゲを、1,3−ブチレングリコールを50〜70質量%含む水溶液に浸漬して抽出する工程、
得られる抽出物を濾過する工程、および
得られる濾液を0〜−50℃にて4日間以上静置した後、さらに濾過する工程
を包含する、ネコノヒゲ抽出液の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法により得られるネコノヒゲ抽出液を乾燥固形分量で0.001〜1質量%含有する、化粧料。

【公開番号】特開2007−320862(P2007−320862A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150138(P2006−150138)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】