説明

ネットワークカメラシステム

【課題】画像受信側の要求に応じた色処理等を行うことを目的とする。
【解決手段】第二のユニットから第一のユニットの画像処理パラメータ設定手段に対して、パラメータを設定し、画像処理パラメータ設定手段は、設定されたパラメータを、画像信号処理手段が使用するパラメータとして設定し、パラメータを用いて第一のユニットの画像信号処理手段において生成された画像信号を画像信号配信手段において第一のユニットから第二のユニットへ配信することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パケット通信網を介して、遠隔地にあるカメラからの画像をビューワで見る所謂ネットワークカメラシステムが注目されている。
【0003】
このネットワークカメラシステムは、画像を配信するカメラであるネットワークカメラと、このネットワークカメラからの画像を受信して見る画像受信システム、所謂ビューワと、で構成される。
【0004】
ネットワークカメラシステムは、その用途において、様々な利用の形態がある。その中でも監視用途としては、よりダイナミックレンジの広い画像を撮像できるネットワークカメラの要求が高い。
【0005】
例えば室内に設置された状態から窓の外、或いは戸口に対して撮影する場合でも、室内の風景や人物が黒くつぶれせず、しかも室外の風景や人物等が白とびしないように撮影できるネットワークカメラが要求されている。このようなネットワークカメラは、通常取り扱える光量よりも更に広い範囲の光量を取り扱うことができるようにして、このような要求を満たしている。
【0006】
しかし、ネットワークカメラからの画像がそれ程の広いダイナミックレンジのものではなくても、このような要求を満たす別の方法として、明るい部分はそのままにして暗い部分の画素の輝度レベルを上げることによって視覚的に明るさ補正を行なう方法もある。
【0007】
これはデジタル覆い焼き処理と呼ばれるもので、ネットワークカメラから受信したデジタル画像の1枚1枚を対数変換した成分と、その対数変換成分の低周波成分と、の差分処理を行なう。このことによって、デジタル画像の低周波領域における明るい成分を暗く、低周波領域における暗い成分を明るく処理することにより、画像の改善を行なって表示しようとするものである。
【0008】
これにより、ネットワークカメラは、受信した画像を録画する際には、明るさ補正処理を行なわない通常の画像として録画し、その録画した画像を再生させて見る場合に明るさ補正処理を行なう。このことによって、録画する画像を補正しないままの画像として保存できるメリットがある。
【0009】
この際、配信される画像は、コントラストの高い、色処理において発色のいい画像よりも、コントラストが低くても、素材性を重視したより撮像する対象物のはっきりとわかる自然な画像の方が要求される。
【0010】
ネットワークカメラシステムの他の用途としては、観光地等の情報発信や品物等のプレゼンテーションに使われることも多い。
【0011】
この場合は、上述したような性質の画像よりも、見栄えを重視したコントラストの高い、色処理において発色のいい画像が要求される。
【0012】
ところで、従来からネットワークカメラシステムは、1台のネットワークカメラから複数台の画像受信システム或いは受信機能を持った画像蓄積サーバーへ、同時に画像・音声等のメディアストリームを配信させることが可能である。
【0013】
この時、同時刻に撮像された同じ画像が複数の装置に配信されるものとなっている。
【0014】
【特許文献1】特願2004−328764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、それぞれの画像受信システムによっては配信される画像の用途が異なる場合でも、単一の画像処理の行なわれた画像が複数の画像受信システムへ配信される。そのために、画像受信システムは、画像受信システム側の要求に応じた色処理の行なわれた画像を受け取ることができない問題があった。
【0016】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、画像受信側の要求に応じた色処理等を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで、本発明は、パケット通信網を介して、画像情報を配信する第一のユニットと、画像情報を受信する第二のユニットと、を含むネットワークカメラシステムであって、前記第一のユニットは、被写体からの撮像光を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像手段と、前記撮像手段で変換された前記電気信号と、パラメータと、に基づいて、画像信号を生成する画像信号処理手段と、前記画像信号処理手段において使用される前記パラメータを設定する画像処理パラメータ設定手段と、前記画像信号処理手段で生成された画像信号を画像情報としてパケット通信網を介して配信する画像信号配信手段と、を有し、前記第二のユニットから前記第一のユニットの前記画像処理パラメータ設定手段に対して、パラメータを設定し、前記画像処理パラメータ設定手段は、設定されたパラメータを、前記画像信号処理手段が使用するパラメータとして設定し、前記パラメータを用いて前記第一のユニットの前記画像信号処理手段において生成された画像信号を前記画像信号配信手段において前記第一のユニットから前記第二のユニットへ配信することを特徴とする。
【0018】
係る構成とすることにより、例えば、第二のユニットの要求に応じて設定した色処理に係るパラメータを用いて画像信号を生成し、第二のユニットに送信するので、画像受信側の要求に応じた色処理を行うことができる。
【0019】
なお、第一のユニットとは、例えば、後述するネットワークカメラ等に対応する。また、第二のユニットとは、例えば、後述する画像受信システム、又は画像蓄積サーバー等に対応する。また、画像情報とは、例えば、動画像情報、又は静止画像情報等に対応する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像受信側の要求に応じた色処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、ネットワークカメラ100と、画像受信システム200と、画像蓄積サーバー700と、を含むネットワークカメラシステムのネットワーク接続構成図である。
【0023】
ネットワークカメラ100は、MPEG2、MPEG4、H.264等の動画ストリーム又はMJPEG、JPEG等の静止画、更に付属のマイク或いは外部音声入力により音声ストリームをパケット通信網であるLAN500に配信する。
【0024】
画像受信システム200は、ネットワークカメラ100から配信された各メディアストリームを受信し、様々なフォーマットによって符号化された各メディアを復号化してモニタ600へ出力する。
【0025】
画像蓄積サーバー700は、ハードディスクや磁気ディスク等の蓄積装置を具備し、ネットワークカメラ100から受信したメディアストリームを符号化されたまま蓄積して、後に画像受信システム200へ配信を行なう。
【0026】
また、画像蓄積サーバー700は、配信する画像受信システム200の復号能力に応じて、画像のフォーマット・サイズ等を変換して配信する。
【0027】
このネットワークカメラシステムの構成において、1台のネットワークカメラ100から配信された動画或いは静止画を複数台の画像受信システム200において受信して動画或いは静止画を表示する。又はこのネットワークカメラシステムの構成において、1台のネットワークカメラ100から配信された動画或いは静止画を画像蓄積サーバーにて受信して動画或いは静止画を蓄積するときの動作を以下に説明する。
【0028】
図2は、ネットワークカメラ100の構成を示したブロック構成図である。図2において、100は、ネットワークカメラの本体を示す。
【0029】
101は、焦点合わせを行なうためのフォーカスレンズである。102は、入射光量を調節するアイリスである。103は、フォーカレンズ101より透過した光量をアイリス102により調節され、撮像面に結像された光像を光電変換により画像信号に変換するCCDセンサーやCMOSセンサー等の撮像素子である。なお、以下では、撮像素子として、CCDを用いた例を説明する。
【0030】
104は、CCD103の蓄積電化ノイズを低減する相関二重サンプリング部と、画像信号のゲインを調節する自動利得制御部と、である(以下、CDS/AGCという)。105は、CCD103からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するビデオA/D変換器である。
【0031】
106は、デジタル画像信号にガンマ補正、ニー補正、ホワイトクリップ処理等の所定の信号処理を行なう信号処理部である。
【0032】
107は、信号処理部106からのY、Cr/Cb形式のデジタル画像信号を圧縮し符号化するビデオ符号化部107である。
【0033】
112は、ビデオA/D変換器105から出力された画像信号に対して撮像画面上の複数の領域に分割し、設定された任意の領域測光枠内に相当するものだけを抽出する測光領域形成用のゲート回路である。
【0034】
113は、ゲート回路112によって選択された撮像画面上の指定領域内に相当する画像信号を積分してその平均光量を求める積分器であり、後述するシステム制御部120へ出力する。
【0035】
111は、CCD103における電荷の蓄積時間を制御するための操作タイミングパルスを出力するタイミングパルス発生器(以下、TG)である。
【0036】
108は、アイリス102を駆動するアイリスモーターである。110は、アイリスモーター108を駆動するアイリス駆動回路である。109は、アイリス102の開口量、即ち絞り値を検出するホール素子等で構成されたアイリスエンコーダである。
【0037】
114は、マイクユニットである。115は、外付けのマイクから音声を入力する外部マイク入力部である。116は、マイクユニット114又は外部マイク入力部115からの音声信号を増幅させるオーディオアンプである。
【0038】
117は、オーディオアンプ116からの音声信号をデジタル音声データに変換するオーディオA/D変換器である。
【0039】
118は、オーディオA/D変換器117からのデジタル音声データを圧縮し符号化するオーディオ符号化部である。119は、ビデオ・オーディオエンコーダーで、ビデオ符号化部107、オーディオ符号化部118の機能を包含し、DSP等で実現される。
【0040】
121は、符号化された映像情報及び音声情報をビデオパケット、オーディオパケットにパケット化処理を行なうパケット化多重化部である。
【0041】
更に、パケット化多重化部121は、所定のフォーマットに従い、送信されるビデオ、オーディオ及び制御ストリームをLAN I/F部122に出力するために、形式に従って配置してパケットの多重化処理を行なう。
【0042】
120は、自動露出を制御し、更にネットワークカメラ100のシステム全体を制御するシステム制御部である。LAN I/F部122は、網と端末との間に必要な適応化を測る。500は、LAN等のパケット通信網である。
【0043】
図3は、画像受信システム200の構成を示したブロック構成図である。画像受信システム200は、パソコン等のCPUで実行されるプログラム(又はソフトウエア)によって実現可能ではあるが、本実施形態では組み込み機器を用いて説明を行う。
【0044】
図3において、200は、画像受信システムの本体を示す。LAN I/F部201は、網とシステムとの間に必要な適応化を測る。202は、受信した所定のフォーマットによって多重化されたメディアパケットをビデオ、オーディオ及び制御の各メディアに分離し、ビデオパケット、オーディオパケットをデパケット化し、符号化画像情報及び符号化音声情報を構成させるデパケット化分離化部である。
【0045】
203は、受信した符号化画像情報を伸張し復号化してデジタル動画データ又は静止画データにするビデオ復号化部である。
【0046】
204は、受信した符号化音声情報を伸張し復号化してデジタル音声データにするオーディオ復号化部である。205は、ビデオ・オーディオコーデックで、ビデオ復号化部203、オーディオ復号化部204の機能を包含し、DSP等で実現される。
【0047】
208は、明るさ補正部である。明るさ補正部208は、ビデオ復号化部203によって復号化されY、Cr/Cb形式のデジタル画像になった信号のうち、Y(輝度)デジタル画像信号の明部をそのままにして暗部のみを補正するデジタル覆い焼き処理によって明るさ補正を行なう。
【0048】
209は、明るさ補正部208で補正されたデジタル動画データ又は静止画データをアナログの映像信号に変換してビデオモニタ等のビデオ出力610に出力するビデオD/A変換器である。
【0049】
210は、オーディオ復号化部204によって復号化されたデジタル音声データをアナログの音声信号に変換してスピーカー等のオーディオ出力620に出力するオーディオD/A変換器である。
【0050】
206は、画像受信システム200のシステム全体を制御するシステム制御部である。
【0051】
211は、明るさ補正部208の補正のオン、オフを含めた画像受信システム200の操作及びネットワークカメラ100からの各メディアの配信開始等の操作をパネルスイッチ等によって行なう操作部である。
【0052】
図4は、画像蓄積サーバー700の構成を示したブロック構成図である。図4において、700は、画像蓄積サーバーの本体を示す。LAN I/F部701は、網とサーバーとの間に必要な適応化を測る。703は、ネットワークカメラ100から配信されたビデオ及びオーディオストリームを蓄積させる、ハードディスク装置や記録型DVD装置等の画像・音声蓄積部である。
【0053】
702は、LAN I/F部701を介してネットワークカメラ100から配信されたビデオ及びオーディオストリームをそのまま、画像・音声蓄積部703へ転送する画像・音声蓄積部I/Fである。また、画像・音声蓄積部I/F702は、画像・音声蓄積部703に蓄積されているビデオ及びオーディオストリームを画像受信システム200へ配信するためにLAN I/F部701へ転送する。また、画像・音声蓄積部I/F702は、画像受信システム200へ配信するビデオストリームを最適化するために画像変換部706への転送も行なう。
【0054】
706は、配信するビデオストリームを画像受信システム200の復号能力に応じて、画像のフォーマット・サイズ等を変換する画像変換部である。
【0055】
704は、画像蓄積サーバー700のシステム全体を制御するシステム制御部である。705は、画像変換部706の変換制御及び画像蓄積サーバー700の操作を行なう操作部である。
【0056】
上述したような構成でネットワークカメラ100から画像受信システム200に対してLAN500を介して映像及び音声を伝送させるネットワークカメラシステムの画像処理方法の動作を以下に説明する。なお、以下の説明では、画像受信システム200の操作部211からの配信開始接続操作により、ネットワークカメラ100から映像及び音声が配信されたものとする。
【0057】
まず、ネットワークカメラ100の動作を説明する。
ネットワークカメラ100のフォーカスレンズ101からの光学像がアイリス102を介してCCD103上に結像され、TG111のタイミングに合わせて光学画像を電気信号に変換し出力する。
【0058】
出力されたCCD信号は、CDS/AGC104で調整される。調整後のCCD信号は、ビデオA/D変換器105へ供給されてデジタル画像信号となる。
【0059】
このデジタル画像信号は、信号処理部106で、パラメータ設定によって設定された値に基づき、コントラスト(Contrast)・シャープネス(Sharpness)・明るさ(Brightness)・色の濃さ(Saturation)・色合い(Hue)の色処理、更にホワイトバランス調整等をデジタル的に行なわれ、適正レベルに調整されたデジタル信号であるY、Cr/Cb、信号として出力される。
【0060】
また、信号処理部106ではフォーカスレンズレンズ101を駆動するために必要な鮮鋭度信号等を取り出してシステム制御部120に出力する。システム制御部120は、その信号を基に合焦を行なう。
【0061】
露出を制御するための信号は、ビデオA/D変換器105より出力されたデジタル画像信号のY(輝度)信号を、システム制御部120によって設定された測光枠に従って、ゲート回路112によりゲートをかけて、積分器113により積分して平滑する。そして、平均輝度レベルとして出力されたものをシステム制御部120に取り込む。
【0062】
システム制御部120はこの平均輝度レベルに基づいてアイリス102、TG111及びAGC104を適宜制御して、露出制御を行なうための露出制御データを演算する。そして、システム制御部120は、その露出制御データに応じて、積分器113より出力する平均輝度レベルが設定された所定の範囲内に入るように、アイリス駆動回路110を制御してアイリスモーター108へ出力する駆動電流を制御する。このことによって、システム制御部120は、アイリス102の開口量を制御する。
【0063】
更に、システム制御部120は、CCD103における蓄積時間、つまり電子シャッタ速度を制御する信号をTG111に供給する。そして、システム制御部120は、CCD103の出力レベルを制御する信号をAGC104へ供給する。
【0064】
この3つの制御を基にして閉ループ自動露出制御が行なわれる。
信号処理部106から出力されたデジタル画像信号は、Y、Cr/Cbの形式でビデオ符号化部107に供給され、配信用に画像データの圧縮、フレームレート設定等を施される。ここでの配信用の圧縮方式は、所定の例えば、MPEG2、MPEG4、H.264、MJPEG又はJPEG等の規格に基づく。
【0065】
次に、音声は、マイクユニット114を通して、又は多種の外部マイクを使用する場合は外部マイク入力部115を通して音声信号に変換され、オーディオアンプ116で増幅される。
【0066】
増幅された音声信号はオーディオA/D変換器117へ供給されて、8KHz、16KHz、44.1KHz等の周波数によりサンプリングを行なってデジタル音声データとなる。
【0067】
このデジタル音声データはオーディオ符号化部118に供給され、配信用に音声データの圧縮、フレームレート設定等を施される。
【0068】
ここでの配信用の圧縮方式は、所定の例えば、MPEG1、G.711、G.722又はAMR等の規格に基づく。或いは圧縮せずにそのままのレベルのL−PCMフォーマットで出力されることもある。
【0069】
ビデオ符号化部107から供給された符号化画像情報及びオーディオ符号化部118から供給された符号化音声情報は、パケット化多重化部121にて、それぞれビデオパケット、オーディオパケットにパケット化される。
【0070】
パケット化多重化部121は、更にデータをRTP等のプロトコルに従って、配置して多重化処理を行ない、LAN I/F部117よりLAN500を介して画像受信システム200へ配信される。
【0071】
配信された各メディアパケットは、画像受信システム200のLAN I/F部201において受信され、デパケット化分離化部202にて配信された多重化フォーマットにしたがって分離、デパケット化される。そして、符号化画像情報及び符号化音声情報は、それぞれビデオ復号化部203、オーディオ復号化部204へ出力される。
【0072】
オーディオ復号化部204へ出力された符号化音声情報は圧縮された方式に基づき伸張、復号化され、オーディオD/A変換器210にてアナログの音声信号に変換されオーディオ出力620として出力される。
【0073】
ビデオ復号化部203へ出力された符号化画像情報も同様に圧縮された方式に基づき伸張、復号化してY、Cr/Cbの形式のデジタル画像信号にして明るさ補正部208に出力する。
【0074】
この明るさ補正部208では、操作部211からのパネルスイッチの操作によりシステム制御部206からの制御に基づいて、明るさ補正のオン、オフを行なう。
【0075】
更に明るさ補正のオンの場合、明るさ補正部208は、パラメータ設定に応じて、出力されたY、Cr/Cbの形式のデジタル画像信号に対して、Y(輝度)信号についてデジタル覆い焼き処理による明るさ補正を行なう。
【0076】
また、明るさ補正のオフの場合は、明るさ補正部208は、補正せずにそのままビデオD/A変換器209にてアナログの映像信号に変換してビデオ出力610として出力させる。
【0077】
図5は、明るさ補正部208のデジタル覆い焼き処理による明るさ補正の一例を示す図である。
【0078】
明るさ補正部208は、システム制御部206からの制御等に応じて、原画像のY(輝度)信号に対しボケ画像を作成し、これを基にして暗部に対しγを掛けるレベル、更にどのレベルの暗部に対して補正するかの閾値等を設定して明るさ補正を行なう。
【0079】
明るさ補正部208において補正された画像は、ビデオD/A変換器209にてアナログの映像信号に変換してビデオ出力610として出力される。
【0080】
画像受信システム200のビデオ出力600の表示例及び操作部211の例として、図6に表示ビューア及び操作パネルを示す。図6は、表示ビューア及び操作パネルの一例を示す図である。
【0081】
図6に示される操作パネルを操作して静止画を連続で受信した場合の動作を説明する。
まず、ユーザは、画像受信システム200の操作部211のパネルから、LAN500上に接続されているネットワークカメラ100に画像配信の要求を行なう。
【0082】
すると、画像受信システム200は、図6のようにネットワークカメラ100で撮像されて、通常JPEG等で圧縮され配信されている静止画を受信して表示する。
【0083】
ここで、ボタンによる操作により色処理設定ボタンを押すと、操作部211は、図6のようにパラメータを設定するパネルを表示させる。
【0084】
予め推奨されたパラメータ値で設定される自動パラメータ設定モードか、各項目各々パラメータ値を設定するマニュアルモードかに応じて、画像受信システム200は、パネルを表示させる。ユーザは、表示されたパネルを用いて、設定を行なう。なお、画像受信システム200は、ユーザ操作に応じて、モードを切り替えてもよい。
【0085】
自動パラメータ設定モードは、例えば、"鮮やかカラーモード"として、コントラストを+、シャープネスを+、明るさを0、色の濃さを+、色合いを+方向に設定する。また、"監視・蓄積モード"として、コントラストを−、シャープネスを0、明るさを+、色の濃さを0、色合いを0方向に設定する。
【0086】
マニュアルモードは、コントラスト、シャープネス、明るさ、色の濃さ、色合いを個別に設定できるようにしておく。
【0087】
この色処理パラメータ設定であるが、上述したネットワークカメラ100に画像配信の要求を行なう際に、パラメータ設定と共に画像配信の要求を行なうようにしてもかまわない。
【0088】
このように設定パネルから色処理設定が行なわれると、システム制御部206は、制御情報をパケット化し、LAN I/F部201からLAN500を介してネットワークカメラ100に伝送する。
【0089】
このとき、画像受信システム200は、基本的にはTCP/IPによる通信を行なうが、HTTP或いはSIP等によるアプリケーション通信プロトコルにしたがって通信するようにしてもよい。
【0090】
ネットワークカメラ100で受け取った制御情報はLAN I/F部122よりシステム制御部120に通知される。
【0091】
通知を受けたシステム制御部120は、信号処理部206に対し、画像受信システム200から要求された色処理のパラメータ設定にしたがって色処理、ホワイトバランス調整等を適正に行なう。そして、システム制御部120は、要求を受けた画像受信システム200向けにデジタル画像信号を出力させる。
【0092】
更に、複数の画像受信システム200から色処理パラメータ設定の要求の通知を受けた場合、システム制御部120は、通知された情報をキューに入れ、順に信号処理部206に対し、パラメータの設定等を行なっていく。
【0093】
このとき、信号処理部206の色処理を行なう能力はその性能によって時分割処理で行なう。或いはマルチプロセッサ等を搭載することにより並列処理を行うことができる。
【0094】
以上のように、ネットワークカメラ100は、通知を受けた画像受信システム200の順に応じて、色処理、ホワイトバランス調整等が行なわれたデジタル画像信号をそれぞれ要求先の画像受信システム200に向けて出力させる。
【0095】
また、このネットワークカメラ100の信号処理部206の処理能力によって、優先枠を設けることも可能である。例えば、同時に処理可能な画像信号を5フレームであるとして、5端末の画像受信システム200までの色処理のパラメータ設定要求を受けることが可能であるとする。すると、ネットワークカメラ100は、5端末以外の端末からのパラメータ設定要求を受け取ると、処理待ち行列を組む、或いは要求拒否等を行なって、対応することができる。
【0096】
次に、ネットワークカメラ100から配信され、画像蓄積サーバー700において蓄積された映像及び音声を、画像蓄積サーバー700が、画像受信システム200に対してLAN500を介して映像及び音声を伝送させる場合の動作を説明する。
【0097】
ネットワークカメラ100及び画像受信システム200の機能の説明に関しては上述したものと同様である。
【0098】
まず、画像蓄積サーバー700は、操作部705からの操作により、ネットワークカメラ100からビデオ及びオーディオストリームを配信させる。そして、画像蓄積サーバー700は、画像・音声蓄積部703に、ビデオ及びオーディオストリームを符号化されたそのままのデータで蓄積させる。
【0099】
その後、画像蓄積サーバー700は、画像・音声蓄積部703に蓄積したこれらのビデオ及びオーディオストリームを画像受信システム200の操作部211からの操作に応じて、画像受信システム200に配信する。
【0100】
なお、画像蓄積サーバー700は、画像受信システム200の復号能力に関する情報を、画像受信システム200より取得するようにしてもよい。そして、画像蓄積サーバー700は、この復号能力に応じて、ビデオ及びオーディオストリームの符号化方式、フォーマット及びサイズ等を画像変換部706によって変換する。そして、画像蓄積サーバー700は、このように変換したビデオ及びオーディオストリームを画像受信システム200へ配信するようにしてもよい。
【0101】
以上、上述したように、本実施形態によれば、画像受信側の要求に応じた色処理等を行うことができる。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】ネットワークカメラ100と、画像受信システム200と、画像蓄積サーバー700と、を含むネットワークカメラシステムのネットワーク接続構成図である。
【図2】ネットワークカメラ100の構成を示したブロック構成図である。
【図3】画像受信システム200の構成を示したブロック構成図である。
【図4】画像蓄積サーバー700の構成を示したブロック構成図である。
【図5】明るさ補正部208のデジタル覆い焼き処理による明るさ補正の一例を示す図である。
【図6】表示ビューア及び操作パネルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
100 ネットワークカメラ
200 画像受信システム
500 LAN
600 モニタ
700 画像蓄積サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット通信網を介して、画像情報を配信する第一のユニットと、画像情報を受信する第二のユニットと、を含むネットワークカメラシステムであって、
前記第一のユニットは、
被写体からの撮像光を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像手段と、
前記撮像手段で変換された前記電気信号と、パラメータと、に基づいて、画像信号を生成する画像信号処理手段と、
前記画像信号処理手段において使用される前記パラメータを設定する画像処理パラメータ設定手段と、
前記画像信号処理手段で生成された画像信号を画像情報としてパケット通信網を介して配信する画像信号配信手段と、
を有し、
前記第二のユニットから前記第一のユニットの前記画像処理パラメータ設定手段に対して、パラメータを設定し、前記画像処理パラメータ設定手段は、設定されたパラメータを、前記画像信号処理手段が使用するパラメータとして設定し、前記パラメータを用いて前記第一のユニットの前記画像信号処理手段において生成された画像信号を前記画像信号配信手段において前記第一のユニットから前記第二のユニットへ配信することを特徴とするネットワークカメラシステム。
【請求項2】
複数の前記第二のユニットから前記第一のユニットの前記画像処理パラメータ設定手段に対して、パラメータを設定し、前記画像処理パラメータ設定手段は、設定された各パラメータを、前記画像信号処理手段が使用するパラメータとして設定し、設定されたパラメータを用いて前記第一のユニットの前記画像信号処理手段において生成された画像信号を前記画像信号配信手段において前記第一のユニットから前記第二のユニットへ各々配信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラシステム。
【請求項3】
複数の前記第二のユニットの内、前記第一のユニットを優先的に制御する権利を取得した前記第二のユニットから前記第一のユニットの前記画像処理パラメータ設定手段に対して、パラメータを設定し、前記画像処理パラメータ設定手段は、設定されたパラメータを、前記画像信号処理手段が使用するパラメータとして設定し、設定されたパラメータを用いて前記第一のユニットの前記画像信号処理手段において生成された画像信号を前記画像信号配信手段において前記第一のユニットから前記第二のユニットへ配信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−10955(P2008−10955A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176771(P2006−176771)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】