説明

ネットワークゲームサーバ、ネットワークゲームシステム及びネットワークゲームの制御方法

【課題】
ネットワークゲームの魅力を向上し、ネットワークゲーム利用者数の増大を図る。
【解決手段】
ネットワークゲームシステム1は、複数の対戦ゲーム端末16、対戦ゲーム端末16から受信する前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて対戦ゲームを進行する対戦ゲームサーバ11、複数の賭けゲーム端末17、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを進行する賭けゲームサーバ12及び、対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント口座DB14にアクセスし、対戦ゲーム利用者に対して賞金ポイントを付与する賞金付与サーバ13とを備える。賞金付与サーバ13は、賭けゲーム利用者が支払った手数料ポイント量に基づいて、対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定し、ポイント口座DB14のポイント残高に賞金ポイント量を加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを介して遊ぶことができるゲームを提供するネットワークゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ(PC)、携帯電話端末、ゲーム機等を利用者端末とし、これらの利用者端末からインターネット等の通信ネットワークを介してゲームサーバに接続し、ゲームサーバが提供するゲームを遊ぶことが可能となっている。このような形態で提供されるゲーム又はゲームサービスの提供形態は、ネットワークゲーム又はオンラインゲームと呼ばれている。このようなネットワークゲームを提供するためのシステムは例えば特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
また、ネットワークゲームでは、カードゲーム、スポーツゲーム、ロールプレイングゲーム等の様々なゲームジャンルにおいて、不特定多数のゲーム利用者が相互に対戦を行う対戦型のゲーム(以下、対戦ゲームと呼ぶ)が提供されている。このように不特定多数のゲーム利用者間での対戦が可能であることは、従来のゲーム端末にはないネットワークゲームの魅力となっている。
【0004】
一方、従来から、コンピュータプログラムによる擬似プレイヤーが争う競技を対象として、その競技の勝敗を予想して賭けゲームを行うネットワークゲームも行われている。
【特許文献1】特許第3672879号明細書
【特許文献2】特許第3471790号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ネットワークゲームを提供するサービスにおける重要な課題は、ゲーム利用者数の増大を図ることである。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、提供するネットワークゲームの魅力を向上し、ゲーム利用者数の増大を図ることが可能なネットワークゲームサーバ、ネットワークゲームシステム及びネットワークゲームの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供し、前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末及び前記第2のゲームに参加する複数の第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と通信可能なネットワークゲームサーバである。本態様のネットワークゲームサーバは、前記対戦ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する対戦ゲーム進行手段と、前記第2ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記第2ゲーム利用者の操作情報に応じて前記第2のゲームを進行する第2ゲーム進行手段と、前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセス可能なポイント付与手段とを備える。さらに、前記第2ゲーム進行手段は、前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量の情報を前記ポイント付与手段に送信し、前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量に基づいて、前記対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定し、前記ポイント残高記憶手段に記憶された前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算するものである。
【0008】
このような構成により、対戦ゲームと、この対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームなど、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームとを相互に関連付け、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームの利用者が支払う手数料ポイントに応じて、対戦ゲームの利用者に賞金ポイントを付与することができる。これにより、賞金ポイントの付与がインセンティブとなり、対戦型のネットワークゲームの利用者に対して継続的な利用、利用者数の増大を図ることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量の一部又は全部を前記賞金ポイント量とするものである。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様において、前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量のうちの所定の割合を前記賞金ポイント量とするものである。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様において、前記対戦ゲーム進行手段は、前記対戦ゲーム利用者が支払った参加料ポイント量の情報を前記ポイント付与手段に送信し、前記ポイント付与手段は、前記参加料ポイント量及び前記手数料ポイント量に基づいて、前記賞金ポイント量を決定するものである。このような構成により、対戦ゲーム利用者から徴収する参加料ポイントも賞金ポイントに充当するため、賞金ポイントの原資を大きくすることができる。このため、対戦ゲーム利用者にとってより魅力のある賞金ポイントを設定することが可能となる。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第1乃至第4の態様のいずれかにおいて、前記ポイント付与手段は、前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算する際に、前記手数料ポイントの単位から前記賞金ポイントの単位への変換を行うものである。このような構成により、第2のゲームの利用者から徴収する手数料ポイントの単位と対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイントの単位が異なる場合にも、手数料ポイント量に対応付けて賞金ポイント量を決定することができる。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第1乃至第5の態様のいずれかにおいて、前記第2のゲームを前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームとし、前記第2ゲーム進行手段は、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とするものである。このような構成により、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームの利用者が支払う手数料に基づいて、対戦ゲーム利用者に対する賞金ポイントと決定することができる。
【0014】
本発明の第7の態様は、上記第1の態様において、前記対戦ゲーム進行手段が実行した対戦ゲームの履歴及び前記第2ゲーム進行手段が実行した第2のゲームの履歴を参照し、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せを照合した結果に基づいて、不正な利用者の存在を検出する不正判定手段をさらに備えるものである。このような構成により、不正な利用者の存在を判定し、この判定結果に基づいて、不正利用者を他の利用者に通知したり、不正な利用者のゲーム参加を制限したりすることが可能となる。
【0015】
本発明の第8の態様は、上記第7の態様において、前記不正判定手段は、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せが所定回数に達している場合に、これらの組合せにかかる利用者を不正利用者と判定するものである。これにより、不正利用の可能性がある利用者を容易に判定することができる。
【0016】
本発明の第9の態様は、複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供するネットワークゲームシステムである。本態様のネットワークゲームシステムは、前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末と、前記複数の対戦ゲーム端末と通信ネットワークを介して接続され、前記対戦ゲーム端末から受信する前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する対戦ゲームサーバと、前記第2のゲームに参加する第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と、前記複数の第2ゲーム端末と通信ネットワークを介して接続され、前記第2のゲームの利用者に対して前記第2のゲームを提供する第2ゲームサーバと、前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセスし、前記対戦ゲーム利用者に対して賞金ポイントを付与する賞金付与サーバとを備える。さらに、前記対戦ゲームサーバは、賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者の情報を前記賞金付与サーバに送信し、前記第2ゲームサーバは、前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量の情報を賞金付与サーバに送信し、前記賞金付与サーバは、前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者の情報及び前記手数料ポイント量に基づいて、前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定し、前記ポイント残高記憶手段に記憶された前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算するものである。
【0017】
このような構成により、対戦ゲームと、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームとを相互に関連付け、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームの利用者が支払う手数料ポイントに応じて、対戦ゲームの利用者に賞金ポイントを付与することができる。これにより、賞金ポイントの付与がインセンティブとなり、対戦型のネットワークゲームの利用者に対して継続的な利用、利用者数の増大を図ることができる。
【0018】
本発明の第10の態様は、上記第9の態様において、前記第2のゲームを前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームとし、前記第2ゲームサーバは、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とするものである。このような構成により、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームの利用者が支払う手数料に基づいて、対戦ゲーム利用者に対する賞金ポイントと決定することができる。
【0019】
本発明の第11の態様は、複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供し、前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末及び前記第2のゲームに参加する複数の第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と通信可能なネットワークゲームサーバが行うネットワークゲームの制御方法である。本態様の制御方法は、前記対戦ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する第1ステップと、前記第2ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記第2ゲーム利用者の操作情報に応じて前記第2のゲームを進行するとともに、前記第2ゲーム利用者から手数料ポイントを徴収する第2ステップと、前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量に基づいて前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定する第3ステップと、前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセスして、前記対戦ゲーム利用者に対して賞金ポイントを付与する第4ステップとを備える。
【0020】
このような方法により、対戦ゲームと、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームとを相互に関連付け、対戦ゲームの結果を利用するネットワークゲームの利用者が支払う手数料ポイントに応じて、対戦ゲームの利用者に賞金ポイントを付与することができる。これにより、賞金ポイントの付与がインセンティブとなり、対戦型のネットワークゲームの利用者に対して継続的な利用、利用者数の増大を図ることができる。
【0021】
本発明の第12の態様は、上記第11の態様において、前記手数料ポイント量のうちの所定の割合を前記賞金ポイント量とするものである。
【0022】
本発明の第13の態様は、上記第11の態様において、前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算する際に、前記手数料ポイントの単位から前記賞金ポイントの単位への変換を行うものである。このような方法により、第2のゲームの利用者から徴収する手数料ポイントの単位と対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイントの単位が異なる場合にも、手数料ポイント量に対応付けて賞金ポイント量を決定することができる。
【0023】
本発明の第14の態様は、上記第11の態様において、前記第2のゲームを前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームとし、前記第2ステップでは、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とするものである。このような方法により、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームの利用者が支払う手数料に基づいて、対戦ゲーム利用者に対する賞金ポイントと決定することができる。
【0024】
本発明の第15の態様は、上記第11の態様において、実行済みの前記対戦ゲーム及び前記第2のゲームの履歴を参照し、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せを照合した結果に基づいて、不正な利用者の存在を検出するステップをさらに備えるものである。このような構成により、不正な利用者の存在を判定し、この判定結果に基づいて、不正利用者を他の利用者に通知したり、不正な利用者のゲーム参加を制限したりすることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、提供するネットワークゲームの魅力を向上し、ゲーム利用者数の増大を図ることが可能なネットワークゲームサーバ、ネットワークゲームシステム及びネットワークゲームの制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、対戦ゲームと当該対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを提供するネットワークゲームシステムに対して本発明を適用したものである。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0027】
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかるネットワークゲームシステムの構成を図1に示す。対戦ゲームサーバ11は、対戦ゲーム利用者によって操作される対戦ゲーム端末16と通信ネットワーク18を介して接続されている。対戦ゲームサーバ11は、ゲームプログラムを実行し、対戦ゲーム端末16から受信するゲーム利用者の操作情報に応じた処理結果を、対戦ゲーム端末16に送信する。
【0028】
また、対戦ゲームサーバ11は、賭けゲームサーバ12に対して、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを行うために必要な情報を対戦データとして送信する。具体的には、対戦ゲーム開始前には、過去の対戦成績等の対戦ゲーム参加者の情報を送信し、対戦ゲーム開催中には、対戦状況等を送信し、対戦ゲーム終了時には、対戦結果を送信する。
【0029】
さらに、対戦ゲームサーバ11は、対戦ゲームの結果により、賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者の識別情報(ID)及び/又は賞金付与の対象となるポイント口座の識別情報(ID)を含む対戦結果データを、賞金付与サーバ13に対して送信する。
【0030】
賭けゲームサーバ12は、賭けゲーム利用者によって操作される賭けゲーム端末17と通信ネットワーク19を介して接続されている。賭けゲームサーバ12は、対戦ゲームサーバが実行する対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを実行する。賭けゲームサーバ12は、ゲームプログラムを実行し、賭けゲーム端末17から賭け値を含むbetデータを受信し、賭け値に相当するゲームポイントをゲーム利用者のポイント口座から徴収することによってポイント口座DB15を更新する。また、対戦ゲームの結果に応じて、ゲーム利用者のポイント口座に配当に当たるゲームポイントの付与を行って、ポイント口座DB15を更新する。
【0031】
ここで、ゲームポイントとは、少なくともネットワークゲームシステム1内で交換可能な価値を有し、賭け値及び配当の単位となる電子的な仮想通貨である。また、ポイント口座DB15は、賭けゲーム利用者のゲームポイント残高を管理するデータベースである。賭けゲームのゲームポイントは、賭けゲームサーバ12及びポイント口座DB15によって電子的に管理されている。
【0032】
なお、賭けゲームサーバ12は、別途決済処理を行う決済サーバと連携し、又は決済サーバを備えることとしてもよい。賭けゲームの利用者は、決済サーバを利用して、オンラインバンクシステムによる銀行口座からの引き落とし、クレジットカードによる決済、電子マネーによる決済等によって、ゲームポイントを購入することができる。さらに、ゲームポイントを他のポイントプログラムのポイント単位等に変換する処理を行うこととしてもよい。
【0033】
さらに、賭けゲームサーバ12は、賞金付与サーバ13に対して手数料データを送信する。ここで、手数料データは、賭けゲーム利用者から賭けゲームへの参加手数料として徴収した手数料ポイントの値を表示するものである。なお、手数料データは、賭けゲームによる予想対象となった対戦ゲームの勝者、入賞者等に対する賞金として付与するポイント数の決定に利用されるものである。このため、例えば、1つの対戦、1つのトーナメント等の賭けゲームの予想の単位で集約した手数料ポイント数を通知することとすればよい。もちろん、賭けゲーム利用者ごとの手数料額を通知することとしてもよい。
【0034】
賞金付与サーバ13は、対戦ゲームサーバ11から対戦結果データを受信し、賭けゲームサーバ12から手数料データを受信して、対戦ゲームの成績優秀者に対する賞金としてゲームポイントを付与する。具体的には、賞金付与サーバ13は、賞金として付与されるゲームポイント分だけ対象となる対戦ゲーム利用者のゲームポイント口座の残高が増加するように、ポイント口座DB14を更新する。ここで、ポイント口座DB14は、対戦ゲーム利用者のゲームポイント残高を管理するためのデータベースである。
【0035】
なお、ポイント口座DB14は、対戦ゲーム利用者の金融機関口座や電子マネー口座とし、賞金付与サーバ13は、賞金に相当する金額を対戦ゲーム利用者の金融機関口座等に入金するものとしてもよい。また、対戦ゲーム利用者の金融機関口座や電子マネー口座が、ネットワークゲームシステム1以外の銀行システム等に管理されるものである場合、賞金付与サーバ13は、銀行システムの手続きに準じた入金依頼データを送信するものとすればよい。
【0036】
上述した対戦ゲームサーバ11、賭けゲームサーバ12及び賞金付与サーバ13を含むネットワークゲームサーバ10が、本発明にかかるネットワークゲームサーバに相当する。
【0037】
対戦ゲーム端末16は、対戦ゲーム利用者が使用する端末である。対戦ゲーム端末16は、利用者が入力した情報を対戦ゲームサーバ11に送信するとともに、対戦ゲームサーバ11から処理結果、ゲーム画面データ等を受信する。対戦ゲーム端末16は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)、携帯電話端末、ゲーム機等である。
【0038】
また、賭けゲーム端末17は、賭けゲーム利用者が使用する端末である。賭けゲーム端末17は、利用者が入力した賭け値等の情報を賭けゲームサーバ12に送信するとともに、賭けゲームサーバ12から対戦ゲームの参加者情報、対戦状況の表示データ、対戦結果情報等を受信する。賭けゲーム端末17は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)、携帯電話端末、ゲーム機等である。
【0039】
通信ネットワーク18及び19は、インターネット、公衆網、携帯電話通信網等、又はこれらを相互に接続したものである。
【0040】
以下では、対戦ゲームサーバ11、賭けゲームサーバ12、賞金付与サーバ13のハードウェア構成について説明する。まず、対戦ゲームサーバ11のハードウェア構成例を図2に示す。対戦ゲームサーバ11には典型的なコンピュータ・システムが利用可能であり、例えば図に示すように、キーボード、マウス等の入力装置101、モニタ、プリンタ等の出力装置102、これらの入出力を制御する入出力インタフェース103、LAN、電話網、パケット交換網等のネットワークと接続してデータの送受信を行う通信インタフェース104を備えている。さらに、演算処理を実行するCPU105、RAM106、ROM107及び外部記憶装置108を備えている。外部記憶装置108としては、例えば、他の構成と共に単一のコンピュータ内に設けたハードディスク装置を使用してもよいが、物理的に隔離し、通信インタフェース104を介して接続するデータベースとして構成してもよく、さらには複数のハードディスク装置あるいはデータベースを組み合わせて構成してもよい。
【0041】
CPU105は、制御プログラムに基づいて、対戦ゲームサーバ11内の各種処理を実行する中央制御装置である。ここで、制御プログラムとは、対戦ゲームサーバ11に関する処理をCPU105により実行させるためのプログラムであり、ROM107若しくは外部記憶装置108又はこれらの両方に格納されている。なお、制御プログラムは、遠隔に設けられた記憶手段から通信網を介して取得するようにしてもよい。
【0042】
外部記憶装置108には、ゲームプログラム109が格納される。ゲームプログラム109は、コンピュータ・システムに本発明にかかる対戦型のネットワークゲームを実行させるためのプログラムであり、RAM106又はCPU105が備える内部メモリ上に読み出され、CPU105において実行される。CPU105がゲームプログラム109に従って動作することによって、図2のコンピュータ・システムが、本実施の形態にかかる対戦ゲームサーバ11として動作することができる。
【0043】
なお、ゲームプログラム109はハードディスク等の外部記憶装置108に限らず様々な種類の記憶媒体に格納することが可能であり、また、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等を含み、インターネットも含まれる。
【0044】
さらに、対戦ゲームサーバ11は、対戦ゲーム利用者DB110及び対戦ゲーム履歴DB111を備えている。対戦ゲーム利用者DB110は、対戦ゲームサーバ11が提供する対戦ゲームの利用者情報を格納するDBである。対戦ゲーム利用者DB110のデータ構成例を図5(a)に示す。図のように対戦ゲーム利用者DB110には、対戦ゲーム利用者を一意に識別するための対戦ゲーム利用者ID、利用者の氏名、住所等の個人特定のための情報及びゲームポイントを管理するポイント口座ID等の情報が対応付けて格納されている。またさらに、対戦ゲーム利用者の対戦成績、優勝回数、得意ゲーム等の情報を合わせて保存することとしてもよい。
【0045】
対戦ゲーム履歴DB111は、対戦ゲームサーバ11が実行した対戦ゲームの結果を履歴として格納するデータベースである。対戦ゲーム履歴DB111のデータ構成例を図5(b)に示す。図のように対戦ゲーム履歴DB111には、実行した対戦ゲームを識別する対戦ゲームID、対戦ゲームの実施日時、対戦ゲームの勝者、対戦ゲームの参加者等の情報が対応付けて格納されている。
【0046】
次に、賭けゲームサーバ12のハードウェア構成を説明する。賭けゲームサーバ12も、対戦ゲームサーバ11と同様に、典型的なコンピュータ・システムが利用可能である。賭けゲームサーバ12のハードウェア構成例を図3に示す。なお、上述した対戦ゲームサーバ11が有する構成要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0047】
外部記憶装置108に格納されるゲームプログラム209は、コンピュータ・システムに対戦ゲームサーバ11が実行する対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを実行させるためのプログラムである。ゲームプログラム209は、RAM106又はCPU105が備える内部メモリ上に読み出され、CPU105において実行される。CPU105がゲームプログラム209に従って動作することによって、図3のコンピュータ・システムが、本実施の形態にかかる賭けゲームサーバ12として動作する。なお、ゲームプログラム209は、上述したゲームプログラム109と同様に、外部記憶装置108に限らず様々な記録媒体に格納可能であり、通信媒体を介して伝達されることが可能である。
【0048】
賭けゲーム利用者DB210は、賭けゲームサーバ12が提供する賭けゲームの利用者情報を格納するDBである。賭けゲーム利用者DB210のデータ構成例を図5(c)に示す。図のように賭けゲーム利用者DB210には、賭けゲーム利用者を一意に識別するための賭けゲーム利用者ID、利用者の氏名、住所等の個人特定のための情報及びゲームポイントを管理するポイント口座ID等の情報が対応付けて格納されている。
【0049】
賭けゲーム履歴DB211は、賭けゲームサーバ12が実行した賭けゲームの結果を履歴として格納するデータベースである。賭けゲーム履歴DB211のデータ構成例を図5(d)に示す。図のように賭けゲーム履歴DB211には、実行した賭けゲームを識別する賭けゲームID、賭けゲームの実施日時、賭けゲームの予想対象となった対戦ゲームを識別する情報(対戦ゲームIDなど)、賭けゲームの参加者等の情報が対応付けて格納されている。
【0050】
続いて、賞金付与サーバ13のハードウェア構成を説明する。賞金付与サーバ13も、対戦ゲームサーバ11と同様に、典型的なコンピュータ・システムが利用可能である。賞金付与サーバ13のハードウェア構成例を図4に示す。なお、上述した対戦ゲームサーバ11が有する構成要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0051】
外部記憶装置108に格納される処理プログラム309は、賞金として付与するゲームポイント(以下、賞金ポイントと呼ぶ)によってポイント口座DB14を更新する処理を、コンピュータ・システムに実行させるためのプログラムである。処理プログラム309は、RAM106又はCPU105が備える内部メモリ上に読み出され、CPU105において実行される。CPU105が処理プログラム309に従って動作することによって、図4のコンピュータ・システムが、本実施の形態にかかる賞金付与サーバ13として動作する。
【0052】
賞金付与ルール・ファイル310は、賞金ポイント数を決定する規則を定めるものである。例えば、賭けゲームサーバ12が手数料として徴収するゲームポイントのうち、賞金ポイントとして付与する割合(例えば30パーセント等)を定めるものである。
【0053】
なお、賞金付与ルールは、対戦ゲームサーバ11又は賭けゲームサーバ12から送信されて、賞金付与ルール・ファイル310に格納されるものとしてもよい。このような構成は、実行した対戦ゲーム又は賭けゲームの内容に応じて、賞金付与ポイントのルールを変更する場合に特に有効である。
【0054】
上述した処理プログラム309及び賞金付与ルール・ファイル310は、ゲームプログラム109と同様に、外部記憶装置108に限らず様々な記録媒体に格納可能であり、通信媒体を介して伝達されることが可能である。
【0055】
賞金付与履歴DB311は、賞金付与サーバ13の処理履歴を格納するデータベースである。履歴DB311のデータ構成例を図5(e)に示す。図のように賞金付与履歴DB311には、実行した賞金ポイントを付与する処理を識別する処理番号、賞金ポイントを付与したポイント口座ID、賞金として付与したゲームポイント数等の情報が対応付けて格納されている。
【0056】
なお、本実施の形態にかかる対戦ゲームサーバ11、賭けゲームサーバ12、賞金付与サーバ13は、それぞれ単一のコンピュータでなく複数のコンピュータによって構成することも可能である。また逆に、これらのサーバの全て又は一部を同一のコンピュータ・システムとして構成することも可能である。つまり、ハードウェア構成は、図2乃至図4の構成に限定されるものではない。また、ユーザ認証サーバ、ファイアウォール等のネットワークゲームサービスを提供する上で必要なその他の構成を備えることとしても良い。
【0057】
続いて以下では、本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム1の全体処理フローを、図6を用いて説明する。ステップS1では、対戦ゲームへの参加を希望する対戦ゲーム利用者が、対戦ゲーム端末16を利用して、対戦ゲームサーバ11に対して対戦ゲームへの参加希望を送信する。ステップS2では、対戦ゲームサーバ11が、対戦ゲーム利用者の参加希望に応じて対戦ゲームへの参加登録を行い、対戦ゲーム利用者DB110に格納された対戦ゲーム利用者の情報を用いて対戦情報を生成する。対戦情報とは、対戦ゲームの内容、参加者等の情報であり、対戦ゲームの結果を予想するために必要な情報である。
【0058】
ステップS3では、対戦ゲームサーバ11が、生成した対戦情報を賭けゲームサーバ12に送信する。ステップS4では、賭けゲームサーバ12が、受信した対戦情報を賭けゲーム端末17に対して送信する。ステップS5では、賭けゲーム端末17が、受信した対戦情報をディスプレイに表示して、賭けゲーム利用者に対して賭け値の入力を促す。なお、このときの賭けゲームの予想の対象は対戦ゲームの結果であるが、具体的な対象は様々である。例えば、1つの対戦の勝者予想若しくは敗者予想、対戦トーナメントの優勝者予想、トーナメントの上位の順位予想及びトーナメントの最下位予想など様々である。
【0059】
ステップS6では、賭けゲーム端末17が、賭けゲーム利用者によって入力された賭け値を含むbetデータを賭けゲームサーバ12に対して送信する。ステップS7では、賭けゲームサーバ12が、受信したbetデータに含まれる賭け値を参照し、賭け値に相当するゲームポイントを賭けゲーム利用者のポイント口座から徴収し、ポイント口座DB15を更新する。なお、賭け値と別に手数料を徴収する場合には、手数料に相当するゲームポイントも合わせて徴収することとすればよい。
【0060】
ステップS8では、対戦ゲームサーバ11及び参加登録を行った利用者が使用する対戦ゲーム端末16において対戦ゲームを実行する。対戦ゲームの実行状況は、賭けゲームサーバ12に送信される(ステップS9)。ステップS10では、賭けゲームサーバ12が対戦ゲームの実行状況を賭けゲーム端末17に送信する。ステップS11では、賭けゲーム端末17が、対戦ゲームの状況をディスプレイに表示する。なお、対戦ゲームの状況は常に表示する必要はなく、対戦ゲームの内容又は賭けゲーム利用者の希望に応じて、表示の有無を変更することとしてもよい。
【0061】
ステップS12では、対戦ゲームサーバ11が、対戦ゲームの終了後の結果を賭けゲームサーバ12に送信する。ステップS13では、賭けゲームサーバ12が、受信した対戦ゲームの結果を参照し、予想の的中した賭けゲーム利用者に対して配当ポイントを付与する。具体的には、賭けゲーム利用者DBを参照して、配当ポイント付与の対象となる賭けゲーム利用者のポイント口座IDを取得し、当該IDによって指定されるポイント口座に配当ポイントを付加する。ステップS14では、賭けゲームサーバ12が、対戦ゲームの結果及び賭けゲームの結果を賭けゲーム端末17に送信する。
【0062】
ステップS15では、対戦ゲームサーバ11が、対戦結果データを賞金付与サーバ13に対して送信する。対戦結果データを受信した賞金付与サーバ13は、当該データをRAM106、外部記憶装置108又は賞金付与履歴DB311等の記憶手段に保存する。
【0063】
ステップS16では、賭けゲームサーバ12が、手数料データを賞金付与サーバ13に対して送信する。手数料データを受信した賞金付与サーバ13は、当該データをRAM106、外部記憶装置108又は賞金付与履歴DB311等の記憶手段に保存する。
【0064】
ステップS17では、賞金付与サーバ13が、ステップS15及びS16で受信した対戦結果データ及び手数料データに基づいて賞金ポイントを決定し、決定した賞金ポイントによりポイント口座DB14を更新する。
【0065】
ここで、ステップS17の具体例を図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101では、対戦ゲームサーバ11より受信して記憶手段に格納しておいた対戦結果データを取得する。同様に、ステップS102では、賭けゲームサーバ12より受信して記憶手段に格納しておいた手数料データを取得する。
【0066】
ステップS103では、賞金付与ルール310を参照して、所定のルールに従って賞金ポイントの決定を行う。図7では、手数料データから得られる手数料ポイント総額の所定割合(例えば、30パーセント)を賞金ポイントとする場合を示している。
【0067】
ステップS104では、対戦結果データを参照して、ポイント付与対象の対戦ゲーム利用者のポイント口座IDを特定し、特定したポイント口座IDによって識別されるポイント口座に賞金ポイントを付与する。
【0068】
最後に、ステップS105では、賞金付与履歴DB311に、賞金ポイント付与の詳細を保存して、賞金ポイント付与処理を終了する。
【0069】
なお、手数料ポイントの所定割合を賞金ポイントとする図7に示した処理は一例であり様々な変形が可能である。例えば、手数料ポイントのうちの所定値を賞金ポイントとしてもよい。また、対戦ゲーム参加者の相対的な成績を対戦結果データとして受信し、例えばタイム差、得点差等の大きさに応じて賞金ポイントを変動させることもできる。
【0070】
また、賭けゲームで使用するゲームポイントと、対戦ゲームで使用するゲームポイントの単位、価値等が異なる場合も考えられる。この場合には、賞金付与サーバ13が賞金ポイントを決定する際に、適当な変換比率によってポイント単位の変換を行うこととすればよい。
【0071】
このように、本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム1は、対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームの利用者から徴収した手数料ポイントの一部又は全部を、対戦ゲーム利用者に対する賞金ポイントに充当するものである。これにより、賞金ポイントの付与がインセンティブとなって、対戦ゲーム利用者の継続的な利用、対戦ゲーム利用者数の増大を図ることができる。
【0072】
なお、対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量は、賭けゲーム利用者から徴収した手数料ポイントに応じて変動させることが望ましい。賞金ポイント量を手数料ポイント量に連動させることにより、白熱した対戦、競技レベルの高い対戦を行うことで、多くの賭けゲーム利用者を呼び込むことができた対戦ゲーム利用者には、より多くの賞金ポイントが付与されることになる。このため、賞金ポイントの増加が対戦ゲーム利用者のインセンティブとなって対戦ゲームの魅力が向上し、対戦ゲーム利用者の継続的な利用を促進し、また利用者数の増加にも寄与する。一方、対戦ゲーム利用者が増加することによって、利用者の個性の広がりや対戦ゲーム利用者の習熟度の向上が進むと、対戦ゲームの結果を予測する楽しみが増すことから、賭けゲーム利用者数の増加も期待できる。
【0073】
つまり、賞金ポイント量を手数料ポイント量に基づいて決定することによって、2つのゲームを密接に関連付けることができ、2つのゲームを単に独立に実施する場合と比べて、双方のゲーム利用者の満足度をより一層向上させることができる。
【0074】
発明の実施の形態2.
本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム2の構成を図8に示す。ネットワークゲームシステム2は、対戦ゲームサーバ21が対戦ゲーム利用者から参加料ポイントを徴収し、徴収した参加料ポイントを示す参加料データを賞金付与サーバ23に送信する点、賞金付与サーバ23が手数料ポイントだけでなく、参加料データで表される参加料ポイントも賞金ポイントに充当する点において、上述したネットワークゲームシステム1と相違している。
【0075】
対戦ゲームサーバ21及び賞金付与サーバ23は、発明の実施の形態1にかかる対戦ゲームサーバ11及び賞金付与サーバ13と同様のコンピュータ・システムにより構成することができる。また、ネットワークゲームシステム2の全体処理フローは、図6のステップS1の後に、ポイント口座DB14から参加料ポイントの徴収を行うこと、及び、ステップS15において対戦結果データと参加料データを送信することを除き、図6に示したネットワークゲームシステム1の処理フローと同様である。なお、対戦ゲームサーバ21及び賞金付与サーバ23を除く構成要素は、ネットワークゲームシステム1が備えるものと同一であるため、同一の符号を付して詳細な説明を省略することとする。
【0076】
賞金付与サーバ23が行う賞金ポイント付与処理のフローチャートを図9に示す。なお、図7に示した賞金付与サーバ13が行う処理と同一の処理には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0077】
ステップS201では、対戦ゲームサーバ21より受信し、RAM106、外部記憶装置108又は賞金付与履歴DB311等の記憶手段に格納しておいた参加料データを取得する。
【0078】
ステップS202では、賞金付与ルール310を参照して、所定のルールに従って賞金ポイントの決定を行う。図9では、手数料データから得られる手数料ポイント及び参加料データから得られる参加料ポイントの合計値の所定割合(例えば、10パーセント)を賞金ポイントとする場合を示している。
【0079】
賞金ポイントの決定方法は様々な変形が可能であることはもちろんである。例えば、手数料ポイント及び参加料ポイントのうちの所定値を賞金ポイントとしてもよい。また、対戦ゲームに参加する対戦ゲーム利用者の相対的な成績を対戦結果データとして受信し、例えばタイム差、得点差等の大きさに応じて賞金ポイントを変動させることもできる。
【0080】
本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム2は、対戦ゲーム利用者から徴収する参加料ポイントも賞金ポイントに充当するため、賞金ポイントの原資を大きくすることができる。このため、対戦ゲーム利用者にとってより魅力のある賞金ポイントを設定することが可能となる。
【0081】
発明の実施の形態3.
本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム3の構成を図10に示す。ネットワークゲームシステム3は、不正判定装置39を備える点において、発明の実施の形態1にかかるネットワークゲームシステム1と相違している。なお、対戦ゲームサーバ31は、不正判定装置39の判定結果を受信し、不正防止のための処置を取る点を除いて、その他の構成要素は発明の実施の形態1にかかる対戦ゲームサーバ11と共通する。また、同様に、賭けゲームサーバ32は、不正判定装置39の判定結果を受信し、不正防止のための処置を取る点を除いて、その他の構成要素は発明の実施の形態1にかかる賭けゲームサーバ12と共通する。
【0082】
不正判定装置39は、対戦ゲーム及び賭けゲームの履歴に基づいて、不正利用の可能性がある対戦ゲーム利用者及び賭けゲーム利用者を判定するものである。
【0083】
不正判定装置39の動作フローを、図11を用いて説明する。ステップS301では、対戦ゲームサーバ31が備える対戦ゲーム履歴DB111を参照して、対戦ゲームの履歴を取得する。ステップS302では、賭けゲームサーバ32が備える賭けゲーム履歴DB211を参照して、賭けゲームの履歴を取得する。
【0084】
ステップS303では、ステップS301及びS302で取得した履歴を参照して、対戦ゲームに参加した対戦ゲーム利用者と当該対戦ゲームを予想対象とする賭けゲームに参加した賭けゲーム参加者とを照合し、特定の利用者同士の組合せが生じた回数をカウントする。
【0085】
ステップS304では、特定の利用者同士の組合せの回数が、所定数以上に達したか否かを判定する。所定数未満の場合は、不正はないものとして判定を終了する。一方、所定数以上であった場合、この組合せにかかる対戦ゲーム利用者及び賭けゲーム利用者は不正の可能性があるものとして、対戦ゲームサーバ31及び賭けゲームサーバ32に通知を行って、判定を終了する(ステップS305)。
【0086】
不正判定装置39から通知を受けた対戦ゲームサーバ31及び賭けゲームサーバ32は、不正防止のための処置を取る。例えば、他の利用者に不正の疑いがある利用者が存在することを通知する。これにより、他の利用者は、その対戦ゲーム又は賭けゲームに参加するか否かを自身で判断することができる。また、例えば、両方の利用者又はいずれか一方の利用者のゲーム参加を制限することとしてもよい。これにより、不正行為を排除できる。
【0087】
このように、本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム3は、対戦ゲーム利用者と賭けゲーム利用者の共謀による不正を防止するために、ゲームの実施履歴から不正行為の存在を判定する不正判定装置39を設ける点が特徴である。
【0088】
本発明のネットワークゲームシステムは、不特定多数の対戦ゲーム利用者が参加して対戦ゲームを行うとともに、当該対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームを行うものである。このため、コンピュータプログラムによる擬似プレイヤーが争う競技の結果を予想する賭けゲームを行う従来のネットワークゲームシステムに比べて、利用者同士の共謀による不正が行われやすいという問題がある。
【0089】
また、上述したように、賭けゲームの予想の対象は対戦ゲームの勝者に限らず、対戦ゲームの敗者予想、最下位予想又は、これらを含む順位予想を賭けゲームの対象とすることもできる。しかし、このように敗者予想を行う場合は、利用者の不正が特に問題となる。
【0090】
本実施の形態にかかるネットワークゲームシステム3では、不正な利用者の存在を判定し、これを他の利用者に通知したり、不正な利用者のゲーム参加を制限したりすることが可能である。これによって、提供するネットワークゲームの信頼性を向上することができる。さらに、信頼性の高いネットワークゲーム環境を提供することによって、ゲーム利用者の安心感を高め、ゲーム利用者の増加に寄与することもできる。
【0091】
その他の実施の形態.
上述した発明の実施の形態では、賭けゲーム端末17から賭けゲームサーバ12又は32に対して賭け値を含むbetデータを送信することとした。しかしながら、賭けゲーム端末17からのbetデータには賭け値を含まないこととしてもよい。さらに、ポイント口座DB15は、賭けゲーム利用者の金融機関口座又は電子マネー口座等とし、賭けゲームサーバ12又は32は、金融機関口座等からの引き落とし、クレジットカードによる決済等によって、賭けゲーム利用者から手数料を徴収することとしてもよい。またさらに、賭けゲームサーバ12又は32は、賭けゲーム利用者から徴収した手数料金額を手数料データとして賞金付与サーバ13又は23に通知するものとし、賞金付与サーバ13又は23は、手数料金額に応じて対戦ゲーム利用者に対する賞金ゲームポイント又は賞金額を決定するものとしてもよい。
【0092】
この場合には、例えば、賭けゲーム利用者は、手数料を支払ったうえで対戦ゲームの結果を予想して投票を行うものとし、予想が的中した場合に配当ポイントに替えて景品を得るものとすることが可能である。この場合の景品は、有体物でも電子的に発行されるデータ等であってもよい。
【0093】
要するに本発明は、少なくともネットワークゲームシステム内で交換可能な価値を有するゲームポイント等の仮想的な通貨又は現実の通貨によって対戦ゲーム利用者に付与する賞金の量を、対戦ゲームの結果を利用する対戦ゲームとは別のゲームの利用者が支払う手数料に応じて決定することを特徴とするものである。したがって、上述した実施の形態では、対戦ゲームとこの結果を予想する賭けゲームを提供するネットワークゲームシステムについて説明したが、賭けゲームに替えて、不特定多数のゲーム利用者による対戦ゲームの結果を利用するその他のゲームとすることも可能である。
【0094】
上述した実施の形態では、賞金付与サーバ13及び23がポイント口座DB14を更新することしたが、賞金付与サーバ13は、賞金ポイントの決定までを行い、賞金ポイントの付与以降の処理は、外部のポイント管理システムを利用することとしてもよい。
【0095】
上述した発明の実施の形態1又は2にかかる対戦ゲームサーバ11及び21は、対戦ゲーム履歴DB111を保持しないこととしてもよい。
【0096】
上述した発明の実施の形態1又は2にかかる賭けゲームサーバ12は、賭けゲーム履歴DB211を保持しないこととしてもよい。
【0097】
上述した発明の実施の形態において、対戦ゲームサーバ11、21若しくは31及び複数の対戦ゲーム端末16の間で進行する対戦ゲームの状況は、賭けゲームサーバ12又は22に対してリアルタイムに送信することとしてもよいし、時間差を設けて、例えば、対戦ゲームの終了後に、送信することとしてもよい。
【0098】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明にかかるネットワークゲームシステムの構成図である。
【図2】本発明にかかる対戦ゲームサーバの構成図である。
【図3】本発明にかかる賭けゲームサーバの構成図である。
【図4】本発明にかかる賞金付与サーバの構成図である。
【図5】本発明にかかるネットワークゲームシステムが有するデータベースのデータ構造を示す図である。
【図6】本発明にかかるネットワークゲームシステムの処理フロー図である。
【図7】本発明にかかるネットワークゲームシステムが行う賞金付与処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかるネットワークゲームシステムの構成図である。
【図9】本発明にかかるネットワークゲームシステムが行う賞金付与処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明にかかるネットワークゲームシステムの構成図である。
【図11】本発明にかかるネットワークゲームシステムが行う不正防止処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1,2,3 ネットワークゲームシステム
10,20,30 ネットワークゲームサーバ
11,21,31 対戦ゲームサーバ
12,32 賭けゲームサーバ
13,23 賞金付与サーバ
14,15 ポイント口座DB
16 対戦ゲーム端末
17 賭けゲーム端末
18,19 通信ネットワーク
109,209 ゲームプログラム
110 対戦ゲーム利用者DB
111 対戦ゲーム履歴DB
210 賭けゲーム利用者DB
211 賭けゲーム履歴DB
309 処理プログラム
310 賞金付与ルール
311 賞金付与履歴DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供し、前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末及び前記第2のゲームに参加する複数の第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と通信可能なネットワークゲームサーバであって、
前記対戦ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する対戦ゲーム進行手段と、
前記第2ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記第2ゲーム利用者の操作情報に応じて前記第2のゲームを進行する第2ゲーム進行手段と、
前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセス可能なポイント付与手段とを備え、
前記第2ゲーム進行手段は、前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量の情報を前記ポイント付与手段に送信し、
前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量に基づいて、前記対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定し、前記ポイント残高記憶手段に記憶された前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算するネットワークゲームサーバ。
【請求項2】
前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量の一部又は全部を前記賞金ポイント量とする請求項1に記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項3】
前記ポイント付与手段は、前記手数料ポイント量のうちの所定の割合を前記賞金ポイント量とする請求項1に記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項4】
前記対戦ゲーム進行手段は、前記対戦ゲーム利用者が支払った参加料ポイント量の情報を前記ポイント付与手段に送信し、
前記ポイント付与手段は、前記参加料ポイント量及び前記手数料ポイント量に基づいて、前記賞金ポイント量を決定する請求項1に記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項5】
前記ポイント付与手段は、前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算する際に、前記手数料ポイントの単位から前記賞金ポイントの単位への変換を行う請求項1乃至4のいずれかに記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項6】
前記第2のゲームは、前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームであり、
前記第2ゲーム進行手段は、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とする請求項1乃至5のいずれかに記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項7】
前記対戦ゲーム進行手段が実行した対戦ゲームの履歴及び前記第2ゲーム進行手段が実行した第2のゲームの履歴を参照し、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せを照合した結果に基づいて、不正な利用者の存在を検出する不正判定手段をさらに備える請求項1に記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項8】
前記不正判定手段は、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せが所定回数に達している場合に、これらの組合せにかかる利用者を不正利用者と判定する請求項7に記載のネットワークゲームサーバ。
【請求項9】
複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供するネットワークゲームシステムであって、
前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末と、
前記複数の対戦ゲーム端末と通信ネットワークを介して接続され、前記対戦ゲーム端末から受信する前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する対戦ゲームサーバと、
前記第2のゲームに参加する第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と、
前記複数の第2ゲーム端末と通信ネットワークを介して接続され、前記第2のゲームの利用者に対して前記第2のゲームを提供する第2ゲームサーバと、
前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセスし、前記対戦ゲーム利用者に対して賞金ポイントを付与する賞金付与サーバとを備え、
前記対戦ゲームサーバは、賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者の情報を前記賞金付与サーバに送信し、
前記第2ゲームサーバは、前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量の情報を賞金付与サーバに送信し、
前記賞金付与サーバは、前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者の情報及び前記手数料ポイント量に基づいて、前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定し、前記ポイント残高記憶手段に記憶された前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算するネットワークゲームシステム。
【請求項10】
前記第2のゲームは、前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームであり、
前記第2ゲームサーバは、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とする請求項9に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項11】
複数の対戦ゲーム利用者が相互に競い合う対戦ゲーム及び当該対戦ゲームの結果を利用する第2のゲームを提供し、前記対戦ゲーム利用者が使用する複数の対戦ゲーム端末及び前記第2のゲームに参加する複数の第2ゲーム利用者が使用する複数の第2ゲーム端末と通信可能なネットワークゲームサーバが行うネットワークゲームの制御方法であって、
前記対戦ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記対戦ゲーム利用者の操作情報に応じて前記対戦ゲームを進行する第1ステップと、
前記第2ゲーム端末から通信ネットワークを介して受信した前記第2ゲーム利用者の操作情報に応じて前記第2のゲームを進行するとともに、前記第2ゲーム利用者から手数料ポイントを徴収する第2ステップと、
前記第2ゲーム利用者が支払った手数料ポイント量に基づいて前記賞金付与の対象となる対戦ゲーム利用者に付与する賞金ポイント量を決定する第3ステップと、
前記対戦ゲーム利用者ごとのポイント残高を記憶するポイント残高記憶手段にアクセスして、前記対戦ゲーム利用者に対して賞金ポイントを付与する第4ステップとを備えるネットワークゲームの制御方法。
【請求項12】
前記手数料ポイント量のうちの所定の割合を前記賞金ポイント量に決定する請求項11に記載のネットワークゲームの制御方法。
【請求項13】
前記対戦ゲーム利用者のポイント残高に前記賞金ポイント量を加算する際に、前記手数料ポイントの単位から前記賞金ポイントの単位への変換を行う請求項11に記載のネットワークゲームの制御方法。
【請求項14】
前記第2のゲームは、前記対戦ゲームの結果を予想する賭けゲームであり、
前記第2ステップでは、前記第2利用者が賭け値として支払うポイント量を含むbetデータを前記第2ゲーム端末から受信し、前記賭け値の一部を前記手数料ポイント量とする請求項11に記載のネットワークゲームの制御方法。
【請求項15】
実行済みの前記対戦ゲーム及び前記第2のゲームの履歴を参照し、前記対戦ゲーム利用者と前記第2ゲーム利用者の組合せを照合した結果に基づいて、不正な利用者の存在を検出するステップをさらに備える請求項11に記載のネットワークゲームの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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