説明

ネットワーク監視装置及びネットワーク監視方法ならびにそのプログラム

【課題】多段階層構成のMPLSネットワークにおいて、複数のLSPにより構成された通信経路の全体の品質に基づいて、最適な通信経路を決定することのできるネットワーク監視装置を提供する。
【解決手段】通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定する。そして、現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおいて始点ルータから終点ルータまでの間で設定されている複数のラベルスイッチパスを表示するネットワーク監視装置及びネットワーク監視方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワーク間を物理的に接続するルータにおいては、通信ネットワーク経路上を流れるデータを次のルータへ転送する処理を行っている。そしてこの転送処理の簡略化により処理の高速化を図った技術としてMPLS(Multi Protocol Label Switching)が利用されている。この技術では、通信ネットワーク上に、起点ルータ、中継ルータ、終点ルータ(または起点ルータ、終点ルータのみ)からなるラベルスイッチパスが設定される。そして、このMPLSの品質に基づいてパケットの経路を変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−131240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されている技術は、MPLS技術におけるLSP(ラベルスイッチパス)1つにより構成された通信経路を、その品質によって変更するものであり、LSP複数により構成された通信経路の全体の品質を把握して、通信経路を変更するものではない。
【0005】
そこでこの発明は、多段階層構成のMPLSネットワークにおいて、複数のLSPにより構成された通信経路の全体の品質に基づいて、最適な通信経路を決定することのできるネットワーク監視装置及びネットワーク監視方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定する品質劣化判定部と、前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する通信経路決定部と、を備えることを特徴とするネットワーク監視装置である。
【0007】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記通信経路決定部は、前記指定された始点ノードを始点とするラベルスイッチパスのうち最も小さい品質劣化値の第1のラベルスイッチパスを選定し、当該選定したラベルスイッチパスの終点のノードを始点とするラベルスイッチパスのうち最も小さい品質劣化値のラベルスイッチパスを選定する処理を再帰的に繰り返して、前記指定された終点ノードまでの通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスを選定して、それら選定したラベルスイッチパスにより構成される新たな通信経路を再決定することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記通信経路決定部は、前記再決定した通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を越える値である場合には、前記ラベルスイッチパスの何れか1つの選定において、2番目に小さな品質劣化値のラベルスイッチパスを選定して、新たな通信経路を再決定することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記通信経路決定部は、前記再決定した通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を越える値である場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる1つまたは複数の通信経路の品質劣化値を、当該通信経路それぞれを構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの各品質劣化値に基づいて算出し、最も品質劣化値の小さい通信経路を、新たな通信経路と再決定することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記通信経路決定部は、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる1つまたは複数の通信経路の品質劣化値を、当該通信経路それぞれを構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの各品質劣化値に基づいて算出し、最も品質劣化値の小さい通信経路を、新たな通信経路と再決定することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記ラベルスイッチパスの品質劣化値は、前記ラベルスイッチパスの始点ノードから送信されたパケットが当該ラベルスイッチパスの終点ノードに到達するまでの時間を示す遅延時間であり、前記通信経路の品質劣化値は、当該通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの遅延時間の合計であることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記ラベルスイッチパスの品質劣化値は、前記ラベルスイッチパスの始点ノードから送信された複数のパケットのうち当該ラベルスイッチパスの終点ノードに到達できないパケットの数の割合を示すロス率であり、前記通信経路の品質劣化値は、当該通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスそれぞれのロス率を1から減じた成功率の乗算値を算出し、当該成功率の乗算値を1から減じた値により算出することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ネットワーク監視装置のネットワーク監視方法であって、前記ネットワーク監視装置の品質劣化判定部が、通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定し、前記ネットワーク監視装置の通信経路決定部が、前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定することを特徴とするネットワーク監視方法である。
【0014】
また本発明は、ネットワーク監視装置のコンピュータを、通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定する品質劣化判定手段、前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する通信経路決定手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、多段階層構成のMPLSネットワークにおいて、複数のLSPにより構成された通信経路の全体の品質に基づいて、あるノードからあるノードまでの、最適な通信経路を決定と、その通信経路の可視化とを行うことができる。LSPは、論理的に設定されたパスであり、必ずしも物理パスの経路と一致するものではないため、可視化することで、通信ネットワーク保守者に対して、始点ノードと終点ノードの間の品質の良い通信経路の情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】通信ネットワークの構成を示す図である。
【図3】ルータID特定テーブルのデータ例を示す図である。
【図4】ルータ属性テーブルのデータ例を示す図である。
【図5】LSP情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図6】エリア情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図7】データベースの記憶する情報を示す図である。
【図8】ラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第1の図である。
【図9】ラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第2の図である。
【図10】ネットワーク監視装置のLSPの特定処理の処理フローを示す図である。
【図11】LSP品質劣化値テーブルを示す図である。
【図12】通信経路の品質劣化値の算出処理の概要を示す図である。
【図13】現在利用されている通信経路の概要を示す図である。
【図14】指定された終端ルータ間の全てのLSPを示す図である。
【図15】第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第1の図である。
【図16】第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第2の図である。
【図17】第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第3の図である。
【図18】第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第4の図である。
【図19】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第1の図である。
【図20】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第2の図である。
【図21】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第3の図である。
【図22】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第4の図である。
【図23】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第5の図である。
【図24】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第6の図である。
【図25】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第7の図である。
【図26】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第8の図である。
【図27】第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第9の図である。
【図28】迂回通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
【図29】第1の迂回通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
【図30】第2の迂回通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態によるネットワーク監視装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はネットワーク監視装置1である。ネットワーク監視装置1は、ユーザ等から指示の情報を入力する入力部11、ネットワーク監視装置1の各処理部を制御する制御部12、指定された始点ノードと終点ノードとを繋ぐ通信経路を構成するラベルスイッチパス(以下、LSPと呼ぶ)を特定するLSP特定部13、LSPのうち表示する経路上のLSPを特定する表示経路特定部14、LSPの表示を行う表示処理部15、LSPに流れるトラフィック流量を算出する流量算出部16、各種情報を記憶するデータベース17、各LSPの品質劣化値を検出する品質劣化値検出部18、1つまたは複数のLSPにより構成される通信経路全体の品質劣化値を算出する品質劣化値算出部19、1つまたは複数のLSPにより構成される通信経路全体の品質劣化の有無を判定する品質劣化判定部20、品質劣化の低い通信経路を決定する通信経路決定部21、を備えている。
【0018】
本実施形態によるネットワーク監視装置1は、通信ネットワークにおいて通信経路上に設定されるラベルスイッチパス(LSP)と、指定されたルータ間における複数のラベルスイッチパスのうちの現在のデータフロー経路(通信経路)を表示し、また各ラベルスイッチパスの品質劣化値に基づいて、品質のよい通信経路を決定し表示する処理を行うものである。
そして、本実施形態によるネットワーク監視装置1は、通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定し、現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する処理を行う。
これにより、本実施形態によるネットワーク監視装置1は、複数のLSPにより構成された通信経路の全体の品質に基づいて、最適な通信経路を決定する。
【0019】
図2は、本実施形態による通信ネットワークの構成を示す図である。
図2で示すように本実施形態による通信ネットワークは、ネットワーク監視装置1が監視する通信ネットワークであり、複数のノード、つまり終端ルータ1〜4と、中継ルータ1〜中継ルータ10によって構成されている。そして、
終端ルータ1は、中継ルータ1と中継ルータ2
終端ルータ2は、中継ルータ1と中継ルータ2
中継ルータ1は、終端ルータ1と終端ルータ2と中継ルータ3と中継ルータ4
中継ルータ2は、終端ルータ1と終端ルータ2と中継ルータ3と中継ルータ4
中継ルータ3は、中継ルータ1と中継ルータ2と中継ルータ5と中継ルータ6
中継ルータ4は、中継ルータ1と中継ルータ2と中継ルータ5と中継ルータ6
中継ルータ5は、中継ルータ3と中継ルータ4と中継ルータ7と中継ルータ8
中継ルータ6は、中継ルータ3と中継ルータ4と中継ルータ7と中継ルータ8
中継ルータ7は、中継ルータ3と中継ルータ5と中継ルータ6と中継ルータ9と中継ルータ10
中継ルータ8は、中継ルータ4と中継ルータ5と中継ルータ6と中継ルータ9と中継ルータ10
中継ルータ9は、中継ルータ7と中継ルータ8と終端ルータ3と終端ルータ4
中継ルータ10は、中継ルータ7と中継ルータ8と終端ルータ3と終端ルータ4
終端ルータ3は、中継ルータ9と中継ルータ10
終端ルータ4は、中継ルータ9と中継ルータ10
と、物理線によりそれぞれ接続されている。
【0020】
そして、終端ルータ1と終端ルータ2が同一の論理エリアである終端エリア1に属し、終端ルータ3と終端ルータ4が同一の論理エリアである終端エリア2に属する。また、中継ルータ1と中継ルータ2が同一の論理エリアである中継エリア1に属する。また、中継ルータ3と中継ルータ4が同一の論理エリアである中継エリア2に属する。また、中継ルータ5と中継ルータ6が同一の論理エリアである中継エリア3に属する。また、中継ルータ7と中継ルータ8が同一の論理エリアである中継エリア4に属する。また、中継ルータ9と中継ルータ10が同一の論理エリアである中継エリア5に属する。
【0021】
また、図2で示すように、本実施形態による通信ネットワークには、LSP1〜12、LSP21〜32の、合計24本のLSPが設定されているものとする。ここで、
(1)LSP1は、終端ルータ1−中継ルータ1を繋ぐLSP
(2)LSP2は、中継ルータ1−中継ルータ3を繋ぐLSP
(3)LSP3は、中継ルータ3−中継ルータ5を繋ぐLSP
(4)LSP4は、中継ルータ5−中継ルータ7を繋ぐLSP
(5)LSP5は、中継ルータ7−中継ルータ9を繋ぐLSP
(6)LSP6は、中継ルータ9−終端ルータ3を繋ぐLSP
(7)LSP7は、中継ルータ3−中継ルータ7を繋ぐLSP
(8)LSP8は、終端ルータ1−中継ルータ2を繋ぐLSP
(9)LSP9は、中継ルータ1−中継ルータ4を繋ぐLSP
(10)LSP10は、中継ルータ3−中継ルータ6−中継ルータ7を繋ぐLSP
(11)LSP11は、中継ルータ7−中継ルータ10−中継ルータ8−中継ルータ9を繋ぐLSP
(12)LSP12は、中継ルータ9−終端ルータ4−中継ルータ10−終端ルータ3を繋ぐLSP
(13)LSP21は、終端ルータ2−中継ルータ2を繋ぐLSP
(14)LSP22は、中継ルータ2−中継ルータ4を繋ぐLSP
(15)LSP23は、中継ルータ4−中継ルータ6を繋ぐLSP
(16)LSP24は、中継ルータ6−中継ルータ8を繋ぐLSP
(17)LSP25は、中継ルータ8−中継ルータ10を繋ぐLSP
(18)LSP26は、中継ルータ4−終端ルータ8を繋ぐLSP
(19)LSP27は、終端ルータ2−中継ルータ1を繋ぐLSP
(20)LSP28は、中継ルータ2−中継ルータ3を繋ぐLSP
(21)LSP29は、中継ルータ4−中継ルータ5−中継ルータ8を繋ぐLSP
(22)LSP30は、中継ルータ8−中継ルータ9−中継ルータ7−中継ルータ10を繋ぐLSP
(23)LSP31は、中継ルータ10−終端ルータ3
(24)LSP32は、中継ルータ10−終端ルータ4−中継ルータ9−終端ルータ3を繋ぐLSP
である。そして、これらのLSPの起点ルータ識別情報(起点ルータID)や中継ルータ識別情報(中継ルータID)、終点ルータ識別情報(終点ルータID)からなるLSP情報が各終端ルータや中継ルータごとにデータベースに登録されている(図5)。なお、LSP1〜9,21〜28と、LSP10〜12と、LSP29,30〜32は、それぞれ実線や破線に分けて表示しているが、これはLSPが識別可能とするためである。
【0022】
図3はルータID特定テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、ルータID特定テーブルは、ルータ名と、ルータIDとが対応付けられて登録されている。例えば終端ルータ1は「0001A」、中継ルータ1は「0001B」の各ルータIDであることを示している。他のルータについては終端ルータ2〜4の各ルータIDは「0002A〜0004A」、中継ルータ2〜中継ルータ10の各ルータIDは「0002B〜0010B」であるとする。このルータ属性テーブルは、データベース17に格納される。
【0023】
図4はルータ属性テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、ルータ属性テーブルは、ルータIDと、そのルータに直接、物理線で接続されているルータを示す接続ルータIDとを対応付けて記憶する。このルータ属性テーブルも、データベース17に格納される。具体的に1例をあげると、図4で示すルータ属性テーブルでは、ルータID0001Aで示されるルータが、ルータID0001BおよびルータID0002Bで示される2つのルータに接続され、また、ルータID0001Bで示されるルータが、ルータID0003BおよびルータID0004Bで示される2つのルータに接続されていることを示している。
【0024】
図5はLSP情報テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、LSP情報テーブルは、LSPを特定する識別情報であるLSP−IDと、LSPの経路における起点ルータのIDと、中間ルータのIDと、終点ルータのIDと、LSPがプライマリの経路かセカンダリの経路かを示すプライマリ/セカンダリ種別の情報を対応付けて記憶する。例えば、図2で示すLSP1は、起点ルータが終端ルータ1、終点ルータが中継ルータ1であり、またLSP1がプライマリの経路と設定されているため、LSP情報テーブルには、LSP−IDを示すLSP1、起点ルータIDを示す0001A(終端ルータ1)、終点ルータIDを示す0001B(中継ルータ1)、そのLSPの種別を示す「プライマリ」の情報が対応付けて登録される。そして、LSP情報テーブルには、図2で示したLSP1〜LSP12,LSP21〜32の24のLSPの情報が登録されている。またこのLSP情報テーブルも、データベース17に格納される。
【0025】
図6はエリア情報テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、エリア情報テーブルは、ルータID、そのルータが所属する論理エリアを示す所属エリアID、その所属エリアIDの論理エリア内のルータが直接物理線によって接続している他のルータの所属する論理エリアを示す隣接エリアID、その隣接エリアIDで示される論理エリア内において、前記所属エリアIDの論理エリア内のルータが直接物理線によって接続している他のルータの各ID、を対応付けて記憶している。このエリア情報テーブルも、データベース17に格納される。具体的に1例をあげると、図6で示すエリア情報テーブルでは、ルータID0001Aで示されるルータが、終端エリア1に属し、また当該ルータが、中継エリア1で示される隣接エリアに属する0001Bと0002BのルータIDの2つのルータに物理線で接続されていることを示している。
【0026】
図7はデータベースの記憶する情報を示す図である。
この図が示すように、データベース17は、LSP情報、物理ネットワーク構成の情報、エリア情報、負荷分散率などの情報を記憶している。ここでLSP情報は、上記図5で示したLSP情報テーブルである。また物理ネットワーク構成の情報は、図3および図4で示したルータID特定テーブルとルータ属性テーブルである。またエリア情報は、上記図6で示したエリア情報テーブルである。また負荷分散率は、どのルータに何%の負荷分散を行うかの情報が記録されている。そして、これらデータベース17で記憶する情報は、通信ネットワークを介して各ルータの記憶している情報を読み取ったものであるか、またはルータに設定された情報を記録媒体を介してコピーされたものである。またはユーザによってデータ入力されたものであってもよい。なお、データベース17は、後述する品質劣化閾値テーブルと、LSP品質劣化値テーブルを保持している。
【0027】
図8はラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第1の図である。
図9はラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第2の図である。
図10はネットワーク監視装置のLSPの特定処理の処理フローを示す図である。
次に、図8〜図10を用いてネットワーク監視装置のLSPの特定処理の処理フローについて説明する。
まず、ネットワーク監視装置1の入力部11が、1つまたは複数のLSPにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける(ステップS1)。ここで第1のルータを終端ルータ1、第2のルータを終端ルータ3とする。すると制御部12は、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3の情報をLSP特定部13に通知すると共に、LSPの特定処理の開始を指示する。
【0028】
LSP特定部13は、LSPの特定処理の開始の指示を受け付けると、まず、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1と、第2のルータ(終点ルータ)とである終端ルータ3のルータIDをルータID特定テーブル(図3)から読み取って、それらルータIDに対応付けられてエリア情報テーブル(図6)に登録されている各所属エリアIDを読み取る。そして、それら2つの所属エリアIDの比較により、指定された2つのルータの所属する論理エリアが一致するか否かを判定する(ステップS2)。ここで、図2においては、終端ルータ1と終端ルータ3は同一の論理エリア内に所属していないが、仮に、所属エリアIDの一致により、指定された2つのルータの所属する論理エリアが一致すると判定した場合には、そのエリア内における、1つまたは可能であれば経路の異なる2つのLSPであって、第1のルータと第2のルータとを繋ぐLSPを特定する(ステップS3)。例えば、起点ルータIDを第1のルータとし、終点ルータIDを第2のルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から特定する。
【0029】
次に、上記ステップS2において、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1と、第2のルータ(終点ルータ)である終端ルータ3と、のエリア情報が一致しなければ、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1のルータIDを起点ルータIDに持つLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、そのLSP情報を第1のLSPと特定する(ステップS4)。そしてこの第1のLSPの情報をメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、第1のルータである終端ルータ1のルータIDを起点ルータIDに持つLSP情報は、LSP1とLSP8であるため、LSP1とLSP8のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP1とLSP8の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0030】
また、LSP特定部13は、第2のルータ(終点ルータ)である終端ルータ3のルータIDを終点ルータIDに持つLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、そのLSP情報を第2のLSPと特定する(ステップS5)。そしてこの第2のLSPの情報をメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、第2のルータである終端ルータ3のルータIDを終点ルータIDに持つLSP情報は、LSP6,LSP12,LSP31,LSP32であるため、LSP6,LSP12,LSP31,LSP32のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP6,LSP12,LSP31,LSP32の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)が第2のLSP情報としてメモリ等に一時記録される。
【0031】
そして、次に、LSP特定部13は、メモリに一時記録された第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPの起点ルータを終点ルータとするLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)から読み取れるか否かを判定し(ステップS6)、読み取れる場合には、そのLSP情報を、第3のLSPと特定する(ステップS7)。ここで、第1のLSPはLSP1とLSP8、第2のLSPはLSP6,LSP12,LSP31,LSP32であるため、第1のLSPのうちの何れかのLSPと、第2のLSPのうちの何れかのLSPを選択して、その総当りにより、第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPの起点ルータを終点ルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、第3のLSPの情報としてメモリに格納する。
【0032】
ここで、本実施形態の通信ネットワークでは、図2に示すように第1のLSPであるLSP1またはLSP8の何れかの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPであるLSP6,LSP12,LSP31,LSP32のうちの何れかの起点ルータを終点ルータとするLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に存在しない。従って、LSP特定部13は、第1のLSP(LSP1またはLSP8)の終点ルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)を新たな第1のルータとして、起点ルータIDが、その新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)となるLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に記録されているかを判定し(ステップS8)、記録されていれば、そのLSP情報を読み取って、そのLSP情報を新たな第1のLSPと特定する(ステップS9)。そして、その新たな第1のLSPをメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、起点ルータIDが、新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)となるLSP情報は、LSP2,LSP9,LSP22,LSP28であるため、それらLSP2,LSP9,LSP22,LSP28のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP2,LSP9,LSP22,LSP28の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0033】
またLSP特定部13は、第2のLSP(LSP6,LSP12,LSP31,LSP32)の終点ルータ(中継ルータ9,中継ルータ10)を新たな第2のルータとして、終点ルータIDが、その新たな第2のルータ(中継ルータ9または中継ルータ10)となるLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に記録されているかを判定し(ステップS10)、記録されていれば、そのLSP情報を読み取って、そのLSP情報を新たな第2のLSPと特定する(ステップS11)。そしてこの新たな第2のLSPをメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、終点ルータIDが、新たな第2のルータ(中継ルータ9または中継ルータ10)となるLSP情報は、LSP5,LSP11,LSP25,LSP30であるため、それらLSP5,LSP11,LSP25,LSP30のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP5,LSP11,LSP25,LSP30の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0034】
そして、次に、LSP特定部13は、メモリに一時記録された、新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)の終点ルータを起点ルータとし、新たな第2のルータ(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30)の起点ルータを終点ルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取れるか否かを判定し(ステップS12)、読み取ることが出来れば、そのLSP情報を新たな第3のLSPと特定する(ステップS13)。ここで、新たな第1のLSPはLSP2,LSP9,LSP22,LSP28であり、新たな第2のLSPはLSP5,LSP11,LSP25,LSP30であるため、新たな第1のLSPのうちの何れかのLSPと、新たな第2のLSPのうちの何れかのLSPを選択して、その総当りにより、新たな第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、新たな第2のLSPの起点ルータを終点ルータとする、新たな第3のLSPのLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取る。本実施形態においては、新たな第1のLSP(LSP2,LSP9,LSP22,LSP28のいずれか)の終点ルータ(中継ルータ3または中継ルータ4)を起点ルータとし、新たな第2のLSP(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30のいずれか)の起点ルータ(中継ルータ7または中継ルータ8)を終点ルータとする、新たな第3のLSPは、図9で示すように、LSP7,LSP10,LSP26,LSP29である。従って、LSP特定部13は、それらLSP7,LSP10,LSP26,LSP29のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP7,LSP10,LSP26,LSP29の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)をメモリ等に一時記録する。
【0035】
なお、LSP特定部13は、新たな第3のLSPが特定できない場合には、最後に特定した新たな第1のLSP(LSP2,LSP9,LSP22,LSP28)の終点ルータ(中継ルータ3または中継ルータ4)を次の新たな第1のルータとし、また最後に特定した新たな第2のLSP(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30)の起点ルータ(中継ルータ7または中継ルータ8)を次の新たな第2のルータとし、上記の処理同様に、次の新たな第3のLSPを特定する。そして次の新たな第3のLSPも特定できなければ、新たな第1〜第3のLSPの特定処理を再帰的に繰り返し、その繰り返しによって新たな第3のLSPを特定する。そして、ステップS8またはステップS10で示すように、新たな第1のLSPと新たな第2のLSPの何れかが見つからない場合、または再帰的処理を所定の回数繰り返しても新たな第3のLSPが特定できない場合には、処理を終了する。
【0036】
ここで、上記処理により、メモリには、
第1のLSP;LSP1,LSP8
第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32
新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28
新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30
新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29
の各LSPの情報が一時記録されている。そして、新たな第3のLSPが特定できると、表示経路特定部14が、それら、第1のLSP;LSP1,LSP8、第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32、新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28、新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30、新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29、の中から表示するLSPを特定し(ステップS14)、表示処理部15に通知する。表示処理部15は、モニタなどの画面上に表示している図2の通信ネットワーク上に、表示経路特定部14の特定した表示経路のLSPを、色分けして表示する等の処理を行う(ステップS15)。
【0037】
なお、本実施形態におけるLSPの表示においては、表示処理部15は、LSP特定部13によって特定された第1のLSP;LSP1,LSP8、第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32、新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28、新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30、新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29、を全て表示し、その中で、第1の端末である終端ルータ1から第2の端末である終端ルータ3へデータを送信した場合に、優先的にデータが流れる経路上のプライマリの情報がLSP情報として保持されているLSPを選択し、そのプライマリのLSPを繋ぐデータフロー経路(通信経路)の線をハイライトで表示するようにする。
【0038】
上述の処理においては、入力を受け付けた第1のルータ(始点ルータ)を起点とするLSPと、第2のルータ(終点ルータ)を終点とするLSPを特定し、またそれらのLSPを繋ぐLSPを特定する。そして、第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)が複数のLSPで中継されている場合に、当該第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)までを繋げる複数のLSPを表示することができる。これにより、始点ルータから終点ルータへ通信を流す場合に、複数のどのLSPを介して到達するかを把握することができる。
【0039】
なお、上述の表示経路特定部14の処理として、例えば、障害発生経路または障害発生ルータを受け付けた場合には、その障害発生経路または障害発生ルータを含まない経路を表示するようにしてもよい。この場合、まず、入力部11を介して障害発生経路を示す起点ルータと終点ルータのID、または障害発生ルータを示すルータIDを受け付ける。すると、表示経路特定部14は、受け付けたルータIDをLSP情報に含まない複数のLSPの中から、上述の処理により、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPを特定する。この処理は、最初に負荷分散率が100%である第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPのみを特定して表示しておき(図7の破線で示したLSPの経路)、その負荷分散率が100%であるLSPが障害発生経路または障害発生ルータのあるLSPである場合には、負荷分散率0%として設定されていたLSPの中から、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPを特定して、表示を切り替える処理を行うようにしてもよい。
【0040】
この処理により、障害発生経路または障害発生ルータがある場合に、どのような経路に変更して、複数のLSPを介して始点ルータから終点ルータへ通信が到達するかを把握することができる。
【0041】
また、入力部11がトラフィック流量を受け付けて、流量算出部16が、当該トラフィック流量を、予め記憶する負荷分散率に応じて、第1〜第3のそれぞれのLSPに流れるトラフィック流量を算出し、表示処理部15が、算出したトラフィック流量に応じたLSPの表示を行うようにしてもよい。例えば、算出したトラフィック流量の数値を各LSPの経路の横に表示したり、各LSPの経路の矢印の太さをトラフィック流量に応じて変更するなどしてもよい。
【0042】
また、ネットワーク監視装置1の表示処理部15の機能として、流量算出部16が算出したLSPそれぞれに流れるトラフィック流量と、LSPが張られる物理回線それぞれの帯域情報(物理ネットワーク構成情報としてデータベース17格納されている)とに基づいて、第1の端末である終端ルータ1と第2の端末である終端ルータ3を繋ぐLSPのそれぞれにおける物理回線に対する帯域使用率(例えば、帯域使用率=帯域情報÷トラフィック流量)を算出し、第1の端末である終端ルータ1と第2の端末である終端ルータ3を繋ぐLSPのそれぞれにおける物理回線に対する帯域使用率を別々に画面上に表示するようにしてもよい。
【0043】
また、第1の端末である終端ルータ1から第2の端末である終端ルータ3へデータを流す際の、データフロー経路(通信経路)や、帯域使用率が表示されている場面において、新たに、第1の端末である終端ルータ1から新たな終端ルータ(例えば終端ルータ4)を第2の端末と指定して、その端末間にデータを流す際のシミュレーションを指定した場合に、表示処理部15が、1回目のデータフロー経路(通信経路)のシミュレーションと、2回目のデータフロー経路(通信経路)のシミュレーションとに応じて、各LSPに流れるデータ流量の合計を計算し、その合計値が、各LSPが張られている物理回線の帯域許容量を越えるか否かを判定し、超える場合には、プライマリからセカンダリのLSPの経路へデータフロー経路(通信経路)を変更して表示するなどの処理をするようにしてもよい。
【0044】
例えば、ルータA−ルータB−ルータC−ルータDという経路と、ルータA−ルータB−ルータE−ルータDという経路のネットワーク構成があり、ルータA−ルータB間、ルータB−ルータC間、ルータC−ルータD間、ルータB−ルータE間、ルータE−ルータD間に、それぞれLSPが張られているとする。各ルータ間の物理回線が5G(bit/sec)であったとして、ルータA〜ルータDに2G(bit/sec)のトラフィックを流すと設定した場合、表示処理部15は、ルータA−ルータB−ルータC−ルータDを結ぶ物理回線上(ルータB−ルータC間とルータC−ルータD間がプライマリと設定され、ルータB−ルータE間とルータE−ルータD間がセカンダリと設定されているものとする)に、LSPやトラフィック流量(2G)の表示を行なう。またルータC−D間が故障であるという情報の設定を受けた場合には、表示処理部15はセカンダリを利用する経路ルータA−ルータB−ルータE−ルータDを結ぶ物理回線上に、LSPやトラフィック流量(2G)の表示を行なう。
【0045】
次に、ネットワーク監視装置の品質劣化値検出処理について説明する。
ネットワーク監視装置1は、通信ネットワーク上に予め設定されている各LSPの品質劣化値を、当該LSPの起点ルータと終点ルータのそれぞれから通信ネットワークを介して受信した情報に基づいて検出し、データベース17に格納する。ここで品質劣化値は、例えば、LSPの起点ノードから送信されたパケットが当該LSPの終点ノードに到達するまでの時間を示す遅延時間である。品質劣化値が遅延時間である場合、品質劣化値検出部18は、LSPの起点ノードからあるパケットの送信時刻を受信し、また終点ノードから同一パケットの受信時刻を受信する。そして、ネットワーク監視装置1の品質劣化値検出部18は、当該パケットの、LSP内の起点ノードにおける送信時刻から、当該LSP内の終点ノードにおける受信時刻の差を算出し、LSPにおける起点ノードから終点ノードまでの到達にパケットが要した時間を遅延時間として算出する。そして、品質劣化値検出部18は、LSPのIDと当該LSPの遅延時間とを対応付けてデータベース17で保持されるLSP品質劣化値テーブルに書き込む。品質劣化値検出部18は、通信ネットワーク上に設定されている全てのLSPの起点ルータと終点ルータとを、LSP情報テーブル(図5)から検出し、それら起点ルータと終点ルータから情報を取得して、当該全てのLSPの遅延時間を算出して、LSPごとにLSP品質劣化値テーブルに書き込む。
【0046】
図11はLSP品質劣化値テーブルを示す図である。
この図が示すように、LSP品質劣化値テーブルは、LSP−IDと、そのLSPの品質劣化値(遅延時間)を対応付けて記憶している。このLSP品質劣化値テーブルはデータベース17に格納されているものとする。
【0047】
なお、品質劣化値は、遅延時間以外にも、例えば、パケットのロス率や、パケットの送信成功率などを利用するようにしてもよい。
パケットのロス率は、LSPの起点ノードから送信された複数のパケット全体数のうち当該LSPの終点ノードに到達できないパケットの数の割合を示す値である。また、送信成功率は、LSPの起点ノードから送信された複数のパケット全体数のうち当該LSPの終点ノードに到達できたパケットの数の割合を示す値である。ロス率や、送信成功率も、LSP内の起点ルータと終点ルータから情報を取得して、品質劣化値検出部18が検出する。例えばロス率であれば、品質劣化値検出部18が、LSP内の起点ルータから、当該LSP内の終点ルータ宛のパケットの数aをLSP内の起点ルータから通知を受ける。また当該LSP内の終点ルータから、当該LSP内の起点ルータを送信元として終点ルータが受信したパケットの数bの通知を受ける。そして品質劣化値検出部18は、(パケットの数a−パケットの数b)÷パケットの数a、を算出することによりLSPのロス率を検出する。または、品質劣化値検出部18は、パケットの数b÷パケットの数a、を算出することによりLSPの送信成功率を検出することができる。なお、送信成功率は「1−ロス率」により算出することも可能である。
【0048】
図12は通信経路の品質劣化値の算出処理の概要を示す図である。
次に、ネットワーク監視装置1が通信経路の品質劣化値の算出処理について説明する。
ここで、図12の通信ネットワークは、図2,図8,図9で示した通信ネットワークとは異なる新たな通信ネットワークを示しており、説明の便宜上、以下、この通信ネットワークを用いて説明を行う。
ネットワーク監視装置1は、図12で示す通信ネットワーク上で、ある始点ルータからある終点ルータまでパケットを送信する場合に利用される通信経路の全体の品質劣化値を算出することができる。今、図12の通信ネットワークにおいて、始点ルータである終端ルータ1から、終点ルータである終端ルータ3へのパケットの送信に利用されている通信経路の品質劣化値を算出する場合、まずネットワーク監視装置1の入力部11が、例えば、ユーザ等の操作に基づいて、通信経路の始点ルータ(終端ルータ1)と終点ルータ(終端ルータ3)の情報と、品質劣化値算出開始の指示を入力する。すると、品質劣化値算出部19は、始点ルータ(終端ルータ1)から終点ルータ(終端ルータ3)までパケットが送信される際に現在利用されている通信経路を構成するLSPを特定する。例えば、上述の図8〜図10を用いて説明した、LSPの特定処理で示したような処理によって、始点ルータ(終端ルータ1)から終点ルータ(終端ルータ3)までのLSPを特定し、当該LSPにより構成される通信経路のうち、プライマリの各LSPを繋ぐ通信経路を、現在利用されている通信経路を構成するLSPと特定する。特定したLSPがLSP1,LSP2,LSP3であるとする。そして、各LSP1〜3の品質劣化値を、データベース17のLSP品質劣化値テーブルから読み取って、LSPの品質劣化値が遅延時間である場合には、下記式(1)により算出できる。そして、例えば、表示処理部15が算出した品質劣化値の情報を画面等に出力する。
【0049】
【数1】

【0050】
また、LSPの品質劣化値がロス率である場合には、下記式(2)により、またLSPの品質劣化値が送信成功率である場合には、下記式(3)により、それら通信経路の品質劣化値を算出する。
【0051】
【数2】

【0052】
【数3】

【0053】
図28はネットワーク監視装置の新たな通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
次に、ネットワーク監視装置1の新たな通信経路決定処理について説明する。
ネットワーク監視装置1は、指定されたルータ間の現在の通信経路の代替となる、新たな通信経路を特定、表示することができる。この処理は、まず、ネットワーク監視装置1の入力部1が、例えばユーザからの操作によって、ある終端ルータから他の終端ルータまでのパケットの現在の通信経路について、新たな通信経路決定処理の開始の指示を入力する。すると、制御部12が、当該新たな通信経路決定処理の開始を検出する(ステップS101)。ここで、終端ルータ1と終端ルータ3の情報が入力されたものとする。制御部12は、新たな通信経路決定処理の開始を検出すると、品質劣化値算出部19に、終端ルータ1と終端ルータ3の間の現在の通信経路における品質劣化値の算出を指示する。すると、品質劣化値算出部19は、上述の品質劣化値検出処理を行い、終端ルータ1と終端ルータ3の間でパケットが通過する現在の通信経路を構成するLSPを特定する(ステップS102)。
【0054】
図13は現在利用されている通信経路の概要を示す図である。
図13で示すように、終端ルータ1から終端ルータ3へ送信されるパケットの通信経路は、LSP1、LSP2、LSP3で構成される通信経路Aについて、当該通信経路を構成するLSPそれぞれがプライマリである場合、現在利用されている通信経路であるとする。または、終端ルータ1から終端ルータ3へ送信されるパケットが通過する、現在利用されている通信経路を構成する各LSPは、例えば、データベース17に記録されており、これを読み取って検出するようにしてもよいし、ユーザからそれらの情報の入力を受け付けるようにしてもよい。またネットワーク監視装置1が、終端ルータ1から終端ルータ3へ擬似パケットを送出する指示を行い、当該擬似パケットを送受信した終端ルータや中継ルータから擬似パケットの通過を示す情報を受信することにより、ネットワーク監視装置1が、終端ルータ1から終端ルータ3へ送信されるパケットの通過する、現在利用されている通信経路を構成するLSPを特定するようにしてもよい。
【0055】
そして、品質劣化値算出部19は、現在利用されている通信経路Aを構成するLSP1、LSP2、LSP3の品質劣化値を、上述の図12を用いて説明した、品質劣化値の算出処理と同様に特定する(ステップS103)。そして品質劣化値算出部19は、上記式(1)〜(3)のうち、品質劣化値に応じた式を用いて(品質劣化値が遅延時間であれば式(1)、ロス率であれば式(2)、送信成功率であれば式(3))、通信経路Aの品質劣化値を算出する(ステップS104)。以下、品質劣化値が遅延時間である場合を例として説明する。品質劣化値算出部19は、通信経路AのIDと、当該通信経路Aの品質劣化値とを対応付けて、データベース17で保持する通信経路品質劣化値テーブルへ登録する。
【0056】
次に、通信経路Aの品質劣化値が算出されると、品質劣化判定部20が、データベース17に記録されている品質劣化閾値テーブルから、終端ルータ1から終端ルータ3の間における予め定められた品質劣化閾値を読み取る。そして、通信経路Aについて算出された品質劣化値と、品質劣化閾値テーブルから読み取った品質劣化閾値とを比較する(ステップS105)。そして、通信経路Aについて算出された品質劣化値が、品質劣化閾値を超えた場合、通信経路Aが品質劣化している判定する。算出された品質劣化値が、品質劣化閾値以下である場合には、通信経路Aは品質劣化していないと判定し、ステップS103に戻り、処理を繰り返す。図13では、通信経路Aの遅延時間が80ms、終端ルータ1から終端ルータ3の間における予め定められた品質劣化閾値が70msであることを示している。つまり、このような状態である場合、通信経路Aの品質劣化値>品質劣化閾値であるため、品質劣化と判定される。
【0057】
そして、通信経路Aが品質劣化していると判定した場合、表示処理部15は、終点ルータ1から終点ルータ3までの通信経路Aを構成するLSP1,LSP2,LSP3を画面にハイライト表示する(ステップS106)。これにより、ネットワーク監視装置1は、ユーザに、LSP1,LSP2,LSP3により構成される通信経路Aのどこかで障害が発生していることを通知する。そして、次に、通信経路決定部21は、迂回通信経路の決定を行う(ステップS107)。そして、迂回通信経路の決定が完了すると、それを新たな通信経路として、例えば画面に表示された図18の通信ネットワーク上にハイライト表示する処理を行う(ステップS108)。
【0058】
(第1の迂回通信経路決定処理)
図29は第1の迂回通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
図14は指定された終端ルータ間の全てのLSPを示す図である。
図15は第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第1の図である。
次に、上述のステップS107の処理の詳細について説明する。
迂回通信経路の決定の処理においては、まず、通信経路決定部21は、上述のステップS1〜ステップS13で示されるラベルスイッチパス特定処理を用いて、終端ルータ1(始点ルータ)と終端ルータ3(終点ルータ)とを繋ぐ全てのLSPを特定する(ステップS201)。
今、図14で示すように、終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐLSPは、LSP1〜LSP9の9つのLSPであるとする。そして、通信経路決定部21は、LSP1〜LSP9の中から、ユーザから始点ルータであると指定された、終端ルータ1を起点ルータとするLSPを特定する(ステップS202)。ここで、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDは、LSP情報テーブルから取得できる。また、終端ルータ1のルータIDは、ルータID特定テーブルから特定できる。そしてそれらIDを用いて、終端ルータ1のルータIDが、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDに一致するかを判定し、一致すれば、当該一致した起点ルータIDを持つLSPが、終端ルータ1を起点ルータとするLSPと特定できる。図14で示すように、通信経路決定部21は、終端ルータ1を起点ルータとするLSPはLSP1とLSP4であるため、この時点で、メモリ等に格納された特定候補リスト(1)にはLSP1とLSP4のIDを登録する(図15)。
【0059】
次に、通信経路決定部21は、終端ルータ1を起点ルータとするLSP1とLSP4を特定すると、それらの品質劣化値(遅延時間)をLSP品質劣化値テーブル(図14)から取得する。このとき、LSP1の品質劣化値が7ms、LSP4の品質劣化値が5msであるとする。すると、通信経路決定部21は、最も小さい品質劣化値を示すLSP4のIDを、終端ルータ1を起点ルータとし、終端ルータ3を終点ルータとする通信経路のうちの、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定し(ステップS203)、LSP候補テーブルに登録する。そして、通信経路決定部21は、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定したLSP4の終端ルータ(中継ルータ2)が、指定を受けた終端ルータ3に一致するかを判定する(ステップS204)。ここでは一致しなしため、LSP4に繋がるLSPを次に特定して(ステップS205)、その次のLSPによりステップS203の処理を行う。
【0060】
図16は第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第2の図である。
次に、図16で示すように、通信経路決定部21は、LSP4の終端ルータである中継ルータ2を起点ルータとするLSPを特定する。中継ルータ2のルータIDが、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDに一致すれば、一致した起点ルータIDを持つLSPが、中継ルータ2を起点ルータとするLSPである。今、図16で示すように、中継ルータ2を起点ルータとするLSPはLSP6のみである。従って、通信経路決定部21は、図16で示すように、LSP6のIDをメモリ等に格納された特定候補リスト(2)に登録する。また、通信経路決定部21は、中継ルータ2を起点ルータとするLSP6の品質劣化値が、他の中継ルータ2を起点とするLSPが存在しないため、最も小さい品質劣化値を示すLSPであると判定する。そして、通信経路決定部21はLSP6を、終端ルータ1を起点ルータとし、終端ルータ3を終点ルータとする通信経路のうちの、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定して、当該LSP6のIDをLSP候補テーブルに登録する。そして、通信経路決定部21は、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定したLSP6の終端ルータ(中継ルータ4)が、指定を受けた終端ルータ3に一致するかを判定する。ここでは一致しなしため、LSP6に繋がるLSPを次に特定する。
【0061】
図17は第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第3の図である。
図18は第1の迂回通信経路決定処理の概要を示す第4の図である。
また次に、図17で示すように、通信経路決定部21は、LSP6の終端ルータである中継ルータ4を起点ルータとするLSPを特定する。中継ルータ4のルータIDが、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDに一致すれば、一致した起点ルータIDを持つLSPが、中継ルータ4を起点ルータとするLSPである。今、図17で示すように、中継ルータ4を起点ルータとするLSPはLSP8とLSP9である。従って、通信経路決定部21は、図17で示すように、LSP8とLSP9のIDをメモリ等に格納された特定候補リスト(3)に登録する。また、通信経路決定部21は、中継ルータ4を起点ルータとするLSP8とLSP9を特定すると、それらの品質劣化値(遅延時間)をLSP品質劣化値テーブル(図14)から取得する。このとき、LSP8の品質劣化値が10ms、LSP9の品質劣化値が70msであるとする。すると、通信経路決定部21は、図17で示すように、最も小さい品質劣化値を示すLSP8を、終端ルータ1を起点ルータとし、終端ルータ3を終点ルータとする通信経路のうちの、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定し、当該LSP8のIDを、LSP候補テーブルに登録する。そして、通信経路決定部21は、迂回通信経路のLSPの候補と特定したLSP8の終端ルータ(終端ルータ3)が、指定を受けた終端ルータ3に一致するかを判定する。
【0062】
ここで終端ルータが一致するため、通信経路決定部21は、次に、LSP候補テーブルに既に登録されている、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定したLSP4、LSP6、LSP8によって繋がる当該迂回通信経路の品質劣化値を算出し(ステップS206)、当該品質劣化値が、予め定められた、終端ルータ1〜終端ルータ3までの品質劣化閾値以下であるかを判定する(ステップS207)。なお、迂回通信経路の品質劣化値は、品質劣化値が遅延時間であるので、上記式(1)により算出する。図14よりLSP4の遅延時間が5ms、LSP6の遅延時間が10ms、LSP8の遅延時間が10msであるため、式(1)より、LSP4,LSP6,LSP8により構成される迂回通信経路の遅延時間は5+10+10=25msである。そして、品質劣化閾値は図18で示すように、遅延時間70msであるので、迂回通信経路の品質劣化値≦品質劣化閾値である。従って、通信経路決定部21は、迂回通信経路を構成するLSPの候補と特定したLSP4、LSP6、LSP8によって繋がる当該迂回通信経路を、新たな通信経路として決定する(ステップS208)。そして、表示処理部15は、通信経路決定部21が決定した新たな通信経路を構成するLSP4、LSP6、LSP8を繋ぐラインを、迂回通信経路のIPフローであるとして、例えば画面に表示された図18の通信ネットワーク上にハイライト表示する処理を行う(ステップS209)。
【0063】
なお、上述の第1の迂回通信経路決定処理によって、特定した迂回通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えるような場合には、上述のステップS203またはステップS205の処理において特定しなかった、ラベルスイッチパスの何れか1つの選定において、2番目に小さな品質劣化値のラベルスイッチパスを特定して、新たな通信経路を再決定する(ステップS210)。例えば、図15で示すように、終端ルータ1を起点ルータとするLSPはLSP1とLSP4が存在し、品質劣化値に基づいてLSP4を選定したが、次に品質劣化値の小さいLSP1を選定して、上述の処理を継続する。これにより、他の通信経路が最終的に新たな通信経路と決定されて、この通信経路の品質劣化値が、終端ルータ1〜終端ルータ3までの品質劣化閾値以下であるかを判定する。
【0064】
(第2の迂回通信経路決定処理)
次に、ネットワーク監視装置の第2の迂回通信経路決定処理について説明する。
ネットワーク監視装置1は、上述の第1の迂回通信経路決定処理以外の方法である、以下の第2の迂回通信経路決定処理によって、新たな通信経路を決定するようにしてもよい。
図13で示すような通信経路Aが品質劣化していると判定した場合、表示処理部15は、終点ルータ1から終点ルータ3までの通信経路Aを構成するLSP1,LSP2,LSP3を画面にハイライト表示する。これにより、ネットワーク監視装置1は、ユーザに、LSP1,LSP2,LSP3により構成される通信経路Aのどこかで障害が発生していることを通知する。そして、次に、通信経路決定部21は、迂回通信経路の決定を行う。この処理において、まず、通信経路決定部21は、上述のステップS1〜ステップS13で示されるラベルスイッチパス特定処理を用いて、終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐ全てのLSPを特定する。
【0065】
図19は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第1の図である。
今、図14で示すように、終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐLSPは、LSP1〜LSP9の9つのLSPであるとする。そして、通信経路決定部21は、LSP1〜LSP9の中から、始点ルータである終端ルータ1を起点ルータとするLSPを特定する。ここで、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDは、LSP情報テーブルから取得できる。また、終端ルータ1のルータIDは、ルータID特定テーブルから特定できる。そしてそれらIDを用いて、終端ルータ1のルータIDが、LSP1〜LSP9のそれぞれの起点ルータのルータIDに一致するかを判定し、一致すれば、当該一致した起点ルータIDを持つLSPが、終端ルータ1を起点ルータとするLSPと特定できる。図14で示すように、終端ルータ1を起点ルータとするLSPはLSP1とLSP4であるため、通信経路決定部21は、この時点でメモリ等に格納された特定候補リスト(1)にLSP1とLSP4のIDを登録する。
【0066】
図20は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第2の図である。
図21は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第3の図である。
図22は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第4の図である。
次に、通信経路決定部21は、メモリ等に格納された特定候補リスト(1)に登録されているLSP1を選択し(図19)、当該LSP1の終点ルータ(中継ルータ1)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。LSP1の終点ルータ(中継ルータ1)は、指定された終端ルータ3と一致しないため、次に、LSP1の終点ルータである中継ルータ1を起点とするLSPを特定する。図14より、中継ルータ1を起点とするLSPはLSP2とLSP5とであるため、特定候補リスト(2)においてLSP1のIDに対応付けてLSP2とLSP5のIDを別々に登録する(図20)。これにより、通信経路決定部21は、メモリ等に格納された特定候補リスト(2)に、LSP1−LSP2の迂回通信経路候補と、LSP1−LSP5という迂回通信経路候補を登録する。
【0067】
次に、通信経路決定部21は、特定候補リスト(2)に登録されている迂回通信経路候補のうちの一つを選択する(図20)。今、LSP1−LSP2の迂回通信経路候補を選択したとすると、通信経路決定部21は、LSP1−LSP2の終点ルータである中継ルータ3が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。LSP1−LSP2の終点ルータ(中継ルータ3)は、指定された終端ルータ3と一致しないため、次に、LSP1−LSP2の終点ルータである中継ルータ3を起点とするLSPを特定する。図14より、中継ルータ3を起点とするLSPはLSP3とLSP7とであるため、通信経路決定部21は、メモリ等に格納された特定候補リスト(3)に、LSP1−LSP2の各IDに対応付けてLSP3とLSP7のIDを別々に登録する(図21)。これにより、特定候補リスト(3)には、LSP1−LSP2−LSP3の迂回通信経路候補と、LSP1−LSP2−LSP7という迂回通信経路候補が登録される。
【0068】
次に、通信経路決定部21は、特定候補リスト(3)に登録されているLSP1−LSP2−LSP3を選択し、当該LSP1−LSP2−LSP3の終点ルータ(終端ルータ3)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。ここでLSP1−LSP2−LSP3の終点ルータと、指定された終端ルータ3と一致するため、通信経路決定部21は、LSP1−LSP2−LSP3からなる迂回通信経路の品質劣化値を、上記式(1)により、LSP1の品質劣化値と、LSP2の品質劣化値と、LSP3の品質劣化値とを合計して算出する。LSP1の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、LSP2の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より8ms、LSP3の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より65ms、であるため、LSP1−LSP2−LSP3からなる迂回通信経路の品質劣化値は80msである。そして、通信経路決定部21は、LSP1−LSP2−LSP3の迂回通信経路候補を示す各LSPのIDと、その品質劣化値(80ms)を、迂回通信経路候補テーブルに登録する(図22)。
【0069】
図23は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第5の図である。
図24は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第6の図である。
また、通信経路決定部21は、特定候補リスト(1)〜(3)の中に選択されていない通信経路があるかを探索する。特定候補リスト(3)において、LSP1−LSP2−LSP7からなる迂回通信経路が選択されていないため、次に、当該特定候補リスト(3)のLSP1−LSP2−LSP7からなる迂回通信経路を選択し、当該LSP1−LSP2−LSP7の終点ルータ(終端ルータ3)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。ここでLSP1−LSP2−LSP7の終点ルータと、指定された終端ルータ3と一致するため、通信経路決定部21は、LSP1−LSP2−LSP7からなる迂回通信経路の品質劣化値を、上記式(1)により、LSP1の品質劣化値と、LSP2の品質劣化値と、LSP7の品質劣化値とを合計して算出する。LSP1の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、LSP2の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より8ms、LSP7の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、であるため、LSP1−LSP2−LSP7からなる迂回通信経路の品質劣化値は22msである。そして、通信経路決定部21は、LSP1−LSP2−LSP7の迂回通信経路候補を示す各LSPのIDと、その品質劣化値(22ms)を、迂回通信経路候補テーブルに登録する。
【0070】
図25は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第7の図である。
また、同様に、通信経路決定部21は、特定候補リスト(1)〜(3)の中に選択されていない通信経路があるかを探索する。特定候補リスト(2)において、LSP1−LSP5からなる迂回通信経路が選択されていないため(図20参照)、次に、当該特定候補リスト(2)のLSP1−LSP5からなる迂回通信経路を選択し、当該LSP1−LSP5の終点ルータ(中継ルータ3)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。ここでLSP1−LSP5の終点ルータ(中継ルータ3)と、指定された終端ルータ3とは一致しないため、次に、LSP1−LSP5の終点ルータである中継ルータ3を起点とするLSPを特定する。図14より、中継ルータ3を起点とするLSPはLSP3とLSP7とであるため、通信経路決定部21は、特定候補リスト(3)に、LSP1−LSP5の各IDに対応付けてLSP3とLSP7のIDを別々に登録する(図25)。これにより、特定候補リスト(3)には、LSP1−LSP5−LSP3の迂回通信経路候補と、LSP1−LSP5−LSP7という迂回通信経路候補が登録される。
【0071】
次に、通信経路決定部21は、特定候補リスト(3)に登録されているLSP1−LSP5−LSP3を選択し、当該LSP1−LSP5−LSP3の終点ルータ(終端ルータ3)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。ここでLSP1−LSP5−LSP3の終点ルータと、指定された終端ルータ3とは一致するため、通信経路決定部21は、LSP1−LSP5−LSP3からなる迂回通信経路の品質劣化値を、上記式(1)により、LSP1の品質劣化値と、LSP5の品質劣化値と、LSP3の品質劣化値とを合計して算出する。LSP1の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、LSP5の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より6ms、LSP3の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より65ms、であるため、LSP1−LSP5−LSP3からなる迂回通信経路の品質劣化値は78msである。そして、通信経路決定部21は、LSP1−LSP5−LSP3の迂回通信経路候補を示す各LSPのIDと、その品質劣化値(78ms)を、迂回通信経路候補テーブルに登録する(図25)。
【0072】
また、同様に、通信経路決定部21は、特定候補リスト(1)〜(3)の中に選択されていない通信経路があるかを探索する。特定候補リスト(3)において、LSP1−LSP5−LSP7からなる迂回通信経路が選択されていないため、次に、当該特定候補リスト(3)のLSP1−LSP5−LSP7からなる迂回通信経路を選択し、当該LSP1−LSP5−LSP7の終点ルータ(終端ルータ3)が、指定された終端ルータ3と一致するかを判定する。ここでLSP1−LSP5−LSP7の終点ルータと、指定された終端ルータ3と一致するため、通信経路決定部21は、LSP1−LSP5−LSP7からなる迂回通信経路の品質劣化値を、上記式(1)により、LSP1の品質劣化値と、LSP5の品質劣化値と、LSP7の品質劣化値とを合計して算出する。LSP1の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、LSP5の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より6ms、LSP7の品質劣化値(遅延時間が)がLSP品質劣化値テーブル(図14)より7ms、であるため、LSP1−LSP5−LSP7からなる迂回通信経路の品質劣化値は20msである。そして、通信経路決定部21は、LSP1−LSP5−LSP7の迂回通信経路候補を示す各LSPのIDと、その品質劣化値(20ms)を、迂回通信経路候補テーブルに登録する(図25)。
【0073】
図26は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第8の図である。
図27は第2の迂回通信経路決定処理の概要を示す第9の図である。
通信経路決定部21は、同様に、特定候補リスト(1)〜(3)の中に選択されていない通信経路があるかを探索し、ユーザから指定された終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐLSPによる迂回通信経路を決定し、図26に示すように、さらに、上記と同予の処理により、LSP4−LSP6−LSP8の迂回通信経路候補とその品質劣化値(25ms)、および、LSP4−LSP6−LSP9の迂回通信経路候補とその品質劣化値(85ms)とを対応付けて迂回通信経路候補テーブルに登録する(図26)。これにより、6つの迂回通信経路の各品質劣化値が、迂回通信経路候補テーブルに登録される。
【0074】
そして、通信経路決定部21は、ユーザから指定された終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐLSPによる全ての迂回通信経路を登録すると、それら迂回通信経路の品質劣化値を比較する。そして最も劣化値の低い品質劣化値の迂回通信経路を特定し、当該迂回通信経路を、新たな通信経路として決定する。本実施形態においては品質劣化値は遅延時間であるため、最も遅延時間が短い、LSP1−LSP5−LSP7の迂回通信経路候補を、新たな通信経路として決定する。そして、表示処理部15は、通信経路決定部21が決定した新たな通信経路を構成するLSP1、LSP5、LSP7を繋ぐラインを、迂回通信経路のIPフローであるとして、例えば画面に表示された図18の通信ネットワーク上にハイライト表示する処理を行う。
【0075】
図30は第2の迂回通信経路決定処理の処理フローを示す図である。
上述の第2の迂回通信経路決定処理においては、まず、終端ルータ1と終端ルータ3とを繋ぐ全てのLSPを特定してLSPリストにリストアップする(ステップS301)。そして、そのLSPリストから始点ルータを起点とするLSPを特定候補リスト(1)へリストアップする。ここでn=1とする。そして、LSPリスト(n)で未選択なLSPが存在するかを判定し(ステップS302)、LSPリスト(n)から未選択なLSPを一つ選択して特定候補リストへ登録する(ステップS303)。そして、選択したLSPの終点ルータが、ユーザより入力された終点のルータ(終端ルータ3)であるかを判定し(ステップS304)、Yesであれば、選択したLSPにより接続される迂回通信経路の品質劣化値を算出する(ステップS305)。ステップS304でNoであれば、ステップS303で選択したLSPの終点ルータを起点とするLSPがあるかを判定する(ステップS306)。S306でYesである場合には、ステップS303で選択したLSPの終点ルータを起点とするLSPを特定候補リスト(n+1)へ登録する(ステップS307)。そして図30のループ1の処理を繰り返し、全経路の品質劣化値を比較して、最も品質劣化値のよい迂回通信路候補を、新たな通信経路として決定する(ステップS308)。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが上述の処理によれば、多段階層構成のMPLSネットワークにおいて、複数のLSPにより構成された通信経路の全体の品質に基づいて、あるノードからあるノードまでの、最適な通信経路を決定と、その通信経路の可視化とを行うことができる。LSPは、論理的に設定されたパスであり、必ずしも物理パスの経路と一致するものではないため、可視化することで、通信ネットワーク保守者に対して、始点ノードと終点ノードの間の品質の良い通信経路の情報を提供することができる。
【0077】
なお、上述のネットワーク監視装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0078】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0079】
11・・・入力部
12・・・制御部
13・・・LSP特定部
14・・・表示経路特定部
15・・・表示処理部
16・・・流量算出部
17・・・データベース
18・・・品質劣化値検出部
19・・・品質劣化値算出部
20・・・品質劣化判定部
21・・・通信経路決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定する品質劣化判定部と、
前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する通信経路決定部と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記通信経路決定部は、前記指定された始点ノードを始点とするラベルスイッチパスのうち最も小さい品質劣化値の第1のラベルスイッチパスを選定し、当該選定したラベルスイッチパスの終点のノードを始点とするラベルスイッチパスのうち最も小さい品質劣化値のラベルスイッチパスを選定する処理を再帰的に繰り返して、前記指定された終点ノードまでの通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスを選定して、それら選定したラベルスイッチパスにより構成される新たな通信経路を再決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記通信経路決定部は、前記再決定した通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を越える値である場合には、前記ラベルスイッチパスの何れか1つの選定において、2番目に小さな品質劣化値のラベルスイッチパスを選定して、新たな通信経路を再決定する
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
前記通信経路決定部は、前記再決定した通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を越える値である場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる1つまたは複数の通信経路の品質劣化値を、当該通信経路それぞれを構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの各品質劣化値に基づいて算出し、最も品質劣化値の小さい通信経路を、新たな通信経路と再決定する
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
前記通信経路決定部は、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる1つまたは複数の通信経路の品質劣化値を、当該通信経路それぞれを構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの各品質劣化値に基づいて算出し、最も品質劣化値の小さい通信経路を、新たな通信経路と再決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項6】
前記ラベルスイッチパスの品質劣化値は、前記ラベルスイッチパスの始点ノードから送信されたパケットが当該ラベルスイッチパスの終点ノードに到達するまでの時間を示す遅延時間であり、
前記通信経路の品質劣化値は、当該通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスの遅延時間の合計である
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のネットワーク監視装置。
【請求項7】
前記ラベルスイッチパスの品質劣化値は、前記ラベルスイッチパスの始点ノードから送信された複数のパケットのうち当該ラベルスイッチパスの終点ノードに到達できないパケットの数の割合を示すロス率であり、
前記通信経路の品質劣化値は、当該通信経路を構成する1つまたは複数のラベルスイッチパスそれぞれのロス率を1から減じた成功率の乗算値を算出し、当該成功率の乗算値を1から減じた値により算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のネットワーク監視装置。
【請求項8】
ネットワーク監視装置のネットワーク監視方法であって、
前記ネットワーク監視装置の品質劣化判定部が、通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定し、
前記ネットワーク監視装置の通信経路決定部が、前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する
ことを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項9】
ネットワーク監視装置のコンピュータを、
通信ネットワークを構成する複数のノードのうちの指定された始点ノードと終点ノードとの間の現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる通信経路の品質劣化値が、品質劣化閾値を超えたかを判定する品質劣化判定手段、
前記現在利用されている1つ又は複数のラベルスイッチパスによる前記通信経路の品質劣化値が、前記品質劣化閾値を超えたと判定された場合に、前記指定された始点ノードと終点ノードとの間に構成される1つまたは複数のラベルスイッチパスによる通信経路のうち、前記品質劣化値の小さい新たな通信経路を再決定する通信経路決定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−155503(P2011−155503A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15869(P2010−15869)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】