説明

ネットワーク装置

【課題】装置全体を検証対象とし、装置の検証を効率的に行う。
【解決手段】ネットワーク装置1は、ネットワーク3を介して接続された他のネットワーク装置2A及び2Bとの間で各種機能を実行するネットワーク装置部11と、ネットワーク装置部11、ネットワーク3及び他のネットワーク装置2A及び2Bからなるシステムをモデル化した仮想システムを用いてネットワーク装置部11の各種機能を仮想的に実行するシミュレーション機能部12と、ネットワーク装置部11の実行結果と、シミュレーション機能部12の実行結果とに基づき、ネットワーク装置部11の機能による動作が正常であるか否かを判断する連携機能部13とを備え、ネットワーク装置部11で実行する各種機能による動作の検証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置に関し、特に、装置全体の動作を検証可能なネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続し、ネットワークを介してデータを送受信するネットワーク装置が普及しており、このようなネットワーク装置の動作を検証する方法としては、例えば、シミュレータを用いた検証方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークを介して他のノードと通信するための通信コマンドを含むようなPLC(Programmable Logic Controller;プログラマブル・コントローラ)用プログラムを適切にテストすることができる実行シミュレーション装置が記載されている。
【0004】
この実行シミュレーション装置は、実ネットワーク上の実PLCと同じ動作をするコンピュータ上のプログラムであるPLCエミュレータで構成される仮想PLCを介して、PLC用プログラムをコンピュータ上で模擬的に実行する。仮想PLCは、ネットワークとの間における通信メッセージの送受信機能を有し、これにより、ネットワークを介して他のノードと通信するための通信コマンドを含むPLC用プログラムのシミュレーションを実行することができる。
【0005】
また、実行シミュレーション装置は、送受信機能を有する複数の仮想ノード間を接続可能なネットワークエミュレータで構成される仮想ネットワークをさらに有し、これにより、通信コマンドを含むPLC用プログラムをコンピュータ上のみでも模擬的に実行することができる。
【0006】
特許文献2には、運用中のネットワーク装置に対して新規設定ファイルを適用する際に、新規設定ファイルを用いたシミュレーションを行うネットワーク装置が記載されている。このネットワーク装置は、現用ユニットとシミュレータユニットとで構成され、シミュレータユニットにおいて現用ユニットと同一の環境で新規設定ファイルによるシミュレーションを実行することにより動作確認を行い、新規設定ファイルを現用ユニットの設定に適用する。これにより、実際のネットワークに負荷を与えることなく、実際に運用される環境で新規設定ファイルによる動作確認を行うことができる。
【0007】
特許文献3には、稼働中の実ネットワークが、ネットワークに接続されたネットワーク機器の構成変更等により異常状態となった場合の復旧や維持管理を行うために、シミュレーションを用いるネットワーク管理システム装置が記載されている。
【0008】
このネットワーク管理システム装置は、シミュレーション装置とネットワーク管理装置とで構成される。シミュレーション装置は、実ネットワークに対応する仮想ネットワークをシミュレートし、シミュレート結果により正常動作が確認された、ネットワークに接続されたネットワーク機器の構成を示す構成情報及び各ネットワーク機器における設定状態を示す機器設定情報をシミュレーションデータベースに保存する。ネットワーク管理装置は、実ネットワークに加えられる構成情報及び機器設定情報の変更を検出して管理し、変更された構成情報及び機器設定情報をネットワークデータベースに保存する。
【0009】
そして、ネットワーク管理システム装置は、シミュレーションデータベースに保存されたデータと、ネットワークデータベースに保存されたデータとの差分を検出することにより、実ネットワーク上における異常状態の原因であるネットワーク機器と、このネットワーク機器の設定内容を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−209407号公報
【特許文献2】特開2008−182290号公報
【特許文献3】特開2001−168862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1〜3に記載の装置では、シミュレーションによる検証対象が装置の一部に限定され、装置全体といったより広い範囲を検証対象とすることができないという問題があった。
【0012】
例えば、特許文献1に記載の実行シミュレーション装置では、ソフトウェアであるPLC用プログラムのみを検証対象としており、ハードウェアであるPLCは検証対象に含まれない。また、特許文献2に記載のネットワーク装置では、設定ファイルのみを検証対象としており、ネットワーク装置全体は検証対象に含まれない。さらに、特許文献3に記載のネットワーク管理システム装置では、ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する構成情報及び機器設定情報のみを検証対象としており、ネットワーク管理システム装置全体は検証対象に含まれない。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、ハードウェアやソフトウェア、設定ファイル等を含む装置全体を検証対象とし、装置の検証を効率的に行うことが可能なネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、ネットワークに接続され、該ネットワークを介して接続された他のネットワーク装置との間で実行する各種機能による動作を検証可能なネットワーク装置であって、前記ネットワークを介して前記他のネットワーク装置との間で各種機能を実行するネットワーク装置部と、前記ネットワーク装置部の各種機能を仮想的に実行するシミュレーション機能部と、前記ネットワーク装置部の実行結果と、前記シミュレーション機能部の実行結果とに基づき、前記ネットワーク装置部の前記機能による動作が正常であるか否かを判断する連携機能部とを備えることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明によれば、ネットワーク装置部による機能を実行すると共に、ネットワーク装置部による機能をシミュレーション機能部により仮想的に実行し、各々の実行結果に基づき、ネットワーク装置部の機能による動作が正常であるか否かを判断するため、ネットワーク装置全体の動作を検証することが可能になる。
【0016】
上記ネットワーク装置において、前記ネットワーク装置部を、前記機能を実行するための設定が記述された設定ファイルを記憶する記憶部と、前記設定ファイルに記述された設定に基づき、前記機能を実行する機能実行部と、前記機能実行部で実行された前記機能による第1のログを取得する第1のログ取得部とを有する構成とし、前記シミュレーション機能部を、前記ネットワーク装置部をモデル化した第1の仮想ネットワーク装置と、前記ネットワークをモデル化した仮想ネットワークと、前記他のネットワーク装置をモデル化した第2の仮想ネットワーク装置とからなる仮想システムを構築し、前記機能と同一の機能を実行する仮想システム構成部と、前記仮想的システムで実行された前記機能による第2のログを取得する第2のログ取得部とを有する構成とし、前記連携機能部は、前記第1及び第2のログを比較することにより、前記ネットワーク装置部の前記機能による動作が正常であるか否かを判断することができる。これにより、機能実行部及び設定ファイルを含むネットワーク装置全体を検証することが可能になり、また、仮想システムにおける動作のログと、実際のシステムにおける動作のログとを比較することにより動作を検証するため、ネットワーク装置の検証を効率的に行うことが可能になる。
【0017】
上記ネットワーク装置において、前記第1の仮想ネットワーク装置を、前記設定ファイルと同一の設定が記述された仮想設定ファイルの設定に基づき前記機能を実行する、前記機能実行部をモデル化した仮想機能実行部を有する構成とすることができる。
【0018】
上記ネットワーク装置において、前記機能実行部を、ソフトウェアの機能を実行するソフトウェア部と、ハードウェアの機能を実行するハードウェア部とからなる構成とし、前記仮想機能実行部を、前記ソフトウェア部をモデル化した仮想ソフトウェア部と、前記ハードウェア部をモデル化した仮想ハードウェア部とからなる構成とすることができる。
【0019】
上記ネットワーク装置において、前記機能実行部を、機能単位で設けられた1つ又は複数のモジュールからなる構成とし、前記仮想機能実行部を、機能単位で設けられ、前記モジュールをモデル化した1つ又は複数の仮想モジュールからなる構成とすることができる。
【0020】
上記ネットワーク装置において、前記第1のログ取得部は、前記第1のログを前記モジュール単位で取得し、前記第2のログ取得部は、前記第2のログを前記仮想モジュール単位で取得することができる。これにより、ネットワーク装置の動作が異常であると判断された場合に、原因となる箇所をモジュール単位で判断することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、ハードウェアやソフトウェア、設定ファイル等を含むネットワーク装置全体の検証を効率的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明にかかるネットワーク装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】ネットワーク装置における動作の検証処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明にかかるネットワーク装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明にかかるネットワーク装置の一実施の形態を適用可能なネットワークシステムを示し、ネットワークシステム10は、シミュレーション機能を有するネットワーク装置1及び複数のネットワーク装置2A、2B、・・・で構成され、ネットワーク装置1及びネットワーク装置2A、2B、・・・がネットワーク3で接続される。この例では、ネットワーク装置1と、ネットワーク装置2A及び2Bがネットワーク3に接続される。
【0025】
ネットワーク装置1は、ネットワーク装置部11、シミュレーション機能部12及び連携機能部13を備える。ネットワーク装置部11は、ネットワーク3を介して他のネットワーク装置2A及び2Bと接続され、フレームの送受信等の各種機能による動作を実行する。また、ネットワーク装置部11は、各種機能を実行した際のログを取得すると共に、正常に動作したか否かをチェックし、取得したログを連携機能部13に供給する。
【0026】
シミュレーション機能部12は、このネットワークシステム10全体の構成をモデル化し、ネットワークシステム10における各種機能による動作のシミュレーションを実行する。また、シミュレーション機能部12は、ネットワーク装置部11と同様に、各種機能を実行した際のログを取得すると共に、正常に動作したか否かをチェックし、取得したログを連携機能部13に供給する。連携機能部13は、ネットワーク装置部11及びシミュレーション機能部12から供給されたログに基づき、ネットワーク装置部11が正常に動作するか否かを判断する。
【0027】
次に、ネットワーク装置部11の構成の一例について説明する。ネットワーク装置部11は、機能実行部としてのソフトウェア部21及びハードウェア部22と、設定ファイル23と、ログ取得/チェック機能部24とで構成される。
【0028】
ソフトウェア部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成され、図示されないRAM(Random Access Memory)をワークメモリとして用い、図示されないROM(Read Only Memory)に予め記憶されたプログラムに従い、各種ソフトウェアの機能を実行する。ソフトウェア部21は、1つ又は複数のソフトウェアモジュール25A、25B、・・・からなる。ソフトウェアモジュール25A、25B、・・・は、例えば機能単位で設けられ、各モジュールが対応する機能を実行する。この例において、ソフトウェア部21は、2つのソフトウェアモジュール25A及び25Bで構成される。
【0029】
ハードウェア部22は、例えばLSI(Large Scale Integration)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成され、各種ハードウェアの機能を実行する。ハードウェア部22は、複数のハードウェアモジュール26A、26B、・・・からなる。ハードウェアモジュール26A、26B、・・・は、ソフトウェアモジュール25A、25B、・・・と同様に、例えば機能単位で設けられ、各モジュールが対応する機能を実行する。この例において、ハードウェア部22は、2つのハードウェアモジュール26A及び26Bで構成される。
【0030】
設定ファイル23には、ネットワーク装置部11で行われるフレームの送受信の際の設定等が記述される。ネットワーク装置部11において設定が必要な機能は、この設定ファイル23を用いてソフトウェア部21及びハードウェア部22に対する設定を行う。設定ファイル23は、例えば、図示しないメモリ等の記憶部に記憶される。
【0031】
ログ取得/チェック機能部24は、ネットワーク装置部11で実行された機能のログをモジュール単位で取得する。また、ログ取得/チェック機能部24は、各種機能を実行した際の実行結果と、実行結果に対する期待値とを比較する等のチェックをモジュール単位で行う。
【0032】
次に、シミュレーション機能部12の構成の一例について説明する。シミュレーション機能部12は、例えばCPUで構成され、図示されないRAMをワークメモリとして用い、図示されないROMに予め記憶されたプログラムに従い、このシミュレーション機能部12全体の動作を制御する。尚、シミュレーション機能部12を構成するCPUは、ソフトウェア部21を構成するCPUと異なるCPUとする。
【0033】
シミュレーション機能部12は、仮想システム構成部30及びログ取得/チェック機能部40で構成される。仮想システム構成部30は、シミュレーション機能部12の制御に基づき、このネットワークシステム10全体の構成をモデル化した仮想ネットワークシステムを構築し、ネットワークシステム10における各種機能による動作のシミュレーションを実行する。この例において、仮想システム構成部30には、ネットワーク装置部11をモデル化した仮想ネットワーク装置31と、ネットワーク装置2A及び2Bをモデル化した仮想ネットワーク装置32A及び32Bとがネットワーク3をモデル化した仮想ネットワーク33に接続された仮想ネットワークシステムが構築される。
【0034】
仮想ネットワーク装置31は、仮想機能実行部としての仮想ソフトウェア部41及び仮想ハードウェア部42と、仮想設定ファイル43とで構成される。
【0035】
仮想ソフトウェア部41は、ソフトウェア部21をモデル化したものであり、ソフトウェアモジュール25A、25B、・・・をモデル化した複数の仮想ソフトウェアモジュール45A、45B、・・・からなる。仮想ソフトウェアモジュール45A、45B、・・・は、ソフトウェアモジュール25A、25B、・・・と同様に、例えば機能単位で設けられ、ソフトウェアモジュール25A、25B、・・・の機能に対応する機能を実行する。この例において、仮想ソフトウェア部41は、2つの仮想ソフトウェアモジュール45A及び45Bで構成される。
【0036】
仮想ハードウェア部42は、ハードウェア部22をモデル化したものであり、ハードウェアモジュール26A、26B、・・・をモデル化した複数の仮想ハードウェアモジュール46A、46B、・・・からなる。仮想ハードウェアモジュール46A、46B、・・・は、ハードウェアモジュール26A、26B、・・・と同様に、例えば機能単位で設けられ、ハードウェアモジュール26A、26B、・・・の機能に対応する機能を実行する。この例において、仮想ハードウェア部42は、2つの仮想ハードウェアモジュール46A及び46Bで構成される。
【0037】
仮想設定ファイル43は、ネットワーク装置部11をモデル化した仮想ネットワークシステムにおけるフレームの送受信等の際の設定が記述される。すなわち、仮想設定ファイル43には、設定ファイル23に記述された設定と同様の設定内容が記述される。仮想ネットワークシステムにおいて設定が必要な機能は、この仮想設定ファイル43を用いて仮想ソフトウェア部41及び仮想ハードウェア部42に対する設定を行う。
【0038】
ログ取得/チェック機能部40は、仮想システム構成部30に構築された仮想ネットワークシステムで実行された機能のログをモジュール単位で取得する。また、ログ取得/チェック機能部40は、各種機能を実行した際の実行結果と、実行結果に対する期待値とを比較する等のチェックをモジュール単位で行う。
【0039】
次に、上記構成を有するネットワークシステム10の動作について説明する。ネットワーク装置1では、シミュレーション機能部12によるシミュレーション機能を用い、ネットワークシステム10におけるフレームの送受信等の動作を検証する。図2は、ネットワーク装置1における動作の検証処理の流れの一例を示す。
【0040】
まず、図2に示す処理に先立って、シミュレーション機能部12は、ネットワークシステム10全体の構成をモデル化した仮想ネットワークシステムを仮想システム構成部30に構築し、仮想ネットワーク装置31の仮想ソフトウェア部41に設けられた仮想ソフトウェアモジュール45A及び45Bと、仮想ハードウェア部42に設けられた仮想ハードウェアモジュール46A及び46Bとに、仮想設定ファイル43に記述された設定内容を反映させる。
【0041】
仮想ネットワークシステムが構築されると、シミュレーション機能部12は、仮想システム構成部30に構築された仮想ネットワークシステム上に設けられた仮想ネットワーク装置31、仮想ネットワーク装置32A及び32Bによるフレームの送受信等の動作を行う。このとき、ログ取得/チェック機能部40は、ネットワーク装置部11の期待する動作結果として、この送受信によるログをモジュール単位で取得する(ステップS1)。取得したログは、連携機能部13に供給される。
【0042】
次に、ネットワーク装置部11は、ステップS1で行ったシミュレーション機能部12の動作と同様の動作(フレームの送受信)を、ネットワーク3を介して接続されたネットワーク装置2A及び2Bとの間で行う。そして、ログ取得/チェック機能部24は、この動作の結果として、フレームの送受信によるログをモジュール単位で取得する(ステップS2)。取得したログは、連携機能部13に供給される。
【0043】
連携機能部13は、ステップS1で取得したシミュレーション機能部12の動作によるログと、ステップS2で取得したネットワーク装置部11の動作によるログとをモジュール毎に比較する(ステップS3)。比較の結果、各々のログが一致し、ネットワーク装置部11の動作及びシミュレーション機能部12の動作が同一の動作となった場合には、ネットワーク装置部11による動作が正常に行われたと判断し、一連の処理を終了する。
【0044】
一方、ステップS3において、各々のログが一致せず、ネットワーク装置部11の動作及びシミュレーション機能部12の動作が異なる動作となった場合には、ネットワーク装置部11の動作が期待する動作と異なるため、ネットワーク装置部11に異常があると判断する。この場合には、ネットワーク装置部11の異常の原因となる箇所を修正する(ステップS4)。修正対象となる箇所としては、例えば、ネットワーク装置部11のソフトウェア部21、ハードウェア部22及び設定ファイル23のうちいずれかが考えられる。このとき、ログ取得/チェック機能部24及び40で取得されたログは、モジュール単位で取得されるため、各々のログを参照することで、修正箇所を判断することができる。
【0045】
ネットワーク装置部11の異常の原因となる箇所の修正が完了すると、処理がステップS2に戻り、再度、ネットワーク装置部11による動作を実行し、ログを取得して動作を検証する。
【0046】
以上のように、本実施の形態によれば、実際のネットワークシステム全体の構成をモデル化した仮想ネットワークシステムを構築し、この仮想ネットワークシステムを用いて実際のネットワークシステムの動作を検証するため、ソフトウェア部、ハードウェア部及び設定ファイルを含むネットワーク装置全体を検証することができる。
【0047】
また、仮想ネットワークシステムにおける動作のログと、実際のネットワークシステムにおける動作のログとを比較することにより動作を検証するため、ネットワーク装置の検証を効率的に行うことができる。
【0048】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上述した本発明の一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述の例では、ネットワーク装置部11及びシミュレーション機能部12が1つのネットワーク装置に含まれるように説明したが、これに限られず、例えばネットワーク装置部11及びシミュレーション機能部12の各々が独立した装置として構成されるようにしてもよい。
【0049】
具体的には、例えば、図3に示すように、図1のネットワーク装置1を、ネットワーク装置部11の機能を備えるネットワーク装置51と、シミュレーション機能部12及び連携機能部13の機能を備えるシミュレーション装置52とに分離することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ネットワーク装置
2(2A、2B、・・・) ネットワーク装置
3 ネットワーク
10 ネットワークシステム
11 ネットワーク装置部
12 シミュレーション機能部
13 連携機能部
21 ソフトウェア部
22 ハードウェア部
23 設定ファイル
24 ログ取得/チェック機能部
25(25A、25B、・・・) ソフトウェアモジュール
26(26A、26B、・・・) ハードウェアモジュール
30 仮想システム構成部
40 ログ取得/チェック機能部
31 仮想ネットワーク装置
32(32A、32B、・・・) 仮想ネットワーク装置
33 仮想ネットワーク
41 仮想ソフトウェア部
42 仮想ハードウェア部
43 仮想設定ファイル
45(45A、45B、・・・) 仮想ソフトウェアモジュール
46(46A、46B、・・・) 仮想ハードウェアモジュール
50 ネットワークシステム
51 ネットワーク装置
52 シミュレーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、該ネットワークを介して接続された他のネットワーク装置との間で実行する各種機能による動作を検証可能なネットワーク装置であって、
前記ネットワークを介して前記他のネットワーク装置との間で各種機能を実行するネットワーク装置部と、
前記ネットワーク装置部の各種機能を仮想的に実行するシミュレーション機能部と、
前記ネットワーク装置部の実行結果と、前記シミュレーション機能部の実行結果とに基づき、前記ネットワーク装置部の前記機能による動作が正常であるか否かを判断する連携機能部とを備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記ネットワーク装置部は、
前記機能を実行するための設定が記述された設定ファイルを記憶する記憶部と、
前記設定ファイルに記述された設定に基づき、前記機能を実行する機能実行部と、
前記機能実行部で実行された前記機能による第1のログを取得する第1のログ取得部とを有し、
前記シミュレーション機能部は、
前記ネットワーク装置部をモデル化した第1の仮想ネットワーク装置と、前記ネットワークをモデル化した仮想ネットワークと、前記他のネットワーク装置をモデル化した第2の仮想ネットワーク装置とからなる仮想システムを構築し、前記機能と同一の機能を実行する仮想システム構成部と、
前記仮想的システムで実行された前記機能による第2のログを取得する第2のログ取得部とを有し、
前記連携機能部は、
前記第1及び第2のログを比較することにより、前記ネットワーク装置部の前記機能による動作が正常であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記第1の仮想ネットワーク装置は、前記設定ファイルと同一の設定が記述された仮想設定ファイルの設定に基づき前記機能を実行する、前記機能実行部をモデル化した仮想機能実行部を有することを特徴とする請求項2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記機能実行部は、
ソフトウェアの機能を実行するソフトウェア部と、
ハードウェアの機能を実行するハードウェア部とからなり、
前記仮想機能実行部は、
前記ソフトウェア部をモデル化した仮想ソフトウェア部と、
前記ハードウェア部をモデル化した仮想ハードウェア部とからなることを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記機能実行部は、機能単位で設けられた1つ又は複数のモジュールからなり、
前記仮想機能実行部は、機能単位で設けられ、前記モジュールをモデル化した1つ又は複数の仮想モジュールからなることを特徴とする請求項3又は4に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記第1のログ取得部は、前記第1のログを前記モジュール単位で取得し、
前記第2のログ取得部は、前記第2のログを前記仮想モジュール単位で取得することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−222706(P2012−222706A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88717(P2011−88717)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】