説明

ネットワーク間の自動接続、データオフロード、および、ローミングを行うモバイルデバイスおよび方法

【課題】モバイルデバイスおよびWi−Fiホットスポット2.0に自動接続する。
【解決手段】Wi−Fiネットワークを運営する1以上のサービスプロバイダ(SP)のための、ホームサービスプロバイダ情報、ポリシー情報、および、予めプロビジョンされた認証情報を含む加入情報がモバイルデバイスの加入データオブジェクトに格納される。モバイルデバイスは、ユーザの介入なしに、加入情報が利用可能なWi−Fiネットワークに適用可能かを判断し、適用可能な場合に予めプロビジョンされた認証情報を利用して、利用可能なWi−Fiネットワークとの間で拡張可能認証プロトコル(EAP)ベースの認証を行いWi−Fi接続を構築する。この自動接続により、モバイルデバイスはWi−Fiホットスポットにおいてローミングを行い、Wi−Fiネットワークにトラフィックをオフロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、無線通信に係る。一部の実施形態は、Wi−Fi(ワイヤレスフィデリティ)ネットワークへの自動接続およびWi−Fiネットワークにおけるローミングに係る。一部の実施形態は、Hotspot 2.0ネットワークおよびHotspot2.0進化に係る。一部の実施形態は、セルラーおよびWi−Fiネットワーク間のローミングに係る。一部の実施形態は、セルラーネットワークからWi−Fiネットワークへのトラフィックのオフロードに係る。
【背景技術】
【0002】
Wi−Fiネットワークへの接続にまつわる1つの問題は、簡便性に欠け、ユーザフレンドリーではないプロセスである、ということである。モバイルデバイスの一般ユーザは、近くのアクセスポイントを探して、Wi−Fiネットワークを識別する様々なサービスセット識別子間を手動でサーフィングして、これらネットワークから1つを選択して、認証情報を入力する必要がある。多くの場合、ユーザは、他の処理にも加えて、幾つか煩雑なウェブページを行き来して、Wi−Fiネットワークと関連付けを行い、認証する必要がある。ユーザが位置を変えると、同じプロセスを繰り返して、別のWi−Fiネットワークに接続する必要がある。これは、モバイルデバイスが、同じサービスプロバイダが運営する基地局間では自動接続ができ、コミュニケーションをハンドオフでき、且つ、異なるサービスプロバイダが運営する基地局間で接続およびローミングができるセルラーネットワークとは対照的である。
【0003】
モバイルデータ利用は急増しており、セルラーネットワークにおけるキャパシティおよびネットワーク混雑に関する問題を引き起こしている。従い、セルラーオペレータには、増える需要を満たすこと、および、運営コスト(OPEX)および資本支出(CAPEX)を低く抑えること、という課題がある。この需要増は、第三世代高速パケットアクセス(3G HSPA)、第四世代ロングタームエボリューション(4G LTE)ネットワーク、および、ワイヤレスマイクロウェーブアクセス(WiMAX)ネットワーク等のブロードバンドアクセスセルラーネットワークを設置した上でも、なお、セルラーネットワークが需要を満たす能力を超え続けている。他方で、数多くのWi−Fiネットワークは、非常の低価格においては非常に高いキャパシティを有している。
【0004】
従って、ユーザの手を煩わせずにWi−Fiネットワークにモバイルデバイスを自動接続させるために向上した方法に対する一般的な需要、且つ、Wi−Fiホットスポット間でローミングさせるモバイルデバイスおよび方法に対する一般的な需要が存在している。さらに、Wi−Fiネットワークとセルラーネットワークとの間の改善した方法およびモバイルデバイスが必要である。さらには、セルラーネットワークからWi−Fiネットワークへとトラフィックをオフロードするモバイルデバイスおよび向上した方法の構築が望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一部の実施形態における無線動作環境を示す。
【0006】
【図2A】一部の実施形態におけるモバイルデバイスのブロック図である。
【0007】
【図2B】一部の実施形態における加入データオブジェクトを示す。
【0008】
【図3A】一部の実施形態における認証情報のタイプの例を示すテーブルである。
【0009】
【図3B】一部の実施形態におけるトラフィックオフロードの選択肢の数例を示すテーブルである。
【0010】
【図4】一部の実施形態における自動接続およびトラフィックオフロードの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記載および図面は、特定の実施形態を当業者に行わせるに足る記載となっている。他の実施形態であれば、構造、論理、電気、処理、その他の面での変形が加えられてもよい。一部の実施形態の部分および特徴を、他の実施形態に加えても、他の実施形態の対応する部分および特徴と置き換えることもできる。請求項に示す実施形態は、これら請求項の均等物全てを含む。
【0012】
図1は、一部の実施形態における無線動作環境を示す。無線動作環境には、モバイルデバイス(MD)102、複数のWi−Fiホットスポット104(つまりWi−Fiアクセスネットワーク)、および基地局106等の1以上の基地局が含まれていてよい。図1に示す例では、基地局106が、セル108の地理上の領域を、セルラーネットワーク通信サービスに提供している。示されているように、複数のWi−Fiホットスポット104がセル108内で動作してよい。Wi−Fiホットスポット104それぞれが、Wi−Fiサービスプロバイダ(SP)により運営され、モバイルデバイス102を、インターネット112等のネットワークに接続させ、音声およびデータ通信を、アクセスサービスネットワーク(ASN)110等のセルラーネットワークを含む他のネットワークにルーティングさせる。あるWi−Fiホットスポット104が、第1のサービスプロバイダが運営する第1のWi−Fiネットワークに関連付けられ、別のWi−Fiホットスポット104が、第2のサービスプロバイダが運営する第2のWi−Fiネットワークに関連付けられていてよい。一部の実施形態では、1つのWi−Fiホットスポット104が、Wi−Fiホットスポット104が2以上のSSIDに関連付けられているような複数のサービスプロバイダにより共有されてもよい。このような状況においては、例えば1つのSSIDを、サービスプロバイダそれぞれに割り当ててよい。モバイルデバイス102がデュアルモードデバイスである場合には、アクセスサービスネットワーク110のセルラータイプの通信サービスは、一式の基地局(例えば基地局106)を通じて提供されてよい。
【0013】
実施形態によると、モバイルデバイス102は、Wi−Fiホットスポット104を自動的に発見して接続するように構成されていてよい。モバイルデバイス102はさらに、複数のWi−Fiホットスポット104の間でローミングするよう構成されていてよい。デュアルモードの実施形態では、モバイルデバイスはさらに、このセルラーネットワークから、利用可能なWi−Fiネットワークへとトラフィックをオフロードするよう構成されていてもよい。これらの実施形態について以下で詳述する。
【0014】
一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、Wi−Fiネットワークを作動する1以上のサービスプロバイダのための加入情報を自身内に格納することができる。加入情報は、加入データオブジェクト内に格納されていてよい。加入情報には、ホームサービスプロバイダ情報、ポリシー情報、および、予めプロビジョンされる認証情報が含まれてよい。これら実施形態では、モバイルデバイス102は、ユーザの手を煩わせずに、利用可能なWi−Fiネットワークに対して加入情報を適用可能であるかを判断することができてよい。利用可能なWi−Fiネットワークに対して加入情報が適用可能な場合には、モバイルデバイス102は、ユーザの手を煩わせずに、拡張可能認証プロトコル(EAP)ベースの認証等の認証プロトコルを、予めプロビジョンされる認証情報を利用して利用可能なWi−Fiネットワークとの間で行い、利用可能なWi−Fiネットワークとの間にWi−Fi接続103を構築してよい。
【0015】
一部の実施形態では、Wi−Fiホットスポット104は、Hotspot2.0進化仕様(例えば、Wi−FiアライアンスのHotspot2.0進化仕様)に従って動作するWi−Fi Hotspot2.0であってよい。モバイルデバイス102は、Hotspot2.0に準拠したデバイスであってよく、加入情報には、Wi−Fi Hotspot2.0に自動接続するために予めプロビジョンされる加入情報が含まれてよい。Wi−Fiネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のIEEE802.11規格の1つに従って動作するWi−Fiホットスポットを含むワイヤレスネットワークであってよい。Wi―Fiネットワークは、上流方向の通信および下流方向の通信において、同じ周波数チャネルが利用されるCSMA/CA(搬送波感知多重アクセス/衝突回避方法:carrier-sense multiple access technique with collision avoidance)を利用する。他方で、セルラーネットワーク(例えば4G LTEネットワークやWiMAXネットワーク等)では、OFDMA技術が実装されている。3Gセルラーネットワークは、CDMA技術を利用することもできる。
【0016】
これら実施形態では、Wi−Fiネットワークは、予め関連付けられた状態で発見され、セルラーに類似した経験を提供して、自動的に、セキュア、簡単、且つ便利な接続をWi−Fiホットスポット加入者に提供することができる。これは、独占所有権を持ち、異なるウェブページ(例えばランディングページ)へのアクセスに基づいているために接続開始にユーザの介入が必要となる、Wi−Fiホットスポット接続の現行の解決法と比べるとは対照的である。
【0017】
ここに記載する実施形態は、Wi−Fiホットスポット発見、選択、自動接続、およびセッションの更新を簡単にできるメカニズムを提供する。以下の詳述する一部の実施形態では、Wi−Fiホットスポット104が、追加情報を提供して、ユーザ設定およびサービスプロバイダポリシー設定に基づいて、ネットワーク発見およびネットワーク選択プロセスを促すよう構成されていてよい。これら実施形態では、Wi−Fiネットワークへの接続は、ユーザが手動で構築することもできるが、ネットワークからの位置アシスタンス等のメカニズムが生成するトリガに基づいて自動構築することもできる。これにより、特に電力最適化が促進される。自動接続を構築する場合には、ユーザは、認証情報を再度入力する必要はない。これらの実施形態について以下で詳述する。
【0018】
図2Aは、一部の実施形態におけるモバイルデバイスのブロック図である。モバイルデバイス200は、モバイルデバイス102(図1)としての利用に適したものであってよい。モバイルデバイス200は、とりわけ、物理(PHY)層および処理回路202、メモリ204、および、ネットワーク発見および選択論理206を含んでよい。物理層および処理回路202は、1以上の無線ネットワークと通信することができる。シングルモードのモバイルデバイスの場合には、物理層および処理回路202は、Wi−Fiネットワークと通信するよう構成されていてよい。
【0019】
デュアルモードのモバイルデバイスの場合には、物理層および処理回路202は、セルラーネットワークおよびWi−Fiネットワークの両方と通信するよう構成されていてよい。デュアルモードの実施形態では、モバイルデバイス200は、Wi−Fiトランシーバ222および1以上のセルラーネットワークトランシーバ224を両方含んでよい。
【0020】
実施形態においては、メモリ204は、加入データオブジェクト240等の1以上の加入データオブジェクトを格納することができる。格納データオブジェクト240は、Wi−Fiネットワークを運営する1以上のサービスプロバイダについての格納情報241を格納することができる。加入情報241は、ホームサービスプロバイダ情報242、ポリシー情報244、および予めプロビジョンされた認証情報246をとりわけ含んでよい。
【0021】
ネットワーク発見および選択論理206は、ユーザの手を煩わせずに、利用可能なWi−Fiネットワークに加入情報241を適用することができるかを判断することができる。ネットワーク選択論理206も、ユーザの手を煩わせずに、EAPベースの認証を、予めプロビジョンされる認証情報246を利用して、利用可能なWi−Fiネットワークとの間で行い、利用可能なWi−Fiネットワークとの間にWi−Fi接続103(図1)を構築してよい。
【0022】
一部の実施形態では、ホームサービスプロバイダ情報242は、ホームサービスプロバイダを識別する。ホームサービスプロバイダは、モバイルデバイス200のユーザが加入契約を有しており、その認証情報を予めプロビジョンされているサービスプロバイダであってよい。これらの実施形態では、モバイルデバイス200は、ホームサービスプロバイダ情報242およびポリシー情報244に基づいて、モバイルデバイス200のユーザが、利用可能なWi−Fiネットワークのサービスプロバイダとの間で加入契約を有しているか(つまり、利用可能なWi−Fiネットワークがホームサービスプロバイダにより運営されているか)、または、利用可能なWi−Fiネットワークのサービスプロバイダがホームサービスプロバイダではない場合に、ホームサービスプロバイダが、利用可能なWi−Fiネットワークとの間にローミング契約を有しているか、を判断することができてよい。このようにすることで、ホームサービスプロバイダが運営しているWi−Fiホットスポット104とも、ホームサービスプロバイダのローミングパートナーが運営しているWi−Fiホットスポット104とも、自動接続を行うことができる。
【0023】
本明細書では、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、ロングタームエボリューション(LTE)、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、直交周波数分割多重(OFDM)、直交周波数分割多重接続(OFDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、複数入力複数出力(MIMO)、マルチユーザMIMO(MU−MIMO)、シングルユーザMIMO(SU−MIMO)、無線アクセス技術(RAT)、無線アクセスネットワーク(RAN)、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)、IEEE(アイトリプルイー)といった略語を利用する。
【0024】
セルラートランシーバ224は、3G高速パケットアクセス(HSPA)またはGSM(登録商標)/GPRSトランシーバを含む3G CDMAトランシーバ、4G LTE OFDMAトランシーバ、またはWiMAX OFDMAトランシーバであってよいが、実施形態の範囲はこの点に限定はされない。Wi−Fiトランシーバ222は、WLANのIEEE802.11規格のいずれかを実装可能なOFDMまたはDSS(direct sequence spread spectrum)、Hotspot2.0ケイパビリティを有してよい。
【0025】
モバイルデバイス200は、さらに1以上のアンテナ201を含んでもよい。アンテナ201は、モバイルデバイス200の内部にあってよい。アンテナ201は、RF信号の送信に適した1以上の無指向性または全方向性アンテナを含んでよい。2以上のアンテナに代えて、多数のアパーチャを有する単一のアンテナを利用することもできる。これら実施形態では、各アパーチャを別個のアンテナととらえることができる。一部の複数入力複数出力(MIMO)実施形態では、アンテナ201は、アンテナ201および送信局のアンテナの間に生じうる異なるチャネル特性および空間ダイバーシティを有効活用できるように効果的に分割されうる。
【0026】
図2Bは、一部の実施形態における加入データオブジェクトのデータ構造を示す。上述したように、加入データオブジェクト240は、加入情報241を含み、加入情報241には、ホームサービスプロバイダ情報242、ポリシー情報244、および、予めプロビジョンされた認証情報246が含まれて、1以上のWi−Fiネットワークのホームサービスプロバイダに加入する。
【0027】
一部の実施形態では、モバイルデバイス200のユーザは、2以上のサービスプロバイダとの間の加入契約を有しており、加入データオブジェクト240は、各サービスプロバイダについての加入情報241を含んでよい。一部の他の実施形態では、モバイルデバイス200のユーザが、2以上のサービスプロバイダとの間で加入契約を有している場合、別の加入データオブジェクト240(つまり、加入データオブジェクト240の複数のインスタンス)を、各サービスプロバイダについて含めてよい。これら実施形態では、加入情報241、ホームサービスプロバイダ情報242、ポリシー情報244、および予めプロビジョンされた認証情報246を、各サービスプロバイダについて含めてよい。
【0028】
ホームサービスプロバイダ情報242は、フレンドリーネーム、および、完全に記述したドメイン名(FQDN)を識別することができる。ホームサービスプロバイダ情報242はさらに、ホームサービスプロバイダ用のサービスプロバイダネットワークアクセス識別子(NAI)領域を識別する。
【0029】
ポリシー情報244は、ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいるホットスポットサービスプロバイダを示すローミングパートナーリスト252を含む。これら実施形態では、ポリシー情報244が、利用可能なWi−Fiネットワークのホットスポットサービスプロバイダが、ローミングパートナーリスト252にあることを示している場合には、モバイルデバイス200が、その予めプロビジョンされている認証情報を利用して、ユーザの介入なく(自動的に)利用可能なWi−Fiネットワークとの間でWi−Fi接続103を構築することができる。
【0030】
ローミングパートナーリスト252上の各ホットスポットサービスプロバイダについては、加入データオブジェクト240が、FQDNおよび優先度情報を含んでよい。優先度情報は、モバイルデバイス200が、ローミングパートナーリスト上のサービスプロバイダが運営する2以上のWi−Fiネットワークから選択を行う(例えば、優先付けをする)ときに利用されてよい。利用可能なWi−Fiネットワークからの選択は、接続情報(QoSレベル、帯域幅等)に基づいていてよい。
【0031】
ポリシー情報244はさらに、ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいないWi−FiネットワークサービスプロバイダまたはWi−Fiホットスポットサービスプロバイダを示していてよいサービスプロバイダブラックリスト254を含んでよい。サービスプロバイダブラックリスト254は、ブラックリストに載せられている各ホットスポットサービスプロバイダのFQDNを識別する。実施形態では、モバイルデバイス200は、サービスプロバイダブラックリスト254に識別されているホットスポットサービスプロバイダとの間にはWi−Fi接続を構築しないように構成されていてよい。サービスプロバイダブラックリスト254は、ホームサービスプロバイダが接続の構築を望まないホームサービスプロバイダについての、サービスプロバイダの取消リストであってよい。
【0032】
一部の実施形態では、モバイルデバイス200が、現在接続しているWi−FiネットワークのWi−Fiホットスポット104から、ホームサービスプロバイダまたはローミングパートナーリスト252上のホットスポットサービスプロバイダのいずれかがサービス提供する別のWi−Fiネットワークのホットスポットへと、ローミングを行うよう設定されていてよい。これらの実施形態では、モバイルデバイスは、サービスプロバイダブラックリスト254上のサービスプロバイダが運営するホットスポットに対してローミングしないようにすることができる。
【0033】
一部の実施形態では、ポリシー情報244にさらに、一定の加入情報241が有効または適用可能な位置、日付および時間のうち1以上を示すポリシーパラメータを含めてもよい。位置情報は、セルラー識別子を利用して表される、または、WLAN位置識別子を利用して表される、ジオロケーション座標で表すことができる。一部の実施形態では、ジオロケーション座標は、ポリシーが有効な領域を示す半径とともに、アンカー緯度経度情報を含んでよい。一部の実施形態では、日付および時間を含めることで、ポリシー有効開始日/時間および終了日/時間を示してよい。
【0034】
セルラー識別子は、セルラーネットワークの基地局(BS)106から受信するセルラーまたはセル識別子(CI)であってよい。WLAN識別子は、基本サービスセット識別子(BSSID)、サービスセット識別子(SSID)、または、Wi―Fiホットスポット104から受信可能な均一の拡張サービスセット識別子(HESSID:Homogeneous Extended Service Set Identifier)であってよい。
【0035】
一部の実施形態では、予めプロビジョンされる認証情報246は、EAPベースの認証に適した統一認証情報であってよい。これらの実施形態では、統一認証情報を利用することで、ユーザが、セルラーネットワークサービスプロバイダ間でローミング契約している様々なWi−Fiホットスポット間を自動的に接続することができるようになる。これにより、セルラーネットワークサービスプロバイダは、セルラーまたは他のネットワークから、デュアルモードデバイス(セルラーネットワークケイパビリティおよびWi−Fiネットワークケイパビリティの両方を兼ね備えたデバイスのこと)のWi−Fiネットワークへと、モバイルトラフィックを(特定の帯域幅の高いデータトラフィックを)オフロードすることができる。共通のまたは統合された認証情報をセルラーネットワークおよびWi−Fiネットワークで利用することと、これら実施形態の統合された認証メカニズムとによって、このオフロードおよびローミングが促される。
【0036】
一部の実施形態では、予めプロビジョンされる認証情報246は、EAP−TLS(トランスポート層セキュリティ)認証のためのデジタル証明書を含むことのできる証明書ベースの認証情報であってよい。証明書ベースの認証情報およびEAPベースの認証メカニズムをここで記載するように利用することで、Wi−Fiホットスポットを適切に確保することができ、さらに、様々な攻撃からWi−Fiネットワークを保護することができる。
【0037】
モバイルデバイス200がシングルモードデバイスである場合(Wi−Fiネットワークケイパビリティを持つが、セルラーネットワークケイパビリティは持たない)、予めプロビジョンされる認証情報246のデジタル証明書は、公開/秘密鍵対(つまり非対称鍵)に基づくX.509設定の証明書であってよい。これら実施形態では、X.509証明書は、シングルサインオン(SSO)および特権管理インフラストラクチャ(PMI)のためのの公開鍵インフラストラクチャ(PKI)用のX.509ITU−T規格に従って設定されてよい。認証機関(CA)は、公開鍵を、X.500トラディション(X.500 tradition)における特定の名称、または、電子メールアドレスまたはDNSエントリ等の別の名称に関連付けることができる証明書を発行することができる。従来のWi−Fiネットワークとは異なり、これら実施形態では、X.509証明書を認証情報として利用することができる。一部の実施形態においては、シングルモードデバイスは、802.1XおよびEAPベースのEAPトンネルトランスポート層セキュリティ(EAP−TTLS)認証方法を利用することができる。
【0038】
モバイルデバイス200がデュアルモードデバイスである場合(つまり、Wi−Fiネットワークケイパビリティおよびセルラーネットワークケイパビリティを両方備えている場合)、予めプロビジョンされている認証情報246は、EAP認証および鍵共有(key agreement)(EAP−AKA)認証またはEAPサブスクライバ識別モジュール(EAP−SIM)認証のためのサブスクライバ識別モジュール(SIM)(または、汎用SIM(USIM))を含んでよい。これら実施形態においては、デュアルモードデバイスは、Wi−Fiおよびセルラーネットワーク両方の共通のSIM/UICCベースの証明書を利用することができ、Wi−Fiおよびセルラーネットワーク両方に共通の認証方法(EAP−SIM/EAP−AKA)を利用することができる。一部の実施形態では、SIM/USIM認証情報は、UMTSに準拠したデュアルモードモバイルデバイスにより利用されてよい。
【0039】
一部の実施形態では、予めプロビジョンされている認証情報246は、サーバ側の証明書とともに利用されるユーザ名およびパスワードを含んでよい。これら実施形態では、EAP−トンネルトランスポート層セキュリティ(EAP−TTLS)またはセキュアなトンネル(EAP−FAST)認証によるEAP−フレキシブル認証のいずれかを利用することができる。他のEAPベースの認証方法も、Wi−Fiネットワーク間での接続、オフロード、およびローミングでの利用に適している場合がある。
【0040】
これら共通の認証方法の利用により、とりわけ、セルラーネットワークおよびWi−Fiネットワーク間でシームレスにローミングすることができるようになり、比較的シームレスなWi−Fiオフロードが可能となる。これら実施形態については以下で詳述する。
【0041】
図3Aは、一部の実施形態における認証情報のタイプの例を示すテーブルである。テーブル300は、ここで開示する実施形態において様々なモバイルデバイスが利用することのできる認証情報のタイプ302それぞれのEAP方法304を示している。
【0042】
図3Bは、一部の実施形態におけるトラフィックオフロードの選択肢の数例を示すテーブルである。テーブル350は、シングルモードデバイス352およびデュアルモードデバイス354両方についての各属性356に対する、現在選択できる技術358および技術360を示している。
【0043】
一部の実施形態では、モバイルデバイス200は、ローミングが関与するケースで、RSSI、利用可能な帯域幅、および/または、QoS情報またはローミング契約等の接続情報に基づき、初期接続rでホットスポット104を選択することができる。これら実施形態では、モバイルデバイス200は、デバイス上で動作するアプリケーションの要件に基づいてWi−Fiホットスポット104を選択することができる。例えば、ホットスポット104への接続は、接続が、デバイス上で動作するアプリケーションのQoS要件に合致すると判断されると実行することができ、接続が、デバイス上で動作するアプリケーションのQoS要件に合致しない場合には実行されない。
【0044】
これら実施形態では、モバイルデバイス200は、異なるサービスプロバイダが運営するホットスポット間のみならず(ホームサービスプロバイダとの間でローミング契約を有する)、ホームサービスプロバイダが運営することのできる様々なホットスポット間でローミングすることができるようになる。さらに、モバイルデバイス200は、様々なセルラーネットワークサービスプロバイダ(ホームサービスプロバイダ無線ネットワークサービスプロバイダとローミング契約を結んでいる)が運営する基地局間のみならず、ホームサービスプロバイダセルラーネットワークサービスプロバイダが運営することのできる様々な基地局間でローミングすることができる。一部のケースでは、ホームプロバイダセルラーネットワークサービスプロバイダが(セルラー基地局を運営する)、Wi−Fiネットワークを運営するホームサービスプロバイダであってよい。
【0045】
ローミング中には、発信側でローミング(roaming outbound)するユーザと発信側でローミングする(roaming inbound)ユーザが両方とも存在していてよい。ローミングするユーザに対して、訪れるネットワークは、ホームネットワークへ証明書をルーティングして、ホームネットワークのユーザを認証する。
【0046】
一部の実施形態では、シングルモード(つまりWi−Fi)デバイスが、標準化されたローミング契約に基づいて異なるWi−Fiサービスプロバイダが運営するWi−Fiネットワーク間でシームレスにローミングすることができてよい。デュアルモードデバイスは、Wi−Fiサービスプロバイダが運営するWi−Fiネットワーク間でローミングすることができ、且つ、異なるセルラーネットワークサービスプロバイダが運営するセルラーネットワーク間でローミングすることができてよい。一部の実施形態では、加入データオブジェクト241が、各ローミングパートナーに関連する優先レベルでサービスプロバイダFQDNのリストを特定してもよい。
【0047】
一部の実施形態では、モバイルデバイス200は、現在接続されているWi−FiネットワークのWi−Fiホットスポット104から、セルラーネットワークに対して予めプロビジョンされている認証情報を利用して、セルラーネットワークの基地局106へとローミングするよう設定されていてよい。これら実施形態では、現在接続されているWi−Fiネットワークは、モバイルデバイス200に音声およびデータサービス両方を提供していてよく、音声およびデータサービス両方が、現在接続されているWi−Fiネットワークからセルラーネットワークに転送されてよい。これら実施形態では、モバイルデバイス200は、以下に述べるようにX.509ベースの認証情報を利用することができるが、これは要件ではない。従って、予めプロビジョンされた認証情報を有するモバイルデバイス200は、Wi−Fiネットワークとセルラーネットワークとの間を、ユーザの手を煩わせることなくシームレスにローミングすることができる。
【0048】
図4は、一部の実施形態における自動接続およびトラフィックオフロードのための手順を示すフローチャートである。手順400は、モバイルデバイス102等のモバイルデバイスにより実行されてよい(図1)。
【0049】
処理402で、モバイルデバイス102に電源投入され、低電力、アイドル状態、またはスリープモードから起動されてよい。
【0050】
処理404で、モバイルデバイスは、自身の現在位置を判断する。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、ユーザの介入なしに、ジオロケーション(例えばGPS)に基づいて現在位置、セルラー識別子(基地局106から受信する)、または、WLAN識別子(Wi−FiホットスポットまたはWi−Fiアクセスポイントから受信する)を決定することができる。
【0051】
処理406で、モバイルデバイス102は、モバイルデバイス102の現在位置にあるWi−Fiホットスポット104に関連する任意の好適なWi−Fiネットワークを特定することができる。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、ユーザの介入なしに、現在の位置で加入データオブジェクト240から入手可能な1以上の好適なWi−Fiネットワークのリストを取得する。これら実施形態では、モバイルデバイス102は、モバイルデバイス102が訪れた様々な地理的位置で利用可能な好適なWi−Fiネットワークのリストを生成することができる。このようにして、利用可能なWi−Fiネットワークのスキャン量を低減させて、電力消費を低下させることができる。
【0052】
処理408で、モバイルデバイス102は、リストの現在位置に関連付けられている好適なWi−Fiホットスポットがあるかを判断することができる。リストに好適なWi−Fiホットスポットがある場合、処理414を実行することができる。リストに好適なホットスポットがない場合には、処理410を実行することができる。
【0053】
処理410で、モバイルデバイス102は、前に現在位置に来たことがあるかを判断することができる。これらの実施形態では、モバイルデバイス102が、モバイルデバイス102が訪れた地理的位置のリストを、現在位置に最後に訪れたときを示す日時スタンプとともに維持するように設定されている。処理412は、モバイルデバイス102が現在位置に前に来たことがある場合に実行されてよい。処理414は、現在位置に前に来たことがない場合に実行されてよい。
【0054】
処理410の一部で、モバイルデバイスが現在位置に前に来たことがある場合に、モバイルデバイスは、Wi−Fiネットワーク更新があるかを検知するよう設定されていてよい(つまり、好適なリストが空となってから)。これら実施形態では、モバイルデバイスは、現在位置に関する日時スタンプに基づいて、所定の期間が経った後で、Wi−Fiネットワーク更新を検知するよう設定されていてよい。所定の期間およびWi−Fiネットワーク更新を検知するかどうかの選択は、これら処理を自動実施するよう、ユーザにより設定されてよい。所定の期間が経った場合、モバイルデバイスは、現在位置でスキャンして、現在位置で利用可能な好適なWi−Fiネットワークのリストを更新するために利用可能なWi−Fiネットワークが存在するかを判断することができるように設定されていてよい。利用可能なWi−Fiネットワークがある場合には、処理416に直接進むことができる。利用可能なWi−Fiネットワーク更新がない場合には、処理412に直接進むことができる。
【0055】
処理412で、モバイルデバイス102は、スリープ状態に入る、または、アイドルもしくは低電力状態に入るよう設定されていてよい。この状況では、モバイルデバイスは、現在位置に来たことがあるが、この位置で好適なホットスポットが無かったので、モバイルデバイス102は、どのホットスポットにも自動接続の試みを行わない。
【0056】
処理414で、モバイルデバイス102は、利用可能なWi−Fiネットワークをスキャンすることができる。
【0057】
処理416で、モバイルデバイスは、自動接続用に予めプロビジョンされたものかを判断することができる(つまり、加入データオブジェクト240に加入情報241があるかを判断する)。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、認証情報がWi−Fiホットスポット接続用に予めプロビジョンされているかを判断することができる。
【0058】
モバイルデバイス102が、自動接続用に予めプロビジョンされていないと判断されると、モバイルデバイス102は、処理422、424、および426の加入プロビジョンプロセスを実行して、予めプロビジョンされた加入情報を生成して、加入データオブジェクト240に格納するよう設定されていてよい。このようにして、オンラインプロビジョンを実行することができる。これら実施形態では、ユーザは加入プロビジョンプロセスを実行するという選択をすることができる。
【0059】
加入情報241は、オープンモバイルアライアンス(OMA)デバイス管理(DM)(OMA−DM)技術またはシンプルオブジェクトアクセスプロトコル(SOAP)拡張可能マークアップ言語(XML)(SOAP−XML)技術のいずれかに従って、加入情報241をダウンロードすることで、モバイルデバイス102に格納されてよい。
【0060】
一部の実施形態では、加入プロビジョンプロセスには、サインアップサーバに接続すること(処理422)、および、Wi−Fiネットワークサービスプロバイダとの間で加入契約するべくサインアップすること(処理424)が含まれ、このときに認証情報がプロビジョンされてよい。これら実施形態では、ユーザは、まず、ホームサービスプロバイダを選択して、例えばコスト、アクセス制約、データ要件にとりわけ基づいて、サービスプランを選択してよい。従ってユーザは、Wi−Fiサービスを受けるために、セキュアにオンラインサインアップを行うことができる。認証情報およびサービスプロバイダポリシーは、モバイルデバイス102上にプロビジョンされる。デバイス管理メカニズム(OMA−DM等)によって、無線で証明書およびその他のユーザ認証情報のプロビジョンが可能になる。HTTPSベースのトランスポートを利用するSOAP−XMLに基づく、セキュアなサインアップメカニズムによって、ユーザは、自身の情報を提供して、認証情報をセキュアにダウンロードする前に、オンラインサーバの正当性を検証することができるようになる。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、サービスプロバイダからルートサーバを認証するために、このプロセスの開始前に公開証明書をプロビジョンする必要がある場合もある。
【0061】
処理418で、モバイルデバイスは、利用可能なWi−Fiネットワークの1以上のいずれかについて、自身が加入データオブジェクト240に加入情報241を有しているかを判断したり、利用可能なWi−Fiネットワークのいずれかがローミングパートナーリスト252にあるかを判断したりすることができる(図2B)。モバイルデバイス102が、処理418で、利用可能なWi―Fiネットワークのいずれかについて予めプロビジョンされたものではないと判断すると、モバイルデバイス102は、処理422、424.および426の加入プロビジョンプロセスを実行するよう設定されていてよい。
【0062】
処理420で、モバイルデバイスが、利用可能なWi−Fiネットワークの2以上に対する接続のための予めプロビジョンされている場合、モバイルデバイス120は、加入データオブジェクト240の優先度情報に基づいて、利用可能なWi−Fiネットワークのうち好適なもの(例えば優先度が最高のもの)を選択することができる。
【0063】
処理428で、モバイルデバイス102は、ユーザの介入なく、予めプロビジョンされた認証情報246を利用して、利用可能なWi−Fiネットワークのうち選択されたものに対して、EAPベースの認証を自動実行することができる。
【0064】
処理430で、Wi−FiホットスポットにWi−Fi接続103(図1)が構築されてよい。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は、自身がデュアルモードデバイスであるかをチェックしてよい。デュアルモードモバイルデバイスである場合には、処理432を実行することができる。
【0065】
モバイルデバイス102がデュアルモードモバイルデバイスである場合、処理430でWi−Fiネットワークへの接続を行ってから、処理432でセルラーネットワークからWi−Fiネットワークへトラフィックをオフロードしてよい。一部の実施形態では、トラフィックオフロードは、セルラーネットワークが構築するロード均衡その他の基準に基づいて行われてよく、モバイルデバイス102で予め設定されるネットワークサービスプロバイダポリシーにより開始されてよい。またオフロードは、ユーザにより、一部のWi−Fiネットワーク上で利用可能な、より良いサービス、QoS、または特定のサービスといったユーザの嗜好に基づいて開始されてもよい。オフロードについてのユーザの嗜好は、デバイスのユーザプロファイルに格納することができる。例えば、モバイルデバイスのユーザは、デバイスを、より高い帯域幅処理のためのトラフィックオフロード(例えば情報のダウンロードまたはアップロード、ビデオストリーミング等)専用にして、デバイスが、SMS(テキスト等のショートメッセージサービス)および音声通信等の、より低い帯域幅処理のためのトラフィックオフロードを行わないように設定することができる。
【0066】
モバイルデバイス200は幾つかの別個の機能エレメントを有するように示されているが(図2A、図2B)、機能エレメントの1以上は、組み合わせることもでき、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または、他のハードウェアエレメントを含む処理エレメント等のソフトウェア設定エレメントの組み合わせで実装することもできる。例えば、一部のエレメントが、1以上のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、および、ここに記載する機能を少なくとも実行するための様々なハードウェアおよび論理回路の組み合わせを含んでよい。一部の実施形態では、モバイルデバイス200の機能エレメントが、1以上の処理エレメント上で動作する1以上の処理のことを示していてよい。
【0067】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのうち1つ、またはこれらの組み合わせで実装されてよい。実施形態はさらに、少なくとも1つのプロセッサにより読み出され実行することのできる、コンピュータ可読格納デバイス上に格納される命令として実装されてもよい。コンピュータ可読格納デバイスは、機械(例えばコンピュータ)が読める形態の情報を格納する任意の持続性のメカニズムを含んでよい。例えば、コンピュータ可読格納デバイスは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリデバイス、その他の格納デバイスおよび媒体を含んでよい。一部の実施形態では、モバイルデバイス200は、1以上のプロセッサを含んでよく、コンピュータ可読格納媒体上に格納された命令で設定されてよい。
【0068】
要約は、技術的な開示の本質および真髄を読み手に知らせるものとして要約を規定している米国特許法施行規則(37CFR)1.72(b)に則って提供されている。要約は、請求項の範囲または意味を限定したり解釈したりするために利用されることを意図としていない。以下の請求項は、詳細な記載に組み込まれており、各請求項は、それ自身が別個の実施形態である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Wi−Fiホットスポットに自動接続する方法であって、
モバイルデバイスの加入データオブジェクトに、Wi−Fiネットワークを運営する1以上のサービスプロバイダ(SP)のための、ホームサービスプロバイダ情報、ポリシー情報、および、予めプロビジョンされた認証情報を含む加入情報を格納する段階と、
ユーザの介入なしに、前記加入情報が、利用可能なWi−Fiネットワークに適用可能かを判断する段階と、
前記加入情報が、利用可能なWi―Fiネットワークに適用可能な場合に、ユーザの介入なしに、前記予めプロビジョンされた認証情報を利用して、前記利用可能なWi−Fiネットワークとの間で、拡張可能認証プロトコル(EAP)ベースの認証を行い、前記利用可能なWi−FiネットワークとWi−Fi接続を構築する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記ホームサービスプロバイダ情報は、前記モバイルデバイスが加入契約を結んでいるサービスプロバイダであるホームサービスプロバイダを識別し、
前記判断する手段は、
前記ホームサービスプロバイダ情報と前記ポリシー情報とに基づいて、前記モバイルデバイスが、利用可能なWi−Fiネットワークのサービスプロバイダと加入契約を結んでいるかを判断する段階、または、
前記ホームサービスプロバイダが、前記利用可能なWi−Fiネットワークとローミング契約を結んでいるかを判断する段階
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホームサービスプロバイダ情報は、前記ホームサービスプロバイダのフレンドリーネーム、完全に記述したドメイン名(FQDN)、および、サービスプロバイダネットワークアクセス識別子(NAI)領域を識別する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記Wi−Fiホットスポットは、Hotspot2.0仕様に準拠して動作するWi−Fi Hotspot2.0であり、
前記モバイルデバイスは、Hotspot2.0に準拠したデバイスであり、
前記加入情報は、前記Hotspot2.0に自動接続するために予めプロビジョンされた加入情報を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリシー情報は、前記ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいるホットスポットサービスプロバイダを示すローミングパートナーリストを含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記加入データオブジェクトは、前記ローミングパートナーリストの各ホットスポットサービスプロバイダについての、完全に記述したドメイン名(FQDN)および優先度情報を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリシー情報はさらに、前記ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいないホットスポットサービスプロバイダを示すサービスプロバイダブラックリストを含み、
前記モバイルデバイスは、前記サービスプロバイダブラックリストで識別されるホットスポットサービスプロバイダとはWi−Fi接続を構築しないよう設定されており、
前記サービスプロバイダブラックリストは、ブラックリストに載っている各ホットスポットサービスプロバイダの前記FQDNを識別する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ホームサービスプロバイダまたは前記ローミングパートナーリストに載っているホットスポットサービスプロバイダが運営する別のWi−Fiネットワークのホットスポットに、現在接続しているWi−Fiネットワークからローミングする段階と、
前記サービスプロバイダブラックリストに載っているサービスプロバイダが運営するホットスポットにローミングしないようにする段階と
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項9】
セルラーネットワークについて予めプロビジョンされた認証情報を利用して、前記セルラーネットワークの基地局へ、現在接続されているWi−Fiネットワークからローミングする段階をさらに備える請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記予めプロビジョンされている認証情報は、統一認証情報であり、EAP−TLS(トランスポート層セキュリティ)認証のデジタル証明書を含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイルデバイスは、Wi−Fiネットワークケイパビリティは有するがセルラーネットワークケイパビリティは有さないシングルモードデバイスであり、
前記デジタル証明書は、公開/秘密鍵対に基づくX.509設定された証明書である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記モバイルデバイスは、Wi−Fiネットワークケイパビリティおよびセルラーネットワークケイパビリティを両方有するデュアルモードデバイスであり、
前記予めプロビジョンされた認証情報は、EAP−AKA(認証および鍵共有)または
EAP−SIM(加入者識別モジュール)認証のいずれかの加入者識別モジュール(SIM)を含む請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記予めプロビジョンされた認証情報は、サーバ側の証明書とともに利用される、EAP−トンネルトランスポート層セキュリティ(EAP−TTLS)またはセキュアなトンネル(EAP−FAST)認証によるEAP−フレキシブル認証で利用するための、ユーザ名およびパスワードを含む請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記モバイルデバイスの現在位置で利用可能なWi−Fiネットワークを発見して選択する段階と、
前記加入情報に基づいて、前記利用可能なWi−Fiネットワークのうちのいずれか1以上に対する自動接続に前記モバイルデバイスが予めプロビジョンされているかを判断する段階と、
前記モバイルデバイスが、前記利用可能なWi−Fiネットワークのうちのいずれか2以上に対する接続のために予めプロビジョンされている場合、前記加入データオブジェクトの優先度情報に基づいて、前記利用可能なWi−Fiネットワークから好適なものを選択する段階と
をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記モバイルデバイスが、前記利用可能なWi−Fiネットワークのいずれにも予めプロビジョンされていない場合に、
予めプロビジョンされている加入情報を生成する加入プロビジョンプロセスを実行する段階と、
前記加入データオブジェクト内に前記予めプロビジョンされている加入情報を格納する段階と
を備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
オープンモバイルアライアンス(OMA)デバイス管理(DM)(OMA−DM)技術またはシンプルオブジェクトアクセスプロトコル(SOAP)拡張可能マークアップ言語(XML)(SOAP−XML)技術のいずれかに従って前記加入情報をダウンロードすることで、前記加入情報が前記モバイルデバイスに格納される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記加入プロビジョンプロセスを実行する段階は、
Wi―Fiネットワークサービスプロバイダとの間で加入契約をするために、サインアップサーバに接続してサインアップする段階を有する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記現在位置で利用可能なWi−Fiネットワークを識別する段階は、
前記モバイルデバイスの前記現在位置を、ジオロケーション、セルラー識別子、またはWLAN識別子に基づいて決定する段階と、
ユーザの介入なしに、前記加入データオブジェクトから前記現在位置で利用可能な1以上の好適なWi−Fiネットワークのリストを取得する段階と、
ユーザの介入なしに、前記Wi−Fi接続を構築するために前記利用可能なWi−Fiネットワークから選択された1つで、前記予めプロビジョンされた認証情報を利用して前記EAPベースの認証を自動実行する段階と
を有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリシー情報はさらに、前記加入情報のいずれかが有効である位置、日付および時間の1以上を示すポリシーパラメータをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記モバイルデバイスは、Wi−Fiネットワークおよびセルラーネットワークと通信するデュアルモードモバイルデバイスであり、
前記方法はさらに、
前記Wi−Fiネットワークへの前記接続が構築された後で、セルラーネットワークから前記Wi−Fiネットワークへトラフィックをオフロードする段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項21】
Wi―Fiホットスポット自動接続のために設定されるモバイルデバイスであって、
加入データオブジェクトに、Wi−Fiネットワークを運営する1以上のサービスプロバイダ(SP)のための、ホームサービスプロバイダ情報、ポリシー情報、および、予めプロビジョンされた認証情報を含む加入情報を格納するメモリと、
ユーザの介入なしに、前記加入情報が、利用可能なWi−Fiネットワークに適用可能かを判断する処理回路と
を備え、
前記加入情報が、利用可能なWi−Fiネットワークに適用可能な場合に、前記処理回路は、ユーザの介入なしに、前記予めプロビジョンされた認証情報を利用して、前記利用可能なWi−Fiネットワークとの間で、拡張可能認証プロトコル(EAP)ベースの認証を行い、前記利用可能なWi−FiネットワークとWi−Fi接続を構築するモバイルデバイス。
【請求項22】
前記ホームサービスプロバイダ情報は、前記モバイルデバイスが加入契約を結んでいるサービスプロバイダであるホームサービスプロバイダを識別し、
前記処理回路は、前記ホームサービスプロバイダ情報と前記ポリシー情報とに基づいて、前記モバイルデバイスが、利用可能なWi−Fiネットワークのサービスプロバイダと加入契約を結んでいるかを判断し、または、前記ホームサービスプロバイダが、前記利用可能なWi−Fiネットワークとローミング契約を結んでいるかを判断し、
前記ホームサービスプロバイダ情報は、前記ホームサービスプロバイダのフレンドリーネーム、完全に記述したドメイン名(FQDN)、および、サービスプロバイダネットワークアクセス識別子(NAI)領域を識別し、
前記ポリシー情報は、前記ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいるホットスポットサービスプロバイダを示すローミングパートナーリストを含む請求項21に記載のモバイルデバイス。
【請求項23】
前記モバイルデバイスはさらに、
前記モバイルデバイスの現在位置で利用可能なWi−Fiネットワークを発見して選択して、
前記加入情報に基づいて、前記利用可能なWi−Fiネットワークのうちいずれか1以上に対する自動接続に前記モバイルデバイスが予めプロビジョンされているかを判断する段階と、
前記モバイルデバイスが、前記利用可能なWi−Fiネットワークのうちのいずれか2以上に対する接続のために予めプロビジョンされている場合、前記加入データオブジェクトの優先度情報に基づいて、前記利用可能なWi−Fiネットワークから好適なものを選択する請求項22に記載のモバイルデバイス。
【請求項24】
前記モバイルデバイスは、Wi−Fiネットワークおよびセルラーネットワークと通信するデュアルモードモバイルデバイスであり、
前記モバイルデバイスは、前記Wi−Fiネットワークへの前記接続が構築された後で、セルラーネットワークから前記Wi−Fiネットワークへトラフィックをオフロードする請求項23に記載のモバイルデバイス。
【請求項25】
Wi―Fiホットスポットに自動接続するための方法であって、
Wi―Fiネットワークを運営する1以上のサービスプロバイダ(SP)のための、ホームサービスプロバイダ情報と、ポリシー情報と、予めプロビジョンされた認証情報とを含む加入情報を、モバイルデバイスに予めプロビジョンする段階と、
ユーザの介入なしに、前記加入情報が、利用可能なWi−Fiネットワークに適用可能かを判断するよう前記モバイルデバイスを設定する段階と、
利用可能なWi−Fiネットワークに前記加入情報が適用可能な場合に、ユーザの介入なしに、前記予めプロビジョンされた認証情報を利用して前記利用可能なWi−Fiネットワークとの間で、拡張可能認証プロトコル(EAP)ベースの認証を行い、前記利用可能なWi−FiネットワークとWi−Fi接続を構築するよう前記モバイルデバイスを設定する段階と
を備える方法。
【請求項26】
前記ホームサービスプロバイダ情報は、前記ホームサービスプロバイダのフレンドリーネーム、完全に記述したドメイン名(FQDN)、および、サービスプロバイダネットワークアクセス識別子(NAI)領域を識別して、
前記ポリシー情報は、前記ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいるホットスポットサービスプロバイダを示すローミングパートナーリストを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記加入データオブジェクトは、前記ローミングパートナーリストの各ホットスポットサービスプロバイダについての、完全に記述したドメイン名(FQDN)および優先度情報を含み、
前記ポリシー情報はさらに、前記ホームサービスプロバイダがローミング契約を結んでいないホットスポットサービスプロバイダを示すサービスプロバイダブラックリストを含み、
前記モバイルデバイスは、前記サービスプロバイダブラックリストで識別されるホットスポットサービスプロバイダとはWi−Fi接続を構築しないよう設定されており、
前記サービスプロバイダブラックリストは、ブラックリストに載っている各ホットスポットサービスプロバイダの前記FQDNを識別する請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17164(P2013−17164A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−128614(P2012−128614)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】