説明

ネットワーク間相互接続方法、通信システム、および中継呼制御装置

【課題】IPベースのネットワークによる良好にネットワーク間相互接続を実現する技術を提供する。
【解決手段】中継装置は、他ネットワークとの接続ポイントのゲートウェイとして利用可能な中継装置である。中継呼制御装置は、他ネットワークとの間にセッションを確立するとき、他ネットワークとの接続ポイントに対して定められた、接続ポイントに許容されるセッション数および帯域を含む接続規定が満たされるか否か判定し、接続規定が満たされる場合に、接続ポイントのゲートウェイとして、セッションを確立するのに用いる転送手段を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代ネットワークと他のネットワークを相互接続するためのネットワーク間相互接続技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代ネットワーク(以下、NGN:Next Generation Networkと称する)の議論が盛んになってきている。NGNは、IPをベースとしたネットワークであり、電話サービスや、固定通信と移動通信を融合したFMC(Fixed Mobile Convergence)、更には、今後開発される新しい通信サービスを提供するための基盤ネットワークである。
【0003】
このNGNは、パケットを転送するトランスポートストラタム(層)と、セッションの確立や切断を含むサービスの制御を行うサービスストラタム(層)との2つのストラタム(層)を有している。セッションの確立や切断を含むサービスの制御には、セッション開始プロトコル(以下、SIP:Session Initiation Protocolと称する)が用いられる。SIPの詳細については、例えば非特許文献1に説明されている。
【0004】
NGNを技術面から見ると、その特徴は、高品質、安全性、高信頼およびオープン性を確保できることにある。オープン性には2つの意味がある。1つは、NGNと、NGNが有する多くの通信機能を活用しようとするユーザおよびサービス提供者との間のオープン性である。もう1つは、NGNと、同様な通信サービスを提供しようとする他事業者のネットワークとの間のオープン性である。
【0005】
これらの中でNGNと他事業者のネットワークとの間のオープン性を考えたとき、ベストエフォート型で生じるような音声通信における遅延が発生しないような、サービス品質に関する配慮が重要になる(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
一般的なネットワーク間を相互接続する技術の第1の例として、例えば事業者ネットワーク同士の接続ポイントとしてPOI(Point of Interface)を規定し、そのPOIに対して接続規定を定め、その接続規定に基づいて、呼の接続に関する管理を行うものがある。接続規定では、例えば、回線数、回線の設定・切断等に関わる信号方式などが定められる。これにより、アナログ回線あるいはデジタル回線による事業者のネットワーク間で相互接続を行うことが可能になる。
【0007】
回線交換をベースとしたネットワークに他のネットワークを接続する場合、POIにおける呼接続等について回線を単位とした管理が行われていた。例えば、ゲートウェイ装置に備えられたトランクに空きがあるか否かにより、新たな回線の接続が可能か否かを判断していた。
【0008】
ネットワーク間を相互接続する技術の第2の例としては、通信システムの中に規定したPOIを介して、公衆電話網あるいは移動通信網とサーバとを接続するものがある。これにより、公衆電話網あるいは移動通信網と、IPをベースとしたネットワークのサーバとを接続することが可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
IPをベースとしたネットワークでは呼が統計的に多重されるため、ネットワーク同士の接続では、セッションやそのセッションに割り当てられる帯域を管理するというような、セッションに対する管理が要求される。従来は、POIにおけるセッション数に上限を設けるというようなセッション数による管理や、単位時間当たりの呼数である呼密度による管理が行われていた。
【特許文献1】特開2000−022814号公報
【非特許文献1】RFC3261「Session Initiation Protocol」
【非特許文献2】江崎修司、黒川章、松本公秀著、「次世代ネットワークの概要」、NTT技術ジャーナル 2007.4、p.32−37
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
IPをベースとしたネットワークによるネットワーク間相互接続においては、セッション数や呼密度による管理では、各サービスの帯域の総和がPOIにて許容される帯域を超えてしまう可能性があった。帯域の総和が想定を超えて大きくなってしまうと、各サービスに対して十分な帯域を確保することが困難となるという不都合があった。
【0011】
本発明の目的は、IPベースのネットワークによる良好にネットワーク間相互接続を実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のネットワーク間相互接続方法は、インターネットプロコトルを用いた第1のネットワークにおいて、第2のネットワークとの接続を行うためのネットワーク間相互接続方法であって、
前記第2のネットワークとの間にセッションを確立するとき、該第2のネットワークとの接続ポイントに対して定められた、前記接続ポイントに許容されるセッション数および帯域を含む接続規定が満たされるか否か判定し、
前記接続規定が満たされる場合に、前記接続ポイントのゲートウェイとして、前記セッションを確立するのに用いる転送手段を決定するという方法である。
【0013】
上記のネットワーク間相互接続方法で、前記接続ポイントにおいて、実際に確立されるセッション数が、前記接続ポイントに許容されるセッション数以内であるか否か判定し、
前記実際に確立されるセッション数が、前記接続ポイントに許容されるセッション数以内であれば、実際に使用される帯域が、前記接続ポイントに許容される帯域以内であるか否か判定し、
前記実際に使用される帯域が、前記接続ポイントに許容される帯域以内であれば、前記接続規定が満たされると判断する、ことにしてもよい。
【0014】
また、前記転送手段として、前記接続ポイントのゲートウェイとして利用可能な複数の中継ルータがあり、
前記中継ルータの負荷状態に基づいて、前記セッションを確立するのに用いる中継ルータを選択することにしてもよい。
【0015】
また、前記中継ルータを経由するストリーム数によって該中継ルータの前記負荷状態を判断することにしてもよい。
【0016】
また、経由するストリーム数が最も少ない中継ルータを選択し、経由するストリーム数が最も少ない中継ルータが複数であれば、その中から帯域の使用率が最も低い中継ルータを選択し、選択した中継ルータを前記セッションに使用することにしてもよい。
【0017】
また、複数の前記接続ポイントに対して複数の前記中継ルータが割り当てられ、前記複数の中継ルータのいずれもが、前記複数の接続ポイントのいずれのゲートウェイとしても利用可能であるとしてもよい。
【0018】
また、前記接続規定において、出と入りについて別個に前記セッション数を管理し、上りと下りについて別個に前記帯域を管理することにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、セッションを確立する際、セッションを確立した場合に接続規定のセッション数および帯域が満たされるか否か判定するので、各サービスの帯域の総和が想定を超えて大きくなるということがなく、良好なネットワーク間相互接続を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態による通信システムは、NGNに他の事業者のネットワークを接続するためのシステムである。通信システムには、NGNと他ネットワークとのPOI(接続ポイント)のゲートウェイとして利用可能な複数の中継ルータと、複数の中継ルータの中から、新たに確立されるセッションに用いる中継ルータを選択する中継呼制御装置とを有している。
【0021】
中継呼制御装置は、セッション確立要求信号を受信して他ネットワークを経由するセッションを確立するとき、まずCプレーンにおいて、他ネットワークとのPOIに対して定められた接続規定が満たされるか否か判定し、接続規定が満たされる場合に、各中継ルータの負荷状態に基づいて、Uプレーンにおいてセッションを確立するのに用いる中継ルータを選択する。
【0022】
なお、ここで言うCプレーンとは、NGNにおいて呼の確立や切断等に関する制御情報を転送する機能のことである。Uプレーンとは、NGNにおいてユーザが相手と本来やり取りしたい主情報を転送する機能のことである。
【0023】
各POIの接続規定は、そのPOIに許容されるセッション数と、そのPOIに許容される帯域とであり、中継呼制御装置は、そのセッション数と帯域の両方が満たされるか否か判定する。
【0024】
その際、中継呼制御装置は、まず、POI単位で、新たなセッションを確立した場合の確立セッション数が、POIに許容されるセッション数以内であるか否か判定する。確立セッション数が、POIに許容されるセッション数以内であれば、次に、中継呼制御装置は、新たなセッションを確立した場合の使用帯域が、POIに許容される帯域以内であるか否か判定する。使用帯域が、POIに許容される帯域以内であれば、中継呼制御装置は、接続規定が満たされると判断する。
【0025】
なお、上述の説明において、複数のPOIに対して複数の中継ルータが割り当てられ、複数の中継ルータのいずれもが、複数のPOIのいずれのゲートウェイとしても利用可能であってもよい。つまり、POIと中継ルータとをM:Nで対応付けることが可能であってもよい。
【0026】
また、中継呼制御装置は、中継ルータを経由するストリーム数によって、その中継ルータの負荷状態を判断する。例えば、中継呼制御装置は、経由するストリーム数が最も少ない中継ルータを選択し、経由するストリーム数が最も少ない中継ルータが複数であれば、その中から帯域の使用率が最も低い中継ルータを選択する。そして、中継呼制御装置は、選択した中継ルータを使用してセッションを確立させる。
【0027】
また、接続規定においては、出と入りについて別個にセッション数を管理し、上りと下りについて別個に帯域を管理することにしてもよい。
【0028】
例えば、出セッション数が、事業者間で取り決めた接続規定の最大の出セッション数を超えないように管理し、入りセッション数が、事業者間で取り決めた接続規定の最大の入りセッション数を超えないように管理すればよい。
【0029】
また、例えば、上り帯域および上りの転送品質クラス毎の帯域が、事業者間で取り決めた接続規定の上限の上り帯域および上りの転送品質クラス毎の帯域を超えないように管理すればよい。そして、下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域が接続規定の上限の下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域を超えないように管理すればよい。
【0030】
なお、ここでいう転送品質クラスは、最優先クラス、高優先クラス、優先クラスというように、セッションに定められた優先度を示すクラスである。転送品質クラスはネットワーク内でのパケット転送等に用いられる。
【0031】
上述の例は、転送品質クラス別に下り帯域と上り帯域を管理するものである。その際、各転送品質クラスの帯域を、全体の帯域における割合で管理することにしてもよい。例えば、下り帯域(下りの全体の帯域)に対する各転送品質クラスの下りの帯域の割合で管理すればよい。
【0032】
以上、本実施形態によれば、セッションを確立する際、POI単位で、POIにセッションを確立した場合に接続規定のセッション数および帯域が満たされるか否か判定するので、各サービスの帯域の総和が想定を超えて大きくなるということがなく、IPベースのネットワークによる良好なネットワーク間相互接続を実現することが可能となる。
【0033】
一般にIPベースのネットワークに他のネットワークを接続する場合には呼が統計的に多重されるので、セッション数や帯域の上限のようなPOIの接続規定の取り決めが、中継ルータの構成によって制限されるのではなく、中継ルータによる制限に依存せずに任意に定められることが好ましい。この点、本実施形態では、セッションを確立するのに用いる中継ルータを複数の中継ルータの中から選択する構成なので、中継ルータの構成によって接続規定が制限されることが緩和されるとともに、事業者間の接続規定の変更あるいは中継ルータの設置数の変更に対する柔軟性が高まる。
【0034】
また、複数の中継ルータの中から使用する中継ルータを選択する構成なので、1つの中継ルータの障害によってPOIに及ぼされる影響が小さくなり、ネットワーク間相互接続の信頼性が向上する。
【0035】
また、セッションを確立するのに用いる中継ルータを各中継ルータの負荷状態に基づいて選択するので、中継ルータを効率よく使用することができる。
【0036】
また、NGNのような大規模ネットワークと他の事業者のネットワークの相互接続では、様々な種類のトラフィックがPOI上を流れることになる。トラフィックの種類として、例えば、音声通話、テレビ電話、IPTV、VoD(ビデオオンデマンド)などがある。その中には上り方向と下り方向とでトラフィック量が大きく異なるサービスがある。例えば、VoDサービスでは、クライアントからサーバへの方向のトラフィックは主に制御信号であり、トラフィック量は比較的少ない。一方、サーバからクライアントへの方向のトラフィックは主にメディアデータなので、トラフィック量は極端に多い。この点、本実施形態では、出と入りについて別個にセッション数を管理し、上りと下りについて別個に帯域を管理するので、様々なトラフィックの呼を効率よくPOIに収容することができる。
【0037】
以下、より具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
本実施例では、ネットワーク間のセッション数に関する接続規定として、出セッション数あるいは入りセッション数が用いられる。さらに、帯域に関する接続規定として、上りの帯域および上りの転送品質クラス毎の帯域、あるいは下りの帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域が用いられる。また、本実施例では、中継ルータの負荷状態として、各中継ルータのストリーム数および帯域使用率が用いられる。
【0039】
ここでいう「出」はNGNから他事業者ネットワークに向けて呼を確立する場合をいう。「入り」は他事業者のネットワークからNGNに向けて呼を確立する場合をいう。また、「上り」とはメディアのフローが他事業者のネットワークからNGNに向かう方向を言う。「下り」とはメディアのフローがNGNから他事業者ネットワークに向かう方向をいう。
【0040】
<システムの構成>
図1は、本実施例によるシステムの構成例を示す接続図である。同図を参照すると、本システムは、コアネットワーク1と、加入者収容ルータ11と、中継ルータA12aと、中継ルータB12bと、中継ルータC12cと、加入者呼制御装置2と、本発明の特徴である中継呼制御装置3と、端末装置6と、事業者ネットワークA7aと、事業者ネットワークB7bと、を有して構成されている。なお、以下、どの中継ルータであるかを特定しない場合は中継ルータ12と称することにする。また、どの事業者ネットワークであるかを特定しない場合は、事業者ネットワーク7と称することにする。
【0041】
加入者収容ルータ11、中継ルータ12、加入者呼制御装置2、および中継呼制御装置3はコアネットワーク1に接続されている。端末装置6は、加入者収容ルータ11に接続されている。事業者ネットワーク7は各POIを介して中継ルータ12に接続されている。
【0042】
コアネットワーク1は、IPをベースとしたネットワークであって、加入者収容ルータ11および中継ルータ12とともに、NGNのトランスポートストラタム(層)を構成する。
【0043】
加入者収容ルータ11は、端末装置6との間でパケットの送受信を行うルータである。
【0044】
中継ルータ12は、事業者ネットワーク7との間でパケットの送受信を行うルータである。
【0045】
加入者呼制御装置2は、加入者系のサービス制御機能を有するサーバであって、中継呼制御装置3とともにサービスストラタム(層)を構成する。
【0046】
中継呼制御装置3は、中継系の呼制御機能や事業者ネットワーク7との接続制御機能を含む中継系のサービス制御機能を有するサーバである。中継系のサービス制御機能には本発明の特徴が含まれる。中継呼制御装置3の構成および動作の詳細については後述する。
【0047】
端末装置6は、ユーザが操作する端末装置である。
【0048】
事業者ネットワーク7は、各事業者が管理運用するネットワークである。
【0049】
なお、図面の都合上、加入者収容ルータ11、端末装置6は1つずつを示しているが、更に多く存在していてもよい。また、各装置は独立して存在する必要はなく、例えば加入者収容ルータ11と加入者呼制御装置2とが一体化していてもよい。
【0050】
次に、上記に述べたシステムの機能について説明する。
【0051】
<システムの機能>
図1に示したカッコ書きの番号((1)〜(7))に従ってシステムの機能を説明する。
【0052】
(1) 端末装置6が、例えば、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示せず)と電話を行うために、SIP信号のセッション確立要求信号を送信すると、加入者呼制御装置2が、本セッション確立要求信号を受信し、中継呼制御装置3に転送する。
【0053】
(2) 中継呼制御装置3が、セッション確立要求信号を受信し、Cプレーンにおいて、POI単位に、出セッション数をチェックし、接続規定として定められた最大の出セッション数を超えるか否か判定する。出セッション数が最大の出セッション数を超えない場合は、中継呼制御装置3は、更に、下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域をチェックし、接続規定として定められた上限の下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域を超えるか否か判定する。下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域が上限の下り帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域を超えない場合、中継呼制御装置3は、Uプレーンにおいて帯域を確保する中継ルータ12を選択する。ここでは中継ルータB12bが選択されたとする。中継呼制御装置3は、選択した中継ルータB12bに、下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号を問い合わせ、その結果を取得する。
【0054】
(3) 続いて、中継呼制御装置3は、中継ルータB12bから取得したIPアドレスおよびポート番号を含むセッション確立要求信号を事業者ネットワークA7aに転送する。ここではセッション確立要求は、一例として中継ルータA12aを通るルートにより事業者ネットワークA7aに転送されている。
【0055】
(4) 続いて、事業者ネットワークA7aが、応答信号を中継ルータA12aに送信してくる。
【0056】
(5) 中継呼制御装置3は、本応答信号を受信し、応答信号に含まれている、事業者ネットワークA7aが上りの音声通信に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータB12bに通知する。
【0057】
(6) 中継呼制御装置3は、更に、加入者呼制御装置2に応答信号を転送する。加入者呼制御装置2は応答信号を受信し、端末装置6に転送する。
【0058】
(7) (1)〜(6)の一連の処理の結果として、端末装置6が事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示せず)と通話を行うことができるようになる。
【0059】
次に、上記に述べたシステムの機能を実現する本システムの構成装置のうち中継呼制御装置3について説明する。
【0060】
<中継呼制御装置の構成>
ここでは主に中継呼処理装置3の機能のうち本発明に関係する部分のみを説明する。図2は、中継呼処理装置3の構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、中継呼制御装置3は、セッション制御部4と、リソース管理部5とを有して構成されている。
【0061】
セッション制御部4は、SIP信号制御部41と、セッション管理制御部42と、事業者別管理データ蓄積部43とを有して構成されている。
【0062】
SIP信号制御部41は、SIPのプロトコル処理を行う機能を有しており、SIP信号のセッション確立要求信号や応答信号を受信し、セッション管理制御部42と連携してこれらの信号を処理し、更にセッション確立要求信号や応答信号を転送する。
【0063】
事業者別管理データ蓄積部43は、事業者A管理データ431と、事業者B管理データ432とを格納している。事業者A管理データ431には、セッションデータ4311が含まれている。セッションデータ4311には、事業者ネットワークA7aのPOI単位の、事業者間で取り決めた接続規定である最大の出セッション数および最大の入りセッション数と、現在の出セッション数および入りセッション数とが蓄積される。
【0064】
事業者B管理データ432は、図示を省略しているが、セッションデータ4311と同様のセッションデータを含んでいる。そのセッションデータには、事業者ネットワークB7bのPOI単位の、事業者間で取り決めた接続規定である最大の出セッション数および最大の入りセッション数と、現在の出セッション数および入りセッション数とが蓄積される。
【0065】
セッション管理制御部42は、SIP信号制御部41から、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示せず)と電話を行うセッション確立要求信号を受信したことが伝えられた場合は、事業者A管理データ431のセッションデータ4311にアクセスし、セッション数に関する接続規定が満たされるか否か判定する。
【0066】
具体的には、セッション管理制御部42は、まず、セッションデータ4311が蓄積する事業者ネットワークA7aのPOI単位の最大の出セッション数、および現在の出セッション数を検索し、セッションを確立してもセッション数が最大の出セッション数を超えるか否か判定する。なお、優先的に留保されるセッションがある場合は、最大の出セッション数からその分を差し引いた判定を行う。
【0067】
セッションを確立した場合にセッション数が最大の出セッション数を超えないのであれば、セッション管理制御部42は、リソース管理制御部51に事業者ネットワークA7aのPOI単位の帯域(転送品質クラス毎の帯域を含む)をチェックするよう伝える。なお、最大の出セッション数を超える場合、セッション管理制御部42はSIP信号制御部41にエラーを返す。
【0068】
また、セッション管理制御部42は、リソース管理制御部51から、帯域に関するチェックの結果として、上限の帯域を超えないという結果が伝えられると、セッションデータ4311をセッションが確立された状態に更新する。
【0069】
また、セッション管理制御部42は、SIP信号制御部41から、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示せず)からの応答信号を受信したことが伝えられた場合は、応答信号に含まれている事業者ネットワークA7aの音声通信に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域をリソース管理制御部51に伝える。
【0070】
上記のようなセッション制御部4の機能により、事業者ネットワーク7毎のPOI単位のセッション数を管理できるようになる。
【0071】
リソース管理部5は、リソース管理制御部51と、事業者別管理データ蓄積部52と、中継ルータ別管理データ蓄積部53と、中継ルータ制御部54とを有して構成されている。
【0072】
事業者別管理データ蓄積部52には、事業者A管理データ521と、事業者B管理データ522とが格納されている。事業者A管理データ521には、帯域データ5211と、クラスデータ5212とが含まれている。
【0073】
帯域データ5211には、事業者ネットワークA7aのPOI単位の、事業者間で取り決めた規定の上限の上りの帯域および上限の下りの帯域と、現在の上りの帯域および下りの帯域とが蓄積される。
【0074】
クラスデータ5212には、事業者ネットワークA7aのPOI単位の、事業者間で取り決めた規定の上限の上りの転送品質クラス毎の帯域および上限の下りの転送品質クラス毎の帯域と、現在の上りの転送品質クラス毎の帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域とが蓄積される。
【0075】
事業者B管理データ522には、図示を省略しているが、帯域データ5211と同様の帯域データと、クラスデータ5212と同様のクラスデータとが含まれている。
【0076】
事業者ネットワークB7bの帯域データには、事業者ネットワークA7bのPOI単位の、事業者間で取り決めた規定の上限の上りの帯域および上限の下りの帯域と、現在の上りの帯域および下りの帯域とが蓄積される。事業者ネットワークB7bのクラスデータには、事業者ネットワークA7bのPOI単位の、事業者間で取り決めた規定の上限の上りの転送品質クラス毎の帯域および上限の下りの転送品質クラス毎の帯域と、現在の上りの転送品質クラス毎の帯域および下りの転送品質クラス毎の帯域とが蓄積される。
【0077】
中継ルータ別管理データ蓄積部53は、中継ルータA管理データ531と、中継ルータB管理データ532と、中継ルータC管理データ533とを格納している。
【0078】
中継ルータA管理データ531には、ストリーム数5311と、帯域データ5312とが含まれている。ストリーム数5311は、中継ルータA12aの現在のストリーム数である。帯域データ5312は、中継ルータA12aの帯域容量と、現在の帯域とを含むデータである。
【0079】
図示を省略しているが、中継ルータB管理データ532には、ストリーム数5311および帯域データ5312と同様に、中継ルータB12bの現在のストリーム数と、中継ルータB12bの帯域容量および現在の帯域とが含まれている。
【0080】
同様に図示を省略しているが、中継ルータC管理データ533には、ストリーム数5311および帯域データ5312と同様に、中継ルータC12cの現在のストリーム数と、中継ルータC12cの帯域容量および現在の帯域とが含まれている。
【0081】
リソース管理制御部51は、セッション管理制御部42から、事業者ネットワークA7aのPOI単位の帯域(転送品質クラス毎の帯域を含む)をチェックするよう伝えられた場合は、事業者A管理データ521の帯域データ5211およびクラスデータ5212にアクセスし、帯域に関する接続規定が満たされるか否か判定する。
【0082】
具体的には、リソース管理制御部51は、まず、帯域データ5211にアクセスし、帯域データ5211が蓄積する事業者ネットワークA7aのPOI単位の上限の下りの帯域および現在の下りの帯域を検索し、セッションを確立しても、下り帯域が上限を超えることはないかをチェックする。また、リソース管理制御部51は、クラスデータ5212にアクセスし、クラスデータ5212が蓄積する上限の下りの転送品質クラス毎の帯域、および現在の下りの転送品質クラス毎の帯域を検索し、セッションを確立しても下りの転送品質クラス毎の帯域が上限を超えることはないかをチェックする。いずれも超えない場合、リソース管理制御部51は、中継ルータ12の選択を行い、帯域データ5211およびクラスデータ5212を更新する。なお、いずれかのチェックで帯域が上限を超える場合は、リソース管理制御部51は、セッション管理制御部42にエラーを返す。
【0083】
中継ルータ12の選択は次のとおり行われる。
【0084】
リソース管理制御部51は、中継ルータ12の選択にあっては、まず、中継ルータA管理データ531のストリーム数5311、中継ルータB管理データ532のストリーム数5321(図示を省略)、および中継ルータC管理データ533のストリーム数5331(図示を省略)にアクセスし、ストリーム数5311、ストリーム数5321およびストリーム数5331が蓄積するストリーム数を検索する。そして、リソース管理制御部51は、検索で得た中からストリーム数が最小の中継ルータ12を選択する。
【0085】
なお、ストリーム数が最小の中継ルータ12が複数存在する場合、リソース管理制御部51は、それらの中継ルータ12に関する帯域容量および現在の容量を検索し、帯域容量および現在の容量に基づき帯域使用率を算出し、帯域使用率の低い方の中継ルータ12を選択する。
【0086】
例えば、中継ルータA12aと中継ルータB12bのストリーム数が同値の場合、リソース管理制御部51は、中継ルータA管理データ531の帯域データ5312および中継ルータB管理データ532の帯域データ5322(図示を省略)にアクセスし、帯域データ5312および帯域データ5322が蓄積する帯域容量および現在の容量を検索する。そして、リソース管理制御部51は、これらの帯域容量および現在の容量に基づき、中継ルータA12aと中継ルータB12bのそれぞれの帯域使用率を算出し、帯域使用率の低い方の中継ルータ12を選択する。ここでは、中継ルータB12bの方が帯域使用率が低いとする。
【0087】
また、リソース管理制御部51は、中継ルータB12bを選択したことにより、中継ルータ制御部54に、下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号を中継ルータB12bから取得するよう伝え、中継ルータB管理データ532のストリーム数5321(図示せず)および帯域データ5322(図示せず)を更新する。
【0088】
また、リソース管理制御部51は、中継ルータ制御部54から下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号が伝えられると、それらをセッション管理制御部42に伝える。
【0089】
また、リソース管理制御部51は、セッション管理制御部42から、事業者ネットワークA7aから送られてきた上りの音声通信に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域が伝えられた場合は、事業者A管理データ521の帯域データ5211およびクラスデータ5212を更新し、IPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータ制御部54に伝える。
【0090】
中継ルータ制御部54は、リソース管理制御部51から下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号を中継ルータB12bから取得するよう伝えられた場合は、中継ルータB12bに問い合わせ、問い合わせの結果取得したIPアドレスおよびポート番号をリソース管理制御部51に伝える。
【0091】
また、中継ルータ制御部54は、リソース管理制御部51から上りの音声通信に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域が伝えられた場合は、IPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータB12bに送信する。
【0092】
上記のようなリソース管理部5の機能により、POI単位の帯域を管理することができ、合わせて転送品質クラス毎の帯域も管理することができるようになる。さらに、POIとM:Nの接続関係を持つ複数の中継ルータ12の中から適切な中継ルータ12を選択することができるようになる。
【0093】
次に、中継呼制御装置3の動作について説明する。
【0094】
<中継呼制御装置の動作>
図3は、中継呼制御装置3の動作例を示すフローチャートである。
【0095】
中継呼制御装置3のSIP信号制御部41は、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示を省略)に電話を行うためSIP信号のセッション確立要求信号を受信すると(ステップA1)、事業者ネットワークA7aのPOI単位の出セッション数をチェックする(ステップA2)。その際、優先留保のセッションがある場合はその分を考慮した処理を行う。出セッション数が接続規定内である場合は、SIP信号制御部41は、リソース管理制御部51に帯域をチェックするよう伝える(ステップA3)。
【0096】
リソース管理制御部51が、セッション管理制御部42から帯域をチェックするよう伝えられると、事業者ネットワークA7aのPOI単位の下りの帯域をチェックし(ステップA4)、合わせて下りの転送品質クラス毎の帯域をチェックする(ステップA5)。POI単位の下りの帯域と下りの転送品質クラス毎の帯域とがともに接続規定内である場合は(ステップA6)、リソース管理制御部51は、セッションの確立に使用する中継ルータ12を選択するために、中継ルータ別管理データ蓄積部53にアクセスし、各々のストリーム数を検索し、ストリーム数が最小の中継ルータ12を選び出す(ステップA7)。
【0097】
セッション数が最小の中継ルータ12が複数存在する場合(ステップA8)、リソース管理制御部51は、帯域使用率を算出し(ステップA9)、帯域使用率の最小の中継ルータ12を選択する(ステップA10)。
【0098】
以下、中継ルータB12bが選択されたものとして説明する。
【0099】
リソース管理制御部51は、中継ルータB12bのストリーム数を更新し(ステップA11)、帯域を更新し(ステップA12)、中継ルータ制御部54に、下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号を中継ルータB12bから取得するよう伝える。
【0100】
中継ルータ制御部54が、中継ルータB12bに問い合わせ、問い合わせた結果取得したIPアドレスおよびポート番号をリソース管理制御部51に伝え、リソース管理制御部51が、IPアドレスおよびポート番号をセッション管理制御部42に伝え、セッション管理制御部42がSIP信号制御部41に伝える(ステップA13)。SIP信号制御部41が、通知されたIPアドレスおよびポート番号を含むセッション確立要求信号を事業者ネットワークA7aに転送する(ステップA14)。
【0101】
なお、ステップA3あるいはA6において、接続規定が満たされなかった場合は、SIP信号制御部41が呼制御装置2にエラーを送信する(ステップA15)。
【0102】
事業者ネットワークA7aから応答信号が送信されてくると、SIP信号制御部41が、それを受信する(ステップA16)。応答信号を受信したSIP信号制御部41は、その応答信号に含まれている上りの音声通信に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域をセッション管理制御部42に伝える。セッション管理制御部42は、IPアドレス、ポート番号および帯域を受信すると、それらをリソース管理制御部51に伝える。
【0103】
リソース管理制御部51は、事業者A管理データ521の帯域データ5211を更新し(ステップA17)、合わせてクラスデータ5212を更新し(ステップA18)、IPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータ制御部54に伝える。
【0104】
中継ルータ制御部54は、IPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータB12bに通知するとともに、通知した旨をリソース管理制御部51に伝える。リソース管理制御部51は、その旨をセッション管理制御部42に伝え、セッション管理制御部42がSIP信号制御部41に伝える(ステップA19)。SIP信号制御部41が応答信号を呼制御装置2に送信する(ステップA20)。
【0105】
次に、本実施例によるシステムの動作について説明する。
【0106】
<システムの動作>
図4は、本実施例によるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は端末装置6、加入者収容ルータ11、加入者呼制御装置2、中継呼制御装置3のセッション制御部4、中継呼制御装置3のリソース管理部5、中継ルータA12a、中継ルータB12bおよび事業者ネットワークA7aの間のシーケンスを示している。
【0107】
まず、端末装置6が、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示を省略)に発呼するためにセッション確立要求信号(INVITE(1))を送信する(ステップB1)。加入者収容ルータ11が、そのセッション確立要求信号(INVITE(1))を受信し、INVITE(2)を加入者呼制御装置2に送信する(ステップB2)。
【0108】
加入者呼制御装置2は、INVITE(2)を受信し、INVITE(3)を中継呼制御装置3に送信する(ステップB3)。
【0109】
中継呼制御装置3では、INVITE(3)をセッション制御部4が受信し、出セッション数をチェックし(ステップB4)、セッション数が接続規定内であれば、リソース管理部5に帯域をチェックするよう伝える(ステップB5)。
【0110】
リソース管理部5は、下りの帯域をチェックし(ステップB6)、合わせて下りの転送品質クラス毎の帯域をチェックし(ステップB7)、下りの帯域と下りの転送品質クラス毎の帯域がともに接続規定内であれば、次に中継ルータ12を選択する(ステップB8)。ここでは中継ルータB12bが選択されるものとする。
【0111】
続いて、リソース管理部5は、選択した中継ルータB12bのセッション数を更新し(ステップB9)、帯域を更新するとともに(ステップB10)、中継ルータB12bに、下りの音声通信に使用するIPアドレスおよびポート番号を問い合わせる(ステップB11)。
【0112】
リソース管理部5は、問い合わせに対する結果の応答を得ると、取得したIPアドレスおよびポート番号をセッション制御部4に伝える(ステップB12)。セッション制御部4は、通知されたIPアドレスおよびポート番号を含むINVITE(4)を中継ルータA12aに転送する(ステップB13)。中継ルータA12aは、そのINVITE(4)を受信し、INVITE(5)を事業者ネットワークA7aに送信する(ステップB14)。
【0113】
事業者ネットワークA7aから応答信号(200OK(1))が送信されてくると(ステップB15)、中継ルータA12aがそれを受信し、200OK(2)を中継呼制御装置3に送信する(ステップB16)。
【0114】
中継呼制御装置3では、セッション制御部4が200OK(2)を受信し、200OK(2)に含まれる、上りの音声に使用するIPアドレス、ポート番号および帯域をリソース管理部5に伝える(ステップB17)。
【0115】
リソース管理部5は、事業者ネットワークA7aの上り帯域を更新し(ステップB18)、上りの転送品質クラス毎の帯域を更新するとともに(ステップB19)、IPアドレス、ポート番号および帯域を中継ルータB12bに通知し(ステップB20)、更に、通知処理が終了したことをセッション制御部4に伝える(ステップB21)。
【0116】
セッション制御部4は、200OK(3)を加入者呼制御装置2に転送する(ステップB22)。加入者呼制御装置2がそれを受信して200OK(4)を加入者収容ルータ11に送信する(ステップB23)。加入者収容ルータ11が200OK(4)を受信し、200OK(5)を端末装置6に送信し(ステップB24)、端末装置6がそれを受信する。
【0117】
これにより、端末装置6は、事業者ネットワークA7aに接続された端末装置(図示を省略)と電話を行うことができるようになる(ステップB25)。
【0118】
以上説明した本実施例によれば、ネットワーク間相互接続において、接続規定に基づいてセッション数を管理し、またセッションから要求される帯域を管理するので、IPベースのネットワークによるネットワーク間相互接続を良好に行うことが可能となる。
【0119】
また、本実施例によれば、中継ルータとPOIとがM:Nの接続関係となる構成が可能なので、事業者間の接続規定の変更あるいは中継ルータの設置数の変更に対する柔軟性が高まるとともに、1つの中継ルータの障害が1つのPOIに及ぼす影響を低減し、信頼性が高まる。
【0120】
また、各中継ルータの負荷状態に基づいて、セッションに用いる中継ルータを選択するので、中継ルータを効率よく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本実施例によるシステムの構成例を示す接続図である。
【図2】中継呼処理装置3の構成例を示すブロック図である。
【図3】中継呼制御装置3の動作例を示すフローチャートである。
【図4】本実施例によるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0122】
1 コアネットワーク
11 加入者収容ルータ
12a 中継ルータA
12b 中継ルータB
12c 中継ルータC
2 加入者呼制御装置
3 中継呼制御装置
4 セッション制御部
41 SIP信号制御部
42 セッション管理制御部
43 事業者別管理データ蓄積部
5 リソース管理部
51 リソース管理制御部
52 事業者別管理データ蓄積部
53 中継ルータ別管理データ蓄積部
54 中継ルータ制御部
6 端末装置
7a 事業者ネットワークA
7b 事業者ネットワークB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットプロコトルを用いた第1のネットワークにおいて、第2のネットワークとの接続を行うためのネットワーク間相互接続方法であって、
前記第2のネットワークとの間にセッションを確立するとき、該第2のネットワークとの接続ポイントに対して定められた、前記接続ポイントに許容されるセッション数および帯域を含む接続規定が満たされるか否か判定し、
前記接続規定が満たされる場合に、前記接続ポイントのゲートウェイとして、前記セッションを確立するのに用いる転送手段を決定する、ネットワーク間相互接続方法。
【請求項2】
前記接続ポイントにおいて、実際に確立されるセッション数が、前記接続ポイントに許容されるセッション数以内であるか否か判定し、
前記実際に確立されるセッション数が、前記接続ポイントに許容されるセッション数以内であれば、実際に使用される帯域が、前記接続ポイントに許容される帯域以内であるか否か判定し、
前記実際に使用される帯域が、前記接続ポイントに許容される帯域以内であれば、前記接続規定が満たされると判断する、
請求項1に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項3】
前記転送手段として、前記接続ポイントのゲートウェイとして利用可能な複数の中継ルータがあり、
前記中継ルータの負荷状態に基づいて、前記セッションを確立するのに用いる中継ルータを選択する、請求項1または2に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項4】
前記中継ルータを経由するストリーム数によって該中継ルータの前記負荷状態を判断する、請求項3に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項5】
経由するストリーム数が最も少ない中継ルータを選択し、経由するストリーム数が最も少ない中継ルータが複数であれば、その中から帯域の使用率が最も低い中継ルータを選択し、選択した中継ルータを前記セッションに使用する、請求項4に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項6】
複数の前記接続ポイントに対して複数の前記中継ルータが割り当てられ、前記複数の中継ルータのいずれもが、前記複数の接続ポイントのいずれのゲートウェイとしても利用可能である、請求項3から5のいずれか1項に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項7】
前記接続規定において、出と入りについて別個に前記セッション数を管理し、上りと下りについて別個に前記帯域を管理する、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワーク間相互接続方法。
【請求項8】
インターネットプロコトルが用いられるネットワークにおいて、該ネットワークと他ネットワークとを接続するための通信システムであって、
前記他ネットワークとの接続ポイントのゲートウェイとして利用可能な接続手段と、
前記他ネットワークとの間にセッションを確立するとき、該他ネットワークとの接続ポイントに対して定められた、前記接続ポイントに許容されるセッション数および帯域を含む接続規定が満たされるか否か判定し、前記接続規定が満たされる場合に、前記接続ポイントのゲートウェイとして、前記セッションを確立するのに用いる転送手段を決定する中継呼制御装置と、を有する通信システム。
【請求項9】
前記転送手段として、前記接続ポイントのゲートウェイとして利用可能な複数の中継ルータがあり、
前記中継呼制御装置は、前記中継ルータの負荷状態に基づいて、前記セッションを確立するのに用いる中継ルータを選択する、請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
インターネットプロコトルが用いられるネットワークにおいて、該ネットワークと他ネットワークとを接続するための中継呼制御装置であって、
前記他ネットワークとの間にセッションを確立するとき、該他ネットワークとの接続ポイントに対して定められた、前記接続ポイントに許容されるセッション数および帯域を含む接続規定のうち、前記接続ポイントに許容されるセッション数が満たされるか否か判定するセッション制御手段と、
前記接続規定のうち、前記接続ポイントに許容される帯域が満たされるか否か判定し、前記接続規定が満たされる場合に、前記接続ポイントのゲートウェイとして、前記セッションを確立するのに用いる転送手段を決定するリソース管理手段と、を有する中継呼制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−109575(P2010−109575A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278420(P2008−278420)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】