説明

ネフロレピス属からセクオイトール含有抽出物を得る方法及びその使用

本発明は、溶媒で抽出する抽出ステップ、前記溶媒を回収してエキスを得るステップ、前記エキスに2相抽出及びカラムクロマトグラフィーを行うステップ、ならびに、セクオイトール含有分画を収集し、濃縮し、ろ過し、乾燥するステップを含む、ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る方法を提供する。その抽出物の主な有効成分はセクオイトールで、糖尿病及びその合併症の治療に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セクオイトール(sequoyitol)含有抽出物を得る方法、および、その抽出物の使用に関する。詳細に、本発明は、ネフロレピス(Nephrolepis)属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る方法、その方法によって得られたセルオイトール含有抽出物、および、その抽出物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
中国人の生活水準が向上されるにつれて、特定の疾患の罹患率が変化している。その中で糖尿病の羅患率の上昇および患者の年齢の低下が著しい。糖尿病は、高血糖値を特徴とする代謝性疾病であり、人々の健康に及ぼす影響が大きい。糖尿病は、心臓、脳、腎臓、下肢などに血管病変をもたらして、高血圧、心臓病、糖尿病性腎症、下肢の無感覚、および、壊疽などを引き起こし得る。糖尿病の病理メカニズムは依然として知られてなく、糖尿病の治療法の多くは血糖値を下げ、かつ、合併症を予防するのに焦点が当てられている。糖尿病の治療薬(1950年代以来)は、イスリン、スルホニル尿素、ビグアニド類、α-グルコシダーゼ阻害剤、インスリン分泌エンハンサー、インスリン増感剤(insulin sensitizer)、アルドース還元酵素阻害剤、および、糖新生阻害剤の八つのグループに分けることができる。これらの薬物は、深刻な副作用、他の臓器への損傷、および、強い薬物耐性などの避けられない問題を抱えている。したがって、安全で、効率よく、かつ、安価で糖尿病を治療できる天然植物由来の薬物に対するニーズは大きい。
【0003】
ミオ−イノシトール(myo-inositol)及びD−カイロ−イノシトール(D-chiro-inositol)のようなイノシトールは、インスリンの効果を信号化するのに重要な役割をする。正常な血液および尿では一定の濃度のD−カイロ−イノシトールが検出されるが、II型糖尿病を患う患者ではD−カイロ−イノシトールが検出されず、患者の尿にD−カイロ−イノシトールが正常な尿より数倍高く存在する、との研究結果もある。つまり、これは、糖尿病患者において、D−カイロ−イノシトールが代謝異常に起因してすばやく排出され、インスリンの作用の信号伝達の障害物となってしまうことを示唆する。動物実験より、イノシトールがインスリンの作用を促進し、かつ、血糖値、血中インスリン、および、血中トリグリセリドなどを下げることが分かった。また、イノシトールは糖尿病の網膜抹消毛細血管細胞に対し保護作用を有する。イノシトールのメチル誘導体は、血糖を減少させる作用を有する。
【0004】
本発明は、ミオ−イノシトール誘導体である、植物から抽出されたセクオイトールを提供する。薬理学的実験結果は、前記セクオイトールが糖尿病の治療および予防に効果を有することを支持する。
【0005】
リアンジンギウ(Liang Jingyu)らによる中国特許出願第02144302.5には、タクスス・シネンシス(Taxus chinensis)から単離されたセクオイトールが、血糖値を下げ、かつ、肝グリコゲンの分解およびグルコースの吸収を阻害する、毒性の少ない糖尿病薬であることが記載されている。しかしながら、タクスス・シネンシスは植物保護の対象である。したがって、これを大規模に開発する余地は少ない。その代わりに、我々はセクオイトール源としてネフロレピス属の植物を利用した。ネフロレピス属の植物がセクオイトールを含有することが報告されているが、そこに使用されたプロセスは専らその同定のためのものであり、その抽出プロセスによって得られたセクオイトールの含量は非常に少なかった。要するに、そのプロセスでは、製造工程および抽出コストの観点から産業的生産の要求を満たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得るための方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、前記方法によって製造されたセクオイトール含有抽出物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、糖尿病およびその合併症の治療薬の製造のためのセクオイトール含有抽出物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る方法であって、溶媒で抽出する抽出ステップ、前記溶媒を回収してエキスを得るステップ、前記エキスに2相抽出及びカラムクロマトグラフィーを行うステップ、ならびに、セクオイトール含有分画を収集し、濃縮し、ろ過し、乾燥するステップを含む方法に関する。
【0010】
好ましくは、前記ネフロレピス属の植物は、ネフロレピス・アウリクラタ(L.)トリメン (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen、「タマシダ」とも呼ぶ。)、ホウビカンジュ(N. biserrata)、ネフロレピス・デュフィ・ムレ(N. duffi Moore)、ネフロレピス・ファルカタ(Cav.)C.Chr.(N. falcata(Cav.)C.Chr.)、ネフロレピス・デリカツラ(デクネ.)ピッチ−セルム.(N. delicatula(Decne.) Pichi-Serm.)、ネフロレピス・ビセラタ(Sw.)スコット.(N. biserrata(Sw.) Schott.)、ネフロレピス・ビセラタ・ヴァル.アウリクラタ・チング(biserrata var. auriculata Ching)、 スコットタマシダ(N. exaltata(Sw.)Schott.)、ヤンバルタマシダ(N. hirsutula(Forst.)Presl)、ネフロレピス・コルディフォリア(N. cordifolia、「タマシダ」とも呼ぶ。)、及び、ボストンタマシダ(N. exalatata cv. Bostoniensis)、及び、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0011】
好ましくは、 前記溶媒を、エタノール、メタノール、アセトン、水、及び、これらの組み合わせからなる群から選択する。好ましくは、前記抽出ステップの温度が0℃〜前記溶媒の還流温度(reflux temperature)、好ましくは、室温〜前記溶媒の還流温度、さらに好ましくは、前記溶媒の還流温度である。好ましくは、前記溶媒及び前記ネフロレピス属の植物の重量対体積(容積)の比が1:1〜1:20、好ましくは、1:2〜1:10、さらに好ましくは、1:3〜1:5である。好ましくは、前記抽出を2〜5回行う。
【0012】
好ましくは、前記2相抽出に用いられる溶媒は、水と混合しない有機溶媒及び水である。好ましくは、前記水と混合しない有機溶媒を、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、石油エーテル、及び、n−ブタノールからなる群から選択する。好ましくは、前記水と混合しない有機溶媒対水の体積比が1:1〜1:10(v/v)である。
【0013】
好ましくは、前記カラムクロマトグラフィーが、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー、セファデックスカラムクロマトグラフィー、変更セファデックスカラムクロマトグラフィー、セルロースカラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、又は、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーである。
【0014】
好ましくは、前記ろ過と乾燥の間に精製を行う。好ましくは、前記精製が、カラムクロマトグラフィーによる精製である。
【0015】
本発明は、前記セクオイトール含有抽出物を得る方法によって得られた抽出物を提供する。
【0016】
本発明は、糖尿病及びその合併症の治療剤の製造のための、前記方法によって得られた抽出物又はその医薬的に許可可能な塩の使用を提供する。好ましくは、前記医薬的に許容可能な塩が、セクオイトールの乳酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、前記合併症が、眼疾患、腎疾患、神経障害、冠状動脈性心臓病、脳血管疾患、末梢血管障害からなる群から選択される。
【発明の効果】
【0017】
ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る本発明の方法は、ネフロレピス属の植物の特性を保ちつつ産業的生産に適した戦略を提供できる、最適化された抽出法を特徴とする。その方法によって得たセクオイトール含有抽出物は、抗糖尿病活性及び低毒性を有する。抽出物中の主な有効成分はセクオイトールであり、その含量は10.00%〜99.99%である。動物実験結果によれば、抽出物は血糖値を著しく減少させた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施例9に記載されたセクオイトールの保持時間(retention time)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の解決手段についての詳細は次のとおりである。
【0020】
本発明は、 タマシダ科(Nephrolepidaceae)を含むネフロレピス(タマシダ)属の植物から得た毒性の少ない抗糖尿病活性を有するセクオイトール含有抽出物を抽出し、単離する方法を提供する。ここで、ネフロレピス属の植物は、ネフロレピス・アウリクラタ(L.)トリメン (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)、ホウビカンジュ(N. biserrata)、ネフロレピス・デュフィ・ムレ(N. duffi Moore)、ネフロレピス・ファルカタ(Cav.)C.Chr.(N. falcata(Cav.)C.Chr.)、ネフロレピス・デリカツラ(デクネ.)ピッチ−セルム.(N. delicatula(Decne.) Pichi-Serm.)、ネフロレピス・ビセラタ(Sw.)スコット.(N. biserrata(Sw.) Schott.)、ネフロレピス・ビセラタ・ヴァル.アウリクラタ・チング(biserrata var. auriculata Ching)、 スコットタマシダ(N. exaltata(Sw.)Schott.)、ヤンバルタマシダ(N. hirsutula(Forst.)Presl)、ネフロレピス・コルディフォリア(N. cordifolia)、及び、 ボストンタマシダ(N. exalatata cv. Bostoniensis)等からなる群から選択されるのが好ましい。
【0021】
本発明は、ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る方法であって、溶媒を用いて抽出するステップ、その溶媒を回収してエキス(extractum)を得るステップ、そのエキスに対し2相抽出およびカラムクロマトグラフィーを行うステップ、セクオイトールを含む分画を収集するステップ、濃縮、ろ過、および、乾燥を含む方法を提供する。前記方法によって得られたセクオイトール含有抽出物は、通常結晶性粉末であるが、そのうちセクオイトールの含量は60%以上になり得る。
【0022】
前記方法によって得られたセクオイトール含有抽出物は、糖尿病およびその合併症の治療のための薬剤および医薬組成物の製造のために用いられる。そのセクオイトール含有抽出物は、1以上の補助剤(auxilliary)および/又は賦形剤(excipient)と組み合わせて、注射剤、カプセル、錠剤、課立剤、糖衣錠、溶液など、若しくは、これらの剤形の制御放出製剤(controlled release preparation)又は標的化製剤(targeting preparation)を製造するために用いられる。
【0023】
セクオイトール、又は、セクオイトールを酸又は塩基と反応させて得たその医薬的に許容可能な塩は、本発明の製剤の製造のために用いられる。
【0024】
本発明の方法によって得られたセクオイトール含有抽出物は、糖尿病の治療のための医薬の製造に用いられ、糖尿病性高血糖症を著しく減少させ、肝グリコーゲンの分解、及び、グルコースの吸収を阻害し、血中脂質を減少させ、フリーラジカルの代謝を改善し、かつ、β島細胞を保護する。しかし、その毒性は低い。本発明の方法によて得られたセクオイトール含有抽出物は、糖尿病及びその合併症、又は、糖代謝異常に関係するその他の疾病、II型糖尿病及びその合併症の治療及び予防、ならびに、フリーラジカルの代謝の改善のために用いられる。
【0025】
特に、ネフロレピス属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る本発明の方法は、次のステップを含む。ネフロレピス属の植物の部分(例えば、根、茎、葉等)を空気乾燥し、粉砕し、エタノール、メタノール、アセトン、又は、その水和物或いはそれらの混合物のような溶媒により0℃〜還流温度(好ましくは、室温〜還流温度、さらに好ましくは、還流温度)で抽出する。 好ましくは、使用された溶媒の量は1:1〜1:20(w/v)、好ましくは、1:2〜1:10(w/v)、さらに好ましくは、1:3〜1:5(w/v)である。好ましくは、抽出は2〜5回行われる。減圧下での濃縮によってエキス(extractum)が得られる。その後、前記エキスに対し2相抽出(移動相:水と混合しない有機溶媒及び水)を行う。ここで、前記有機溶媒は、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、石油エーテル、及び、n−ブタノールなどであり、そして、抽出剤(extraction agent)は、有機溶媒/水の比率1:1〜1:10(v/v)であるのが好ましい。有機層を除去する。水層を集め(pool)、ろ過し、カラムクロマトグラフィーにかける。カラムクロマトグラフィーは、マクロ多孔性(macroporus)樹脂カラムクロマトグラフィー(例えば、D101、 MN-200(PUROLITE)など)、セファデックスGカラムクロマトグラフィー、変更(modified)セファデックスカラムクロマトグラフィー(例えば、セファデックス−LH−20など)、セルロースカラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、又は、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーであっても良い。抽出においては、相当する溶離剤(eluent)を用い、溶出液(eluate)を検出する。セクオイトール含有分画を集め、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製する。カラムクロマトグラフィーは、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー(例えば、D101、 MN-200(PUROLITE)など)、セファデックスGカラムクロマトグラフィー、変更(modified)セファデックスカラムクロマトグラフィー(例えば、セファデックス−LH−20など)、セルロースカラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、又は、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーであっても良い。セクオイトール含有分画を集め(pool)、減圧下で濃縮し、放置し、ろ過して固体を得る。その後、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、又は、その水和物又は混合物から再結晶化して、植物抽出物の乾燥粉末を得る。最終生成物は結晶性粉末であり、その主な有効成分は純度10.00〜99.99%のセクオイトールである。
【0026】
次の方法は、本発明の方法のカラムクロマトグラフィにおける溶出液(eluate)を決定するのに用いても良い。
【0027】
薄層クロマトグラフィー:F254薄層プレートが用いられる。5μlのテスト溶液又は対照群溶液(セクオイトールの水溶液)をそれぞれ薄層プレート上にロードした後、水、酢酸エチル、及び、イソプロパノールを含んだ現象液(容積に基づく比率は6:11:83である。)で現象する。その後、過マンガン酸カリウム−水酸化ナトリウムによって可視化する。対照溶液と同じRf値を有するテスト溶液の主なスポット(main spot)は陽性反応(positive reaction)を示す。
【0028】
本発明の抽出物中セクオイトール(すなわち、主な有効成分)の含量は、次のような高速液体クロマトフラフィー(HPLC)によって決めることができる:
<分析1>抽出物約5mgを量り、10mlの容量フラスコに入れる。希硫酸−無水酢酸(1:50(v/v))を加えて、水槽中で30分間加熱した後、室温に冷却する。メタノール5mlを加えて、均一に混合する。その後、水を加え、均一に混合して、テスト溶液を製造する。HPLCの条件は次のとおりである:
カラム:C18 カラム、5μl、4.6×250mm
検出波長:220nm
サンプル容積:20μl
移動相:メタノール/水(50:50(v/v)、0.45μmの有機フィルムフィルタにてろ過され、使用前にガス抜きされたもの
流速(流量):1.0ml/分
【0029】
<分析2>抽出物約5mgを量り、10mlの容積フラスコに入れる。その後、水に溶かして所定の容積にし、均一に混合する。HPLCの条件は次のとおりである:
カラム:アミノカラム、5μl、4.6×250mm
検出器: 蒸発光散乱検出器(ELSD)
ドリフト管の温度:40℃
圧力: 3.5バー
サンプル容積: 20μl
移動相:アセトニトリル/水(75:25(v/v))、0.45μmの有機フィルムフィルタにてろ過され、使用前にガス抜きされたもの
流速(流量):0.8ml/分
【0030】
臨床において、ネフロレピス属から得た抽出物は、様々な医薬、又は、健康管理製品などの製造のために用いられる。
【0031】
カプセル、錠剤、糖衣錠などの剤形には1以上の通常の賦形剤が含まれる。特に、賦形剤は次のようなものである:
フィラー及び可溶化剤:スターチ、微結晶性セルロース等
バインダー:カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等
湿潤剤:グリセロール等
崩壊剤:炭酸カルシウム等
吸収剤:カオリン等
滑剤:タルク粉等
【0032】
医薬賦形剤は、固体、半固体、液体、又は、その他の形態であり得る。製剤中にさまざまな補助剤(auxiliaries)を用いることができる。
【0033】
溶液は、通常の溶媒、可溶化剤、乳化剤、保存剤など、例えば、水、エタノール、グリセロール、ポリエチレングリコール、 安息香酸ベンジルなどを含んでも良い。
【0034】
カプセル、錠剤、課立、糖衣錠、および、溶液などの剤形は既知の方法によって製造できる。植物の抽出物は、1以上の賦形剤と混合されて、剤形を形成する。
【0035】
本発明に基づいて、糖尿病の治療のための漢方処方の抽出物を含む製剤を製造することができるので、糖尿病の治療のための新たな選択肢が生じる。また、ネフロレピス属の植物は入手し易く、中国の南部地方でよく使われる漢方薬である。大量に栽培され、食用又は漢方薬の原料として用いられるところもある。また、その生産過程は簡単で、かつ、安価である。それにより、糖尿病に有意な効果のある天然の治療剤が得られる。
【0036】
以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0037】
低純度の植物抽出物の製造(1)
タマシダ (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)の粗粉末(crude powder)100kgを、三体積(3 volumes)の80%エタノール中で還流下抽出(3回)を行った。それにより得られた抽出物(液)を合わせて減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び水(1:1(v/v))の2相系によって抽出した。その水層を集め、ろ過し、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー(D101、中国製)にかけた。蒸留水及び水性エタノールの勾配(gradient)を用いて溶出(elution)を行った。セクオイトールを含んだ分画を集め、減圧下で濃縮し、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は10.2%であった。
【実施例2】
【0038】
低純度の植物抽出物の製造(2)
タマシダ (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)の粗粉末(crude powder)50kgを、三体積の90%エタノール中で還流下抽出(3回)を行った(60℃)。それにより得られた抽出物(液)を合わせて減圧下で乾燥するまで濃縮し、ジクロロメタン及び水(1:1(v/v))の2相系によって抽出した。その水層を集め、ろ過し、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー(D101、中国製)にかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール):5〜20%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は28.9%であった。
【実施例3】
【0039】
低純度の植物抽出物の製造(3)
タマシダ (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)の粗粉末(crude powder)60kgを、三体積の90%メタノール中でで還流下3回抽出を行った(50℃)。それにより得られた抽出物(液)を合わせて減圧下で乾燥するまで濃縮し、酢酸エチル及び水(1:1(v/v))の2相系によって抽出した。その水層を集め、ろ過し、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー(MN−200,中国製)にかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール):5〜20%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は29.5%であった。
【実施例4】
【0040】
低純度の植物抽出物の製造(4)
タマシダ (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)の粗粉末(crude powder)70kgを、70%アセトン中で還流下抽出(3回)を行った(45℃)。それにより得られた抽出物(液)を合わせて減圧下で乾燥するまで濃縮し、クロロホルム及び水(1:1(v/v))の2相系によって抽出した。その水層を集め、ろ過し、活性炭絡むクロマトグラフィーにかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール:5〜25%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は30.2%であった。
【実施例5】
【0041】
中程度の純度の植物抽出物の製造(1)
低純度の植物抽出物を水に溶かしてセルロースカラムクロマトグラフィーにかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール:5〜20%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、エタノール中で再結晶化し、ろ過して、結晶性粉末を得た。その結晶性粉末を真空乾燥し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は78%であった(HPLCによる)。
【実施例6】
【0042】
中程度の純度の植物抽出物の製造(2)
低純度の植物抽出物を水に溶かしてイオン交換カラムクロマトグラフィーにかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール:5〜20%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、メタノール中で再結晶化し、ろ過して、結晶性粉末を得た。その結晶性粉末を真空乾燥し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は75%であった(HPLCによる)。
【実施例7】
【0043】
中程度の純度の植物抽出物の製造(3)
低純度の植物抽出物を水に溶かしてゲルカラムクロマトグラフィーにかけた。蒸留水及び水性エタノール(エタノール:5〜20%)の勾配を用いて溶出を行った。検出試薬を用いてそれぞれの溶出液を検出した。陽性反応を示す溶出液を集め、減圧下で濃縮し、アセトン中で再結晶化し、ろ過して、結晶性粉末を得た。その結晶性粉末を真空乾燥し、70℃で乾燥して、植物抽出物(黄色い粉末)を得た。そのうちセクオイトールの含量は68%であった(HPLCによる)。
【実施例8】
【0044】
高程度の植物抽出物の製造
中程度の純度の植物抽出物を、メタノールなど中での再結晶化を繰り返して、結晶性粉末を得た。その結晶性粉末を真空乾燥し、70℃で乾燥して、高純度のセクオイトールを有する植物抽出物(黄色い粉末)を得た。再結晶化を繰り返した結果、セクオイトールの純度は99%以上であった。
【実施例9】
【0045】
高純度セクオイトール抽出物の含量の決定
HPLCを利用した。高純度の抽出物約5mgを量り、10mlの容積フラスコに入れた。その後、水に溶かして所定の容積にし、均一に混合した。HPLCの条件は次のとおりであった:
カラム:アミノカラム、5μl、4.6×250mm
検出器: 蒸発光散乱検出器(ELSD)
ドリフト管の温度:40℃
圧力: 3.5バー
サンプル容積: 20μl
移動相:アセトニトリル/水(75:25(v/v))、0.45μmの有機フィルムフィルタにてろ過され、使用前にガス抜きされたもの
流速(流量):1.0ml/分
【0046】
図1に本発明のスペクトルを示す。ここで、セクオイトールの保持時間(retention time)は12.312分であった。
【実施例10】
【0047】
カプセルの製造
各カプセルの重量は300mgで、30mgの植物抽出物を含む。
微結晶性セルロース270mg
植物抽出物30mg

1000カプセル
【0048】
グラインダーに賦形剤を入れ、植物抽出物を加え、10〜30分間すりつぶして均一に混合した。その均一な混合物をサイズ#1のカプセルにカプセル化した。各カプセルの充填量(load)は300mgで、そのうち植物抽出物は30mgであった。
【実施例11】
【0049】
カプセルの安定性研究
三つのバッチのカプセルに対し9ヶ月の安定性試験(外観、同定、内容物(content)検査などを含む。)を行った。
【0050】
同定(1):20個のカプセルの内容物を集めた。適量の粉末をとり、水に溶かして、ろ過した。ろ液5mlをチューブに入れた。過ヨウ素酸ナトリウム溶液(0.01mol/L)2ml及び濃硝酸2滴を加え、硝酸銀を滴下して、白色の沈殿物を得た。3つのバッチのカプセルに対する結果を表1に示す。
【0051】
同定(2):適量の内容物(カプセル0.2gに相当する)に水10mlを加え、振って、ろ過した。2mlのろ液に塩基性酢酸鉛1mlを加えて、均一に混合した。その混合物を水槽中で5分間加熱して、半透明ゼリーを得た。3つのバッチのカプセルに対する結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

【実施例12】
【0053】
植物抽出物25g、微結晶性セルロース49g、及び、ステアリン酸マグネシウム1gを良く混ぜた。それにより得られた混合物を、単一パンチ錠剤プレス(single punch tablet press)を用いて錠剤に押圧した。その錠剤は、直径6mm、重量300mgであり、100mgの植物抽出物を含んでいた。
【実施例13】
【0054】
顆粒剤の製造
植物抽出物20gと、コーンスターチ180gを良く混ぜた。60%エタノール適量を加えて生地(dough)を得た。その生地を12メッシュふるいにかけて顆粒にした。乾燥して顆粒を得た。その顆粒は、1gあたり100mgの植物抽出物を含んでいた。
【実施例14】
【0055】
注射剤の製造
注射剤のための出発物質として精製されたセクオイトール抽出物(純度98.00〜99.99%)を用いた。
【0056】
セクオイトールは水溶性である。セクオイトールを水に溶かし、ろ過によって滅菌した。注射溶液の製造方法に基づいて注射溶液を製造した。注射用粉末は、注射用凍結乾燥粉末の製造工程に基づいて用意した。
【0057】
注射用凍結乾燥粉末の製造工程に基づいて、注射用精製セクオイトールから注射用凍結乾燥粉末を製造した。注射用セクオイトールを注射用水に溶かした。20%の低分子デキストラン溶液(ピロゲンなし)を加えた。それにより得られた溶液を良く混ぜた。セクオイトール及びデキストランの最終濃度は、それぞれ0.1g/ml、及び、0.05g/mlであった。活性炭によってピロゲンを除去した。それにより得られた溶液を、0.22μmマイクロフィルター膜によって滅菌し、クラス100のクリーンゾンにおいて前処理バイアルに充填した。各バイアルは溶液1mlを含んだ。凍結乾燥装置において、バイアルを−40℃で2時間凍結させ、1.33Paの真空下で−25℃で昇華させた。90%の水分が除去されたら、そのバイアルを加熱乾燥した。凍結乾燥過程を通じて温度は35℃以下に維持された。凍結乾燥装置において、バイアルをストッパーで密封した。
【実施例15】
【0058】
分散性錠剤の製造
乾燥セクオイトール抽出物60g、微結晶性セルロース20g、架橋結合ポリビニルピロリドン10g、及び、低置換ヒドロキシプロピルセルロース10gを良く混ぜた。エタノール中5%ポリビニルポロリドンK30を滴下して生地(dough)を得た。その生地を30メッシュふるいにかけて課立(粒状)にした。ぬれた顆粒を60℃で乾燥させて、40メッシュ(mesh)ふるいにかけた。架橋結合ポリビニルピロリドン10g、低置換ヒドロキシプロピルセルロース10g、及び、ステアリン酸マグネシウムを良く混ぜた。それにより得た混合物を1000個の錠剤に圧縮した。
【0059】
測定:(1)分散均一性の測定:セクオイトール抽出物の分散性錠剤(dispersible tablet)2個を100mlの水に入れて、振った。錠剤は20±1℃で180秒内に完全に崩壊(溶出)された。それを2#ふるいにかけた。(2)溶出(dissolution)の測定:人工胃液(0.1mol/Lの塩酸)を用いて溶出(崩壊、dissolution)を測定した。その測定は、中国薬局方(第2部)に記載された溶出試験の第2法(パドル式)に基づいて行われた。パドルの速度は100r/分であった。溶出温度は37℃で、溶出媒体の容積は900mlであった。上記条件下で前記溶出媒体にセクオイトール抽出物の分散性錠剤を入れた。2、4、6、8、10、15、20、30、45、及び、60分で5mlのアリコート(サンプル)をとり(同量の媒体が補充された)、45μm細孔性フィルター膜を用いてろ過した。溶出を測定して、相対累積溶出率(%)を計算した。その結果を表2に示す。
【0060】
【表2】

【実施例16】
【0061】
発砲錠の製造
次の処方に基づいてセクオイトール抽出物の発砲錠を製造した:セクオイトール抽出物60g、酒石酸4.2g、重炭酸ナトリウム17.5g、1.2gのTween−80、ポリビニルピロリドン(PVP)3.2g、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(LHPC)1.6g、及び、ステアリン酸マグネシウム0.64gをよく混ぜて、1000個の錠剤に圧縮した。各々の錠剤はセクオイトール抽出物60mgを含んだ。
【0062】
検査:ストッパー及び目盛付テストチューブ(内径:1.5cm、容量:25ml)10個にそれぞれ2mlの水を入れて、37±1℃の水槽に入れた。5分後、そのテストチューブにテスト錠剤を入れて、ストッパーで密封した。20分間最大発砲量(容積)を観察した。平均発砲量(容積)は4.6mlで、1錠が3mlを下回った。
【実施例17】
【0063】
シロップ剤の製造
スクロース600gを1000mlビーカーに入れた。蒸留水800mlを加え、スクロースが溶けるまで加熱した。セクオイトール抽出物20gを加えて、攪拌によって溶かした。その溶液を室温に冷却し、ろ過した。そのろ液を集めて、蒸留水を加えて1000mlにした。よく混ぜ、そのろ液を10mlアンプルに充填し、100℃で30分間滅菌した。
【0064】
実施例1に基づいて製造した植物抽出物に対し薬力学的テストと毒物学的テストを行った。
【0065】
薬力学的テスト
マウスにおいてアロキサンによって誘導された高血糖(値)に対する植物抽出物の効果
方法
22〜25gの雄マウス80匹を用意した。その中から20匹のマウスをランダムに選んでブランク(blank)群にした。残りのマウスに尾静脈を通じてアロキサンを静脈注射(65mg/kg)した後、確立された方法に基づいて模型を作った(model)。血糖値に基づいて前記マウスを3つのグループに分け、そのうち2つのグループには、それぞれ7日間連続して60mg/kgのネフロレピス・アウリクラタ(Nephrolepis auriculata)抽出物、75mg/kgのフェンホルミン(陽性対照群)を強制投与した(投与量:0.1ml/10g(体重))。ブランク群及び対照群には同量(容積)の蒸留水を投与した。グルコースオキシダーゼ法を用いて血糖を測定した。
【0066】
結果
対照群の血糖値は、ブランク群に対し著しく上昇した(323.7mg/dl増)。対照群に対し、アロキサンによって誘導された高血糖症はネフロレピス・アウリクラタ抽出物グループ(110.6mg/dl減)、及び、フェンホルミングループ(152.8mg/dl減)において著しく減少された。
【0067】
マウスにグルコースによって誘導された高血糖(値)に対する植物抽出物の効果
方法
22〜25gの雄マウス120匹をランダムに6つのグループに分け、そのうち4つのグループには、それぞれ7日間連続して60mg/kgのネフロレピス・アウリクラタ抽出物(セクオイトールの含量:65%)を強制投与した(投与量:0.1ml/10g(体重))。ブランク群及び対照群には同量(容積)の蒸留水を投与した。ブランク群には、生理学的食塩水を腹腔投与し、残りのグループには同量(容積)のグルコース2g/kgを腹腔投与した。注射後30、60、90、及び120分において後頭眼窩静脈叢(posterior orbital venous plexus)から血液を集め、その血清を単離した。グルコースオキシダーゼ法を用いて血糖を測定した。
【0068】
結果
対照群の血糖値は、ブランク群に対し、グルコース注射後30,60、90、及び、120分において著しく上昇した。対照群に対し、グルコース注射によって誘導された高血糖症は、グルコース注射後30,60、90、及び、120分においてネフロレピス・アウリクラタ抽出物によって著しく減少された。注射後90分において、ネフロレピス・アウリクラタ群の血糖値(高血糖症)は15.5mg/dl減少された。
【0069】
急性毒性テスト
方法:40匹の健康なマウス(雄マウス20匹、雌マウス20匹)にネフロレピス・アウリクラタ(Nephrolepis auriculata)抽出物800mg/kgを強制投与し(1回)、モニターした。七日後、そのマウスを犠牲死させて、臓器を肉眼観察した。
【0070】
結果:致死(fatality)は見られない。すべてのマウスは健康であり、その皮膚と毛はつやつやで、目がきらきらで、かつ、良い運動性を見せた。7日後、全マウスを犠牲死させて、主な臓器を肉眼観察したが、異常は見つからなかった。
【0071】
以上、本発明の好ましい一部の実施例を説明した。本発明の本質を一脱しない範囲内において様々な変更及び改良が可能である。したがって、かかる変更及び改良は本発明の範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネフロレピス(Nephrolepis)属の植物からセクオイトール含有抽出物を得る方法であって、溶媒で抽出する抽出ステップ、前記溶媒を回収してエキスを得るステップ、前記エキスに2相抽出及びカラムクロマトグラフィーを行うステップ、ならびに、セクオイトール含有分画を収集し、濃縮し、ろ過し、乾燥するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ネフロレピス属の植物を、ネフロレピス・アウリクラタ(L.)トリメン (Nephrolepis auriculata(L.)Trimen)、ホウビカンジュ(N. biserrata)、ネフロレピス・デュフィ・ムレ(N. duffi Moore)、ネフロレピス・ファルカタ(Cav.)C.Chr.(N. falcata(Cav.)C.Chr.)、ネフロレピス・デリカツラ(デクネ.)ピッチ−セルム.(N. delicatula(Decne.) Pichi-Serm.)、ネフロレピス・ビセラタ(Sw.)スコット.(N. biserrata(Sw.) Schott.)、ネフロレピス・ビセラタ・ヴァル.アウリクラタ・チング(biserrata var. auriculata Ching)、スコットタマシダ(N. exaltata(Sw.)Schott.)、ヤンバルタマシダ(N. hirsutula(Forst.)Presl)、ネフロレピス・コルディフォリア(N. cordifolia)、及び、ボストンタマシダ(N. exalatata cv. Bostoniensis)、及び、それらの組み合わせからなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒を、エタノール、メタノール、アセトン、水、及び、これらの組み合わせからなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抽出ステップの温度が0℃〜前記溶媒の還流温度、好ましくは、室温〜前記溶媒の還流温度、さらに好ましくは、前記溶媒の還流温度である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒及び前記ネフロレピス属の植物の重量対体積比が1:1〜1:20、好ましくは、1:2〜1:10、さらに好ましくは、1:3〜1:5である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記抽出を2〜5回行う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記2相抽出に用いられる溶媒が、水と混合しない有機溶媒、及び、水である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水と混合しない有機溶媒を、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、石油エーテル、及び、n−ブタノールからなる群から選択する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記水と混合しない有機溶媒対水の体積比が、1:1〜1:10である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記カラムクロマトグラフィーが、マクロ多孔性樹脂カラムクロマトグラフィー、セファデックスカラムクロマトグラフィー、変更セファデックスカラムクロマトグラフィー、セルロースカラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、又は、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ろ過と乾燥の間に精製を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記精製が、カラムクロマトグラフィーによる精製である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって得られる抽出物。
【請求項14】
糖尿病及びその合併症の治療剤の製造のための請求項13に記載の抽出物又はその医薬的に許可可能な塩の使用。
【請求項15】
前記医薬的に許容可能な塩が、セクオイトールの乳酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記合併症が、眼疾患、腎疾患、神経障害、冠状動脈性心臓病、脳血管疾患、及び、末梢血管障害からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−520926(P2011−520926A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509837(P2011−509837)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/CN2008/071006
【国際公開番号】WO2009/140814
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510300658)グァンジョウ ウェルマン ニュー ドラッグ アール アンド ディー カンパニー、リミテッド (1)
【Fターム(参考)】