説明

ノズル

【課題】単体で広範囲に気泡混合流を噴出することが可能なノズルを提供する。
【解決手段】ノズル31に、圧送されてきたクーラントを内部に供給する液体供給経路81、液体供給経路81から供給されたクーラントを噴射するオリフィス経路82a・82b・82c、エアを内部に供給する気体供給経路83、オリフィス経路82a・82b・82cから噴射されたクーラントと気体供給経路83から供給されたエアとを混合して気泡を含むクーラントを生成する混合室84、および、混合室84において生成された気泡を含むクーラントを外部に噴出する噴出経路85a・85b・85cを形成し、オリフィス経路82a・82b・82cの噴射方向を扇状とし、噴出経路85a・85b・85cの噴出方向を、それぞれオリフィス経路82a・82b・82cの噴射方向と略一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧送されてきた液体に気泡を混合して噴出するノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を所定の容器等に貯溜された液体に浸漬して洗浄することが広く行われており、洗浄効果の向上を目的として、対象物が浸漬された液体を撹拌することも広く行われている。
【0003】
所定の容器等に貯溜された液体を撹拌する方法の一つとして、液体をポンプ等で圧送し、貯溜された所定の容器等に貯溜された液体の内部に液流ノズルの先端から噴出することが知られている。また、洗浄効果を更に向上するために、気泡が混合した(含まれた)液体の流れ、すなわち気泡混合流として噴出することが可能なノズルも提案されている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【特許文献1】特開2003−334469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記液流ノズルは、気泡混合流を生成するものではなく、単体での液流の噴出角度は10度程度である。また、特許文献1に記載のノズルは、単体での気泡混合流の噴出角度が約30度のものが中心であり、広範囲に気泡混合流を噴出することが困難であった。
従って、特許文献1に記載のノズルを用いて所定の容器等に貯溜された液体の広範囲に気泡混合流を行き渡らせようとした場合、当該ノズルを多数設ける必要があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑み、単体(一個)で広範囲に気泡混合流を噴出することが可能なノズルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、
圧送されてきた液体に気泡を混合して噴出するノズルであって、
圧送されてきた液体を前記ノズルの内部に供給する液体供給経路と、
前記液体供給経路から供給された液体を噴射する複数のオリフィス経路と、
気体を前記ノズルの内部に供給する気体供給経路と、
前記オリフィス経路から噴射された液体と前記気体供給経路から供給された気体とを混合して気泡を含む液体を生成する混合室と、
前記混合室において生成された気泡を含む液体を外部に噴出する複数の噴出経路と、
が形成され、
前記複数のオリフィス経路の噴射方向は扇状を成し、前記噴出経路の噴出方向は、対応する前記オリフィス経路の噴射方向と略一致するものである。
【0008】
請求項2においては、
前記噴出経路の開口部を、当該噴出経路の噴出方向に略直交する方向から見て略V字型に凹んだ形状とするものである。
【0009】
請求項3においては、
前記噴出経路の断面積を開口部側端部にて狭めるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
【0012】
請求項2においては、さらに広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
【0013】
請求項3においては、気泡混合流に含まれる気泡を微細化することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、図1を用いて本発明に係るノズルの実施の一形態であるノズル31が適用される分離装置1の構成について説明する。
分離装置1はクーラントから切粉を分離する装置である。
「クーラント」は本発明に係る液体の実施の一形態であり、切粉は固体不純物の一例である。クーラントは加工装置(マシニングセンタや旋盤、研削盤等)の工具(刃物等)と被加工物との接触部位に供給され、当該接触部位の冷却、潤滑および接触部位から発生する切粉の除去を行うものであり、通常は水または油に所定の添加剤を添加したものである。
また、切粉は被加工物と同じ材料からなる固体物であり、被加工物を加工装置により加工(切削、研削等)した結果発生するものである。
本発明に係る「液体」は、水、油、炭化水素、およびこれらの混合物等、一般に知られる液体状の物質を広く指す。
固体不純物は、液体に混入した直径がサブミクロン程度から数ミリ程度の固体物を広く指す。
固体不純物を構成する材料はステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属でも良く、樹脂等の有機物でも良く、石やセラミックス等でも良い。また、固体不純物の形状は限定されず、球状、多面体状、針状あるいはその他の形状でも良い。
【0015】
図1に示す如く、分離装置1は主として第一クーラントタンク10、圧送ポンプ20、噴出部材30、分離槽40、濾過部材50、第二クーラントタンク60等を具備する。
【0016】
第一クーラントタンク10は図示せぬ加工装置から回収された分離前のクーラント、すなわち、切粉が混入したクーラントを一時的に貯溜する容器である。
なお、本実施例の場合、分離前のクーラントは予めドラムフィルターを通すことにより100μm以上の大きさの切粉が分離除去されている。
【0017】
圧送ポンプ20は第一クーラントタンク10に一時的に貯溜された分離前のクーラントを分離槽40に圧送するものである。
圧送ポンプ20は水や油等を圧送する市販のポンプで達成することが可能である。
【0018】
圧送ポンプ20は圧送配管21の中途部に設けられる。圧送配管21の一端は第一クーラントタンク10に挿入されて第一クーラントタンク10の底部に配置され、圧送配管21の他端は分離槽40に挿入されて分離槽40の底部に配置される(より厳密には、分離槽40の貯溜部42の底部に配置される)。
なお、圧送配管21の一端を図示せぬ加工装置のクーラントタンクに挿入することにより、図示せぬ加工装置のクーラントタンクから直接分離前のクーラントを圧送する構成とし、第一クーラントタンク10を省略することも可能である。
【0019】
噴出部材30は主としてノズル31、エア供給管32、開閉弁33等を具備する。
【0020】
ノズル31は本発明に係るノズルの実施の一形態であり、圧送ポンプ20により圧送されてきたクーラントに気泡を混合して噴出するためのノズルである。ノズル31の根元部は圧送配管21の他端(分離槽40に挿入されている方の端部)に連通接続され、ノズル31の先端部は開口している。ノズル31の詳細構成については後述する。
【0021】
なお、本発明に係るノズルは、本実施例の分離装置1に適用されるノズル31の如くクーラントから切粉を分離する用途に限定されず、広範囲に気泡混合流を噴出する用途に広く適用可能である。
【0022】
エア供給管32は管状の部材であり、その一端であるノズル側端部32aはノズル31に連通され、他端である開放側端部32bは大気中に開放される。
【0023】
開閉弁33はエア供給管32の中途部に設けられ、エア供給管32の中途部を開いた状態(連通可能な状態)または閉じた状態(遮断された状態)のいずれかに切り替える弁である。開閉弁33は通常の分離作業時には開いた状態とし、分離作業の準備段階では閉じた状態とする。
【0024】
圧送ポンプ20を駆動すると、第一クーラントタンク10に貯溜された分離前のクーラントは圧送配管21を通ってノズル31に到達し、ノズル31の内部を通過して先端部から分離槽40の内部(より厳密には、分離槽40の貯溜部42)に噴出される。
このとき、開閉弁33を開いた状態とすると、ノズル31の内部を通過する分離前のクーラントによりエア供給管32の内部に負圧が発生し、エア供給管32からノズル31の内部にエアが供給される(引き込まれる)。
その結果、ノズル31の先端部から噴出される分離前のクーラントには、エア供給管32からノズル31の内部に供給されたエアに由来する気泡が多数混合されることとなる。
【0025】
一方、開閉弁33を閉じた状態とすると、ノズル31の内部が真空となり、後述する貯溜部42からクーラントを吸い込む圧力と圧送配管21からクーラントを吐出する圧力とのバランスがとれ、ノズル31からのクーラントの吐出を止めることが可能である。
【0026】
なお、本実施例の場合はノズル31の内部を通過する分離前のクーラントにより発生する負圧を利用してノズル31の先端部から噴出される分離前のクーラントに気泡を混合する構成としたが、他の方法により液体に気泡を混合しても略同様の効果を奏する。
例えば、エアポンプでエアをノズルの内部またはノズルの先端部近傍に圧送することにより、ノズルの先端部から噴出される分離前のクーラントに気泡を混合する構成としても略同様の効果を奏する。
また、本実施例ではエア供給管32をノズル31に連通される構成としたが、これに限定されず、エア供給管32を圧送配管21の中途部に接続することによりノズル31の先端部から噴出される分離前のクーラントに気泡を混合する構成としても良い。
【0027】
分離槽40は分離前のクーラントを貯溜する容器である。分離槽40の内部は仕切壁41により貯溜部42と回収部43の二つの空間に区画される。
【0028】
貯溜部42は分離槽40の内部に形成された空間のうち、分離前のクーラントを貯溜する空間である。
貯溜部42において仕切壁41に対向する壁面である内壁面42aの下部には傾斜面44aを形成するための下部傾斜板44が設けられるとともに、内壁面42aの上部には傾斜面45aを形成するための上部傾斜板45が設けられる。
噴出部材30のノズル31は貯溜部42の底部近傍に配置され、ノズル31の先端部を仕切壁41に対向する下部傾斜板44の傾斜面44aに向けた状態で固定される。
【0029】
噴出部材30のノズル31が分離前のクーラントを傾斜面44aに向かって略水平方向に噴出すると、噴出部材30から噴射されたクーラントは、貯溜部42に貯溜されたクーラントの内部に傾斜面44aおよび内壁面42aに沿って進む上昇流を形成する。
そして、分離前のクーラントはさらに傾斜面45aに沿って進み、貯溜部42に貯溜されている分離前のクーラントの液面に沿って仕切壁41に向かう流れを形成し、その一部(液面近傍の部分)は仕切壁41の上を越えて回収部43にオーバーフローする。
このとき、噴出部材30のノズル31が噴出する分離前のクーラントには気泡が多数混合されているため、傾斜面44aおよび内壁面42aに沿って進む上昇流、および傾斜面45aから貯溜部42に貯溜されている分離前のクーラントの液面に沿って仕切壁41に向かう流れには、多数の気泡が含まれている。そして、当該多数の気泡は表面張力によりクーラントに混入している切粉と結びついた状態となっている。
従って、噴出部材30のノズル31から噴出された分離前のクーラントに混入している切粉の大部分は、貯溜部42の底部に沈殿することなく気泡とともに貯溜部42から回収部43にオーバーフローすることとなる。
なお、仕切壁41の回収部43側の壁面に沿って網カゴ43aを設けることも可能である。第一クーラントタンク10に貯溜される分離前のクーラントから100μm以上の大きさの切粉を除去するためのドラムフィルターが破損した場合、100μm以上の大きさの切粉が網カゴ43aにトラップされるので、網カゴ43aに100μm以上の大きさの切粉がトラップされるか否かを監視することにより当該ドラムフィルターの破損の有無を容易に確認することが可能である。
さらに、分離槽40の側壁面において網カゴ43aに対向する位置にフランジを形成し、透明なガラスを設けて覗き窓43bとすることにより、網カゴ43aに切粉がトラップされているか否かを容易に視認することが可能である。
【0030】
なお、本実施例では、分離槽40の貯溜部42の内壁面42aの下部に下部傾斜板44を設けて傾斜面44aを形成し、噴出部材30のノズル31から傾斜面44aに向かって略水平方向にクーラントを噴出する構成としたが、分離装置はこれに限定されず、噴出部材から分離槽の内壁面に向かって斜め上方にクーラントを噴出する構成としても分離槽の内部に気泡を含む上昇流を形成することが可能である。また、傾斜面の形状は本実施例の傾斜面44aの如く平面に限定されず、曲面でも良い。例えば、傾斜面44aの形状を分離槽40の底面から内壁面42aにかけて滑らかに接続するR形状としても良い。同様に、傾斜面45aの形状を分離槽40の内壁面42aから分離槽40の貯溜部42に貯溜されたクーラントの液面にかけて接続するR形状としても良い。
【0031】
また、噴出部材30(ノズル31)から噴出されるクーラントに混合される気泡の大きさは、クーラントに混入している切粉の大きさやその分布(粒度分布)に応じて適宜選択することが望ましい。
本実施例の場合、十μm以上の大きさの切粉を回収部43にオーバーフローすることを想定しており、気泡の大きさは回収部43にオーバーフローする切粉の大きさの下限値(十μm)よりやや大きい数十μm程度としている。
【0032】
圧送ポンプ20により圧送され、噴出部材30により噴出されて分離槽40の貯溜部42に貯溜されたクーラントのうち、回収部43にオーバーフローしない残りのクーラントは、仕切壁41の内部に形成された沈殿経路46を通過した後、分離槽40の下部(本実施例の場合、より厳密には分離槽40の底面)に設けられた排出口47から排出される。排出口47から排出されるクーラントに混入している切粉の量は、切粉の大部分が回収部43にオーバーフローしたクーラントに集中するため、分離前のクーラントに比べて大きく減少している。
沈殿経路46の導入口46aは貯溜部42の底部に設けられ、沈殿経路46の中途部は最も高いところで貯溜部42の液面近傍まで到達し、排出口47は分離槽40の底面に設けられる。そのため、貯溜部42に貯溜されたクーラントに混入している切粉の一部は沈殿経路46を通過する過程で沈殿し、クーラントから更に分離される。
沈殿経路46の中途部にはエア抜き配管48の一端が連通接続され、エア抜き配管48の他端は大気中に開放することにより、排出口47からクーラントが排出され続け、貯溜部42の液面が低下すること(サイフォン現象)を防止している。
なお、仕切壁41の上面と沈殿経路46とを連通する孔を設けることにより貯溜部42の液面が低下すること(サイフォン現象)を防止し、エア抜き配管48を省略しても良い。
【0033】
また、仕切壁41の貯溜部42側の壁面41aには、噴出部材30のノズル31に向かって下方に傾斜する回収面49aを形成するための回収板49が設けられる。
クーラントに混入している切粉のうち、気泡とともに回収部43にオーバーフローされずに貯溜部42の底に向かって沈殿しようとする切粉は回収面49aに沿って滑落し、ノズル31の先端部の近傍に移動するので、ノズル31の先端部から噴出されるクーラントの流れ(上昇流)に再び乗り、いずれは気泡とともに確実に回収部43にオーバーフローされることとなる。
なお、回収面の傾斜角度は切粉の性状等に応じて適宜調整することが望ましく、回収面の形状は本実施例の回収面49aの如く平面に限定されず、曲面でも良い。
【0034】
なお、本実施例では、分離槽40の上面は大きく開口し、大気中に開放されているが、分離槽40の上面に蓋を設けても略同様の効果を奏する。ただし、分離槽40の上面に蓋を設ける場合には、当該蓋に外部と連通する通気口を設ける等することにより、分離槽40に貯溜されたクーラントの液面に臨む空間が外部と連通された(分離槽40の上面が開口している場合と同様に、圧送ポンプ20により分離槽40に貯溜されたクーラントが加圧されることがない)状態とすることが、圧送ポンプ20の負荷を小さくする観点から望ましい。
また、本実施例では、分離槽40の貯溜部42の内部に下部傾斜板44、上部傾斜板45および回収板49を設けることにより、それぞれ傾斜面44a、傾斜面45aおよび回収面49aを形成する構成としたが、これに限定されず、分離槽の壁面自体を傾斜した形状とすることにより傾斜面および回収面を形成する構成としても略同様の効果を奏する。
【0035】
本実施例では、図1に示す如く分離槽40の貯溜部42の噴出方向の長さを750mm、ノズル31の先端部から貯溜部42の内壁面42aまでの噴出方向の長さを300mm、貯溜部42に貯溜されるクーラントの深さを350mm、分離槽40の奥行き(図1の紙面に垂直な方向における分離槽40の幅)を350mmとしたが、これに限定されず、ノズル31からのクーラントの噴出圧や噴出量等に応じて適宜変更可能である。
なお、分離槽40の奥行きを大きくした場合は、分離槽40の広範囲にクーラントの気泡混合流が行き渡るように、ノズル31を複数設けることが望ましい。
また、圧送配管21の中途部を分離槽40に固定する部材にノズル31の噴出方向に延びた長孔を設けておき、当該長孔にボルトを貫装して分離槽40に締結する等して、圧送配管21の中途部を分離槽40に固定する部材をノズル31の噴出方向に摺動可能とすることにより、ノズル31の先端部から貯溜部42の内壁面42aまでの噴出方向の長さを容易に変更することができる。
【0036】
濾過部材50は分離槽40からオーバーフローした気泡を含むクーラント(より厳密には、分離槽40の貯溜部42から回収部43にオーバーフローした気泡を含むクーラント)から切粉を濾過するものである。濾過部材50は本体51、フィルター52等を具備する。
【0037】
本体51は濾過部材50の主たる構造体を成す容器であり、その内部にフィルター52を収容する。本実施例の本体51は略円筒形状の部材であり、その上端面および下端面にそれぞれ導入口51aおよび排出口51bが設けられる。
【0038】
フィルター52は本体51の内部に充填される繊維状物または網目状物であり、クーラントがこれを通過することにより所定の大きさ以上の切粉がトラップされ、クーラントから分離される。本実施例のフィルター52は樹脂からなる網目状物であり、そのメッシュは10μm程度である。
【0039】
なお、本体51の一部または全部を透明な材料(樹脂やガラス等)で構成することにより、濾過部材50を分解することなく本体51の内部に充填されたフィルター52の目詰まりや破損の状況を確認することが可能であり、ひいてはフィルター52の交換時期を的確に把握することが可能である。
【0040】
配管53はその一端が分離槽40の回収部43に連通接続され、他端が本体51の導入口51aに連通接続される配管である。
配管54はその一端が本体51の排出口51bに連通接続され、他端が第二クーラントタンク60に挿入された配管である。
配管55はその一端が分離槽40の排出口47に連通接続され、他端が第二クーラントタンク60に挿入された配管である。
【0041】
第二クーラントタンク60は分離装置1により切粉が分離されたクーラントを回収するための容器である。
【0042】
分離槽40からオーバーフローした気泡を含むクーラント(より厳密には、分離槽40の貯溜部42から回収部43にオーバーフローした気泡を含むクーラント)は、配管53を経て濾過部材50の本体51の内部に供給され、フィルター52を通過する過程で切粉が濾過された後、配管54を経て第二クーラントタンク60に回収される。
また、分離槽40からオーバーフローされずに排出口47から排出されたクーラントは、配管55を経て第二クーラントタンク60に回収される。
【0043】
なお、本実施例の濾過部材50の如くフィルター方式に限定されず、いわゆるサイクロン方式およびマグネット方式およびこれらを組み合わせた方式の濾過部材を用いることも可能である。
また、配管54の他端および配管54の他端を図示せぬ加工装置のクーラントタンクに挿入することにより、切粉を分離した後のクーラントを図示せぬ加工装置のクーラントタンクに直接戻す構成とし、第二クーラントタンク60を省略することも可能である。
【0044】
また、本実施例では配管55の直径(内径)および配管53の直径(内径)を適宜選択することにより、(A)分離槽40からオーバーフローしたクーラントの量、および(B)分離槽40からオーバーフローされずに排出口47から排出されたクーラントの量の比率を、(A):(B)=1:9となるように調整する構成としているが、配管55および配管53の中途部にそれぞれ流量調整弁を設け、これらの流量調整弁の開度を適宜変更することにより調整する構成としても良い。
なお、沈殿経路46の中途部において最も高くなる位置である端部46bの高さを調整可能な構成とし、端部46bの高さを調整することにより(A)分離槽40からオーバーフローしたクーラントの量、および(B)分離槽40からオーバーフローされずに排出口47から排出されたクーラントの量の比率を調整する構成としても良い。
(A)分離槽40からオーバーフローしたクーラントの量および(B)分離槽40からオーバーフローされずに排出口47から排出されたクーラントの量の比率は、本実施例の如く(A):(B)=1:9に限定されず、クーラントおよび切粉の性状、あるいは分離装置1による単位時間あたりのクーラントの処理量等に応じて適宜選択される。
【0045】
また、本実施例では、分離槽40からオーバーフローしたクーラントが自重により配管53、濾過部材50、配管54を経て第二クーラントタンク60に回収される構成としているが、濾過部材50の圧力損失との関係によっては分離槽40からオーバーフローしたクーラントの処理量を十分に確保することが困難な場合も起こり得る。
このような場合には、配管53の中途部にポンプを追加的に設け、該ポンプを駆動して分離槽40からオーバーフローしたクーラントを濾過部材50に圧送する構成とすることも可能である。
なお、該ポンプの破損(クーラントが無い状態での空運転)を防止するために、回収部43に回収されたクーラントの液面の位置(水位)を検出するための検出手段(センサ等)を設け、回収部43に回収されたクーラントの液面が所定の上限位置から下限位置までの範囲にあるときに当該圧送ポンプを駆動する構成とすることがより好ましい。
【0046】
また、本実施例ではまず分離前のクーラントを第一クーラントタンク10に貯溜し、第一クーラントタンク10に貯溜された分離前のクーラントを圧送ポンプ20で分離槽40に圧送する構成としたが、これに限定されず、圧送配管21の吸入側の端部を分離槽40の貯溜部42に挿入し、貯溜部42の内部に貯溜された分離前のクーラントを圧送ポンプ20で圧送して噴出部材30のノズル31の先端部から貯溜部42の内部に噴出し、分離槽40への分離前のクーラントの供給は別のポンプ等を用いて行う構成も本発明に含まれる。
【0047】
以上の如く、切粉が混入したクーラントに気泡を混合して、クーラントが貯溜された分離槽40の内部に噴出することにより、分離槽40に貯溜されたクーラントに気泡を含む上昇流を形成し、分離槽40から気泡を含むクーラントをオーバーフローして濾過することにより、クーラントから切粉を分離することにより、気泡を利用してクーラントに混入する切粉の大部分を分離槽40からオーバーフローする一部のクーラントに集中させることが可能であり、従来のフィルター方式の分離方法の如く処理対象となるクーラントが全てフィルターを通過する場合に比べて、濾過に供するクーラントの量を少なくすることが可能である。
従って、クーラントから小さい(本実施例の場合、10μm程度の)切粉を確実に(効率良く)分離しつつ、全体としての処理能力(単位時間あたりのクーラントの処理量)を大きくすることが可能である。
また、本実施例の場合、圧送ポンプ20は、従来のフィルター方式の分離方法の如く圧力損失の大きいフィルターに直接クーラントを圧送するのではなく、大気に開放された分離槽40にクーラントを圧送するため、圧送時の圧力が大きい高価なポンプを圧送ポンプ20として使用する必要が無く、設備コストの削減に寄与する。また、圧送ポンプ20の圧送時の圧力を小さくすることにより、クーラントから切粉を分離する作業の省エネルギー化に寄与する。
【0048】
また、分離装置1を、切粉が混入したクーラントを圧送する圧送ポンプ20と、圧送ポンプ20により圧送されたクーラントに気泡を混合して噴出する噴出部材30と、クーラントを貯溜する分離槽40と、クーラントから切粉を濾過する濾過部材50と、を具備し、噴出部材30を分離槽40の内部(より厳密には、貯溜部42の内部)に配置し、噴出部材30が噴出するクーラントにより分離槽40に貯溜されたクーラントに気泡を含む上昇流を形成するとともに、分離槽40に貯溜されたクーラントのうち、分離槽40から気泡を含むクーラントをオーバーフローして濾過部材50に供給し、分離槽40からオーバーフローしない残りのクーラントを分離槽40に設けた排出口47より排出する構成とすることにより、気泡を利用してクーラントに混入する切粉の大部分を分離槽40からオーバーフローする一部のクーラントに集中させることが可能であり、従来のフィルター方式の分離装置の如く処理対象となるクーラントが全てフィルターを通過する場合に比べて、濾過に供するクーラントの量を少なくすることが可能である。
従って、クーラントから小さい(本実施例の場合、10μm程度の)切粉を確実に(効率良く)分離しつつ、全体としての処理能力(単位時間あたりのクーラントの処理量)を大きくすることが可能である。
また、本実施例の場合、圧送ポンプ20は、従来のフィルター方式の分離装置の如く圧力損失の大きいフィルターに直接クーラントを圧送するのではなく、大気に開放された分離槽40にクーラントを圧送するため、圧送時の圧力が大きい高価なポンプを圧送ポンプ20として使用する必要が無く、設備コストの削減に寄与する。また、圧送ポンプ20の圧送時の圧力を小さくすることにより、クーラントから切粉を分離する作業の省エネルギー化に寄与する。
【0049】
また、分離装置1の噴出部材30を、圧送ポンプ20が圧送したクーラントを噴出するノズル31と、一端がノズル31の中途部に連通し、他端が大気中に開放されたエア供給管32と、を具備する構成とすることにより、ノズル31を通過するクーラントにより発生する負圧を利用して、モータやポンプ等の専用の駆動源を用いることなくクーラントに気泡を混合することが可能であり、分離装置1の簡素化、省エネルギー化、設備コストの削減に寄与する。
【0050】
また、分離装置1の分離槽40は内壁面42aの下部に傾斜面44aを有し、分離装置1の噴出部材30は、傾斜面44aに向かって略水平方向にクーラントを噴出する構成とすることにより、簡単な構成で容易に分離槽40(より厳密には、分離槽40の貯溜部42)に貯溜されたクーラントに上昇流を形成することが可能である。
【0051】
また、分離装置1の分離槽40が、貯溜部42に貯溜されたクーラントがオーバーフローする位置である仕切壁41の貯溜部42側の壁面41aから噴出部材30のノズル31、すなわち気泡が混合されたクーラントが噴出される位置、に向かって傾斜する回収面49aを有する構成とすることにより、切粉をより確実に分離槽40から(より厳密には、貯溜部42から回収部43に)オーバーフローすることが可能である。
【0052】
以下では、図2、図3および図4を用いて本発明に係るノズルの実施の一形態であるノズル31の詳細について説明する。なお、以下の説明では図2および図3中の矢印Aの方向を「前方」と定義する。
ノズル31は本体部材71、オリフィス部材72、アダプタ部材73等を具備する。
【0053】
本体部材71はノズル31を構成する部材の一つであり、ノズル31の主たる構造体である。本体部材71には気体供給経路83、混合室84および噴出経路85a・85b・85cが形成される。
【0054】
オリフィス部材72はノズル31を構成する部材の一つであり、オリフィス部材72にはオリフィス経路82a・82b・82cが形成される。
【0055】
アダプタ部材73はノズル31を構成する部材の一つであり、オリフィス部材72には液体供給経路81が形成される。アダプタ部材73の側面にはネジ73aが形成されており、本体部材71の後端部に螺合する。その結果、アダプタ部材73は、オリフィス部材72を混合室84に臨む位置に押し当てつつ本体部材71に固定される。
【0056】
液体供給経路81は本発明に係る液体供給経路の実施の一形態であり、圧送配管21により圧送されてきたクーラントをノズル31の内部に供給するための経路である。
液体供給経路81の一端はアダプタ部材73の後端面に開口しており、圧送配管21の他端(分離槽40に挿入されている方の端部)に連通接続される。
液体供給経路81の他端はアダプタ部材73の前端面に開口している。
【0057】
オリフィス経路82a・82b・82cは本発明に係る複数のオリフィス経路の実施の一形態であり、液体供給経路81から供給されたクーラントを混合室84に噴射するための経路である。
オリフィス経路82a・82b・82cの一端は合流してオリフィス部材72の後端面、すなわちアダプタ部材73の前端面に臨む面に開口し、オリフィス経路82a・82b・82cは液体供給経路81に連通接続される。
オリフィス経路82a・82b・82cの他端はオリフィス部材72の前端面、すなわち混合室84に臨む面に開口する。
オリフィス経路82a・82b・82cの断面積は、合計しても液体供給経路81の断面積よりも小さい。従って、液体供給経路81から供給されたクーラントはオリフィス経路82a・82b・82cを通過するときに絞られ、流速が増した状態で混合室84に噴射される。
本実施例の場合、オリフィス経路82a・82b・82cの長手方向、すなわちオリフィス経路82a・82b・82cからそれぞれクーラントが噴射される方向(噴射方向)は扇状となっている。言い換えれば、複数のオリフィス経路が所定の平面(本実施例の場合、水平面)上または所定の平面に近い位置に配置され、かつ、当該所定の平面から略直交する方向から見て、複数のオリフィス経路が上流側から下流側(噴射側)に向かって拡がるように配置されている。
【0058】
気体供給経路83は本発明に係る気体供給経路の実施の一形態であり、ノズル31の内部に気体(本実施例の場合、エア)を供給するための経路である。
気体供給経路83の一端は本体部材71の上部にて開口し、他端は混合室84と連通している。気体供給経路83の一端はエア供給管32のノズル側端部32aに連通接続される。
【0059】
混合室84は本発明に係る混合室の実施の一形態であり、オリフィス経路82a・82b・82cから噴射されたクーラントと気体供給経路83から供給されたエアとを混合して気泡を含むクーラントを生成するための空間である。
オリフィス経路82a・82b・82cからクーラントが混合室84に噴射されると、エア供給管32の内部に負圧が発生し、エア供給管32から気体供給経路83を経て混合室84にエアが供給される(引き込まれる)。
その結果、混合室84に噴射されるクーラントの勢いで混合室84に供給されたエアは気泡と化し、気泡を含むクーラントが生成される。
【0060】
噴出経路85a・85b・85cは本発明に係る複数の噴出経路の実施の一形態であり、混合室84において生成された気泡を含むクーラントを外部に噴出するための経路である。
噴出経路85a・85b・85cの一端は混合室84に連通接続され、他端は本体部材71の前端部に開口する。噴出経路85aの開口部86a、噴出経路85bの開口部86bおよび噴出経路85cの開口部86cは、それぞれ本体部材71の前端部に所定の間隔を空けて配置される。
混合室84において生成された気泡を含むクーラントは、噴出経路85a・85b・85cを通過して、気泡混合流として開口部86a、開口部86bおよび開口部86cからそれぞれ噴出される。
【0061】
噴出経路85a・85b・85cは、その断面積が開口部側端部87a・87b・87cにて狭まっている。従って、気泡混合流に含まれる気泡は、開口部86a、開口部86bおよび開口部86cから外部に噴出される前に開口部86a、開口部86bおよび開口部86cの中心側に一度集まり、その後噴出されることととなる。
【0062】
図3に示す如く、噴出経路85a・85b・85cの長手方向、すなわち噴出経路85a・85b・85cが気泡を含むクーラントを噴出する方向(噴出方向)は、それぞれ対応するオリフィス経路82a・82b・82cが混合室84にクーラントを噴射する方向(噴射方向)と略一致する。言い換えれば、オリフィス経路82aと噴出経路85a、オリフィス経路82bと噴出経路85b、オリフィス経路82cと噴出経路85cは、それぞれ略同一直線上に配置される。
このように構成することにより、ノズル31の開口部86a、開口部86bおよび開口部86cからそれぞれ噴出される三つの気泡混合流も扇状となり、ノズル31単体で広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
本実施例の場合、図3に示す如く、平面視で最も右側に配置されるオリフィス経路82bと最も左側に配置されるオリフィス経路82cとの成す角度θは30度であるため、ノズル31は従来のノズル(単体での気泡混合流の噴出角度は約10度)に比べて広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
なお、オリフィス経路が他のオリフィス経路と成す角度については特に限定されず、用途に応じて適宜選択することが可能である。
また、オリフィス経路82aと噴出経路85a、オリフィス経路82bと噴出経路85b、オリフィス経路82cと噴出経路85cは、それぞれ略同一直線上に配置されることにより、気泡混合流の勢いが混合室84から開口部86a、開口部86bおよび開口部86cまでの間で弱められることが無く、ノズル31から気泡混合流を勢いよく噴出することが可能である。
【0063】
なお、本実施例ではノズル31に三つのオリフィス経路82a・82b・82cおよびこれらにそれぞれ対応する三つの噴出経路85a・85b・85cを形成したが、本発明に係るノズルはこれに限定されず、本発明に係るノズルに二つまたは四つ以上のオリフィス経路およびこれらにそれぞれ対応する二つまたは四つ以上の噴出経路を形成しても良い。
オリフィス経路およびこれらにそれぞれ対応する噴出経路の数については、どの程度の範囲に気泡混合流を噴出するかに応じて適宜選択することが可能である。
【0064】
また、本実施例ではノズル31に形成された噴出経路85a・85b・85cは互いに独立している(途中で合流したりすることがない)が、本発明に係るノズルはこれに限定されず、複数の噴出経路が、対応するオリフィス経路の噴射方向と略一致する状態を保持しつつ、中途部で他のオリフィス経路と合流しても良い。
複数の噴出経路を互いに独立とするか中途部で他の噴出経路と合流させるかは、ノズルの用途、噴出される液体の性質、噴出圧力、求められる気泡の大きさ等に応じて適宜選択することが可能である。
【0065】
本体部材71の前端部には側面視略V字型の溝71aが形成され、開口部86a、開口部86bおよび開口部86cはいずれも溝71aに重なる位置に設けられている。
従って、噴出経路85aの開口部86a、噴出経路85bの開口部86bおよび噴出経路85cの開口部86cの形状は側面視、より厳密には、気泡混合流の噴出方向に略垂直な方向から見て略V字型に凹んだ形状である。
このように構成することにより、噴出経路85a・85b・85cからそれぞれ噴出される気泡混合流の有する噴出角度φ(図3参照)も大きくなる。本実施例の場合、噴出経路85a・85b・85cの噴出角度φは約25度であり、従来のノズル(単体での気泡混合流の噴出角度は約10度)に比べてさらに広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
また、各噴出経路の有する噴出角度φが大きくなることにより、オリフィス経路および噴出経路の数を減らしても広範囲に気泡混合流を噴出することが可能となり、ノズルの製造工数(加工工数)の削減に寄与する。
なお、気泡混合流の噴出圧力やV字型の溝を成す二つの面の成す角度ψ(図2参照)を変更することにより、一個の噴出経路から噴出される気泡混合流の有する噴出角度φを調整することが可能である。
【0066】
本実施例のノズル31は本体部材71、オリフィス部材72およびアダプタ部材73の三つの部材を具備する構成としたが、本発明に係るノズルはこれに限定されず、一体的に形成されたものであっても良く、複数の部材を具備するものであっても良い。
【0067】
以上の如く、ノズル31は、
圧送されてきたクーラントに気泡を混合して噴出するノズルであって、
圧送されてきたクーラントをノズル31の内部に供給する液体供給経路81と、
液体供給経路81から供給されたクーラントを噴射するオリフィス経路82a・82b・82cと、
エアをノズル31に供給する気体供給経路83と、
オリフィス経路82a・82b・82cから噴射されたクーラントと気体供給経路83から供給されたエアとを混合して気泡を含むクーラントを生成する混合室84と、
混合室84において生成された気泡を含むクーラントを外部に噴出する噴出経路85a・85b・85cと、
が形成され、
オリフィス経路82a・82b・82cの噴射方向は扇状を成し、
噴出経路85a・85b・85cの噴出方向は、対応するオリフィス経路82a・82b・82cの噴射方向と略一致するものである。
このように構成することにより、広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
【0068】
また、ノズル31は、
噴出経路85aの開口部86aを、噴出経路85aの噴出方向に略直交する方向から見て(本実施例の場合略側面視)略V字型に凹んだ形状とし、噴出経路85bの開口部86bを、噴出経路85bの噴出方向に略直交する方向から見て(本実施例の場合略側面視)略V字型に凹んだ形状とし、噴出経路85cの開口部86cを、噴出経路85cの噴出方向に略直交する方向から見て(本実施例の場合略側面視)略V字型に凹んだ形状とするものである。
このように構成することにより、噴出経路85a・85b・85cのそれぞれから噴出される気泡混合流の噴出角度φを大きくすることが可能であり、さらに広範囲に気泡混合流を噴出することが可能である。
【0069】
また、ノズル31は、
噴出経路85a・85b・85cの断面積を開口部側端部87a・87b・87cにて狭めるものである。
このように構成することにより、混合室84に供給されたエアが噴出経路85a・85b・85cの開口部86a・86b・86cの中心側に集められるためオリフィス経路82a・82b・82cから噴射されたクーラントとの衝突が頻繁となり、微細な気泡を形成することが容易となる。結果として、気泡混合流に含まれる気泡を微細化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係るノズルの実施の一形態が適用される分離装置を示す模式図。
【図2】本発明に係るノズルの実施の一形態の側面断面図。
【図3】本発明に係るノズルの実施の一形態の平面断面図。
【図4】本発明に係るノズルの実施の一形態の正面図。
【符号の説明】
【0071】
1 分離装置
31 ノズル
81 液体供給経路
82a・82b・82c オリフィス経路
83 気体供給経路
84 混合室
85a・85b・85c 噴出経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送されてきた液体に気泡を混合して噴出するノズルであって、
圧送されてきた液体を前記ノズルの内部に供給する液体供給経路と、
前記液体供給経路から供給された液体を噴射する複数のオリフィス経路と、
気体を前記ノズルの内部に供給する気体供給経路と、
前記オリフィス経路から噴射された液体と前記気体供給経路から供給された気体とを混合して気泡を含む液体を生成する混合室と、
前記混合室において生成された気泡を含む液体を外部に噴出する複数の噴出経路と、
が形成され、
前記複数のオリフィス経路の噴射方向は扇状を成し、
前記噴出経路の噴出方向は、対応する前記オリフィス経路の噴射方向と略一致することを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記噴出経路の開口部を、当該噴出経路の噴出方向に略直交する方向から見て略V字型に凹んだ形状とすることを特徴とする請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記噴出経路の断面積を開口部側端部にて狭めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のノズル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−144377(P2007−144377A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346230(P2005−346230)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000107767)スプレーイングシステムスジャパン株式会社 (17)
【Fターム(参考)】