説明

ノボラック型フェノール樹脂およびその製造方法

【課題】本発明は、m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールとホルムアルデヒドを縮合させる反応において、収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたノボラック型フェノール樹脂およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)アルデヒド類とを(C)酸触媒の存在下、酸性下において反応させて(D)ノボラック型フェノール樹脂とし、次に前記(D)ノボラック型フェノール樹脂に(B)アルデヒド類と(E)塩基性触媒を添加してアルカリ性下において反応させることにより、(F)レゾール型フェノール樹脂としたのち、さらに(C)酸触媒を添加して酸性下において反応し、(G)ノボラック型フェノール樹脂を得る(G)ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)アルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、混合クレゾールを基準とした収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたノボラック型フェノール樹脂およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレゾールは置換基によって反応速度が大いに異なることは古くから知られている。メチル基をパラ位に有するp−クレゾールが2官能性であるのに対し、メタ位に有するm−クレゾールは3官能性であり、なおかつメチル基の電子供与性によって、オルト、パラ位の電子密度が大となって反応の進行が極めて速い。Sprung(J.Am.Chem.Soc.,63.334(1941))によれば、ホルムアルデヒドとの反応では、m−クレゾールがp−クレゾールよりも反応速度が8倍速いと報告されている。
【0003】
従来からフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂用原料として、m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールが使用されてきた(特許文献1参照)。製造法としては、原料である混合クレゾール、ホルムアルデヒド、蓚酸を仕込み、水還流条件下で反応進行させ、最後には200℃付近まで昇温して釜内に残留している水、ホルムアルデヒド、蓚酸、未反応のクレゾールを除去するという極めて簡便な製造方法である。本方法は、収率が低く、かつ、上述の通り、m−クレゾールの反応速度が圧倒的に速いがゆえに、合成した共縮合物中の残存する未反応p−クレゾールが10%以上という問題があり、混合クレゾールを基準とした収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたフェノール樹脂を工業的に有利に製造する方法の開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開平5−19465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールとホルムアルデヒドを縮合させる反応において、収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたノボラック型フェノール樹脂およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、

1)(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)アルデヒド類とを(C)酸触媒の存在下、酸性下において反応させて(D)ノボラック型フェノール樹脂とし、
2)次に前記(D)ノボラック型フェノール樹脂に(B)アルデヒド類と(E)塩基性触媒を添加してアルカリ性下において反応させることにより、(F)レゾール型フェノール樹脂としたのち、
3)さらに(C)酸触媒を添加して酸性下において反応し、(G)ノボラック型フェノール樹脂とすることにより、収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたノボラック型フェノール樹脂が工業的に有利に製造できることを見い出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法により、収率が良好でかつ、未反応p−クレゾールの低減されたノボラック型フェノール樹脂を工業的に有利に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明のノボラック型フェノール樹脂およびその製造方法を詳細に説明する。

まず、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法について説明する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールとしては、m−クレゾールとp−クレゾールを含有する混合物やm−クレゾールとp−クレゾールを任意の割合に混合したものなどを用いることができる。
【0009】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾール中のm−クレゾールの割合は、通常、10〜90重量%であり、好ましくは25〜75重量%である。また、p−クレゾールの割合は、通常、10〜90重量%であり、好ましくは25〜75重量%である。また、m−クレゾールとp−クレゾールを上記比率で混合使用することもできる。
【0010】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法におけるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド(水溶液であるホルマリンを含む)、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。中でも反応速度の観点から、特にホルムアルデヒドが好適に用いられる。 ホルムアルデヒド類の使用量は、特に制限されないが、(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る反応において、好ましくは、前記混合クレゾールに対するモル比が0.9以下で、かつ、混合クレゾール中のm−クレゾールに対するモル比で、0.7〜2.5、より好ましくは、1.0〜2.0、さらに好ましくは、1.0〜1.5であり、(D)ノボラック型フェノール樹脂から(G)レゾール型フェノール樹脂を得る反応においては、好ましくは、混合クレゾールに対するモル比が0.4以下で、かつ、混合クレゾール中のp−クレゾールに対するモル比で0.03〜1.5、より好ましくは、0.05〜1.0、さらに好ましくは、0.1〜0.5である。m−クレゾールに対するモル比で、0.7を下回る条件で反応を行ったものは、収率が低下する傾向があり、一方、混合クレゾールに対するモル比が0.9より多い場合はゲル化する場合がある。
【0011】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における(C)酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。酸触媒の使用量は、(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾール1モル当たり、通常、1×10−5〜1モルであり、1×10−4〜1×10−2モルが好ましい。(C)酸触媒のモル比が1×10−5より少ない場合は、触媒としての効果が充分に現れない場合がある。一方、(C)酸触媒のモル比が1モルより多い場合は、ゲル化する場合がある。
【0012】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)アルデヒド類とを(C)酸触媒の存在下、酸性下で反応させて(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る際の反応は、溶媒中で行うのが好ましい。反応溶媒としては、水単独のほか、水と共沸し、かつ水から容易に分液できる有機溶媒の併用も可能であり、かかる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらのうち水単独が好ましい。
【0013】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る際の反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜調整されるが、通常、10〜200℃、好ましくは50〜150℃である。反応時間は、通常0.5〜4時間、好ましくは1〜3時間である。
【0014】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において得られた(D)ノボラック型フェノール樹脂に(E)塩基性触媒を添加し、アルカリ性下でさらに(B)アルデヒド類を添加して反応させることにより、(F)レゾール型フェノール樹脂を得る。
【0015】
本発明のレゾール型フェノール樹脂の製造方法において用いられる(E)塩基性触媒は特に限定されるものではなく、通常のレゾール型縮合物を製造する際に用いられるアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩等を用いることができる。アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、アンモニア、アミンアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。(E)塩基性触媒の使用量は、(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾール1モル当たり、通常、1×10−4〜1モルであり、1×10−3〜0.5モルが好ましい(E)塩基性触媒のモル比が1×10−4より少ない場合は、触媒としての効果が充分に現れない場合がある。一方、(E)塩基性触媒のモル比が1モルより多い場合は、ゲル化する場合がある。
【0016】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において(D)ノボラック型フェノール樹脂から(F)レゾール型フェノール樹脂を得る反応についても、(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る反応と同様に溶媒中で行うのが好ましい。反応溶媒は、(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る際の反応と同様に水または水と共沸し、かつ水から容易に分液できる有機溶媒を用いることができるが、水単独が好ましい。(F)レゾール型フェノール樹脂を得る際の反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜80℃である。反応時間は、通常0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。
【0017】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において得られた(F)レゾール型フェノール樹脂に、さらに(C)酸触媒を加え、酸性下で反応させることにより(G)ノボラック型フェノール樹脂が得られる。反応終了後、反応系内に存在する未反応のp−クレゾール、ホルムアルデヒド、酸触媒、反応溶媒を除去するため、一般的には105〜200℃に上昇させ、減圧下に揮発分を留去する操作を実施することにより、共縮合物が得られる。また必要に応じて反応系を水で洗浄した後、上述の留去操作を行ってもよい。
ここで用いる(C)酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。酸触媒の使用量は、混合クレゾール1モル当たり、0.01〜1モルが好ましい。(C)酸触媒のモル比が0.01モルを回る条件で反応を行ったものでは触媒としての効果が充分に現れない場合があり、一方、(C)酸触媒のモル比が1モルより多い場合は、ゲル化する場合がある。
【0018】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において(F)レゾール型フェノール樹脂から(G)ノボラック型フェノール樹脂を得る反応についても、(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る反応と同様に溶媒中で行うのが好ましい。反応溶媒は、(D)ノボラック型フェノール樹脂を得る際の反応と同様に水または水と共沸し、かつ水から容易に分液できる有機溶媒を用いることができるが、水単独が好ましい。(G)ノボラック型フェノール樹脂を得る際の反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜調整されるが、通常、10〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0019】
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂について説明する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は上記本発明の製造方法で得られたことを特徴とする。 本発明の(G)ノボラック型フェノール樹脂中に含まれるm−クレゾールおよびp−クレゾールの量は特に限定されないが、m−クレゾールは、通常、5重量%以下、好ましくは1重量%以下であり、p−クレゾールについては、通常、10重量%未満、好ましくは5重量%以下である。
【0020】
本発明における(G)ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは1,000〜15,000である。
【0021】
次に、本発明について実施例をもって詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す%は、特にことわりがない限り、重量%である。
【0022】
(ノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂の評価方法)
「樹脂中または反応液中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量の測定」
樹脂または反応液1g、標品としてアニソール0.1gを、アセトン20mlに溶解させ、ガスクロマトグラフィー内部標準法(GC−IS法)により、樹脂中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量(%)を測定した。
「重量平均分子量の測定」
樹脂15mgを、テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。ちなみに、ポリスチレンを標準品として重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0023】
[m−クレゾール(またはp−クレゾール)の反応率の算出方法]
m−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率は以下の式により、算出した。
a:各樹脂中および排水中のm−クレゾール(またはp−クレゾール)の量(g)
b:各実施例及び比較例でのm−クレゾール(またはp−クレゾール)の仕込み量(g)
反応率(%)=100−(a/b)×100
【実施例1】
【0024】
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、(A)混合クレゾール(m−クレゾール/p−クレゾールの重量比率:30/70)100.0g(0.92モル)、(B)37%ホルムアルデヒド27.0g(0.33モル)および(C)蓚酸2水和物0.2g(0.002モル)を仕込んだ。(pH値4)内温を100℃に昇温後、同温で2時間保温させてノボラック型フェノール樹脂(D−1)127.2gを得た(ノボラック型フェノール樹脂(D−1)を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール96.3%、p−クレゾール 21.5%)。
【0025】
このノボラック型フェノール樹脂(D−1)を60℃に冷却後、(E)22%水酸化ナトリウム13.0g(0.07モル)を仕込み、pH値を10としたのちに(B)37%ホルムアルデヒド9.0g(0.11モル)を滴下し、さらに60℃1時間反応させてレゾール型フェノール樹脂(F−1)149.2gを得た(レゾール型フェノール樹脂(F−1)を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール100%、p−クレゾール 42.9%)。
【0026】
還流冷却器を分留器に取り替え、(C)蓚酸2水和物6.6g(0.05モル)を仕込み、pH値を2としたのちに145℃まで昇温、濃縮し、その後反応系内を減圧にして、水、未反応クレゾール、ホルムアルデヒドおよび蓚酸を除くことによってノボラック型フェノール樹脂(G−1)(重量平均分子量:1,910)66.7gを得た。
このノボラック型フェノール樹脂(G−1)について、樹脂中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量の測定した結果および反応率を算出した結果を表1に示す。
【実施例2】
【0027】
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、(A)混合クレゾール(m−クレゾール/p−クレゾールの重量比率:30/70)100.0g(0.92モル)、(B)37%ホルムアルデヒド22.5g(0.28モル)および(C)蓚酸2水和物0.2g(0.002モル)を仕込んだ。内温を100℃に昇温後、同温で2時間保温させてノボラック型フェノール樹脂(D−2)122.7gを得た(ノボラック型フェノール樹脂(D−2)を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール93.7%、p−クレゾール 16.3%) その後、実施例1と同様の操作を行うことにより、レゾール型フェノール樹脂(F−2)137.5gを得た。(レゾール型フェノール樹脂を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール97.7%、p−クレゾール 33.3%)。
【0028】
その後、さらに実施例1と同様の操作を行うことにより、ノボラック型フェノール樹脂(G−2)(重量平均分子量:1,340)64.7gを得た。
このノボラック型フェノール樹脂(G−2)について、樹脂中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量の測定した結果および反応率を算出した結果を表1に示す。
【実施例3】
【0029】
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、(A)混合クレゾール(m−クレゾール/p−クレゾールの重量比率:30/70)100.0g(0.92モル)、(B)37%ホルムアルデヒド45.0g(0.55モル)および(C)蓚酸2水和物0.2g(0.002モル)を仕込んだ。内温を100℃に昇温後、同温で2時間保温させてノボラック型縮合物145.2gを得た(ノボラック型フェノール樹脂(D−3)を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール100%、p−クレゾール 36.8%) その後、実施例1と同様の操作を行うことにより、レゾール型フェノール樹脂(F−3)160.0gを得た。(レゾール型フェノール樹脂(F−3)を得た時点でのm−クレゾールまたはp−クレゾールの反応率:m−クレゾール100%、p−クレゾール 50.6%)。
【0030】
その後、さらに実施例1と同様の操作を行うことにより、ノボラック型フェノール樹脂(G−3)(重量平均分子量:12,300)86.9gを得た。
このノボラック型フェノール樹脂(G−3)について、樹脂中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量の測定した結果および反応率を算出した結果を表1に示す。
【0031】
(比較例1)
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、(A)混合クレゾール(m−クレゾール/p−クレゾールの重量比率:30/70)100.0g(0.92モル)、(B)37%ホルムアルデヒド60.0g(0.74モル)および(C)蓚酸2水和物0.2g(0.002モル)を仕込んだ。内温を100℃に昇温後、同温で2時間保温し(保温終了時での反応率 m−クレゾール100%、p−クレゾール 37.8%)、30℃に冷却後、還流冷却器を分留器に取り替え、145℃まで昇温、濃縮し、その後反応系内を減圧にして、水、未反応クレゾール、ホルムアルデヒドおよび蓚酸を除くことによってノボラック型フェノール樹脂(D−4)(重量平均分子量:2,680)69.1gを得た。
この樹脂Dについて、樹脂中のm−クレゾール分、p−クレゾール分含有量の測定した結果および反応率を算出した結果を表1に示す。






【0032】
【表1】

仕込モル比=(ホルムアルデヒド(モル)/混合クレゾール[(m−クレゾール/p−クレゾールの重量比率:30/70)](モル))

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)アルデヒド類とを(C)酸触媒の存在下、酸性下において反応させて(D)ノボラック型フェノール樹脂とし、
2)次に前記(D)ノボラック型フェノール樹脂に(B)アルデヒド類と(E)塩基性触媒を添加してアルカリ性下において反応させることにより、(F)レゾール型フェノール樹脂としたのち、
3)さらに(C)酸触媒を添加して酸性下において反応し、(G)ノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とする(G)ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
【請求項2】
1)(A)m−クレゾールとp−クレゾールとを含有する混合クレゾールと(B)前記混合クレゾールに対するモル比が0.9以下で、かつ前記混合クレゾール中のm−クレゾールに対するモル比が0.7〜2.5のアルデヒド類とを(C)酸触媒の存在下、酸性下において反応させて(D)ノボラック型フェノール樹脂とし、
2)次に前記(D)ノボラック型フェノール樹脂に前記混合クレゾールに対するモル比が0.4以下で、かつ前記混合クレゾール中のp−クレゾール対するモル比が0.03〜1.5の(B)アルデヒド類と(E)塩基性触媒を添加してアルカリ性下において反応させることにより、(F)レゾール型フェノール樹脂としたのち、
3)さらに(C)酸触媒を添加して酸性下において反応し、(G)ノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とする請求項1記載の(G)ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の製造方法によって製造された(G)ノボラック型フェノール樹脂

【公開番号】特開2009−40848(P2009−40848A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206022(P2007−206022)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】