説明

ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置のためのハイドロリック供給システム

ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置のためのハイドロリック供給システムにおいて、自動車の内燃機関によって駆動されるポンプとは別に、電気的に駆動される補助ポンプが設けられており、該補助ポンプは、前記ポンプの停止時にシステムにハイドロリック圧を供給するか、または前記ポンプが十分にハイドロリック液体を圧送していない場合に、該ポンプを支援する。補助ポンプの出口管路が、ハイドロリック供給システムの制御管路と、システム圧を案内する、ハイドロリックシステムの供給管路とに接続されている。それぞれの管路には、逆止弁が配置されている。制御管路からオートマチック式伝動装置のトルク感応室に通じる管路には別の逆止弁が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置のためのハイドロリック供給システムに関する。
【0002】
図2は、公知先行技術による円錐形ディスク式巻掛け伝動装置の円錐形ディスク対構成グループの縦断面を示している。
【0003】
円錐形ディスク対構成グループは、軸10を有していて、この軸10には固定ディスク12が堅固に結合されている。軸10上には、楔形歯列14を介して、軸方向に摺動可能であるものの、相対回動不能に軸10に結合された移動ディスク16が配置されている。両ディスク12,16の円錐面は互いに向かい合っていて、これらの円錐面の間で巻掛け手段(図示せず)が循環し、この巻掛け手段が、図示された円錐形ディスク対を、円錐形ディスク式巻掛け伝動装置の図示されていない別の円錐形ディスク対に接続する。
【0004】
移動ディスク16の半径方向外側の領域では、この移動ディスク16の、円錐面とは反対の側の面に、互いに半径方向で間隔を置いた2つの壁とU字形の横断面とを有する円筒リング18が堅固に取り付けられている。この円筒リング18の半径方向の内面には、ガイド面を備えて形成されたガイドリング構成部分20が堅固に取り付けられている。
【0005】
移動ディスク16から間隔を置いて、軸10には支持リング構成部分22が堅固に結合されている。この支持リング構成部分22は、軸方向の第1の突出部24を有している。この第1の突出部24の自由端面は、円周に沿って分配された第1の傾斜面26を備えて形成されている。環状の第1の突出部24の半径方向外側で、支持リング構成部分22は、環状で軸方向の第2の突出部28を備えて形成されている。この第2の突出部28は、円筒リング18の壁の間に突入していて、これらの壁に対してシール部材によってシールされているので、第2の突出部28と円筒リング18との間には調節室30が形成されている。この調節室30は、移動ディスク16と軸10とに設けられた半径方向の孔32と、軸10を通じて延びる軸方向の供給通路34とを通して、ハイドロリック液により負荷可能である。
【0006】
支持リング構成部分22と移動ディスク16との間には、軸10上に、全体として環状の感応ピストン36が軸方向に可動に案内されている。この感応ピストン36は、移動ディスク16に向かってカップ状に延長されていて、リング38で終わっている。このリング38の、移動ディスク16とは反対の側には、周方向で互いに間隔を置いて第2の傾斜面40が形成されている。第1の傾斜面26と第2の傾斜面40との間には、転動体42が配置されている。これらの転動体42は、感応ピストン36に形成された切欠きを通って突出している。転動体42の軸方向の位置は、主に傾斜面26,40により規定されていて、転動体42の半径方向の位置は、主に、ガイドリング構成部分20に形成されかつ傾斜面に適合されたガイド面43と、移動ディスク16の軸方向の付設部の半径方向外側の面とにより規定されている。
【0007】
感応ピストン36と移動ディスク16との間には、トルク感応室44が形成されている。このトルク感応室44は、軸10に形成された半径方向の流入孔46を介して、軸10を通じて延びる流入通路48に接続されている。トルク感応室44からは、半径方向の流出孔50が出発していて、この流出孔50は、軸を通じて延びる流出通路52に開口している。
【0008】
感応ピストン36は、移動ディスク16とは反対の側で、均等な周方向間隔で配置された、軸方向に突出するアーム54を有している。これらのアーム54は、支持リング構成部分22に形成された開口を通って突出していて、外側歯列56を備えて形成されている。この外側歯列56は、駆動ホイール60の内側歯列58に噛み合っている。駆動ホイール60は、軸10に支承されていて、この駆動ホイール60を介して伝動装置の駆動が行われる。したがって、感応ピストン36は、周方向では堅固に、かつ軸方向では駆動ホイール60に相対的に可動に、この駆動ホイール60に結合されている。
【0009】
例示的に説明した円錐形ディスク対構成グループの構成および機能は、自体公知であるので、詳しく説明しない。支持リング構成部分に対する感応ピストン36の相対回動の結果、傾斜面26,40およびガイド面43への相応した形状付与に基づいて、感応ピストン36の軸方向の位置が変更され、この場合、この感応ピストン36は、トルクが高い状態で、流出孔50が出発する流出開口61を次第に閉鎖するので、トルク感応室44内のハイドロリック圧は増大し、移動ディスク16が、トルクに依存した圧力によって固定ディスク12の方向に負荷されている。移動ディスク16の、変速比変更のために必要な調節は、調節室30内の圧力の変更によって行われる。
【0010】
調節室30およびトルク感応室44へのハイドロリック圧供給は、自動車への伝動装置の使用時には、通常、車両の駆動のために働く内燃機関によって駆動されるハイドロリックポンプを用いて行われる。現代の自動車には、消費の削減および環境適合性の改善の理由から、ストップ・スタートシステムが装備される。このシステムでは、内燃機関が車両の前進のために必要とされない運転段階、たとえば燃料供給遮断運転(Schubbetrieb)中、信号の手前での停止時またはストップアンドゴー(停止・発進)運行中に自動的に停止される。この場合、円錐形ディスク式巻掛け伝動装置へのハイドロリック圧供給もしくはハイドロリック液供給が、内燃機関の停止時に、もしくはポンプの停止時には保証されていないという問題が発生する。なぜならば、ポンプの停止時には、調節室およびトルク感応室内の圧力が、漏れ損失に基づいて急速に低下するか、またはハイドロリック液が室から流出するからである。この場合、車両の走行時に、伝動装置の運転能力がもはや付与されていない。ポンプもしくは内燃機関の再始動時に、伝動装置に再び十分にハイドロリック液が供給されるまでには所定の期間が経過する。この期間は、危険な状況を招き、この期間中に、巻掛け手段の不十分な圧着による伝動装置の損傷が起こり得る。
【0011】
したがって本発明の根底を成す課題は、上記の問題のための対策を講じることである。
【0012】
この課題は、本発明の請求項1に記載のハイドロリック供給システムによって解決される。
【0013】
本発明によるハイドロリック供給システムの有利な実施形態および改良形は、請求項2以下に記載されている。
【0014】
ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置、特に巻掛け手段を介して互いに接続された2つの円錐形ディスク対を有する円錐形ディスク式巻掛け伝動装置のための本発明によるハイドロリック供給システムにおいて、該ハイドロリック供給システムが、供給管路内にハイドロリック圧を供給するためのポンプを有しており、前記供給管路が、変速比調節弁を介して少なくとも1つの調節室に接続されていて、少なくとも1つの接続管路に接続されており、該接続管路に、ハイドロリック液により流過される少なくとも1つの感応室が接続されており、該感応室を通る流れに提供される流過横断面が、前記伝動装置により伝達されるトルクに関連しており、前記供給管路が、パイロット制御弁を介して制御管路に接続されており、該制御管路内に制御弁が配置されており、該制御弁により、前記変速比調節弁の位置を規定する、前記制御管路内の圧力が調節可能であり、前記ハイドロリック供給システムが、ポンプの駆動装置から分離された補助駆動装置を用いて駆動可能な補助ポンプを有しており、該補助ポンプの出口管路が、前記制御管路に接続されていて、前記出口管路から分岐された分岐管路を介して前記供給管路に接続されており、前記出口管路内に、前記分岐管路の分岐部の上流側で、前記制御管路に向かう方向に開く第1の逆止弁が配置されており、前記分岐管路内に、前記供給管路の方向に向かって開く第2の逆止弁が配置されており、前記ハイドロリック供給システムが、前記接続管路から前記制御管路に延びる管路を有しており、該管路内に、前記制御管路に向かって開く第3の逆止弁が配置されている。
【0015】
本発明によるハイドロリックシステムは、ハイドリック式に作動されるほぼ全種類のオートマチック式伝動装置に使用するために適しており、一般的にはハイドロリック式に作動される装置に対して使用することができる。
【0016】
パイロット制御弁が、制御管路内の圧力が予め規定された値を超えて上昇しないように形成されていると有利である。
【0017】
制御管路内の圧力を制限するために、パイロット制御弁は、たとえば、制御管路内の予め規定された圧力が超過されると制御管路に接続される戻し部を有している。
【0018】
接続管路から制御管路に延びる管路内に絞りが配置されていてよい。
【0019】
供給管路が、接続管路に接続弁を介して接続されており、接続弁が、供給管路に接続した制御室を有しており、供給管路と接続管路との間の接続部を、制御室内の予め規定された圧力を上回って開くようになっている。
【0020】
ハイドロリック供給システムへの、通常の供給のために設けられたポンプは、自動車を駆動するための内燃機関によって駆動されると有利である。補助ポンプは、電動モータによって駆動されると有利であり、この電動モータは、内燃機関の停止時に運転させられる。
【0021】
ハイブリッド駆動装置を有する車両にも使用することができる本発明を、以下に概略的な図面につき例示的にさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】円錐形ディスク式巻掛け伝動装置のための本発明によるハイドロリック供給システムの一部分のブロック回路図である。
【図2】公知従来技術による円錐形ディスク対構成グループを示す縦断面図である。
【0023】
図1によれば、円錐形ディスク式巻掛け伝動装置にハイドロリック媒体を供給するためのハイドロリックシステムは、内燃機関(図示せず)により駆動されるポンプ62を有している。このポンプ62は、第1の貯蔵容器64から第1のフィルタ66を通してハイドロリック液を吸い込み、供給管路68内にシステム圧を形成する。この供給管路68は、接続弁70によって接続管路72に通じている。これらの接続通路72に、各円錐形ディスク対構成グループ49のそれぞれ1つの流入通路48(図2)が接続されていて、この流入通路48を介して、巻掛け手段の、トルクに依存した圧着が行われる。流出通路52に接続された戻し管路は、符号「74」で示されている。さらに供給管路68は、変速比調節弁76によって管路78に通じている。これらの管路78のうちそれぞれ1つが、各円錐形ディスク構成グループ49の軸方向の通路34に接続されている。この通路34を通じて調節室30(図2)が圧力により負荷される。
【0024】
変速比調節弁76を制御するためには、制御管路80が使用される。この制御管路80は、供給管路68にパイロット制御弁82を介して接続されていて、制御管路80内には、電気的に駆動される比例弁として形成された制御弁84が配置されている。この制御弁84は、完全に開かれた状態で、制御管路80を戻し部86に接続する。パイロット制御弁82の位置は、主に、パイロット制御室88内に形成されかつ制御管路80内に存在する圧力により規定される。
【0025】
さらに供給管路68は、クラッチ弁90に通じている。このクラッチ弁90を介して、円錐形ディスク式巻掛け伝動装置に設けられた、前進走行および後退走行のためのクラッチと、セレクトレバー弁とにハイドロリック圧が供給される。符号「92」により、電気的に駆動されるクラッチ制御弁が示されている。
【0026】
ここまでに説明したハイドロリック供給システムは、構成および機能において自体公知であるので、これ以上詳しく説明しない。電気的な制御弁84,92と、別の制御弁とは、電子的な制御装置(図示せず)により、予め規定されたプログラムに応じて制御される。この場合、電子的な制御装置の入力部には、パワートレーンの、円錐形ディスク式巻掛け伝動装置の運転のために重要な運転パラメータ、たとえば走行ペダルの位置、車両速度、内燃機関の回転数等の値が与えられる。ハイドロリックシステムの種々異なる位置に形成される圧力は、全てに符号を付したわけではない圧力センサ94を用いて検知され、運転の監視および制御のために使用される。
【0027】
円錐形ディスク式巻掛け伝動装置へのハイドロリック液の供給を、ポンプ62の停止時にも保証するために、電動モータ94によって駆動される補助ポンプ96が設けられている。この補助ポンプ96は、ハイドロリック液を第2のフィルタ98を通して第2の貯蔵容器100から吸い込み、出口管路102に圧送する。第2の貯蔵容器100は第1の貯蔵容器64と同一であってよく、第2のフィルタ98は第1のフィルタ96と同一であってよいことは自明である。
【0028】
出口管路102は、制御管路80に開口していて、この制御管路80に向かって開く第1の逆止弁104を有している。出口管路102からは、第1の逆止弁104と、制御管路80との間で、分岐管路106が分岐している。この分岐管路106は、供給管路68に開口していて、第2の逆止弁108を有している。この第2の逆止弁108は、供給管路68に向かう方向に開く。
【0029】
パイロット制御弁82は、戻し部110を有していて、パイロット制御室88が無圧の場合には、供給管路68が制御管路80に接続されていて、パイロット制御室88内に予め規定された圧力が形成されている場合には、供給管路68が制御管路80から分離され、パイロット制御室88もしくは制御管路80内の圧力がさらに上昇する場合には、制御管路が次第に戻し部110に接続されて、これによってハイドロリック液が戻し部110から流出するように形成されている。
【0030】
接続弁70は、供給管路68に接続された制御室112を有している。この制御室112内の予め規定された圧力が超過すると、接続弁70の弁部材が、供給管路68と接続管路72との間に接続が形成されるように運動させられる。
【0031】
接続管路72からは、管路114が制御管路80に通じている。この管路114内には、制御管路80への開口の手前に、第3の逆止弁116が配置されている。この第3の逆止弁116は、接続管路72に向かう方向に開く。さらに管路114は、流れ方向で見て接続弁70との接続部の手前に、少なくとも1つの絞り118(図示の実施例では連続して配置された2つの絞り)を有している。
【0032】
上記システムの機能は以下の通りである。
【0033】
通常の運転時、つまり内燃機関の回転時には、ポンプ62が働いて、供給管路68内に圧力を形成し、かつポンプ62の始動時に最初に開かれたパイロット制御弁82を介して制御管路80内に圧力を形成する。この場合、この制御管路80内の圧力は、パイロット制御弁82が、パイロット制御室88内に予め規定された圧力が形成されている場合に供給管路68と制御管路80との間の接続を分離することによって規定された値に制限されている。逆止弁104,108は、ハイドロリック液が出口管路102と補助ポンプ96とを通じて流出することを阻止する。
【0034】
接続弁70の制御室112内において、有利には制御管路80内の圧力を僅かに超えている予め規定された圧力が超過されると直ちに、接続弁70が、供給管路68から接続管路72への接続部を開く。この接続管路72を通じて感応室に流入し、かつこの感応室を通じて流れるハイドロリック液は、第3の逆止弁116に基づいて制御管路80に逆流することはできない。
【0035】
ポンプ62が、内燃機関のスタート・ストップ運転において停止されると、システムへの圧力媒体供給が途絶え、供給管路68と制御管路80とが、漏れ損失およびこれに類するものに基づいて無圧になるので、システムは、内燃機関の再始動時もしくはポンプの始動時に直ちに機能できる状態になく、圧力形成のために、規定された期間が必要となる。この期間中には、車両は運転可能な状態ではなく、伝動装置は、円錐形ディスクと巻掛け手段との間の圧着圧の欠乏のために損傷され得る。
【0036】
ポンプ62が停止すると直ちに、または内燃機関が運転されていない停止している車両の運転を開始するときに既に、電動モータ94が始動して、補助ポンプ96を作動させる。第1の逆止弁104および第2の逆止弁108は、出口管路102の圧力が小さい場合に既に開くので、制御管路80および供給管路68内に圧力が形成される。制御管路80内に予め規定された圧力が得られると直ちに、第3の逆止弁116が開き、これによってトルク感応室44(図2)に、管路を通じて、補助ポンプ69により圧送されたハイドロリック液が供給される。このハイドロリック液が、トルク感応室44を起点とする流出孔50を通じて流出できない場合、システム内の圧力はさらに上昇する。これによって、パイロット制御室88が機能状態に達する。この機能状態では過剰なハイドロリック液は戻し部110を通って流出する。これによって同時に供給管路68内に形成されるシステム圧が制限される。したがって、補助ポンプ96の運転によって、ハイドロリックシステムが、即座に走行運転が可能な完全に機能可能な状態に達するので、ポンプ62の始動時にシステムが即座に機能可能であることにより、このシステムはスタート・ストップ運転に対して使用できるだけではなく、たとえば、ハイブリッドドライブにも使用することができる。ハイブリッドドライブ時には、内燃機関、ひいてはポンプ62が、車両の走行時に停止されていて、走行運転中のハイドロリック供給が補助ポンプ96を介して行われる。
【0037】
たとえばトルク感応室44を通じて、ポンプ62によって十分に連続圧送されない量のハイドロリック液が流出することにより、供給管路68内の圧力が臨界的な走行状態に低下した場合、補助ポンプ96を、ポンプ62に対して付加的に、このポンプ62を支援するために使用することができる。この場合、補助ポンプ96の運転開始によって、制御管路80内の圧力の迅速な上昇がもたらされるで、パイロット制御弁82が、制御管路80を供給管路68から分離する。これによって、ポンプ62が、もはやハイドロリック媒体を制御管路80内へ圧送しなくなるので、全圧送容量が供給管路68に提供される。
【0038】
ポンプ62を支援するために補助ポンプ68を使用することは、ポンプ68の、より小さな設計を可能にし、このことはシステムの総効率に有利に影響を与える。
【0039】
トルク感応室44(図2)内の目下の圧力が、第3の逆止弁116のプリロード圧を加算してもなお制御管路80内の圧力よりも低い場合に、ハイドロリック液は、付加的に第3の逆止弁116を通ってトルク感応室44に圧送される。この場合、制御管路80の圧力が失われないように、少なくとも1つの絞り118が、トルク感応室44に向かって流出する容積流を制限する。
【符号の説明】
【0040】
12 固定ディスク
14 楔形歯列
16 移動ディスク
18 円筒リング部材
20 ガイドリング構成部分
22 支持リング構成部分
24 第1の突出部
26 第1の傾斜面
28 第2の突出部
30 調節室
32 半径方向の孔
34 軸方向の通路
36 感応ピストン
38 リング
40 第2の傾斜面
42 転動体
44 トルク感応室
46 流入孔
48 流入通路
49 円錐形ディスク対構成グループ
50 流出孔
52 流出通路
54 アーム
56 外側歯列
58 内側歯列
60 駆動ホイール
61 流出開口
62 ポンプ
64 貯蔵容器
66 フィルタ
68 供給管路
70 接続弁
72 接続管路
74 戻し管路
76 変速比調節弁
78 管路
80 制御管路
82 パイロット制御弁
84 制御弁
86 戻し部
88 パイロット制御室
90 クラッチ弁
92 クラッチ制御弁
94 電動モータ
96 補助ポンプ
98 フィルタ
100 貯蔵容器
102 出口通路
104 第1の逆止弁
106 分岐管路
108 第2の逆止弁
110 戻し部
112 制御室
114 管路
116 第3の逆止弁
118 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置、特に1つの巻掛け手段を介して互いに接続された2つの円錐形ディスク対を備えた円錐形ディスク式巻掛け伝動装置のためのハイドロリック供給システムにおいて、
該ハイドロリック供給システムが、供給管路(68)内にハイドロリック圧を供給するためのポンプ(62)を有しており、前記供給管路(68)が、変速比調節弁(76)を介して少なくとも1つの調節室(30)に接続されていて、少なくとも1つの接続管路(72)に接続されており、該接続管路(72)に、ハイドロリック液により流過される少なくとも1つの感応室(44)が接続されており、該感応室(44)を通る流れに提供される流過横断面が、前記伝動装置により伝達されるトルクに関連しており、前記供給管路(68)が、パイロット制御弁(82)を介して制御管路(80)に接続されており、該制御管路(80)内に制御弁(84)が配置されており、該制御弁(84)により、前記変速比調節弁の位置を規定する、前記制御管路(80)内の圧力が調節可能であり、
前記ハイドロリック供給システムが、ポンプ(62)の駆動装置から分離された補助駆動装置(94)を用いて駆動可能な補助ポンプ(96)を有しており、該補助ポンプ(96)の出口管路(102)が、前記制御管路(80)に接続されていて、前記出口管路から分岐された分岐管路(106)を介して前記供給管路(68)に接続されており、前記出口管路(102)内に、前記分岐管路(106)の分岐部の上流側で、前記制御管路(80)に向かう方向に開く第1の逆止弁が配置されており、前記分岐管路内に、前記供給管路(68)の方向に向かって開く第2の逆止弁(108)が配置されており、
前記ハイドロリック供給システムが、前記接続管路(72)から前記制御管路(80)に延びる管路(114)を有しており、該管路(114)内に、前記制御管路に向かって開く第3の逆止弁(116)が配置されている
ことを特徴とする、ハイドロリック式に作動されるオートマチック式伝動装置のためのハイドロリック供給システム。
【請求項2】
前記制御管路内の圧力が、予め規定された値を超えて上昇しないように、前記パイロット制御弁(82)が形成されている、請求項1記載のハイドロリック供給システム。
【請求項3】
前記パイロット制御弁(82)が、戻し部(110)を有しており、該戻し部(110)が、前記制御管路(80)内の予め規定された圧力を上回って、該制御管路(80)に接続されるようになっている、請求項2記載のハイドロリック供給システム。
【請求項4】
前記接続管路(72)から前記制御管路(80)に延びる管路(114)内に、絞り(118)が配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のハイドロリック供給システム。
【請求項5】
前記供給管路(68)が、前記接続管路(72)に接続弁(70)を介して接続されており、該接続弁(70)が、前記供給管路に接続された制御室(112)を有していて、前記供給管路と前記接続管路との間の接続部を、前記制御室内の予め規定された圧力を上回って開くようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載のハイドロリック供給システム。
【請求項6】
前記ポンプ(62)が、自動車を駆動するための内燃機関によって駆動可能であり、前記補助ポンプ(96)が、電動モータ(94)によって駆動可能であり、該電動モータ(94)が、前記内燃機関の停止時にかつ/または前記供給管路(68)または前記制御管路(80)内の圧力が不十分な場合に、運転可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載のハイドロリック供給システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−506880(P2011−506880A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538322(P2010−538322)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001977
【国際公開番号】WO2009/076926
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Germany
【Fターム(参考)】