説明

ハイパーブランチ構造を有する樹脂及びそれを用いたレジスト剤

【課題】 低エネルギーのUV照射条件でも露光部が十分に硬化し目的とする現像パターンが高速で得られることを可能にするレジスト用途に優れた樹脂を提供することにある。
【解決手段】 水酸基末端のハイパーブランチ構造に無水マレイン酸化合物を付加反応させて得ることのできる構造により不飽和結合基とカルボン酸基が導入された樹脂、樹脂組成物、レジスト剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子材料用途等に用いられるレジスト用として優れた特性を発揮する樹脂に関するもので、特に極めて高感度なUV硬化機能を発現する樹脂を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子材料用途に用いられる種々封止剤やプリント配線基板用導電性塗料用バインダーとして用いられるレジスト用樹脂は生産効率向上を目的とした生産ラインスピードの高速化、或いは封止部位や配線パターンの複雑・緻密化により、熱や光や電子線によって、より高効率に反応硬化する特性が要求されている。特にUV硬化型レジスト樹脂はUV照射装置の簡便性や硬化反応の迅速性から着目され、開発・改良が進められて来た。
【0003】
UV硬化型レジスト用樹脂組成物としては一般に、不飽和結合等の光開始剤の存在下UVにより架橋反応を起こす構造単位を分子中に有した高分子量の樹脂成分とそれら樹脂成分と反応性を有するアクリレート基、メタクリレート基等の官能基を有する低分子量化合物、及び光開始剤、増感剤等をブレンドして、使用される。より感度の高いUV硬化機能を付与するため、光開始剤や増感剤は照射されるUV光が有する種々波長の光をより効率よく吸収できる様、或いは発生した活性種の寿命がより長く保たれる様な分子設計が検討され続けている。また、ブレンド使用される反応性低分子化合物では一分子中により多くのアクリレート基、メタクリレート基を有するものが提案されてきた。
一方樹脂成分も分子中にフルオレン骨格やビフェニル骨格の様な比較的長波長のUV光を吸収する骨格が導入されたり、一分子当たりの不飽和結合基濃度の高い構造が提案されたりしている。それぞれ特許文献1、特許文献2にはそれらの一例が見られる。
【0004】
しかしながら最近、多様化する複雑な現像パターンをより高速に形成しようとする要求が高まっているが、十分な性能、即ちより高感度なUV硬化特性を発揮するレジスト用UV硬化性樹脂が無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−292576号公報
【特許文献2】特開平7−103213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術での問題点、即ち低エネルギーのUV照射条件でも露光部が十分に硬化し目的とする現像パターンが高速で得られることを可能にする、レジスト用に適した樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は特にハイパーブランチポリマーに着目し、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は以下のハイパーブランチ構造を有した樹脂である。
【0008】
(1) 水酸基末端のハイパーブランチ構造に水酸基末端の全てまたは一部に無水マレイン酸化合物を付加反応させて得ることのできる構造により、不飽和結合基とカルボン酸基が導入され、
前記ハイパーブランチ構造が、下記化学式1)で表される分子の重縮合物により形成さており、
化学式1) KR’[(R)mL]n
R:炭素数20未満の2価の有機基
R’:炭素数20未満の(n+1)価の有機基
K、L:互いに異なるエステル結合形成性官能基
m:1
n:2
樹脂の数平均分子量500〜20,000である、
樹脂。
(2) 前記ハイパーブランチ構造が、ABX型の分子の重縮合物により形成された(1)に記載の樹脂(ただしA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bはカルボン酸誘導体基と水酸基であり、Xは2を示す)。
(3) 前記化学式1)で表される分子が2,2−ジメチロールプロピオン酸および/または2,2−ジメチロールブタン酸である(1)または(2)に記載の樹脂。
(4) 樹脂中の不飽和結合基濃度が500eq/ton以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂に開始剤を配合した樹脂組成物。
(6) レジスト用途に用いられる(5)に記載の樹脂組成物。
(7) (5)または(6)に記載の樹脂組成物を用いたレジスト剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂はハイパーブランチ構造を有しており、放射状に広がった分子末端に多量の不飽和結合を導入出来る事から、UV照射される事で硬化反応による架橋密度が極めて高くなり、強靱な硬化塗膜が得られる。特に電子材料分野の用途では導電性顔料等、無機粒子が高濃度で配合された系においても従来型のレジスト樹脂では得られなかったような優れた物性を有した硬化塗膜を形成する事ができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本来ハイパーブランチポリマーという用語はKimとWebsterが、繰り返し単位の規則性を有する多分岐ポリマーに対して名付けた言葉であり(Polym.Prepr.,29(1988)310参照)、1分子中に互いに反応出来る2種類の置換基を合計3個以上持つ化合物の自己縮合により合成される多分基高分子と定義される。 本発明において述べるハイパーブランチポリマーは、上記KimとWebsterが提唱した用語に当てはまるものである。この様な多分岐ポリマーとしては従来、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート系など、種々のタイプが合成されている。
【0011】
これらハイパーブランチポリマーの樹状に伸びた分子末端には多量の官能基が密集して存在している構造を採っており、これら反応性官能基を利用して種々の機能性官能基を多量にかつ密に導入する事が可能である。
【0012】
本発明の樹脂の場合、アクリレート基、メタクリレート基を分子末端に多量に導入させる事で、UV照射により、高効率で分子間の架橋反応が密に起こる。加えて、ハイパーブランチポリマーは通常の線状構造を有するポリマーに比較し、溶液状態では分子間の絡み合いが少なくなるため溶液粘度が低くなる。結果としてレジスト塗料を調製する上でハイソリッド化が容易となる。
【0013】
本発明で言うハイパーブランチポリマーはその構造において特に限定されないがAB型化合物の重縮合反応或いは重付加反応により得られるものが好ましい。ここでAとBは異なる官能基を有する有機基を示し、AB型化合物とは一分子中に2種の異なる官能基a、bを合わせ持った化合物を意味するものである。これら化合物は分子内縮合、分子内付加はしないが官能基aと官能基bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こさせる事が可能な官能基である。これら官能基a、bの組み合わせとしては水酸基とカルボン酸基やカルボン酸アルキルエステル基等のカルボン酸誘導体、アミノ基とカルボン酸基、ハロゲン化アルキル基とフェノール性水酸基、アセトキシ基とカルボン酸基、アセチル基と水酸基、イソシアネート基と水酸基等が挙げられ、反応工程の簡便さ、反応制御の面からカルボン酸基或いはその誘導体と水酸基或いはその誘導体の組み合わせが好ましい。
【0014】
AB型化合物の具体的な例としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸、5−(2ヒドロキシエトキシ)イソフタル酸、5−アセトキシイソフタル酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、5−ヒドロキシシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジヒドロキシ−5−カルボキシシクロヘキサン、5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、1,3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−カルボキシシクロヘキサン、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、フェノール−3,5−ジグリシジルエーテル、イソホロンジイソシアネートとジイソプロパノールアミンとの1対1反応生成物、イソホロンジイソシアネートとジエタノールアミンの1対1反応生成物、3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸等が挙げられる。
【0015】
これらの内、反応によりエステル結合が生成するタイプは得られたハイパーブランチポリマーの耐熱性、他樹脂成分や添加物成分との相溶性の観点から特に好ましく、それら化合物の構造を表す一般式は化学式1で表される。
化学式1) KR’[(R)L]
R:炭素数20未満の2価の有機基
R’:炭素数20未満の(b+1)価の有機基、或いはR”N(R”:炭素数20未満の2価の有機基)で示される基
K、L:互いに異なるエステル結合形成性官能基
m:0又は1
n:2以上の整数
【0016】
上記化学式1で示される化合物としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸、5−(2ヒドロキシエトキシ)イソフタル酸、5−アセトキシイソフタル酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、5−ヒドロキシシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジヒドロキシ−5−カルボキシシクロヘキサン、5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、1,3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−カルボキシシクロヘキサン、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、N,N−ビス(メチルプロピオネート)モノエタノールアミン、N−(メチルプロピオネート)ジエタノールアミン、N,N−ビス(メチルプロピオネート)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン等が挙げられるが、これら原料化合物としての汎用性及び重合反応工程の簡便さからは、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が好ましい。
【0017】
本発明の樹脂として用いられるハイパーブランチポリマーは、例えば第1段階で上記KR’[(R)L]型化合物を縮合させ、末端に多量の水酸基或いはカルボン酸基、或いはこれらの誘導体官能基を有するハイパーブランチポリマーを形成した後、第2段階でこれら分子末端の官能基にアクリレート基、メタクリレート基等の不飽和結合基を付加させて得られる。
【0018】
上記第1段階の反応は上記KR’[(R)L]型化合物を単独で縮合反応触媒の存在下に反応させても良いし、多価ヒドロキシ化合物や多価カルボン酸化合物、或いはそれらを合わせ持つ化合物をハイパーブランチポリマー分子の分岐点として用いても良い。上記多価ヒドロキシ化合物としてはポリエステル樹脂原料として汎用の種々グリコール化合物やトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3官能以上の水酸基含有化合物が挙げられる。また、多価カルボン酸化合物としては同様にポリエステル樹脂原料として汎用の種々二塩基酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の3官能以上のカルボン酸化合物が挙げられる。更には水酸基とカルボン酸基を合わせ持った化合物例として、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
【0019】
本発明の樹脂として用いられるハイパーブランチポリマー分子の分岐点となる化合物としては上記以外に、二塩基酸成分とグリコール成分の縮合反応で得られる線状のポリエステルオリゴマーやこれらに3官能以上の多価カルボン酸や多価ヒドロキシ化合物を共重合した分岐型ポリエステルオリゴマーを用いても良い。
【0020】
上記分岐点となりうる線状、或いは分岐型ポリエステルオリゴマーの構成原料としては汎用の種々二塩基酸やグリコール化合物、或いは3官能以上の多価カルボン酸や多価アルコール化合物を用いる事ができる。二塩基酸化合物としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族系二塩基酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,2−ナフタレンカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ニ塩基酸、或いは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族二塩基酸が挙げられるが、耐熱特性から、好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,2−ナフタレンカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、特に好ましくはテレフタル酸、1,2−ナフタレンカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸である。
【0021】
また、グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−nブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族系ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコール類、或いはビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物等の芳香族系グリコール類が挙げられるがこれらのうち、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、およびビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物が得られるポリエステル樹脂の耐熱特性と原料としての汎用性から好ましい。
【0022】
更に上記3官能以上の多価カルボン酸や多価アルコール化合物としては、トリメリット酸やピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0023】
上記第1段階の反応は縮合反応で生成する縮合水をトルエンやキシレンにより共沸脱水させる事で、或いは反応系内に不活性ガスを吹き込み不活性ガスと共に縮合反応で生成した水やモノアルコールを反応系外に吹き出す又は減圧下に溜去する事で進められる。反応に用いられる触媒としては通常のポリエステル樹脂重合触媒同様、チタン系、錫系、アンチモン系、亜鉛系、ゲルマニウム系等の種々金属化合物やp−トルエンスルホン酸や硫酸等の強酸化合物を用いる事が出来る。
【0024】
次いで第2段階の反応では第1段階で得られた水酸基末端又はカルボン酸末端を多量に有したハイパーブランチポリマーにアクリレート、メタクリレート等の不飽和結合基が付加される。具体的に用いられる化合物としては末端が水酸基のハイパーブランチポリマーの場合、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸との縮合による方法、無水マレイン酸の付加による方法等が挙げられる。或いは無水コハク酸、トリメリット酸等の無水酸化合物で水酸基をカルボン酸に変換した後、このカルボン酸基とグリシジル(メタ)アクリレート化合物のグリシジル基との反応により不飽和結合を導入する事も可能である。一方、末端がカルボン酸基の場合には2−ヒドロキシエチルアクリレートや2−ヒドロキシメタクリレート等のモノアルコールとの縮合による方法、或いはグリシジル(メタ)アクリレート化合物のグリシジル基との反応による方法が挙げられる。本発明の樹脂の合成に際しては何れの方法を用いても構わない。
【0025】
上記第2段階の反応においては第1段階で得られたハイパーブランチポリマーが有する末端官能基の全てに対して不飽和結合基を導入しても良いし、部分的に導入し、一部未反応状態で残存させても良い。アルカリ水溶液での現像性が求められる様なレジスト樹脂用途では第1段階で得られたハイパーブランチポリマーの末端官能基に対し、部分的に不飽和結合基を導入し、一部未反応の末端官能基をカルボン酸基として残存させる事でアルカリ現像特性を付与する事が出来る。また、水酸基末端に不飽和結合を導入する際に、上記した無水マレイン酸を反応させると不飽和結合の導入と同時にカルボン酸基も当量導入される事になり、UV硬化性とアルカリ水溶液現像性が同時に付与される事になる。これらUV硬化性とアルカリ水溶液現像特性はハイパーブランチポリマーの末端に導入する不飽和結合基とカルボン酸基の割合により柔軟に制御する事が可能である。この様に多量に存在する末端官能基を任意に変性する事で種々の機能を付与できる事も、ハイパーブランチポリマーが有する大きな利点の一つである。
【0026】
本発明の樹脂における不飽和結合濃度は500eq/ton以上、好ましくは2500以上、更に好ましくは3000eq/ton以上である。500eq/ton未満では十分に高いUV硬化感度が得られないことがある。上限は特に限定されないが8000eq/tonが、塗膜物性の観点から好ましい。なお、不飽和結合濃度とは樹脂1tonあたりに含まれる不飽和結合の個数を表した数値である。
【0027】
本発明の樹脂としてのハイパーブランチポリマーの分子量は数平均分子量500〜20,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜10,000である。数平均分子量が500未満では硬化塗膜の耐久性が不足する場合があり、20,000を越えると汎用溶剤への溶解性が低下すると共に溶液粘度も高くなり、ハイパーブランチ構造を有する事の本来の利点が損なわれるおそれがある。
【0028】
本発明の樹脂をレジスト剤として用いる場合、併用して用いられる光開始剤としては種々の光開始剤が使用出来る。例えば2,2−ジエトキシアセトフェノン、4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。本発明のレジスト用樹脂には上記開始剤の一種単独或いは二種以上を任意の割合で混合使用しても良い。これら開始剤の配合量は本発明の樹脂に対し10重量%以下で配合される。好ましくは1〜5重量%である。1重量%未満では開始剤効果が充分得られないことがあり、10重量%を越えると未反応残存開始剤が硬化後塗膜の物性を低下させる場合がある。
【0029】
本発明の樹脂には上記光開始剤の他種々増感剤を併用添加する事が出来る。具体的な増感剤としてはベンゾフェノン骨格を有するp,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン(ミフェラーズケトン)、トリエタノールアミン、ジメチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン等が挙げられる。
【0030】
また、低分子量の単官能、多官能(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマーを配合する事でUV硬化性を更に向上させる事が出来る。これらオリゴマーの具体例としては2−ヒドロキシメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等1〜6官能モノマー及び(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。これらオリゴマーの配合量は本発明のレジスト用樹脂に対して50重量%以下で配合される。配合量は各々の使用用途条件により適性量が異なるが50重量%を越えるとUV硬化反能性は飽和状態となり更に添加しても硬化性は向上せず、むしろ不飽和結合の反応率が低下することがある。また低分子量成分が過剰となり、硬化塗膜の耐久性が悪化するおそれがある。
【0031】
本発明の樹脂には上記光開始剤、増感剤、低分子量の多価アクリレート、メタクリレートオリゴマーの他にエポキシ樹脂、フェノール樹脂などの別の樹脂成分をブレンド使用する事も出来る。これら樹脂成分は本発明のハイパーブランチポリマーの特性を損ねない範囲で任意の割合で配合して良い。
【実施例】
【0032】
以下実施例により本発明を具体的に例示する。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。得られた樹脂の分析評価は次の方法により実施した。
【0033】
(数平均分子量)
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。
【0034】
(組成分析及び不飽和結合基濃度の定量)
DMSO−d溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
【0035】
(ガラス転移温度)
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
【0036】
(酸価)
樹脂0.2gを20cmのクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、樹脂10g当たりの当量(eq/10g)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
【0037】
以下、表中及び本文中で用いる略号を示す。
PETH:ペンタエリスリトール
MAN:無水マレイン酸
ACA:アクリル酸
DMBA:ジメチロールブタン酸
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
BFAE:ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
HPN:2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート
NDC:1,6−ナフタレンジカルボン酸
PETA:ペンタエリスリトールとアクリル酸の縮合物
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
HBAG:4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
T:テレフタル酸
I:イソフタル酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル=アセテート
TMA:トリメリット酸
FA:無水フマル酸
【0038】
合成例(1)
ハイパーブランチポリマー(A)の合成
パーシャルコンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜にペンタエリスリトール136部、ジメチロールブタン酸4144部、触媒としてパラトルエンスルホン酸21部を仕込み、100℃下に攪拌し、均一な液状混合溶融物とした。次いでトルエン100部を注入後140℃に昇温し、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去した。同条件で5時間継続後反応を終了し、得られた重縮合物の酸価及び分子量を測定した。酸価は250eq/ton、数平均分子量は2000であった。
【0039】
得られた上記重縮合物1000部をプロピレングリコールモノメチルエーテル=アセテート(PGMEA)1000部に溶解し、無水マレイン酸370部、触媒としてトリエチルアミン5.5部を添加し、70℃、窒素雰囲気下で3時間反応させ、ハイパーブランチポリマー(A)を得た。得られたハイパーブランチポリマー(A)の数平均分子量は3500、酸価は2900、ガラス転移温度は36℃、不飽和結合基濃度は2700eq/tonであった。
【0040】
参考合成例(
ハイパーブランチポリマー(B)の合成
コンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜に上記ハイパーブランチポリマー(A)の固形分重量1000部をPGMEA900部に溶解し、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル340部、触媒としてトリフェニルホスフィン6部を仕込み130℃で6時間反応させ、ハイパーブランチポリマー(B)を得た。ハイパーブランチポリマー(B)の数平均分子量は4500、酸価1200eq/ton、ガラス転移温度32℃、不飽和結合基濃度は3300eq/tonであった。
【0041】
参考合成例(
ハイパーブランチポリマー(C)の合成
パーシャルコンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜にジメチロールブタン酸4000部、触媒としてパラトルエンスルホン酸20部を仕込み100℃下に攪拌し、均一な液状混合溶融物とした。次いでトルエン100部を注入後140℃に昇温し、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去した。同条件で5時間継続後反応を終了し、反応釜からサンプリングし、得られた重縮合物の酸価及び分子量を測定した。酸価は320eq/ton、数平均分子量は1600であった。
【0042】
次いで同上反応釜にアクリル酸1730部、安定剤としてフェノチアジン0.35部、ハイドロキノン0.7部を追加添加し、130℃で3時間、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去してハイパーブランチポリマー(C)を得た。得られたハイパーブランチポリマー(C)の数平均分子量は2200、酸価は180、ガラス転移温度は36℃、不飽和結合基濃度は4100eq/tonであった。
【0043】
参考合成例(
ハイパーブランチポリマー(D)の合成
リービッヒ冷却管、温度計、攪拌棒を具備した反応釜に2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート816部、1,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル854部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.4を仕込み、265℃でNガス封入しつつ、発生するメタノールを系外に溜去した。6時間で反応を終了させ、得られた重縮合物の酸価及び分子量を測定した。酸価は10eq/ton、数平均分子量は2900であった。
【0044】
次いでパーシャルコンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜に上記ポリオールの樹脂固形分重量で1200部、ジメチロールブタン酸3600部、触媒としてパラトルエンスルホン酸26部を仕込み100℃下に攪拌し、均一な液状混合溶融物とした。次いでトルエン120部を注入後140℃下に攪拌し、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去した。得られたハイパーブランチポリマーの数平均分子量は5500、酸価は800eq/tonであった。
【0045】
次いで同上反応釜にアクリル酸1640部、安定剤としてフェノチアジン0.33部、ハイドロキノン0.7部を追加添加し、130℃で3時間、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去して、ハイパーブランチポリマー(D)を得た。得られたハイパーブランチポリマー(D)の数平均分子量は7000、酸価は600、ガラス転移温度は40℃、不飽和結合基濃度は3500eq/tonであった。
【0046】
参考合成例(
ハイパーブランチポリマー(E)の合成
リービッヒ冷却管、温度計、攪拌棒を具備した反応釜にビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物1600部、ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル927部、トリメリット酸38部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.4部を仕込み250℃でNガス封入しつつ、発生するメタノールを系外に溜去した。8時間で反応を終了させ、得られた重縮合物の酸価及び分子量を測定した。酸価は10eq/ton、数平均分子量は1800であった。
【0047】
次いでパーシャルコンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜に上記ポリオール1000部、ジメチロールプロピオン酸4000部、触媒としてパラトルエンスルホン酸25部、トルエン100部を仕込み140℃下に攪拌し、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去した。得られたハイパーブランチポリマーの数平均分子量は4500、酸価は800eq/tonであった。
【0048】
次いで同上反応釜にアクリル酸1800部、安定剤としてフェノチアジン0.36部、ハイドロキノン0.7部を追加添加し、130℃で3時間、トルエンを還溜しつつ発生する水を共沸により系外に溜去し、ハイパーブランチポリマー(E)を得た。得られたハイパーブランチポリマー(E)の数平均分子量は6000、酸価は600、ガラス転移温度は42℃、不飽和結合基濃度は3500eq/tonであった。
【0049】
比較合成例(1)
リービッヒ冷却管、温度計、攪拌棒を具備したフラスコにテレフタル酸ジメチル194部イソフタル酸ジメチル194部、ネオペンチルグリコール146部、エチレングリコール160部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.2部を仕込み200〜225℃で3時間エステル交換反応を進めた後、250℃、減圧下に45分間重合反応を行ない、温度を220℃に下げ、N雰囲気下常圧に戻した。ついで無水トリメリット酸5.8部添加し、同温度、N雰囲気下で30分撹拌を継続して末端変性し、生成物を取り出した。得られたポリエステルの数平均分子量は1万、酸価は220eq/tonであった。
【0050】
次いで上記ポリエステル200部をプロピレングリコールモノメチルエーテル=アセテート(PGMEA)150部に溶解し、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル8.5部、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.5部を添加し、130℃で5時間反応させ、比較合成例(1)のポリマーを得た。数平均分子量は1万、酸価は10eq/ton、ガラス転移温度は55℃、不飽和結合基濃度は200eq/tonであった。
【0051】
比較合成例(2)
リービッヒ冷却管、温度計、攪拌棒を具備したフラスコにテレフタル酸ジメチル194部、イソフタル酸ジメチル194部、ネオペンチルグリコール146部、エチレングリコール160部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.2部を仕込み200〜225℃で3時間エステル交換反応を進めた後、250℃、減圧下に20分間重合反応を行ない、生成物を取り出した。得られたポリエステルジオールの数平均分子量は2000、酸価は5eq/tonであった。
【0052】
ついで上記ポリエステルジオール200部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)428部に溶解し、NKエステルA−TMM−3L(ペンタエリスリトールとアクリル酸の縮合物)30部、ネオペンチルグリコール8部を添加、均一に溶解した。MDI47部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート、0.05部添加し、70℃で8時間反応させ、比較合成例(2)のポリエステルウレタンアクリレート樹脂を得た。数平均分子量は11,000、ガラス転移温度は54℃、酸価は2eq/ton、不飽和結合基濃度は3550eq/tonであった。
【0053】
比較合成例(3)
ハイパーブランチポリマー(F)の合成
リービッヒ冷却管、温度計、攪拌棒を具備した反応釜にビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物1280部、エチレングリコール380部、ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル1220部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を仕込み200℃〜230℃で3時間エステル交換反応した後、265℃に昇温し、減圧下に20分間重合し、反応を終了させた。得られた重縮合物の酸価及び分子量を測定した。酸価は10eq/ton、数平均分子量は2000であった。
【0054】
次いでパーシャルコンデンサー、温度計、攪拌棒を具備した反応釜上記ポリエステルジオール1000部をPGMEA300部に溶解し、ジメチロールブタン酸444部、トルエン30部、触媒としてパラトルエンスルホン酸5部を添加し、140℃で3時間反応させた後、冷却して反応を終了し比較合成例(3)のハイパーブランチポリマー(F)を得た。数平均分子量は3200、酸価は67eq/ton、ガラス転移温度は50℃であった。
【0055】
上記比較合成例(1)、(2)はハイパーブランチ構造を有さない例であり、比較合成例(3)はハイパーブランチ構造は有しているものの不飽和結合基を有さない例である。
【0056】
上記合成例、比較合成例で得られた各々ポリマーの組成、分子量、Tg、酸価、不飽和結合基濃度を表1に示した。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例1
上記合成例(1)で得られたハイパーブランチポリマーの30wt%PGMEA溶液を調製し、以下配合処方により塗工液を作製し、25ミクロン厚のPETフィルムに乾燥後塗膜厚みが2ミクロンになるように塗布し、塗膜を120℃、10分間熱風乾燥させた。次いで400mJ/cmでUV照射処理し、得られた硬化フィルムをPGMEAに1時間浸漬した。
浸漬前後でのフィルム重量変化から未溶解残存硬化塗膜の重量%を計算し、UV硬化性能を比較した。結果を表2に示す。
(配合処方)
サンプルポリマー溶液(30wt%溶液) :80部(固形分)
トリメチロールプロパントリアクリレート :20部
開始剤(イルガキュアー651) :4部
ミヒラーズケトン :1部
【0059】
参考例1〜4、比較例1〜3
参考合成例(1)〜(4)、比較合成例(1)〜(3)のポリマーを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
表2の結果より明らかに本発明のハイパーブランチポリマーはUV硬化感度に優れ、低エネルギーUV照射で高い硬化反応性が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のハイパーブランチポリマーをレジスト用樹脂として用いることにより、UV硬化感度に極めて優れたものが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基末端のハイパーブランチ構造に水酸基末端の全てまたは一部に無水マレイン酸化合物を付加反応させて得ることのできる構造により、不飽和結合基とカルボン酸基が導入され
前記ハイパーブランチ構造が、下記化学式1)で表される分子の重縮合物により形成さており、
化学式1) KR’[(R)mL]n
R:炭素数20未満の2価の有機基
R’:炭素数20未満の(n+1)価の有機基
K、L:互いに異なるエステル結合形成性官能基
m:1
n:2
樹脂の数平均分子量500〜20,000である、
樹脂。
【請求項2】
前記ハイパーブランチ構造が、ABX型の分子の重縮合物により形成された請求項1に記載の樹脂(ただしA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bはカルボン酸誘導体基と水酸基であり、Xはを示す)。
【請求項3】
前記化学式1)で表される分子が2,2−ジメチロールプロピオン酸および/または2,2−ジメチロールブタン酸である請求項1または2に記載の樹脂。
【請求項4】
樹脂中の不飽和結合基濃度が500eq/ton以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂。
【請求項5】
請求項1〜のいずれかに記載の樹脂に開始剤を配合した樹脂組成物。
【請求項6】
レジスト用途に用いられる請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項5または6に記載の樹脂組成物を用いたレジスト剤。


【公開番号】特開2009−179807(P2009−179807A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117431(P2009−117431)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【分割の表示】特願2004−196868(P2004−196868)の分割
【原出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】