説明

ハイブリッドコーティング及び関連の塗布方法

オルガノシラン成分、金属アルコキシド成分及び界面活性剤成分の混合物を含むハイブリッドコーティング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、耐磨耗性ハイブリッドコーティング、磨耗ハイブリッドコーティングを作製する方法、及び磨耗する表面を処理し補充する関連方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械部品及びむき出しの表面の磨耗効果は、様々な用途において高頻度に見られる。磨耗効果は特に、透明度が要求される透明な部品及び表面に関連して良く見られるものである。例えば、航空機の窓は飛行中及び地上のいずれにおいても磨耗する。
【0003】
したがって、科学者及びエンジニアは磨耗効果に耐性があり、これによって、連続的な交換/修理作業の間の時間間隔を引き延ばしてメンテナンスに関連する時間及び費用が削減されるコーティングの探求を続けている。さらに、科学者及びエンジニアは傷がつき磨耗した基板を修復するのに使用することができ、これによってそうでない場合は交換が必要とされる基板の修理をしやすくしてメンテナンス費用を削減するコーティングの探求を続けている。環境に優しいコーティングは特に魅力的である。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明のハイブリッドコーティングは、オルガノシラン成分、金属アルコキシド成分、及び界面活性剤成分の混合物を含むことができる。さらに特定の態様では、混合物には約11μmよりも大きい粒子は実質的に含まれていない。
【0005】
別の態様では、本発明のハイブリッドコーティングは(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、アルミニウムs−ブトキシド及び界面活性剤成分の混合物を含むことができ、この混合物には約11μmよりも大きい粒子は実質的に含まれていない。
【0006】
別の態様では、本発明のハイブリッドコーティングを作製する方法は、オルガノシラン、金属アルコキシド、及び界面活性剤を混合して混合物を作製し、混合物を加熱し、加熱ステップ後に混合物をろ過するステップを含むことができる。
【0007】
別の態様では、本発明の基板をコーティングする方法は、基板表面を洗浄し、表面を酸素プラズマで処理し、表面に接着促進剤を塗布し、表面にオルガノシラン成分、金属アルコキシド成分、及び界面活性剤成分が含まれるハイブリッドコーティングを塗布し、ハイブリッドコーティングを硬化させるステップを含むことができる。
【0008】
本発明のハイブリッドコーティング及び関連する塗布方法の別の態様は、下記の説明、添付の図面及び添付の請求項によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明のハイブリッドコーティングを塗布する方法の一例を示すフロー図である。
【図2】図2は未処理基板(「未処理アクリル」)、従来技術のコーティング(「ポリシロキサン」)処理された基板、及び本発明のハイブリッドコーティング(「ハイブリッド」)の一態様で処理された基板に対するテーバー磨耗試験100サイクル後に得られた曇りの割合を示すグラフである。
【図3】図3は未処理のアクリル基板と、本発明のハイブリッドコーティングでコーティングされたアクリル基板の、テーバー磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示すグラフである。
【図4】図4は本発明のハイブリッドコーティングで補充された磨耗したアクリル基板の、テーバー磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示すグラフである。
【図5】図5は本発明のハイブリッドコーティングでコーティングされ、磨耗し、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、テーバー磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示すグラフである。
【図6】図6は従来技術のコーティングでコーティングされ、磨耗し、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、テーバー磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示すグラフである。
【図7】図7は最初に二重コーティング(すなわち、従来技術のコーティングの第1層と、本発明のハイブリッドコーティングの上塗り)でコーティングされ、磨耗し、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、テーバー磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示すグラフである。
【図8】図8は本発明のハイブリッドコーティングを作製する方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一態様では、本発明のハイブリッドコーティングはオルガノシラン成分、金属アルコキシド成分及び界面活性剤成分を含むことができる。水を例えば加えて、混合物の固形分及び/又は粘度を調節することができる。様々な機能性を有する追加の成分、例えば、染料、ライトスカベンジャー、レオロジー調節剤及び生物致死剤を、本発明の範囲から逸脱することなく本発明のハイブリッドコーティングに加えることができる。
【0011】
オルガノシラン成分は、本発明のハイブリッドコーティングの有機部分であってよい。一例示態様では、オルガノシラン成分は、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランであってよい。しかしながら、オルガノシラン成分として有用な化合物の代替実施例は、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルシラン、アリルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、n−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びテトラエチルオルトケイ酸塩、及びこれらの組合せを含む。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく他の化合物を本発明のハイブリッドコーティングのオルガノシラン成分として使用することができることが認識される。
【0012】
金属アルコキシド成分は、本発明のハイブリッドコーティングの無機部分であってよい。一例示態様では、金属アルコキシド成分はアルミニウムアルコキシド、例えばアルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムn−ブトキシド及びアルミニウムt−ブトキシドであってよい。第2の例示態様では、金属アルコキシド成分はセリウムアルコキシド、例えばセリウムIVイソプロポキシド、セリウムIVメトキシエトキシド及びセリウムIII2、4−ペンタンジオナートであってよい。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく他の金属アルコキシドを本発明のハイブリッドコーティングの金属アルコキシド成分として使用することができることが認識される。
【0013】
したがって、本発明のハイブリッドコーティングは、有機成分と無機成分の両方を含むハイブリッド材料であってよい。
【0014】
いかなる特定の理論にも限定されることなく、本発明のハイブリッドコーティングの界面活性剤成分は、コーティングの表面張力を減らすことによってコーティングの湿式接着を改善することができる。一例示態様では、界面活性剤成分は液体、非イオン性界面活性剤、例えば直鎖一級脂肪族アルコキシル化アルコールであってよい。上記界面活性剤の具体例としては、フランス、オーベルビリエのRhodia Operationsから入手可能なANTAROX(登録商標)BL−240(CAS#68603−25−8)が挙げられる。しかしながら当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、他の界面活性剤を本発明のハイブリッドコーティングの界面活性剤成分として使用することができることが認識される。
【0015】
オルガノシラン、金属アルコキシド及び界面活性剤成分の相対量は、本発明のハイブリッドコーティングの耐摩耗性、透明度、表面湿潤性、硬化性、又は他の物理特性が最適化されるように選択することができる。ある例示態様では、本発明のコーティングに含まれる金属アルコキシド及びオルガノシラン成分のモル比は約2:1(1モルのオルガノシラン成分に対して2モルの金属アルコキシド成分)であってよく、コーティングに含まれる界面活性剤成分は金属アルコキシド成分に対するモル比が75:1(1モルの界面活性剤成分に対して75モルの金属アルコキシド成分)であってよい。しかしながら、当業者には構成要素、最適化される物理特性、又はユーザの特定ニーズによって量(又はモル比)が変化する可能性があることが認識される。
【0016】
一態様では、本発明のハイブリッドコーティングは適量のオルガノシラン、金属アルコキシド、及び界面活性剤成分を任意に十分な量の水とともに混合容器の中で混合することによって調製することができる。組成物を混ぜ合わせ続けながら、溶液が透明になるまで加熱することができる。透明な溶液は室温(例:約25℃)まで冷まして次にろ過することができる。ある特定態様では、ろ過ステップを行って約10μmよりも大きい粒子を取り除くことができる。例えば、製造会社規定の粒子保持率が11μmのWhatman#1定性濾紙を使用することができる。
【0017】
この時点で当業者には、結果的に得られた透明で、冷却された濾過液がゾルゲルであり得ることが認識される。
【実施例1】
【0018】
(ハイブリッドコーティング)
耐熱容器の中で、11.7ミリリットルの75%アルミニウムs−ブトキシドのs−ブタノールと、15.1ミリリットルの(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランと、0.5ミリリットルの10重量%ANTAROX(登録商標)BL−240と,22.7ミリリットルの脱イオン水を混ぜ合わせて、ハイブリッドコーティングを調製する。この混合物を混ぜ合わせながら90℃の温度まで加熱する。さらに120分間、あるいは混合物が透明になるまで混ぜ合わせ続ける。混合物を次に熱源から取り外し、25℃まで冷やす。冷えた混合物を次にWhatman#1定性濾紙に通し、濾取を廃棄する。濾液を気密容器に保存する。
【0019】
後に記述するように、本発明のハイブリッドコーティングを初期のコーティング又は補充コーティングとして使用して様々な基板、例えばアクリル(延伸アクリル)基板及びガラス基板をコーティングすることができる。当業者には、本発明の範囲から逸脱せずに、アクリル基板及びガラス基板以外の基板を本発明のハイブリッドコーティングでコーティングすることが可能であることが認識される。
【0020】
図1を参照すると、通常10で指定されるハイブリッドコーティングを塗布する一方法は、ブロック12で示すように本発明のハイブリッドコーティングを調製することによって開始することができる。本発明のハイブリッドコーティングの調製は上に詳しく述べてきた。
【0021】
ブロック14に示すように、接着促進剤を調製することができる。接着促進剤は下部の基板への本発明のハイブリッドコーティングの接着を促進することができる任意の材料であってよい。ある例示の接着促進剤は、水に2.5重量%の3−アミノプロピルトリエトキシシランが含まれたものを含む。しかしながら当業者には、様々な接着促進組成物を使用できることが認識される。
【0022】
ブロック16に示すように、コーティングされる基板表面を適切に洗浄することができる。コーティングされる表面を洗浄する様々な方法は当技術分野で周知である。例えば、基板が延伸アクリル製である時、基板表面をイソプロピル・アルコールで拭くことができる。
【0023】
さらに、ブロック18で示すように、洗浄された基板表面を酸素プラズマで処理することができるが、本発明の範囲から逸脱することなく、例えばコロナ等の他の処理方法を使用することもできる。酸素プラズマは外気プラズマ処理システムで生成することができ、基板表面から約0.75インチの距離を0.1インチ/秒の速さで動くヘッドを有することができる。一例としては、ペンシルバニア州ウェストチェスターのストラクチャプローブ社から入手可能なSPI Plasma−Prep(登録商標)プラズマエッチャーを使用して、酸素プラズマを生成することができる。任意の特定理論に限定されることなく、本発明のハイブリッドコーティングに含まれる酸素プラズマ及び界面活性剤はいずれも、基板へのハイブリッドコーティングの湿潤性と接着性を改善するのに一役買っている。
【0024】
洗浄(ブロック16)及びプラズマ処理(ブロック18)ステップの後に、接着促進剤をブロック20で示すように基板表面に塗布することができる。接着促進剤を塗布するために様々な技術を使用することが可能であるが、ある例示の技術は噴霧である。次に、ブロック22に示すように、必要に応じて接着促進剤を硬化させることができる。例えば、2.5重量%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液を接着促進剤として使用した場合、接着促進剤を80℃で10分硬化させることができ、その後基板を冷ますことができる(ブロック24)。
【0025】
この時点において当業者には、ブロック14〜24に示すステップを必要に応じて省略することが可能であることが認識される。具体的には、本発明のハイブリッドコーティングを補充コーティングとして使用する時は、接着促進剤の使用(すなわちブロック14、20、22及び24に示すステップ)を任意に省略することができる。また、本発明のハイブリッドコーティングを補充コーティングとして使用するときは、酸素プラズマ処理(ブロック18)を任意に省略することができる。
【0026】
ブロック26で示すように、ハイブリッドコーティングを洗浄し処理した基板の表面に塗布することができる。ハイブリッドコーティングを基板上に噴霧することは一つの好適な塗布方法であるが、当業者には本発明の範囲を逸脱することなく、例えばドローイング加工、ブレード塗工、及び塗装等の様々な塗布方法を使用することができることが認識される。
【0027】
ブロック28に示すように、基板に塗布されたハイブリッドコーティングを稼動前に硬化させることができる。硬化時間及び硬化温度を含む硬化方法は、ハイブリッドコーティングの特定組成物によって変化し得るが、上述の実施例1で示したハイブリッドコーティングが使用される場合、室温で約16時間置いた後に80℃で約2時間硬化させることで好適な硬化が得られるはずである。硬化後にコーティングされた基板をブロック30で示すように冷やすことができる。
【0028】
ハイブリッドコーティング(「ハイブリッド」)を、BSS7225、5級(接着7は最低必要条件であり、10は完全に接着されている)に従って湿式接着及び乾式接着について延伸アクリル上で試験した。アルミニウムs−ブトキシドを金属アルコキシド成分(「無機」)として使用し、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランをオルガノシラン成分(「有機」)として使用し、ANTAROX(登録商標)BL−240を界面活性剤成分として使用した。酸素プラズマ(「プラズマ」)、コロナ処理(「コロナ」)及び接着促進剤(「AP」)を表示されているところで使用した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
このように、本発明のハイブリッドコーティングの乾式接着及び湿式接着は、特に本発明の方法を使用して塗布されたときに良好な結果をもたらした。
【0031】
アルミニウムs−ブトキシドのANTAROX(登録商標)BL−240に対する比が、150:1及び75:1である、濾過した及び濾過していないハイブリッドコーティングを、曇り及び透明度について延伸アクリル上で試験した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
このように、本発明のハイブリッドコーティングは、初期の曇りの度合いが低く、初期の透明度が高い結果となった。
【0034】
延伸アクリル上の本発明のハイブリッドコーティングの耐摩耗性を、一般にテーバー摩耗試験と呼ばれるASTM D 1044を用いて評価した。結果を図2〜7に示す。
【0035】
図2は未処理アクリル基板、ポリシロキサンのみで処理された基板(従来技術)、及び本発明のハイブリッドコーティングで処理されたアクリル基板に対する摩耗試験100サイクル後に得られた曇りの割合を示す。図3は未処理のアクリル基板と、本発明のハイブリッドコーティングでコーティングされたアクリル基板の、磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示す。図4は本発明のハイブリッドコーティングで補充された磨耗したアクリル基板の、磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示す。図5は本発明のハイブリッドコーティングでコーティングされ、約1600回摩耗サイクルを行い、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示す。図6は従来技術のコーティングでコーティングされ、約100回磨耗サイクルを行い、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示す。図7は最初に二重コーティング(すなわち、従来技術のコーティングの第1層と、本発明のハイブリッドコーティングの上塗り)でコーティングされ、約2500回摩耗サイクルを行い、本発明のハイブリッドコーティングで補充され、そして再び磨耗したアクリル基板の、磨耗試験サイクル数と曇りの割合との対比を示す。
【0036】
このように、本発明のハイブリッドコーティングにより、初期のコーティングとして又は補充コーティングとして使われるかいかんにかかわらず、耐摩耗性が大幅に改善される。
【0037】
したがって、本発明のハイブリッドコーティングは、初期の曇り度が低く、初期の透明度が高く、(特に延伸アクリル基板に対して)良好な乾式接着及び湿式接着、及び優れた耐摩耗性をもたらす。さらに、本発明のハイブリッドコーティングを補充コーティングとして使用することで、基板を以前にコーティングしていなかったとしても、摩耗した基板の透明度と耐摩耗性を復元することができる。またさらに、本発明のハイブリッドコーティングを水性ゾルゲル材料として調製することができ、したがって環境に優しい。
【0038】
本発明のハイブリッドコーティングと、関連する塗布方法の様々な態様を示し説明してきたが、本明細書を読む際に当業者が修正例を発想することは可能である。本願はこのような修正例を含むものであり、請求項の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノシラン成分、金属アルコキシド成分及び界面活性剤成分の混合物を含むハイブリッドコーティング。
【請求項2】
前記混合物が実質的に約11μmよりも大きい粒子を含まない、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項3】
前記オルガノシラン成分は、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルシラン、アリルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、n−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びテトラエチルオルトケイ酸塩、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項4】
前記金属アルコキシドは、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムn−ブトキシド、及びアルミニウムt−ブトキシドからなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項5】
前記金属アルコキシドは、セリウムIVイソプロポキシド、セリウムIVメトキシエトキシド及びセリウムIII2、4−ペンタンジオナートからなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項6】
前記界面活性剤成分は、直鎖一級脂肪族アルコキシル化アルコールを含む、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項7】
前記混合物に存在する前記金属アルコキシド成分の前記オルガノシラン成分に対するモル比は約2:1である、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項8】
前記混合物に存在する前記金属アルコキシド成分の前記界面活性剤成分に対するモル比は約75:1である、請求項1に記載のハイブリッドコーティング。
【請求項9】
基板をコーティングする(10)方法であって:
前記基板の表面を洗浄し(16);
前記表面を酸素プラズマで処理し(18);
前記処理ステップ後に、前記表面に接着促進剤を塗布し(20);
前記接着促進剤を塗布する(20)前記ステップ後に、前記表面にハイブリッドコーティングを塗布し(26)、前記ハイブリッドコーティングがオルガノシラン成分、金属アルコキシド成分及び界面活性剤成分を含み;
前記ハイブリッドコーティングを硬化させる(28)
ステップを含む方法。
【請求項10】
前記基板が延伸アクリル製である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酸素プラズマのヘッドが、前記表面から約0.75インチの距離において約0.1インチ/秒の速さで移動する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記接着促進剤が、3−アミノプロピルトリエトキシシランの水溶液を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記接着促進剤を硬化させる(22)ステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
塗布前に前記ハイブリッドコーティングを濾過する(108)ステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ハイブリッドコーティングが前記濾過ステップ(108)の前に加熱される(104)、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記オルガノシラン成分が、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランを含み、前記金属アルコキシド成分がアルミニウムs−ブトキシドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
ハイブリッドコーティングを作製する(100)方法であって:
オルガノシラン、金属アルコキシド及び界面活性剤を含む混合物を調製し(102);
前記混合物を加熱し(104);
前記加熱ステップ(104)後に、前記混合物を濾過する(108)
ステップを含む方法。
【請求項18】
前記混合物が前記加熱ステップ(104)の間に混ぜ合わされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記濾過ステップ(108)の前及び前記加熱ステップ(104)の後に、前記混合物を冷却する(106)ステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記加熱ステップ(104)が、前記混合物が透明になるまで前記混合物を加熱することを含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−516376(P2012−516376A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547920(P2011−547920)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063401
【国際公開番号】WO2010/087887
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】