説明

ハイ・インピーダンス・トレース

本発明は、マイクロ波導電構造46a、48bと、その様な構造の生成方法であり、構造は、第1の電気的導電層L32と、第1の電気的導電層L32の上に配置された第1の誘電率の第1の誘電基板D31と、誘電基板D31内又は上に配置された第1の幅の少なくとも1つの電気的導電トレースCT1、CT2を備えている。第1の幅より太い第2の幅を有し、第1の誘電率より低い第2の誘電率の基板DM1、DM2のトラックは、第1の誘電基板D31と導電トレースCT1、CT2の間に局所的に配置され、導電トレースCT1、CT2が、第2の誘電基板DM1、DM2上に配置されて電気的に動作する様に、導電トレースCT1、CT2に沿って延在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号に整合したインピーダンスを有する電気的に導電構造の基板と、その様な構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的導電構造は、基板内又は基板上に生成された電気的導電トレースにより、例えば、基板内又は基板上に配置された半導体又は他の部品といった種々の電気部品間のパスを形成することで、形成され得ることは公知である。その様なトレースは、通常、銅又は幾つかの他の導電材料で通常作られている。使用される材料は理想的な導電特性を持つ必要はなく、銅等より導電性の低い他の材料の利用が阻害されないことは、当業者には公知である。トレースが生成される基板は、例えば、電気的導電トレースを生成可能なプリント回路基板(PCB)又は幾つかの他の適切な材料であり得る。
【0003】
基板上に薄い導電トレースを生成することは、常に、困難な課題である。特に、不安定な高インピーダンス・トレースであるときに困難な課題となる。高インピーダンス・トレースは、例えば、低雑音増幅器(LNA)等の様な電気回路の入力インピーダンスにトレース・インピーダンスを整合させるために、通常、使用される。通常、LNAの入力インピーダンスは、凡そ100〜150オームである。その様な場合、対応する銅トレースの幅は、標準FR4構造を使用するPCB内又はPCB上に適用する場合、約3〜4mil(1milは、0.001インチ)である。LNAは、ここでは例として用い、他の電気回路の入力インピーダンスは、約50オームより低く、或いは、約200オーム程度まで高いかもしれない。トレースの幅は、この様に適合され、5mil程度より小さく、少なくとも10mil程度より小さい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エッチング処理は、容易に1milの誤差を生じさせる。よって、オフセットは、4milトレースの場合には、25%の大きさになる。この巨大な変動は、インピーダンス整合の精度の妨害となり、LNAの感度に悪影響を及ぼす。
【0005】
よって、歩留まり率を改良するために、エッチング処理のオフセット変動を除去、或いは、少なくとも緩和する方法があれば都合が良い。
【0006】
本発明の目的は、歩留まり率を改良するために、エッチング処理、或いは、電気的導電トレースを生成する同様の処理において、オフセット変動を除去、或いは、少なくとも緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
エッチング処理等の変動を補償するために、トレース幅を増加させることは良い考えである。電気的導電トレースの下にある材料のみを低い誘電材料に取り換えることで、トレース幅を人為的に増加させることができる。例えば、PCB処理の間に実行されるこの発明により、不正確なエッチング制御を補償するためにトレース幅を事前に拡大することができ、歩留まり率を改善できる。
【0008】
上述した利点の少なくとも1つは、本発明の第一実施形態で達成され、第一実施形態は、第1の電気的導電層と、第1の電気的導電層の上に配置された第1の誘電率の第1の誘電基板と、誘電基板上又は誘電基板内に配置された第1の幅の少なくとも1つの電気的導電トレースと、を備えているマイクロ波導電構造を提供する。第1の幅より広い第2の幅を有し、かつ、第1の誘電率より低い第2の誘電率を有する第2の誘電基板のトラックが、第1の誘電基板と導電トレースの間に局所的に配置され、トラックは、導電トレースが第2の誘電基板上に配置されている様に電気的に動作する様に、導電トレースに沿って延在している。
【0009】
とりわけこのことは、第2の誘電基板のトラックは、マイクロ波導電構造の特性インピーダンスZを計算するために、第2の誘電率Erを問題なく使用できる様に、例えば、マイクロストリップ構造又はストリップライン構造である場合に、マイクロ波導電構造の特性インピーダンスZを計算するための後に示す式(1)、(2a)、(3)の変数Erを問題なく使用できる様に、導電トレースに沿って延在していると解釈すべきである。
【0010】
本発明の第二実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、第2の誘電基板が電気的導電トレースに沿って、電気的導電トレースを実質的に中心して延在しているマイクロ波導電構造を対象としている。
【0011】
本発明の第三実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、電気的導電トレースが、第2の誘電基板に隣接して延在しているマイクロ波導電構造を対象としている。
【0012】
本発明の第四実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、マイクロ波導電構造が、マイクロストリップ構造であるマイクロ波導電構造を対象としている。
【0013】
本発明の第五実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、マイクロ波導電構造が、ストリップライン構造であるマイクロ波導電構造を対象としている。
【0014】
本発明の第六実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、マイクロ波導電構造が、50オーム又は100オームより大きい高い特性インピーダンスZを有するマイクロ波導電構造を対象としている。
【0015】
本発明の第七実施形態は、第一実施形態の特徴を含み、第2の幅が、第1の幅の10倍未満であるマイクロ波導電構造を対象としている。
【0016】
本発明の第八実施形態は、第一実施形態又は第七実施形態の特徴を含み、電気的導電トレースの第1の幅が、5mil未満又は10mil未満であるマイクロ波導電構造を対象としている。
【0017】
本発明の第九実施形態は、それぞれが、前記実施形態のいずれか1つによるのと同じ種類の第1のマイクロ波導電構造及び第2のマイクロ波導電構造を含む、基板構造を対象とする。ここで、第1のマイクロ波導電構造及び第2のマイクロ波導電構造は、平衡マイクロ波導電構造を形成する様に配置されている。
【0018】
“同じ種類”との表現は、両マイクロ波導電構造が、前記実施形態と同じと解釈すべきである。しかしながら、例えば、実際、製造誤差により同じ実施形態においても小さな変動があるので、このことは2つのマイクロ波導電構造が同一であると解釈すべきではない。平衡マイクロ波構造は、例えば、第1のマイクロ波導電構造及び第2のマイクロ波導電構造を実質的に互いに平行に配置することで生成され得る。
【0019】
本発明の第十実施形態は、アンテナ部と、電気回路と、第一から第八実施形態のいずれか1つによるマイクロ波導電構造を含む通信デバイスを対象とし、マイクロ波導電構造は、アンテナ部を電気回路に接続する。
【0020】
さらに、上記利点の少なくとも1つは、本発明の第十一実施形態により達成され、第十一実施形態は、マイクロ波構造を生成する方法を提供する。本方法は、少なくとも1つの第1の電気的導電層と、第1の高誘電率の第1の材料を含む誘電層と、を備えている基板構造を提供するステップであって、導電層は、誘電層と実質的に平行で、誘電層の下に延在している、ステップと、第1の導電層を露出させる少なくとも1つのグルーブを誘電層に形成するステップと、グルーブに第2の低誘電率の誘電材料を、第1の幅の誘電トラックを形成するために配置するステップと、誘電トラックの上で誘電トラックに沿って少なくとも1つの電気的導電トレースを形成するステップと、を含んでいる。
【0021】
本発明の第十二実施形態は、第十一実施形態の特徴を含み、少なくとも1つのグルーブが、誘電層上にマスク・パターンを、露出された誘電層の少なくとも1つのトラックを形成するために配置するステップと、第1の導電層を露出させる少なくとも1つのグルーブを誘電層に形成するために、誘電層の露出部分を除去するステップとにより形成されている方法を対象とする。
【0022】
本発明の第十三実施形態は、第十一実施形態の特徴を含み、誘電層の上と、グルーブ内に誘電材料を配置するステップと、平坦化処理により誘電層から誘電材料を除去するステップにより、第2の低誘電率の誘電材料が、グルーブに配置される、方法を対象とする。
【0023】
本発明の第十四実施形態は、第十一実施形態の特徴を含み、誘電層及び誘電トラック上に第2の電気的導電層を配置するステップと、誘電トラック上で誘電トラックに沿って第2の電気的導電層の露出していない部分を残す様にマスク・トラックを配置するステップであって、マスク・トラックは、誘電トラックの第1の幅より狭い第2の幅を有している、ステップと、誘電トラックの上で誘電トラックに沿って少なくとも1つの電気的導電トレースを形成する様に第2の導電層の露出部分を除去するステップとにより、導電トレースが形成されている方法を対象とする。
【0024】
本発明の第十五施形態は、第十一実施形態の特徴を含み、導電トレース、誘電トラック及び誘電層ははんだマスクにより覆われている方法を対象とする。
【0025】
明細書において使用する“備えている/含む”との用語は、述べられた特徴、数、ステップ又は部品の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数、ステップ、部品又はそれらの組の存在又は追加を排除するものではないことが強調されるべきである。
【0026】
同様に、記述した方法のステップは、必ずしもその記載順に実行する必要はなく、方法の他の実施形態は、本発明の範囲外とならない、より多くのステップ、又は、より少ないステップを含み得る。
【0027】
本発明について、添付の図を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1a】携帯電話10の形式での通信デバイスを示す図。
【図1b】図1aの通信デバイスの背面部を示す図。
【図2a】表面の銅トレース22aに沿った短部から見た典型的なマイクロストリップ構造20aを示す図。
【図2b】埋め込まれた銅トレース22bに沿った短部から見た典型的なマイクロストリップ構造20bを示す図。
【図2c】埋め込まれた銅トレース22cに沿った短部から見た典型的なストリップライン構造20cを示す図。
【図2d】電気的導電トレース22dに沿った短部から見たマイクロストリップ構造20dを形成する本発明の一実施形態を示す図。
【図2d−1】上側から見た図2dの実施形態を示す図。
【図2e】電気的導電トレース22eに沿った短部から見たストリップライン構造20eを形成する本発明の一実施形態を示す図。
【図3】例示的な標準6層PCB部30を示す図。
【図4a】少なくとも層L31の一部分がないPCB部30を示す図。
【図4b】フォトレジスト・パターンが設けられた図4aのPCB部30を示す図。
【図4b−1】図4bのPCB部30の平面図。
【図4c】露出した導電層L32のグルーブLE1、LE2を有するPCB部30を示す図。
【図4c−1】図4cのPCB部30の平面図。
【図4d】フォトレジスト・パターンを除去した図4c及び図4c−1のPCB部30を示す図。
【図4d−1】図4dのPCB部30の平面図。
【図4e】PCB部30の上部を覆う誘電材料DMを有する図4d及び図4d−1のPCB部30を示す図。
【図4f】PCB部30の上部から被覆材料DMが除去された図4eのPCB部30を示す図。
【図4f−1】図4fのPCB部30の平面図。
【図4g】PCB部30の上部を覆う電気的導電層L31を有する図4f及び図4f−1のPCB部30を示す図。
【図4h】層31の上部に設けられたフォトレジスト・パターンPRT1、PRT2を有する図4gのPCB部30を示す図。
【図4h−1】図4hのPCB部30平面図。
【図4i】電気的導電層31の一部を除去した図4h及び図4h−1のPCB部30を示す図。
【図4i−1】図4iのPCB部30平面図。
【図4j】フォトレジスト・パターンPRT1、PRT2を除去した図4i及び図4i−1のPCB部30を示す図。
【図4j−1】図4jのPCB部30平面図。
【図4k】PCB部30の上部を覆うはんだマスクS40を有する図4j及び図4j−1のPCB部30を示す図。
【図5】本発明の一実施形態による方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1aは、携帯電話10の形式での通信デバイスを示す図である。しかしながら、本発明は、携帯電話に限定されない。反対に、本発明は、例えば、任意の適切な受信機、任意の適切な送受信機等の、任意の適切な通信デバイスに実装され得る。
【0030】
図1bは、携帯電話10を背面から見た図である。図1bの点線は、アンテナ部12と、トレース構造42と、電気回路14と、基板部40とを備えている例示的な携帯電話10を図示するものである。アンテナ部12は、例えば、無線伝送又は同様な電磁的な伝送といった無線伝送の受信動作が可能な様に構成される。トレース構造42は、電気回路14にアンテナ部12を動作可能な様に接続する様に構成される。トレース構造42は、マイクロ波等を動作可能に導通させる様に構成される電気的導電構造を形成するために、基板部40上又は基板部40内に配置される。アンテナ部12及び/又は電気回路14は、基板部40内又は基板部40上に配置され得る。携帯電話10は、本発明の一実施形態による、アンテナ部、トレース構造、電気回路、及び、基板部を有する通信デバイスの単なる例であることが重視されるべきである。
【0031】
図1bにおいて、トレース構造42は、第1の電気的導電パス46と第2の電気的導電パス48を有する差動トレース構造であると想定している。好ましくは、第1及び第2のパス46、48は、実質的に同一である。
【0032】
さらに、電気回路14は、例えば、差動低雑音増幅器(LNA)といった、差動トレース構造42経由でアンテナ部12に動作可能な様に接続される差動回路であることを想定している。
【0033】
本発明の他の実施形態は、単一の電気的導電パス46又は48を有するトレース構造を使用するかもしれない。これは、他の非差動電気回路が好ましい場合であるかもしれない。実際、本発明は、総てが単一エンド・トレース、差動トレース又はマルチ・トレース構成に実質的に適用できる。
【0034】
基板部40は、電気的導電パス46、48が生成されている上又は中に誘電絶縁又は他の適切な材料を含むことが好ましい。問題となる要求条件に応じた様々な絶縁値を提供するために利用できる、プリント回路基板(PCB)のための様々な公知の誘電材料が存在する。公知の誘電材料の幾つかの例は、ポリテトラフルオロエチレン、FR−1、FR−2、FR−4(ここで、FRは、難燃性の頭字語)又はCEM−1、CEM−2、CEM−3(ここで、CEMは、エポキシ複合材料の頭字語)等である。しかし、本発明は、PCBや上述した誘電材料に限定されない。パス46、48は、銅又は他の電気的導電材料で形成することも好ましい。銅等よりも導電性が低い材料が、パス46、48のための材料から除外されないことについては、当業者には公知である。
【0035】
導電パス46又は48は、例えば、マイクロストリップ又はストリップライン構造であり、それらは、当業者には公知である。
【0036】
図2aは、典型的なマイクロストリップ構造20aを示し、マイクロストリップ構造20aは、表面の銅トレース22aと、誘電基板24aと、好ましくは銅で形成される基準グラウンド面26aと、を備えている。
【0037】
マイクロストリップ20aの特性インピーダンスは、例えば、以下の式で近似できる。
【0038】
【数1】

【0039】
ここで、Erは基板24aの誘電率であり、Haは基板24aの高さであり、Taはトレース22aの厚みであり、Waはトレース22aの幅である。
【0040】
図2bは、典型的なマイクロストリップ構造20bを示し、マイクロストリップ構造20bは、埋め込まれた銅トレース22bと、誘電基板24bと、好ましくは銅で形成される基準グラウンド面26bと、を備えている。
【0041】
マイクロストリップ20bの特性インピーダンスは、例えば、以下の式で近似できる。
【0042】
【数2】

【0043】
ここで、Erは基板24bの誘電率であり、Hbは基板24bの高さであり、Tbはトレース22bの厚みであり、Wbはトレース22bの幅である。
【0044】
図2cは、典型的なストリップライン構造20cを示し、ストリップライン構造20cは、基板24cに埋め込まれ、第1のグラウンド面26cと第2のグラウンド面26c´に挟まれた銅トレース22cを、備えており、第1のグラウンド面26cと第2のグラウンド面26c´の両方は好ましくは銅で形成される。
【0045】
ストリップライン構造20cの特性インピーダンスは、例えば、以下の式で近似できる。
【0046】
【数3】

【0047】
ここで、Erは基板24cの誘電率であり、Hcはトレース22cと、上部グラウンド面26c及び下部グラウンド面26c´との間の距離であり、Tcはトレース22cの厚みであり、Wcはトレース22bの幅である。
【0048】
式(1)、(2a)、(3)及び(3´)は、トレース幅Wa、Wb又はWcの増加が、式の対数係数を減少させ、それは、式の左側の比の係数を増加させることになる、誘電率Erを減少させることにより補償される。
【0049】
この様に、トレース幅Wa、Wb又はWcを増加させると、誘電率Erをそれに応じて減少させることで、同じレベルの特性インピーダンスZを維持できる。
【0050】
トレース幅Wa、Wb又はWcを増加させるので、エッチング処理で生じ得るオフセット変動は、特性インピーダンスZにあまり影響を与えなくなる。これは、上述した本発明の目的の少なくとも1つである、インピーダンス整合の制御及び歩留まり率を改善する。
【0051】
しかしながら、トレース幅Wa、Wb又はWcの増加を補償するために基板24a、24b、24c全体の誘電率Erを減少させることは、一般的に、基板24a、24b、24c内又は上の他の総てのトレースの幅を増加させることを必要とさせる。そうでないと、特性インピーダンスを維持することができない。しかしながら、物理スペースは、今日の最新の高密度に詰め込まれた基板においては乏しいリソースであるので、基板内又は上の総ての導電トレースのトレース幅を増加させることは好ましくない。
【0052】
本発明の好ましい実施形態によると、代わりに、誘電率は、エッチング処理の変動に実際に敏感な薄いトレース、例えば、LNA又は他の高インピーダンス電気回路の高入力インピーダンスに、トレースのインピーダンスを整合させるために使用する高インピーダンス・トレースの下でのみ局所的に減少させる。
【0053】
図2dは、マイクロストリップ構造20dの形式での本発明の一実施形態を示している。しかしながら、本発明の他の実施形態は、マイクロ波の様な電磁波を伝えるための他の構造を使用することができる。図2dのマイクロストリップ構造20dは、電気的導電トレース22dと、基準グラウンド面26dと、第1の高誘電率の第1の誘電基板24dと、第2の低誘電率の第2の誘電基板のトラック25dと、を備えている。第2の誘電基板のトラック25dは、第1の誘電基板24dと導電トレース22d間で局所的に、導電トレース22dに隣接して沿う様に延在している。
【0054】
局所的とは、トレース22dが、第2の低誘電率の第2の誘電基板25d上に配置されて動作可能に機能する様に、トラック25dの厚みと、特に幅が決められていることを意味する。つまり、トレース22dの特性インピーダンスZを上記式(1)のErに第2の誘電率を代入することで決定できる様に、トラック25dの厚みと、特に幅が決められている。局所的は、全体的に対するものであり、全体的には、第1の誘電基板24dの全体が、実質的に第2の誘電基板25dにより覆われることを暗示する。
【0055】
トラック25dの幅は、トレース22dの幅の、約2倍未満、約4倍、約6倍、約10倍、約15倍、約20倍、約50倍又は約100倍未満である。当然ながら、実際のサイズは、構造及びトレース幅等に依存する。
【0056】
第1の誘電基板24dは、例えば、FR4(Er≒4.3)で形成することができ、第2の誘電基板25dは、例えば、ポリイミド(Er≒3.5)、エポキシ樹脂(Er≒3.4)、Lucite(Er≒2.5)、ポリカーボネート(Er≒2.9)、ポリエチレン(Er≒2.5)、シリコン(Er≒3.9)又はテフロン(Er≒2.1)で形成することができる。
【0057】
図2d−1は、図2dの実施形態を上から見た図である。
【0058】
図2eは、ストリップライン構造20eの形式での本発明の他の実施形態を示す図である。図2eのストリップライン構造20eは、電気的導電トレース22eと、下部グラウンド面26dと、第1の誘電率の第1の誘電基板24eと、第2の低誘電率の第2の誘電基板25eのトラックと、第2の上部グラウンド面27eと、を備えている。第2の誘電基板25eのトラックは、第1の誘電基板24eと導電トレース22eの間において、導電トレース22eに隣接して沿う様に局所的に延在している。
【0059】
局所的とは、トレース22eの特性インピーダンスZが、上記式(3)又は(3´)のErに第2の低誘電率を代入することで決定できる様に、トラック25eの厚みと、特に幅が決められていることを意味する。局所的は、全体的に対するものであり、全体的は、第2の誘電基板25eが、実質的に、第1の誘電基板24dの全体に渡り延在していることを暗示する。
【0060】
トラック25eの幅は、トレース22eの幅の、約2倍未満、約4倍、約6倍、約10倍、約15倍、約20倍、約50倍又は約100倍未満である。当然ながら、実際のサイズは、構造及びトレース幅等に依存する。
【0061】
第1の誘電基板24eは、例えば、FR4(Er≒4.3)で形成することができ、第2の誘電基板25eは、例えば、ポリイミド(Er≒3.5)、エポキシ樹脂(Er≒3.4)、Lucite(Er≒2.5)、ポリカーボネート(Er≒2.9)、ポリエチレン(Er≒2.5)、シリコン(Er≒3.9)又はテフロン(Er≒2.1)で形成することができる。
【0062】
続いて、本発明の一実施形態による電磁波を伝える構造を生成する方法について、図3、図4aから5を用いて説明する。図4a〜4kの構造は、マイクロストリップ構造の本質である。しかしながら、例えば、ストリップライン構造又はマイクロ波等を伝える様に構成された他の基板構造といった、本発明の他の実施形態に変更して適用できる。
【0063】
図3は、例示的な、公知の標準6層PCB部30を示している。種々の多層PCBは、当業者には公知であり、それらについての詳細な説明は必要ではない。しかしながら、図3の公知の6層PCB部30を、本方法と、幾つかの基本的な特徴の説明に使用する。
【0064】
図3において、層L31〜L36は、好ましくは、銅又は当業者には多層PCBに使用されるものとして知られている幾つかの他の電気的導電材料の薄層である。導電層L31〜L36は、例えば、1mil未満、1.5mil未満、2mil未満又は3mil未満の厚みとすることができる。層D31〜D35は、好ましくは、FR4又は当業者には多層PCBに使用されるものとして知られている幾つかの他の誘電材料等の誘電材料の薄層である。一般的に、層D31〜D35は、例えば、2mil未満、3mil未満又は4mil未満の厚みとすることができる。しかしながら、層D31〜D35の幾つかは(例えば、層D33の様な幾つかの内部層)、例えば、15mil未満、20mil未満又は25mil未満の厚みとすることができる。
【0065】
電気的導電層は、例えば、以下の様に使用できる。
L31 信号
L32 グラウンド(GND)
L33 信号
L34 信号又はグラウンド(GND)
L35 電力(VCC)
L36 信号
【0066】
図4aは、層L32〜L36及び層D31〜D35を積み上げた後の、図3のPCB部30を示している。
【0067】
図4bは、斜線領域で示すフォトレジストのパターンが、PCB部30の層D31の上に配置された状態を示している。フォトレジストの材料は、例えば、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)、ポリメチル・グルタルミイド(PMGI)又はPCBに使用されるものとして当業者には知られている任意の他の適切なフォトレジストとすることができる。フォトレジストのパターンは、例えば、当業者には公知のデポジットといった任意の適切な方法により配置され得る。
【0068】
図4b−1は、図4bのPCB部30の平面図である。図4b−1に示す様に、フォトレジスト・パターンは、3つの実質的に平行なトラックPR1、PR2及びPR3を形成している。トラックPR1及びPR3は、トラックPR2の各側に実質的に対称に配置され、PCB部の誘電層D31の2つの実質的に平行であるトラックDE1、DE2を露出させる様にする。
【0069】
図4cは、PCB部30の誘電層D31の下にある電気的導電層L32を露出させる様に、露出した誘電層D31のトラックDE1、DE2を除去したPCB部30を示している。誘電層D31のこれら部分の除去は、例えば、当業者には公知のエッチング処理等の手段により行うことができる。
【0070】
図4c−1は、図4cのPCB部30の平面図である。図4c−1に示す様に、導電層L32の露出部分は、実質的に平行な2つのグルーブLE1、LE2を形成している。LE1、LE2は、それぞれ、トラックDE1、DE2の長さを拡張し、幅を拡張したものに対応することが分かる。既に示したように、グルーブLE1、LE2は、例えば、当業者には公知のエッチングといった任意の適切な方法で形成できる。
【0071】
図4dは、フォトレジスト・パターンPR1、PR2、PR3を除去した図4c〜4dのPCB部30を示している。フォトレジストは、例えば、当業者には公知である化学処理といった、任意の適切な方法で除去できる。
【0072】
図4d−1は、図4dのPCB部30の平面図である。
【0073】
図4eは、網掛け領域で示す第2の誘電材料DMがPCB部30の少なくともグルーブLE1、LE2に配置された、図4d〜4d−1のPCB部30を示している。典型的には、誘電材料DMは、PCB部30の誘電層DM31の上部にも配置される。ここで、層D31の誘電材料の誘電率は、誘電材料DMの誘電率より高いものとする。誘電材料DMは、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置できる。
【0074】
図4fは、堆積された誘電材料DMがPCB部30の層D31の表面から除去された状態での図4d〜4d−1のPCB部30を示している。当業者には公知である様に、誘電材料DMは、例えば、化学機械平坦化(CMP)処理又は他の平坦化処理等により除去できる。好ましくは、平坦化処理は、PCB30の表面を実質的に平らな状態とする。除去処理は、グルーブLE1、LE2に誘電材料を残し、誘電材料DMの2つの新しいトラックDM1、DM2を形成する。トラックDM1、DM2は、それぞれ、グルーブLE1、LE2の長さ拡張及び幅拡張に対応することが分かる。
【0075】
図4f−1は、図4fのPCB部30の平面図である。
【0076】
図4gは、例えば、PCB部30の層D31及びトラックDM1、DM2の上に配置された、銅等の更なる電気的導電層L31が設けられた図4f〜4f−1のPCB部30を示している。更なる導電層L31は、例えば、当業者には公知のデポジットといった任意の適切な方法で配置できる。
【0077】
図4hは、PCB部30の層L31の上部に配置された、斜線領域で示すフォトレジスト・パターンを有する図4gのPCB部30を示している。フォトレジスト・パターンは、第1のフォトレジスト・トラックPRT1と、第2のフォトレジスト・トラックPRT2を含み、それぞれは、好ましくは、トラックDM1、DM2の中心付近において、トラックDM1、DM2に沿って配置される。フォトレジスト・パターンPRT1、PRT2のトラックは、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置できる。
【0078】
上記記載によると、トラックPRT1、PRT2は、それぞれ、トラックDM1、DM2の長さ拡張に対応する。しかしながら、トラックPRT1、PRT2の幅は、それぞれ、トラックDM1、DM2の幅より大変小さい。フォトレジスト・トラックPRT1、PRT2の幅は、後述する様に、適切な電気的導電トラックCT1、CT2がトラックDM1、DM2の上に(例えば、エッチングにより)形成できる様に選択される。その様な電気的導電トラックCT1、CT2のトレース幅は、約5mil未満、又は、少なくとも約10mil未満、例えば、3〜4milである。トラックDM1、DM2の幅は、例えば、それぞれ、トラックPRT1、PRT2の幅の少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、又は、少なくとも100倍とすることができる。
【0079】
図4h−1は、図4hのPCB部30の平面図である。
【0080】
図4iは、電気的導電層L31のフォトレジスト・トラックPRT1、PRT2で覆われていない領域が除去された、PCB部30を示している。電気的導電層L31の除去は、例えば、当業者には公知であるエッチング処理等により行うことができる。
【0081】
図4i−1は、図4iのPCB部30の平面図である。
【0082】
図4i〜4i−1から分かる様に、層L31の除去は、電気的導電層L31の残部で形成される第1の電気的導電トラックCT1及び第2の電気的導電トラックCT2を生じさせる。トラックCT1、CT2は、斜めの側面で示されているが、これは、薄いトラックをCT1及びCT2としてエッチングするときに、通常、エッチング下のある量がその様になることを示している。
【0083】
図4jは、フォトレジスト・パターンPRT1、PRT2を除去した図4i〜4i−1のPCB部30を示している。フォトレジストは、例えば、当業者には公知である化学処理といった任意の適切な除去処理で除去できる。
【0084】
図4j−1は、図4jのPCB部30の平面図である。
【0085】
図2d〜2d−1及び図4j〜4j−1を検討した当業者は、導電トレースCT1、誘電層DM1及び導電層L32(好ましくは、図3を用いて説明した基準グラウンドである)は、第1のマイクロストリップ構造46aを形成する。同様に、導電トレースCT2、誘電層DM2及び導電層L32は、第2のマイクロストリップ構造48bを形成する。実際、マイクロストリップ構造46a、48bは、図1bを参照して説明した差動トレース構造42の形態を形成する差動電気回路のための差動トレース構造42aとして使用できる。しかしながら、図4j〜4j−1の差動の形態が、マイクロストリップ構造等に基づくということは、本発明をマイクロストリップ構造に限定するものではない。それどころか、例えば、本発明の他の差動の実施形態であるストリップライン構造等とすることもできる。
【0086】
トラックDM1、DM2を、エッチング処理の変動の影響を受け易い薄いトレースCT1、CT2の下に局所的に低い誘電率で配置することで、トレースCT1、CT2の幅を増加させることができ、よって、エッチング処理のオフセット変動を除去又は少なくとも緩和し、歩留まり率を改善する。
【0087】
図4kは、はんだマスクS40を、誘電層D31、局所的な誘電トラックDM1、DM2及び2つの電気的導電層CT1、CT2の上に堆積させた図4j〜4j−1のPCB部30を示している。はんだマスクS40は、当業者には公知なPCB部に適切な任意のはんだマスクとすることができる。
【0088】
図5は、本発明の一実施形態によるマイクロ波構造を生成する方法のフローチャートである。
【0089】
第1のステップS1で、基板構造30に、少なくとも第1の電気的導電層L32と第1の高誘電率の第1の材料を含む誘電層D31が設けられる。導電層L32は、誘電層D31の全体の下に、かつ、誘電層D31と実質的に平行に延在する。
【0090】
第2のステップS2で、例えば、フォトレジスト・パターンPR1、PR2、PR3等のマスク・パターンが、誘電層D31上に設けられ、誘電層D31の少なくとも1つの露出トラックDE1、DE2が形成される。パターンは、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置できる。
【0091】
第3のステップS3で、誘電層D31上の露出部が除去され、導電層L32の露出部分を残した誘電層D31の少なくとも1つのグルーブLE1、LE2が形成される。グルーブLE1、LE2は、例えば、当業者には公知であるエッチングといった任意の適切な方法で形成できる。
【0092】
第5のステップS5で、マスク・パターンPR1、PR2、PR3は、誘電層D31の残りの部分から除去される。マスク・パターンは、例えば、当業者には公知である化学処理といった任意の適切な除去処理で除去できる。
【0093】
第6のステップS6で、第2の低誘電率の誘電材料DMは、グルーブLE1、LE2に配置され、誘電トラックDM1、DM2を形成する。配置は、例えば、まず、層D31の上と、グルーブLE1、LE2の中に誘電材料DMを積層させ、その後、層D31の表面から第2の誘電材料DMを除去することで行うことできる。誘電材料DMは、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置できる。誘電材料DMは、例えば、例えば、当業者には公知である化学機械平坦化(CMP)処理又は他の平坦化処理等により除去できる。
【0094】
第7のステップS7で、第2の電気的導電層L31は、誘電層D31及び誘電トラックDM1、DM2の上に配置される。導電層L31は、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置することができる。
【0095】
第8のステップS8で、少なくとも1つのマスク・トラックPRT1、PRT2が、第2の導電層L31の上で、かつ、誘電トラックDM1、DM2の上で誘電トラックDM1、DM2に沿って配置され、マスク・トラックPRT1、PRT2は、誘電トラックDM1、DM2の幅より短い幅である。マスク・トラックPRT1、PRT2は、例えば、当業者には公知であるデポジットといった任意の適切な方法で配置することができる。
【0096】
第9のステップS9で、第2の導電層L31の覆われていない部分が除去され、誘電トラックDM1、DM2の上に少なくとも1つの電気的導電トレースCT1、CT2を形成する。第2の電気的導電層L31の覆われていない部分の除去は、例えば、当業者には公知であるエッチング処理等により行うことができる。
【0097】
第10のステップS10で、マスク・トラックPRT1、PRT2が除去される。マスク・トラックPRT1、PRT2は、例えば、当業者には公知である化学処理といった任意の適切な除去処理で除去できる。
【0098】
本発明は、記載した実施形態に限定されず、当業者は、多くの変更、修正が添付の請求項の範囲内において可能であることを認識する。
【0099】
例えば、PCB部30は、本発明による構造を、その上又はその中に形成する任意の適切な基板部等とすることができる。
【0100】
同様に、1つ又は幾つかの電気的導電トレースCT1、CT2は、第2の低誘電率の誘電材料DMで形成される単一の誘電トラックDM1、DM2の上に配置することができる。当然、誘電トラックDM1、DM2の幅は、例えば、2つの導電トレースの場合には2倍に、3つの導電トレースの場合には3倍等と、つまり、対象とするトレース数の倍数に相当するトラック幅に、増加させる必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波導電構造(20d;20e;46a,48b)であって、
第1の電気的導電層(26d,26e,L32)と、
前記第1の電気的導電層(26d、26e,L32)上に配置された第1の誘電率の第1の誘電基板(24d;24e;D31)と、
前記第1の誘電基板(24d;24e;D31)上又は前記第1の誘電基板(24d;24e;D31)内に配置された第1の幅の少なくとも1つの電気的導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)と、
を備えており、
前記第1の幅より広い第2の幅を有し、かつ、前記第1の誘電率より低い第2の誘電率を有する第2の誘電基板(25d,25e;DM1,DM2)のトラックが、前記第1の誘電基板(24d;24e;D31)と前記導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)の間に局所的に配置され、前記トラックは、前記導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)が前記第2の誘電基板(25d;25e;DM1,DM2)上に配置されているときに電気的に動作する様に、前記導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)に沿って延在している、
ことを特徴とするマイクロ波導電構造。
【請求項2】
前記第2の誘電基板(25d;25e;DM1,DM2)は、前記電気的導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)に沿って、前記電気的導電トレースを実質的に中心にして延在している、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造(20d;20e;46a,48b)。
【請求項3】
前記電気的導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)は、前記第2の誘電基板(25d;25e;DM1,DM2)に隣接して延在している、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造(20d;20e;46a,48b)。
【請求項4】
前記マイクロ波導電構造は、マイクロストリップ構造(20d;46a,48b)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造。
【請求項5】
前記マイクロ波導電構造は、ストリップライン構造(20e)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造。
【請求項6】
前記マイクロ波導電構造は、50オームより大きい又は100オームより大きい高い特性インピーダンス(Z)を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造。
【請求項7】
前記第2の幅は、前記第1の幅の10倍未満である、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波導電構造。
【請求項8】
前記電気的導電トレース(22d;22e;CT1,CT2)の前記第1の幅は、5mil未満又は10mil未満である、
ことを特徴とする請求項1又は7に記載のマイクロ波導電構造。
【請求項9】
基板構造(30)であって、
第1のマイクロ波導電構造(46a)と、
第2のマイクロ波導電構造(48b)と、
を備えており、
前記第1のマイクロ波導電構造(46a)及び前記第2のマイクロ波導電構造(48b)は、共に、請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ波導電構造と同じ種類であり、
前記第1のマイクロ波導電構造(46a)及び前記第2のマイクロ波導電構造(48b)は、平衡マイクロ波導電構造を形成する様に配置されている、
ことを特徴とする基板構造。
【請求項10】
通信デバイス(10)であって、
アンテナ部(12)と、
電気回路(14)と、
請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ波導電構造と、
を備えており、
前記マイクロ波導電構造は、前記アンテナ部(12)を前記電気回路(14)に接続する、
ことを特徴とする通信デバイス。
【請求項11】
マイクロ波構造(20d;20e;46a,48b)を生成する方法であって、
少なくとも1つの第1の電気的導電層(L32)と、第1の高誘電率の第1の材料を含む誘電層(D31)と、を備えている基板構造(30)を提供するステップであって、前記第1の電気的導電層(L32)は、前記誘電層(D31)と実質的に平行で、前記誘電層(D31)の下に延在している、ステップと、
前記第1の電気的導電層(L32)を露出させる少なくとも1つのグルーブ(LE1,LE2)を前記誘電層(D31)に形成するステップと、
前記グルーブ(LE1,LE2)に第2の低誘電率の誘電材料(DM)を、第1の幅の誘電トラック(DM1,DM2)を形成するために配置するステップと、
前記誘電トラック(DM1,DM2)の上に前記誘電トラック(DM1,DM2)に沿って少なくとも1つの電気的導電トレース(CT1,CT2)を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのグルーブ(LE1,LE2)は、
露出された誘電層(D31)の少なくとも1つのトラック(DE1,DE2)を形成する様に、前記誘電層(D31)上にマスク・パターン(PR1,PR2,PR3)を配置するステップと、
前記第1の電気的導電層(L32)を露出させる少なくとも1つのグルーブ(LE1,LE2)を前記誘電層(D31)に形成する様に、前記誘電層(D31)の露出部分を除去するステップと、
により形成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電層(D31)の上と、前記グルーブ(LE1,LE2)内に前記誘電材料(DM)を配置するステップと、
平坦化処理により前記誘電層(D31)から前記誘電材料(DM)を除去するステップと、
により、前記第2の低誘電率の前記誘電材料(DM)が、前記グルーブ(LE1,LE2)に配置されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記誘電層(D31)及び前記誘電トラック(DM1,DM2)上に第2の電気的導電層(L31)を配置するステップと、
前記誘電トラック(DM1,DM2)上で前記誘電トラック(DM1,DM2)に沿って前記第2の電気的導電層(L31)の露出していない部分を残す様にマスク・トラック(PRT1,PRT2)を配置するステップであって、前記マスク・トラック(PRT1,PRT2)は、前記誘電トラック(DM1,DM2)の前記第1の幅より狭い第2の幅を有している、ステップと、
前記誘電トラック(DM1,DM2)上で前記誘電トラック(DM1,DM2)に沿って少なくとも1つの電気的導電トレース(CT1,CT2)を形成する様に、前記第2の導電層(L31)の露出部分を除去するステップと、
により、前記導電トレース(CT1,CT2)が形成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記導電トレース(CT1,CT2)、前記誘電トラック(DM1,DM2)及び前記誘電層(D31)は、はんだマスク(S40)により覆われている、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2d−1】
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【図2e】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4b−1】
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【図4c】
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【図4c−1】
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【図4d】
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【図4d−1】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4f−1】
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【図4g】
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【図4h】
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【図4h−1】
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【図4i】
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【図4i−1】
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【図4j】
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【図4j−1】
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【図4k】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−526371(P2012−526371A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508914(P2012−508914)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064851
【国際公開番号】WO2010/127724
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】