説明

ハンディ端末、POSシステム、およびハンディ端末の通報方法

【課題】迅速な通報が可能となるハンディ端末、POSシステム、およびハンディ端末の通報方法を提供する。
【解決手段】ハンディ端末200は、CPUを備える制御部204と、組み込まれたプログラムを記憶しているプログラム記憶部206と、必要となる各種のデータを例えばデータテーブル208dtの形態で記憶しているデータ記憶部208と、通報がなされるときに操作される通報操作部220と、通報操作部220への操作時間を計時する計時部222と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部208tと、計時部222による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部204sと、処理内容特定部204sで特定した処理内容の実行を制御する処理制御部204cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末、ハンディ端末との無線通信を行なうPOSシステム、および、POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末の通報方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS端末とハンディ端末とを備えたPOSシステムが提案され、店舗などでのPOSシステム(Point Of Sales System:販売管理システム)として運用されている。
【0003】
従来のハンディ端末は、一般的な商品管理の範囲内に留まっており、在庫状況の管理への適用などを主要な機能として備えるだけである。つまり、緊急通報などの商品管理とは異なる形態への対応は考慮されていなかった。
【0004】
例えば、店員が強盗の侵入等に遭遇した場合、大声を出したり、別の携帯電話で通報したり、また、店舗のPOS端末が有する緊急ボタンを押して通報等を行なうなどの対応をすることに留まっていた。
【0005】
このような緊急時への対応が望まれ、解決策として、例えば、ドロアの引き出しが長時間開きっぱなしになった場合に通報することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、店舗のPOS端末が有するボタンを押すことにより上位装置(上位端末)へ通報することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
しかし、いずれの提案においても、POS端末のみの利用に留まっており、迅速性、確実性、連係性などの観点で不十分であった。例えば、強盗や火事に遭遇した場合に、十分な連携が困難なことから、単独で対応して怪我をしたり、ときによっては死に至ることなどがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−177676号公報
【特許文献2】特開平6−274505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、緊急事態が発生したとき、通報に適用する通報操作部を備えて迅速な通報を可能としたハンディ端末を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、本発明に係るハンディ端末とハンディ端末に対する無線通信を行なうPOS端末とを備えたPOSシステムを提供することを他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、本発明に係るハンディ端末の通報方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るハンディ端末は、POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末であって、前記ハンディ端末は、通報がなされるときに操作される通報操作部と、前記通報操作部への操作時間を計時する計時部と、予め設定された設定時間に対する前記操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、前記計時部による前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、前記処理内容特定部で特定した処理内容の実行を制御する処理制御部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
したがって、本発明に係るハンディ端末は、必要な通報を予め設定した内容で容易かつ高精度に実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができる。
【0013】
また、本発明に係るハンディ端末では、前記処理内容記憶部は、前記操作時間が前記設定時間より長いときに実行する処理内容として予め画定された第1処理内容と、前記操作時間が前記設定時間より短いときに実行する処理内容として予め画定された複数の第2処理内容のいずれかを選択させる第3処理内容とを記憶していることを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明に係るハンディ端末は、通報の重要度、通報の内容に応じて予め画定した処理内容による対応が可能となるので、利便性の高い通報を実現することができる。
【0015】
また、本発明に係るハンディ端末では、前記処理制御部は、前記処理内容特定部により特定された処理内容が、前記POS端末へ通信することであるとき、自機が有する端末識別情報を前記POS端末に送信するように制御する構成としてあることを特徴とする。
【0016】
したがって、本発明に係るハンディ端末は、通報を行なうと共に自機の端末識別情報を容易かつ高精度に通報することが可能となるので的確な通報を迅速に実行することができる。
【0017】
また、本発明に係るPOSシステムは、本発明に係る前記ハンディ端末と、前記ハンディ端末との間で無線通信を行なうPOS端末とを備えたPOSシステムであって、前記POS端末は、表示部を備えてあり、前記ハンディ端末からの通信を中継するアクセスポイントを介して前記ハンディ端末からの通信を受信した場合、前記ハンディ端末との通信を行なっている前記アクセスポイントの位置を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0018】
したがって、本発明に係るPOSシステムは、アクセスポイントを介して通信してきたハンディ端末の位置を容易かつ精度良く認識することが可能となることから、通報が必要となったハンディ端末を容易かつ精度良く把握することができる。
【0019】
また、本発明に係るハンディ端末の通報方法は、POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末の通報方法であって、前記ハンディ端末は、通報のときに操作される通報操作部と、前記通報操作部への操作時間を計時する計時部と、予め設定された設定時間に対する前記操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、前記計時部による前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、前記処理内容特定部で特定した処理内容を実行する処理制御部とを備えてあり、前記通報のときに前記通報操作部が操作される操作ステップと、前記通報操作部への操作時間を計時する計時ステップと、前記計時ステップによる前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定ステップと、前記処理内容特定ステップで特定した処理内容を実行する処理制御ステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
したがって、本発明に係るハンディ端末の通報方法は、予め設定した内容で容易かつ高精度に通報を実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るハンディ端末は、POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末であって、ハンディ端末は、通報がなされるときに操作される通報操作部と、通報操作部への操作時間を計時する計時部と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、計時部による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、処理内容特定部で特定した処理内容の実行を制御する処理制御部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
したがって、本発明に係るハンディ端末は、必要な通報を予め設定した内容で容易かつ高精度に実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができる。
【0023】
また、本発明に係るPOSシステムは、本発明に係るハンディ端末と、ハンディ端末との間で無線通信を行なうPOS端末とを備えたPOSシステムであって、POS端末は、表示部を備えてあり、ハンディ端末からの通信を中継するアクセスポイントを介してハンディ端末からの通信を受信した場合、ハンディ端末との通信を行なっているアクセスポイントの位置を表示部に表示することを特徴とする。
【0024】
したがって、本発明に係るPOSシステムは、アクセスポイントを介して通信してきたハンディ端末の位置を容易かつ精度良く認識することが可能となることから、通報が必要となったハンディ端末を容易かつ精度良く把握することができる。
【0025】
また、本発明に係るハンディ端末の通報方法は、本発明に係るPOS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末の通報方法であって、ハンディ端末は、通報のときに操作される通報操作部と、通報操作部への操作時間を計時する計時部と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、計時部による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、処理内容特定部で特定した処理内容を実行する処理制御部とを備えてあり、通報のときに通報操作部が操作される操作ステップと、通報操作部への操作時間を計時する計時ステップと、計時ステップによる操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定ステップと、処理内容特定ステップで特定した処理内容を実行する処理制御ステップとを備えることを特徴とする。
【0026】
したがって、本発明に係るハンディ端末の通報方法は、予め設定した内容で容易かつ高精度に通報を実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るPOSシステムの概略構成を概念的に示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るPOSシステムでのPOS端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハンディ端末の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したハンディ端末の通報操作部に対する操作時間が設定時間より長かったときの表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【図5】図3に示したハンディ端末の通報操作部に対する操作時間が設定時間より短かったときの表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るPOSシステムで他のハンディ端末に対して通報されたとき、他のハンディ端末の表示部に表示された表示状態を模式的に例示する模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るPOSシステムでハンディ端末からの通報を受けたPOS端末の表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(処理内容)の例を示す図表である。
【図9】本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(第2処理内容)の例を示す図表である。
【図10】本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(ハンディ端末情報)の例を示す図表である。
【図11A】本発明の実施の形態に係るハンディ端末での通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【図11B】本発明の実施の形態に係るハンディ端末での通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るPOSシステムでハンディ端末がPOS端末からの通報を受信したときのフロー状態を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の実施の形態に係るPOS端末による通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【図13B】本発明の実施の形態に係るPOS端末による通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【図13C】本発明の実施の形態に係るPOS端末による通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1ないし図13Cに基づいて、本実施の形態に係るPOSシステム、ハンディ端末、および、POSシステムでの通報方法について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係るPOSシステムの概略構成を概念的に示す概念図である。
【0031】
本実施の形態に係るPOSシステム1は、POS端末100と、POS端末100に対して無線通信するハンディ端末200とを備えている。POS端末100は、例えば販売店等の店舗の料金支払いコーナーに置かれて料金の精算処理に適用され、また、在庫管理、発注管理を行なうときの主体として適用される。
【0032】
ハンディ端末200は、在庫管理、発注管理など緻密な商品管理を実行するために、直接商品棚の近くで操作できるように、携帯式とされ、無線通信でPOS端末100と連携を取ることができるように構成されている。
【0033】
POSシステム1は、例えば1台のPOS端末100に対して4台のハンディ端末200(ハンディ端末200a、ハンディ端末200b、ハンディ端末200c、ハンディ端末200dの4台。なお、これら4台を特に区別する必要が無いときは、単にハンディ端末200として記載する。)を配置した形態としてある。
【0034】
各ハンディ端末200は、それぞれ固有の端末番号(HTNo.)を割り当てられている。例えば、ハンディ端末200aは、端末番号HTNo.001、ハンディ端末200bは、端末番号HTNo.002、ハンディ端末200cは、端末番号HTNo.003、ハンディ端末200dは、端末番号HTNo.004とされている。
【0035】
なお、ハンディ端末200は、複数として説明するが1台の場合も同様に適用することが可能である。
【0036】
ハンディ端末200は、通報操作部220を備え、通報操作部220を操作することによって、例えば緊急時/非常時に予め設定された事態の発生(例えば、強盗の侵入、火事の発生など)を迅速かつ正確に通報することができるように構成されている。
【0037】
POS端末100は、上位の通報先(例えば、警察署、消防署、ホストPOSなど予め設定された上位連携部400)へ、例えば無線通信を介して通報することができるように構成されている。また、下位の通報先としてのハンディ端末200へ無線通信を介して通報することができるように構成されている。ホストPOSは、例えば、グループ店舗を取りまとめる中央管理部門として配置されている。
【0038】
また、ハンディ端末200は、無線通信を介して通報先(例えば、POS端末100、他のハンディ端末200、あるいは上位連携部400)へ通報することができるように構成されている。
【0039】
図1は、ハンディ端末200c(端末番号HTNo.003)からPOS端末100および上位連携部400へ無線通信による通報がされ、また、POS端末100から上位連携部400および他のハンディ端末200へ無線通信による通報がされた状態を表している。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態に係るPOSシステムでのPOS端末の概略構成を示すブロック図である。
【0041】
本実施の形態に係るPOS端末100は、機器内部の各構成部に電力を供給する電源部102と、CPU(中央処理装置)を備えPOS端末100としての所定の機能を発揮させる制御を実行する制御部104と、制御部104が所定の機能を発揮できるように予め組み込まれたプログラムを記憶しているプログラム記憶部106と、制御部104が機能を実現するときに必要となる各種のデータを例えばデータテーブル108dtの形態で記憶しているデータ記憶部108と、例えばキーボードを備えて演算処理に必要な入力をするときのインターフェイスとなる入力部110とを備える。
【0042】
データ記憶部108(データテーブル108dt)には、例えばハンディ端末200に関する情報(ハンディ端末情報)が記憶されている。例えば、ハンディ端末情報の一つである端末識別情報(端末ID)が端末番号(HTNo.)に対応させて記憶されている。したがって、他のハンディ端末200の識別、あるいは他のハンディ端末200との連携を容易かつ高精度に実行することが可能となっている。
【0043】
また、POS端末100は、ハンディ端末200に対する無線通信、例えば中継アンテナを備えるアクセスポイント300に対する無線通信、上位連携部400に対する無線通信をそれぞれ実行するように構成された無線通信部112(例えばアンテナ回路)を備える。
【0044】
POS端末100は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を備える表示部114と、スピーカを備える報知部116と、上位連携部400に対して例えばLANを介して有線通信が可能となるように構成された有線通信部118とを備える。また、表示部114は、タッチパネル形式とすることによって表示画面に画面ボタン114bを構成することが可能である。つまり、画面ボタン114bにタッチすることによって、より迅速に通報処理を実行することが可能となる。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態に係るハンディ端末の概略構成を示すブロック図である。
【0046】
本実施の形態に係るハンディ端末200(ハンディ端末200a〜ハンディ端末200dは、いずれも同様な構成とすることが可能である。)は、ハンディ端末装置内へ電力を供給する電池電源202と、CPU(中央処理装置)を備えハンディ端末200としての所定の機能を制御する制御部204と、制御部204が所定の機能を発揮できるように予め組み込まれたプログラムを記憶しているプログラム記憶部206と、制御部204が機能を制御するときに必要となる各種のデータを例えばデータテーブル208dtの形態で記憶しているデータ記憶部208と、例えばキーボード/キャンセルキーを備えて演算処理に必要な入力をするときのインターフェイスとなる入力部210とを備える。
【0047】
データ記憶部208(データテーブル208dt)には、例えば自機(ハンディ端末200の情報、例えば自機の端末識別情報(自機の端末ID)が記憶されている。したがって、他のハンディ端末200との識別、あるいは連携を容易かつ高精度に実行することが可能となっている。
【0048】
また、ハンディ端末200は、POS端末100に対する無線通信、他のハンディ端末200に対する無線通信、例えば中継アンテナを備えるアクセスポイント300に対する無線通信、上位連携部400(警察署、消防署、ホストPOSなど)に対する無線通信を実行するように構成された無線通信部212(例えばアンテナ回路)を備える。無線通信の方法としては、例えばPHS(Personal Handy−phone)システムを適用することが可能である。
【0049】
ハンディ端末200は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を備える表示部214と、スピーカを備える報知部216と、ハンディ端末200を保持している本人(保持者)にのみ報知できるようにバイブレータを備える秘密報知部218とを備える。また、表示部214は、タッチパネル形式とすることによって表示画面に画面ボタン214bを構成することが可能である。つまり、画面ボタン214bにタッチすることによって、より迅速に通報処理を実行することが可能となる。
【0050】
ハンディ端末200は、さらに通報操作部220と、計時部222とを備える。通報操作部220は、例えば押しボタンの形態とされた通報ボタンであり、通常はカバーなどで被覆しておき、使用時(非常事態を通報する通報時)にカバーを外して操作する(押す)構成としてある。計時部222は、通報操作部220に対する操作時間(例えば、通報ボタンを押している時間)を計時する構成とされている。
【0051】
通報が必要になるケースとしては、例えば、強盗が侵入してきたとき、火事が発生したとき、その他の突発的な事故が発生したとき、警告音を発生する必要が生じたときなどが考えられる。
【0052】
また、事情によっては直接通報先(例えば警察)へ通報をする必要が生じる場合もある。直接警察へ通報する場合は、事態の重要性、公序性、迅速性などのバランスを考慮して通報操作部220を単に押しただけではなく、予め設定された設定時間(迅速性と信頼性の両面でのバランスを考慮して、例えば3秒を設定することができる。)を越えた長い時間、継続的に押したときにのみ有効に動作する構成としてある(図4、図5、図11A、図11B参照)。
【0053】
つまり、本実施の形態(本発明)では、通報の種別(例えば、警察への緊急通報を直接発信する、強盗が侵入した旨の通報、火事が発生した旨の通報など)に対応させた処理の内容(通報操作部220に対する操作に基づいてハンディ端末200が実行する通報動作の内容)を「処理内容」と規定する。なお、「処理内容」は、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に対応させて予め画定されている。
【0054】
また、処理内容は、通報操作部220に対する操作時間の長短に応じて、「第1処理内容」あるいは「第2処理内容」として規定される。本実施の形態では、例えば、設定時間を3秒としたとき、操作時間が3秒以上のときに実行する処理内容を「第1処理内容」とし、操作時間が3秒に満たないときに実行する処理内容を「第2処理内容」とする。
【0055】
なお、第2処理内容は、複数の通報種別に対応させて複数設定されている。したがって、実際の動作に際しては、複数の第2処理内容から通報対象となる処理内容(第2処理内容)を選択させることを処理内容とする「第3処理内容」が規定されている。
【0056】
本実施の形態では、第1処理内容は、例えば「緊急メッセージを警察へ発信する」という形態が「処理内容」として画定されている。また、第2処理内容は、例えば「強盗の侵入」「火事の発生」「その他」「警報音を鳴らす」の4つの形態が「処理内容」として画定されている。また、第3処理内容は、例えば、「強盗の侵入」「火事の発生」「その他」「警報音を鳴らす」という4つの形態からいずれか一つを選択させる形態が「処理内容」として画定されている。
【0057】
処理内容(第1処理内容、第2処理内容)は、データ記憶部208にデータテーブル208dtとして記憶させることが可能である(図8参照)。
【0058】
上述したとおり、本実施の形態に係るハンディ端末200は、POS端末100と、POS端末100に対して無線通信する下位装置とを備えるPOSシステム1における下位装置として機能する。
【0059】
また、ハンディ端末200は、通報がなされるときに操作される通報操作部220と、通報操作部220への操作時間を計時する計時部222と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部208tと、計時部222による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部204sと、処理内容特定部204sで特定した処理内容の実行を制御する処理制御部204cとを備える。
【0060】
したがって、本発明に係るハンディ端末200は、必要な通報を予め設定した内容で容易かつ高精度に実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができる。つまり、通報操作部220に対する操作時間の長短に応じて処理内容を異ならせるという簡単な構成によって、容易かつ高精度に必要な通報を迅速に実行することができる。
【0061】
以下、ハンディ端末200(例えばハンディ端末200c)での具体的な動作例を図4および図5に基づいて説明する。
【0062】
図4は、図3に示したハンディ端末の通報操作部に対する操作時間が設定時間より長かったときの表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【0063】
図5は、図3に示したハンディ端末の通報操作部に対する操作時間が設定時間より短かったときの表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【0064】
図4、図5は、図1で示したハンディ端末200c(端末番号HTNo.003)から通報がなされる場合について、ハンディ端末200cの表示部214の状態を示している。図4では、通報操作部220を設定時間より長い時間に渡って操作をしたときの表示状態が示され、図5では、通報操作部220を設定時間より短い時間に限って操作をしたときの表示状態が示されている。
【0065】
予め設定時間として設定された例えば「3秒」より長い時間の操作時間で通報操作部220に対する操作がされたとき、表示部214は、図4の表示状態となる。つまり、ハンディ端末200cの端末番号HTNo.003を表示する「ハンディ端末No.003」、「使用者」の氏名(山田太郎)が表示される。操作時間が設定時間より長いときに実行する処理内容として予め画定された第1処理内容に基づく処理がなされる。
【0066】
なお、処理内容特定部204sは、計時部222による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容(第1処理内容)を特定する。また、処理制御部204cは、処理内容特定部204sで特定した処理内容(第1処理内容)の実行を制御する。処理内容記憶部208tm、処理内容特定部204s、処理制御部204cの作用については、後述するフローチャート(図11A、図11B参照)でさらに説明する。
【0067】
また、上述したとおり、「第1処理内容」として、例えば「緊急」メッセージを例えば警察に発信することが画定されている。システムとしての信頼性を高めるために正確を期して、「緊急」メッセージの発信を実行するか否かの応答を求める確認情報が表示される。確認情報としては、発信を実行する「はい」、発信を実行しない「いいえ」、第1処理内容に対応する処理(「緊急」メッセージを発信する)を取り消す「キャンセル」の3つが画面ボタン214bとして示される。
【0068】
画面ボタン214b「はい」が押されれば、「緊急」メッセージを発信するという第1処理内容は実行される。画面ボタン214b「いいえ」が押されれば、「緊急」メッセージを発信するという第1処理内容は実行されない。画面ボタン214b「キャンセル」が押されれば、「緊急」メッセージを発信する第1処理内容は初めから無かった状態、つまり解除状態とされる。
【0069】
また、予め設定時間として設定された「3秒」より短い時間の操作時間で通報操作部220に対する操作がされたとき、表示部214は、図5の表示状態となる。つまり、ハンディ端末200cの端末番号HTNo.003を表示する「ハンディ端末No.003」、「使用者」の氏名(山田太郎)が表示されている。操作時間が設定時間より短いときに実行する処理内容として予め画定された複数の「第2処理内容」に対応するための処理(第3処理内容)がなされる。
【0070】
「第2処理内容」は、通報種別(例えば、強盗、火事、その他、警告音を鳴らす)に対応させて複数設定されている。したがって、表示部214の表示画面には、第2処理内容となる、「0:強盗」(強盗の侵入)、「1:火事」(火事の発生)、「2:その他」、「9:警告音を鳴らす」の4つの選択肢が画面ボタン214bとして示される。
【0071】
なお、第2処理内容ではなく、第1処理内容の通報を実行する必要があるときのために、注意メッセージとして、「直接警察に通報する場合は通報ボタンを3秒以上長押しする。」が表示されるので、第1処理内容を実行する必要があるときは、設定時間(例えば3秒)以上となるように再度通報操作部220を操作すれば良いことが使用者(例えば山田太郎)に認識される。
【0072】
図5に示された「該当する画面ボタンにタッチしてください」というメッセージは、第3処理内容として画定されている。
【0073】
つまり、「第3処理内容」は、操作時間が設定時間より短いときに実行する処理内容として予め画定された複数の第2処理内容(「0:強盗」、「1:火事」、「2:その他」、「9:警告音を鳴らす」)のいずれかを選択させることを内容としている。したがって、第3処理内容を実行させるためのメッセージである「該当する画面ボタンにタッチしてください」が表示される。つまり、第2処理の中から実際に通報の対象となる通報種別を選択させるための第3処理内容が画定されている。
【0074】
画面ボタン214b「0:強盗」が押されれば、「強盗」が侵入したことに対応する処理内容(第2処理内容)が実行され、例えば、警察署への通報が実行される。画面ボタン214b「1:火事」が押されれば、「火事」が発生したことに対応する処理内容(第2処理内容)が実行され、例えば、消防署への通報が実行される。画面ボタン214b「2:その他」が押されれば、「その他」に対応する処理内容(第2処理内容)が実行される。
【0075】
また、画面ボタン214b「9:警告音を鳴らす」が押されれば、「警告音を鳴らす」という処理内容(第2処理内容)が実行され、例えば、報知部216(スピーカ)から警告音が発生される。「警告音を鳴らす」構成とした場合は、強盗への心理的な威嚇となり、また、周囲(店舗内の顧客、従業員)への周知を容易かつ迅速に実行することが可能となり、必要な避難誘導などを容易かつ正確に実行することができる。
【0076】
なお、「第3処理内容」として、画面ボタン214bを押す代わりに入力部210のキーボードを押す形態とすることも可能である。
【0077】
操作時間の設定時間に対する長短は、計時部222の計時によって把握される。計時部222による計時結果に基づいて、処理内容特定部204sは、処理内容としての第1処理内容および第2処理内容のうちのいずれかを特定する。つまり、操作時間の長短による処理内容の特定は、処理内容特定部204sによって実行することが可能である。操作時間が設定時間より長いときは、第1処理内容が特定(選定)され、操作時間が設定時間より短いときは、第2処理内容が特定(選定)される。
【0078】
また、第2処理内容が複数画定されているときは、複数の第2処理内容からいずれか一つを選択させることを内容とする処理内容が第3処理内容として画定されている。第2処理内容の選択は、外部からの指示(例えば画面ボタン214bを押すことによる指示)に基づいて処理内容特定部204sで実行することとなる。
【0079】
また、第1処理内容、第2処理内容を特定した後の処理内容の実行は、処理内容の実行を制御する処理制御部204cによって実行される。
【0080】
処理内容特定部204sおよび処理制御部204cは、プログラム記憶部206に組み込まれたプログラムと連動して機能する制御部204(CPU)によって機能実現手段として構成される。
【0081】
また、処理内容記憶部208tmは、データ記憶部208に設けられている。処理内容記憶部208tmは、データテーブル208dtとして記憶されても良い、また、データテーブル208dtとは別の形態として記憶させることも可能である。いずれの場合でも、データ記憶部208に設定することができる。
【0082】
上述したとおり、本実施の形態に係るハンディ端末200は、POS端末100に対して無線通信を行なうハンディ端末である。また、ハンディ端末200は、通報がなされるときに操作される通報ボタンである通報操作部220と、通報操作部220への操作時間を計時する計時部222と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部208tmと、計時部222による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部204sと、処理内容特定部204sで特定した処理内容の実行を制御する処理制御部204cとを備えた構成とされている。
【0083】
したがって、本発明に係るハンディ端末200は、通報の重要度、通報の内容に応じて予め画定した処理内容による対応が可能となるので、利便性の高い通報を実現することができる。
【0084】
また、上述したとおり、処理内容記憶部208tmは、操作時間が設定時間より長いときに実行する処理内容として予め画定された第1処理内容と、操作時間が設定時間より短いときに実行する処理内容として予め画定された複数の第2処理内容のいずれかを選択させる第3処理内容とを記憶している。
【0085】
したがって、本発明に係るPOSシステム1は、通報の重要度、通報の内容に応じて予め画定した処理内容による対応が可能となるので、利便性の高い通報対応システムを実現することができる。
【0086】
また、処理内容記憶部208tmは、第2処理内容を記憶している。したがって、本発明に係るPOSシステム1は、さらに信頼性の高い通報対応システムとなる。
【0087】
図6は、本発明の実施の形態に係るPOSシステムで他のハンディ端末に対して通報されたとき、他のハンディ端末の表示部に表示された表示状態を模式的に例示する模式図である。
【0088】
ハンディ端末200c(ハンディ端末No.003)は、他のハンディ端末200(ハンディ端末200a、ハンディ端末200b、ハンディ端末200d)に対しても通報を実行することが可能である。ハンディ端末200cから他のハンディ端末200(例えばハンディ端末200d)へ通報をしたとき、ハンディ端末200d(ハンディ端末No.004)の表示部214は、図6の表示状態となる。つまり、ハンディ端末200dの端末番号HTNo.004を表示する「ハンディ端末No.004」、「使用者」の氏名(山田一郎)が表示される。
【0089】
また、ハンディ端末200cからの通報内容として「強盗が侵入。」したことが表示され、併せて、「お客の避難誘導、及び、注意を促してください。」というメッセージが表示される。
【0090】
ハンディ端末200dの使用者である「山田一郎」は、通報内容を確認したときは、画面ボタン214b「了解」にタッチしてハンディ端末200cへの返信をすることができる。
【0091】
本実施の形態では、他のハンディ端末200に対する通報を容易かつ高精度に実行することが可能である。したがって、容易かつ迅速に応援を呼ぶことができ、必要な対応を容易に実行することができる。
【0092】
図7は、本発明の実施の形態に係るPOSシステムでハンディ端末からの通報を受けたPOS端末の表示部の表示状態を模式的に例示する模式図である。
【0093】
ハンディ端末200cからの通報をPOS端末100で受信した場合、表示部114には、通報を発信したハンディ端末200cの端末番号HTNo.003を表示する「ハンディ端末No.003」、「使用者」の氏名(山田太郎)、通報内容「強盗」(強盗が侵入したこと)が表示される。
【0094】
また、表示部114は、さらに他の通報先への通報を実行するか否かの判断を求める表示をする構成とされている。例えば、「0:通報不要」、「1:警察通報」(警察署への通報)、「2:消防通報」(消防署への通報)、「3:各H/Tのみ通知」(各ハンディ端末200のみへの通知)が画面ボタン114bとして表示される。したがって、これらの表示に対して必要に応じた対応をすることが可能となる。
【0095】
また、ハンディ端末200cからの通報がアクセスポイント300を介して通報されたものであるとき、表示部114は、ハンディ端末200cの位置(位置情報)を表示する構成としてある。このときの制御は、プログラム記憶部106に予め組み込まれたプログラムを制御部104によって機能させて実行することができる。
【0096】
図7は、例えば店舗500に適用された場合(POSシステム1を店舗500に採用した場合)を図示している。店舗500は、店内にマトリックス状に配置された商品棚501、ドア部502を備えている。また、店舗内のすべての領域をカバーするようにアクセスポイント(中継アンテナ300a、300b、300c、300d、300e)が配置されている。
【0097】
また、稼働中のハンディ端末200a、200b、200c、200dの中で、報知を実行したハンディ端末200cは、中継アンテナ300aを介してPOS端末100へ通報したことを明確に把握することができる構成としてある。
【0098】
上述したとおり、本実施の形態に係るPOSシステム1は、ハンディ端末200と、ハンディ端末200との間で無線通信を行なうPOS端末100とを備えている。また、POS端末100は、表示部114を備えてあり、ハンディ端末200からの通信を中継するアクセスポイント300(中継アンテナ300a)を介してハンディ端末200からの通信を受信した場合、ハンディ端末200との通信を行なっているアクセスポイント300(中継アンテナ300a)の位置を表示部114に表示する構成とされている。
【0099】
したがって、本発明に係るPOSシステム1は、アクセスポイント300を介して通信してきたハンディ端末200の位置を容易かつ精度良く認識することが可能となることから、通報が必要となったハンディ端末200(ハンディ端末200c)を容易かつ精度良く把握することができる。
【0100】
なお、中継アンテナ300a(アクセスポイント300)の受信領域300arを表示(受信領域300arに対応する2点鎖線で示す領域に対して例えば網掛けなどを施すことによって表示)することによって、アクセスポイント300(中継アンテナ300a)を介して通報してきたハンディ端末200cの位置を容易かつ迅速に把握することが可能となる。このときの制御は、プログラム記憶部106に予め組み込まれたプログラムを制御部104によって機能させて実行することができる。
【0101】
図8は、本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(処理内容)の例を示す図表である。
【0102】
上述したとおり、ハンディ端末200は、データテーブル208dt(処理内容記憶部208tm)を備える。また、POS端末100は、データテーブル108dtを備える。データテーブル208dtおよびデータテーブル108dtは、共通のデータを記憶させておくことが可能である。
【0103】
つまり、POSシステム1は、データテーブル208dtおよびデータテーブル108dtに共通のデータを持たせることによって効率的で正確な対応が可能となる。なお、データテーブル208dt、データテーブル108dtは、それぞれさらに個別のデータを保持することが可能である。
【0104】
データとして記憶している項目は、例えば、通報種別(例えば、強盗の侵入、火事の発生、その他、警告音を鳴らす、緊急通報など)に対応させて設定通報種別番号(0、1、2、・・・、9、Zなど)、設定通報種別番号の中での通報先番号(1、2、3、・・・など)、通報種別(同前)、通報先(例えば、○○警察署、POS端末、ハンディ端末 N(Nは端末番号)など)、連絡方法(電話、信号、メールなど)、連絡方法を実行するときに適用する情報としての連絡方法実行時適用情報(例えば、電話に対する電話番号など)を例示している。
【0105】
図8に示した情報は、処理内容(第1処理内容、第2処理内容)として予め設定されている。例えば、通報種別番号「0」として設定された強盗(強盗の侵入)に対する通報先は、○○警察署、上位装置としてのPOS端末(POS端末100)、ハンディ端末200N(ハンディ端末200a〜ハンディ端末200d。自機を含めて登録することにすれば、データを共通にすることができる。なお、自機の識別は、それぞれが有する自機端末IDによって行なうことができるので不都合は生じない。)である。
【0106】
例えば通報種別番号0〜9は、第2処理内容に対応し、例えば処理種別番号Zは、第1処理内容に対応することが予め記憶されている。
【0107】
また、各連絡先への連絡方法が予め設定され、連絡方法実行時適用情報として、例えば、電話連絡に対応させて電話番号が記憶され、メール連絡に対応させてメールアドレスが記憶されている。
【0108】
なお、データ記憶部108、データ記憶部208は、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)としておくことによって、POSシステム1の設置状況(利用状況)に応じた適宜の設定をすることが可能となる。
【0109】
図9は、本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(第2処理内容)の例を示す図表である。
【0110】
データテーブル208dt(処理内容記憶部208tm)、データテーブル108dtは、さらに追加の情報を記憶することができる。例えば、通報種別に対する表示内容を予め設定して記憶させておくことにより、迅速かつ正確な表示が可能となり、信頼性の高い対応を実行することができる。
【0111】
通報種別番号「0」(通報種別「強盗」)の通報に対しては、例えば「強盗が侵入。お客の避難誘導、及び、注意を促してください。」というメッセージを表示内容として記憶しておくことにより、自動的に注意メッセージを表示部114、表示部214にそれぞれ表示させることが可能となる。
【0112】
なお、図9で示したデータは、第2処理内容に対応するものであり、処理内容記憶部208tm(データ記憶部208)に記憶させておくことができる。また、図9で示したデータは、データ記憶部108にデータ記憶部208と同様に記憶させておくことができる。
【0113】
図10は、本発明の実施の形態に係るデータテーブル(処理内容記憶部)に記憶されたデータ(ハンディ端末情報)の例を示す図表である。
【0114】
POSシステム1は、POS端末100に対して複数のハンディ端末200を備えている。したがって、個々のハンディ端末200を識別する必要がある。つまり、個々のハンディ端末200を識別する情報である端末識別情報としての端末IDを記憶しておくことが望ましい。
【0115】
データテーブル208dtあるいはデータテーブル108dtは、ハンディ端末200を識別するために、端末番号HTNo.001、002、・・・に対応させて、保持者氏名(HTNo.001は山田大介、HTNo.002は中村一郎、・・・)、端末ID(HTNo.001は00001、HTNo.001は00002、・・・)を記憶している。これらの情報は、自機の端末IDとは別にPOS端末100(データ記憶部108、データテーブル108dt)、ハンディ端末200(データ記憶部208、データテーブル208dt)に記憶させておくことが望ましい。
【0116】
図11A、図11Bは、本発明の実施の形態に係るハンディ端末での通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【0117】
ハンディ端末200で実行する処理内容としての第1処理内容および第2処理内容は、ステップS10からステップS42までの処理フローによって実行することができる。また、第2処理内容を実行する前の選択処理(処理内容)として第3処理内容を実行することができる。
【0118】
なお、ステップS10ないしステップS42の処理フローは、プログラム記憶部206に予め組み込まれたプログラムを制御部204によって機能させて実行することができる。
【0119】
ステップS10:
通報操作部220(通報ボタン)は押されたか否かを判定する。なお、本ステップは、通報のときに通報操作部220が操作される操作ステップに相当する。
【0120】
YES(押された)の場合は、ステップS12へ移行し、NO(押されていない)の場合は、ステップS14へ移行する。
【0121】
ステップS12:
通報操作部220(通報ボタン)が押されたとき、計時部222は計時を始める。計時の結果が設定時間(予め設定された例えば3秒)以上か否かを判定する。この判定処理は、制御部204に実行させることが可能である。なお、本ステップは、通報操作部220への操作時間を計時する計時ステップに相当する。
【0122】
YES(操作時間≧設定時間)の場合は、ステップS16へ移行し、NOの場合は、ステップS26へ移行する。
【0123】
ステップS14:
通報操作部220(通報ボタン)は操作されていないので、通常動作を継続する。つまり、ステップS10へ戻る。
【0124】
ステップS16:
操作時間が設定時間より長いことから、第1処理内容の実行を確認する確認画面を表示部214に表示する。例えば、図4で示した画面が表示される。つまり、第1処理内容として画定された「緊急メッセージの発信」を実行するか否かの判断を求める画面が表示される。図4に示した画面の表示は、処理内容特定部204sの動作として実行させることができる。
【0125】
ステップS18:
第1処理内容の実行は否定されたか否かを判定する。図4で示した画面ボタン214b「いいえ」、「キャンセル」のいずれかが押された場合は、否定と判定される。
【0126】
YES(図4で示した画面ボタン214b「いいえ」/「キャンセル」が押され、「実行」は否定された)の場合は、フローを終了し、NO(図4で示した画面ボタン214b「はい」が押され、「実行」は肯定された)の場合は、ステップS20へ移行する。
【0127】
ステップS20:
第1処理内容の実行は許可されたか否かを判定する。
【0128】
YES(画面ボタン214b「はい」が押された)の場合は、ステップS22へ移行し、NO(画面ボタン214b「はい」が押されなかった)の場合は、ステップS10へ戻る。
【0129】
ステップS22:
処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容(設定時間より長いときに実行する処理内容としての第1処理内容)を特定する。なお、本ステップは、計時ステップ(ステップS12)による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定ステップに相当する。
【0130】
具体的には、図8(処理内容記憶部208tm)に示された通報種別番号Zの内容を抽出することになる。つまり、通報先番号1、2、・・・に対応する通報先(例えば、POS端末、ハンディ端末200 N、・・・)、連絡方法(例えば、信号、メール、・・・)、連絡方法実行時適用情報などを抽出して特定する。
【0131】
処理内容の特定は、処理内容特定部204sによって実行される。なお、本ステップの処理フローは、プログラム記憶部206に予め組み込まれたプログラムを制御部204(処理内容特定部204s)によって機能させて実行することができる。
【0132】
ステップS24:
第1処理内容は特定されているので、第1処理内容は実行することが可能な状態になっている。したがって、ハンディ端末200は、第1処理内容を実行して処理を終了する。なお、本ステップは、処理内容特定ステップで特定した処理内容を実行する処理制御ステップに相当する。
【0133】
第1処理内容としては、通報先を確定する(例えば、POS端末の信号を抽出する。あるいは、警察署の電話番号を抽出する。等々)、通報先へ「緊急」情報を自動発信する、設定されている情報を送信するなどがある。本ステップの処理フローは、プログラム記憶部206に予め組み込まれたプログラムを制御部204によって機能させて実行することができる。つまり、制御部204は、プログラム記憶部206と協働することによって、処理制御部204cとしての動作を実行することになる。
【0134】
なお、処理制御部204cは、処理内容特定部204sにより特定された処理内容が、POS端末100へ通信することであるとき、自機(ハンディ端末200)が有する端末識別情報(自機端末ID)をPOS端末100に送信するように制御する構成としてある。
【0135】
したがって、ハンディ端末200は、POS端末100へ通報を行なうと共に自機(ハンディ端末200)の端末識別情報(自機端末ID)を容易かつ高精度に通報することが可能となるので的確な通報を迅速に実行することができる。
【0136】
ステップS26:
通報操作部220に対する操作時間は設定時間より短い。したがって、操作時間が設定時間より短いときに実行する第2処理内容を表示部214に表示する。なお、第3処理内容として、複数の第2処理内容のいずれかを選択させる画面ボタン214bを併せて表示する。
【0137】
したがって、表示部214には、図5で示した画面が表示される。つまり、第2処理内容としての「0:強盗」、「1:火事」、「2:その他」、「9:警告音」が表示される。また、複数の第2処理内容のいずれを選択するのかを示すメッセージとしての「該当する画面ボタンにタッチしてください」(図5参照)が第3処理内容として表示される。
【0138】
本ステップの処理フローは、処理制御部204c(制御部204、プログラム記憶部206)によって実行される。
【0139】
ステップS28:
画面ボタン214bは押されたか否かを判定する。
【0140】
YES(画面ボタン214bは押された)の場合は、ステップS30へ移行し、NO(画面ボタン214bは押されていない)の場合は、ステップS32へ移行する。
【0141】
ステップS30:
押された画面ボタン214bは、「9:警告音」か否かを判定する。
【0142】
YES(画面ボタン214b「9:警告音」が押された)の場合は、ステップS38へ移行し、NO(画面ボタン214b「9:警告音」以外が押された)の場合は、ステップS34へ移行する。
【0143】
ステップS32:
画面ボタン214bが押されない場合は、状況として決着したこと、あるいは通報操作部220の単なる押し間違いなどが考えられる。したがって、通常状態に戻すための解除時間は経過したか否かを判定する。解除時間の経過は、計時部222によって計時することが可能である。なお、解除時間は例えば20秒として予め設定しておけば良い。
【0144】
YES(解除時間を経過)の場合は、ステップS10へ戻り、NO(解除時間を経過していない)の場合は、ステップS28へ戻る。
【0145】
ステップS34:
画面ボタン214b「0:強盗」、「1:火事」、「2:その他」のいずれかが押された状態であるから、押された画面ボタン214bに対応する第2処理内容を特定する。第2処理内容の特定によって、通報先、連絡方法などを特定することができる。
【0146】
なお、第2処理内容の特定は、第1処理内容の特定の場合と同様に処理内容特定部204sによって特定することができる。
【0147】
ステップS36:
第2処理内容は特定されているので、第2処理内容を実行することが可能な状態になっている。したがって、第2処理内容を実行して処理を終了する。
【0148】
第2処理内容は、通報先を確定する(例えば、POS端末の信号を抽出する、あるいは、警察署の電話番号を抽出する。等々)、確定した通報先へ通報種別に応じた情報を自動発信するなどである。
【0149】
本ステップの処理フローは、プログラム記憶部206に予め組み込まれたプログラムを制御部204によって機能させて実行することができる。つまり、制御部204は、プログラム記憶部206と協働することによって、処理制御部204cとしての動作を実行することになる。
【0150】
ステップS38:
画面ボタン214b「9:警告音」が押されたことから、警告音を発生する。報知部216(スピーカ)から警告音が発生される。なお、音声合成技術を適用して音声による警告文を発生させるようにすることも可能である。
【0151】
ステップS40:
警告音の発生によって基本的な通報は終了している。したがって、通報を確認した後、適宜の解除ボタンで警告音を停止させることが可能である。つまり、解除ボタンは押されたか否かを判定する。
【0152】
YES(解除ボタンは押された)の場合は、ステップS42へ移行し、NO(解除ボタンは押されていない)の場合は、ステップS38へ戻る。
【0153】
ステップS42:
解除ボタンは押されたことから、警告音を止め、処理を終了する。
【0154】
図12は、本発明の実施の形態に係るPOSシステムでハンディ端末がPOS端末からの通報を受信したときのフロー状態を示すフローチャートである。
【0155】
POS端末100からの通報をハンディ端末200が受信したときの処理内容は、ステップS60からステップS72までの処理フローによって実行することができる。
【0156】
なお、ステップS60ないしステップS72の処理フローは、プログラム記憶部206に予め組み込まれたプログラムを制御部204によって機能させて実行することができる。
【0157】
ステップS60:
通報を受信したか否かを判定する。
【0158】
YES(通報を受信した)の場合は、ステップS62へ移行し、NO(通報を受信していない)の場合は、ステップS64へ移行する。
【0159】
ステップS62:
通報を受信したことを報知する。例えば、報知部216(スピーカ)によれば音によって報知することが可能である。また、秘密報知部218(バイブレータ)によれば、他者に知れずに報知することが可能である。
【0160】
ステップS64:
通報は受信されていないことから、通常動作を継続する。つまり、ステップS60へ戻る。
【0161】
ステップS66:
受信データから、対応する通報種別番号等の情報を抽出する。
【0162】
ステップS68:
抽出した情報とデータテーブル208dtとを照合し、ハンディ端末表示用情報を抽出して表示する。表示内容は例えば図6に示したとおりであり、表示部214に表示される。
【0163】
ステップS70:
通報内容に対して画面ボタン214b「了解」は、押されたか否かを判定する。つまり、図6で示した画面ボタン214b「了解」を押したか否かを判定する。
【0164】
YES(画面ボタン214b「了解」は押された)の場合は、ステップS72へ移行し、NO(画面ボタン214b「了解」は押されていない)の場合は、ステップS62へ戻る。
【0165】
つまり、画面ボタン214b「了解」に対する処理がされるまでフローは継続される。したがって、信頼性の高いPOSシステム1とすることができる。
【0166】
ステップS72:
画面ボタン214b「了解」が押されたときは、確認メッセージ(通報を了解した旨のメッセージ)をPOS端末100へ返信して処理フローを終了する。
【0167】
図13A、図13B、図13Cは、本発明の実施の形態に係るPOS端末による通報処理のフロー状態を示すフローチャートである。
【0168】
POS端末100で通報を受信したときの処理フローは、ステップS100からステップS142までの処理フローによって実行することができる。
【0169】
なお、ステップS100からステップS142までの処理フローは、プログラム記憶部106に予め組み込まれたプログラムを制御部104によって機能させて実行することができる。
【0170】
ステップS100:
ハンディ端末200からの通報を受信したか否かの判定を行なう。
【0171】
YES(通報を受信した)の場合は、ステップS102へ移行し、NO(通報を受信していない)の場合は、ステップS104へ移行する。
【0172】
ステップS102:
通報を受信したことを報知する。例えば、報知部116(スピーカ)から、受信したことを音で伝える。単純な振動音でも良いが、適宜の音声合成による音声として報知することも可能である。音声で報知する場合は、報知種別を区別した報知を実行することができる。また、制御部104によって必要な処理(ステップS106への移行)を実行する。
【0173】
ステップS104:
通報を受信していないことから、通常動作を継続し、ステップS100へ戻る。
【0174】
ステップS106:
受信データから、対応するハンディ端末200(通報をしてきたハンディ端末200)の端末識別情報(端末ID)、通報種別番号等の情報を抽出する。制御部104、プログラム記憶部106を協働して機能させ、予め組み込んであるプログラムに基づいて情報を抽出処理することが可能である。なお、ハンディ端末200は、POS端末100へ報知するとき、報知内容に併せて自機の端末識別情報(端末ID)を送信する構成としてある。
【0175】
ステップS108:
抽出した情報とデータテーブル108dtとを照合し、POS端末表示用情報を抽出して表示部114に表示する。例えば、図7で示した画面が表示される。つまり、通報してきたハンディ端末200(例えば、ハンディ端末No.003)、ハンディ端末200の使用者(例えば、山田太郎)、通報内容(例えば、強盗)などを表示させることができる。
【0176】
ステップS110:
抽出した情報から、中継アンテナ情報(アクセスポイント300)を抽出する。
【0177】
ステップS112:
予めデータ記憶部108に登録してある地図データと中継アンテナ情報とを照合し、該当するアンテナ情報(アクセスポイント300)を表示する。
【0178】
ステップS114:
通報先の追加が必要か追加候補としての通報先を画面ボタン114bで表示する。つまり、図7で示した画面ボタン114b(0:通報不要、1:警察通報、2:消防通報、3:各H/Tのみ通報)を表示する。なお、図7で示した「3:各H/Tのみ通報」は、本ステップでは「各ハンディ端末のみに通報」と記載しているが、実態は同一内容を意味する。
【0179】
ステップS116:
画面ボタン114bは押されたか否かを判定する。
【0180】
YES(画面ボタン114bは押された)の場合は、ステップS118へ移行し、NO(画面ボタン114bは押されていない)の場合は、ステップS114へ戻る。
【0181】
ステップS118:
押された画面ボタン114bは、「0:通報不要」か否かを判定する。
【0182】
YES(画面ボタン114b「0:通報不要」が押された)の場合は、処理フローを終了し、NO(画面ボタン114b「0:通報不要」は押されなかった)の場合は、ステップS120へ移行する。
【0183】
ステップS120:
押された画面ボタン114bは、「1:警察通報」または「2:消防通報」か否かを判定する。
【0184】
YES(画面ボタン114b「1:警察通報」または「2:消防通報」が押された)の場合は、ステップS124へ移行し、NO(画面ボタン114b「0」「1」「2」以外のボタンが押された)の場合は、ステップS122へ移行する。
【0185】
ステップS122:
押された画面ボタン114bは、「3:各ハンディ端末のみに通報」か否かを判定する。
【0186】
YES(画面ボタン114b「3:各ハンディ端末のみに通報」が押された)の場合は、ステップS126へ移行し、NO(画面ボタン114b「3:各ハンディ端末のみに通報」は押されていない)の場合は、処理フローを終了する。
【0187】
ステップS124:
画面ボタン114b「1:警察通報」または「2:消防通報」が押された状態であるので、データテーブル108dtから通報先情報(通報方法等)を取得し、通報先への通報を実行して、処理フローを終了する。
【0188】
ステップS126:
画面ボタン114b「3:各ハンディ端末のみに通報」が押された状態であるので、通報をしてきたハンディ端末200以外のハンディ端末200に対応する通報先情報(通報方法等)をデータ記憶部108dtから取得し、通報先(通報をしてきたハンディ端末200以外のハンディ端末200)への通報の発信(無線通信)を実行する。
【0189】
ステップS128:
他のハンディ端末200(通報をしてきたハンディ端末200以外のハンディ端末200)からの返信はあったか否かを判定する。
【0190】
YES(ハンディ端末200からの返信はあった)の場合は、ステップS130へ移行し、NO(ハンディ端末200からの返信はない)の場合は、ステップS134へ移行する。
【0191】
ステップS130:
データテーブル108dtと返信情報(例えば、端末識別情報(端末ID))とを照合(例えば図10参照)し、返信してきたハンディ端末200を確定し、ステップS132へ移行する。
【0192】
ステップS132:
確定したハンディ端末200を表示部114の画面に表示する。
【0193】
ステップS134:
返信を確認する時間として予め設定した返信確認時間は経過したか否かを判定する。返信確認時間の計時は、POS端末100が内部に備えるタイマーを適宜利用してハンディ端末200の計時部222と同様に実行することができる。返信確認時間は、例えば20秒とすることができる。
【0194】
YES(返信確認時間を経過したとき)の場合は、ステップS136へ移行し、NO(返信確認時間を経過していないとき)の場合は、ステップS128へ戻る。
【0195】
ステップS136:
20秒以上経過しても返信が無いときであるから、通報の発信を再度実行することとする。通報の発信を再度実行した後、ステップS128へ戻る。
【0196】
ステップS138:
全てのハンディ端末200から返信されたか否かを判定する。
【0197】
YES(全てのハンディ端末200から返信されたとき)の場合は、ステップS140へ移行し、NO(返信の無いハンディ端末200があるとき)の場合は、ステップS142へ移行する。
【0198】
ステップS140:
全てのハンディ端末200から返信がされたことを表示して処理フローを終了する。
【0199】
ステップS142:
返信の無いハンディ端末200へ通報の発信を再度実行する。その後、ステップS138へ戻る。なお、相当長時間に渡って返信がないときは、適宜の手段で処理フローを終了してリセットすることが可能となるようにしておくことが望ましい。また、本ステップの回数を制限して、他の処理フローを採用する形態とすることも可能である。
【0200】
上述したとおり、本実施の形態に係るハンディ端末200の通報方法は、POS端末100に対して無線通信を行なうハンディ端末200の通報方法である。
【0201】
また、ハンディ端末200は、通報のときに操作される通報操作部220と、通報操作部220への操作時間を計時する計時部222と、予め設定された設定時間に対する操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部208tmと、計時部222による操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部204sと、処理内容特定部204sで特定した処理内容を実行する処理制御部204cとを備えている。
【0202】
本実施の形態に係るハンディ端末200の通報方法は、通報のときに通報操作部220が操作される操作ステップと、通報操作部220への操作時間を計時する計時ステップと、計時ステップによる操作時間の計時結果に基づいて処理内容記憶部208tmに記憶されている処理内容を特定する処理内容特定ステップと、処理内容特定ステップで特定した処理内容を実行する処理制御ステップとを備える。
【0203】
したがって、本発明に係るハンディ端末200の通報方法は、予め設定した内容で容易かつ高精度に通報を実行することが可能となり、通報に対する迅速な対応を安全に実行することができる。
【0204】
上述したとおり、本実施の形態に係るPOSシステム1、ハンディ端末200、または、POSシステムでの通報方法によれば、迅速な通報が可能となる。また、どのような緊急事態(異常事態)かを通報種別によって容易かつ高精度に通報することができる。また、いずれの通報主体(いずれのハンディ端末200)からの通報か、どの場所での発生かなどを通報することができる。POS端末100とハンディ端末200との連携を密にとることが可能となる。
【符号の説明】
【0205】
1 POSシステム
100 POS端末
102 電源部
104 制御部
106 プログラム記憶部
108 データ記憶部
108dt データテーブル
110 入力部
112 無線通信部
114 表示部
114b 画面ボタン
116 報知部
118 有線通信部
200、200a、200b、200c、200d ハンディ端末
202 電池電源
204 制御部
204c 処理制御部
204s 処理内容特定部
206 プログラム記憶部
208 データ記憶部
208dt データテーブル
208tm 処理内容記憶部
210 入力部
212 無線通信部
214 表示部
214b 画面ボタン
216 報知部
218 秘密報知部
220 通報操作部
222 計時部
300 アクセスポイント
400 上位装置
500 店舗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末であって、
前記ハンディ端末は、
通報がなされるときに操作される通報操作部と、
前記通報操作部への操作時間を計時する計時部と、
予め設定された設定時間に対する前記操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、
前記計時部による前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、
前記処理内容特定部で特定した処理内容の実行を制御する処理制御部とを備えたこと
を特徴とするハンディ端末。
【請求項2】
請求項1に記載のハンディ端末であって、
前記処理内容記憶部は、前記操作時間が前記設定時間より長いときに実行する処理内容として予め画定された第1処理内容と、前記操作時間が前記設定時間より短いときに実行する処理内容として予め画定された複数の第2処理内容のいずれかを選択させる第3処理内容とを記憶していること
を特徴とするハンディ端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のハンディ端末であって、
前記処理制御部は、前記処理内容特定部により特定された処理内容が、前記POS端末へ通信することであるとき、自機が有する端末識別情報を前記POS端末に送信するように制御する構成としてあること
を特徴とするハンディ端末。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の前記ハンディ端末と、前記ハンディ端末との間で無線通信を行なうPOS端末とを備えたPOSシステムであって、
前記POS端末は、表示部を備えてあり、前記ハンディ端末からの通信を中継するアクセスポイントを介して前記ハンディ端末からの通信を受信した場合、前記ハンディ端末との通信を行なっている前記アクセスポイントの位置を前記表示部に表示すること
を特徴とするPOSシステム。
【請求項5】
POS端末に対して無線通信を行なうハンディ端末の通報方法であって、
前記ハンディ端末は、通報のときに操作される通報操作部と、前記通報操作部への操作時間を計時する計時部と、予め設定された設定時間に対する前記操作時間の長短に応じて予め画定された処理内容が記憶されている処理内容記憶部と、前記計時部による前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定部と、前記処理内容特定部で特定した処理内容を実行する処理制御部とを備えてあり、
前記通報のときに前記通報操作部が操作される操作ステップと、
前記通報操作部への操作時間を計時する計時ステップと、
前記計時ステップによる前記操作時間の計時結果に基づいて前記処理内容記憶部に記憶されている処理内容を特定する処理内容特定ステップと、
前記処理内容特定ステップで特定した処理内容を実行する処理制御ステップとを備えること
を特徴とするハンディ端末の通報方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【公開番号】特開2011−8337(P2011−8337A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148720(P2009−148720)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】