説明

ハンドヘルド点字変換装置、点字変換方法及びプログラム

【課題】利用者が過度に音声出力に依存するのを防ぎつつ、点字の習得が可能なハンドヘルド点字変換装置を提供する。
【解決手段】ハンドヘルド点字変換装置は、点字表示部と、撮影手段と、文字認識手段と、点字変換手段と、表示制御手段と、音声制御手段と、を備える。点字表示部は、点字を表示する。撮影手段は、装置周辺の所定範囲を撮影する。文字認識手段は、撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する。点字変換手段は、文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する。表示制御手段は、点字変換手段が変換した点字を点字表示部に表示させる。音声制御手段は、点字表示部が点字を表示中に、撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字を点字変換する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報を触覚により利用者に伝達する技術が知られている。例えば、特許文献1には、視覚障害者用の文字閲覧装置として、カメラにより撮像された文字列の電子データを点字に変換し表示するハンドヘルド型の点字変換装置が開示されている。また、特許文献2には、文書を点字に変換して表示すると共に、触覚センサに入力があった場合には、表示中の点字の文字を読み上げる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2010/029980
【特許文献2】特開平10−232599
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点字の学習支援として音声出力を併用する場合、利用者が指定したタイミングで容易に音声出力がなされると、利用者が過度に音声出力に依存する可能性があり、この場合には学習速度が低下するという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、利用者が過度に音声出力に依存するのを防ぎつつ、点字の習得が可能なハンドヘルド点字変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段と、前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段と、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段と、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項5に記載の発明では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置が実行する点字変換方法であって、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識工程と、前記文字認識工程が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換工程と、前記点字変換工程が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御工程と、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段、前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段、として前記ハンドヘルド点字変換装置を機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ハンドヘルド点字変換装置の構成を示すブロック図の一例である。
【図2】ハンドヘルド点字変換装置の構造を示すブロック図の一例である。
【図3】ハンドヘルド点字変換装置の機能構成を示すブロック図の一例である。
【図4】点字表示部の平面図の一例である。
【図5】学習支援モードにおける可動式ピンの状態を示す。
【図6】学習支援モードにおける可動式ピンの状態を示す。
【図7】本実施例に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段と、前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段と、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段と、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段と、を備える。
【0011】
上記のハンドヘルド点字変換装置は、点字表示部と、撮影手段と、文字認識手段と、点字変換手段と、表示制御手段と、音声制御手段と、を備える。点字表示部は、ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する。撮影手段は、装置周辺の所定範囲を撮影する。文字認識手段は、撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する。点字変換手段は、文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する。表示制御手段は、点字変換手段が変換した点字を点字表示部に表示させる。音声制御手段は、点字表示部が点字を表示中に、撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う。このようにすることで、ハンドヘルド点字変換装置は、通常の点字による閲覧を阻害することなく、利用者が知らない点字が表示されたと推定された場合に限り、音声出力により点字に対応する文字を知らせることができる。これにより、利用者は、過度に音声出力に依存することなく、点字の学習を行うことができる。
【0012】
上記のハンドヘルド点字変換装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記音声制御手段が音声出力する文字に対応する点字を前記点字表示部に表示させ、前記音声制御手段が音声出力する文字以外の文字に対応する点字を前記点字表示部に表示させない。これにより、ハンドヘルド点字変換装置は、利用者に音声出力する文字とその点字表示とをより明確に対応づけさせることができ、点字の習得を促進させることができる。
【0013】
上記のハンドヘルド点字変換装置の他の一態様では、前記所定の点字は、前記点字表示部の中心に最も近い位置で表示される点字である。これにより、ハンドヘルド点字変換装置は、利用者が解読できなかった可能性の高い点字表示に対応する文字を音声出力することができる。
【0014】
上記のハンドヘルド点字変換装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない状態から前記撮影画像が変化した場合、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示を再開させる。これにより、利用者は、学習用に点字表示がなされた状態からハンドヘルド点字変換装置を動かすことで、再び通常の点字による閲覧を行うことができる。
【0015】
本発明の他の観点では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置が実行する点字変換方法であって、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識工程と、前記文字認識工程が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換工程と、前記点字変換工程が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御工程と、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御工程と、を備える。ハンドヘルド点字変換装置は、この点字変換方法を実行することで、通常の点字による閲覧を阻害することなく、利用者が知らない点字が表示されたと推定された場合に限り、音声出力により点字に対応する文字を知らせることができる。これにより、利用者が過度に音声出力に依存することなく、点字の学習を行うことができる。
【0016】
本発明のさらに別の観点では、利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段、前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段、前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段、として前記ハンドヘルド点字変換装置を機能させる。ハンドヘルド点字変換装置は、このプログラムを搭載し実行することで、通常の点字による閲覧を阻害することなく、利用者が知らない点字が表示されたと推定された場合に限り、音声出力により点字に対応する文字を知らせることができる。これにより、利用者が過度に音声出力に依存することなく、点字の学習を行うことができる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0018】
[構成]
まず、本発明の本実施例に係るハンドヘルド点字変換装置1の構成について図1乃至図4を用いて説明する。
【0019】
後述するように、ハンドヘルド点字変換装置1は、点字表示中の所定のタイミングで、点字表示されていた所定の文字を音声出力することで、利用者に点字の読み取りを学習させる点字の学習支援機能を備える。以後では、当該学習支援機能の実行時を「学習支援モード」と呼ぶ。
【0020】
(ハードウェア構成)
図1は、本発明の本実施例に係るハンドヘルド点字変換装置1を模式的に表した図である。図示のように、ハンドヘルド点字変換装置1は、点字表示部10、CPU11、RAM12、ROM13、電源14、カメラ15、レンズ16、照明用LED17、スピーカ18を備える。
【0021】
点字表示部10は、図示のように複数の可動式ピン21を備え、これを昇降させて凸形状を形成することにより点字を表示する。可動式ピン21の配置などの詳細については後述する。
【0022】
カメラ15は、ユーザが印刷物の上にハンドヘルド点字変換装置1を置くことにより、ハンドヘルド点字変換装置1の周辺の所定範囲を撮影し、撮影画像をCPU11に送信する。カメラ15は、たとえば、CCDカメラとすることができる。
【0023】
CPU11は、予めRAM12又はROM13に記憶されたプログラムを実行することにより、カメラ15から取得した撮影画像に対し、文字の有無を検知し、文字が有る場合はOCR(Optical Character Recognition;光学文字認識)処理を実行することで、文字の認識を行う。CPU11は、RAM12及びROM13といったメモリに記憶された漢字と読みとを対応つけた辞書情報と、読みと点字、又は、文字と点字とを対応付けた点字定義情報とを参照し、認識した文字を点字に変換する。そして、CPU11は、変換した点字を点字表示部10に表示させる。さらに、CPU11は、学習支援モードでは、点字表示する文字を、学習対象として音声出力する文字(以後、「学習対象文字Ltag」と呼ぶ。)に限定すると共に、当該学習対象文字Ltagをスピーカ18に音声出力させる。具体的には、CPU11は、各文字に対応する音声データのデータベースである音声情報をRAM12等から参照し、学習対象文字Ltagをスピーカ18に音声出力させる。
【0024】
電源14は、ハンドヘルド点字変換装置1に電力を供給する。レンズ16は、カメラ15のレンズであり、照明用LED17は、カメラ15が文字を撮影する際に必要な光源である。スピーカ18は、学習支援モード時に学習対象文字LtagをCPU11の制御に基づき音声出力する。
【0025】
図2は、本発明の本実施例に係るハンドヘルド点字変換装置1の構造を示す。図2(a)はハンドヘルド点字変換装置1の内部構造を示す側面透視図であり、図2(b)はハンドヘルド点字変換装置1の内部構造を破線で表示した俯瞰図である。ハンドヘルド点字変換装置1は、ユーザが片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド型装置であり、内部に点字表示部10、電源14、カメラ15、レンズ16、照明用LED17、システムコントローラ19、を備える。カメラ15とシステムコントローラ19、システムコントローラ19と点字表示部10、システムコントローラ19と電源14はそれぞれ配線により電気的に接続されている。また、上述したように、ハンドヘルド点字変換装置1は、図2において図示しないスピーカ18を備える。
【0026】
点字表示部10は、ユーザが片手の親指及び小指でこのハンドヘルド点字変換装置1を保持した状態で人差し指、中指及び薬指の少なくともいずれかの指で点字表示部10に接触可能な位置に配置されている。
【0027】
カメラ15、レンズ16及び照明用LED17は、点字表示部10の直下周辺に配置されている。本実施例では、点字表示部10の直下部分とこの部分から所定距離以内の部分を直下周辺とする。所定距離とは、例えば3cmである。
【0028】
システムコントローラ19は、CPU11、RAM12及びROM13を含んでおり、ハンドヘルド点字変換装置1全体の制御を行う。電源14は、例えば電池などで構成され、システムコントローラ19に電力を供給し、システムコントローラ19を介し、各部品に電力を供給する。なお、電源14が、システムコントローラ19を介さず、各部品に直接電力を供給するようにしてもよい。
【0029】
(機能構成)
図3は、本実施例のハンドヘルド点字変換装置1の機能構成を示すブロック図の一例である。これらの機能は、図1に示す構成要素により実現される。
【0030】
ハンドヘルド点字変換装置1は、上述したように、カメラ15と、CPU11と、ROM13と、点字表示部10と、スピーカ18とを備える。CPU11は、予め用意されたプログラムを実行することにより、文字認識部101、点字変換部102、表示制御部103、及び音声制御部104として機能する。ROM13は、辞書情報、点字定義情報、及び音声情報を記憶している。なお、辞書情報、点字定義情報、及び音声情報の一部はRAM12に記憶されていてもよい。
【0031】
カメラ15は、ハンドヘルド点字変換装置1の周辺の所定範囲を撮影し、撮影画像をCPU11に送信する。カメラ15は、本発明における撮影手段として機能する。
【0032】
文字認識部101は、カメラ15から受信した撮影画像に対し、文字の有無を検知し、文字が有る場合はOCR処理を実行することで、文字の認識を行う。
【0033】
点字変換部102は、文字認識部101が認識した文字が漢字である場合は、まず、漢字と読みとを対応付けた辞書情報に基づいて漢字を読みに変換し、次に、読みと点字とを対応付けた点字定義情報に基づいて読みを点字に変換する。点字変換部102は、文字認識部101が認識した文字がひらがな、カタカナ、数字及びアルファベットである場合は、これらと点字とを対応付けた点字定義情報に基づいて点字に変換する。なお、点字変換部102は、検知した文字全てを点字に変換するようにしてもよく、一部(例えば、点字表示部10で表示可能な文字数)のみを点字に変換するようにしてもよい。そして、点字変換部102は、変換した点字の情報(以下、「点字情報」という。)を、表示制御部103に供給する。
【0034】
表示制御部103は、点字変換部102が変換した点字を点字表示部10に表示させる。さらに、表示制御部103は、ハンドヘルド点字変換装置1の現在の位置が適切か否か知らせると共に、必要に応じて移動方向を適切な方向に誘導するための表示(以後、「位置関係適否表示」とよぶ。)を、点字表示部10に表示させる。以後では、表示制御部103が可動式ピン21を昇らせて凸形状を形成することを、「可動式ピン21を立たせる」とも表現する。また、表示制御部103は、後述するように、学習支援モードでは、学習対象文字Ltag以外の文字の点字表示を行わない。
【0035】
音声制御部104は、学習支援モード中に、音声情報を参照し、学習対象文字Ltagに対応する音声データをスピーカ18により出力する。
【0036】
点字表示部10は、上述したように、可動式ピン21を昇降させて凸形状を形成することにより点字表示や位置関係適否表示などを行う。
【0037】
(点字表示部の構成)
次に、点字表示部10の構成について図4を用いて説明する。図4は、点字表示部10の平面図を示す。
【0038】
点字表示部10は、計64個の可動式ピン21が配置される。可動式ピン21は2列4行の計8個で1つの単位点字表示部22を構成する。従って、点字表示部10は、合計8つの単位点字表示部22L、22A乃至22F、22Rが横並びに配置されている。
【0039】
このうち、単位点字表示部22A乃至22Fは、点字を表示する部分に相当する。具体的には、単位点字表示部22A乃至22Fは、各々が8個の可動式ピン21を昇降し、凸形状を形成することにより点字を表示する。そして、単位点字表示部22A乃至22Fは、1つ又は2つで1文字を表す。以後では、単位点字表示部22A乃至22Fに配置された可動式ピン21を、「第1ピン」と称す。また、単位点字表示部22A乃至22Fにより表現される1または複数の文字を「点字対象文字」と呼ぶ。
【0040】
一方、単位点字表示部22L、22Rは、可動式ピン21の全部または一部を突出させることで、文字の有無の表示又は位置関係適否表示を行う。これにより、単位点字表示部22L、22Rは、読み取る対象となる文字列をカメラ15により適切に撮像させ、利用者によるハンドヘルド点字変換装置1の移動操作の誘導を行う。以後では、単位点字表示部22L、22Rに配置された可動式ピン21を、「第2ピン」と呼ぶ。例えば、表示制御部103は、利用者がハンドヘルド点字変換装置1に置いた指に対して、ハンドヘルド点字変換装置1の移動方向を修正したい方向に位置する第2ピンを立たせると共に、他の方向に位置する第2ピンを下げる。
【0041】
[学習支援モード]
次に、学習支援モードについて詳しく説明する。概略的には、ハンドヘルド点字変換装置1は、点字表示中に撮影画像が所定時間幅以上変動しない場合、学習支援モードを行う。そして、学習支援モードでは、ハンドヘルド点字変換装置1は、点字表示中の文字のうち、中央に位置する文字を学習対象文字Ltagに指定し、学習対象文字Ltagのみを点字表示すると共に、学習対象文字Ltagを音声出力する。これにより、ハンドヘルド点字変換装置1は、利用者の操作を阻害することなく、利用者の意図に即したタイミングで学習支援を実行することができる。
【0042】
これについて図5を参照して具体的に説明する。図5は、学習支援モードの前後における可動式ピン21の状態を示す図である。具体的には、図5(a)は、学習支援モードの直前の可動式ピン21の状態を示し、図5(b)は、学習支援モードでの可動式ピン21の状態を示し、図5(c)は、学習支援モード実行後の可動式ピン21の状態を示す。
【0043】
まず、図5(a)に相当する学習支援モードの直前では、文字認識部101は、カメラ15から受信した撮影画像から文字「a」〜「f」の認識を行い、点字変換部102は、各文字を点字定義情報に基づいて点字に変換する。そして、表示制御部103は、図5(a)に示すように、撮影画像中に存在する「a」〜「f」の文字を点字表示する。具体的には、表示制御部103は、単位点字表示部22Aの第1行目かつ第1列目の第1ピンを上げることで「a」を表現し、単位点字表示部22Bの第1列目の第1行目及び第2行目の2つの第1ピンを上げることで「b」を表現し、以下同様に単位点字表示部22C〜22Fによりそれぞれ「c」〜「f」を表現している。また、表示制御部103は、単位点字表示部22Lの第1行目及び第4行目の計4つの第2ピン及び単位点字表示部22Rの第1行目及び第4行目の計4つの第2ピンをそれぞれ上げることで、撮影画像中に文字が存在し、かつ、当該文字を認識可能である旨を利用者に示している。
【0044】
そして、表示制御部103は、点字表示中では、撮影画像が変化していない時間幅(以後、「停止時間幅Tw」と呼ぶ。)を計測する。これにより、表示制御部103は、ハンドヘルド点字変換装置1が停止している時間幅を推測する。例えば、表示制御部103は、周知の画像認識技術に基づき、連続して取得された撮影画像間で、各画素の値が一致又は近似していた場合撮影画像の変化がないと判断する。他の例では、表示制御部103は、点字表示対象文字列が前後の撮影画像で一致している場合、撮影画像が変化していないと判断する。そして、表示制御部103は、これらの例に基づき、撮影画像が変化していないと判断される時間幅を停止時間幅Twとして計測する。
【0045】
そして、表示制御部103は、停止時間幅Twが所定の閾値(以後、「閾値Twth」と呼ぶ。)以上になった場合、学習支援モードを実行する。ここで、閾値Twthは、例えば1秒に設定され、具体的には、利用者が点字表示を読み取れない場合にハンドヘルド点字変換装置1の操作を停止する時間幅の下限値等に実験等に基づき予め設定される。
【0046】
学習支援モードでは、表示制御部103は、点字対象文字のうち、点字表示部103の中心に最も近い位置に表示される文字(「中央文字」とも呼ぶ。)のみを学習対象文字Ltagとして表示する。ここで、中央文字は、点字表示を行う単位点字表示部22A乃至22Fのうち、中央に位置する単位点字表示部22C又は/及び22Dが表示する文字である。図5(b)では、表示制御部103は、単位点字表示部22Cの第1列目の2つの第1ピンを立たせることで中央文字の1つである「c」を学習対象文字Ltagとして点字表示すると共に、単位点字表示部22A、22B、22D〜22Fの第1ピンを全て下げている。また、これと同時に、音声制御部104は、学習対象文字Ltagである文字「c」をスピーカ18により音声出力する。これにより、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習対象文字Ltagの呼称と、その点字表示とを対応付けて利用者に知らせることができる。なお、好適には、音声制御部104は、停止時間幅Twが閾値Twthに達し、学習対象文字Ltagのみが点字表示されたタイミングで1度のみ学習対象文字Ltagの音声出力を行う。
【0047】
そして、表示制御部103は、学習支援モードに移行した後、撮影画像が再び変化した場合、学習支援モードを終了し、図5(c)に示すように、通常の点字表示を行う。具体的には、文字認識部101は、変化後の撮影画像から点字対象文字(ここでは、「a」〜「f」とする。)を認識し、点字変換部102は、各点字対象文字を点字定義情報に基づいて点字に変換する。そして、表示制御部103は、図5(c)に示すように、変化後の撮影画像中に存在する「a」〜「f」の文字を点字表示する。
【0048】
次に、学習対象文字Ltagが点字表示に2の単位点字表示部22を必要とする場合について図6を参照して説明する。
【0049】
図6(a)は、点字対象文字が「a」、「b」、「8」、「e」、「f」の場合であって学習支援モード直前の可動式ピン21の状態を示す。この場合、表示制御部103は、単位点字表示部22Aにより「a」を表現し、単位点字表示部22Bにより「b」を表現し、単位点字表示部22C、22Dにより「8」を表現し、単位点字表示部22E、22Fによりそれぞれ「e」、「f」を表現している。
【0050】
図6(b)は、図6(a)の状態から停止時間幅Twが閾値Twth以上となった場合の可動式ピン21の状態を示す。上述したように、ハンドヘルド点字変換装置1は、停止時間幅Twが閾値Twth以上になった場合、学習支援モードを開始する。従って、この場合、表示制御部103は、点字対象文字の中央文字にあたる「8」のみを学習対象文字Ltagとして単位点字表示部22C、22Dにより点字表示する。これにより、図6(b)では、単位点字表示部22A、22B、22E、22Fの第1ピンは全て下げられている。また、これと同時に、音声制御部104は、学習対象文字Ltagである文字「8」をスピーカ18により音声出力する。これにより、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習対象文字Ltagの呼称と、学習対象文字Ltagの点字表示とを明確に対応付けて利用者に知らせることができる。
【0051】
図6(c)は、学習支援モードに移行した後、撮影画像が再び変化した場合の可動式ピン21の状態を示す。図6(c)に示すように、ハンドヘルド点字変換装置1は、図6(b)の状態から撮影画像が再び変化した場合、学習支援モードを終了し、再び撮影画像から認識した文字の点字表示を行う。
【0052】
[処理フロー]
次に、本実施例の学習支援モードの処理手順について図7を参照して説明する。図7は、CPU11が実行する学習支援モードの処理手順を示すフローチャートの一例である。CPU11は、図7に示す処理を所定の周期に従い繰り返し実行する。
【0053】
ユーザは、点字表示したい文字が存在する印刷物等の上にハンドヘルド点字変換装置1を置いて、点字変換を開始するスイッチをONにする(ステップS1)。カメラ15は、ハンドヘルド点字変換装置1の周辺の所定範囲を撮影し(ステップS2)、撮影画像を文字認識部101に送信する。
【0054】
次に、表示制御部103は、点字表示中であるか否か判定する(ステップS3)。そして、表示制御部103は、点字表示中であると判断した場合(ステップS3;Yes)、ステップS4へ処理を進める。一方、表示制御部103は、点字表示中ではないと判断した場合(ステップS3:No)、ステップS5へ処理を進める。
【0055】
次に、ステップS4では、文字認識部101は、撮影画像に変化があるか否か判定する(ステップS4)。そして、文字認識部101は、撮影画像に変化があると判断した場合(ステップS4;Yes)、撮影画像に文字が存在するか否か判定する(ステップS5)。そして、文字認識部101が撮影画像に文字があると判断した場合には(ステップS5;Yes)、表示制御部103は、撮影画像中の中央文字の前後6セル分の点字表示を行う(ステップS6)。ここで、中央文字は、上述したように、点字表示部103の中心に最も近い文字である。一方、文字認識部101は、撮影画像に文字が存在しないと判断した場合(ステップS5;No)、ステップS11へ処理を進める。
【0056】
一方、表示制御部103は、撮影画像に変化がないと判断した場合(ステップS4;No)、音声を出力済みであるか否か判定する(ステップS7)。即ち、表示制御部103は、撮影画像に変化がない状態で、後述するステップS9の処理を実行済みであるか否か判定する。そして、表示制御部103は、音声を出力済みでないと判断した場合(ステップS7;Yes)、点字の表示を継続する。これにより、表示制御部103は、音声出力が続けて実行されるのを防ぐ。
【0057】
次に、表示制御部103は、音声を出力済みではないと判断した場合(ステップS7;No)、停止時間幅Twが閾値Twth以上か否か判定する(ステップS8)。そして、表示制御部103は、停止時間幅Twが閾値Twth以上の場合(ステップS8;Yes)、中央文字のみ点字表示し、かつ、音声制御部104は、中央文字の音声出力を行う(ステップS9)。即ち、この場合、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習支援モードに移行し、中央文字を学習対象文字Ltagに指定して点字表示及び音声出力を行う。また、表示制御部103は、中央文字に対応する単位点字表示部22以外の単位点字表示部22の第1ピンを全て下げる。これにより、ハンドヘルド点字変換装置1は、音声出力する文字と、その点字表示とを明確に対応付けて利用者に学習させることができる。
【0058】
一方、停止時間幅Twが閾値Twth未満である場合(ステップS8;No)、表示制御部103は、点字の表示を継続する(ステップS10)。即ち、この場合には、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習支援モードに移行せず、点字対象文字の全ての点字表示を継続して行い、ステップS4へ処理を戻す。
【0059】
次に、ハンドヘルド点字変換装置1は、ステップS1のスイッチがOFFになったか否かを判定する(ステップS11)。そして、ハンドヘルド点字変換装置1は、当該スイッチがOFFになっていない場合(ステップS11;No)、ステップS2へ処理を戻す。当該スイッチがOFFになった場合(ステップS11;Yes)、ハンドヘルド点字変換装置1は点字変換の処理を終了する。
【0060】
[効果]
次に、上述の実施例の効果についてさらに補足説明する。利用者は、ハンドヘルド点字変換装置1を用いることで、点字の基本的な読み方を学習した後、容易に点字を活用することができる。例えば、利用者は、解読できない文字(以後、「解読不能文字」とも呼ぶ。)が点字表示された場合には、当該装置を一定時間停止させることで、解読不能文字の点字表示と、解読不能文字の称呼とを同時に把握することができる。従って、利用者は、文書を点字により閲覧しつつ、文字と点字との関係を習得することができる。
【0061】
また、学習支援モードは、停止時間幅Twが閾値Twthに達した場合のみ実行される。従って、利用者は、文書中の文字列に沿ってハンドヘルド点字変換装置1を移動させることで当該文書を閲覧する場合に、不要に操作を阻害されることがない。また、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習支援モード時に、音声情報を参照し、スピーカ18により学習対象文字Ltagを音声出力する。従って、ハンドヘルド点字変換装置1は、文字又は文字列の意味を解釈する必要がなく、低コストにより製作可能である。また、ハンドヘルド点字変換装置1は、停止時間幅Twが閾値Twthに達するまで音声出力をしないことで、停止中に利用者が自分で解読出来るか挑戦する気持ちを育成することができ、結果として点字の習得を促進させることができる。
【0062】
次に、中央文字を学習対象文字Ltagに指定する主な理由を2つ挙げる。
【0063】
まず、第1の理由について説明する。一般に、利用者は、所定の文書を閲覧しているとき、解読不能文字を見つけると、次の様に操作すると推定される。この場合、利用者は、すぐ解読不能文字にハンドヘルド点字変換装置1を停止させるのではなく、その先の文字まで読んで、解読不能文字を両側の周辺の文字から推測出来るか試みる。これは、解読不能文字の片側に存在する文字から解読不能文字を推測するより、解読不能文字の両側にある文字から解読不能文字を推測する方が解読不能文字を推測しやすいことに基づく。そして、利用者は、解読不能文字を見つけると、解読不能文字を前後の文字から解読する動作をした後、解読できなかった場合には諦めてハンドヘルド点字変換装置1を停止させることが推測される。
【0064】
また、解読不能文字が複数の単位点字表示部22に対応する場合も、利用者は、解読不能文字を表す単位点字表示部22を特定するために、解読不能文字が点字表示の中央付近にくるまでハンドヘルド点字変換装置1を文字列に沿って動かすことが推定される。
【0065】
以上のように、利用者は、解読不能文字を見つけると、自然的に、解読不能文字が撮影画像の中央に近い位置になるようにハンドヘルド点字変換装置1を操作することが推測される。
【0066】
次に、第2の理由について説明する。基本的に点字では、1文字の点字対象文字は、原則的に1つの単位点字表示部22で表現されるが、例外的に2つの単位点字表示部22や3つの単位点字表示部22で表現される場合がある。例えば、点字対象文字が略語の場合などがこの場合に該当する。
【0067】
従って、仮に、中央文字以外の点字対象文字が学習対象文字Ltagに設定され、かつ、当該点字対象文字が複数の単位点字表示部22で表現される場合、当該学習対象文字Ltagは、表現される単位点字表示部22の個数が不足した状態で不完全に点字表示される可能性がある。この場合、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習対象文字Ltagが適切な単位点字表示部22の個数により点字表示されるように、学習対象文字Ltagと単位点字表示部22との対応をずらして点字表示する必要がある。従って、この場合、ハンドヘルド点字変換装置1は、利用者に戸惑いを与え、操作性を損なう可能性がある。
【0068】
以上を勘案し、ハンドヘルド点字変換装置1は、停止時間幅Twが閾値Twth以上の場合、中央文字を学習対象文字Ltagに設定する。これにより、ハンドヘルド点字変換装置1は、解読不能文字を学習対象文字Ltagに指定し、利用者の解読不能文字の点字表示の習得を促進させることができる。
【0069】
また、ハンドヘルド点字変換装置1は、停止時間幅Twが閾値Twth以上の場合に、学習対象文字Ltagを中央文字のみに限定することで、利用者の過度な音声出力による解読への依存を抑制し、利用者の点字学習の上達を促進することができる。即ち、ハンドヘルド点字変換装置1は、学習対象文字Ltagを中央文字のみに限定することで、利用者に点字での読み取りを促進させることができる。
【0070】
[変形例]
次に、本実施例の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用することができる。
【0071】
(変形例1)
図1では、ハンドヘルド点字変換装置1は、スピーカ18を備えていた。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。これに代えて、ハンドヘルド点字変換装置1は、外付けのスピーカと接続可能なインターフェースを備えてもよい。この場合、ハンドヘルド点字変換装置1は、上述のインターフェースに外付けのスピーカが接続されていた場合には、停止時間幅Twに基づき学習支援モードを実行する。一方、ハンドヘルド点字変換装置1は、上述のインターフェースに外付けのスピーカが接続されていない場合には、停止時間幅Twによらず学習支援モードを実行しない。これにより、スピーカの接続の有無に応じて自動的に学習モードのON/OFFを切り換えることができる。
【0072】
(変形例2)
表示制御部103は、(点字表示部の構成)の説明に加え、第2ピンを立たせる際に、素早く上下に震動させてもよい。これにより、表示制御部103は、利用者が第1ピンによる点字表示と第2ピンによる位置関係適否表示とを混同するのを防ぐことができる。
【0073】
(変形例3)
上述のフローチャート等の説明では、音声制御部104は、停止時間幅Twが閾値Twth以上の場合に音声出力を1回限り実行した。これに代えて、音声制御部104は、音声出力を行った場合に停止時間幅Twの計測タイマーを初期化し、初期化後停止時間幅Twだけ経過したときに音声出力を再び実行してもよい。従って、この場合、音声制御部104は、音声出力を複数回実行してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 ハンドヘルド点字変換装置
10 点字表示部
11 CPU
14 電源
15 カメラ
16 レンズ
17 照明用LED
18 スピーカ
19 システムコントローラ
101 文字認識部
102 点字変換部
103 表示制御部
104 音声制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、
前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、
前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段と、
前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段と、
前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段と、
前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段と、
を備えることを特徴とするハンドヘルド点字変換装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記音声制御手段が音声出力する文字に対応する点字を前記点字表示部に表示させ、前記音声制御手段が音声出力する文字以外の文字に対応する点字を前記点字表示部に表示させないことを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルド点字変換装置。
【請求項3】
前記所定の点字は、前記点字表示部の中心に最も近い位置で表示される点字であることを特徴とする請求項1または2に記載のハンドヘルド点字変換装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない状態から前記撮影画像が変化した場合、前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示を再開させることを特徴とする請求項2に記載のハンドヘルド点字変換装置。
【請求項5】
利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置が実行する点字変換方法であって、
前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識工程と、
前記文字認識工程が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換工程と、
前記点字変換工程が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御工程と、
前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御工程と、
を備えることを特徴とする点字変換方法。
【請求項6】
利用者が片手で保持した状態で移動させることが可能なハンドヘルド点字変換装置であって、前記ハンドヘルド点字変換装置を保持している手の少なくとも一本の指が接触可能な位置に配置され、点字を表示する点字表示部と、前記ハンドヘルド点字変換装置周辺の所定範囲を撮影する撮影手段と、を備えるハンドヘルド点字変換装置に搭載され実行されるプログラムであって、
前記撮影手段の撮影画像に存在する文字の有無を検知し、存在する文字を認識する文字認識手段、
前記文字認識手段が認識した文字の一部又は全部を点字に変換する点字変換手段、
前記点字変換手段が変換した点字を前記点字表示部に表示させる表示制御手段、
前記点字表示部が点字を表示中に、前記撮影画像が所定時間幅以上変化しない場合、前記点字表示部が表示する所定の点字に対応する文字の音声出力を行う音声制御手段、
として前記ハンドヘルド点字変換装置を機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−42823(P2012−42823A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185386(P2010−185386)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】