説明

ハートカム機構および電子機器

【課題】動作時に生じる衝撃を緩和する上で有利なハートカム機構および電子機器を提供する。
【解決手段】USBメモリ10は、キャップ26がミッドボディ22上を移動し、キャップ26はハートカム機構28により、メモリ側USBコネクタ12を収納する収納位置と、メモリ側USBコネクタ12を露出させる使用位置とに保持される。ハートカム機構28は、ハートカム36と、弾性部材38と、スプリング40を含んで構成されている。キャップ26が、スプリング40の付勢力によって第3の位置から収納位置に向けて移動される際、カムピン42は、第3カム部68の第1減速部72に接触し、弾性部材38が弾性変形されることによりキャップ26の収納位置に向かう速度が減速される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハートカム機構および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどのホストに装着して使用する補助記憶装置としてUSBメモリが提供されている。
USBメモリはメモリ側USBコネクタを有し、このメモリ側USBコネクタを、ホストに設けられたホスト側USBコネクタ(USBポート)に接続することで使用する。
多くの場合、USBメモリは、メモリ側USBコネクタが設けられた本体と、メモリ側USBコネクタに取り外し可能に装着される防塵用のキャップとを備えている。
ところが、USBメモリをホストに装着する際に外したキャップを紛失しがちであることから、本体に対してキャップをスライド可能にかつ取り外し不能に設けると共に、キャップが突出してメモリ側USBコネクタを覆う収納位置と、キャップが後退してメモリ側USBコネクタを露出させる露出位置とに選択的に位置させるものが提供されている。
このようなキャップを収納位置と露出位置とに選択的に位置させる機構として、従来公知のハートカム機構を用いることが考えられる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−207497
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のハートカム機構では、ばねなどの付勢力を用いてキャップを収納位置に向けて付勢しておき、キャップを露出位置に位置させた際にはばねが蓄勢されキャップに大きな付勢力がかかった状態となる。
そのため、露出位置から収納位置に移動すると、ばねの付勢力によりキャップが勢いよく移動し、キャップと本体とが衝突することによって大きな衝撃や振動が発生する。
このような衝撃や振動は、プリント配線基板に半田付けによって実装されたメモリ側USBコネクタや電子部品にストレスを与えるため、部品や半田付け部分の劣化や破損が懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は、動作時に生じる衝撃を緩和する上で有利なハートカム機構および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明は、第1部材に直線移動可能に結合された第2部材と、前記第2部材に設けられたハートカムと、前記移動方向に細長形状を呈しその長手方向の一端が前記第1部材に取り付けられその長手方向の他端に前記ハートカムに係合するカムピンが設けられた弾性変形可能な弾性部材とを備え、前記ハートカムのカム溝は、前記移動方向と平行する方向に延在する直線状カム部と、前記直線状カム部の先端から延在する曲線状の第1カム部と、第1カム部に続く曲線状の第2カム部と、第2カム部に続き前記直線状カム部の先端に繋がる曲線状の第3カム部を有し、前記カムピンが、前記先端と離れた前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記第2部材は第1の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部に位置した状態で前記第2部材は前記第1の位置から前記移動方向に離れた第2の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部寄りの前記第1カム部の端部および前記第2カム部寄りの前記第3カム部の端部に位置した状態で前記第2部材は前記第2の位置よりも前記第1の位置から離れる方向に変位した第3の位置となり、前記2部材を前記第1の位置に位置する方向に付勢するスプリングが前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられたハートカム機構であって、前記直線状カム部の前記先端に、前記カムピンを介して前記弾性部材を弾性変形させ前記スプリングの付勢力による前記第2部材の前記第3の位置から前記第1の位置に向かう速度を減速する第1減速部が設けられていることを特徴とする。
また本発明は、第1部材と、前記第1部材に直線移動可能に結合された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられたハートカム機構とを備えた電子機器であって、前記ハートカム機構は、前記第2部材に設けられたハートカムと、前記移動方向に細長形状を呈しその長手方向の一端が前記第1部材に取り付けられその長手方向の他端に前記ハートカムに係合するカムピンが設けられた弾性変形可能な弾性部材とを備え、前記ハートカムのカム溝は、前記移動方向と平行する方向に延在する直線状カム部と、前記直線状カム部の先端から延在する曲線状の第1カム部と、第1カム部に続く曲線状の第2カム部と、第2カム部に続き前記直線状カム部の先端に繋がる曲線状の第3カム部を有し、前記カムピンが、前記先端と離れた前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記第2部材は第1の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部に位置した状態で前記第2部材は前記第1の位置から前記移動方向に離れた第2の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部寄りの前記第1カム部の端部および前記第2カム部寄りの前記第3カム部の端部に位置した状態で前記第2部材は前記第2の位置よりも前記第1の位置から離れる方向に変位した第3の位置となり、前記2部材を前記第1の位置に位置する方向に付勢するスプリングが前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられ、前記直線状カム部の前記先端に、前記カムピンを介して前記弾性部材を弾性変形させ前記スプリングの付勢力による前記第2部材の前記第3の位置から前記第1の位置に向かう速度を減速する第1減速部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、第1部材に対して第2部材を第1の位置と第3の位置との間で移動させるハートカムに、第2部材の第1の位置に向かう速度を減速する第1減速部を設けたので、第1部材と第2部材とが衝突して発生する衝撃を緩和することができる。
したがって、例えば、第1部材に電子部品が組み込まれている場合には、電子部品にストレスを与えることがなく、電子部品の劣化や破損を防止でき、耐久性や信頼性の向上を図る上で有利となる。
また、ハートカム機構を構成する弾性部材を弾性変形させることで第2部材の速度の減速が行われるので、減速のための専用の部材を設けることなく減速でき、したがって、何ら部品点数を増やさずに電子部品の劣化や破損を防止でき、耐久性や信頼性の向上を図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明のハートカム機構を電子機器に適用した実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では電子機器はUSBメモリである。
図1(A)はコネクタの収納状態を示すUSBメモリ10の斜視図、(B)はコネクタの突出状態を示す斜視図、図2、図3はUSBメモリ10の分解斜視図、図4はUSBメモリ10の制御系を示すブロック図である。
まず、図4を参照してUSBメモリ10の制御系について説明する。
USBメモリ10は、パーソナルコンピュータなどのホストのUSBコネクタ(USBポート)に接続されて使用される補助記憶装置である。
USBメモリ10はプリント配線基板20を有し、プリント配線基板20にメモリ側USBコネクタ12、USBインターフェース部14、メモリ制御部16、メモリ部18、などが設けられている。
メモリ側USBコネクタ12は、ホスト2に設けられているホスト側USBコネクタ4に装脱可能に接続されるものである。
USBインターフェース部14は、USBメモリ側コネクタ12がホスト側USBコネクタ4に接続されたことを認識すると共に、USBのプロトコルに基づいたホスト2とUSBメモリ10とのデータ通信の制御を行うものである。
メモリ制御部16は、USBインターフェース部14を介してホスト2から供給されるデータをメモリ18に書き込むと共に、メモリ18から読み出したデータをUSBインターフェース部14を介してホスト2に供給するものである。
メモリ部18は、不揮発性でランダムアクセスが可能な記憶素子で構成され、このような記憶素子としてフラッシュメモリが用いられている。
USBインターフェース部14、メモリ制御部16、メモリ部18は、それぞれLSIや周辺回路を構成する受動部品やスイッチなどの種々の電子部品を含んで構成されている。
プリント配線基板20は、図2、図3に示すように、細長い矩形板状を呈し、長手方向の一端にメモリ側USBコネクタ12が半田付けにより実装され、プリント配線基板20の厚さ方向の両面には、USBインターフェース部14、メモリ制御部16、メモリ部18を構成するLSIや図示しない電子部品が半田付けによって実装されている。
本実施の形態では、USBインターフェース部14とメモリ制御部16が1つのLSIによって構成され、メモリ部18が2つ設けられている場合を示すが、USBインターフェース部14、メモリ制御部16、メモリ部18の構成や数は任意である。
【0007】
図2、図3に示すように、USBメモリ10は、プリント基板20を収容するミッドボディ22と、ミッドボディ22に取着されるエンドボディ24と、ミッドボディ22にスライド可能(直線移動可能)に設けられたキャップ26と、ミッドボディ22とキャップ26間に設けられたハートカム機構28などを含んで構成されている。
キャップ26がミッドボディ22上を移動し、キャップ26はハートカム機構28により、メモリ側USBコネクタ12を収納する収納位置(特許請求の範囲の第1の位置)と、メモリ側USBコネクタ12を露出させる使用位置(特許請求の範囲の第2の位置)とに保持される。
ハートカム機構28は、ハートカム36(図13)と、弾性部材38と、スプリング40を含んで構成されている。
なお、本実施の形態では、ミッドボディ22が特許請求の範囲の第1部材を構成しており、キャップ26が特許請求の範囲の第2部材を構成している。
【0008】
図5はミッドボディ22、エンドボディ24、弾性部材38の分解斜視図、図6はミッドボディ22に対する弾性部材38の組み付け説明図、図7はミッドボディ22に弾性部材38が組み付けられた平面図、図8はミッドボディ22に弾性部材38が組み付けられた斜視図、図9(A)はミッドボディ22の収容部44の平面図、(B)は(A)のXX線断面図、(C)は(A)のYY線断面図、図10(A)はミッドボディ22の下面図、(B)は(A)のBB線断面図である。
図5、図10に示すように、ミッドボディ22は断面矩形の細長い筒状を呈し、上下方向の厚さと、厚さよりも大きな寸法の左右方向の幅と、幅よりも大きな寸法の長さとを有し、長さ方向の両端は開放されている。
ミッドボディ22は、厚さ方向の両側に位置する上壁30および下壁32と、上壁30および下壁32の左右の側部を接続する左右の側壁34とを有している。
プリント基板20は、その長手方向をミッドボディ22の長手方向と合致させた状態でミッドボディ22の上壁30、下壁32、左右の側壁34で囲まれた断面矩形状の空間に収容保持され、この状態でメモリ側USBコネクタ12の大部分がミッドボディ22の一方の開口から露出される。
エンドボディ24は、ミッドボディ22の断面形状よりも一回り大きな断面形状を有し、図5、図7に示すように、メモリ側USBコネクタ12と反対側に位置するミッドボディ22の長手方向の端部に取着され該端部の開口を閉塞している。
【0009】
図5、図6に示すように、ミッドボディ22の上壁30に、ハートカム機構28を構成する弾性部材38の収容部44が設けられている。
収容部44は、図7、図8に示すように、弾性部材38の弾性変形を許容する凹部46と、凹部46の端部に設けられた弾性部材38を取り付けるためのU字状の壁部50とを有している。
U字状の壁部50は、図9(A)に示すように、凹部46の底面から膨出され、互いに対向する2辺5002、5004と、この2辺5002、5004の端部を接続する湾曲辺5006とを有している。
互いに対向する2辺5002、5004は、収納位置と使用位置とを結ぶ方向と平行する方向に延在している。
前記2辺のうちの1辺5002には、図9(B)に示すように、弾性部材38が嵌め込まれ保持される保持溝52が形成されている。
また、湾曲辺5006と対向する凹部46の側壁には、図9(A)、(C)に示すように、湾曲辺5006と協働して弾性部材38を挟む凸部54が形成されている。
また、前記2辺のうちの残りの1辺5004の端部には、図9(B)に示すように、弾性部材38の側面の一部が係合される凹部56が設けられている。
また、図6、図10に示すように、ミッドボディ22の上壁30および下壁32には、ミッドボディ22の長手方向と平行に延在する直線状の溝部57が形成されている。
【0010】
弾性部材38は、ばね鋼線により構成されている。
弾性部材38は、図6に示すように、直線状に延在する本体部38Aを有し、ハートカム36に係合するカムピン42が本体部38Aの長手方向の一端に設けられている。
本体部38Aの長手方向の他端は、U字状の壁部50に取り付けられる取付部38Bとなっている。
取り付け部38Bは、図9(A)、(B)、(C)に示すように、互いに対向する2辺5002、5004のうちの一方の1辺5002に保持された第1直線部3802と、湾曲辺5006に当て付けられた湾曲部3804と、互いに対向する2辺5002、5004のうちの他方の1辺5004に係合される第2直線部3806とを有し、本体部38Aと第2直線部3806とは直線状に連続している。
弾性部材38は、第1直線部3802が、図9(B)に示すように、保持溝52に保持され、湾曲部3804の中間部が、図9(C)に示すように、湾曲辺5006と凸部54により挟持され、第2直線部3806が、図9(B)に示すように、凹部56に係合して収容部44に配設され、この状態で、カムピン42を除く弾性部材38の部分が上壁30の表面よりもミッドボディ22の内側に位置し、カムピン42のみが上壁30の表面よりも上方に突出する。
【0011】
図11はキャップ26の上下を反転した斜視図、図12(A)は図11のAA線断面図、(B)は(A)のBB線断面図、(C)は(A)の要部拡大図、図13はハートカム36とカムピン42の係合状態を示す斜視図、図14はミッドボディ22が収容されたキャップ26の断面図である。
キャップ26は、図11、図14に示すように、ミッドボディ22がその内部に収容される大きさの断面矩形の細長い筒状を呈し、上下方向の厚さと、厚さよりも大きな寸法の左右方向の幅と、幅よりも大きな寸法の長さとを有し、長さ方向の両端は開放されている。
図2、図3に示すように、キャップ26の内部にミッドボディ22が挿入され、ハートカム機構28を構成するスプリング40は、ミッドボディ22の内側でプリント配線基板20を巻装する大きさのコイル状に形成されている。スプリング40の一端は、プリント配線基板20またはミッドボディ22に取着され、スプリング40の他端は、キャップ26の内面に取着され、スプリング40は、キャップ26を収納位置(図1(B))に常時付勢している。
図14に示すように、キャップ26の内部にミッドボディ22が収容された状態で、ミッドボディ22の上壁30および下壁32(図10(A))に形成された溝部57に臨むキャップ26の内面には、図12(B)に示すように、2つの溝部57にスライド可能に係合する凸部27がそれぞれ形成されている。
キャップ26は、使用位置(第2の位置)から収納位置(第1の位置)に向かう方向において(または後述する第3の位置から第1の位置に向かう方向において)第1の位置がキャップ26が移動できる限界の位置となっており、キャップ26とミッドボディ22とにわたり使用位置(第2の位置)から収納位置(第1の位置)に向かう方向においてキャップ26の移動範囲を収納位置(第1の位置)に規制するストッパ機構80が設けられている。ストッパ機構80は凸部27と溝部57とにより構成されている。
【0012】
ハートカム36は、図12(A)、(C)に示すように、キャップ26の内面に形成されている。この内面は、キャップ26の内部にミッドボディ22が収容された状態で、ミッドボディ22の上壁30に対向する面である。
図15(B)に示すように、ハートカム36のカム溝60は、収納位置と収納位置とを結ぶ方向と平行する方向に延在する直線状カム部62と、直線状カム部62の先端から延在する曲線状の第1カム部64と、第1カム部64に続く曲線状の第2カム部66と、第2カム部66に続き直線状カム部62の先端に繋がる曲線状の第3カム部68を備えている。
図16(A)に示すように、カムピン42が、前記先端と離れた直線状カム部62の基端70に位置した状態でキャップ26は収納位置(第1の位置)となる。
また、図20に示すように、カムピン42が、第2カム部66(詳細には第2カム部66の凹部66A(図16(A))に位置した状態でキャップ26は使用位置(第2の位置)となる。
また、カムピン42が、第2カム部66寄りの第1カム部64の端部および第2カム部66寄りの第3カム部68の端部に位置した状態でキャップ26は使用位置(第2の位置)よりも収納位置(第1の位置)から離れる方向に変位した第3の位置となる。
【0013】
カムピン42が直線状カム部62の基端70に位置した状態で、第2直線部3806と本体部38Aは図9(A)の符号P0に示すように撓まずに直線状に延在する。
第1カム部64と第3カム部68は、直線状に延在する本体部38Aの延長線を挟んだ互いに反対の箇所に位置しており、カムピン42が第1カム部64に係合した状態と、カムピン42が第3カム部68に係合した状態とでは本体部38Aの撓む方向が逆向きとなる。より詳細に説明すると、第1カム部64と第3カム部68は、直線状カム部62の延長線を挟んだ互いに反対の箇所に位置しており、前記延長線に対する第1カム部64の撓み量は、前記延長線に対する第3カム部68の撓み量よりも大きい。
すなわち、カムピン42が第1カム部64に位置した状態では、凸部54と、壁部50の湾曲辺5006とで挟持された湾曲部3804の箇所(特許請求の範囲の第1の箇所)を中心として第2直線部3806と本体部38Aは図9(A)の符号P1に示すように撓み、カムピン42は第1カム部64のカム溝の第3カム部68寄りの側面に接触する。
また、カムピン42が第3カム部68に位置した状態では、第2直線部3806は凹部56に係合することで他方の1辺5004に当て付けられ、第2直線部3806と本体部38Aとの境の箇所(特許請求の範囲の第2の箇所)を中心として本体部38Aは図9(A)の符号P2に示すように前記撓む方向とは逆方向で前記撓み量に比べ小さな撓み量で撓み、カムピン42は第3カム部68のカム溝の第1カム部64寄りの側面に接触する。
したがって、第2直線部3806と本体部38Aとが撓む際の支点となる凹部56の端部56A(図9(A))は、本体部38Aが撓む際の支点となる凸部54と壁部50の湾曲辺5006とが向かい合う箇所よりも、カムピン42側に偏位した箇所である。
また、本実施の形態では、カムピン42が第1カム部64に位置し撓み量が大きい場合には、本体部38Aと第2直線部3806とが撓み、カムピン42が第3カム部68に位置し撓み量が小さい場合には、本体部38Aのみが撓み、すなわち、湾曲部3804の箇所(特許請求の範囲の第1の箇所)を、第2直線部3806と本体部38Aとの境の箇所(特許請求の範囲の第2の箇所)よりも、カムピン42から離れた方向に偏位した箇所とし、撓み量が大きい場合には弾性部材38の長い部分を撓ませ、撓み量が小さい場合には弾性部材38の短い部分を撓ませ、弾性部材38の撓む際の支点を異ならせている。
【0014】
そして、図15(B)に示すように、第3カム部68に、カムピン42を介して弾性部材38を弾性変形させ、スプリング40の付勢力によるキャップ26の収納位置に向かう速度を減速する第1減速部72が設けられている。
図14(B)に示すように、第1減速部72を構成するカム溝60は、使用位置(または第3の位置)と収納位置(第1の位置)とを結ぶ方向に対して45度以上90度以下の傾斜(図14(B)において角度θで示す)をもって延在形成されている。
さらに本実施の形態では、基端70寄りに位置する第1減速部72に、カムピン42を介して弾性部材38を弾性変形させスプリング40の弾性力によるキャップ26の収納位置(第1の位置)に向かう速度を減速する第2減速部62が連設されている。
【0015】
次にハートカム機構28の動作について説明する。
図15(A)はキャップ26が収納位置(第1の位置)から使用位置(第2の位置)に移動する際のハートカム36上におけるカムピン42の軌跡を示す説明図、(B)はキャップ26が使用位置(第2の位置)から収納位置(第1の位置)に移動する際のハートカム36上におけるカムピン42の軌跡を示す説明図である。
図16はキャップ26の収納位置(第1の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図、図17はカムピン42が基端70から使用位置(第2の位置)に向かって移動した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図18はカムピン42が第1カム部64に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図19はカムピンが第2カム部66に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
図20はキャップ26の使用位置(第2の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図、図21はカムピン42が第3の位置に向けて移動した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図22はカムピン42が第3カム部68に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図23はカムピン42が第3カム部68の第1減速部72に接触した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図24はカムピン42が第3カム部68から直線状カム部62にした状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図25はカムピン42が第2減速部74に接触した状態を示すハートカム機構28の動作説明図、図26はキャップ26の収納位置(第1の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【0016】
まず、メモリ側USBコネクタ12を覆う収納位置(第1の位置)にあるキャップ26を、メモリ側USBコネクタ12を露出させる使用位置(第2の位置)に移動する際の動作について説明する。
図16に示すように、キャップ26の収納位置ではカムピン42はハートカム36の直線状カム部62の基端70に位置している。
キャップ26を指で把持し収納位置から使用位置に向けてスプリング40の付勢力に抗して動かすと、図17、図18に示すように、カムピン42は直線状カム部62から第1カム部64に移動し、弾性部材38の第2直線部3806と本体部38Aが撓む。
さらに、図19に示すようにキャップ26を露出方向に動かすと、カムピン42は、第2カム部66寄りの第1カム部64の端部に位置し、キャップ26は第3の位置となる。
ここで、キャップ26から指を離すと、キャップ22はスプリング40の付勢力により第3の位置から使用位置(第2の位置)に向けて移動し、カムピン42は弾性部材38の弾性力により第1カム部64から第2カム部66に移動し、図20に示すように、カムピン42が第2カム部66(凹部66A)に係合することでキャップ26は使用位置(第2の位置)に留められ、キャップ26の先端からメモリ側USBコネクタ18が露出する。
この状態で、メモリ側USBコネクタ18をホスト2のホスト側USBコネクタ4に装着することでUSBメモリ10を使用する。
【0017】
次に、メモリ側USBコネクタ12を露出させる使用位置(第2の位置)にあるキャップ26を、メモリ側USBコネクタ12を覆う収納位置(第1の位置)に移動する際の動作について説明する。
図20に示すように、キャップ26の使用位置(第2の位置)ではカムピン42はハートカム36の第2カム部66(凹部66A)に係合しており、この状態でメモリ側USBコネクタ18がホスト2のホスト側USBコネクタ4に装着されているものとする。
ここで、キャップ26を把持し、ホスト2のホスト側USBコネクタ4からメモリ側USBコネクタ18を引き抜く方向に移動させる。
すると、図21に示すように、カムピン42は弾性部材38の弾性力により第2カム部66から、第2カム部66寄りの第3カム部68の端部に移動し、キャップ26は第3の位置に停止する。
さらに、第3の位置に停止したキャップ26を移動させると、カムピン42が第3カム部68のカム溝の外側の側面6820(図21参照)に当接していることから、メモリ側USBコネクタ18がホスト側USBコネクタ4から引き抜かれる。
メモリ側USBコネクタ18がホスト側USBコネクタ4から引き抜かれると、キャップ26は、図22に示すように、スプリング40の付勢力によって第3の位置から収納位置(第1の位置)に向けて移動され、カムピン42は第3カム部68から直線状カム部62に向かって移動する。カムピン42が直線状カム部62に至ると、図23に示すように、カムピン42は、直線状カム部62の第1減速部72に接触し、弾性部材38が弾性変形されることによりキャップ26の収納位置に向かう速度が減速される。
そして、キャップ26は、スプリング40の付勢力によって収納位置(第1の位置)に向けて移動され、図24に示すように、カムピン42は直線状カム部62内を基端70に向かって移動する。
さらなるキャップ26の移動により、図25に示すように、カムピン42は第2減速部74に接触し、弾性部材38が弾性変形されることによりキャップ26の収納位置に向かう速度が減速され、カムピン42は基端70に向かって移動する。
そして、図26に示すように、ストッパ機構80によりキャップ26が収納位置(第1の位置)に留められ、カムピン42が基端70に位置し、メモリ側USBコネクタ12がキャップ26で覆われる。
これにより、USBメモリ10は携帯に適した状態となる。
【0018】
以上説明したように本実施の形態によれば、ミッドボディ22(第1部材)に対してキャップ26(第2部材)を収納位置(第1の位置)と使用位置(第2の位置)との間で移動させるハートカム36に、キャップ26の収納位置(第1の位置)に向かう速度を減速する第1減速部72を設けたので、キャップ26とミッドボディ22とが衝突して発生する衝撃を緩和することができる。
したがって、キャップ26を収納位置(第1の位置)に移動させる際に、プリント配線基板20に半田付けによって実装されたメモリ側USBコネクタ12や電子部品にストレスを与えることがなく、電子部品や半田付け部分の劣化や破損を防止でき、耐久性や信頼性の向上を図る上で有利となる。
また、ハートカム機構28を構成する弾性部材38を弾性変形させることでキャップ26の速度の減速が行われるので、減速のための専用の部材を設けることなく減速でき、したがって、何ら部品点数を増やさずに電子部品や半田付け部分の劣化や破損を防止でき、耐久性や信頼性の向上を図る上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、第1減速部72に加えて、ハートカム36に、カムピン42を介して弾性部材38を弾性変形させスプリング40の付勢力によるキャップ26の収納位置(第1の位置)に向かう速度を減速する第2減速部74を設けたので、キャップ26とミッドボディ22とが衝突して発生する衝撃を緩和する上でより有利となり、耐久性や信頼性の向上を図る上でより有利となる。
また、本実施の形態では、カムピン42が第1減速部72に接触する部分と、カムピン42が第2減速部74に接触する部分とが、カムピン42の外周面の異なる部分であることから、カムピン42の磨耗する箇所を分散でき、カムピン42の耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、弾性部材38は、カムピン42が第1カム部64に位置した状態では、湾曲部3804の箇所(特許請求の範囲の第1の箇所)を中心として第2直線部3806と本体部38Aが撓み、カムピン42が第3カム部68に位置した状態では、第2直線部3806と本体部38Aとの境の箇所(特許請求の範囲の第2の箇所)を中心として本体部38Aは前記撓む方向とは逆方向に撓む。
したがって、カムピン42が第1カム部64に位置した状態と、カムピン42が第3カム部68に位置した状態では、弾性部材38が撓む支点が異なるため、弾性部材38が同一の箇所を支点として撓む場合に比べ弾性部材38の耐久性を高める上で有利となる。
また、本実施の形態では、カムピン42が第1カム部64に位置した状態における弾性部材38の撓み量と、カムピン42が第3カム部68に位置した状態における弾性部材38の撓み量とでは、カムピン42が第1カム部64に位置した状態における弾性部材38の撓み量が大きく設定されており、これに対応させカムピン42が第1カム部64に位置した状態と、カムピン42が第3カム部68に位置した状態では、弾性部材38が撓む支点を異ならせ、弾性部材38の撓み量が大きい場合には、弾性部材38の可撓範囲を大きく確保し、弾性部材38の撓み量が小さい場合には、弾性部材38の可撓範囲を小さく確保するようにしたので、弾性部材38を必要最小限の長さとすることができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、本発明のハートカム機構28をUSBメモリ10に適用した場合について説明したが、本発明はUSBメモリ10に限定されるものではなく、種々の電子機器に適用可能である。
例えば、本発明を、撮影光学系が組み込まれた筐体と、筐体にスライド可能に設けられ撮影光学系を遮蔽、露出させるレンズバリアとを備えた撮像装置に適用することができる。
その場合、第1部材は筐体であり、第2部材はレンズバリアであり、レンズバリアが第1の位置に位置した状態で撮影光学系はレンズバリアで覆われた遮蔽位置となり、レンズバリアが第2の位置に位置した状態で撮影光学系が露出する使用位置となるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)はコネクタの収納状態を示すUSBメモリ10の斜視図、(B)はコネクタの突出状態を示す斜視図である。
【図2】USBメモリ10の分解斜視図である。
【図3】USBメモリ10の分解斜視図である。
【図4】USBメモリ10の制御系を示すブロック図である。
【図5】ミッドボディ22、エンドボディ24、弾性部材38の分解斜視図である。
【図6】ミッドボディ22に対する弾性部材38の組み付け説明図である。
【図7】ミッドボディ22に弾性部材38が組み付けられた平面図である。
【図8】ミッドボディ22に弾性部材38が組み付けられた斜視図である。
【図9】(A)はミッドボディ22の収容部44の平面図、(B)は(A)のXX線断面図、(C)は(A)のYY線断面図である。
【図10】(A)はミッドボディ22の下面図、(B)は(A)のBB線断面図である。
【図11】キャップ26の上下を反転した斜視図である。
【図12】(A)は図11のAA線断面図、(B)は(A)のBB線断面図、(C)は(A)の要部拡大図である。
【図13】ハートカム36とカムピン42の係合状態を示す斜視図である。
【図14】ミッドボディ22が収容されたキャップ26の断面図である。
【図15】(A)はキャップ26が収納位置(第1の位置)から使用位置(第2の位置)に移動する際のハートカム36上におけるカムピン42の軌跡を示す説明図、(B)はキャップ26が使用位置(第2の位置)から収納位置(第1の位置)に移動する際のハートカム36上におけるカムピン42の軌跡を示す説明図である。
【図16】キャップ26の収納位置(第1の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図17】カムピン42が基端70から使用位置(第2の位置)に向かって移動した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図18】カムピン42が第1カム部64に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図19】カムピンが第2カム部66に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図20】キャップ26の使用位置(第2の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図21】カムピン42が第3の位置に向けて移動した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図22】カムピン42が第3カム部68に位置した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図23】カムピン42が第3カム部68の第1減速部72に接触した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図24】カムピン42が第3カム部68から直線状カム部62にした状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図25】カムピン42が第2減速部74に接触した状態を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【図26】キャップ26の収納位置(第1の位置)を示すハートカム機構28の動作説明図である。
【符号の説明】
【0022】
10……USBメモリ、22……ミッドボディ、26……キャップ、28……ハートカム機構、36……ハートカム、38……弾性部材、40……スプリング、42……カムピン、60……カム溝、62……直線状カム部、64……第1カム部、66……第2カム部、68……第3カム部、70……基端、72……第1減速部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材に直線移動可能に結合された第2部材と、
前記第2部材に設けられたハートカムと、
前記移動方向に細長形状を呈しその長手方向の一端が前記第1部材に取り付けられその長手方向の他端に前記ハートカムに係合するカムピンが設けられた弾性変形可能な弾性部材とを備え、
前記ハートカムのカム溝は、前記移動方向と平行する方向に延在する直線状カム部と、前記直線状カム部の先端から延在する曲線状の第1カム部と、第1カム部に続く曲線状の第2カム部と、第2カム部に続き前記直線状カム部の先端に繋がる曲線状の第3カム部を有し、
前記カムピンが、前記先端と離れた前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記第2部材は第1の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部に位置した状態で前記第2部材は前記第1の位置から前記移動方向に離れた第2の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部寄りの前記第1カム部の端部および前記第2カム部寄りの前記第3カム部の端部に位置した状態で前記第2部材は前記第2の位置よりも前記第1の位置から離れる方向に変位した第3の位置となり、
前記2部材を前記第1の位置に位置する方向に付勢するスプリングが前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられたハートカム機構であって、
前記直線状カム部の前記先端に、前記カムピンを介して前記弾性部材を弾性変形させ前記スプリングの付勢力による前記第2部材の前記第3の位置から前記第1の位置に向かう速度を減速する第1減速部が設けられている、
ことを特徴とするハートカム機構。
【請求項2】
前記第1減速部を構成するカム溝は、前記第1の位置と前記第3の位置とを結ぶ方向に対して45度以上90度以下の傾斜をもって延在形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項3】
前記基端寄りに位置する前記第1減速部に、前記カムピンを介して前記弾性部材を弾性変形させ前記スプリングの弾性力による前記第2部材の前記第3の位置から前記第1の位置に向かう速度を減速する第2減速部が連設されている、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項4】
前記第2部材は、前記第3の位置から前記第1の位置に向かう方向において前記第1の位置が前記第2部材が移動できる限界の位置となっており、
前記第1部材と前記第2部材とにわたり前記第3の位置から前記第1の位置に向かう方向において前記第2部材の移動範囲を前記第1の位置に規制するストッパ機構が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項5】
前記弾性部材は直線状に延在する本体部を有し、
前記カムピンは前記本体部の長手方向の一端に設けられ、
前記本体部の長手方向の他端が前記第1部材に取り付けられる取り付け部となっており、
前記カムピンが前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記本体部は撓まずに直線状に延在しており、
前記第1カム部と前記第3カム部は、前記直線状に延在する前記本体部の延長線を挟んだ互いに反対の箇所に位置し、
前記カムピンが前記第1カム部に位置した状態では、前記取り付け部の第1の箇所を中心として前記本体部は撓み、
前記カムピンが前記第3カム部に位置した状態では、前記取り付け部の第2の箇所を中心として前記本体部は前記撓む方向とは逆方向に撓み、
前記第2の箇所は、前記第1の箇所よりも、前記カムピン側に偏位した箇所である、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項6】
前記第1部材に前記弾性部材を取り付けるためのU字状の壁部が設けられ、
前記U字状の壁部は、互いに対向する2辺と、それら2辺を接続する湾曲辺とを有し、
前記弾性部材は直線状に延在する本体部を有し、
前記カムピンは前記本体部の長手方向の一端に設けられ、
前記本体部の長手方向の他端が前記U字状の壁部に取り付けられる取り付け部となっており、
前記取り付け部は、前記互いに対向する2辺のうちの一方の1辺に保持された第1直線部と、前記湾曲辺に当て付けられた湾曲部と、前記互いに対向する2辺のうちの他方の1辺に係合される第2直線部とを有し、
前記互いに対向する2辺は、前記第1の位置と前記第3の位置とを結ぶ方向と平行する方向に延在し、
前記本体部と前記第2直線部とは直線状に連続しており、
前記カムピンが前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記第2直線部と前記本体部は撓まずに直線状に延在しており、
前記第1カム部と前記第3カム部は、前記直線状に延在する前記本体部の延長線を挟んだ互いに反対の箇所に位置し、
前記カムピンが前記第1カム部に位置した状態では、前記湾曲部を中心として前記第2直線部と前記本体部は撓み、
前記カムピンが前記第3カム部に位置した状態では、前記第2直線部は前記他方の1辺に当て付けられ、前記第2直線部と前記本体部との境の箇所を中心として前記本体部は前記撓む方向とは逆方向に撓む、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項7】
前記弾性部材は直線状に延在する本体部を有し、
前記カムピンは前記本体部の長手方向の一端に設けられ、
前記本体部の長手方向の他端が前記第1部材に取り付けられる取り付け部となっており、
前記カムピンが前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記本体部は撓まずに直線状に延在しており、
前記第1カム部と前記第3カム部は、前記直線状に延在する前記本体部の延長線を挟んだ互いに反対の箇所に位置し、
前記カムピンが前記第1カム部に位置した状態では、前記取り付け部の第1の箇所を中心として前記本体部は撓み、
前記カムピンが前記第3カム部に位置した状態では、前記取り付け部の第2の箇所を中心として前記本体部は前記撓む方向とは逆方向に撓み、
前記本体部の撓み量は、前記カムピンが前記第3カム部に位置した状態の撓み量よりも前記第1カム部に位置した状態の撓み量が大きく、
前記第1の箇所は、前記第2の箇所よりも、前記カムピンから離れた方向に偏位した箇所である、
ことを特徴とする請求項1記載のハートカム機構。
【請求項8】
第1部材と、
前記第1部材に直線移動可能に結合された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられたハートカム機構とを備えた電子機器であって、
前記ハートカム機構は、
前記第2部材に設けられたハートカムと、
前記移動方向に細長形状を呈しその長手方向の一端が前記第1部材に取り付けられその長手方向の他端に前記ハートカムに係合するカムピンが設けられた弾性変形可能な弾性部材とを備え、
前記ハートカムのカム溝は、前記移動方向と平行する方向に延在する直線状カム部と、前記直線状カム部の先端から延在する曲線状の第1カム部と、第1カム部に続く曲線状の第2カム部と、第2カム部に続き前記直線状カム部の先端に繋がる曲線状の第3カム部を有し、
前記カムピンが、前記先端と離れた前記直線状カム部の基端に位置した状態で前記第2部材は第1の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部に位置した状態で前記第2部材は前記第1の位置から前記移動方向に離れた第2の位置となり、前記カムピンが、前記第2カム部寄りの前記第1カム部の端部および前記第2カム部寄りの前記第3カム部の端部に位置した状態で前記第2部材は前記第2の位置よりも前記第1の位置から離れる方向に変位した第3の位置となり、
前記2部材を前記第1の位置に位置する方向に付勢するスプリングが前記第1部材と前記第2部材とにわたって設けられ、
前記直線状カム部の前記先端に、前記カムピンを介して前記弾性部材を弾性変形させ前記スプリングの付勢力による前記第2部材の前記第3の位置から前記第1の位置に向かう速度を減速する第1減速部が設けられている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記電子機器はUSBメモリであり、
前記USBメモリは、USBコネクタが組み込まれたミッドボディと、前記ミッドボディ上にスライド可能に設けられたキャップとを備え、
前記第1部材は前記ミッドボディであり、
前記第2部材は前記キャップであり、
前記キャップが前記第1の位置に位置した状態で前記USBコネクタは前記キャップで覆われて前記USBコネクタの収納位置となり、
前記キャップが前記第2の位置に位置した状態で前記USBコネクタが露出して前記USBコネクタの使用位置となる、
ことを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器は撮像装置であり、
前記撮像装置は、撮影光学系が組み込まれた筐体と、前記筐体にスライド可能に設けられ前記撮影光学系を遮蔽、露出させるレンズバリアとを備え、
前記第1部材は前記筐体であり、
前記第2部材は前記レンズバリアであり、
前記レンズバリアが前記第1の位置に位置した状態で前記撮影光学系は前記レンズバリアで覆われて前記撮影光学系の遮蔽位置となり、
前記レンズバリアが前記第2の位置に位置した状態で前記撮影光学系が露出して前記撮影光学系の使用位置となる、
ことを特徴とする請求項8記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−140037(P2009−140037A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313028(P2007−313028)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】