説明

ハードディスクデータ保護装置、ハードディスク、コンピュータ及びハードディスクデータ保護方法

【課題】ハードウェアコストを増加させることなく、移植性、信頼性、及びセキュリティに優れたハードディスクデータ保護装置、ハードディスク、コンピュータ及びハードディスクデータ保護方法を提供すること。
【解決手段】本発明におけるハードディスクデータ保護装置は、唯一のコマンドコードを備え、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するためのハードディスク属性設定コマンドを生成するための第一生成モジュールと、上記ハードディスク属性設定コマンドを送信するための送信モジュールとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶データのセキュリティを保障する技術分野に関し、特にハードディスクデータ保護装置、ハードディスク、コンピュータ及びハードディスクデータ保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータが広く応用されるにつれ、ハードディスクデータのセキュリティ問題が益々人々に重視されるようになり、ハードディスクデータ保護に基づいた技術が次々と生まれた。現在、特定のハードディスクのデータパーティションを保護するために、通常、ハードディスク保護カード、シングルハードディスク隔離カード及びハードディスク保護装置を含むハードウェアプラスソフトウェア方式と、BIOSモディフィケーション、及びオペレーティングシステムにおける駆動プログラムを変更して、インストールすることを含む単純なソフトウェア方式とを採用する。次に、各種方式に対してそれぞれ説明を加える。
【0003】
ハードディスク保護カード方式は、“ライト保護”原理を採用して、ハードウェア信号から保護パーティションへのライト操作を隔離する。同時にハードディスク保護カード技術の発展に従って、ハードディスク保護カード技術がさらに進展し、ハードディスクパーティション状況によって一つの固定的な大きさを有するハードディスク空間バッファとして占用してデータ保護機能を実現し、データをバックアップしたり、あるいはバッファをマッピングしたりする。しかし、ハードディスク保護カード方式は、一定のハードウェアコストを要するか、あるいは、一定のハードディスク空間資源を要する。
シングルハードディスク隔離カード方式は、一定のハードウェア設備とこれらに応じたソフトウェアによって、ハードディスクインタフェース信号を捕らえて、ハードディスクリード・ライトのアドレス信号を取得し、これらを論理アドレスに変換した後、特定のハードディスクデータ領域を保護して、ハードディスクパーティション間の隔離を実現する。シングルハードディスク隔離カード方式の応用範囲は比較的に広いものの、一定のハードウェアコストを同様に要し、しかもハードディスクの差異のために、サポート・メンテナンスの困難を引き起こす。
ハードディスク保護装置は、いくつか特定のプロセッサあるいは回路装置を採用することによって、ハードディスクインタフェース信号を捕らえて、ハードディスクをリード・ライトする時のアドレス信号を取得し、これらを論理アドレスに変換した後、ハードディスクのリード・ライト信号を制御する。これによって特定のデータ領域を保護する機能を実現する。しかし、この方法はハードウェアコストを要し、かつ従来の規格で設計したコンピュータシステムを変更する必要があるので、不便を引き起こす。
【0004】
上述の記述からわかるように、ハードウェアプラスソフトウェア方式を採用することによってハードディスクデータ保護を実現することは、すべてハードウェアコストを増加させる必要があるので、それに応じたメンテナンス問題も引き起こす。したがって、ソフトウェア方式のハードディスクデータ保護方法が提案された。
入出力システム変更方式は、ハードディスクのデータリード・ライトインタラプト(INT13)を変更することによって、特定のハードディスクのデータ領域をバックアップして保護する。この方式は、ハードウェアコストを増加させることがないが、インタラプトサービスルーチンが捕らされ、変更されやすく、いくつかのアプリケーションとの互換性の問題を引き起こす。しかも、従来のオペレーティングシステムがBIOSインタラプトサービスルーチンに依存しないので、オペレーティングシステムにおける特定のドライバと組み合わせなければいけない。従って、互換性の問題を引き起こしやすく、プラットフォーム移植性が悪い。
オペレーティングシステムにおけるドライバプログラムを変更・インストールする方式は、オペレーティングシステムと結合することにより、特定のハードディスクのデータ領域を保護することを実現する。この方式はオペレーティングシステムのコアに依存して、ウイルスあるいは不正なソフトウェア、不正な操作から侵入されやすく、セキュリティにある程度影響する。また、オペレーティングシステムのタイプに基づいて変更する必要があり、プラットフォーム移植性が悪い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ハードウェアコストを増加させることなく、信頼性及びセキュリティに優れたハードディスクデータ保護装置、ハードディスク、コンピュータ及びハードディスクデータ保護方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様においては、唯一のコマンドコードを備え、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するためのハードディスク属性設定コマンドを生成するための第一生成モジュールと、上記ハードディスク属性設定コマンドを送信するための送信モジュールとを含むハードディスク保護装置を提供する。
本発明の別の一実施態様においては、唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信して記憶するための第一レジスタと、上記ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するための第一ハードディスク属性設定モジュールとを含むハードディスクを提供する。
【0007】
本発明の別の一実施態様においては、ハードディスクを含むデータシステム用のハードディスクデータ保護方法として、唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信するステップと、ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスクにおけるハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するステップとを含むハードディスクデータ保護方法を提供する。
本発明の別の一実施態様においては、プロセッサと、上記プロセッサに接続するディスプレイと、上記プロセッサに接続し、データを記憶するためのハードディスクとを含むコンピュータにおいて、上記ハードディスクは、唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信して記憶するための第一レジスタと、上記ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するための第一ハードディスク属性設定モジュールとを含むコンピュータを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つあるいは複数の実施態様は少なくとも以下のような有益な効果を備えている。
まず、ハードディスクのファームウェア(firmware)の中に、いくつかのインタフェースコマンドを拡張し、ソフトウェアでインタフェースコマンドを送信することにより、本技術案を実現したので、ハードウェアコストを増加させる必要はない。
次に、ATAコマンドのみに依存するので、コンピュータハードウェアシステムあるいはオペレーティングシステムに依存せず、移植性が良い。
最後に、ハードディスクのファームウェア変更が上記機能をサポートすれば、実際の応用時には、いくつかのソフトウェア制御、例えば、コンピュータ基本入出力システム(BIOS)変更により、あるいはいくつかのアプリケーションソフトの設計開発によって、それを実現しやすく、ゆえにシステムコストの増加を回避する。上述技術案は最下層ファームウェアに基づくので、優れた信頼性及びセキュリティを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態によるハードディスクデータ保護装置、ハードディスク、コンピュータ及びハードディスクデータ保護方法は、ハードディスク内のファームウェア(firmware)を変更し、ハードディスク設定コマンド(Set Command)を増加することにより実現され、対応したハードディスクインタフェースコマンドをハードディスクに送信し、ハードディスクの論理アドレス領域の属性設定を実現して、ハードディスクの特定のデータ領域を保護する。
【0010】
本発明の実施形態について詳述する前に、本発明がいっそう良く理解されるように、まず、ハードディスクの構造を説明する。
図1に示すように、一般的に、ハードディスクは、記憶モジュールにおいての位置が論理ブロックアドレス(Logic Block Address)に基づいて確定されたデータを記憶するための記憶モジュールと、ハードディスクに送信するための入力コマンドブロックレジスタ(Input Command Block Register)、ハードディスクから受信するための出力コマンドブロックレジスタ(Output Command Block Register)グループ、及びコマンドを実行した(あるいはコマンドを実行しない)後でハードディス設備から返信した状態のレジスタであるエラーコード出力レジスタ(Error Outputs Register)を備えるファームウェアセル、及び制御論理セルを含む制御モジュールと、駆動モジュールと、を含む。
本発明の具体的な実施形態では、従来のATA規格に従って詳しく説明するが、もちろんほかのハードディスクインタフェースコマンド規格に基づいて実現されることも可能である。
【0011】
本発明の実施形態におけるハードディスク保護装置は、第一生成モジュールと、第一送信モジュールとを含む。
上記第一生成モジュールは、ユーザの選択により、従来のATA規格を利用して、唯一のコマンドコードを備えかつハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するためのハードディスク属性設定コマンドを生成する。また、送信したコマンドには、設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報とリード・ライト属性設定情報とを含む。このハードディスク記憶領域の情報はLBAで転送される。
そのうち、上記リード・ライト属性設定情報は、データを読出すことしかできず、書込んだデータを無効にするリード・オンリーと、データを書込むことしかできず、読出したデータを無効データ(0FFH)とするライト・オンリーと、読出したデータを無効データ(0FFH)とし、書込んだデータを無効にするリード・ライト不可と、正常状態であるリード・ライト可能と、を含む。
上記第一送信モジュールは、ハードディスク属性設定コマンドをハードディスク側の入力コマンドブロックレジスタに送信する。
制御モジュールは、ハードディスク属性設定コマンドにおけるコマンドコード、リード・ライト属性設定情報及び設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報により、対応したハードディスク記憶領域を設定し、上記ハードディスク記憶領域リード・ライト属性をリード・オンリー、ライト・オンリー、リード・ライト不可またはリード・ライト可能に設定する。
【0012】
上記ハードディスク保護装置は、BIOSに一体化して設置することが可能であり、また、独立して設置するモジュールであることも可能である。同時に、上記ハードディスクリード・ライト属性は、ハードディスクを電源に接続する時に設定されることが可能であり、また、ハードディスク稼動過程中に設定されることも可能である。
もちろん、本発明の実施形態における方法を実現する前に、まず、ハードディスクがハードディスク記憶領域リード・ライト属性設定をサポートするかどうかを知る必要があり、ここで、設備命令の識別によって、ハードディスクがハードディスク記憶領域リード・ライト属性設定をサポートするかどうかを取得することが可能である。
設備命令の識別を介して取得する情報は次の表に示される。
【0013】
【表1A】

【表1B】

【0014】
Word Offset 84(Command set/feature supported extension)のbit 6は1であり、ハードディスク記憶領域リード・ライト属性設定をサポートすることを示す。
図2に示すように、本発明の実施形態におけるハードディスクデータ保護方法は、唯一のコマンドコードを備え、ATA規格に基づいて生成したハードディスク属性設定コマンドであって、LBAを介して伝えられ、設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報と、リード・オンリー、ライト・オンリー、リード・ライト不可及びリード・ライト可能を含む属性設定情報とを含むハードディスク属性設定コマンドを受信するステップ21と、ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスクにおけるハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するステップ22とを含む。
ハードディスク属性設定コマンドにおけるコマンドコード、属性設定情報及び設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報により、対応したハードディスク記憶領域を設定し、上記ハードディスク記憶領域リード・ライト属性をリード・オンリー、ライト・オンリー、リード・ライト不可あるいはリード・ライト可能に設定する。
【0015】
もちろん、上記記憶領域リード・ライト属性を設定した後、さらにそれを回復できるはずであり、この時に下述のような2種類の形態を介して行える。
第1種の形態は、ハードディスク領域リード・ライト属性をリード・ライト可能に設定するためのハードディスク属性設定コマンドを直接に利用して、対応した記憶領域リード・ライト属性をリード・ライト可能に回復する。
第2種の形態は、従来のATA規格により、ハードディスク記憶領域リード・ライト属性をリード・ライト可能に回復するためのハードディスク記憶領域リード・ライト属性回復コマンドを生成する。
両者の区別は、第1種の形態及び第2種の形態において採用したコマンドのコマンドコードが異なり、同時に、第1種の形態が特定の記憶領域について設定を行い、第2種の形態がすべての記憶領域について設定を行えるということにある。
【0016】
図2に示すような方法を採用すれば、設定するべきであるハードディスク記憶領域のLBAを取得する必要があるので、一般的なユーザにとっては便利でないかもしれない。従って、本発明の実施形態の方法において、さらに従来のATA規格により、ハードディスクの記憶領域を連続的な複数の記憶ブロックに分けるためのハードディスクブロック化コマンドを生成する。即ち、直前の記憶ブロックのエンドアドレス(LBA)に1を足して、現在の記憶ブロックのスタートアドレスとする。このコマンドは、少なくとも、唯一のコマンドコード及び記憶ブロックの個数を含む必要がある。
ハードディスクを複数の記憶ブロックに分けた後、記憶ブロックによって、ハードディスク属性設定コマンドにおける設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報を表示する。
【0017】
ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定した後、この領域のリード・ライト属性を読出すことができるはずであり、これによって、ハードディスク保護装置は、さらに、第二生成モジュールと、第二送信モジュールとを含む。
上記第二生成モジュールは、従来のATA規格により、唯一のコマンドコードを備え、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すためのハードディスク属性読出しコマンドを生成する。また、このハードディスク属性読出しコマンドは、読出す必要のあるハードディスク記憶領域の情報を含む。このハードディスク記憶領域の情報は、LBAを介して伝えられる。
上記第二送信モジュールは、ハードディスクブロック化コマンドを送信する。
【0018】
以下、図3に示すような記憶ブロックを例として説明する。
図3に示すように、上記ハードディスの記憶領域がN個の記憶ブロックに分けられ、それぞれ、スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである第一記憶ブロック、スタートアドレスがsLBA(eLBA+1)であり、エンドアドレスがeLBAである第二記憶ブロック、…、スタートアドレスがsLBAN−1であり、エンドアドレスがeLBAN−1である第N−1記憶ブロック、スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである第N記憶ブロックとする。
上記記憶ブロックは連続的であるが、もちろん連続しない記憶ブロックに設定されることも可能であり、その区別はただLBAの違いにあるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0019】
第n記憶ブロックをリード・オンリーに設定する必要があれば、第n記憶ブロックのスタートアドレスがsLBAn−1であり、エンドアドレスがeLBAn−1であることを取得した後、ハードディスクにATAフォーマットのハードディスク属性設定コマンドを送信する。このハードディスク属性設定コマンドは、sLBAn−1を含め、エンドアドレスがsLBAn−1であり、さらに対応したコマンドコードとハードディスク記憶領域設定をリード・オンリーに設定するような情報を含む。
従来のATA規格では、Deviceの第0ビット、第1ビット、第2ビット及び第3ビットが保留位に属するので、これによって、この四つの位置から二つを選択してリード・ライト属性設定を行える。
ここで、ハードディスク記憶領域のハードディスク属性設定コマンドのコマンドコードをB1Hに設定した場合、入力コマンドブロックレジスタは次の表に示される。
【0020】
【表2】

【0021】
このうち、naはこのビットを注目しないことを示し、コマンドコードレジスタの値がB1Hであり、Sector Countメモリの値が操作に対応した記憶ブロックを表示し、DeviceのDEVがハードディスクのマスタースレーブ属性を表示し、Deviceの0ビットと1ビットがそれぞれリード制御とライト制御に応用される。
WRITEは、1であれば属性をライト可能と設定したことを示し、0であれば属性をライト不可と設定したことを示す。
READは、1であれば属性をリード可能と設定したことを示し、0であれば属性をリード不可と設定したことを示す。
【0022】
WRITEが1であり、かつREADが0であるとき、第n記憶ブロック(スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである)の属性をライト・オンリーに設定するように、ハードディスクを動作させる。
WRITEが1であり、かつREADが1であるとき、第n記憶ブロック(スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである)の属性をリード・ライト可能に設定するように、ハードディスクを動作させる。
WRITEが0であり、かつREADが0であるとき、第n記憶ブロック(スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである)の属性をリード・ライト不可に設定するように、ハードディスクを動作させる。
WRITEが0であり、かつREADが1であるとき、第n記憶ブロック(スタートアドレスがsLBAであり、エンドアドレスがeLBAである)の属性をリード・オンリーに設定するように、ハードディスクを動作させる。
【0023】
上述した処理によって、特定の記憶領域のリード・ライト属性設定を実現することが可能であり、もし記憶領域が設定されなかった場合に、上記記憶領域のリード・ライト属性はリード・ライト可能となる。
ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定した後、記憶領域が出力コマンドブロックレジスタに1グループのデータを返信し、出力コマンドブロックレジスタは次の表に示される。
【0024】
【表3】

【0025】
このうち、naは、このビットを注目しないことを示し、自由にライト可能である。
DEVは、ハードディスクのマスター(master)スレーブ(slave)属性を示す。
BSYは、ビジー状態を表示して、0であればコマンド実行完了を示す。
DRDYは、設備状態を表示して、1に設定されるべきである。
DFは、設備故障を表示して、0にクリアされるべきである。
DRQは、設備リクエストを表示して、0にクリアされるべきである。
48 bitのLBAをサポートできるハードディスク領域にリード・ライト属性設定を行う時に、HOB情報さえ増加すればよく、そのコマンドコードがB2Hであり、入力コマンドブロックレジスタは以下の二つの表に示される。
【0026】
【表4】

【0027】
上述の二つの表は、それぞれ48 bitのLBAをサポートしない場合と、48 bitのLBAをサポートする場合とのハードディスクの設定を示し、このうちHOB制御がハードディスクIOレジスタ−デバイス制御レジスタ(Device Control Register)によって行われる。
【0028】
【表5】

【0029】
上記表に示すように、このうち、rは、保留(Reserved)ビットであり、SRSTは、ソフトウェアのresetビットであり、nIENは、ハードディスク設備がINTRQを送信することを許可する。
出力コマンドブロックレジスタは、上述したものと同じであるので、再び説明しない。
もちろん、ハードディスク領域のリード・ライト属性を設定した後、この特定領域のリード・ライト属性を読出すことができるはずであり、上記ハードディスク属性読出しコマンドのコマンドコードはB3Hであり、入力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0030】
【表6】

【0031】
上述のハードディスク属性読出しコマンドは、第n記憶ブロックのリード・ライト属性を読出すことを示す。
ハードディスク記憶領域に対しリード・ライト属性を読出した後、記憶領域が出力コマンドブロックレジスタに1グループのデータを返信し、出力コマンドブロックレジスタは以下の表に示される。
【0032】
【表7】

【0033】
デバイスレジスタの第0ビットと第1ビットの値によれば、第n記憶ブロックのリード・ライト属性を取得することが可能であり、このうち、WRITEは、1であれば属性をライト可能と設定したことを示し、0であれば属性をライト不可と設定したことを示す。
READは、1であれば属性をリード可能と設定したことを示し、0であれば属性をリード不可と設定したことを示す。
前文ですでに言及した通り、ユーザが設定しやすくするために、ハードディスクを複数の記憶ブロックに分ける。ここで、ハードディスクブロック化コマンドをB4Hに設定すれば、入力コマンドブロックレジスタは以下の表に示される。
【0034】
【表8】

【0035】
上述のコマンドはハードディスをn+1個記憶ブロックに分けることを示す。
それに対応した出力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0036】
【表9】

【0037】
もちろん、ハードディスクを複数の記憶領域に分けた後、ユーザはハードディスクブロック化情報取得コマンドによってハードディスクのブロック化情報を取得することも可能である。
ハードディスクブロック化情報取得コマンドのコマンドコードをB5Hに設定すれば、入力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0038】
【表10】

【0039】
上述のコマンドはハードディスクのブロック化情報を取得することを示す。
それに対応した出力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0040】
【表11】

【0041】
このうち、上述Sector Countレジスタの値はハードディスクブロックの個数であり、即ちハードディスクがn+1個記憶ブロックに分けられたことを示す。
48 bitのLBAをサポートするハードディスクにとって、上述した形態を採用することも可能であり、その区別はただ48 bitのLBAをサポートするかどうかにあり、再び説明しない。
前文ですでに言及した通り、本発明の実施形態においては2種類の形態を採用してハードディスク設定を回復することが可能であり、第二種の形態において、ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを採用して実現した。ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドのコマンドコードをB6Hに設定すれば、入力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0042】
【表12】

【0043】
それに対応した出力コマンドブロックレジスタは下表に示される。
【0044】
【表13】

【0045】
本発明の実施形態によるコンピュータはハードディスクを含む。
ハードディスクは、唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信するための第一レジスタと、ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するための第一ハードディスク属性設定モジュールとを含む。
ハードディスクは、唯一のコマンドコードを備えるハードディスクブロック化コマンドを受信するための第二レジスタと、ハードディスクブロック化コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域から記憶ブロックを分けるための第二ハードディスク属性設定モジュールとをさらに含む。
ハードディスクは、唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性読出しコマンドを受信するための第三レジスタと、ハードディスク属性読出しコマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すための第三ハードディスク属性設定モジュールとをさらに含む。
ハードディスクは、唯一のコマンドコードを備えるハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを受信するための第四レジスタと、ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性をデフォルトに回復するための第四ハードディスク属性設定モジュールとをさらに含む。
【0046】
上記ハードディスク属性設定モジュールは、従来のハードディスクのコントローラによって実現されることが可能である。
このうち、第一レジスタ、第二レジスタ、第三レジスタ及び第四レジスタは同じであっても、異なってもよい。
第一ハードディスク属性設定モジュール、第二ハードディスク属性設定モジュール、第三ハードディスク属性設定モジュール及び第四ハードディスク属性設定モジュールは同じであっても、異なってもよい。
【0047】
次に、一実際形態における本発明の方法と装置の応用について説明する。
一つのハードディスクにおいてそれぞれ外部ネットワーク及び内部ネットワーク用の一つのオペレーティングシステムがインストールされ、外部ネットワークシステムに切り替える場合、内部ネットワークデータを取得して変更することが不可能であり、内部ネットワークシステムを使う場合、外部ネットワークシステムとのデータシェアリングを選択的に実現することが可能である。
従って、まず、ハードディスクデータ領域を三つの領域に分けた。
A領域、即ち保護安全領域は、属性をリード・ライト不可、かつユーザに見られないように設定する必要があり、保護対象の安全ゾーンである。いくつかのシステム設定情報、例えばハードディスクパーティションテーブル情報をセーブするのに使われる。
B領域、即ち内部ネットワーク領域は、内部ネットワークシステムに使用される。
C領域、即ち外部ネットワーク領域は、主に外部ネットワークシステムに使用される。
システムを電源に接続して起動した後、ハードディスクブロック化コマンドによってハードディスクデータ領域をそれぞれ、A領域、B領域、C領域の三つの部分に分ける。
コマンドコードがB1Hであるハードディスク属性設定コマンドを送信し、A領域をリード・ライト不可に設定する。
【0048】
ユーザが内部ネットワークシステムまたは外部ネットワークシステムを起用したかを判断する。
ユーザが内部ネットワークシステムを起用することを選択した場合、ハードディスクパーティションフォーム情報を変更し、さらにコマンドコードがB1Hであるハードディスク属性設定コマンドを送信するにより、B領域をリード・ライト可能に設定し、もちろん同時にC領域を設定することも可能である、
ユーザが外部ネットワークシステムを起用することを選択した場合、ハードディスクパーティションフォーム情報を変更し、さらにコマンドコードがB1Hであるハードディスク属性設定コマンドを送信することにより、B領域をリード・ライト不可に設定する。
上述した形態により、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を確実に設定し、ハードディスク記憶データを保護することが可能である。
【0049】
以上、本発明の実施形態のみについて説明したが、当業者にとって、本発明の原理を逸脱しない範囲内で上述した実施形態に種々の変更及び修正を加えることが可能であり、それらを本発明の権利保護範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ハードディスクの大まかな構造を示す模式図である。
【図2】本発明実施形態に係るハードディスク保護装置によるデータ保護方法のフローチャートを示す図である。
【図3】ハードディスク記憶領域が記憶ブロックに分けられたことを示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
唯一のコマンドコードを備え、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するためのハードディスク属性設定コマンドを生成するための第一生成モジュールと、
上記ハードディスク属性設定コマンドを送信するための送信モジュールと
を含むことを特徴とするハードディスク保護装置。
【請求項2】
上記ハードディスク属性設定コマンドの中には、少なくとも
唯一のコマンドコードと、
設定すべきであるハードディスク記憶領域の情報と、
リード・ライト属性設定情報と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスク保護装置。
【請求項3】
上記リード・ライト属性設定情報は、
上記ハードディスク記憶領域がリード・オンリーに設定される場合と、
上記ハードディスク記憶領域がライト・オンリーに設定される場合と、
上記ハードディスク記憶領域がリード・ライト不可に設定される場合と、
上記ハードディスク記憶領域がリード・ライト可能に設定される場合と
をそれぞれ示す4タイプの情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のハードディスク保護装置。
【請求項4】
唯一のコマンドコードを備え、上記ハードディスク記憶領域を少なくとも二つの記憶ブロックに分けるためのハードディスクブロック化コマンドを生成するための第二生成モジュールと、
上記ハードディスクブロック化コマンドを送信するための第二送信モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスク保護装置。
【請求項5】
唯一のコマンドコードを備え、上記ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すためのハードディスク属性読出しコマンドを生成するための第三生成モジュールと、
上記ハードディスク属性読出しコマンドを送信するための第三送信モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスク保護装置。
【請求項6】
唯一のコマンドコードを備え、上記リード・ライト属性をデフォルト状態に回復するためのハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを生成するための第四生成モジュールと、
上記ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを送信するための第四送信モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のハードディスク保護装置。
【請求項7】
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信して記憶するための第一レジスタと、
上記ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するための第一ハードディスク属性設定モジュールと
を含むことを特徴とするハードディスク。
【請求項8】
上記ハードディスク属性設定コマンドの中には、少なくとも
唯一のコマンドコードと、
設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報と、
リード・ライト属性設定情報と
を含み、
上記第一ハードディスク属性設定モジュールは、上記唯一のコマンドコード及びリード・ライト属性設定情報により、ハードディスク記憶領域の情報に対応するハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定することを特徴とする請求項7に記載のハードディスク。
【請求項9】
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクブロック化コマンドを受信するための第二レジスタと、
上記ハードディスクブロック化コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域を少なくとも二つの記憶ブロックに分けるための第二ハードディスク属性設定モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のハードディスク。
【請求項10】
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性読出しコマンドを受信するための第三レジスタと、
上記ハードディスク属性読出しコマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すための第三ハードディスク属性設定モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のハードディスク。
【請求項11】
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを受信するための第四レジスタと、
上記ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記リード・ライト属性をデフォルト状態に回復するための第四ハードディスク属性設定モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のハードディスク。
【請求項12】
ハードディスクを含むデータシステム用のハードディスクデータ保護方法であって、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信するステップと、
ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスクにおけるハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するステップと
を含むことを特徴とするハードディスクデータ保護方法。
【請求項13】
上記ハードディスク属性設定コマンドの中には、少なくとも
唯一のコマンドコードと、
設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報と、
リード・ライト属性設定情報と
を含むことを特徴とする請求項12に記載のハードディスクデータ保護方法。
【請求項14】
ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスクにおけるハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定する前に、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクブロック化コマンドを受信するステップと、
上記ハードディスクブロック化コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域を少なくとも二つの記憶ブロックに分けるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のハードディスクデータ保護方法。
【請求項15】
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性読出しコマンドを受信するステップと、
ハードディスク属性読出しコマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のハードディスクデータ保護方法。
【請求項16】
上記ハードディスク属性読出しコマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出した後、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを受信するステップと、
上記ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記リード・ライト属性をデフォルト状態に回復するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のハードディスクデータ保護方法。
【請求項17】
プロセッサと、
上記プロセッサに接続するディスプレイと、
上記プロセッサに接続し、データを記憶するためのハードディスクと
を含むコンピュータにおいて、
上記ハードディスクは、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性設定コマンドを受信して記憶するための第一レジスタと、
上記ハードディスク属性設定コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定するための第一ハードディスク属性設定モジュールと
を含むことを特徴とするコンピュータ。
【請求項18】
上記ハードディスク属性設定コマンドの中には、少なくとも
唯一のコマンドコードと、
設定するべきであるハードディスク記憶領域の情報と、
リード・ライト属性設定情報と
を含み、
上記第一ハードディスク属性設定モジュールは、上記唯一のコマンドコード及びリード・ライト属性設定情報により、ハードディスク記憶領域の情報に応じたハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を設定することを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ。
【請求項19】
上記ハードディスクは、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクブロック化コマンドを受信するための第二レジスタと、
上記ハードディスクブロック化コマンドにおける唯一のコマンドコ一ドにより、上記ハードディスク記憶領域を少なくとも二つの記憶ブロックに分けるための第二ハードディスク属性設定モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ。
【請求項20】
上記ハードディスクは、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスク属性読出しコマンドを受信するための第三レジスタと、
上記ハードディスク属性読出しコマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記ハードディスク記憶領域のリード・ライト属性を読出すための第三ハードディスク属性設定モジュールと
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ。
【請求項21】
上記ハードディスクは、
唯一のコマンドコードを備えるハードディスクリード・ライト属性回復コマンドを受信するための第四レジスタと、
上記ハードディスクリード・ライト属性回復コマンドにおける唯一のコマンドコードにより、上記リード・ライト属性をデフォルト状態に回復するための第四ハードディスク属性設定モジュールと
を含むことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−129453(P2009−129453A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294801(P2008−294801)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(504425196)聯想(北京)有限公司 (38)
【氏名又は名称原語表記】LENOVO(BEIJING) LIMITED
【Fターム(参考)】