説明

ハードハンドオフ中に最低限のQoS(サービス品質)通信セッションを維持すること

【解決手段】 本開示は、WCD(無線通信デバイス)についてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中に、データに基づく通信網を介してWCDを相手に最低限のQoS(サービス品質)通信セッションを維持するための技術に関する。より具体的には、これらの通信技術は、最低限のQoS通信セッション中のWCDと第1のアクセス網との間の閉じられた接続が第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフに起因するかどうかを判定する。ハードハンドオフの場合、これらの技術は、所定の期間にわたって、最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持して、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立されることを可能にする。本明細書で説明される技術は、EVDO(Evolution-Data Optimized)通信網を介してVoIP(voice over Internet Protocol)呼を実行している場合、特に役立ち得る。

【発明の詳細な説明】
【米国特許法119条の下における優先権の主張】
【0001】
本特許出願は、本特許出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれている、2007年6月28に出願された「Maintaining Minimum Quality Of Service(QoS)Communication Sessions During Hard Handoffs」という名称の米国仮出願第60/946,955号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、無線通信デバイスと通信セッションを維持することに関する。
【背景技術】
【0003】
EVDO(Evolution-Data Optimized)は、CDMA(符号分割多元接続)網インフラストラクチャの上で動作するcdma2000シングルキャリア無線伝送技術(1xRTT、または単に1x)規格から直接に進化したワイヤレス無線ブロードバンドデータ規格である。EVDOは、IP(インターネットプロトコル)ベースのネットワークと、パケットベースのネットワークを介する迅速なセットアップと短い待ち時間の伝送に依拠するアプリケーションをサポートするQoS(サービス品質)機構とを備える。EVDO規格の最近の改訂版であるEVDO Revision Aは、より高いデータ転送速度、およびより高いシステム容量を提供し、さらに待ち時間を大幅に短縮し、遅延に影響されやすいアプリケーションのパフォーマンスを向上させる、さらなるQoSサポートを提供する。EVDO RevAは、VoIP(voice over Internet Protocol)呼や、QoS指定を有するデータアップロードおよびデータダウンロードなどの、最低限のQoS通信セッションをサポートするのに特に役立ち得る。
【0004】
EVDO RevAを介するVoIP呼は、アクセス端末装置(すなわち、無線通信デバイス)とアクセス網との間で確立されたトラヒックチャネルにおいて、その呼が、少なくとも、1x規格を介する回線交換音声呼と同程度に良好な音質であるという或る最低限のQoS保証を要求する。QoS保証は、VoIP呼内の各データフローが経験してもよいパケットロス、遅延、およびジッタの量についての限度を含み得る。例えば、VoIP呼は、シグナリングデータフローと、それぞれのRLP(無線リンクプロトコル)フローに関連するメディアデータフローとを含み得る。
【0005】
或る具体的な時間または場所において、アクセス網が、或るアクセス端末装置を相手にしたVoIP呼に関して最低限のQoSを保証するのに十分なだけの資源を有さない場合、そのアクセス端末装置上の通信アプリケーションは、プロトコルスタックソフトウェアから、QoSが一時停止されるという通知を得る可能性がある。すると、通信アプリケーションは、VoIP呼をドロップし得、さらに1x規格を介する回線交換音声呼を代わりに試み得る。アクセス網上の資源に加えて、VoIP呼についてのQoSは、アクセス端末装置とアクセス網との間の接続の状態にも依存する。無線層における接続がダウンしている場合、通信アプリケーションは、QoSが一時停止されるという同一の通知を得て、VoIP呼をドロップする。このことの理由は、無線層において接続さえされていないアクセス端末装置が、アクセス網の無線資源を不必要に占有すべきではないということである。
【0006】
VoIP呼中の第1のアクセス網と第2のアクセス網との間におけるアクセス端末装置のハードハンドオフは、通信セッションが、第1のアクセス網から第2のアクセス網に移される間に、無線層における接続が、瞬間的にダウンすることをもたらし得る。したがって、通信アプリケーションは、VoIP呼についてのQoSが一時停止されるという通知を受信し、VoIP呼をドロップする。しかし、無線層における接続は、通常、一時的にだけダウンし、ハードハンドオフが成功した場合、接続は、短い時間内に第2のアクセス網を相手に再び機能し得る。
【発明の概要】
【0007】
概して、本開示は、WCD(無線通信デバイス)についてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中に、データに基づく通信網を介してWCDを相手に最低限のQoS(サービス品質)通信セッションを維持するための技術に関する。より具体的には、これらの通信技術は、最低限QoS通信セッション中にWCDと第1のアクセス網との間の通信を中断する閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフに起因するかどうかを判定することが可能である。ハードハンドオフの場合、これらの技術は、所定の期間にわたって、最低限QoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持することができる。このことは、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立されることを可能にし得る。
【0008】
本技術は、以下の3つの状況を区別でき得る。すなわち、成功したハードハンドオフにおける閉じられた接続、失敗したハードハンドオフにおける閉じられた接続、および他の何らかの理由による閉じられた接続である。これらの状況のいずれが生じているかに応じて、本技術は、最低限QoS通信セッションを維持すること、またはドロップすることの適切な決定を行うことができ得る。例えば、ハードハンドオフは、所定の期間が満了する前に、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立された場合、成功である。この場合、これらの技術は、元の接続が閉じた後、新たな接続が確立されるまでの時間中、最低限QoS通信セッションを維持でき得、さらに、その結果、ハードハンドオフ中にVoIP呼を不必要にドロップすることを回避し得る。データフローのいくつかのフレームが、失われる可能性があるが、最低限QoS通信セッションは、立ち上げられたままとなり、ユーザは、呼ドロップを経験しない。ハードハンドオフは、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立され得る前に所定の期間が満了した場合、失敗する。その場合、WCDは、最低限QoS通信セッションをドロップし得る。さらに、閉じられた接続が、ハードハンドオフによらない場合、WCDは、最低限のQoSデータ通信セッションをドロップし得る。
【0009】
本明細書で説明される技術は、EVDO(Evolution-Data Optimized)通信網を介して、さらに好ましくは、EVDO RevA通信網を介してVoIP(voice over Internet Protocol)呼を実行している場合、特に役立ち得る。その場合、WCDは、EVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、さらに第1のアクセス網、および第2のアクセス網は、EVDOアクセス網を備える。WCDは、EVDO電話機、IP(インターネットプロトコル)電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)、または無線データ通信能力を組み込んだ他の任意のデバイスなどの、あらゆるデータ対応型無線デバイスを備えることが可能である。
【0010】
一態様では、本開示は、無線通信デバイスに関して、データに基づく通信網を介して最低限QoS通信セッションに参加し、この最低限QoS通信セッション中に無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、接続クローズメッセージを受信することを備える方法に向けられている。この方法は、閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間の無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定し、さらに、閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、そのハードハンドオフ中に最低限QoS通信セッションを維持することをさらに備える。
【0011】
別の態様では、本開示は、データに基づく通信網を介して最低限QoS通信セッションに参加する通信アプリケーションを実行するように構成されたプロセッサを備える無線通信デバイスに向けられている。このプロセッサは、最低限QoS通信セッション中に無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、接続クローズメッセージを受信し、さらに、閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフに起因するかどうかを判定する接続モジュールを実行するようにさらに構成されている。このプロセッサは、閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると接続モジュールが判定すると、そのハードハンドオフ中に最低限QoS通信セッションを維持するQoSエンジンを実行するようにさらに構成される。
【0012】
別の態様では、本開示は、命令を含んだコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品に向けられている。これらの命令は、コンピュータに、無線通信デバイスに関して、データに基づく通信網を介して最低限QoS通信セッションに参加させ、さらに、この最低限QoS通信セッション中の無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、接続クローズメッセージを受信させる。また、これらの命令は、コンピュータに、閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間における無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定させ、さらに、閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定されると、そのハードハンドオフ中に最低限QoS通信セッションを維持させる。
【0013】
さらなる態様では、本開示は、データに基づく通信網を介して最低限QoS通信セッションに参加するための手段と、この最低限QoS通信セッション中に無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、接続クローズメッセージを受信するための手段とを備える無線通信デバイスに向けられている。また、無線通信デバイスは、閉じられた接続が第1のアクセス網と第2のアクセス網との間の無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定するための手段と、判定するための手段が閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、そのハードハンドオフ中に最低限QoS通信セッションを維持するための手段とを備える。
【0014】
本開示で説明される技術は、ハードウェアで、ソフトウェアで、ファームウェアで、または以上の任意の組み合わせで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、このソフトウェアは、コンピュータにおいて実行され得る。このソフトウェアは、命令、プログラムコードなどとして最初から格納されることが可能である。したがって、本開示は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品も企図し、このコンピュータ可読媒体は、本開示による技術および機能をコンピュータに実行させるための命令を備える。代替として、ハードウェアで実装される場合、そのようなハードウェアの実装は、ディジタル、アナログ、またはディジタルとアナログの両方であり得る。本開示の態様は、コンピュータ可読媒体、またはコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品として実体化され得る。このコンピュータプログラム製品は、パッケージング材料(packaging materials)を含み得る。
【0015】
様々な実施例のさらなる詳細が、添付の図面、および後段の説明に示される。その他の特徴、目的、利点、および例は、この説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】WCD(無線通信デバイス)についてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中に、WCDを相手に最低限のQoS(サービス品質)通信セッションを維持することができる例示的な無線通信システムを示すブロック図。
【図2】EVDO(Evolution-Data Optimized)RevA通信網内のアクセス端末装置を示すブロック図。
【図3】図2からのアクセス端末装置内に含まれるQoSエンジンをより詳細に示すブロック図。
【図4A】アクセス端末装置についてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中のアクセス端末装置の例示的な動作を示す流れ図。
【図4B】アクセス端末装置についてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中のアクセス端末装置の例示的な動作を示す流れ図。
【図5】アクセス端末装置内で受け取られたトリガに応答した、異なるQoS状態同士の間の移動を示す状態図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、アクセス網16Aとアクセス網16Bとの間におけるWCD(無線通信デバイス)12のハードハンドオフ中に、WCD12を相手に最低限QoS通信セッション(最低限のQoS通信セッション)をサポートすることができる例示的な無線通信システム10を示すブロック図である。図1に示されるとおり、無線通信システム10は、WCD12と、1つまたは複数のアクセス網16A、16Bとを含み得る。他の態様では、無線通信システム10は、複数のWCDと、複数のアクセス網とを含み得る。第1のアクセス網16Aは、トラヒックチャネル14Aを介してWCD12にデータ信号を送信するとともに、WCD12からデータ信号を受信する第1の基地局18Aを含み得る。同様に、第2のアクセス網16Bは、トラヒックチャネル14Bを介してWCD12にデータ信号を送信するとともに、WCD12からデータ信号を受信する第2の基地局18Bを含み得る。他の態様では、アクセス網16A、16Bのそれぞれは、複数の基地局を含むことが可能である。
【0018】
WCD12は、それぞれのアクセス網16A、16Bに含まれる基地局18A、18Bの1つまたは複数と通信し得る。WCD12が或る地域を通って移動するにつれ、WCD12は、第1のアクセス網16Aに含まれる第1の基地局18Aとの通信を終了させ、第2のアクセス網16Bに含まれる第2の基地局18Bとの通信を開始し得る。例えば、WCD12は、一連のソフトハンドオフおよびハードハンドオフを使用して、基地局18A、18Bに関連する信号強度または誤り率に基づいて、第1の基地局18Aとの通信を終了させ、第2の基地局18Bとの通信を開始し得る。最低限QoS通信セッション中における第1のアクセス網16Aと第2のアクセス網16Bとの間のWCD12のハードハンドオフは、通信セッションが、新たに確立されたトラヒックチャネル14B上で第1のアクセス網16Aから第2のアクセス網16Bに移されている間に、トラヒックチャネル14Aが瞬間的にダウンすることを引き起こし得る。
【0019】
無線通信システム10は、CDMA(符号分割多元接続)、CDMA2000、W−CDMA(広帯域CDMA)、EVDO(Evolution-Data Optimized)などの1つまたは複数のワイヤレス無線アクセス技術をサポートするように設計され得る。EVDOは、CDMA網インフラストラクチャの上で動作するcdma2000シングルキャリア無線伝送技術(1xRTT、または単に1x)規格から直接に進化したワイヤレス無線ブロードバンドデータ規格である。EVDOは、IP(インターネットプロトコル)ベースのネットワークと、パケットベースのネットワークを介する迅速なセットアップと短い待ち時間の伝送に依拠するアプリケーションをサポートするQoS機構とを備える。EVDO規格の最近の改訂版であるEVDO Revision Aは、より高いデータ転送速度、およびより高いシステム容量を提供し、さらに待ち時間を大幅に短縮し、遅延に影響されやすいアプリケーションのパフォーマンスを向上させる、さらなるQoSサポートを提供する。EVDO RevAは、VoIP(voice over Internet Protocol)呼や、QoS指定を有するデータアップロードおよびデータダウンロードなどの、データに基づく最低限QoS通信セッションをサポートするのに特に役立ち得る。
【0020】
一部の態様では、無線通信システム10は、WCD12が、データに基づく通信網を介して、データに基づく最低限QoS通信セッションを実行することができるように、データに基づく通信網をサポートする。例えば、無線通信システム10は、EVDO通信網をサポートし得、さらに、より好ましくは、EVDO RevA通信網をサポートし得る。その場合、アクセス網16Aおよび16Bは、EVDOアクセス網を備え得、さらにWCD12は、EVDO通信網において動作するアクセス端末装置を備え得る。例えば、WCD12は、EVDO電話機、IP電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)、または無線データ通信能力を組み込んだ他の任意のデバイスなどの、任意のデータ対応型無線デバイスを備え得る。
【0021】
データに基づく通信網を介して実行される最低限QoS通信セッションは、WCD12と第1のアクセス網16Aとの間で確立されたトラヒックチャネル14Aにおける或る最低限のQoS保証を要求する。QoS保証は、最低限QoS通信セッション内の各データフローが経験してもよいパケットロス、遅延、およびジッタの量についての限度を含み得る。例えば、VoIP呼は、シグナリングデータフローとメディアデータフローとを含み得る。別の例として、テレビ電話セッションは、シグナリングデータフロー、ビデオデータフロー、およびオーディオフローを含み得る。或る特定の時間または場所において、第1のアクセス網16Aが、WCD12を相手にした最低限QoS通信セッション内のデータフローのそれぞれに関して最低限のQoSを保証するのに十分なだけの資源を有さない場合、WCD12上の通信アプリケーションは、WCD12から、QoSが一時停止されるという通知を受け取り得る。すると、WCD12上の通信アプリケーションは、最低限QoS通信セッションをドロップし得る。
【0022】
第1のアクセス網16A上の資源に依存することに加えて、最低限QoS通信セッションについてのQoSは、WCD12と第1のアクセス網16Aとの間における接続(すなわち、トラヒックチャネル14A)の状態にも依存し得る。トラヒックチャネル14Aがダウンすると、WCD12は、第1のアクセス網16Aに対して閉じられた接続を経験し、したがって、WCD12は、第1のアクセス網16Aを介する通信セッションに参加することができない。トラヒックチャネル14Aは、第1のアクセス網16Aと第2のアクセス網16Bとの間におけるWCD12のハードハンドオフ中に一時的にダウンし得、あるいはトラヒックチャネル14Aは、別の何らかの理由で、より長い期間にわたって、または永久にダウンし得る。
【0023】
本明細書で説明される技術によれば、トラヒックチャネル14Aがダウンした場合、WCD12は、トラヒックチャネル14Aの閉じられた接続が第1のアクセス網16Aと第2のアクセス網16Bとの間のハードハンドオフに起因する場合、最低限QoS通信セッションを維持する。より具体的には、WCD12は、最低限QoS通信セッション中のWCD12と第1のアクセス網16Aとの間の閉じられた接続が、第1のアクセス網16Aと第2のアクセス網16Bとの間のハードハンドオフに起因するかどうかを判定する。ハードハンドオフの場合、WCD12は、所定の期間にわたって、最低限QoS通信セッションの中に含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持して、WCD12と第2のアクセス網16Bとの間で新たな接続(すなわち、トラヒックチャネル14B)が確立されることを可能にする。開かれたQoS予約は、最低限QoS通信セッションのために現在、使用中である予約を備える。
【0024】
本明細書で説明される技術は、WCD12が、以下の3つの状況を区別することを可能にする。すなわち、成功したハードハンドオフにおける閉じられた接続、失敗したハードハンドオフにおける閉じられた接続、および他の何らかの理由による閉じられた接続である。これらの状況のいずれが生じているかに応じて、これらの技術は、WCD12が、最低限QoS通信セッションを維持すること、またはドロップすることの適切な決定を行うことを可能にする。例えば、ハードハンドオフは、所定の期間が満了する前に、WCD12と第2のアクセス網16Bとの間で新たな接続が確立された場合、成功である。この場合、本技術は、WCD12が、元の接続が閉じた後、新たな接続が確立されるまでの時間中、最低限QoS通信セッションを維持することを可能にする。データフローのいくつかのフレームが失われる可能性があるが、最低限QoS通信セッションは立ち上げられたままとなり、ユーザは呼ドロップを経験しない。ハードハンドオフは、WCD12と第2のアクセス網16Bとの間で新たな接続が確立され得る前に所定の期間が満了した場合、失敗する。その場合、WCD12は、最低限QoS通信セッションをドロップする。さらに、閉じられた接続が、ハードハンドオフによらない場合、WCD12は、最低限QoS通信セッションをドロップする。
【0025】
本開示の残りの部分は、例示的なEVDO通信網を介するVoIP呼と関連して説明される。しかし、本開示は、この例によって全く限定されるべきではない。本明細書で説明される技術は、無線通信デバイスを相手に最低限QoS通信セッションをサポートすることができる他のデータに基づく通信網において同様に利用され得る。
【0026】
図2は、EVDO RevA通信網を介して動作するアクセス端末装置20を示すブロック図である。アクセス端末装置20は、図1からのWCD12と実質的に同様な無線通信デバイスを備え得る。例えば、アクセス端末装置20は、EVDO電話機、IP電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、または無線接続およびソフトフォンを有するPDAを備え得る。図2に示されているとおり、アクセス端末装置20は、データサービスプロトコルスタック26および音声サービスプロトコルスタック38と対話することができるVoIPアプリケーション22を含み得る。VoIPアプリケーション22は、データサービスプロトコルスタック26によって確立されたEVDO RevAを介するVoIP呼、または音声サービスプロトコルスタック38によって確立された1xを介する回線交換音声呼を実行し得る。
【0027】
データサービスプロトコルスタック26は、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)27と、データトランスポート層28と、EVDO無線インターフェース層32とを含む。EVDO無線インターフェース層32は、RLP(無線リンクプロトコル)33と、QoSエンジン34と、接続モジュール36とを含む。EVDO無線インターフェース層32は、アクセス端末装置20と、EVDOアクセス網に含まれる基地局との間で無線ベースの通信リンク、例えば、トラヒックチャネルを確立する。また、EVDO無線インターフェース層32は、アクセス端末装置20によって送受信されるデータ信号を管理する。データトランスポート層28は、IP29の上でUDP(ユーザデータグラムプロトコル)30を使用して、アクセス網を介するアクセス端末装置20から別の通信デバイスへのVoIP呼の転送を円滑にする。他の態様では、データトランスポート層28は、IP29の上でTCP(伝送制御プロトコル)を代替として使用して、アクセス端末装置20から別の通信デバイスへのデータ信号の転送を円滑にし得る。データサービスプロトコルスタック26内のAPI27を使用して、データトランスポート層28およびEVDO無線インターフェース層32によって実施されるプロトコルスタックソフトウェアが制御される。この例では、音声サービスプロトコルスタック38は、アクセス端末装置20と、アクセス網に含まれる基地局との間で無線ベースの通信リンク、例えば、トラヒックチャネルを確立する1xRTT無線インターフェース層39を含む。また、1xRTT無線インターフェース層39は、アクセス端末装置20によって送受信される音声信号を支配する。
【0028】
VoIPアプリケーション22、データサービスプロトコルスタック26内に含まれる構成要素、および音声サービスプロトコルスタック38内に含まれる構成要素は、ハードウェアで、ソフトウェアで、ファームウェアで、または以上の任意の組み合わせで実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、これらの構成要素は、コンピュータによって、例えば、1つまたは複数のDSP(ディジタル信号プロセッサ)、汎用マイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブル論理アレー)、または他の均等の集積された論理回路もしくはディスクリート型論理回路などの、1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。このソフトウェアは、命令、プログラムコードなどとして最初、格納され得る。したがって、本開示は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品も企図し、このコンピュータ可読媒体は、本開示による技術および機能をコンピュータに実行させるための命令を備える。
【0029】
より具体的には、アクセス端末装置20は、VoIPアプリケーション22を実行する1つまたは複数のプロセッサと、データサービスプロトコルスタック26内に含まれる構成要素と、音声サービスプロトコルスタック38内に含まれる構成要素とを含み得る。一態様では、アクセス端末装置20は、VoIPアプリケーション22を実行するように構成された1つのプロセッサと、データサービスプロトコルスタック26内に含まれる構成要素と、音声サービスプロトコルスタック38内に含まれる構成要素とを含み得る。別の態様では、アクセス端末装置20は、VoIPアプリケーション22、API27、およびデータトランスポート層28を実行するように構成された第1のプロセッサと、QoSエンジン34および接続モジュール36を含むEVDO無線インターフェース層32を実行するように構成された第2のプロセッサとを含み得る。第1のプロセッサ、第2のプロセッサ、または第3のプロセッサは、1xRTT無線インターフェース層39を含む音声サービスプロトコルスタック38を実行するように構成され得る。さらなる態様では、アクセス端末装置20は、VoIPアプリケーション22を実行するように構成された第1のプロセッサと、API27およびデータトランスポート層28を実行するように構成された第2のプロセッサと、QoSエンジン34および接続モジュール36を含むEVDO無線インターフェース層を実行するように構成された第3のプロセッサとを含み得る。第2のプロセッサ、第3のプロセッサ、または第4のプロセッサのいずれかは、1xRTT無線インターフェース層39を含む音声サービスプロトコルスタック38を実行するように構成され得る。
【0030】
データサービスプロトコルスタック26によって確立されたEVDO RevAを介するVoIP呼は、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間のトラヒックチャネルにおいて或る最低限のQoS保証を要求する。QoS保証は、VoIP呼内の各データフローが経験してもよいパケットロス、遅延、およびジッタの量についての限度を含み得る。VoIP呼は、通常、シグナリングデータフローと、RLP33によって送受信されるそれぞれのRLPフローに関連するメディアデータフローとを含む。或る特定の時間または場所において、第1のアクセス網が、アクセス端末装置20を相手にしたVoIP呼に関して最低限のQoSを保証するのに十分なだけの資源を有さない場合、QoSエンジン34が、第1のアクセス網から、そのVoIP呼についての要求されるQoSを第1のアクセス網がサポートすることができないという通知を受け取る。次に、VoIPアプリケーション22が、API27を介してQoSエンジン34から、QoSが一時停止されるという通知を受け取る。次に、VoIPアプリケーション22は、EVDO RevAを介するVoIP呼の代わりに、音声サービスプロトコルスタック38によって確立された1xを介する回線交換音声呼を試み得る。
【0031】
VoIP呼についてのQoSは、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の接続(例えば、トラヒックチャネル)の状態にも依存する。EVDO RevAを介するVoIP呼中、接続モジュール36は、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、第1のアクセス網から接続クローズメッセージを受信する。場合によっては、閉じられた接続は、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフのために生じ得、その場合、新たな接続は、アクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で間もなく確立されるものと予期される。他の場合では、閉じられた接続は、新たな接続が確立されることが予期されない、他の理由に起因し得る。しかし、ハードハンドオフが進行中である場合、第1のアクセス網からの接続クローズメッセージは、第2のアクセス網からのTCA(トラヒックチャネル割当て)メッセージと束ねられる。つまり、第1のアクセス網から送信された接続クローズメッセージは、アクセス端末装置20との新たなトラヒックチャネルを設定する第2のアクセス網から送信されるTCAメッセージと同一のメッセージの中に含められる。したがって、QoSエンジン34は、接続クローズメッセージが、TCAメッセージと束ねられているかどうかに基づいて、閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間におけるアクセス端末装置20のハードハンドオフに起因するかどうかを判定し得る。
【0032】
QoSエンジン34が、VoIP呼中にアクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続が第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフに起因すると判定すると、QoSエンジン34は、RLP33から受け取られた属性に従って、そのVoIP呼の中に含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持する。開かれたQoS予約は、そのVoIP呼のために現在、使用中である予約を備える。そのVoIP呼についての閉じられたQoS予約は、閉じられたままとなる。
【0033】
EVDO RevA規格は、QoS状態が接続状態と結び付けられているどうかを決定する、VoIP呼内の各データフローについての、ReservationKKIdleと呼ばれるRLP属性を含んでいる。シグナリングデータがトランスポートされるデータフローについて、ReservationKKIdleの値は、シグナリングデータフローに関連するQoS予約が、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の接続の状態にかかわらず、開かれたままとなるように、0に設定される。しかし、メディアデータがトランスポートされるデータフローについて、ReservationKKIdleの値は、従来のアクセス端末装置において、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の接続がダウンした場合、メディアデータフローに関連するQoS予約が自動的に閉じられるように、非0に設定される。
【0034】
本開示によれば、VoIP呼の中に含まれる所与のデータフローについてのReservationKKIdle属性が0でない値を有する場合に、QoS予約を自動的に閉じる代わりに、ハードハンドオフが行われる際に、QoSエンジン34は、所定の期間にわたって非0のReservationKKIdle属性を有するメディアデータフローについての開かれたQoS予約を維持して、新たな接続が確立されることを可能にする。VoIP呼についての開かれたQoS予約を維持する動作は、後段で図3において、より詳細に説明される。QoSエンジン34は、VoIPフローの中に含まれるメディアデータフローのすべてについてのQoS予約が維持されるまで、QoS予約を解析することを続ける。このようにして、QoSエンジン34は、ハードハンドオフ中にQoS予約を開かれたままにし、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続についての通知をVoIPアプリケーション22に全く送らない。したがって、VoIPアプリケーション22は、ハードハンドオフ中にVoIP呼をドロップせず、1x規格を介する回線交換音声呼を代わりに試みる必要がない。
【0035】
閉じられた接続が、ハードハンドオフによらない場合、QoSエンジン34は、VoIP呼の中に含まれるメディアデータフロー(すなわち、0でない値を有するReservationKKIdle属性)に関連する開かれたQoS予約を閉じる。次に、QoSエンジン34は、メディアデータフローのそれぞれについてのQoSが一時停止されることをVoIPアプリケーション22に通知する。QoSエンジン34は、VoIPフローの中に含まれるメディアデータフローのすべてについてのQoSが一時停止されるまで、QoS予約を解析することを続ける。次に、VoIPアプリケーション22は、そのVoIP呼をドロップし得る。前述したとおり、VoIP呼は、通常、1つのメディアデータフローだけしか有さず、したがって、VoIPアプリケーション22は、QoSエンジン34からの通知に応答して、そのVoIP呼を即時にドロップし得る。
【0036】
代替の例として、テレビ電話セッションは、通常、2つのメディアフロー、ビデオデータフローおよびオーディオフローを有する。ある事例では、通信アプリケーションは、ビデオデータフローとオーディオフローの両方についてのQoSが一時停止されるという通知を受け取るまで、テレビ電話セッションをドロップしないことが可能である。別の事例では、通信アプリケーションは、ビデオデータフローまたはオーディオフローについてのQoSが一時停止されるという通知を受け取った後、テレビ電話セッションをドロップし得る。メディアフローのいずれか、または両方が失われた後、テレビ電話セッションがドロップされるかどうかは、ユーザ設定に依存し得る。一部のユーザは、ビデオまたはオーディオが失われた場合、テレビ電話セッションが停止することを所望するかもしれず、他のユーザは、他方のメディアフローが失われた場合でさえ、テレビ電話セッションが、単にオーディオ呼として、または単にビデオとして続くことを所望するかもしれない。
【0037】
図3は、図2のアクセス端末装置20内に含まれるQoSエンジン34をより詳細に示すブロック図である。QoSエンジン34は、VoIP呼に含まれる各データフローについての属性をRLP33から受け取る。例えば、QoSエンジン34は、VoIP呼内のデータフローのそれぞれについてのReservationKKIdle属性を受け取り得る。前述したとおり、VoIP呼は、RLP33によって受信または送信されるそれぞれのRLPフローに関連するシグナリングデータフローおよびメディアデータフローを含む。図3に示されているとおり、QoSエンジン34は、QoS予約コントローラ40、予約リスト42、ハンドオフ予約リスト44、およびハンドオフ接続タイマ46を含む。
【0038】
QoSエンジン34が、VoIP呼につていの閉じられた接続が、図2を参照して説明されたようにハードハンドオフに起因すると判定すると、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46を開始する。ハンドオフ接続タイマ46は、EVDO RevA通信網において第1のアクセス網と第2のアクセス網との間でハードハンドオフを実行するのに必要な通常の時間などの、所定の時間にわたって動作するように設定され得る。
【0039】
ハンドオフ接続タイマ46を開始した後、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42から、VoIP呼の中に含まれるデータフローに関連するQoS予約を取り出す。予約リスト42は、アクセス端末装置20を相手にするVoIP呼の中に含まれるデータフローに関連するQoS予約のリストを格納するように、QoSエンジン34によって保持され得る。所与のデータフローについてのQoS予約を取り出すと、QoS予約コントローラ40は、QoS予約が開かれているかどうかを判定し、開かれている場合、データフローに関連するReservationKKIdle属性が、0でない値を有する(すなわち、データフローが、メディアデータフローを備える)かどうかを判定する。次に、QoS予約コントローラ40は、VoIP呼の中に含まれるメディアデータフローについての予約リスト42内の開かれたQoS予約を維持する。また、QoS予約コントローラ40は、メディアデータフローについてのQoS予約をハンドオフ予約リスト44に追加する。また、ハンドオフ予約リスト44は、ハードハンドオフ中にVoIP呼の中に含まれるメディアデータフローに関連する開かれたQoS予約のリストを一時的に格納するように、QoSエンジン34によって保持されてもよい。次に、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42に戻り、予約リスト42内の残りのQoS予約を取り出し、解析することを続ける。
【0040】
QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46と関連して、アクセス端末装置20と第2のアクセス網との間の新たな接続の確立を同時に監視する。ハンドオフ接続タイマ46が依然として動作している間に、この新たな接続が確立されると、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46を停止させる。次に、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44からすべてのQoS予約を、これらのQoS予約がアクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で接続が確立されることをもはや待っていないので、除去する。このようにして、QoSエンジン34は、ハードハンドオフ中に予約リスト42内のQoS予約を開かれたままにし、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続についての通知をVoIPアプリケーション22に全く送らない。したがって、VoIPアプリケーション22は、ハードハンドオフ中にVoIP呼をドロップしない。
【0041】
新たな接続が確立され得る前にハンドオフ接続タイマ46が満了すると、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44から、VoIP呼の中に含まれる所与のメディアデータフローに関連するQoS予約を取り出す。QoS予約コントローラ40は、メディアデータフローについての予約リスト42内の開かれたQoS予約を閉じ、ハンドオフ予約リスト44から開かれたQoS予約を除去し、そのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されることをVoIPアプリケーション22に通知する。次に、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44に戻り、ハンドオフ予約リスト44から残りのQoS予約を取り出し、予約リスト42内でこれらのQoS予約を閉じ、ハンドオフ予約リスト44からQoS予約を除去することを、ハンドオフ予約リスト44が空になるまで続ける。次に、VoIPアプリケーション22は、そのVoIP呼をドロップし得る。
【0042】
さらに、前述したとおり、QoSエンジン34が、閉じられた接続が、ハードハンドオフに起因しない判定した場合、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46を開始せず、メディアデータフローについての開かれたQoS予約を維持しない。代わりに、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42から、VoIP呼の中に含まれるデータフローに関連するQoS予約を取り出す。次に、QoS予約コントローラ40は、QoS予約が開かれているかどうかを判定し、開かれている場合、データフローに関連するReservationKKIdle属性が、0でない値を有する(すなわち、データフローが、メディアデータフローを備える)かどうかを判定する。QoS予約コントローラ40は、VoIP呼の中に含まれるメディアデータフローについての開かれたQoS予約を閉じ、そのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されることをVoIPアプリケーション22に通知する。次に、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42に戻り、予約リスト42内の残りのQoS予約を取り出し、閉じることを続ける。次に、VoIPアプリケーション22は、VoIP呼をドロップし得る。
【0043】
図4Aおよび図4Bは、EVDO通信網におけるアクセス網間のハードハンドオフ中のアクセス端末装置20の例示的な動作を示す流れ図である。図4Aに示されている流れ図は、第1のアクセス網から接続クローズメッセージを受信した後のアクセス端末装置20の動作を表している。図4Bに示されている流れ図は、ハンドオフ接続タイマが動作している最中のアクセス端末装置20の動作を表している。図4Aおよび図4Bの動作は、図2のアクセス端末装置20、および図3のQoSエンジン34に関連して説明される。
【0044】
図4Aに示されるとおり、アクセス端末装置20内のEVDO無線インターフェース層32において実施される接続モジュール36が、EVDO通信網を介するアクセス端末装置20を相手とするVoIP呼中の、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して、接続クローズメッセージを受信する(50)。すると、EVDO無線インターフェース層32において実施されるQoSエンジン34が、その閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間におけるアクセス端末装置20のハードハンドオフに起因するかどうかを判定する(52)。例えば、QoSエンジン34は、接続クローズメッセージが、TCPメッセージと束ねられている、またはTCAメッセージに付随している場合、その閉じられた接続が、ハードハンドオフに起因すると判定し得る。
【0045】
QoSエンジン34が、閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定した場合(52の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40はハンドオフ接続タイマ46を開始する(54)。ハンドオフ接続タイマ46が動作していると、アクセス端末装置20は、後段でより詳細に説明される図4Bに従って動作し得る。ハンドオフ接続タイマ46を開始した後、またはQoSエンジン34が、閉じられた接続がハードハンドオフに起因するのではないと判定した場合(52の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は予約リスト42からVoIP呼の中に含まれるデータフローに関連するQoS予約を取り出す(56)。
【0046】
次に、QoS予約コントローラ40は、データフローに関連するQoS予約が、開かれているかどうかを判定する(58)。QoS予約が閉じられており(58の「NO」分岐)、さらに予約リスト42が、次のQoS予約を含む(74の「NO」分岐)場合、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42からVoIP呼の中に含まれる別のデータフローに関連する次のQoS予約を取り出す(56)。QoS予約が閉じられており(58の「NO」分岐)、さらに予約リスト42が、次のQoS予約を含まない場合(74の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、QoS予約を解析することを止める。前述したとおり、VoIP呼は、それぞれのRLPフローに関連するシグナリングデータフローおよびメディアデータフローを含んでいる。したがって、一部の事例では、予約リスト42は、任意の所与のVoIP呼に関して、各データフローにつき1つずつ、2つのQoS予約だけを含み得る。
【0047】
QoS予約が開かれている場合(58の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、VoIP呼の中に含まれているデータフローに関連するReservationKKIdle属性が、0でない値を有するかどうかを判定する(60)。ReservationKKIdleは、シグナリングトラヒックを含むデータフローに関して0値に設定され得、メディアトラヒックを含むデータフローに関して0でない値に設定され得る。ReservationKKIdle属性が、0値を有する場合(60の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の接続の状態にかかわらず、VoIP呼の中に含まれるシグナリングデータフローに関して、予約リスト42内に開かれたQoS予約を維持する(62)。次に、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42に戻る。予約リスト42が、次のQoS予約を含む場合(74の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42からVoIP呼の中に含まれている別のデータフローに関連する次のQoS予約を取り出す(56)。予約リスト42が次のQoS予約を含まない場合(74の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、QoS予約を解析することを止める。
【0048】
ReservationKKIdle属性が、0でない値を有し(60の「NO」分岐)、さらに閉じられた接続が、ハードハンドオフに起因する場合(64の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、そのメディアデータフローに関して予約リスト42内に開かれたQoS予約を維持する(66)。次に、QoS予約コントローラ40は、そのメディアデータフローについてのQoS予約をハンドオフ予約リスト44に追加する(68)。このようにして、QoS予約コントローラ40は、ハードハンドオフ中に予約リスト42内のQoS予約を開かれたままにし、さらにアクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続についての通知をVoIPアプリケーション22に全く送らない。VoIPアプリケーション22は、閉じられた接続に気付いていないので、VoIPアプリケーション22は、ハードハンドオフ中にVoIP呼をドロップしない。次に、予約コントローラ40は、予約リスト42に戻る。予約リスト42が次のQoS予約を含む場合(74の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42からVoIP呼の中に含まれる別のデータフローに関連する次のQoS予約を取り出す(56)。予約リスト42が、次のQoS予約を含まない場合(74の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、QoS予約を解析することを止める。
【0049】
ReservationKKIdle属性が、0でない値を有するが(60の「NO」分岐)、閉じられた接続が、ハードハンドオフに起因しない場合(64の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は、そのデータフローについての予約リスト42内の開かれたQoS予約を閉じる(70)。次に、QoS予約コントローラ40は、そのデータフローについてのQoSが一時停止されることをVoIPアプリケーション22に通知する(72)。次に、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42に戻る。予約リスト42が次のQoS予約を含む場合(74の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42からVoIP呼の中に含まれる別のデータフローに関連する次のQoS予約を取り出す(56)。予約リスト42が、次のQoS予約を含まない場合(74の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は、QoS予約を解析することを止める。VoIP呼の中に含まれるすべてのメディアデータフローについてのQoSが、一時停止されると、VoIPアプリケーション22は、そのVoIP呼をドロップする。前述したとおり、VoIP呼は、通常、1つのメディアデータフローだけを有し、したがって、VoIPアプリケーション22は、その1つのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されるというQoS予約コントローラ40からの通知に応答して、そのVoIP呼を即時にドロップする。
【0050】
図4Aに示されるとおり、QoSエンジン34が、閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定し、QoS予約コントローラ40がハンドオフ接続タイマ46を開始すると、QoS予約コントローラ40は、0でない値に等しいReservationKKIdle属性を有するVoIP呼の中に含まれるデータフローについての開かれたQoS予約を予約リスト42内で維持する。図4Bに示されているとおり、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46と関連して、アクセス端末装置20と第2のアクセス網との間の新たな接続の確立を同時に監視する。QoS予約コントローラ40は、アクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で新たな接続(例えば、トラヒックチャネル)が、開かれているかどうかを判定する(76)。新たな接続が確立されている場合(76の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ接続タイマ46を停止させる(78)。次に、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44からすべてのQoS予約を、これらのQoS予約がアクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で接続が確立されることをもはや待っていないので、除去する(80)。
【0051】
新たな接続がまだ確立されておらず、したがって、まだ開かれていない場合(76の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は次に、ハンドオフ接続タイマ46が満了しているかどうかを判定する(82)。ハンドオフ接続タイマ46は、EVDO RevA通信網において第1のアクセス網と第2のアクセス網との間でハードハンドオフを実行するのに必要な通常の時間などの、所定の時間にわたって動作するように設定され得る。ハンドオフ接続タイマ46が、満了していない場合(82の「NO」分岐)、QoS予約コントローラは、新たな接続およびハンドオフ接続タイマ46のステータスを監視することを続ける。
【0052】
ハンドオフ接続タイマ46が、新たな接続が確立され得る前に満了した場合(82の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44からVoIP呼の中に含まれるメディアデータフローに関連するQoS予約を取り出す(84)。QoS予約コントローラ40は、メディアデータフローについての予約リスト42内の開かれたQoS予約を閉じ(86)、ハンドオフ予約リスト44から、この開かれたQoS予約を除去する(87)。次に、QoS予約コントローラ40は、そのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されることをVoIPアプリケーション22に通知する(88)。次に、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト44に戻る。ハンドオフ予約リスト44が、空ではない場合(90の「NO」分岐)、QoS予約コントローラ40は、ハンドオフ予約リスト42からVoIP呼の中に含まれる別のメディアデータフローに関連する次のQoS予約を取り出す(84)。ハンドオフ予約リスト44が、空である場合(90の「YES」分岐)、QoS予約コントローラ40は、予約リスト42内のQoS予約のすべてを閉じており、ハンドオフ予約リスト44からQoS予約のすべてを除去している。VoIP呼の中に含まれているすべてのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されると、VoIPアプリケーション22は、そのVoIP呼をドロップする。前述したとおり、VoIP呼は、通常、1つのメディアデータフローだけを有し、したがって、VoIPアプリケーション22は、その1つのメディアデータフローについてのQoSが一時停止されるというQoS予約コントローラ40からの通知に応答して、そのVoIP呼を即時にドロップする。
【0053】
図5は、アクセス端末装置20内で受け取られたトリガに応答した、異なるQoS状態間の移動を示す状態図である。図5に示されている状態系(state system)は、QoS予約を開く状態100、開かれたQoS予約を維持する状態102、およびQoS予約を閉じる状態104を含んでいる。EVDO通信網を介するアクセス端末装置20を相手にしたVoIP呼中、このVoIP呼の中に含まれるメディアデータフローに関連する開かれたQoS予約は、QoS予約を開く状態100にある。このVoIP呼中、開かれたQoS予約は、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間で閉じられた接続が生じない限り(CC=0)、QoS予約を開く状態100に留まる。
【0054】
しかし、アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間で閉じられた接続が生じ(CC=1)、さらに接続クローズメッセージがTCAメッセージと束ねられていない(TCA=0)場合、開かれたQoS予約は、QoS予約を開く状態100を離れ、QoS予約を閉じる状態104に入る。QoS予約を閉じる状態104に入ると、開かれたQoS予約は閉じられ、アクセス端末装置20内に含まれるVoIPアプリケーション22はVoIP呼をドロップする。アクセス端末装置20と第1のアクセス網との間で閉じられた接続が生じ(CC=1)、さらに接続クローズメッセージがTCAメッセージと束ねられている(TCA=1)場合、開かれたQoS予約は、QoS予約を開く状態100を離れ、QoS予約を維持する状態102に入る。
【0055】
開かれたQoS予約は、ハンドオフ接続タイマ46が満了しておらず(TE=0)、さらにアクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で新たな接続が開いていない(CO=0)限り、QoS予約維持状態102に留まる。新たな接続が確立され得る前に(CO=0)ハンドオフ接続タイマ46が満了した(TE=1)場合、開かれたQoS予約は、開かれたQoS予約を維持する状態102を離れ、QoS予約を閉じる状態104に入る。QoS予約を閉じる状態104に入ると、開かれたQoS予約は閉じられ、アクセス端末装置20内に含まれているVoIPアプリケーション22はVoIP呼をドロップする。ハンドオフ接続タイマ46が満了する前に(TE=0)、またはハンドオフ接続タイマ46が満了した際に(TE=1)、アクセス端末装置20と第2のアクセス網との間で新たな接続が確立された場合(CO=1)、開かれたQoS予約は、開かれたQoS予約を維持する状態102を離れ、QoS予約を開く状態100に再び入る。このようにして、開かれたQoS予約を維持する状態102は、ハードハンドオフ中、QoS予約を開かれたままにし、さらにアクセス端末装置20と第1のアクセス網との間の閉じられた接続についての通知を、アクセス端末装置20内に含まれるVoIPアプリケーション22に全く送らない。したがって、VoIPアプリケーション22は、ハードハンドオフ中、VoIP呼をドロップしない。
【0056】
本開示の技術は、WCDについてのアクセス網同士の間のハードハンドオフ中に、データに基づく通信網を介してWCDを相手に最低限のQoS通信セッションを維持することを対象とする。より具体的には、これらの技術は、最低限のQoS通信セッション中のWCDと第1のアクセス網との間の閉じられた接続が、第1のアクセス網と第2のアクセス網との間のハードハンドオフに起因するかどうかを判定する。ハードハンドオフの場合、これらの技術は、所定の期間にわたって、最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持して、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立されることを可能にする。
【0057】
これらの技術は、以下の3つの状況を区別することができる。すなわち、成功したハードハンドオフにおける閉じられた接続、失敗したハードハンドオフにおける閉じられた接続、および他の何らかの理由による閉じられた接続である。これらの状況のいずれが生じているかに応じて、これらの技術は、最低限のQoS通信セッションを維持すること、またはドロップすることの適切な決定を行うことができる。例えば、ハードハンドオフは、所定の期間が満了する前に、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立された場合、成功である。この場合、これらの技術は、元の閉じられた接続の後、新たな接続が確立されるまでの時間中、最低限のQoS通信セッションを維持することができる。データフローのいくつかのフレームが失われる可能性があるが、最低限のQoS通信セッションは立ち上げられたままとなり、ユーザは呼ドロップを経験しない。ハードハンドオフは、WCDと第2のアクセス網との間で新たな接続が確立され得る前に所定の期間が満了した場合、失敗する。その場合、WCDは最低限のQoS通信セッションをドロップする。さらに、閉じられた接続がハードハンドオフによらない場合、WCDは最低限のQoSデータ通信セッションをドロップする。
【0058】
本明細書で説明される技術は、EVDO通信網を介して、さらに好ましくは、EVDO RevA通信網を介してVoIP呼を実行している場合、特に役立ち得る。その場合、WCDはEVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、さらに第1のアクセス網および第2のアクセス網はEVDOアクセス網を備える。WCDは、EVDO電話機、IP電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、無線接続およびソフトフォンを有するPDA、または無線データ通信能力を組み込んだ他の任意のデバイスなどの、任意のデータ対応型無線デバイスを備え得る。
【0059】
本明細書で説明される技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または以上の任意の組み合わせで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、これらの技術は、コンピュータプログラム製品のコンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の格納された、または伝送される命令またはコードによって少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体、通信媒体、またはコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方が含まれることが可能であり、さらに或る場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を円滑にする任意の媒体が含まれ得る。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含み得る。
【0060】
例として、限定としてではなく、そのようなコンピュータ可読媒体は、SDRAM(シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ)などのRAM、ROM(読取り専用メモリ)、NVRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリ)、ROM、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM、FLASHメモリ、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望されるプログラムコードを担持しまたは格納するのに使用されることが可能で且つコンピュータによってアクセスされることが可能な他の任意の媒体、を備えることが可能である。
【0061】
また、任意の接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚対線、DSL(ディジタル加入者線)、または赤外線、電波、およびマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから伝送される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚対線、DSL、または赤外線、電波、およびマイクロ波などの無線技術が、媒体の定義に含められる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD(コンパクトディスク(disc))、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、DVD(ディジタルバーサタイルディスク(disc))、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含んでおり、ただし、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再現するのに対して、ディスク(disc)は、データを光学的に、例えば、レーザを使用して再現する。また、以上の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるべきである。
【0062】
コンピュータプログラム製品のコンピュータ可読媒体に関連するコードは、コンピュータによって、例えば、1つまたは複数のDSP(ディジタル信号プロセッサ)、汎用マイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)、または他の等価な物が集積された論理回路もしくはディスクリートの論理回路などの、1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。一部の態様では、本明細書で説明される機能は、符号化するため、および復号するために構成された専用のソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールの内部で提供されても、複合ビデオ符号器・復号器(CODEC)に組み込まれてもよい。
【0063】
それでも、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、説明される技術に様々な変形が行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データに基づいた通信網を介する最低限のQoS(サービス品質)通信セッション中に、無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して接続クローズメッセージを受信することと、
前記閉じられた接続が、前記第1のアクセス網と第2のアクセス網との間における前記無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定することと、
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定することが、前記接続クローズメッセージがTCA(トラヒックチャネル割当て)メッセージと束ねられていると判定することを備える、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定すると、前記最低限QoS通信セッションをドロップすることをさらに備える、
請求項1の方法。
【請求項4】
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しない場合に前記最低限のQoS通信セッションをドロップすることが、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を閉じることと、
前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記無線通信デバイス内の通信アプリケーションに通知することと、
を備える、請求項3の方法。
【請求項5】
前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが成功した場合、前記最低限のQoS通信セッションを維持することと、
前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが失敗した場合、前記最低限のQoS通信セッションをドロップすることと、
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項6】
前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持することが、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持することを備える、請求項1の方法。
【請求項7】
前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持することが、
前記閉じられた接続が前記ハードハンドオフに起因すると判定すると、ハンドオフ接続タイマを開始することと、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する予約リスト内の開かれたQoS予約を維持することと、
前記ハンドオフ接続タイマが動作している間、ハンドオフ予約リストに前記開かれたQoS予約を追加することと、
を備える、請求項1の方法。
【請求項8】
開かれたQoS予約を維持することが、
前記予約リストから前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローの1つに関連するQoS予約を取り出すことと、
前記QoS予約が開かれているかどうかを判定することと、
前記QoS予約が開かれていると判定すると、前記データフローの前記関連する1つの属性が0でない値を有する場合、前記ハードハンドオフ中に前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を維持することと、
を備える、請求項7の方法。
【請求項9】
前記データフローの前記関連する1つの前記属性が0でない値を有する場合、前記開かれたQoS予約を前記ハンドオフ予約リストに追加することをさらに備える、
請求項8の方法。
【請求項10】
前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローのそれぞれに関連する前記属性が、シグナリングトラヒックを含んだデータフローに関して0値に設定され且つメディアトラヒックを含んだデータフローに関して0でない値に設定されるReservationKKIdleと呼ばれるRLP(無線リンクプロトコル)属性を備える、
請求項8の方法。
【請求項11】
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間に接続が確立されると、前記ハンドオフ接続タイマを停止させることと、
前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去することと、
をさらに備える、請求項7の方法。
【請求項12】
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間で接続が確立される前に前記ハンドオフ接続タイマが満了すると、前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を閉じることと、
前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去することと、
前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記無線通信デバイス内の通信アプリケーションに通知することと、
前記最低限のQoS通信セッションをドロップすることと、
をさらに備える、請求項7の方法。
【請求項13】
前記最低限のQoS通信セッションが、VoIP(voice over Internet Protocol)呼を備える、
請求項1の方法。
【請求項14】
前記データに基づいた通信網が、EVDO(Evolution-Data Optimized)Revision 0規格またはEVDO Revision A規格のいずれかを利用するEVDO通信網を備え、
前記無線通信デバイスが、前記EVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、
前記第1のアクセス網および前記第2のアクセス網が、EVDOアクセス網を備える
請求項1の方法。
【請求項15】
前記無線通信デバイスが、EVDO(Evolution-Data Optimized)電話機、IP(インターネットプロトコル)電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、または無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)のうちの1つを備える、
請求項1の方法。
【請求項16】
データに基づいた通信網を介する最低限のQoS(サービス品質)通信セッションに参加する通信アプリケーションと、
前記最低限のQoS通信セッション中に、無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して接続クローズメッセージを受信し、前記閉じられた接続が前記第1のアクセス網と第2のアクセス網との間における前記無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定する接続モジュールと、
前記接続モジュールが前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持するQoSエンジンと、
を実行するように構成されたプロセッサを備える無線通信デバイス。
【請求項17】
前記接続モジュールが、前記接続クローズメッセージがTCA(トラヒックチャネル割当て)メッセージと束ねられている場合、前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定する、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記通信アプリケーションが、前記接続モジュールが前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定した場合、前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記QoSエンジンが、前記接続モジュールが前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定した場合、前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を閉じ、また前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記通信アプリケーションに通知し、
前記通信アプリケーションが、前記QoSエンジンからの前記通知に応答して前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項18の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記QoSエンジンが、前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが成功した場合、前記最低限のQoS通信セッションを維持し、
前記通信アプリケーションが、前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが失敗した場合、前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項21】
前記QoSエンジンが、前記最低限のQoS通信セッションを維持するために前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持するQoS予約コントローラを含む、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項22】
前記QoSエンジンが、
前記閉じられた接続が前記ハードハンドオフに起因すると判定すると、ハンドオフ接続タイマを開始し、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する予約リスト内の開かれたQoS予約を維持し、
前記ハンドオフ接続タイマが動作している間、前記QoSエンジンによって保持されるハンドオフ予約リストに前記開かれたQoS予約を追加する、
QoS予約コントローラを含む、請求項16の無線通信デバイス。
【請求項23】
前記QoS予約コントローラが、
前記QoSエンジンによって保持される前記予約リストから前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローの1つに関連するQoS予約を取り出し、
前記QoS予約が開かれているかどうかを判定し、
前記QoS予約が開かれていると判定すると、前記データフローの前記関連する1つの属性が0でない値を有する場合、前記ハードハンドオフ中に前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を維持する、
請求項22の無線通信デバイス。
【請求項24】
前記QoS予約コントローラが、前記データフローの前記関連する1つの前記属性が0でない値を有する場合、前記開かれたQoS予約を前記ハンドオフ予約リストに追加する、
請求項23の無線通信デバイス。
【請求項25】
前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローのそれぞれに関連する前記属性が、シグナリングトラヒックを含んだデータフローについて0値に設定され且つメディアトラヒックを含んだデータフローに関して0でない値に設定されるReservationKKIdleと呼ばれるRLP(無線リンクプロトコル)属性を備える、
請求項23の無線通信デバイス。
【請求項26】
前記QoS予約コントローラが、
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間に接続が確立されると、前記ハンドオフ接続タイマを停止させ、
前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去する、
請求項22の無線通信デバイス。
【請求項27】
前記QoS予約コントローラが、前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間で接続が確立される前に前記ハンドオフ接続タイマが満了すると前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を閉じ、前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去し、前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記通信アプリケーションに通知し、
前記通信アプリケーションが、前記QoSエンジンからの前記通知に応答して前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項22の無線通信デバイス。
【請求項28】
前記最低限のQoS通信セッションが、VoIP(voice over Internet Protocol)呼を備える、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項29】
前記データに基づく通信網が、EVDO(Evolution-Data Optimized)Revision 0規格またはEVDO Revision A規格のいずれかを利用するEVDO通信網を備え、
前記無線通信デバイスが、前記EVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、
前記第1のアクセス網および前記第2のアクセス網が、EVDOアクセス網を備える、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項30】
EVDO(Evolution-Data Optimized)電話機、IP(インターネットプロトコル)電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、または無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)のうちの1つを備える、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項31】
前記プロセッサが、
前記通信アプリケーションを実行するように構成された第1のプロセッサと、
前記接続モジュールおよび前記QoSエンジンを実行するように構成された第2のプロセッサと、
を備える、
請求項16の無線通信デバイス。
【請求項32】
コンピュータに、データに基づいた通信網を介する最低限のQoS(サービス品質)通信セッション中に無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して接続クローズメッセージを受信させるための命令と、
コンピュータに、前記閉じられた接続が前記第1のアクセス網と第2のアクセス網との間における前記無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定させるための命令と、
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、コンピュータに、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持させるための命令と、
を備えるコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
前記命令が、前記接続クローズメッセージがTCA(トラヒックチャネル割当て)メッセージと束ねられている場合、前記コンピュータに、前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定させる、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定すると、前記コンピュータに、前記最低限のQoS通信セッションをドロップさせる命令をさらに備える、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
前記命令が、前記コンピュータに、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を閉じさせ、
前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記無線通信デバイス内の通信アプリケーションに通知させ、
前記通知に応答して前記最低限のQoS通信セッションをドロップさせる、
請求項34のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが成功した場合、前記コンピュータに、前記最低限のQoS通信セッションを維持させる命令と、
前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが失敗した場合、前記コンピュータに、前記最低限のQoS通信セッションをドロップさせる命令と、
をさらに備える、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項37】
前記命令が、前記最低限のQoS通信セッションを維持するために、前記コンピュータに、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持させる、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項38】
前記命令が、前記コンピュータに、
前記閉じられた接続が前記ハードハンドオフに起因すると判定されると、ハンドオフ接続タイマを開始させ、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する予約リスト内の開かれたQoS予約を維持させ、
前記ハンドオフ接続タイマが動作している間、ハンドオフ予約リストに前記開かれたQoS予約を追加させる、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項39】
前記命令が、前記コンピュータに、
前記予約リストから前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローの1つに関連するQoS予約を取り出させ、
前記QoS予約が開かれているかどうかを判定させ、
前記QoS予約が開かれていると判定されると、前記データフローの前記関連する1つの属性が0でない値を有する場合、前記ハードハンドオフ中に前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を維持させる、
請求項38のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項40】
前記データフローの前記関連する1つの前記属性が0でない値を有する場合、前記コンピュータに、前記開かれたQoS予約を前記ハンドオフ予約リストに追加させる命令をさらに備える、
請求項39のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項41】
前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローのそれぞれに関連する前記属性が、シグナリングトラヒックを含んだデータフローに関して0値に設定され且つメディアトラヒックを含んだデータフローに関して0でない値に設定されるReservationKKIdleと呼ばれるRLP(無線リンクプロトコル)属性を備える、
請求項39のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項42】
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間に接続が確立されると、前記コンピュータに、前記ハンドオフ接続タイマを停止させるようにする命令と、
前記コンピュータに、前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去させる命令と、
をさらに備える、
請求項38のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項43】
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間で接続が確立される前に前記ハンドオフ接続タイマが満了すると、前記コンピュータに、前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を閉じさせる命令と、
前記コンピュータに、前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去させる命令と、
前記コンピュータに、前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記無線通信デバイス内の通信アプリケーションに通知させる命令と、
前記コンピュータに、前記最低限のQoS通信セッションをドロップさせる命令と、
をさらに備える、
請求項38のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項44】
前記最低限のQoS通信セッションが、VoIP(voice over Internet Protocol)呼を備える、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項45】
前記データに基づいた通信網が、EVDO(Evolution-Data Optimized)Revision 0規格またはEVDO Revision A規格のいずれかを利用するEVDO通信網を備え、
前記無線通信デバイスが、前記EVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、
前記第1のアクセス網および前記第2のアクセス網が、EVDOアクセス網を備える、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項46】
前記無線通信デバイスが、EVDO(Evolution-Data Optimized)電話機、IP(インターネットプロトコル)電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、または無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)のうちの1つを備える、
請求項32のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項47】
データに基づいた通信網を介する最低限のQoS(サービス品質)通信セッションに参加するための手段と、
前記最低限のQoS通信セッション中に、無線通信デバイスと第1のアクセス網との間の閉じられた接続に応答して接続クローズメッセージを受信するための手段と、
前記閉じられた接続が前記第1のアクセス網と第2のアクセス網との間における前記無線通信デバイスのハードハンドオフに起因するかどうかを判定するための手段と、
前記判定するための手段が前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定すると、前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションを維持するための手段と、
を備える無線通信デバイス。
【請求項48】
前記判定するための手段が、前記接続クローズメッセージがTCA(トラヒックチャネル割当て)メッセージと束ねられている場合、前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因すると判定する、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項49】
前記実行するための手段が、前記判定するための手段が前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定した場合、前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項50】
前記維持するための手段が、前記判定するための手段が前記閉じられた接続がハードハンドオフに起因しないと判定した場合、前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を閉じ、前記最低限のQoS通信セッションについていのQoSが一時停止されることを前記実行するための手段に通知し、
前記実行するための手段が、前記QoSエンジンからの前記通知に応答して前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項49の無線通信デバイス。
【請求項51】
前記維持するための手段が、前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが成功した場合、前記最低限のQoS通信セッションを維持し、
前記実行するための手段が、前記第1のアクセス網と前記第2のアクセス網との間における前記ハードハンドオフが失敗した場合、前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項52】
前記維持するための手段が、前記最低限のQoS通信セッションを維持するために前記ハードハンドオフ中に前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する開かれたQoS予約を維持する、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項53】
前記維持するための手段が、
前記閉じられた接続が前記ハードハンドオフに起因すると判定すると、ハンドオフ接続タイマを開始し、
前記最低限のQoS通信セッションに含まれるデータフローに関連する予約リスト内の開かれたQoS予約を維持し、
前記ハンドオフ接続タイマが動作している間、ハンドオフ予約リストに前記開かれたQoS予約を追加する、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項54】
前記維持するための手段が、
前記予約リストから前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローの1つに関連するQoS予約を取り出し、
前記QoS予約が開かれているかどうかを判定し、
前記QoS予約が開かれていると判定すると、前記データフローの前記関連する1つの属性が0でない値を有する場合、前記ハードハンドオフ中に前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を維持する、
請求項53の無線通信デバイス。
【請求項55】
前記維持するための手段が、前記データフローの前記関連する1つの前記属性が0でない値を有する場合、前記開かれたQoS予約を前記ハンドオフ予約リストに追加する、
請求項54の無線通信デバイス。
【請求項56】
前記最低限のQoS通信セッションに含まれる前記データフローのそれぞれに関連する前記属性が、シグナリングトラヒックを含んだデータフローに関して0値に設定され且つメディアトラヒックを含んだデータフローに関して0でない値に設定されるReservationKKIdleと呼ばれるRLP(無線リンクプロトコル)属性を備える、
請求項54の無線通信デバイス。
【請求項57】
前記維持するための手段が、
前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間に接続が確立されると、前記ハンドオフ接続タイマを停止させ、
前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去する、
請求項53の無線通信デバイス。
【請求項58】
前記維持するための手段が、前記無線通信デバイスと前記第2のアクセス網との間で接続が確立される前に前記ハンドオフ接続タイマが満了すると前記予約リスト内の前記開かれたQoS予約を閉じ、前記ハンドオフ予約リストから前記開かれたQoS予約を除去し、前記最低限のQoS通信セッションについてのQoSが一時停止されることを前記実行するための手段に通知し、
前記実行するための手段が、前記QoSエンジンからの前記通知に応答して前記最低限のQoS通信セッションをドロップする、
請求項53の無線通信デバイス。
【請求項59】
前記最低限のQoS通信セッションが、VoIP(voice over Internet Protocol)呼を備える、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項60】
前記データに基づく通信網が、EVDO(Evolution-Data Optimized)Revision 0規格またはEVDO Revision A規格のいずれかを利用するEVDO通信網を備え、
前記無線通信デバイスが、前記EVDO通信網におけるアクセス端末装置を備え、
前記第1のアクセス網および前記第2のアクセス網が、EVDOアクセス網を備える、
請求項47の無線通信デバイス。
【請求項61】
EVDO(Evolution-Data Optimized)電話機、IP(インターネットプロトコル)電話機、ソフトフォン、無線接続およびソフトフォンを有するラップトップ、または無線接続およびソフトフォンを有するPDA(パーソナルディジタルアシスタント)のうちの1つを備える、
請求項47の無線通信デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−532140(P2010−532140A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515019(P2010−515019)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/067939
【国際公開番号】WO2009/006079
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】