説明

バイオサイド機能性を有するポリマー複合材料

少なくとも1種類の基材ポリマー化合物と、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分とを含み、該バイオサイド活性成分が、拡散および/または浸透によってポリマー複合材料から放出され得る有機バイオサイドである、好ましくは農業における使用のためのバイオサイド機能性を有するポリマー複合材料、ならびにその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオサイド機能性を有するポリマー複合材料、かかるポリマー複合材料の作製のための方法、および特に農業のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
生物分解性マルチフィルムなど、農業分野で使用されている雑草生育の低減または特別な生物分解性の園芸用ポットのための多種多様なポリマー材料が知られている。このようなポリマー材料用品において重要なことは、該材料を環境的および化学的影響に対して安定化させるための取組み、または該材料の生物分解性を改善するための取組みのいずれかである。添加剤を含む農薬に対して安定化させた農業用フィルムの例は、日本出願JP63175072に見出せる。欧州特許出願EP0214507には、屋外農業用フィルムに使用されるUV安定剤が記載されている。
【0003】
活性成分を熱拡散させ得る材料の一例が、DE2819515A1に記載されている。多層型複合材料は、発熱化学反応によって該材料内の温度を上昇させ、その結果、機能性材料を遊離させ得る層を備えている。しかしながら、この発熱反応に必要な開示された無機化学物質は環境に対して有害であるとともに、食品および医薬用物品の生産、収穫または輸送に不適切である。
【0004】
バイオサイド無機物質が組み込まれた別のポリマー材料は、DE69629891T2により公知のものである。ここでは、食品パッケージ用フィルム内の消毒剤として作用させるためのバイオサイド無機物質として、二酸化塩素が提供されている。しかしながら、所与の期間にわたって消毒剤を適正な量で取り扱い、調整することは困難で複雑で費用がかかる。開示された材料によると、これは異なる層を備えたものであり、酸遊離性物質を含む疎水性の層と、塩素系イオンを含む隣接させた親水性の層を備えていなければならない。
【0005】
農業用または園芸用ポリマーに機能性を付与するための別のアプローチは、消毒剤として作用する銅、銅塩および微粉末銀などの無機物質の組込みである。しかしながら、該活性物質の放出は制御不可能であり、多くの場合、ポリマーの分解または溶解を伴う。
【0006】
農業または園芸において知られたポリマー材料はすべて、今なお共通して、機能性を付与された材料の寿命が短いという問題を有する。さらに、該機能は、多くの場合、該ポリマー自体の保護だけである。しかしながら、バイオサイド機能などの農業用商品のための機能は、無機物質のみに限定されており、この場合も該無機物質を遊離させるために分解性または可溶性のポリマーを伴うため、簡便な様式では付与されない。そのため、12ヶ月の生育期あるいは、数年間の再使用および/または数回にわたる種まき期および収穫期の場合に必要とされる寿命の機能性を付与されたポリマー材料は不可能である。ポリマーの機械的特性は、生分解の増大とともに経時的に低下し、その分子量の減少が引き起こされる。分子量の減少により、農業用フィルムによる天候の変動の緩和に必要な、または例えば、苗床用のポットおよびトレイによる種苗の根の保護に必要な強度などの所望のポリマー性能が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−175072号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0214507号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2819515号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第69629891号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、さまざまなバイオサイド機能性を有することができ、かつ長寿命を有する、好ましくは農業および園芸における使用のためのポリマー複合材料を提供することである。
【0009】
本発明の別の課題は、かかるポリマー複合材料の作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、好ましくは農業における使用のためのバイオサイド機能性を有するポリマー複合材料であって、少なくとも1種類の基材ポリマー化合物と、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分(該バイオサイド活性成分は、拡散および/または浸透によってポリマー複合材料から放出され得る有機バイオサイドである)とを含む、ポリマー複合材料によって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
基材ポリマー化合物という用語は、常時屋外曝露に少なくとも12ヶ月耐えるのに充分なUV安定性および気候安定性を示し、有機バイオサイド活性成分と反応せず、その性質が有機バイオサイドによって変化しない、あらゆるポリマー化合物であると理解されたい。ポリマー材料の可撓性は材料の厚さに依存するため、可撓性フィルムならびに非可撓性成型物品は、基材ポリマー材料という用語に含まれると理解されたい。
【0012】
バイオサイド活性成分という用語は、医療、農業および林業などの分野で使用されている、種々の形態の生きた生物体および/またはウイルスを死滅させることができる、あらゆる化学物質であると理解されたい。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、バイオサイド活性成分またはバイオサイド活性成分の組合せは、ポリマー複合材料内に分子分散体の形態で組み込まれる。そのため、該複合材料中では一様で規定の分布が得られる。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態において、バイオサイド活性成分はコート層内に組み込まれる。
【0015】
該手段により、拡散および/または浸透によるバイオサイド活性成分の放出が助長および/または時限化され得る。
【0016】
コート材料は、好ましくは薄膜(乾燥コート層の厚さが好ましくは0.5mm未満)にて基材ポリマー化合物に適用される。薄膜から所望の特性を得るため、コート材料の配合およびコート層の構造は、バイオサイド活性成分の放出が助長および/または時限化されるように、所望のパーツ特性(例えば、可撓性のフィルムまたは剛性の成型パーツ)と関連づけて調整され得る。コート材料は、多種多様な化学物質および材料または種々の化学物質の組合せが配合されたものであり得、単一の層または積層多層として適用され得る。本発明のコート材料は、好ましくは、4種類の成分:バインダー、添加剤、バイオサイド活性成分および担体液が配合されたものである。
【0017】
バインダーは、主に、基材ポリマーへの接着剤としての機能を果たす。バインダーは、さまざまな分子量を有するポリマー接着剤系である。バインダー中の分子は硬化段階において架橋され、強度が向上し、ポリマー複合材料が作出され得る。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、コート材料は、架橋性バインダーであって、架橋後に水不溶性となるが水膨潤性であり、水分の吸収によってゲルを形成することができるバインダーを含む水溶性ポリマー接着剤系を主成分とするものであり得る。本発明による用語「架橋性」は、バインダーが、好ましくは、熱、圧力、放射線および/または化学薬品(以下、本明細書において硬化剤ともいう)によって開始される網目構造の形成を行なうことができることを示す。本発明による用語「ゲルを形成すること」は、少なくとも50%、少なくとも75%、典型的には少なくとも95wt%の液体を含み、該液体が、該液体自体と少量のバインダーにより構築された繊維の巨大分子網目との間の表面張力によって固定化されたコロイド構造をいう。好ましい実施形態において、ゲルの液体は水であり、ゲルは、水が分散媒体であるヒドロゲルである。
【0019】
バインダーは、好ましくは、ゼラチン;アルギネート;セルロース系ポリマー(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなど);デンプン系ポリマー(カルボキシメチルデンプンなど);天然ゴム(アラビアゴム、ローカストビーンガム、カラギーナンガムおよびキサンタンガムなど);ペクチン;酸基含有モノマーから形成されたポリマー(ポリ(アクリレート)(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)など)、ポリ(エーテル)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコール)、無水マレイン酸コポリマー、ポリ(スルホン酸ビニル)、加水分解型アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸グラフト化デンプン、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(2-ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、ポリ(アクリル酸ナトリウム-コ-アクリル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(エチレンオキシド)、エチレンオキシドとポリアミド、ポリエステルおよびポリウレタンとのブロックコポリマーなど)、ならびに上記のものの塩形態混合物およびコポリマーを含む群から選択される。
【0020】
特に好ましいバインダーは、水溶性である(が架橋後、不溶性となる)化学的および/または物理的架橋性接着剤ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル;ポリビニルピロリドン;ポリエチレンオキシド;セルロース誘導体(デキストランおよびデンプンなど);ポリアクリル酸などのポリアクリレート、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン系ポリマー、ゼラチン、カゼイン、キサンタンヒドロキシル-エチル-セルロース、ヒドロキシルプロピルセルロースおよび/またはエチレンオキシドとポリウレタンのブロックコポリマーの分散体を含むものである。
【0021】
最も好都合な条件下で自重の少なくとも約5倍、より好ましくは少なくとも10倍、さらにより好ましくは少なくとも15倍、最も好ましくは少なくとも25倍の0.9wt%の塩化ナトリウムを含有する水溶液を吸収することができる特に有用なゲル形成性吸水性架橋性コートバインダーの実例は、好ましくは、例えば、ポリ(アクリレート)(ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)などを含む)、無水マレイン酸コポリマー、ポリ(スルホン酸ビニル)、ポリ(アクリル酸ナトリウム-コ-アクリル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)(例えば、米国特許US6'737'491、US6'849'685、US6'887'961、US115'321、US6'964'803、US6'808'801、US7'205'259に記載されているようなもの)、ゼラチンおよび/またはエチレンオキシドとポリウレタンとのブロックコポリマーの分散体などの超吸収体を含む群から選択される。
【0022】
本発明による特に有用なコート材料は、少なくとも2種類の吸水性の架橋性ポリマーバインダーの組合せを含み、該吸水性の架橋性ポリマーバインダーのうちの1種類がゼラチンであるものである。特に好ましい実施形態において、コート層は、ゼラチンバインダーと超吸収体バインダー(ポリ(アクリレート)バインダーなど)の組合せを含むものである。
【0023】
ゼラチンは、吸水性の架橋性ポリマーの諸性質に実質的に支障をきたすことなく、基材ポリマーへの吸水性の架橋性ポリマーの付着を補助するため、驚くほど有益であることが示されている。
【0024】
写真用ゼラチン、飼料用ゼラチン、食用ゼラチン、工業用ゼラチン、タンパク質ゼラチンなどの任意のゼラチンが、かかる好ましいコート層に使用され得る。添加剤として硬化剤を添加することにより、ゼラチンは、遊離アミノ基、イミノ基およびヒドロキシル基の反応によって架橋される。
【0025】
添加剤は、コート配合物中に含まれ、コートが特定の機能を発揮するのを可能にするがバイオサイド機能には寄与しない不溶性の色素または低分子量の化学物質と定義する。添加剤としては、限定されないが色素が挙げられる。色素は、典型的には、コート材料の着色剤部分であるが、腐食保護または紫外(UV)光中での安定性をもたらすものであってもよい。また、添加剤として、限定されないが色素でないものも挙げられる。色素でない添加剤としては、紫外光または熱の攻撃をブロックする安定剤、架橋反応を加速する硬化剤、粘度を増大させる共溶媒、または均一なコートを向上させる可塑剤が挙げられる。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施形態において、硬化剤、好ましくはホルムアルデヒドが、コート層の材料を架橋するため、および基材ポリマーへの該層の材料の付着を向上させるための添加剤として使用される。
【0027】
特に有用な複合材料は、コート材料が、吸水性の架橋性ポリマー、好ましくは超吸収体、より好ましくはポリアクリレート、ゼラチン、および硬化剤、好ましくはホルムアルデヒドの組合せを含む基材ポリマーに関するものである。
【0028】
担体液は、典型的には有機溶媒または水などの液体である。担体液によりコート材料が流動性となり、噴霧、浸漬、カスケードおよび/またはカーテン流延などの方法によって適用されることが可能になる。この成分は、コート配合物中に適用前に存在させてもよいが、後に気化し、該材料の固形物が非流動性となってコート層を形成することを可能にするものである。得られたポリマー複合材料を、任意選択で乾燥させてもよい。
【0029】
したがって、担体液は、すぐに使用できる最終ポリマー複合材料中に全く存在していなくてもよく、一部分に存在していてもよく、存在していてもよい。好ましい実施形態において、担体液は、すぐに使用できる最終ポリマー複合材料中に存在していないか、または一部分のみに存在している。しかしながら、当業者は、水または別の液体が使用中にポリマー複合材料によって吸収され、ポリマー複合材料の機能性に重要な役割を果たすであろうことを認識している。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施形態において、有機溶媒は、エタノール、アセトン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロルメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、メタノール、ギ酸、当業者に既知の他の溶媒および/またはその水溶液である。
【0031】
本発明のコート材料は、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分(以下、本明細書においてバイオサイドともいう)を含むものである。
【0032】
コートの配合は広く異なり、種々の種類および量のバインダー、添加剤、担体液およびバイオサイド活性成分を有する。コートの配合の違いにより、パーツおよびその最終用途に対して具体的に設定されるフィルム特性が得られる。多くの場合、所望の性質すべてを得るために、ある種類のコート材料を配合しないことがあり得る。異なるコート材料のいくつかの層を基材ポリマーに適用し、コートフィルムを形成してもよい。
【0033】
本発明の別の好ましい実施形態によるポリマー複合材料は多層型コート構造であり得、バイオサイド活性成分は、反復されたコート層または1つのコート層内に組み込まれる。
【0034】
バイオサイド活性成分を反復されたコート層内に組み込むことにより、拡散および/または浸透の速度の制御がさらに良好になされ得る。これとは別に、異なるバイオサイド活性成分を異なる層内に組み込んでもよい。しかしながら、本発明はまた、少なくとも2種類のバイオサイド活性成分の混合物が1つのコート層内に組み込まれた実施形態に関するものでもある。植物の生育および考えられ得る季節により変化する要件(害虫、真菌などに関して)に応じて、バイオサイド処理に対して調整されたアプローチが提供され得る。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分は、バインダーと同じコート層内に組み込まれ得る。この少なくとも1種類のバイオサイドを有する層がゼラチンを含む実施形態が好ましい。
【0036】
有機バイオサイドは、好ましくは、農薬、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、防かび剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤、および殺鼠剤からなる群より選択される。さらに、有機バイオサイドは、さらにより好ましくは、殺菌剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、防腐剤、抗原虫剤、および抗寄生虫剤からなる群より選択されるものであり得る。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態において、有機バイオサイドは、医療用途および食品用の防腐剤および/または消毒剤の群から選択される。
【0038】
農業、食品および医療分野における使用に安全であるとみなされている化学物質に対する規定は常に変更されているため、該分野における化学物質、特に防腐剤および消毒剤に対する実際の公式規定に従うような有機バイオサイド活性成分が本発明に最も好ましい。特に、欧州委員会によるバイオサイド製品指令(98/8/EC)に列挙された物質は、本発明によるバイオサイド活性成分として好ましく使用される。
【0039】
本発明の別の好ましい実施形態において、有機バイオサイドは、アセトアミドおよびアニリド系除草剤、チオカルバメート系除草剤、クロルフェノキシ系除草剤、ジピリジル系除草剤、ジニトロクレゾール系除草剤、シクロヘキシルオキシム系除草剤、ホスホネート系除草剤、トリアゾラム系除草剤、尿素系除草剤誘導体および/またはその混合物を含む群から選択される。
【0040】
本発明による特定の除草剤は、アセトクロル、アシベンゾラル、アシベンゾラル-s-メチル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェンナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジムナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アンシミドール、アニロホス、アシュラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、BAH-043、BAS-140H、BAS-693H、BAS-714H、BAS-762H、BAS-776H、BAS-800H、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンスルフロン-メチル、ベンタゾン、ベンズフェンジゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロップ、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホスナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバックナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェンオキシム、ブロモキシニル、ブロムロン、ブミナホス、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキジジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロラジホップ、クロラジホップ-ブチル、クロルブロムロン、クロルブファム、クロルフェナック、クロルフェナックナトリウム、クロルフェンプロップ、クロロフルレノール、クロロフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロルメコート-クロリド、クロロニトロフェン、クロルフタリウム、クロルタール-ジメチル、クロロトルロン、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クレトジム、クロジナホップ クロジナホップ-プロパギル、クロフェンセット、クロマゾン、クロメプロップ、クロプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクラニリド、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、2,4-D、2,4-DB、ダイムロン(daimuron/dymuron)、ダラポン、ダミノジッド、ダゾメット、n-デカノール、デスメディファム、デスメトリン、デトシル-ピラゾレート(DTP)、ジアレート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-p、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-p-メチル、ジクロスラム、ジエタチル、ジエタチル-エチル、ジフェノキスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピルナトリウム、ジメフロン、ジケグラックナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-p、ジメチピン、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジコート、ジクワット-ジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エグリナジン-エチル、エンドタール、eptc、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン-メチル、エセフォン、エチジムロン、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-5331、すなわち、N-[2-クロル-4-フルオル-5-[4-(3フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾル-1-イル]-フェニル]-エタンスルホンアミド、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-p、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-p-エチル、フェントラザミド、フェヌロン、フラムプロップ、フラムプロップ-m-イソプロピル、フラムプロップ-m-メチル、フラザスルフロン、フロラシュラム、フルアジホップ、フルアジホップ-p、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-p-ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルカルバゾンナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット(チアフルアミド)、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメトラリン、フルメトスラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチルナトリウム、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルプリミドール、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、フルチアミド、フォメサフェン、ホラムスルフロン、ホルクロルフェヌロン、ホスアミン、フリルオキシフェン、ギベレリン酸、グルホシネート、1-グルホシネート、1-グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-アンモニウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、H-9201、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-p、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-p-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-p-メチル、ヘキサジノン、hnpc-9908、HOK-201、HW-02、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、イナベンフィド、インダノファン、インドール酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル-ブタン酸(IBA)、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチルナトリウム、イオキシニル、イソカルバミド、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、IDH-100、KUH-043、KUH-071、カルブチレート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、マレイン酸ヒドラジド、MCPA、MCPB、MCPB-メチル、-エチルおよびナトリウム、メコプロップ、メコプロップナトリウム、メコプロップ-ブトチル、メコプロップ-p-ブトチル、メコプロップ-p-ジメチルアンモニウム、メコプロップ-p-2-エチルヘキシル、メコプロップ-p-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メピコート-クロリド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾール、メトキシフェノン、メチルダイムロン、1-メチルシクロプロペン、メチルイソチオシアネート、メトベンズロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、s-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モナリド、モノカルバミド、モノカルバミド-重水素化硫酸、モノリヌロン、モノスルフロン、モヌロン、MT128、MT-5950、すなわち、N-[3-クロル-4-(1-メチルエチル)-フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、NC-310、すなわち、4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフェノラートナトリウム(異性体の混合物)、ニトロフルオルフェン、ノナン酸、ノルフルラゾン、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パクロブトラゾール、パラコート、パラコート-ジクロリド、ペラルゴン酸(ノナン酸)、ペンジメタリン、ペンドラリン、ペノキススラム、ペンタノクロール、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム-エチル、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、ピリフェノップ、ピリフェノップ-ブチル、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロベナゾール、プロフルアゾール、プロシアジン、プロジアミン、プリフルラリン、プロホキシジム、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾンナトリウム、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラナクロール、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダホル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバックナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-p、キザロホップ-p-エチル、キザロホップ-p-テフリル、リムスルフロン、セクブメトン、セトキシジム、シズロン、シマジン、シメトリン、SN-106279、サルコトリオン、スルファレート(cdec)、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホセート(グリホサート-トリメシウム)、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、SYP-298、SYP-300、テブタム、テブチウロン、テクナゼン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブクロール、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、th-547、テニルクロール、チアフルアミド、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、トプラメゾン、トラルコキジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリアゾフェンアミド、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロール酢酸(tca)、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロンナトリウム、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリメツロン、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、トリトスルフロン、チトデフ、ウニコナゾール、ウニコナゾール-p、ベルノレート、ZJ-0166、ZJ-0270、ZJ-0543、ZJ-0862、ならびに下記の化合物
【化1】

を含む群から選択される。
【0041】
本発明の別の好ましい実施形態において、有機バイオサイドは、抗生物質殺虫剤シクロジエン殺虫剤、昆虫成長制御剤、カルバメート殺虫剤、ニコチノイド殺虫剤、ピレスロイド除草剤、オキサジアジン殺虫剤、有機リン系殺虫剤および/またはその混合物を含む群から選択される。
【0042】
以下の昆虫:鞘翅目、例えば、Hylotrupes bajulus、Chlorophorus pilosis、Anobium punctatum、Xestobium rufovillosum、Ptilinus pecticornis、Dendrobium pertinex、 Ernobius mollis、 Priobium carpini、Lyctus brunneus、Lyctus africanus、Lyctus planicollis、Lyctus linearis、Lyctus pubescens、Trogoxylon aequale、Minthes rugicollis、Xyleborus種、 Tryptodendron種、 Apate monachus、Bostrychus capucins、Heterobostrychus brunneus、Sinoxylon種、 Dinoderus minutus;Hymenopterons、例えば、Sirex juvencus、Urocerus gigas、Urocerus gigas taignus、Urocerus augur;Termites、例えば、Kalotermes flavicollis、Cryptotermes brevis、Heterotermes indicola、Reticulitermes flavipes、Reticulitermes santonensis、Reticulitermes lucifugus、Mastotermes darwiniensis、Zootermopsis nevadensis、Coptotermes formosanus;Bristletails、例えば、Lepisma saccharinaが例として、および好ましいがなんら限定されない例として挙げられ得る。
【0043】
本発明による特定の殺虫剤は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害物質、例えば、カルバメート、例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタムナトリウム、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、およびキシリルカルブなど;または有機リン酸系、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(-メチル、-エチル)、ブロモホス-エチル、ブロムフェンビンホス(-メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(-メチル/-エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン-S-メチル、ジメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピルアゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロピル、O-サリチレート、イソキサチオン、メラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレッド、オメトレート、オキシジメトン-メチル、パラチオン(-メチル/-エチル)、フェントエート、ホレート、ホスアロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(-メチル/エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キイナルホス、セブホス、スルホテップ、スルプロホス、テブプリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロールビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、およびイミシアホスを含む群から選択される。GABAゲート型クロリドチャネル拮抗薬など、例えば、有機塩素系、例えば、カンフェクロール、クロルダン、エンドスルファン、γ-HCH、HCH、ヘプタクロール、リンダン、およびメトキシクロールなど;またはフィプロール(フェニルピラゾール)、例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、およびバニリプロールなど。ナトリウムチャネル調節剤/電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、ピレスロイド、例えば、アクリナトリン、アレトリン(d-シス-トランス、d-トランス)、β-シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリンS-シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン、シス-シペルメトリン、シス-レスメトリン、シス-ペルメトリン、クロシトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α-、β-、θ-、ζ-)、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン(1R異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス、γ-シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、λ-シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス-、トランス-)、フェノトリン(1Rトランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンビュート、ピレスメトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、τ-フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(-1R-異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901、ピレトリン(ジョチュウギク)、エフルシラネート;DDT;またはメトキシクロールなど。ニコチン作動性アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬、例えば、クロロニコチニル、例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、イミダクロチズ、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、AKD-1022、ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ、チオスルタップナトリウム、およびチオシラムなど。アロステリックアセチルコリン受容体調節剤(作動薬)、例えば、スピノシン、例えば、スピノサドおよびスピネトラムなど。塩化物チャネル活性化薬、例えば、メクチン系/マクロライド系、例えば、アバメクチン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、レピメクチン、およびミルベメクチン;または幼若ホルモン様物質、例えば、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、エポフェノナン、トリプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、およびジオフェノランなど。未知または非特異的作用機構を有する活性成分、例えば、ガス発生剤、例えば、メチルブロミド、クロロピクリンおよびスルフリルフルオリド;選択的摂食抑制物質、例えば、クリオライト、ピメトロジン、ピリフルキナゾンおよびフロニカミド;またはダニ成長阻害物質、例えば、クロフェンテジン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾールなど。酸化的リン酸化阻害物質、ATP内分泌攪乱物質、例えば、ジアフェンチウロン;有機すず化合物、例えば、アゾシクロチン、シヘキサチンおよびフェンブタチンオキシド;またはプロパルギット、テトラジホンなど。
Hプロトン勾配を遮断することにより作用する酸化的リン酸化脱共役剤、例えば、クロルフェナピル、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップおよびDNOCなど。 昆虫腸管膜の微生物内分泌攪乱物質、例えば、Bacillus thuringiensis株など。 キチン生合成阻害物質、例えば、ベンゾイル尿素、例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロンまたはトリフルムロンなど。 エクジソン作動薬/内分泌攪乱物質、例えば、ジアシルヒドラジン、例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、およびJS-118;またはアザジラクチンなど。オクトパミン作動薬、例えば、アミトラズなど。部位(site)III電子輸送阻害物質/部位II電子輸送阻害物質、例えば、ヒドラメチルノン;アセキノシル;フルアクリピリム;またはシフルメトフェンおよびシエノピラフェンなど。電子輸送阻害物質、例えば、部位I電子輸送阻害物質(METIダニ駆除剤の群のもの)例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、およびロテノン;または電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、インドキサカルブおよびメタフルミゾンなど。脂肪酸生合成阻害物質、例えば、テトロン酸誘導体、例えば、スピロジクロフェンおよびスピロメシフェン;またはテトラミン酸誘導体、例えば、スピロテトラマトなど。作用機構が未知のニューロン阻害物質、例えば、ビフェナゼート。リアノジン受容体エフェクター、例えば、ジアミド、例えば、フルベンジアミド、(R),(S)-3-クロロ-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N2-(l-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミド、クロラントラニリプロール(リナキシピル)、またはシアジピルなど。作用機構が未知のさらなる活性成分、例えば、アミドフルメット、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロチアゾベン、シクロプレン、ジコホル、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンズイミン、フルフェネリム、フルテンジン、ゴシプルーレ、ジャポニルーレ、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフルラミド、テトラスル、トリアラテンまたはベルブチン;または下記の公知の活性化合物;
4-{[(6-ブロムピリド-3-イル)メチル](2-フルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115644により公知)の1つなど、4-{[(6-フルオルピリド-3-イル)メチル](2,2-ジフルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115644により公知)、4-{[(2-クロル-1,3-チアゾル-5-イル)メチル](2-フルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115644により公知)、4-{[(6-クロルピリド-3-イル)メチル](2-フルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115644により公知)、4-{[(6-クロルピリド-3-イル)メチル](2,2-ジフルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115644により公知)、4-{[(6-クロル-5-フルオルピリド-3-イル)メチル](メチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115643により公知)、4-{[(5,6-ジクロルピリド-3-イル)メチル](2-フルオルエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115646により公知)、4-{[(6-クロル-5-フルオルピリド-3-イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(WO 2007/115643により公知)、4-{[(6-クロルピリド-3-イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(EP-A-0 539 588により公知)、4-{[(6-クロルピリド-3-イル)メチル](メチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(EP-A-0 539 588により公知)、[(6-クロルピリジン-3-イル)メチル](メチル)オキシド-λ4-スルファニリデンシアナミド(WO 2007/149134により公知)、[1-(6-クロルピリジン-3-イル)エチル](メチル)オキシド-λ4-スルファニリデンシアナミド(WO 2007/149134により公知)ならびにそのジアステレオマー(A)および(B)
【化2】

(A)(B)
(WO 2007/149134によっても公知)、[(6-トリフルオルメチルピリジン-3-イル)メチル](メチル)オキシド-λ4-スルファニリデンシアナミド(WO 2007/095229により公知)、または[1-(6-トリフルオルメチルピリジン-3-イル)エチル](メチル)オキシド-λ4-スルファニリデンシアナミド(WO 2007/149134により公知)ならびにそのジアステレオマー(C)および(D)
【化3】

(C)(D)
(WO 2007/149134からも公知)。
【0044】
本発明の別の好ましい実施形態において、有機バイオサイドは、アセトアミドおよびアニリド系防かび剤、脂肪族窒素系防かび剤、芳香族防かび剤、チオカルバメート系防かび剤、オキサゾール系防かび剤、有機リン系防かび剤、フタルイミド系防かび剤、ストロビルリン系防かび剤、尿素誘導体系防かび剤、第4級アンモニウム系防腐剤化合物、第4級アンモニウム関連防腐剤化合物(グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレン-ビグアニド-ヒドロクロリド、オクテニジン二塩化物など)および/またはその混合物を含む群から選択される。
【0045】
本発明による特定の防かび剤は、核酸合成の阻害物質、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ブピリメート、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メフェノキサム、メタラキシル、メタラキシル-M、オフラセ、オキサジキシルおよびオキソリン酸を含む群から選択される。有糸分裂および細胞分裂の阻害物質、例えば、ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、プロフェノホス、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート、チオファネート-メチルおよびゾキサミドなど。呼吸の阻害物質、例えば、CI-呼吸阻害物質としてのジフルメトリム;ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フルオピラム、フラメトピル、フルメシクロックス、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、CII-呼吸阻害物質としてのチフルザミド;アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、CIII-呼吸阻害物質としてのトリフロキシストロビンなど。脱共役剤として作用し得る阻害物質化合物、例えば、ジノカップ、フルアジナムおよびメプチルジノカップなど。ATP生成の阻害物質、例えば、酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン、およびシルチオファムなど。アミノ酸および/またはタンパク質生合成の阻害物質、例えば、アンドプリム、ブラストサイジン-S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリムおよびピリメタニルなど。シグナル伝達の阻害物質、例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニルおよびキノキシフェンなど。脂質および膜の合成の阻害物質、例えば、ビフェニル、クロゾリネート、エジフェンホス、エトリジアゾール、ヨードカルブ、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、ピラゾホス、トルクロホス-メチルおよびビンクロゾリンなど。エルゴステロール生合成の阻害物質、例えば、アルジモルフ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、イマザリル硫酸塩、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ヌアリモール、オキソポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピペラリン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、キンコナゾール、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ビニコナゾールおよびボリコナゾールなど。細胞壁合成の阻害物質、例えば、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA、およびバリフェナルなど。メラニン生合成の阻害物質、例えば、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロンおよびトリシクラゾールなど。宿主防御を誘導し得る化合物、例えば、アシベンゾラル-S-メチルプロベナゾール、およびチアジニルなど。多部位に作用を有し得る化合物、例えば、ボルドー混合物、カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅ナフテネート、酸化銅、銅オキシクロリド、銅調製物、例えば、水酸化銅、硫酸銅、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フェルバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジン-アルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、メチラム亜鉛、オキシン銅、プロピネブ、イオウおよびイオウ調製物、例えば、ポリ硫化カルシウム、チラム、トリルフルアニド、ジネブおよびジラムを含む、など。さらなる化合物、例えば、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(9R)-9-(1-メチルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(9S)-9-(1-メチルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4'-(3,3-ジメチルブト-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-クロロ-N-(4'-プロプ-1-イン-1-イルビフェニル-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド、2-クロロ-N-[4'-(3,3-ジメチルブト-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミド、5-フルオロ-1,3-ジメチル-N-(4'-プロプ-1-イン-1-イルビフェニル-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[4'-(3,3-ジメチルブト-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(4'-プロプ-1-イン-1-イルビフェニル-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4'-(3-メトキシ-3-メチルブト-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3-tert-ブチル-2-エテニルフェニル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、l-メチル-N-[9-(1-メチルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(4'-クロロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[9-(ジクロロメチリデン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[4'-(3-シアノ-3-メチルブト-1-イン-1-イル)ビフェニル-2-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、rel-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1R,4S)-4-(1-メチルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[9-(ジブロモメチリデン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、rel-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1R,4S)-9-メチリデン-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、rel-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1R,4S)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[9-(ジフルオロメチリデン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-{2-[1,1'-ビ(シクロプロピル)-2-イル]フェニル}-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(2E)-2-(2-{[6-(3-クロロ-2-メチルフェノキシ)-5-フルオロピリミジン-4-イル]オキシ}フェニル)-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、2-クロロ-N-(1,1,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド、N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-(ホルミルアミノ)-2-ヒドロキシベンズアミド、5-メトキシ-2-メチル-4-(2-{[({(1E)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾル-3-オン、(2E)-2-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-(2-{[({(1E)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)エタンアミド、(2E)-2-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-{2-[(E)-({1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}イミノ)メチル]フェニル}エタンアミド、(2E)-2-{2-[({[(1E)-1-(3-{[(E)-1-フルオロ-2-フェニルエテニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、1-(4-クロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾル-1-イル)シクロヘプタノール、メチル1-(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート、N-エチル-N-メチル-N'-{2-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、N-エチル-N-メチル-N'-{2-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、N'-{5-(ジフルオロメチル)-2-メチル-4-[3-(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}-N-エチル-N-メチルイミドホルムアミド、O-{1-[(4-メトキシフェノキシ)メチル]-2,2-ジメチルプロピル}1H-イミダゾール-1-カルボチオエート、N-[2-(4-{[3-(4-クロロフェニル)プロプ-2-イン-1-イル]オキシ}-3-メトキシフェニル)エチル]-N2-(メチルスルホニル)バリンアミド、5-クロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-N-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン、5-クロロ-N-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、プロパモカルブ-ホセチル、(2E)-2-{2-[({[(1E)-1-(3-{[(E)-1-フルオロ-2-フェニルエテニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}-2-(メトキシイミノ)-N-メチルエタンアミド、1-[(4-メトキシフェノキシ)メチル]-2,2-ジメチルプロピル1H-イミダゾール-1-カルボキシレート、1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジン、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-クロメン-4-オン、2-フェニルフェノールおよび塩、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3,4,5-トリクロロピリジン-2,6-ジカルボニトリル、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン、3-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチルピリダジン、4-(4-クロロフェニル)-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-3,6-ジメチルピリダジン、キノリン-8-オール、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン、カルボン、キノメチオネート、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコート-メチルスルフェート、ジフェニラミン、エコメート、フェリムゾン、フルメトベル、フルオピコリド、フルオロイミド、フルスルファミド、ホセチル-アルミニウム、ホセチル-カルシウム、ホセチルナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン、イソチアニル、メタスルホカルブ、メチル(2E)-2-{2-[({シクロプロピル[(4-メトキシフェニル)イミノ]メチル}チオ)メチル]フェニル}-3-メトキシアクリレート、メチルイソチオシアネート、メトラフェノン、ミルドマイシン、N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド、N-(4-クロロベンジル)-3-[3-メトキ
シ-4-(プロップ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N-[(4-クロロフェニル)(シアノ)メチル]-3-[3-メトキシ-4-(プロップ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N-[(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2,4-ジクロロピリジン-3-カルボキサミド、N-[1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル]-2,4-ジクロロピリジン-3-カルボキサミド、N-[ 1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル]-2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-カルボキサミド、N-{(Z)-[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチル}-2-フェニルアセトアミド、N-{(E)-[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチル}-2-フェニルアセトアミド、ナタマイシン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール-イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ、オキシフェンチイン、ペンタクロロフェノールおよび塩、リン酸およびその塩、プロパモカルボ-ホセチレート、プロパノシンナトリウム、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、S-プロプ-2-エン-1-イル5-アミノ-2-(1-メチルエチル)-4-(2-メチルフェニル)-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-カルボチオエート、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、5-クロロ-N'-フェニル-N'-プロプ-2-イン-1-イルチオフェン-2-スルホノヒドラジドならびにザリラミド、8-ヒドロキシキノリン-スルフェート、2,3-ジブチル-6-クロロ-チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)オン、クロロネブ、プロチオカルブ、ビナパクリル、およびシプロスルファミドなど。
【0046】
一般名は、国際標準化機構(ISO)または化学名に従い、適宜、その化合物の慣用コード番号とともに使用されているものであり、常に、酸、塩、エステルまたは異性体(立体異性体および光学異性体など)などの修飾体などの、あらゆる適用可能な形態を含む。
【0047】
本発明のバイオサイド活性成分は、さらに不斉炭素を有し、したがって光学異性体を包含するものであり得る。また、本発明に従って使用され得るバイオサイド活性成分は、種々の多形形態で存在していてもよく、種々の多形形態の混合物として存在していてもよい。純粋な多形も多形混合物も共に、本発明に好適である。
【0048】
本発明による好適なバイオサイド活性成分は、1種類以上のさらなるバイオサイド活性成分、化合物または共力剤とともに配合および/または適用されてもよい。かかる組合せにより、一定の利点、例えば限定されないが、さらに大きな、昆虫害虫防除のための相乗効果の発揮、殺虫剤の適用度合いの低減、それによる環境および作業者の安全に対する影響(あれば)の最小限化、より広範な種類の昆虫害虫に対する防除、植物毒性に対する作物植物の安全対策、ならびに非害虫種(哺乳動物および魚類)による耐容性の向上などがもたらされ得る。さらなる化合物としては、限定されないが、他の農薬、植物生育調節剤、肥料、土壌改良剤、または他の農業用化学薬品が挙げられる。共力剤は、バイオサイド活性成分の作用を増大させる化合物であり、これがない場合は、添加された共力性薬剤それ自体が活性である必要がある。
【0049】
本発明による好適な一部のバイオサイド活性成分は、植物、衛生および保存作物の害虫に対してだけでなく、獣医薬部門において、動物寄生虫(外部および内部寄生虫)、例えば、マダニ、軟ダニ、疥癬(mange)ダニ、葉ダニ、ハエ(刺咬性および舐食性)、寄生性のハエ幼虫、シラミ、毛ジラミ、羽ジラミおよびノミなどに対しても作用する。
【0050】
また、本発明による好適な一部のバイオサイド活性成分は、工業用材料を破壊する昆虫に対して強力な殺虫作用を有するものである。本発明に関する工業用材料とは、非生体構成材料、例えば、好ましくは、プラスチック、接着剤、陶砂、紙およびボール紙、皮革、木材および加工木材製品ならびにコート組成物などを意味すると理解されたい。
【0051】
別の好ましい実施形態において、本発明の複合材料は、基材ポリマーを破壊する昆虫の殺虫作用に対して効率的な少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を含むものである。
【0052】
本発明による好適なバイオサイド活性成分は、同様に、海水または汽水と接触させる複合材料(船体、スクリーン、ネット、建造物、係留設備および信号発信システムなど)を
汚染から保護するために使用され得る。
【0053】
さらに、本発明による好適な一部のバイオサイド活性成分は、単独または他の活性化合物と組合せて防汚剤として使用され得る。
【0054】
最も好ましくは、本発明のバイオサイド活性成分は、室温で非液状非油性の揮発性の低い物質であり、そのため、固形であり得るか、または固形形態の物質として配合され得る物質である。かかる物質を選択することにより、ポリマー複合材料の放出制御可能性および保存安定性が向上する。特に、バイオサイド活性成分としての精油は、バイオサイドが浸出することなくポリマー基剤化合物中またはコート層内で安定な分散をもたらすことが困難なため、回避すべきである。さらに、ポリマー複合材料の機械的安定性は、高揮発性の液体または物質が組み込まれた場合、気泡混入などのために作製過程において低下することがあり得る。
【0055】
本発明による基材ポリマー化合物は、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロリド、ポリオレフィン(ポリエチレン(例えば、LDPE、HDPEなど)およびポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアミドならびにポリウレタンからなる群より選択され得、任意選択で、一般に使用されている色素、UV安定剤、UV吸収剤、IR吸収剤および光拡散剤が含まれていてもよい。これらの材料は、屋外曝露に対して必要とされる抵抗性を示し、可撓性フィルムならびに非可撓性成型物品(トレイおよびポットなど)の形態で使用され得るものである。
【0056】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、コート層は、コート層の所与の面積あたり少なくとも100%の水分取り込み率を有する。そのため、標的の害虫または雑草に対する拡散および/または浸透による有機バイオサイドの有効な放出に必要とされる可動性をもたらすことことが可能である。
【0057】
好ましくは、コート層は、超吸収体ポリマーコート材料を主成分とするものである。そのため、屋外曝露の間の水分取り込み率および水分減損の時限化が調整され得る。
【0058】
本発明のさらに好ましい実施形態において、基材ポリマーは、基材ポリマーに対するコート層(1つまたは複数)の付着を増強するためにコロナ処理される。
【0059】
添加剤(1種類または複数種)、バインダー(1種類または複数種)および少なくとも1種類のバイオサイドは、基材ポリマーの任意のコート層内に組み込まれ得る。本発明の特に好ましい実施形態は、バインダー(好ましくは超吸収体)を有する少なくとも1つのコート層と、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を有する少なくとも1つのコート層とを備えたコロナ処理基材ポリマーである。好ましい実施形態において、基材ポリマーは、さらに、添加剤(好ましくは硬化剤(流動停止のため))を有する少なくとも1つのコート層を備えている。別の好ましい実施形態において、これらのコート層の少なくとも1つは、さらにゼラチンを含む。本発明のより好ましい実施形態では、3つの層すべてがさらにゼラチンを含む。
【0060】
好ましくは、バインダー(1種類または複数種)、好ましくは超吸収体と、好ましくはゼラチンも有するコート層全体の厚さは1〜100μm、好ましくは5〜40μm、特に好ましくは10〜30μmである。コート層全体は、バインダー(1種類または複数種)、好ましくは超吸収体と、好ましくはゼラチンもを含むいくつかの層を、例えば、カスケードまたはカーテン流延によりコートすることによって作製され得る。少なくとも1種類のバイオサイド活性成分と好ましくはゼラチンも有するコート層全体の厚さは0.5〜5μm、好ましくは1〜4μm、特に好ましくは2〜3μmである。バイオサイド(1種類または複数種)と好ましくはゼラチンも有するコート層全体は、同じまたは異なるバイオサイド(1種類または複数種)と好ましくはゼラチンも有するいくつかの層を、例えば、カスケードまたはカーテン流延によりコートすることによって作製され得る。添加剤、好ましくは硬化剤を有するコート層全体の厚さは0.2〜5μm、好ましくは、0.5〜4μm、さらにより好ましくは、2〜3μmである。添加剤、好ましくは硬化剤と好ましくはゼラチンも有するコート層全体は、硬化剤と好ましくはゼラチンを有するいくつかの層を、例えば、カスケードまたはカーテン流延によりコートすることによって作製され得る。
【0061】
基材ポリマーは、10〜250μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜120μm、さらにより好ましくは20〜50μmの厚さを有する。
【0062】
本発明の別の好ましい実施形態において、基材ポリマーは、好ましくは両側がコロナ処理されており、両側に、バインダー(1種類または複数種)、好ましくは超吸収体を有する少なくとも1つのコート層と、少なくとも1種類のバイオサイドを有する少なくとも1つのコート層とを備えた少なくとも2つの層を有するものである。好ましい実施形態において、基材ポリマーは、さらに、添加剤、好ましくは硬化剤(流動停止のため)を有する少なくとも1つのコート層を備えている。別の好ましい実施形態において、これらのコート層の少なくとも1つは、さらにゼラチンを含む。本発明のより好ましい実施形態では、すべての層がさらにゼラチンを含む。
【0063】
本発明の別の実施形態において、ポリマー複合材料は、少なくとも12ヶ月の日光および天候に対する屋外曝露に耐え得るものである。これは、コート層が存在するか否かに依存しない。かかる最低限の抵抗性を有することにより該ポリマー化合物は、農業において、例えば、燻蒸用もしくはマルチフィルムまたは種苗栽培用の再使用可能なトレイ(苗床用トレイ)として意図される用途の要件を必ず満たすものとなる。
【0064】
同様に、ポリマー複合材料は、生物分解性または水溶性でないのがよい。ポリマー複合材料の機能は、例えば、植物が田畑で生育中にバイオサイドポリマー複合材料の保護下にあり、雑草、害虫または真菌が植物に害を与えることができないように長期間にわたって使用可能であるのがよい。さらに、フィルムおよびトレイなどの意図される用途の物品は、長期間にわたって使用可能であるのがよく、例えば、1サイクルの種まき期と収穫期で分解するものでないのがよい。特に、フィルムの機械的安定性は、好ましくは、フィルムは田畑から撤収可能および再使用可能であるのがよいため、高度に維持されているのがよい。
【0065】
当業者に広く知られたさらなる色素、添加剤および充填剤が使用され得ることは、本発明のポリマー複合材料の範囲に含まれる。
【0066】
本発明の別の主題は、
・少なくとも1種類の基材ポリマー化合物と、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を、該バイオサイド活性成分が分子分散体の形態で組み込まれるように混合する工程
・押出しまたはブロー成形による成型および/またはフィルム形成によって所望の形状のポリマー複合材料を形成する工程
を含む、本発明によるポリマー複合材料の作製方法である。
【0067】
プラスチックをバイオサイド活性成分と混合するために使用される基本的な方法には4種類:乾式混合機、バッチ混合機、連続混合機、およびスクリュー押出機がある。方法の選択は、材料の状態、必要とされる最終製品の容積、および剪断応力とポリマー融解温度に対するバイオサイド活性成分の感受性によって決定される。配合プロセスには2つの段階:(1)材料の混合および(2)成型および/またはフィルム形成による混合物のペレット、シート、ロッドまたはさらなる加工処理のための塊状体への成形が含まれる。
【0068】
したがって、本発明は、バイオサイド活性成分がポリマー複合材料内に分子分散体の形態で組み込まれたポリマー複合材料を含む。
【0069】
あるいはまた、本発明によるポリマー複合材料は、
・ 少なくとも1種類のコート用化合物と少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を、該バイオサイド活性成分が分子分散体の形態に組み込まれるように混合する工程
・基材ポリマー化合物を上記の混合物でコートし、この混合物を硬化させてコート層を得る工程
を含む作製方法によっても作製され得る。
【0070】
したがって、本発明は、バイオサイド活性成分がコート層内に組み込まれたポリマー複合材料を含む。
【0071】
用語「コート用化合物」は、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を基材ポリマー上に組み込むために使用され得る可能な任意の化合物(1種類または複数種)をいう。本発明による特に有用なコート用化合物は、超吸収体および/またはゼラチンなどのバインダーである。本発明の好ましい実施形態において、バインダー、好ましくは超吸収体およびゼラチンおよび硬化剤がコート用化合物として使用される。さらに好ましい実施形態において、「コート用化合物」は担体液も包含する。
【0072】
コート用化合物は、基材ポリマーで構成された加工中の製品に、さまざまな様式で適用され得る。コート用化合物をパーツ全体に噴霧してもよく、パーツをコート材料の槽内に浸漬させてもよい。他の方法としては、コートを有するパーツのシャワーリング、または大型円筒間でのパーツの圧延によるコートへの展着が挙げられる。
【0073】
カスケード流延またはカーテン流延により、ポリマー複合材料上への多数の層の適用、また、異なる厚さの適用が1つの作業工程で好都合に可能となる。
【0074】
コート層の適用は、好ましくは、カーテンコートによって行なわれる。カーテンコート法は、写真フィルムおよび紙の分野でよく知られており、本発明のコートに好都合に適用され得る。本発明のポリマー複合材料を作製するために使用され得るカーテンコート手順の改善された方法としては、EP1023949 A1、EP938935 A2、US5,906,865、DE19500402、およびEP275015 B1に記載されたものなどの手順が挙げられ、したがって引用により本明細書に組み込まれる。
【0075】
カーテンコートのプロセスでは、巻き取られた(web)基材のフィルムまたは紙を、輸送デバイスによってコートゾーン内を連続的に移動させ、それにより、自由落下している液状カーテンによって1つ以上の層が全体または一部分のいずれかでコートされる。
【0076】
写真業界では、このプロセスは、例えば、感光性コートおよび非感光性コートを適用するために使用される。このようなコートは、ほとんどの場合、コート水溶液により形成された多数の層を備えており、該水溶液は、基材上に液体の状態で層状複合体としてコートされる。カーテンコートプロセスにおけるカーテンの幅は、基材よりも広くても狭くてもよい。写真適用のための基材は、ほとんどの場合、巻き取られた合成フィルムまたは紙である。コート速度は、例えば、基材の材質と厚さ、ならびに液状カーテンの厚さおよび粘度により異なり得る。いわゆる高速コート速度の適用では、写真用コート液は、250メートル/分より速い基材速度で適用され得る。次いで、コートされた基材を乾燥デバイス内に通し、ここでコート液を乾燥させる。この巻き取られた乾燥フィルムを巻き上げる。この時点で、巻き取られた部分の周縁部は乾燥状態であるか、あるいは該ロール体の個々の層が接着されていなければならない。
【0077】
少なくとも1種類のバイオサイド、バインダー(1種類または複数種)、担体液および任意選択で添加剤を含む少なくとも1つのコート層を有する基材ポリマー化合物のカーテンコートによって本発明のポリマー複合材料を作製できるという利点により、作製の高速化、および低コストバルクの作製が達成され得る。
【0078】
好ましい実施形態において、バインダー、好ましくは超吸収体および担体液を含む第1コートと、少なくとも1種類のバイオサイドおよび担体液を含む第2コートを有し、好ましくはコロナ処理された基材ポリマーにおいてカーテンコートが行なわれる。別の好ましい実施形態において、バインダーを含む第1コートは、さらにゼラチンを含む、および/または少なくとも1種類のバイオサイドを含む第2コートはゼラチンを含む。さらに好ましい実施形態において、添加剤としての硬化剤は、複数あるコートの1つに対するカーテンコートの直前に添加される。さらに好ましいカーテンコート方法は、添加剤としての硬化剤と担体液とを含む第3コートで行なわれる。別の好ましい実施形態において、第3コートは、ゼラチンと、担体液と添加剤としての硬化剤とを含み、硬化剤はゼラチンに添加され、担体液はカーテンコートの直前に添加される。
【0079】
好ましくは、本発明による方法はいずれも、基材ポリマー化合物の両側を、各々が少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を含む異なる混合物でコートする、さらなる工程を含む。そのため、例えば、一方が土壌の消毒用または植物の根の保護用のものであり、他方が農作業地表面に対する農薬および/または防かび剤であるといった異なるバイオサイド活性成分を組み込むことが可能である。
【0080】
既に上記に簡単に述べたように、本発明によるポリマー複合材料または本発明による方法によって得られる製造品は、好ましくは、農業および/または園芸において使用され得る。
【0081】
特に、マルチフィルム、燻蒸用フィルム、または繁殖用フィルムとしての使用が好ましい。
【0082】
あるいはまた、本発明によるポリマー複合材料または本発明による方法によって得られる製造品は、繁殖用ポット 苗床用トレイおよび/または収穫用トレイとして使用され得る。
【0083】
また、本発明は、本明細書において論考したポリマー複合材料を含むマルチフィルム、燻蒸用フィルム、繁殖用フィルム、繁殖用ポット、苗床用トレイおよび/または収穫用トレイに関する。
【実施例】
【0084】
実施例1:繁殖用フィルムの製造
ポリエチレンフィルムに以下のさらなる層をコートした繁殖用フィルムを、カーテン流延機を用いることにより製造した。
【0085】
フィルムl :
基材:コロナ処理された100μm厚の低密度ポリエチレン(LDPE)ポリエチレンフィルム
第1層:9.36g/m2の超吸収体S1(フレキシブル吸水性バインダー:20〜40 wt %のポリアクリル酸ナトリウム(CAS-No.:9003-04-7)、2〜5 wt %のポリエチレングリコール(CAS-No.:25322-68-3)、水(CAS-No.:7732-18-5)で構成されたもの(53.40gの水に溶解)
第2層:9.36g/m2の超吸収体S1(53.40gの水に溶解)
第3層:9.36g/m2の超吸収体S1(53.40gの水に溶解)
第4層:9.36g/m2の超吸収体S1(53.40gの水に溶解)
【0086】
フィルム2:
基材:コロナ処理された100μm厚の低密度ポリエチレン(LDPE)ポリエチレンフィルム
第1層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(53.40gの水に溶解)
第2層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(53.40gの水に溶解)
第3層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(53.40gの水に溶解)
第4層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(53.40gの水に溶解)
第5層:2.34g/m2のゼラチン(27.53gの水に溶解)
第6層:1.20g/m2のゼラチン
1.33g/m2の硬化剤H1(ホルムアルデヒド、濃度:水中10%;コート量はゼラチン1gあたり硬化剤H1を0.086g)。ゼラチンおよび硬化剤は、カーテンコートの直前に28.20gの水と予備混合する
【0087】
フィルム3:
基材:コロナ処理された100μm厚の低密度ポリエチレン(LDPE)ポリエチレンフィルム
第1層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(26.70gの水に溶解)
第2層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(26.70gの水に溶解)
第3層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(26.70gの水に溶解)
第4層:9.36g/m2の超吸収体S1および3.12g/m2のゼラチン(26.70gの水に溶解)
第5層:2.34g/m2のゼラチン(27.53gの水に溶解)
第6層:1.2g/m2のゼラチン、1.33g/m2の硬化剤H1を、カーテンコートの直前に28.20gの水と予備混合する。
【0088】
コート後、フィルムを乾燥させた。
【0089】
実施例2:フィルムの機械的安定性
次いで、実施例1により作製したフィルムを、蒸留水中に10分間浸漬させた。続いて、過剰の水を廃棄し、機械的安定性を、浸漬させた層を流動温水で洗い流すことによって試験した。超吸収体S1層はフィルム1のポリエチレン層から溶出したが、フィルム2および3のさらなる層はポリエチレン層から溶出しない。
【0090】
実施例3:バイオサイドを含む燻蒸用フィルムの製造
実施例1に記載のものと同様の方法に従い、以下の最終乾燥後コート厚を有する以下の6種類の燻蒸用フィルムを製造した。
【0091】
基材:コロナ処理された100μm厚の高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム
第1層:6μmの超吸収体バインダー
第2層:6μmの超吸収体バインダー
第3層:6μmの超吸収体バインダー
第4層:6μmの超吸収体バインダー
第5層:除草剤を含む3μmのゼラチン
第6層:3μmの硬化ゼラチン
【0092】
その後、種々の除草剤:プラセボ(フィルム1)、アクロニフェン(150mg/m2;フィルム2)、エトキシスルフロン(6mg/m2;フィルム3)、イソキサフルトール(10mg/m2;フィルム4)、ベンフレセート(150mg/m2;フィルム5)、グリホサート(200mg/m2、フィルム6)、ハロスルフロンメチル(5mg/m2、フィルム7)を第5層内に導入した。
【0093】
実施例4:バイオサイドを含む燻蒸用フィルムの製造
低密度ポリエチレンを、7wt%の市販の安定剤LDPEマスターバッチ(二酸化チタン顔料とHALS UV安定剤、例えば、PLASTWITTE PE 7344(Cabot(ドイツ)製)を有する)および指定量の選択された除草剤と乾式ブレンドし、押出成形し、細断して成型ペレットを形成した。この成型ペレットを標準的なブロー成形装置内に入れ、該熱可塑性組成物を、慣用的な手順に従い、選択された除草剤の分解温度および/または沸点に応じて160〜240℃の温度でフィルム状にブロー成形した。試験ではすべて、均一な表面積および100μmの均一な厚さの種々のフィルムの試料片を使用した。
【0094】
除草剤を含まないフィルム(フィルム8)、およびエトキシスルフロンを含むフィルム(6mg/m2;フィルム9)およびベンフレセートを含むフィルム(150mg/m2;フィルム10)は、上記の混合物からブロー成形し、試験した。
【0095】
表1は、例8、9および10によるフィルムの物理的性質を示す。
【0096】
【表1】

【0097】
実施例5:雑草防除の改善
重要な問題の雑草CYPES(Yellow Nut Sedge,Cyperus esculenrus)、およびCONAR(Field Bindweed,Convolvulus arvensis)を含む一連の雑草を入れた土壌を詰めたトレイを、実施例4に従って製造された燻蒸用プラスチックフィルム(バイオサイドを含む)を有する試験用温室で使用した。
【0098】
土壌をプラスチックトレイに全容積のほぼ4分の3まで詰め、次いで土壌を軽く押し込んだ。次いで、等量の雑草CYPESとCONARの種子をいくつかの組のこのようなトレイ上に播種し、次いで、トレイが完全にいっぱいになるまで種子を土壌で覆った。次いで、これらの充填トレイを種々の燻蒸用プラスチックフィルムで覆い、対照として、未処理のプラセボプラスチックフィルムで覆った。軽量の錘をこのプラスチックフィルム上に置き、雑草の生育によってフィルムが押し上げられたり、外れることがないことを確実にした。
【0099】
充填被覆トレイを12時間日中および12時間夜間の管理体制で温室内に置いた。日中温度は24℃で相対湿度は60%であり、夜間の温度は16℃で相対湿度は同様に60%であった。照度は60,000ルクスまでである。植物を毎日越流灌漑(下方からの水まき)によって灌漑し、植物の良好な生育が確保され得るようにした。植物の生育を、プラスチックフィルムで覆わなかった各雑草種の2つの代表によってモニタリングした。
【0100】
4週間後、錘とプラスチックフィルムを除き、雑草防除の視覚的評価を行なった。処理したプラスチックフィルムで覆ったトレイを、未処理のプラスチックフィルムで覆ったトレイと比較した。各処理群の2つの代表の平均を求め、これを以下の表2に示す。示した値の単位はパーセントであり、0=有効性なし;100=完全に死滅である。
【0101】
【表2】

【0102】
バイオサイドを含むフィルムはすべて、少なくとも4週間の期間にわたり、両方の雑草に対して中程度ないし強力な阻害を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の基材ポリマー化合物と、少なくとも1種類のバイオサイド活性成分とを含むバイオサイド機能性を有するポリマー複合材料であって、該バイオサイド活性成分が、拡散および/または浸透によって該ポリマー複合材料から放出され得る有機バイオサイドである、ポリマー複合材料。
【請求項2】
該バイオサイド活性成分が分子分散体の形態で組み込まれた、請求項1に記載のポリマー複合材料。
【請求項3】
ポリマー複合材料が少なくとも1つのコート層を有する少なくとも1種類の基材ポリマー化合物を含み、少なくとも1つのコート層が少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を含む、請求項1に記載のポリマー複合材料。
【請求項4】
少なくとも1種類の基材ポリマー化合物が異なるコート層を備えており、そのいくつかの層が同じバイオサイド活性成分または異なるバイオサイド活性成分を含む、請求項3に記載のポリマー複合材料。
【請求項5】
有機バイオサイドが、農薬、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、防かび剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤、殺鼠剤、殺菌剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、防腐剤、抗原虫剤、抗寄生虫剤、防腐剤、消毒剤および/またはその混合物からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項6】
該コート層が、コート層の所与の面積あたり少なくとも100%の水分取り込み率を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項7】
少なくとも1つのコート層が、少なくとも1種類のバインダーを;好ましくは、架橋性であり、架橋後、水分を吸収してゲルを形成することができるバインダー;より好ましくは、自重の少なくとも約15倍、より好ましくは25倍の0.9wt%の塩化ナトリウム水溶液を吸収することができるバインダー;さらにより好ましくは超吸収体、最も好ましくはポリアクリレートを含む、請求項3〜6のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項8】
少なくとも1つのコート層がゼラチンを含む、請求項3〜7のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項9】
少なくとも1つのコート層が、少なくとも1種類の添加剤、好ましくは硬化剤、より好ましくはホルムアルデヒドを含む、請求項3〜8のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項10】
少なくとも1つのコート層が、少なくとも1種類の担体液、好ましくは有機溶媒および/または水、より好ましくは水を含む、請求項3〜9のいずれかに記載のポリマー複合材料。
【請求項11】
− 少なくとも1種類の基材ポリマー化合物と少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を、該バイオサイド活性成分が分子分散体の形態で組み込まれるように混合する工程、
− 成型および/またはフィルム形成により、所望の形状のポリマー複合材料を形成する工程
を特徴とする、請求項1、2、5および6のいずれかに記載のポリマー複合材料の製造方法。
【請求項12】
− 少なくとも1種類のコート用化合物と少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を、該バイオサイド活性成分が分子分散体の形態で組み込まれるように混合する工程、
− 基材ポリマー化合物を前記混合物でコートし、該混合物を硬化させてコート層を得る工程
を特徴とする、請求項1、3、4、5、6、7、8、9および10のいずれかに記載のポリマー複合材料の製造方法。
【請求項13】
さらに、基材ポリマー化合物の両側を、各々が少なくとも1種類のバイオサイド活性成分を含む異なる混合物でコートする工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれかに記載のポリマー複合材料、または請求項11〜13のいずれかに記載の方法によって得られる製造品の、農業および/または園芸における使用。
【請求項15】
マルチフィルム、燻蒸用フィルム、繁殖用フィルム、繁殖用ポット、苗床用トレイおよび/または収穫用トレイとしての、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれかに記載のポリマー複合材料を含む、マルチフィルム、燻蒸用フィルム、繁殖用フィルム、繁殖用ポット、苗床用トレイおよび/または収穫用トレイ。

【公表番号】特表2010−533780(P2010−533780A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517288(P2010−517288)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005577
【国際公開番号】WO2009/012887
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(504142961)バイエル・イノヴェイション・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (22)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Innovation GmbH
【Fターム(参考)】