説明

バイタルサインモニタを設定しセットアップするためのバーコードメニューの使用

ヘルスケア環境12において複数の患者モニタを設定する場合、バーコードスキャナ14を使用してモニタ12にスキャンインされるバーコード化された設定情報を用いることによって、設定が簡素化され、セットアップ時間が短縮される。第1のモニタ12aは、設定ブックレットに含まれる1又は複数のバーコードを選択的にスキャンすることによって、設定される。第1のモニタ12aが設定されると、その設定情報は、バーコード化された形で記憶され、印刷される。ユーザが設定バーコードブックレットを2度ナビゲートする必要なく、印刷されたバーコードが、第2の患者モニタ12bにスキャンインされる。加えて、患者のIDバーコードは、モニタによって、例えばストリップチャート記録器又はプリンタ20によって、生成されるバイタルサイン記録上に印刷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、特にバイタルサインモニタを含む患者ヘルスケアシステムに特定の用途を見い出す。しかしながら、記述される技法が、他のタイプのモニタ又は装置、他の監視シナリオ又は他の装置設定技法にも用途を見い出すことができることが分かるであろう。
【背景技術】
【0002】
医療機器の使いやすさは、臨床医にとって高いプライオリティである。医療機器を購入する施設は、所望の動作及び/又は機能を容易にし及び/又は適応させるために、モニタ設定をカスタマイズすることを望むものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、セットアップは、購入された機器の複数の部分について繰り返される必要がある。更に、新しい米国CMS/HIPPA規則及び他のワールドワイドな患者情報セキュリティ規則によって、医療機器製造業者は、患者の情報を保護する方法を工夫する必要がある。これは、特にハードコピー出力に当てはまる。
【0004】
ヘルスケア環境においては、患者の疾患の診断及び管理を容易にするために、患者状態の記録を保持することが望ましく、多くの場合避けられない。例えば、患者ID情報は、X線、患者モニタ印刷出力等のハードコピー文書に添えられることが多い。しかしながら、患者ID情報を添えるための通常の方法は、多くの場合、文書に単に患者の名前を付与することを含み、これは、患者を覗き見から保護しない。上述した問題その他を克服するシステム及び方法のための技術の満たされていないニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの見地によれば、複数の患者モニタを設定するシステムは、第1のバイタルサインモニタと、設定情報を含む設定バーコードを読み取り、第1のバイタルサインモニタに設定情報を提供する第1のバーコードスキャナと、を有する。システムは更に、第1のバイタルサインモニタの設定に関連する情報を含む設定バーコードの印刷出力を生成するプリンタを有する。
【0006】
別の見地によれば、複数のバイタルサインモニタを設定する方法は、第1のバイタルサインモニタを設定するステップと、設定が終了すると、第1のバイタルサインモニタに設定情報を記憶するステップと、1又は複数のバーコードの形で、記憶された設定情報を印刷するステップと、を含む。方法は更に、第2のバイタルサインモニタに結合された第2のバーコードスキャナを用いて印刷されたバーコードをスキャンすることによって、第2のバイタルサインモニタを設定するステップを含む。
【0007】
別の見地は、複数の患者監視装置を設定することを容易にするシステムであって、第1の患者監視装置を設定する手段と、設定情報を記憶する手段と、設定情報を含むバーコードを印刷する手段と、を有する。システムは更に、印刷されたバーコードをスキャンすることによって、第2の患者監視装置を設定する手段を有する。
【0008】
別の見地は、複数のバイタルサイン読み取り値の各々を受け取る複数の入力部と、受け取られたバイタルサイン読み取り値を記録するメモリと、ユーザ入力装置と、バーコードリーダと、を有する患者モニタに関する。モニタは更に、選択されたバイタルサイン及び選択されたバイタルサインのうち少なくともいくつかに関する閾値を受け取るようにモニタを設定する設定プロセッサであって、バーコードリーダ及びユーザインタフェースと接続され、そこから設定指示を受け取る設定プロセッサと、設定プロセッサと接続され、他のモニタのための設定指示をバーコード形式で印刷するバーコードプリンタと、を有する。
【0009】
1つの利点は、複数のモニタの設定時間を短縮することにある。
【0010】
別の利点は、モニタに設定情報を入力する際に生じうる人的エラーを軽減することにある。
【0011】
本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を読み理解することにより当業者によって理解されるであろう。
【0012】
本発明は、さまざまな構成要素及び構成要素の取り合わせ並びにさまざまなステップ及びステップの取り合わせの形をとりうる。図面は、さまざまな見地を説明する目的のためだけにあり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願明細書に記述される1又は複数の実施例により、モニタ設定を簡素化し患者のプライバシーを改善するために、バーコードを読み取るバーコードスキャナを使用して、複数の患者モニタを設定するシステムを示す図。
【図2】本願明細書に提示されるさまざまな見地により、モニタからのハードコピー出力に患者IDバーコードを印刷するために使用されるシステムを示す図。
【図3】システムを動作させる方法を示す図。
【図4】1又は複数の特徴により、バーコード化された設定情報を使用して、ヘルスケア環境における複数の監視装置を設定する方法を示す図。
【図5】上述されるシステム及び/又は方法と関連して用いられることができるバイタルサインモニタを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本願明細書に記述される1又は複数の実施例により、モニタ設定を簡素化し患者のプライバシーを改善するために、バーコードを読み取るバーコードスキャナ14を使用して複数の患者モニタ12を設定するシステム10を示している。ベッドサイド患者モニタは、多くの場合、患者リストバンド、医薬等のバーコードを読み取るバーコードリーダを有する。病院等のヘルスケア提供者は、数十のベッドサイドモニタを購入し、同じセッティングを有するようにそれらすべてを設定したいと思う。今日、ベッドサイドモニタは、例えば心電図(EKG)チャネルの数、表示の言語、アラームレベル、監視されるべき患者パラメータ等の何百ものオプションを含む。モニタは、ポップアップウィンドウを有するビデオスクリーンを有し、人は、ポップアップウィンドウを通じて、これらのさまざまなオプションを選択することができる。しかしながら、何百ものオプションからの選択は、時間がかかりうる。
【0015】
複数の装置の面倒な時間のかかる設定を軽減するために、モニタがバーコードから設定セッティングを読み取ることを可能にするためのソフトウェアが設計され、モニタ12に供給される。例えば、モニタは、USBスティック又は他の入力手段を使用して、バーコード設定読み取り/書き込みソフトウェアを更新されることができる。一実施例において、ブックレットが、セッティングコードの全てをバーコード形式で含む。別の実施例において、ソフトウェアは、モニタのうちの1つが病院又は病棟標準に設定されることができるように、再設定され、そののち、設定を記述する一連のバーコードが印刷出力される。これらの印刷されたバーコードを有する紙ストリップが、他のモニタの各々によって読み取られることができ、他のモニタの各々は、同じ設定を採用することによってバーコードに応答する。モニタ12がネットワーク化されている場合、設定情報は、ネットワークを通じて送信されることもできる。バーコードに代わって、セッティングは、例えばUSBスティック、CD、フロッピーディスク等の他のタイプのポータブルメモリ装置を使用して、モニタ間で転送されることができる。更に他の実施例において、モニタは、センサ読み取り値のスナップショット等と共に患者カルテを印刷することができる。プライバシー及び機密性を維持するために、患者は、人間可読の患者名を用いずに、患者IDバーコードによって、このような印刷出力上で識別されることができる。
【0016】
更に図1を参照して、システム10は、第1のバイタルサインモニタ12a及び第2のバイタルサインモニタ12bを有し、これらのモニタは、独立して記述される場合を除き集合的に「モニタ12」とここで称される。各モニタ12は、図1において個々のバーコードスキャナ14a及び14bとして名付けられるバーコードスキャナ14に結合される。しかしながら、所望の場合、単一のバーコードスキャナが、複数のモニタと共に利用されることができることが分かるであろう。例えば、技師又はユーザは、所望の通り、第1のモニタからバーコードスキャナを切り離し、第2のモニタにそれを結合させることができる。
【0017】
一実施例によれば、ユーザ又は臨床医は、さまざまな技法のうち1又は複数を使用して第1のモニタ12aを設定する。例えば、ユーザは、モニタ上のGUI(図示せず)を使用して第1のモニタを設定することができる。GUIは、一連のメニューを提供し、ユーザは、一連のメニューの中から、モニタを設定するためのオプション(例えばEKGチャネルの数や血圧、心拍数、SpO2、体温、CO、呼吸等を監視するための患者パラメータ)を選択する。付加的に又は代替として、モニタは、バーコード読み取り能力を提供するソフトウェアをインストールし、ユーザは、バーコードスキャナ14aを使用して1又は複数のバーコードをスキャンする。各バーコードが、設定情報の一部を表現する。例えば、ユーザは、ユーザがモニタの所与のパラメータを設定するためにスキャンする複数バーコードのブックレット又は他の印刷出力を提供されることができる。一例によれば、ユーザは、モニタのための所望の設定を識別し、所望の設定を達成するために対応するバーコードをスキャンすることによって、設定を通じてガイドされる。
【0018】
上述の例を進めるために、ユーザは、心拍数、血圧及び呼吸数がモニタに提示され、パラメータの任意のものが予め決められた上限又は下限を越えるときにアラームが鳴ることを望むことがある。ここで使用されるとき、「越える」なる語は、例えば、監視される患者パラメータが、上側の閾値より高くなり、若しくは反対に下側の閾値より低くなり、又はその両方であることを意味する。この意味において、監視された患者パラメータが予め決められた許容可能なレンジ外にあるときはいつも、アラームがトリガされる。一例によれば、患者の血圧があまりに高い又はあまりに低いとき、患者の体温があまりに高い又はあまりに低いとき等に、アラームが、トリガされることができる。ユーザは、ブックレットにおいて所望のパラメータの各々に関連付けられるバーコードをスキャンすることができ、任意には、アラーム機能をオンにするために、各パラメータに関する第2のバーコードをスキャンすることができる。加えて、ユーザは、各パラメータの値に関連する1又は複数のバーコードを提示されることができ、ユーザは、かかるバーコードをスキャンして、上述の閾値に関する選択された数値を含むアラーム条件限界をセットする。代替として、閾値は、ポップアップウィンドウを介して第1のモニタ上で手動で入力される。
【0019】
第1のモニタ12aが設定されると、カスタム設定情報が、第2のモニタ12bに提供される。一実施例によれば、ユーザは、第2のモニタへ進み、第1のモニタと同じ設定により第2のモニタを設定するために、同じバーコードを再スキャンする。代替として、ユーザは、バーコードの予め規定された組をスキャンしてすべてのモニタ12に標準設定を入力し、そののち、1又は複数のユニークなバーコードをスキャンして各モニタに取り込む。このようにして、各モニタは、個別の患者のニーズのために望まれるカスタマイゼーションを可能にしつつ、標準設定を提供される。
【0020】
加えて、各モニタ12は、バーコード読み取り、設定情報、患者情報、及び本願明細書に記述される機能を提供することに密接に関係する他の任意の情報記憶及び/又はルーチン実行と関連するコマンドを記憶し、実行することを容易にするメモリ16及びプロセッサ18を有する。一実施例において、モニタは、メモリ16にそのカスタム設定を記憶し、ユーザは、一連のバーコードとして、設定のハードコピーを印刷する。この例では、モニタは、選択された閾値を含む設定情報をバーコード形式で符号化することを可能にするソフトウェアを有する。ユーザは、第1のモニタから第2のモニタにバーコード化された設定情報をもっていき、第1のモニタと同様に第2のモニタを設定するために、バーコードのシーケンスをスキャンインする(スキャンして読み込む)。このプロセスは、所与のヘルスケア機能又はその一部において望まれる多くのモニタを設定するために、複数回繰り返されることができる。いくつかの実施例において、第1のモニタだけが印刷出力能力を有し、印刷された設定コードは、一度印刷され、それぞれの次のモニタにおいてスキャンされる。他の実施例において、各モニタは、それに関連付けられたプリンタ20を有しており、ユーザは、追加のモニタを設定する必要が生じると、任意のモニタからバーコード化された設定情報を印刷することができる。一実施例において、プリンタは、ストリップチャート記録器であり、かかる記録器は、モニタに一体化されていてもよく又は外部にあってもよい。
【0021】
一実施例によれば、モニタは、ユーザが情報(例えば1又は複数のアラームをトリガするためのバイタルサイン閾値レベル等)を入力することを可能にするユーザ入力装置22に結合されるとともに、バイタルサイン情報を検出するために患者に取り付けられる1又は複数の入力部24にも結合される。モニタは更に、バイタルサイン情報を、例えば臨床医、看護師、医師等のユーザに表示するディスプレイ26を有する。本実施例において、プロセッサ18は、モニタ及び/又はバーコードリーダ14を設定するための命令を実行する設定プロセッサ等である。
【0022】
一例において、複数の入力部24は、複数のバイタルサイン読み取り値の1又は複数を受け取り、モニタにバイタルサイン情報を送り、そこで、メモリ16が、バイタルサイン読み取り値を記録する。患者が注意を要求する看護師等に警告するために音を出すようにアラームをトリガする1又は複数の閾値レベルをセットするために、ユーザ入力装置(例えばマウス、スタイラス、1又は複数の制御ノブ、ボタン、キー等)が、ユーザによって用いられる。例えば、患者の血圧が、所定の時間量の間、上限を超え又は下側の許容限界を下回る場合に、アラームがトリガされるように、ユーザ入力装置は、血圧値の許容できるレンジをセットするために使用されることができる。ユーザは、モニタ用の設定情報を含むバーコードをスキャンするために、バーコードリーダ14を用い、設定プロセッサは、選択されたバイタルサインを受け取り、選択されたバイタルサインの1又は複数の選択された閾値レベルをアクティブにするように、モニタを設定する。加えて、設定プロセッサは、ユーザ入力装置及びバーコードリーダの一方又は両方から、設定指示を受け取る。一旦設定されると、設定情報は、メモリに記憶され、プリンタ20は、スキャンインして他のモニタを設定するために、バーコード形式で設定情報を印刷する。
【0023】
図2は、本願明細書に示されるさまざまな見地に従って、モニタ12からのハードコピー出力に患者IDバーコードを印刷するために使用されるシステム10を示している。このように、ユーザは、機密性及びプライバシーを高めることを容易にするために、人間可読の名前ではなく、患者ID情報に関するバーコードを印刷する。バーコードの使用は更に、臨床医にスピード及び使いやすさを与える。システムは、バイタルサインモニタ12を有し、モニタ12は、例えば同じハウジングに一体化され、ケーブルによって、及び/又はワイヤレス通信リンク(例えばブルートゥース、ジグビー等)によって、バーコードスキャナ14に結合される。モニタは、上述したように、メモリ16、プロセッサ18及びプリンタ20を有する。患者情報は、様々なソースからモニタに入力される。例えば、患者情報は、患者の識別情報を含むことができ、かかる識別情報は、ユーザ又は臨床医によって手動で入力されることができ、又はバーコードスキャナを使用してバーコード化されたリストバンド等からスキャンインされることができる。加えて、患者パラメータデータは、モニタによって、例えば患者に取り付けられた生理学的状態センサから、受け取られる。このようなパラメータは、現在の、歴史的な、1時間ごと、日ごとの、週ごと等のもの、グラフ、傾向、その他でありえ、血圧、心拍数、SpO、EKG情報、CO、血糖値又は任意の他の監視されたパラメータを含むことができる。モニタは、GUI(図示せず)上に、受け取られた患者パラメータデータを提示する。しかしながら、ユーザが、監視されたパラメータデータの記録(例えばストリップチャート)を印刷出力することを望む場合、ユーザは、(例えば「スクリーン印刷」ボタンを押すことによって、ストリップチャートの「連続印刷」モードを選択することによって等)モニタにそのようなものを示し、プリンタは、モニタが接続されている患者のバーコードIDと共に記録を印刷出力する。患者IDは、機密性のためにバーコード化されるが、生理学的パラメータ情報は、人間可読の形であってよい。モニタが患者に接続されている場合、患者ID情報は、バーコードリストバンド等からモニタにスキャンインされ、ID情報が、メモリに記憶される。
【0024】
他の実施例によれば、印刷出力要求は、例えば監視されるパラメータが、パラメータの予め定められた上側又は下側の閾値レベルを超えること、のようなアラーム条件によってトリガされる。この場合、アラームがトリガされ、アラーム時の監視されたパラメータの記録(例えば、ストリップチャート等)が、患者のバーコード化されたID情報と共に印刷出力される。こうして、臨床医が病室に到着し、アラーム条件がもはや存在しない場合、臨床医は、患者の状態を評価するために、その上に患者IDを有するハードコピー記録を有する。関連する実施例において、記録は、例えば看護師ステーション等の、モニタから離れたプリンタによって印刷され、従って、ユーザは、印刷された記録上の患者バーコードをスキャンして(又は他の何らかの態様で、例えば部屋番号等によって、患者を識別して)、アラーム条件を有する患者を識別することができる。
【0025】
様々なタイプのバーコード形式で復号し及び/又は符号化するためのソフトウェアルーチンが、メモリ16に記憶され、バーコード形式で情報(例えば、患者ID、設定情報等)を読み込み又は書き込むために必要とされる場合、プロセッサ18によって実行される。プリンタ20は、バーコード形式で所望の情報を印刷する。例えば、患者ID情報は、ストリップチャートのような記録上にバーコードとして印刷され、従って、記録が関係する患者は、直ちに識別可能であるが、個人情報(例えば名前、年齢、(複数の)医学的条件)は、人間の目に直ちに認識できない。他の実施例によれば、図1に関して記述したように、プリンタは、第1のモニタと同様に設定されるべき他のモニタによる読み取りのために、設定情報を記載するバーコードのハードコピーを印刷する。
【0026】
図3―図4は、さまざまな特徴により、バーコードを使用してプライバシー機密情報を保護しながら、複数の監視装置5を設定することに関連する1又は複数の方法を示している。方法は、一連の工程として記述されているが、すべての工程が、記述される目的及び/又は結果を達成するために必要とされるわけではなく、いくつかの工程は、ある見地に従って、記述される特定の順序と異なる順序で実施されることができることが理解されるであろう。
【0027】
図3は、システム10を動作させる方法30を示している。ステップ32において、患者ID情報は、患者に現在又は緊急に接続されている患者バイタルサインモニタにスキャンインされる。一実施例によれば、ID情報は、患者のリストバンド上のバーコードを読み取るためにモニタに結合されたバーコードスキャナを使用して、モニタにスキャンインされる。他の実施例において、患者ID情報は、(例えばキーボード、ドロップダウンメニュー等を使用して)モニタに手動で入力される。ステップ34において、患者パラメータデータが、モニタにおいて受け取られる。例えば、患者に接続される導線は、これに限定されないがSpO2、血圧、心拍数、呼吸数、温度、CO、血糖値又は監視されることができる任意の他の所望のパラメータを含む、患者条件と関連付けられる1又は複数のパラメータを監視することができる。
【0028】
ステップ36において、患者バイタルサインのストリップチャート記録が要望されているかどうか(例えば、ユーザ又は臨床医が「スクリーン印刷」コマンド等を入力したかどうか)に関する判定がなされる。スクリーン印刷コマンドが発行されていない場合、方法は、ステップ34に戻り、患者が、連続的に監視される。ユーザが、スクリーン印刷コマンドを入力した場合、ステップ38において、印刷要求の時間に対応する記録が、患者ID情報を表すバーコードとともに印刷される。例えば、バーコードは、それが監視されたパラメータに関連するグラフィック情報を妨げない記録の領域に印刷されることができる。ユーザID情報が手動で入力される場合、モニタは、患者IDをバーコード形式に変換するためにソフトウェアルーチンを用いることができる。患者ID情報が、患者のリストバンド上の患者バーコードからスキャンインされる場合、入力バーコードは、印刷出力上に印刷されることができる。
【0029】
他の実施例によれば、印刷出力要求は、例えば監視されるパラメータが、パラメータの予め定められた上側又は下側の閾値レベルを超えること、のようなアラーム条件によって、トリガされる。この場合、アラームがトリガされることができ、アラームをトリガした(複数の)パラメータに対応する記録(例えばストリップチャート等)が、患者のバーコード化されたID情報と共に印刷される。こうして、臨床医が到着し、アラーム条件がもはや存在しない場合、臨床医は、患者の状態を評価するために、その上に患者IDを有するハードコピー記録を有する。ある実施例において、記録は、モニタから遠隔的に、例えば臨床医の机等において、印刷され、従って、臨床医は、印刷された記録上の患者バーコードをスキャンし、アラーム条件を有する患者を識別することができる。
【0030】
図4は、1又は複数の特徴により、バーコード化された設定情報を使用して、ヘルスケア環境における複数の監視装置を設定する方法50を示している。ステップ52において、第1のモニタが、設定される。第1のモニタの設定は、(例えば従来の手段を介して設定情報を入力することにより)手動で、設定が記憶されたUSBメモリスティックによって、及び/又は設定情報を表す一連のバーコードをスキャンすることによって、実施されることができる。例えば、ユーザ又は臨床医は、バーコードを含むブックレットを提供され、バーコードの各々は、モニタ動作の特定の部分に関する設定情報を表現し、ユーザは、(例えばメニュー等からオプションを選択することによって)モニタを「バーコード設定モード」に置き、設定情報を入力するためにバーコードスキャナを使用してバーコードをスキャンする。例えば、ヘルスケア提供者が、施設のすべてのモニタは、呼吸情報でなく心拍数及び血圧情報を提示するように設定されることを望む場合、ユーザは、心拍数及び血圧パラメータが監視され表示されることを可能にするものとしてブックレットにおいて識別されるバーコードをスキャンし、呼吸数が表示されることを可能にするものとして識別されるバーコードをスキャンしない。ステップ54において、設定が終了しているかどうか判定がなされる。例えば、「設定終了」バーコードは、すべての設定バーコードがスキャンされたときにユーザがスキャンするために、ブックレットに提示されることができる。このバーコードがモニタに入力されない限り、方法は、続行される設定のために、ステップ52に戻る。このようにして、モニタは、設定されている間、設定終了バーコードを絶えず見続ける。
【0031】
ステップ54における判定が、設定が当該モニタについて終了していることを示す場合、ステップ56において、当該モニタの設定情報が、永続メモリに保存される。ステップ58において、設定情報は、一連のバーコードとして印刷される(例えばモニタを設定するために入力された一連のバーコードが印刷される)。例えば、ユーザは、メニュー等から「バーコード印刷」オプションを選択する。ステップ60において、ユーザは、新しいモニタをバーコード設定モードにし、新しいモニタに結合されたバーコードスキャナを使用してバーコードをスキャンする。このようにして、ユーザは、最初のモニタの設定中にブックレットを参照するだけであり、残りのモニタの所望の設定に関連する印刷されたバーコードを迅速にスキャンする。別の実施例によれば、ユーザは、各々のモニタ設定のために、ブックレットからバーコードをスキャンする。
【0032】
図5は、例えば、上述のシステム及び/又は方法と関連して用いられることができるバイタルサインモニタ12を示している。モニタ12は、ユーザに情報を表示するスクリーン又はディスプレイ26を有する。例えば、スクリーンは、モニタ12が接続されている患者に関連するバイタルサイン情報を表示することができる。モニタ12は更に、例えばボタン、ノブ、その他の複数の制御素子72を有し、かかる制御素子72は、見ようとする情報を選択するために、スクリーンの所与のビューを操る等のために、ユーザによって用いられる。モニタ12は、これに限定されないが血圧、体温、心拍数、SpO、呼気CO、血糖値、心電図(ECG)関連情報、その他を含む、ありとあらゆる適切な又は所望の患者関連の条件を監視することが分かるであろう。
【0033】
モニタは、上述のシステム及び/又は方法を使用して設定されることができる。例えば、設定情報は、1又は複数の設定情報バーコードをスキャンするためにバーコードスキャナ(図示せず)を使用して、モニタに入力されることができる。バーコードは、設定バーコードの完全な組を含むブックレットから及び別のモニタからの設定バーコードの印刷出力から、スキャンされることができる。後者のバーコードソースは、より迅速な設定情報入力を可能にする。この理由は、ユーザが、所望の設定のために必要とされないことがある設定情報を含む冗長な又は無関係なバーコードをめくる必要がないからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者モニタを設定するシステムであって、
第1のバイタルサインモニタと、
設定情報を含む設定バーコードを読み取り、前記第1のバイタルサインモニタに前記設定情報を提供する第1のバーコードスキャナと、
前記第1のバイタルサインモニタの設定に関連する情報を含む設定バーコードの印刷出力を生成するプリンタと、
を有するシステム。
【請求項2】
第2のバーコードスキャナを有する第2のバイタルサインモニタを更に有し、ユーザは、前記印刷出力上の前記設定バーコードをスキャンすることによって、前記第2のバイタルサインモニタに設定情報を入力する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
印刷された設定バーコードの組を更に有し、ユーザは、前記設定バーコードの組から、スキャンするバーコードを選択する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
設定情報を手動で入力するためのユーザ入力装置を更に有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のモニタの設定が終了すると、前記プリンタは、設定バーコードの印刷出力を生成する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記バーコードスキャナは、前記モニタに接続されている患者の患者IDバーコードをスキャンするように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プリンタは、その上に患者IDバーコードを有する監視された患者パラメータの記録を印刷し、前記記録は、患者の人間可読の識別を欠くものである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記バイタルサインモニタは、
患者の血圧、心拍数、呼吸数、CO、SpO、体温又は血糖値のうち少なくとも1つがバイタルサイン入力部を通じて受け取られる、該バイタルサイン入力部と、
前記受け取られたバイタルサインのうち少なくとも1つが表示されるディスプレイと、
を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プリンタは、ユーザ、又は前記監視される患者パラメータが予め決められた上側若しくは下側の閾値を越えることの少なくとも一方によって、前記記録を印刷するようにトリガされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1のモニタを設定するためのルーチン又は手段と、
モニタ設定が終了するときを判定するためのルーチン又は手段と、
設定情報をバーコード形式で印刷するためのルーチン又は手段と、
少なくとも第2のバイタルサインモニタに、前記バーコード化された設定情報をスキャンインするためのルーチン又は手段と、
を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のバイタルサインモニタを設定する方法であって、
第1のバイタルサインモニタを設定するステップと、
前記設定が終了すると、前記第1のバイタルサインモニタに設定情報を記憶するステップと、
前記記憶された設定情報を、1又は複数のバーコードの形で印刷するステップと、
第2のバイタルサインモニタに結合されたバーコードスキャナを用いて前記印刷されたバーコードをスキャンすることによって、前記第2のバイタルサインモニタを設定するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
設定情報が記憶されたUSBメモリスティックを更に有し、前記メモリスティックは、前記第1のバイタルサインモニタを設定するために、前記第1のバイタルサインモニタに差し込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
複数のバイタルサインモニタを設定する方法であって、
第1のバイタルサインモニタを設定するステップと、
設定が終了すると、前記第1のバイタルサインモニタに設定情報を記憶するステップと、
前記記憶された設定情報を、1又は複数のバーコードの形で印刷するステップと、
第2のバイタルサインモニタに結合された第2のバーコードスキャナを用いて前記印刷されたバーコードをスキャンすることによって、前記第2のバイタルサインモニタを設定するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記第1のバイタルサインモニタを設定する前記ステップは、予め印刷されたバーコード組から選択される設定情報を含む1又は複数のバーコードをスキャンすること、又は前記第1のバイタルサインモニタに、設定が記憶されたUSBメモリスティックを差し込むこと、の少なくとも一方を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記バイタルサインモニタに接続されている患者の患者リストバンド上の患者IDバーコードをスキャンするステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のバイタルサインモニタから、患者IDバーコードを有し、人間可読の患者識別子を有しないバイタルサイン記録を印刷するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記バイタルサイン記録は、グラフィカルなバイタルサイン情報を含むストリップチャートである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記記録のユーザ要求又は前記モニタにおいて検出されるアラーム条件の少なくとも一方に応じて、前記記録を印刷するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ユーザインタフェースを通じて手動でバイタルサイン閾値を入力するステップを更に含み、前記手動で入力された閾値は、前記印刷するステップの間、バーコードの形で印刷される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記バイタルサイン閾値は、患者の血圧、心拍数、呼吸数、CO、SpO、体温又は血糖値のうち少なくとも1つの閾値を規定する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項13に記載の方法を実施するようにプログラムされたプロセッサ又はコンピュータ可読メモリ。
【請求項22】
複数の患者監視装置を設定することを容易にするシステムであって、
第1の患者監視装置を設定する手段と、
設定情報を記憶する手段と、
設定情報を含むバーコードを印刷する手段と、
前記印刷されたバーコードをスキャンすることによって、第2の患者監視装置を設定する手段と、
を有するシステム。
【請求項23】
複数のバイタルサイン読み取り値の各々を受け取る複数の入力部と、
前記受け取られたバイタルサイン読み取り値を記録するメモリと、
ユーザ入力装置と、
バーコードリーダと、
選択されたバイタルサイン及び前記選択されたバイタルサインの少なくともいくつかの閾値を受け取るように患者モニタを設定する設定プロセッサであって、前記バーコードリーダ及び前記ユーザ入力装置と接続されて、そこから設定指示を受け取る、設定プロセッサと、
前記設定プロセッサと接続され、他の患者モニタのための設定指示をバーコード形式で印刷するバーコードプリンタと、
を有する患者モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−523251(P2010−523251A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502612(P2010−502612)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051169
【国際公開番号】WO2008/125997
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】