説明

バックアップリング

【課題】寸法条件のいかんにかかわらずシール部材に破損を生じさせずに使用することが可能なバックアップリングを提供する。
【解決手段】分離部10が設けられることによって有端状の形状を有し、シール部材と、シール部材が装着される環状溝においてシール部材が圧力を受ける側とは反対側における側壁面との間に装着されるバックアップリング1であって、分離部10の分離面は、バックアップリング1の端部形状が先端に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に狭まる形状となるように形成されており、分離面が側面11となす角度は、側面11に隣接する領域では、バックアップリング1がシール部材と環状溝の側壁面との間で圧縮されたときにバックアップリング1の端部先端15を変形せしめる第1角度aとなっており、側面11から離れた領域では、第1角度aよりも大きい第2角度bとなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップリングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧機器においては、軸と該軸が挿入される軸孔との間の環状隙間をゴム状弾性体からなるOリング等のシール部材で密封する構成が採用されている。この密封構造においては、シール部材の反加圧側にPTFE等の樹脂材料からなるバックアップリングが装着され、ゴム状弾性体からなるシール部材が環状隙間にはみ出すなどにより破損等を生じるのを防止している。
【0003】
図6〜図10を参照して、従来技術に係るバックアップリングについて説明する。図6は、従来例1に係るバックアップリングの構成を示す模式図であり、(a)はバックアップリングの平面図、(b)は(a)のB矢視図である。図7(a)〜(d)は、それぞれ図6のC部拡大図である。図8は、従来例2に係るバックアップリングの構成を示す模式図であり、(a)はバックアップリングの平面図、(b)は(a)のD矢視図である。図9は、従来例2に係るバックアップリングの構成を示す模式図であり、(a)はバックアップリングの平面図、(b)は(a)のF矢視図である。図10(a)、(b)は、それぞれ図8のE部拡大図である。
【0004】
図6に示すように、バックアップリング101は、円周上の一箇所に分離部102が設けられた樹脂製の環状部材である。分離部102は、周方向に対して斜めに延びる分離面103を有している。分離部102は、分離面103が開くことによりバックアップリング101の装着を容易にするとともに、圧力が加わったときには、分離面103が互いに滑ってずれることによりバックアップリング101全体が拡径または縮径変形し、相手面との隙間を埋めるように構成されている。また、環境温度の変化によってバックアップリング1が熱膨張あるいは収縮し、その周長が変化したときには、分離面103がずれることによってかかる周長変化を吸収することができる。
【0005】
分離部102において、分離面103とバックアップリング101の軸に略垂直な側面104とがなす角度c1は、一般的に10〜30°に設定される。この角度は、バックアップリング101が圧力を受けたときに分離部102が好適な接合状態となるようにバックアップリング101の端部先端を変形させるのに適した角度である。
【0006】
例えば常温時においては、図7(a)に示すように、分離部102(一方の分離面103aと他方の分離面103bとの間)に隙間が形成された状態となっている。ここで、図7(b)に示すように、バックアップリング101に圧力Pが作用すると、バックアップリング101の分離された一方の端部の先端部(側面104と他方の分離面103bとの境目)105が、一方の分離面103aに接触するように変形し、分離部102の隙間が封止される。
【0007】
また、高温時においては、図7(c)に示すように、バックアップリング101が熱膨張して周長が延びることにより分離面103がずれ、先端部105が側面104から飛び出した状態となる。ここで、図7(d)に示すように、バックアップリング101に圧力Pが作用すると、先端部105が側面104に倣うように変形し、分離部102の隙間がより完全に封止されるとともに、隣接するシール部材を傷付けたり噛み込んだりするのが抑制される。
【0008】
ところで、使用される機器の寸法上の制約から、特に、バックアップリングの外径に対する内径の大きさをより小さく設定する必要がある場合には、分離面の角度を上述した10〜30°に設定することが困難な場合がある。
【0009】
図8に示す従来例2に係るバックアップリング201は、上記従来例1に係るバックアップリング101と比べて、内径が小さく設定されている。そのため、このバックアップリング201の分離面203を、バックアップリング101の分離面103と同様に、軸に垂直な側面204に対する角度が10〜30°となるように設定しようとすると、バックアップリング201の内周に対する分離面203の長さL2が大きくなり過ぎてしまう。
【0010】
分離面103の角度を10〜30°とするためにL2が大きくなり過ぎると、例えば、図9に示すように、分離面203の軸に垂直な方向の幅Lvが内径dよりも大きくなる場合がある。このような構成は、通常の製作方法では物理的に製作が困難な構成である。通常、分離部102の成形は、予めリング状に成形されたバックアップリングの1箇所に刃物を1方向に1回入れて切断することにより行なわれる。しかしながら、Lvがdよりも大きい場合に、通常の手法で刃物を入れても、図9に示すように、バックアップリングに単なる切れ込みが形成されるだけで、バックアップリングを一箇所で完全に切断する切断面を形成することができない。したがって、刃物による手法においては、Lv≦dが前提となる。そして、限界の寸法設定としてLv=dとした場合、分離部の角度はバックアップリングの高さ(軸方向の幅)Hと内径dとの組み合わせにより決まるため、分離部の角度を10〜30°とすることができるHとdの組み合わせは限定的なものとなる。すなわち、設計の自由度に限界がある。
【0011】
なお、Lvがdよりも大きい場合でも、バックアップリングを完全に切断すること自体は、例えば、2回以上刃物を入れて切断したり、特殊な刃物や特殊な切断方法を用いる等により可能である。しかしながら、そのようにして成形された分離部においては、上述した好適な接合状態を形成することができない。また、シールリングの分離部成形における既知の手法として、初めから分離部が形成された(分離した)形状に射出成形し、後から分離部が閉じるように癖付けする手法が知られている。しかし、この手法をバックアップリングに適用して分離部を成形しても、かかる分離部においてバックアップリングとしての上記所望の機能、すなわち、好適な接合状態の形成等ができない場合があり、バックアップリングの分離部の成形には適していない。
【0012】
したがって、従来例2のように外径に対する内径の大きさをより小さく設定するためには、図8に示すように、分離面203と側面204とがなす角度c2を、例えば、45°など30°よりも大きい角度に設定せざるを得ないことがある。
【0013】
しかしながら、分離面と側面とがなす角度が大きくなると、分離部202における先端部205の厚みが増すことになり、バックアップリング201が圧力を受けても先端部205が変形し難くなる。したがって、例えば、シール部材としてゴム状弾性体のOリングを用いた場合には、繰り返し圧力によってOリングの一部が、先端部205との干渉を繰り返すことによって損傷し、圧力が高いなどの使用条件が厳しい場合には、最悪、シール機能を失うような破損を生じることがある。
【0014】
ここで、図10(a)は、常温時において、圧力Pを受けても先端部205が変形しないために分離部202の隙間が封止されず、Oリング300の一部が隙間にはみ出している様子を示している。また、図10(b)は、高温時において、バックアップリング201が熱膨張して周長が延びることにより分離面203がずれ、先端部205が側面204から飛び出した状態となっている様子を示している。このとき先端部205は圧力Pを受
けても変形せずに側面204から飛び出した状態のままとなっているので、先端部205がOリング300に食い込んで傷付けてしまう。
【0015】
なお、バックアップリングの構成としては特許文献1〜9に開示されたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】実開昭58−036660号公報
【特許文献2】実開昭58−036661号公報
【特許文献3】実開昭58−132264号公報
【特許文献4】実開昭59−133867号公報
【特許文献5】実開平06−020958号公報
【特許文献6】特開2000−046195号公報
【特許文献7】特許第3532714号公報
【特許文献8】特開2007−071329号公報
【特許文献9】特開2008−115908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、寸法条件のいかんにかかわらずシール部材に破損を生じさせずに使用することが可能なバックアップリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明におけるバックアップリングは、
分離部が設けられることによって有端状の形状を有しており、
軸と該軸が挿入される軸孔を有するハウジングのいずれか一方の部材に設けられた環状溝に装着されるゴム状弾性体製のシール部材と、該シール部材が圧力を受ける側とは反対側における前記環状溝の側壁面との間に装着されるバックアップリングであって、
前記分離部の分離面は、バックアップリング端部形状が先端に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に狭まる形状となるように形成されており、
前記分離部の分離面がバックアップリングの前記シール部材に接触する側面となす角度は、
前記側面に隣接する領域では、前記シール部材が圧力を受けることによってバックアップリングが前記シール部材と前記環状溝の側壁面との間で圧縮されたときに、バックアップリングの端部先端を変形せしめる第1角度となっており、
前記側面から離れた領域では、前記第1角度よりも大きい第2角度となるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
このように、シール部材に接触する側面となす角度が変化するように分離面を構成することにより、シール部材の損傷抑制と分離面の長さの増大抑制との両立を図ることができる。
【0020】
すなわち、シール部材に接触する側面に隣接する領域では、分離面の角度をバックアップリングの端部先端を変形させ易い第1角度にすることによって、バックアップリングの端部先端がシール部材に接触して傷付けたりするのを抑制することができる。また、該側面から離れた領域では、分離面の角度を第1角度よりも大きい第2角度にすることにより、分離面がバックアップリングの一方の側面から他方の側面に至るまでの長さを短くすることができる。
【0021】
したがって、シール部材の破損の発生を抑制することができるとともに、上述したような、バックアップリングの外径に対する内径の大きさを小さく設定する必要がある場合において、バックアップリングの内周に対して分離部の長さが大きくなり過ぎてしまうのを抑制することができ、製作の困難性を解消することができる。
【0022】
前記分離面は、前記第1角度を有する第1傾斜面と、前記第2角度を有する第2傾斜面とを有しているとよい。
【0023】
このように、分離面を2種類の傾斜面を有するように構成することで、容易に製作することができる。
【0024】
バックアップリングの前記環状溝の側壁面に接触する側面に隣接する領域では、前記分離面の角度が前記第1角度となるように構成されているとよい。
【0025】
この構成によれば、バックアップリングが装着される軸方向の向きが、いずれの向きであっても装着することができる。したがって、バックアップリングの誤組付けの発生がなくなり組み付け性が向上される。
【0026】
前記第1角度は、10〜30°の角度であるとよく、また、前記第2角度は、45〜90°の角度であるとよい。
【0027】
上述したように、10〜30°は、バックアップリングが圧力を受けたときに、分離部が好適な接合状態となるようにバックアップリングの端部先端を変形させるのに適した角度である。したがって、第1角度については、10〜30°の角度で設定するとよい。また、第2角度については、分離面の長さを短くするべく他の寸法条件等に応じて適宜設定すればよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明により、寸法条件のいかんにかかわらずシール部材に破損を生じさせずに使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るバックアップリングの模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1に係るバックアップリングの装着状態を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、シール部材と本発明の実施例1に係るバックアップリングの模式的斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係るバックアップリングの分離部の構成を説明する模式図である。
【図5】図5は、本発明の実施例3に係るバックアップリングの分離部の構成を説明する模式図である。
【図6】図6は、従来例1に係るバックアップリングの構成を示す模式図である。
【図7】図7は、図6のC部拡大図である。
【図8】図8は、従来例2に係るバックアップリングの構成を示す模式図である。
【図9】図9は、従来例2に係るバックアップリングの構成を示す模式図である。
【図10】図10は、図8のE部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
(実施例1)
図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係るバックアップリングについて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るバックアップリングの模式図であり、(a)はバックアップリングの平面図、(b)は(a)のA矢視図である。図2は、本発明の実施例1に係るバックアップリングの装着状態を示す模式的断面図である。図3は、シール部材と本発明の実施例1に係るバックアップリングの模式的斜視図である。
【0032】
図1に示すように、本実施例に係るバックアップリング1は、分離部10を有する環状部材であり、PTFEやポリアミド(ナイロン)等の樹脂材料をベースポリマーとして製作される。バックアップリング1は、分離部10が設けられることによって有端状の形状を有している。分離部10では、バックアップリング1の両端部が周方向に先端に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に狭くなる形状となるように分離面が延びている。かかる分離部10を備えた構成は、圧縮成形や射出成形等により予めリング状に成形されたバックアップリング1に刃物を入れ、リング形状の一箇所を切断することにより形成される。なお、分離部10の形成手法としては、これに限定されるものではない。
【0033】
分離部10の分離面は、軸に垂直な側面11、12に対する角度がそれぞれ異なる2種類の傾斜面13、14で構成されている。第1傾斜面13が側面11となす角度aは、10〜30°の範囲で設定される(第1角度)。第2傾斜面14が側面12となす角度bは、45〜90°の範囲で設定される(第2角度)。
【0034】
図2に示すように、バックアップリング1は、軸3と該軸3が挿入される軸孔40を有するハウジング4との間を密封するシール部材2と共に用いられるものである。シール部材2は、ハウジング4の軸孔40の内周面に設けられた環状溝41に装着されており、バックアップリング1は、シール部材2と環状溝41の側壁面42との間に装着される。シール部材2は、ゴム状弾性体からなるOリングであり、軸方向の一方側(図2の左側)から圧力Pを受ける。バックアップリング1は、シール部材2の反加圧側(図2の右側)に配置されており、圧力Pを受けたシール部材2が軸3の外周面と軸孔40の内周面との間にはみ出すなどによって破損等を生じるのを防止する。
【0035】
本実施例に係るバックアップリング1は、シール部材2に接触する側面11と分離部10の分離面とがなす角度が、側面11に隣接する領域、すなわち、第1傾斜面13では、10〜30°の範囲で設定されている。この角度は、上述したように、シール部材2が圧力Pを受けることによってバックアップリング1がシール部材2と環状溝41の側壁面42との間で圧縮されたときに、分離部10における接合状態が図7(a)〜(d)を用いて説明したような好適な状態となるように、バックアップリング1の一方の端部先端15を変形させるのに適した角度である。これにより、分離部10の隙間にシール部材2の一部がはみ出したり、端部先端15が側面11から飛び出した状態となってシール部材2に食い込んだりするのが抑制され、シール部材2の損傷が抑制される。すなわち、図9(a)、(b)を用いて説明したような不具合の発生が抑制される。
【0036】
また、分離部10の分離面が側面11となす角度は、側面11から離れた領域、すなわち、第2傾斜面14では、45〜90°の範囲で設定されている。このように、第1傾斜面13よりも角度が大きく設定されることにより、分離面が側面11から側面12に至るまでの長さを短くすることができる。したがって、上述したような、バックアップリング1において外径に対する内径の大きさをより小さく設定する必要がある場合において、バックアップリング1の内周に対して分離部10の長さが大きくなり過ぎてしまうのを抑制
することができ、製作の困難性を解消することができる。なお、第2傾斜面14の角度は、他の寸法条件等に応じて上記範囲内で適宜設定することができる。
【0037】
したがって、本実施例に係るバックアップリング1によれば、シール部材2の損傷抑制と、分離面の長さの増大抑制(すなわち、製作の困難性解消)とを両立して実現することができ、設計の自由度の向上(外径に対する内径のさらなる縮径等)を図ることができる。
【0038】
また、分離面が角度の異なる2種類の傾斜面で構成される簡易な構成なので、容易に製作することができる。なお、分離面の構成としては、これに限られるものではなく、例えば、傾斜角度が徐々に変化する曲面状の分離面や、曲面と平面(ストレート面)とを組み合わせた構成としてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、バックアップリングおよびシール部材がハウジングの軸孔内周面に形成された環状溝に装着される構成となっているが、バックアップリングおよびシール部材が軸外周面に形成された環状溝に装着される構成であっても、本願発明を適用できることはいうまでもない。
【0040】
(実施例2)
図4を参照して、本発明の実施例2に係るバックアップリングについて説明する。図4は、本発明の実施例2に係るバックアップリングの分離部の構成を説明する模式図である。なお、上記実施例1と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
本実施例に係るバックアップリング1aは、分離部10aの分離面が、3種類の傾斜面13、14、16で構成されている。第1傾斜面13および第2傾斜面14については、実施例1と同様の構成である。第3傾斜面16は、分離面においてバックアップリング1aの側面12に隣接する領域に設けられており、側面12となす角度が第1傾斜面13と同じ角度範囲で設定されている。
【0042】
このように構成されたバックアップリング1aは、側面11とは反対側の側面12がシール部材2と接触するような向き、すなわち、軸方向逆向きで装着されても、バックアップリング1aの他方の端部先端17が、一方の端部先端15と同様に、分離部10aが好適な接合状態となるように変形することができる。このように、装着される軸方向の向きが、いずれの向きであって好適に使用することができるので、バックアップリングの誤組付けの発生がなくなり、組み付け性が向上される。
【0043】
(実施例3)
図5を参照して、本発明の実施例3に係るバックアップリングについて説明する。図5は、本発明の実施例3に係るバックアップリングの分離部の構成を説明する模式図である。なお、上記実施例と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
本実施例に係るバックアップリング1bは、分離部10bの分離面において側面11、12から離れた領域が、軸方向に延びる面14′となっている。すなわち、上記実施例2において、第2傾斜面14が側面11、12となす角度を90°に設定した場合の構成となっている。この構成によれば、実施例2と比して、分離面が側面11から側面12に至るまでの長さをさらに短くすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 バックアップリング
10 分離部
11、12 側面
13 第1傾斜面
14 第2傾斜面
15 端部先端
2 シール部材
3 軸
4 ハウジング
40 軸孔
41 環状溝
42 側壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離部が設けられることによって有端状の形状を有しており、
軸と該軸が挿入される軸孔を有するハウジングのいずれか一方の部材に設けられた環状溝に装着されるゴム状弾性体製のシール部材と、該シール部材が圧力を受ける側とは反対側における前記環状溝の側壁面との間に装着されるバックアップリングであって、
前記分離部の分離面は、バックアップリングの端部形状が先端に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に狭まる形状となるように形成されており、
前記分離部の分離面がバックアップリングの前記シール部材に接触する側面となす角度は、
前記側面に隣接する領域では、前記シール部材が圧力を受けることによってバックアップリングが前記シール部材と前記環状溝の側壁面との間で圧縮されたときに、バックアップリングの端部先端を変形せしめる第1角度となっており、
前記側面から離れた領域では、前記第1角度よりも大きい第2角度となるように構成されていることを特徴とするバックアップリング。
【請求項2】
前記分離面は、前記第1角度を有する第1傾斜面と、前記第2角度を有する第2傾斜面とを有していることを特徴とする請求項1に記載のバックアップリング。
【請求項3】
バックアップリングの前記環状溝の側壁面に接触する側面に隣接する領域では、前記分離面の角度が前記第1角度となるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバックアップリング。
【請求項4】
前記第1角度は、10〜30°の角度であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバックアップリング。
【請求項5】
前記第2角度は、45〜90°の角度であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバックアップリング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−220395(P2011−220395A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88072(P2010−88072)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】