説明

バッテリアダプタ

【課題】複数口用の電動機械を、その電動機械のバッテリ接続口の数より少ない数のバッテリで動作させられるようにし、電動機械の使い勝手を向上させる。
【解決手段】バッテリアダプタは、電動機械12に設けられた複数のバッテリ接続口127c,127dに接続可能に構成された複数の機械側連結部22c,22cと、バッテリ30が接続可能に構成されたバッテリ側連結部23とを備えるバッテリアダプタであって、機械側連結部22c,22dの数がバッテリ側連結部23の数よりも多く設定されており、バッテリ側連結部23に接続されたバッテリ30により機械側連結部22c,22dにバッテリ接続口127c,127dを介して接続された電動機械12を駆動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機械に設けられた複数のバッテリ接続口に接続可能に構成された複数の機械側連結部と、バッテリが接続可能に構成されたバッテリ側連結部とを備えるバッテリアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具や電動作業具(以下、電動機械という)では、一般的に、その電動機械のモータの定格電圧に対応したバッテリが使用される。例えば、定格DC36Vの電動機械では、定格DC36Vのバッテリを使用するのが一般的である。しかし、定格DC36Vのバッテリは高価であるため、市場に流通する数が少なく、入手が難しい。これに対して定格DC18Vのバッテリは汎用的で市場に流通する数が多く、入手が容易である。
この点を考慮して、定格DC18Vのバッテリが二台接続可能なように構成された定格DC36Vの電動工具が特許文献1(US5028858)に記載されている。即ち、前記電動工具100は、図14に示すように、定格DC18Vのバッテリ102が二台接続可能なように、バッテリ接続口103が二ヶ所に設けられている。そして、前記電動工具100の内部に二台のバッテリ102を直列接続するための電気回路が設けられている。このため、汎用的な定格DC18Vのバッテリにより、定格DC36Vの電動工具を駆動できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US5028858
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、定格DC18V用のバッテリ接続口が二ヶ所に設けられた定格DC36Vの電動工具(二口用の電動工具)では、定格DC36Vのバッテリを使用することはできない。また、二口用の電動工具(定格DC36V)では、一台の定格DC18Vのバッテリで駆動させることもできない。
このため、二口用の電動工具の使い勝手が良くないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、複数口用の電動機械を、その電動機械のバッテリ接続口の数より少ない数のバッテリで動作させられるようにして、複数口用の電動機械の使い勝手を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、電動機械に設けられた複数のバッテリ接続口に接続可能に構成された複数の機械側連結部と、バッテリが接続可能に構成されたバッテリ側連結部とを備えるバッテリアダプタであって、前記機械側連結部の数がバッテリ側連結部の数よりも多く設定されており、前記バッテリ側連結部に接続されたバッテリにより前記機械側連結部にバッテリ接続口を介して接続された前記電動機械を駆動できるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るバッテリアダプタによると、機械側連結部の数がバッテリ側連結部の数よりも多く設定されている。例えば、機械側連結部の数が二個の場合には、バッテリ側連結部の数は一個となる。さらに、バッテリ側連結部に接続されたバッテリにより機械側連結部にバッテリ接続口を介して接続された電動機械を駆動できるように構成されている。
このため、本発明に係るバッテリアダプタを使用することで、例えば、二個のバッテリ接続口を備える電動機械を一個のバッテリで駆動させられるようになる。これにより、複数のバッテリ接続口を備える電動機械の使い勝手が向上する。
【0008】
請求項2の発明によると、電動機械のモータの定格電圧と等しい公称電圧のバッテリが前記バッテリ側連結部に接続された状態で、前記機械側連結部にバッテリ接続口を介して接続された前記電動機械が駆動されるように構成されていることを特徴とする。
このため、上記バッテリアダプタを使用することで、例えば、定格DC36Vの二口用の電動機械を一台の定格DC36Vのバッテリで駆動させられるようになる。
【0009】
請求項3の発明によると、各々の機械側連結部に印加される電圧の総和が電動機械のモータの定格電圧に等しくなるように構成されていることを特徴とする。
このため、上記バッテリアダプタを使用することで、例えば、DC18V用のバッテリ接続口が二ヶ所に設けられた定格DC36Vの二口用の電動機械を一台の定格DC36Vのバッテリで駆動させられるようになる。
【0010】
請求項4の発明によると、バッテリ側連結部に印加されるバッテリの電圧を降圧する降圧機器を備えており、その降圧機器の出力電圧が前記電動機械のモータの定格電圧と等しくなるように設定されていることを特徴とする。
このため、上記バッテリアダプタを使用することで、例えば、定格DC18Vの二口用の電動工具を一台の定格DC36Vのバッテリで駆動させられるようになる。
【0011】
請求項5の発明によると、降圧機器の出力電圧が一つの機械側連結部に印加される電圧と等しいことを特徴とする。
請求項6の発明によると、降圧機器の出力電圧が複数の機械側連結部の異なる組のプラス端子とマイナス端子間に印加される構成であることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明によると、バッテリ側連結部に印加されるバッテリの電圧を昇圧する昇圧機器を備えており、その昇圧機器の出力電圧が電動機械のモータの定格電圧と等しくなるように設定されていることを特徴とする。
このため、上記バッテリアダプタを使用することで、例えば、定格DC36Vの二口用の電動工具を一台の定格DC18Vのバッテリで駆動させられるようになる。
【0013】
請求項8の発明によると、昇圧機器の出力電圧と個々の機械側連結部に印加される電圧の総和とが等しくなるように設定されていることを特徴とする。
請求項9の発明によると、昇圧機器の出力電圧が一つの機械側連結部に印加される電圧と等しいことを特徴とする。
請求項10の発明によると、昇圧機器の出力電圧が複数の機械側連結部の異なる組のプラス端子とマイナス端子間に印加される構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、複数口用の電動機械を、その電動機械のバッテリ接続口の数より少ない数のバッテリで動作させられるようになるため、複数口用の電動機械の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1に係るバッテリアダプタを備えるブロア(電動機械)の全体斜視図である。
【図2】前記電動機械を上方から見た分解斜視図である。
【図3】前記電動機械を下方から見た分解斜視図である。
【図4】前記電動機械の構成を表す模式図である。
【図5】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るバッテリアダプタを備える電動機械の構成を表す模式図である。
【図7】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図8】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図9】本発明の実施形態3に係るバッテリアダプタを備える電動機械の構成を表す模式図である。
【図10】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図11】変更例に係る電動機械の構成を表す模式図である。
【図12】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図13】前記電動機械の模式電気回路図である。
【図14】従来の二口用の電動工具の側面図、及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態1]
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係るバッテリアダプタについて説明する。本実施形態に係るバッテリアダプタは、電動機械(ブロア)に使用されるバッテリアダプタである。
なお、図に記載された前後左右及び上下は、ブロアの前後左右及び上下に対応している。
<ブロア10の概要について>
ブロア10は、ゴミや埃等を吹き飛ばすための作業用機械であり、図1〜図3に示すように、ブロア本体12と、バッテリアダプタ20と、バッテリパック30(以下、バッテリ30という)とから構成されている。
ここで、バッテリアダプタ20について説明する前に、ブロア本体12の構成について簡単に説明する。
【0017】
<ブロア本体12について>
ブロア本体12は、中央下面に設けられた空気吸引口121からファン(図示省略)の回転により吸引された空気を先端(前端)のノズル123から放出できるように構成されている。ブロア本体12の中央部には空気吸引口121の上側にファン及びモータ12m等の収納部124が設けられており、その収納部124の上側からブロア本体12の後端位置まで前後にグリップ部125が渡されている。そして、グリップ部125の先端上側位置にブロア本体12のメインスイッチ12sが設けられている。また、グリップ部125の基端部の位置、即ち、ブロア本体12の後端位置には、バッテリ連結部127が設けられている。
バッテリ連結部127は、後記するバッテリアダプタ20、あるいは二台のDC18Vのバッテリ(図示省略)が連結される部分である。バッテリ連結部127は、図3に示すように、そのバッテリ連結部127の下面側にバッテリアダプタ20、あるいは二台のDC18Vのバッテリ(図示省略)がスライド接続可能に構成された二セットのバッテリ接続口127c,127dを備えている。
【0018】
ブロア本体12は、図4、図5に示すように、定格DC36Vのモータ12mにより駆動されるように構成されている。ブロア本体12のプラス電源ライン12pは、図5に示すように、一端が第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1に接続されており、他端がモータ12mのプラス端子pに接続されている。そして、プラス電源ライン12pの途中位置にヒューズ12fとメインスイッチ12sとが直列に接続されている。また、ブロア本体12のマイナス電源ライン12nは、一端が第2バッテリ接続口127dのマイナス端子N2に接続されており、他端がモータ12mのマイナス端子nに接続されている。そして、マイナス電源ライン12nの途中位置に、モータ12mに対する電力供給量を調節するスッチング素子FETと、モータ12mの負荷電流を検出するシャント抵抗12rが直列に接続されている。
【0019】
さらに、図5に示すように、第1バッテリ接続口127cのマイナス端子N1と、第2バッテリ接続口127dのプラス端子P2とはジャンパ線12jにより電気的に接続されている。このため、仮に、第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとにそれぞれDC18Vのバッテリ(図示省略)が接続されると、各々のバッテリが直列接続されてモータ12mにはDC36Vの電圧が印加されるようになる。
また、ブロア本体12の収納部124には、コントローラMCU(図5参照)が収納されている。コントローラMCUは、スッチング素子FETを動作させてモータ12mの駆動制御を行えるように構成されている(IO3端子参照)。ここで、コントローラMCUは、第1バッテリ接続口127c、及び第2バッテリ接続口127dのAS端子を介して放電許可信号が入力された段階で(IO1、IO2端子参照)、モータ12mを駆動制御する。また、コントローラMCUには、モータ12mの負荷電流が入力されるようになっており(I4端子参照)、過負荷時にモータ12mを停止し、AS端子を介して過負荷信号をバッテリ側に出力できるように構成されている。さらに、コントローラMCUは、ブロア本体12の表示回路12wに表示信号を出力できるように構成されている。
【0020】
<バッテリアダプタ20について>
バッテリアダプタ20は、一台の定格DC36Vのバッテリ30で第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC36Vのブロア本体12を駆動できるようにするためのアダプタである。
バッテリアダプタ20は、図2、図3に示すように、浅い箱状のハウジング22を備えており、そのハウジング22の上面側にブロア本体12の第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dにそれぞれスライド接続される第1機械側連結部22c、第2機械側連結部22dが設けられている。また、前記ハウジング22の下面側に定格DC36Vのバッテリ30の接続部33がスライド接続されるバッテリ側連結部23が設けられている。
【0021】
第1機械側連結部22cには、図5に示すように、ブロア本体12の第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1、マイナス端子N1、及びAS1端子がそれぞれ接続されるプラス端子P1、マイナス端子N1、及びAS1端子が設けられている。また、第2機械側連結部22dには、ブロア本体12の第2バッテリ接続口127dのプラス端子P2、マイナス端子N2、及びAS2端子がそれぞれ接続されるプラス端子P2、マイナス端子N2、及びAS2端子が設けられている。
さらに、バッテリ側連結部23には、バッテリ30の接続部33に設けられたプラス端子P、マイナス端子N、及びAS端子がそれぞれ接続されるプラス端子P、マイナス端子N、及びAS端子が設けられている。そして、バッテリ側連結部23のプラス端子Pが第1機械側連結部22cのプラス端子P1に接続されており、バッテリ側連結部23のマイナス端子Nが第2機械側連結部22dのマイナス端子N2に接続されている。また、バッテリ側連結部23のAS端子が第2機械側連結部22dのAS2端子に接続されている。したがって、バッテリ30のコントローラBMUからの過放電等の信号(放電禁止信号)は、第2機械側連結部22dのAS2端子を介してブロア本体12のコントローラMCUのIO2端子に入力されるようになる。また、ブロア本体12のコントローラMCUからのメインスイッチ12sの操作信号も、第2機械側連結部22dのAS2端子を介してバッテリ30のコントローラBMUに伝送される。
【0022】
バッテリアダプタ20のハウジング22内には、常時、放電許可信号を出力できるように構成された放電許可出力回路24が設けられており、その出力信号が第1機械側連結部22cのAS1端子を介してブロア本体12のコントローラMCUのIO1端子に入力される。このため、ブロア本体12のコントローラMCUは、IO2端子に入力される過放電等の信号(放電禁止信号)、あるいは放電許可信号に基づいてモータ12mを駆動制御する。
また、バッテリアダプタ20のハウジング22内には、第1機械側連結部22cのプラス端子P1、マイナス端子N1間、及び第2機械側連結部22dのプラス端子P2、マイナス端子N2間にそれぞれ等しい電圧が印加されるように構成された定電圧回路25が設けられている。
【0023】
<バッテリアダプタ20の動作について>
次に、バッテリアダプタ20の動作について説明する。
先ず、バッテリアダプタ20のバッテリ側連結部23にバッテリ30をスライド接続し、図1に示すように、そのバッテリアダプタ20の第1機械側連結部22c、第2機械側連結部22dをブロア本体12の第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dにスライド接続する。これにより、図5に示すように、バッテリ30のプラス端子Pがバッテリアダプタ20の第1機械側連結部22cのプラス端子P1を介してブロア本体12の第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1に接続される。また、バッテリ30のマイナス端子Nがバッテリアダプタ20の第2機械側連結部22dのマイナス端子N2を介してブロア本体12の第2バッテリ接続口127dのマイナス端子N2に接続される。さらに、バッテリ30のAS端子がバッテリアダプタ20の第2機械側連結部22dのAS2端子を介してブロア本体12の第2バッテリ接続口127dのAS2端子に接続される。
これにより、ブロア本体12の第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1、マイナス端子N1間、及び第2バッテリ接続口127dのプラス端子P2、マイナス端子N2間にそれぞれDC18Vが印加される。即ち、ブロア本体12のモータ12mには、第1バッテリ接続口127cの電圧(DC18V)と第2バッテリ接続口127dの電圧(DC18V)とが直列に加わるようになる。これにより、一台の定格DC36Vのバッテリ30で第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC36Vのブロア本体12を駆動できるようになる。
【0024】
<本実施形態に係るバッテリアダプタ20の長所について>
本実施形態に係るバッテリアダプタ20によると、二個のバッテリ接続口127c,127dを備えるブロア本体12(電動機械)を一個のバッテリ30で動作させられるようになる。これにより、複数(二個)のバッテリ接続口127c,127dを備えるブロア本体12の使い勝手が向上する。
また、バッテリアダプタ20の各々の機械側連結部22c,22dに印加される電圧(DC18V)の総和がブロア本体12(電動機械)のモータ12mの定格電圧(DC36V)に等しくなるように構成されている。このため、上記バッテリアダプタ20を使用することで、DC18V用のバッテリ接続口127c,127dが二ヶ所に設けられた定格DC36Vの二口用のブロア本体12(電動機械)を一台の定格DC36Vのバッテリで駆動させられるようになる。
【0025】
[実施形態2]
以下、図6から図8に基づいて本発明の実施形態2に係るバッテリアダプタ40について説明する。
本実施形態に係るバッテリアダプタ40は、図6に示すように、一台の定格DC36Vのバッテリ30で第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC18Vの電動機械12を駆動できるようにするためのアダプタである。本実施形態に係るバッテリアダプタ40は、基本構成は実施形態1に係るバッテリアダプタ20と同様である。このため、実施形態1に係るバッテリアダプタ20等と同一の部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態において使用される電動機械12は、図7に示すように、第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとにDC18Vのバッテリ(図示省略)がそれぞれ並列接続可能に構成されている。即ち、前記電動機械12では、第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1、マイナス端子N1と、第2バッテリ接続口127dのプラス端子P2、マイナス端子N2とが並列に接続されている。このため、モータ12mには、第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとに加わる電圧(DC18V)と等しい電圧が印加されるようになる。
【0026】
バッテリアダプタ40は、実施形態1に係るバッテリアダプタ20と同様に第1機械連結部22cと第2機械連結部22dとを備えている。しかし、図7に示すように、バッテリアダプタ40の第1機械連結部22cは、プラス端子、マイナス端子を備えておらず、電動機械12の第1バッテリ接続口127cと機械的な連結のみが可能な構成である。即ち、バッテリアダプタ40の第2機械連結部22dのみが電動機械12の第2バッテリ接続口127dと電気的に接続されるようになる。
バッテリアダプタ40には、バッテリ側連結部23のプラス端子P、マイナス端子Nとに加えられた電圧(DC36V)を降圧する降圧機器43が設けられている。降圧機器43は、DC36VをDC18Vに降圧する機器であり、その出力電圧(DC18V)が第2機械連結部22dのプラス端子P2とマイナス端子N2に加わるように構成されている。これにより、電動機械12の第2バッテリ接続口127dにはDC18Vが加わるようになる。
【0027】
また、バッテリアダプタ40には、AS出力回路45が設けられている。AS出力回路45は、電動機械12のコントローラMCUからのメインスイッチ12sの操作信号、あるいはバッテリ30のコントローラBMUからの過放電等の信号を受けて降圧機器43の入力電源を遮断できるように構成されている。
このように、上記バッテリアダプタ40により、一台の定格DC36Vのバッテリ30で第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC18Vの電動機械12を駆動できるようになる。このように、定格DC18Vの電動機械12の駆動に定格DC36Vのバッテリ30を使用できるため、電動機械12を長時間動作させられるようになる。
【0028】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、図7に示すように、バッテリアダプタ40の第1機械連結部22cを電気的に使用せずに、第2機械連結部22dのみを使用する例を示した。しかし、図8に示すように、第1機械連結部22cのプラス端子P1と第2機械連結部22dのマイナス端子N2にDC18Vが加わるようにし、電動機械12の第1バッテリ接続口127cのプラス端子P1と第2バッテリ接続口127dのマイナス端子N2を介してモータ12mにDC18V電圧を加える構成でも可能である。
【0029】
[実施形態3]
以下、図9から図13に基づいて本発明の実施形態3に係るバッテリアダプタ50について説明する。
本実施形態に係るバッテリアダプタ50は、図9に示すように、一台の定格DC18Vのバッテリ60で第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC36Vの電動機械12を駆動できるようにするためのアダプタである。本実施形態に係るバッテリアダプタ50は、基本構成は実施形態1に係るバッテリアダプタ20と同様である。このため、実施形態1に係るバッテリアダプタ20等と同一の部材については同一符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態において使用される電動機械12は、実施形態1において説明した電動機械12と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
バッテリアダプタ50には、図10に示すように、バッテリ側連結部23のプラス端子P、マイナス端子Nに加えられた電圧(DC18V)を昇圧する昇圧機器53が設けられている。昇圧機器53は、DC18VをDC36Vに昇圧する機器であり、その出力電圧(DC36V)が第1機械連結部22cのプラス端子P1と第2機械連結部22dのマイナス端子N2に加わるように構成されている。さらに、昇圧機器53の出力側には、第1機械側連結部22cのプラス端子P1、マイナス端子N1間、及び第2機械側連結部22dのプラス端子P2、マイナス端子N2間にそれぞれ等しい電圧(DC18V)が印加されるように構成された定電圧回路25が設けられている。
これにより、電動機械12の第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとには、バッテリアダプタ50の第1機械側連結部22cと第2機械側連結部22dとを介してDC18Vがそれぞれ加わるようになる。即ち、電動機械12のモータ12mには、第1バッテリ接続口127cの電圧(DC18V)と第2バッテリ接続口127dの電圧(DC18V)とが直列接続されることにより電圧DC36Vが加わるようになる。
したがって、一台の定格DC18Vのバッテリ60で応急的に第1バッテリ接続口127c、第2バッテリ接続口127dを備える定格DC36Vの電動機械12を駆動できるようになる。
【0031】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、図10に示すように、電動機械12の第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとを直列接続することで、モータ12mにDC36Vの電圧が加わるようにした。
しかし、図11、図12に示すように、定電圧回路25を省略してバッテリアダプタ50の第2機械側連結部22d(P2、N2間)にDC36Vの電圧が加わるようにすることも可能である。これにより、図12に示すように、第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとにDC36Vのバッテリがそれぞれ並列接続可能に構成された電動機械12に対して前記バッテリアダプタ50を使用することが可能になる。
また、図13に示すように、定電圧回路25を省略し、バッテリアダプタ50の第1機械側連結部22cのプラス端子P1と第2機械側連結部22dのマイナス端子N2間にDC36Vの電圧が加わるようにすることも可能である。これにより、図13に示すように、第1バッテリ接続口127cと第2バッテリ接続口127dとにDC36Vのバッテリがそれぞれ並列接続可能に構成された電動機械12に対して前記バッテリアダプタ50を使用することも可能になる。
また、実施形態1〜3では、機械側連結部22c,22dを二個、バッテリ側連結部23を一個備えるバッテリアダプタ20,40,50を例示した。しかし、機械側連結部の数がバッテリ側連結部の数よりも多くなる条件下で、機械側連結部、及びバッテリ側連結部の個数を適宜変更することも可能である。
また、実施形態1〜3では、電動機械12としてブロア10を例示したが、ブロア10のみならず、バッテリ式チェンソー、ヘッヂトリマ等や、ドリル、ドライバ等の電動工具に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0032】
12・・・・ブロア本体(電動機械)
12m・・・モータ
127c・・第1バッテリ接続口
127d・・第2バッテリ接続口
20・・・・バッテリアダプタ
22c・・・第1機械側連結部
22d・・・第2機械側連結部
23・・・・バッテリ側連結部
30・・・・バッテリ
40・・・・バッテリアダプタ
43・・・・降圧機器
50・・・・バッテリアダプタ
53・・・・昇圧機器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機械に設けられた複数のバッテリ接続口に接続可能に構成された複数の機械側連結部と、バッテリが接続可能に構成されたバッテリ側連結部とを備えるバッテリアダプタであって、
前記機械側連結部の数がバッテリ側連結部の数よりも多く設定されており、前記バッテリ側連結部に接続されたバッテリにより前記機械側連結部にバッテリ接続口を介して接続された前記電動機械を駆動できるように構成されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載されたバッテリアダプタであって、
前記電動機械のモータの定格電圧と等しい公称電圧のバッテリが前記バッテリ側連結部に接続された状態で、前記機械側連結部にバッテリ接続口を介して接続された前記電動機械が駆動されるように構成されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項3】
請求項2に記載されたバッテリアダプタであって、
各々の前記機械側連結部に印加される電圧の総和が前記電動機械のモータの定格電圧に等しくなるように構成されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項4】
請求項1に記載されたバッテリアダプタであって、
前記バッテリ側連結部に印加されるバッテリの電圧を降圧する降圧機器を備えており、
その降圧機器の出力電圧が前記電動機械のモータの定格電圧と等しくなるように設定されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項5】
請求項4に記載されたバッテリアダプタであって、
前記降圧機器の出力電圧が一つの前記機械側連結部に印加される電圧と等しいことを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項6】
請求項4に記載されたバッテリアダプタであって、
前記降圧機器の出力電圧が複数の前記機械側連結部の異なる組のプラス端子とマイナス端子間に印加される構成であることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項7】
請求項1に記載されたバッテリアダプタであって、
前記バッテリ側連結部に印加されるバッテリの電圧を昇圧する昇圧機器を備えており、その昇圧機器の出力電圧が電動機械のモータの定格電圧と等しくなるように設定されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項8】
請求項7に記載されたバッテリアダプタであって、
前記昇圧機器の出力電圧と個々の前記機械側連結部に印加される電圧の総和とが等しくなるように設定されていることを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項9】
請求項7に記載されたバッテリアダプタであって、
前記昇圧機器の出力電圧が一つの前記機械側連結部に印加される電圧と等しいことを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項10】
請求項7に記載されたバッテリアダプタであって、
前記昇圧機器の出力電圧が複数の前記機械側連結部の異なる組のプラス端子とマイナス端子間に印加される構成であることを特徴とするバッテリアダプタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−109894(P2013−109894A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252650(P2011−252650)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】