バッテリ装着機構
【課題】大きさが異なる複数のバッテリを装着可能であり、かつ、バッテリの取り外しが容易である、バッテリ装着機構を提供する。
【解決手段】バッテリ装着機構8は、端子接続部19と、第1ストッパ41と、第2ストッパ42と、解除ボタン3と、を備えている。第1ストッパ41は、端子接続部19に対してZ軸方向に移動可能に配置されている。第2ストッパ42は、第1ストッパ41に対して端子接続部19と反対側に配置された部材であって、端子接続部19に対してZ軸方向に移動可能に配置されている。解除ボタン3は、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制または第2ストッパ42による第2バッテリの規制を解除するための部材であって、第1ストッパ41および第2ストッパ42を端子接続部19に対してZ軸方向に駆動する。
【解決手段】バッテリ装着機構8は、端子接続部19と、第1ストッパ41と、第2ストッパ42と、解除ボタン3と、を備えている。第1ストッパ41は、端子接続部19に対してZ軸方向に移動可能に配置されている。第2ストッパ42は、第1ストッパ41に対して端子接続部19と反対側に配置された部材であって、端子接続部19に対してZ軸方向に移動可能に配置されている。解除ボタン3は、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制または第2ストッパ42による第2バッテリの規制を解除するための部材であって、第1ストッパ41および第2ストッパ42を端子接続部19に対してZ軸方向に駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するためのバッテリ装着機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラなどの撮像装置では専用のバッテリが使用される。例えば、ビデオカメラに通常使用される充電式のバッテリは、容量によって大きさが異なるため、実用上、異なる大きさのバッテリを装着できる機構が求められている。また、バッテリの交換を容易に行えるように、業務用ビデオカメラのバッテリ装着機構としては、ビデオカメラの筐体の外側に直接バッテリを装着する構造が採用されている。
この種のバッテリ装着機構としては、例えば特許文献1に記載の機構が提案されている。このバッテリ装着機構は、箱状の本体と、第1支持部材と、第2支持部材と、係止部材と、解除部材と、を備えている。
本体は上部に開閉自在な蓋体を有している。第1支持部材は大きさが異なる2種類の第1バッテリおよび第2バッテリの底を個別に支持する。第2支持部材は、第1バッテリの上面を規制し、第2バッテリの両側面を規制する。係止部材は、本体の内側に設けられており、第1および第2バッテリの上側への動きを規制する。解除部材は、この係止部材による第1および第2バッテリの動きの規制を解除する。
【特許文献1】実開平4−16869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来の構成では、第1バッテリを取り外す際には、支持部材および係止部材による規制をともに解除する必要がある。また、第2バッテリを取り外す際には、支持部材および係止部材による規制をともに解除する必要がある。つまり、このバッテリ装着機構では、大きさが異なるバッテリを装着できるが、バッテリの取り外しに手間がかかる。
本発明の課題は、大きさが異なるバッテリを装着でき、かつ、バッテリの取り外しが容易である、バッテリ装着機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るバッテリ装着機構は、異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するための機構であって、第1当接部と、第1支持部材と、第2支持部材と、解除部材と、を備えている。第1当接部は、装置本体に固定されており、バッテリと第1方向に当接可能である。第1支持部材は、第1当接部とともに装置本体に対するバッテリの第1方向への移動を規制するための部材であって、第1当接部に対して第1方向に直交する第2方向に移動可能に配置されている。第2支持部材は、第1当接部とともに装置本体に対するバッテリの第1方向への移動を規制するための部材であって、第1当接部に対して第2方向に移動可能に配置されている。解除部材は、第1支持部材によるバッテリの規制または第2支持部材によるバッテリの規制を解除するための部材であって、第1支持部材および第2支持部材を第1当接部に対して第2方向に駆動可能である。
【0005】
第1バッテリがバッテリ装着機構を介して装置本体に装着されている場合、第1当接部と第1支持部材とにより装置本体に対する第1バッテリの第1方向への移動が規制される。解除部材を操作することにより、第1支持部材が装置本体に対して第2方向に駆動されるため、第1バッテリの第1支持部材による規制が解除され、バッテリを装置本体から取り外すことができる。
また、第1バッテリとは大きさが異なる第2バッテリがバッテリ装着機構を介して装置本体に装着されている場合は、第1当接部と第2支持部材とにより装置本体に対する第2バッテリの第1方向への移動が規制される。解除部材を操作することにより、第2支持部材が装置本体に対して第2方向に駆動されるため、第2バッテリの第2支持部材による規制が解除され、第2バッテリを装置本体から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0006】
このように、このバッテリ装着機構では、大きさが異なるバッテリを装着することができ、かつ、バッテリの取り外しを解除部材により容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<バッテリ装着機構の概要>
バッテリ装着機構8は、大きさが異なる2つのバッテリを、ビデオカメラなどの装置に装着できるようにするための機構である。ここでは、バッテリ装着機構8が搭載される装置として業務用のビデオカメラ100(装置本体の一例)を例に、バッテリ装着機構8の概要について説明する。
図1、図2(A)および(B)にビデオカメラ100の斜視図を示す。図1はビデオカメラ100にバッテリが装着されていない状態を示している。図2(A)は、第1バッテリ21がビデオカメラ100に装着されている状態を示しており、図2(B)は、第1バッテリ21よりも大きい第2バッテリ22がビデオカメラ100に装着されている状態を示している。
【0008】
なお、図1〜図2(B)に示すように、本実施の形態では、ビデオカメラ100に対して直交座標系を設定する。図中のX軸方向(第1方向の一例)がビデオカメラ100の使用状態における前後方向、Y軸方向が左右方向、Z軸方向(第2方向の一例)が上下方向となる。X軸方向正側が前側、Y軸方向正側がビデオカメラ100を後方から見た場合のビデオカメラ100の右側、Z軸方向正側が上側である。
図1〜図2(B)に示すように、ビデオカメラ100の後部にはバッテリ装着機構8が搭載されている。具体的には、ビデオカメラ100の後部には、バッテリが収容される凹部9が設けられており、凹部9の底部にバッテリ装着機構8が配置されている。バッテリが後方に取り出せるように、凹部9は後方(X軸方向負側)に向かって開いている。
図2(A)および(B)に示すように、バッテリ装着機構8により、2種類の形状のバッテリをビデオカメラ100に装着することができる。具体的には、図3(A)に示す第1バッテリ21と、図3(B)に示す第2バッテリ22と、がバッテリ装着機構8に装着可能である。図3(A)および(B)に示すように、第1バッテリ21および第2バッテリ22は異なる種類のバッテリであり、第2バッテリ22は第1バッテリ21よりも大きく、より詳細には、ビデオカメラ100に装着した場合に、第2バッテリ22が第1バッテリ21よりもX軸方向およびZ軸方向に長い。
【0009】
<バッテリの構成>
ここで、第1バッテリ21および第2バッテリ22の構成について説明する。
第1バッテリ21および第2バッテリ22は、例えば充電式のバッテリである。第1バッテリ21または第2バッテリ22がベースプレート1の端子接続部19(後述)と電気的に接触することで、第1バッテリ21または第2バッテリ22からビデオカメラ100の各部に電力が供給される。
図3(A)に示すように、第1バッテリ21は、端子部21aと、第1被係止部21bと、1対の第2被係止部21cと、底面21dと、を有している。端子部21aは端子接続部19と電気的に接触するための接点を有している。第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、端子部21aは端子接続部19とX軸方向に当接する。端子部21aが端子接続部19に当接することで、第1バッテリ21がビデオカメラ100に対してX軸方向に位置決めされる。
【0010】
第1被係止部21bは、バッテリ装着機構8の第1ストッパ41(後述)とX軸方向に当接する部分である。第2被係止部21cは、ベースプレート1の1対の係止部13(後述)により係止される部分であり、第1バッテリ21の底面21dの左右両端に1つずつ設けられている。底面21dは、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着された際にベースプレート1のプレート本体11(後述)と当接する。
図3(B)に示すように、第2バッテリ22は、端子部22aと、第1被係止部22bと、1対の第2被係止部22cと、底面22dと、を有している。端子部22aは端子接続部19と電気的に接触するための接点を有している。第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、端子部22aは端子接続部19とX軸方向に当接する。端子部22aが端子接続部19に当接することで、第2バッテリ22がビデオカメラ100に対してX軸方向に位置決めされる。
【0011】
第1被係止部22bは、バッテリ装着機構8の第2ストッパ42(後述)とX軸方向に当接する部分である。第2被係止部22cは、ベースプレート1の1対の係止部13により係止される部分であり、第2バッテリ22の底面22dの左右両端に1つずつ設けられている。底面22dは、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着された際にベースプレート1のプレート本体11(後述)と当接する。
<バッテリ装着機構の構成>
上記の2種類の第1バッテリ21および第2バッテリ22をビデオカメラ100に装着できるようにするために、バッテリ装着機構8は以下のような構成を有している。図4〜図12(B)を用いてバッテリ装着機構8について説明する。
図4および図5はバッテリ装着機構8の分解斜視図である。図4および図5は、バッテリ装着機構8の各部を異なる視点から見たときの図である。図6(A)〜図8はバッテリ装着機構8の断面図である。図6(A)は第1バッテリ21が装着されている状態を示している。図6(A)および(B)は異なる位置での断面図である。図7(A)および(B)は解除ボタン3が押されている状態を示している。図7(A)および(B)は異なる位置での断面図である。図8は第2バッテリ22が装着されている状態を示している。図9(A)および(B)はベースプレート1の斜視図である。図10(A)および(B)は第1ストッパ41の斜視図である。図11(A)および(B)は第2ストッパ42の斜視図である。図12(A)および(B)は解除ボタン3の斜視図である。図13はバッテリ装着機構8の断面図である。
【0012】
図4および図5に示すように、バッテリ装着機構8は、ベースプレート1と、第1ストッパ41(第1支持部材の一例)と、第2ストッパ42(第2支持部材の一例)と、第1スプリング51(第1押圧部材の一例)と、第2スプリング52(第2押圧部材の一例)と、解除ボタン3(解除部材の一例)と、支持プレート6と、を備えている。
(1)ベースプレート
ベースプレート1は、ビデオカメラ100の筐体の一部を構成しており、第1バッテリ21および第2バッテリ22を載せる部分である。ベースプレート1はX軸方向に平行に配置されている。ベースプレート1の下側(Z軸方向負側)は、ビデオカメラ100の筐体内部を意味している。
図4〜図9(B)に示すように、ベースプレート1は、プレート本体11(第2当接部の一例)と、端子接続部19(第1当接部の一例)と、1対の係止部13と、第1案内軸14a(第1案内部材の一例)と、第2案内軸14b(第2案内部材の一例)と、案内プレート15と、を有している。なお、図6(A)および(B)では、端子接続部19は省略されている。
【0013】
プレート本体11は、第1バッテリ21および第2バッテリ22をZ軸方向に支持する部分であり、第1開口11aおよび第2開口11bを有している。第1開口11aには第1ストッパ41の第1突出部41b(後述)が挿入され、第2開口11bには第2ストッパ42の第2突出部42b(後述)が挿入される。
端子接続部19は、第1バッテリ21の端子部21aまたは第2バッテリ22の端子部22aと電気的に接触する部分であり、プレート本体11の前側(X軸方向正側)の端部に固定されている。端子接続部19は第1バッテリ21または第2バッテリ22のビデオカメラ100に対するX軸方向正側への移動を規制する。つまり、第1バッテリ21または第2バッテリ22は、端子接続部19によりX軸方向に位置決めされている。
係止部13はプレート本体11の左右両端に1つずつ設けられている。第1バッテリ21を装着した際に、係止部13には第1バッテリ21の第2被係止部21cが嵌め込まれる。係止部13により、第1バッテリ21のベースプレート1に対するY軸方向およびZ軸方向への移動が規制され、第1バッテリ21がベースプレート1に対してY軸方向およびZ軸方向に位置決めされる。
【0014】
また、第2バッテリ22を装着した際に、係止部13には第2バッテリ22の第2被係止部22cが嵌め込まれる。係止部13により、第2バッテリ22のベースプレート1に対するY軸方向およびZ軸方向への移動が規制され、第2バッテリ22がベースプレート1に対してY軸方向およびZ軸方向に位置決めされる。
第1案内軸14aは、第1ストッパ41をZ軸方向に案内する部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。第2案内軸14bは、第2ストッパ42をZ軸方向に案内する部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。第1案内軸14aおよび第2案内軸14bはX軸方向に並んで配置されている。
案内プレート15は、解除ボタン3をX軸方向に案内する概ね板状の部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。
【0015】
(2)第1ストッパおよび第1スプリング
図4〜図8、図10(A)および(B)に示すように、第1ストッパ41は、第1バッテリ21のベースプレート1に対する移動を規制するための部品であり、端子接続部19とX軸方向に間隔をあけて配置されている。第1ストッパ41は第2ストッパ42(後述)と端子接続部19との間に配置されている。
第1ストッパ41は、第1本体部41aと、第1突出部41bと、1対の側方部41cと、を有している。第1本体部41aは第1案内軸14aが挿入される第1孔41dを有している。第1案内軸14aが第1孔41dに挿入されているため、第1ストッパ41はプレート本体11に対してZ軸方向にスライド可能である。第1突出部41bは、第1バッテリ21の第1被係止部21bと当接する部分であり、第1本体部41aから突出している。第1突出部41bは第1開口11aに挿入されている。
【0016】
第1突出部41bが第1開口11aに挿入されている状態で、第1突出部41b(より詳細には、第1突出部41bと第1バッテリ21との接触点)は、第1案内軸14aよりも端子接続部19側に配置されている。
側方部41cは解除ボタン3の第1案内部32(後述)に案内される部分である。
図4〜図8に示すように、第1スプリング51は、第1ストッパ41をZ軸方向に付勢する部材であって、第1ストッパ41(より詳細には、第1本体部41a)をベースプレート1側(Z軸方向正側)に押圧している。第1スプリング51は、第1案内軸14aに挿入されており、予め圧縮された状態で第1ストッパ41と支持プレート6との間に配置されている。
第1ストッパ41がZ軸方向正側(上側)に最も移動したときには、第1突出部41bは第1開口11aから筐体外部に突出した状態となる。第1ストッパ41がZ軸方向負側(下側)に最も移動したときには、第1ストッパ41が完全に筐体内部に収まる状態となり、第1開口11aから第1突出部41bは突出しない。第1ストッパ41は第1スプリング51によりベースプレート1側(Z軸方向正側)に押し付けられているため、通常は第1開口11aから第1突出部41bが筐体外部に突出している。
【0017】
(3)第2ストッパおよび第2スプリング
図4〜図8、図11(A)および(B)に示すように、第2ストッパ42は、第2バッテリ22のベースプレート1に対する移動を規制するための部分であり、第1ストッパ41に対して端子接続部19と反対側に配置されている。第2ストッパ42は、第2本体部42aと、第2突出部42bと、1対の軸部42cと、を有している。第2本体部42aは第2案内軸14bが挿入される第2孔42dを有している。第2案内軸14bが第2孔42dに挿入されているため、第2ストッパ42はプレート本体11に対してZ軸方向に移動可能である。第2突出部42bは、第2バッテリ22の第1被係止部22bと当接する部分であり、第2本体部42aから突出している。第2突出部42bは第2開口11bに挿入されている。
【0018】
第2突出部42bが第2開口11bに挿入されている状態で、第2突出部42b(より詳細には、第2突出部42bと第1バッテリ21との接触点)は、第2案内軸14bよりも端子接続部19側に配置されている。
軸部42cは解除ボタン3の第1案内部32に案内される部分である。
図4〜図8に示すように、第2スプリング52は、第2ストッパ42をZ軸方向に付勢する部材であって、第2ストッパ42(より詳細には、第2本体部42a)をベースプレート1側(Z軸方向正側)に押圧している。第2スプリング52は、第2案内軸14bに挿入されており、予め圧縮された状態で第2ストッパ42と支持プレート6との間に配置されている。
第2ストッパ42がZ軸方向正側(上側)に最も移動したときには、第2突出部42bは第2開口11bから筐体外部に突出した状態となる。第2ストッパ42がZ軸方向負側(下側)に最も移動したときには、第2ストッパ42が完全に筐体内部に収まる状態となり、第2開口11bから第2突出部42bは突出しない。第2ストッパ42は第1スプリング51によりベースプレート1側(Z軸方向正側)に押し付けられているため、通常は第2開口11bから第2突出部42bが筐体外部に突出している。
【0019】
第1ストッパ41および第2ストッパ42は、それぞれ独立してベースプレート1に対してZ軸方向に移動可能である。
(3)解除ボタン
解除ボタン3は、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制または第2ストッパ42による第2バッテリ22の規制を解除するための部材であり、第1バッテリ21または第2バッテリ22を取り外す際にユーザーにより操作される。具体的には、解除ボタン3は、操作部31と、第1案内部32と、第2案内部33と、を有している。
操作部31は、第1ストッパ41と第1バッテリ21との係止あるいは第2ストッパ42と第2バッテリ22との係止を解除する際に、ユーザーがX軸方向にスライド操作する。第1案内部32はスライド操作時に第1ストッパ41および第2ストッパ42に力を伝達する。具体的には、第1案内部32は、1対の第1傾斜部32c(第1変換部の一例)と、1対の第2傾斜部32a(第2変換部の一例)と、連結部32bと、1対の水平部32dと、を有している。
【0020】
第1傾斜部32cは、第1ストッパ41をZ軸方向に案内する部分であり、第1ストッパ41の側方部41cと摺動可能に設けられている。第1傾斜部32cはZ軸方向に対して傾斜している。第1傾斜部32cにより、解除ボタン3のX軸方向の移動が第1ストッパ41のZ軸方向の移動に変換される。
第2傾斜部32aは、第2ストッパ42をZ軸方向に案内する部分であり、第2ストッパ42の軸部42cと摺動可能に設けられている。第2傾斜部32aはZ軸方向に対して傾斜している。第2傾斜部32aのZ軸方向に対する傾斜角度は、第1傾斜部32cのZ軸方向に対する傾斜角度と概ね同じである。第2傾斜部32aはZ軸方向に対して傾斜している。第2傾斜部32aにより、解除ボタン3のX軸方向の移動が第2ストッパ42のZ軸方向の移動に変換される。
【0021】
連結部32bは、1対の第1傾斜部32cと1対の第2傾斜部32aとを連結する部分である。水平部32dは、第1傾斜部32cの端部からX軸方向に延びている。
解除ボタン3をX軸方向正側にスライドさせると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に駆動され、第2ストッパ42がZ軸方向負側に移動する。
一方、第1ストッパ41の側方部41cが第1傾斜部32cおよび水平部32dのZ軸方向負側に配置されているため、第1突出部41bがZ軸方向負側に押されても、この力が第2ストッパ42および解除ボタン3に伝達されない。したがって、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、第2バッテリ22により第1突出部41bがZ軸方向負側に押されても、第2ストッパ42による第2バッテリ22の規制は解除されない。
【0022】
また、第2ストッパ42の軸部42cが第2傾斜部32aのZ軸方向負側に配置されているため、第2突出部42bがZ軸方向負側に押されても、この力が第1ストッパ41および解除ボタン3に伝達されない。したがって、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着されている状態で第2突出部42bがZ軸方向負側に押されても、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制は解除されない(図13参照)。
(5)支持プレート
図4および図5に示すように、支持プレート6は、ベースプレート1の下側(Z軸方向負側)に配置されており、2本のビス7によりベースプレート1に固定されている。ベースプレート1および支持プレート6の間には、第1ストッパ41、第2ストッパ42、解除ボタン3、第1スプリング51および第2スプリング52が配置されている。
【0023】
<バッテリ装着機構の動作>
図4〜図12(B)を用いてバッテリ装着機構8の動作について説明する。
第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着される場合、第1バッテリ21の端子部21aが端子接続部19に接続されるように、第1バッテリ21が凹部9(図1〜図2(B)参照)内に挿入され、1対の係止部13に1対の第2被係止部21cが嵌め込まれる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51によりZ軸方向正側に付勢されているため、底面21dが第1突出部41bに接触しても、第1スプリング51が縮まって第1突出部41bがZ軸方向負側に移動し、係止部13が第2被係止部21cに嵌め込まれるのが阻害されない。
第1バッテリ21をX軸方向正側に移動させ、端子部21aが端子接続部19とX軸方向に当接すると、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のX軸方向の位置が決まる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51によりZ軸方向正側に付勢されているため、ベースプレート1に対して第1ストッパ41がZ軸方向正側に移動し、第1バッテリ21の第1被係止部21bに第1突出部41bが嵌り込む(図6(A)参照)。
【0024】
これにより、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のX軸方向の移動は、端子接続部19および第1ストッパ41により規制される。つまり、第1バッテリ21は、端子接続部19および第1ストッパ41により挟持され、X軸方向にロックされる。また、係止部13および第2被係止部21cにより、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制される。
このようにして、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着される。
図12(A)および(B)に示すように、解除ボタン3の操作部31をX軸方向正側にスライド操作すると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に押し下げられ、第2傾斜部32aにより第2ストッパ42がZ軸方向負側に押し下げられる。
第1ストッパ41がベースプレート1に対してZ軸方向負側に押し下げられると、第1突出部41bおよび第2突出部42bが筐体内部に入り込み、第1突出部41bが第1被係止部21bと当接しなくなる。これにより、第1バッテリ21のX軸方向の係止が解除され、第1バッテリ21がX軸方向負側に取り出せるようになる。
【0025】
また、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着される場合、第2バッテリ22の端子部22aが端子接続部19に接続されるように、第2バッテリ22が凹部9(図1〜図2(B)参照)内に挿入され、1対の係止部13に1対の第2被係止部22cが嵌め込まれる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51により、第2ストッパ42が第2スプリング52により、それぞれZ軸方向正側に付勢されているため、底面22dが第1突出部41bおよび第2突出部42bに接触しても、第2スプリング52が縮まって第2突出部42bがZ軸方向負側に移動し、係止部13が第2被係止部22cに嵌め込まれるのが阻害されない。
第2バッテリ22をX軸方向正側に移動させ、端子部22aが端子接続部19とX軸方向に当接すると、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のX軸方向の位置が決まる。このとき、第1ストッパ41は第2バッテリ22により下側に押し下げられた状態で静止するが、第2ストッパ42が第2スプリング52によりZ軸方向正側に付勢されているため、ベースプレート1に対して第2ストッパ42がZ軸方向正側に移動し、第2バッテリ22の第1被係止部22bに第2突出部42bが嵌り込む(図8参照)。
【0026】
これにより、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のX軸方向の移動は、端子接続部19および第2ストッパ42により規制される。つまり、第2バッテリ22は、端子接続部19および第2ストッパ42により挟持され、X軸方向にロックされる。また、係止部13および第2被係止部22cにより、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制される。
このようにして、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着される。
図12(A)および(B)に示すように、解除ボタン3の操作部31をX軸方向正側にスライド操作すると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に押し下げられ、第2傾斜部32aにより第2ストッパ42がZ軸方向負側に押し下げられる。
第2ストッパ42がベースプレート1に対してZ軸方向負側に押し下げられると、第1突出部41bおよび第2突出部42bが筐体内部に入り込み、第2突出部42bが第1被係止部22bと当接しなくなる。これにより、第2バッテリ22のX軸方向の係止が解除され、第2バッテリ22がX軸方向負側に取り出せるようになる。
【0027】
<バッテリ装着機構の特徴>
以上に説明したバッテリ装着機構8の特徴を以下にまとめる。
(1)
このバッテリ装着機構8では、第1バッテリ21がビデオカメラ100に装着されている場合、端子接続部19と第1ストッパ41とによりビデオカメラ100(より詳細には、ベースプレート1)に対する第1バッテリ21のX軸方向への移動が規制される。解除ボタン3を操作することにより、第1ストッパ41がビデオカメラ100に対してZ軸方向に駆動されるため、第1バッテリ21の第1ストッパ41による規制が解除され、第1バッテリ21をビデオカメラ100から取り外すことができる。
また、第2バッテリ22がビデオカメラ100に装着されている場合は、端子接続部19と第2ストッパ42とによりビデオカメラ100(より詳細には、ベースプレート1)に対する第2バッテリ22のX軸方向への移動が規制される。解除ボタン3を操作することにより、第2ストッパ42がビデオカメラ100に対してZ軸方向に駆動されるため、第2バッテリ22の第2ストッパ42による規制が解除され、第2バッテリ22をビデオカメラ100から取り外すことができる。
【0028】
このように、このバッテリ装着機構8では、大きさが異なる第1バッテリ21および第2バッテリ22を装着することができ、かつ、第1バッテリ21および第2バッテリ22の取り外しを解除ボタン3により容易に行うことができる。
(2)
このバッテリ装着機構8では、解除ボタン3がベースプレート1(例えば、端子接続部19)に対してX軸方向に移動可能に配置されているため、解除ボタン3を操作する方向が水平方向となり、解除ボタン3の操作がしやすい。
(3)
このバッテリ装着機構8では、解除ボタン3が、ユーザーが操作するための操作部31と、端子接続部19に対する操作部のX軸方向への移動を第1ストッパ41のZ軸方向への移動に変換する第1傾斜部32cと、端子接続部19に対する操作部のX軸方向への移動を第2ストッパ42のZ軸方向への移動に変換する第2傾斜部32aと、を有している。このため、簡素な構成により第1ストッパ41および第2ストッパ42の駆動を行うことができる。
【0029】
(4)
このバッテリ装着機構8では、第1バッテリ21と当接可能な第1突出部41bが第1案内軸14aよりも端子接続部19側に配置されているため、第1バッテリ21を取り外す際に第1突出部41bにZ軸方向の力が作用しても、第1ストッパ41には圧縮力が作用することになる。このため、第1突出部41bが第1案内軸14aよりも端子接続部19と反対側に配置されている場合(つまり、第1ストッパ41に引っ張り力が作用する場合)に比べて、第1ストッパ41の弾性変形(たわみ)を抑制することができ、第1バッテリ21が脱落しにくくなる。
(5)
このバッテリ装着機構8では、第2バッテリ22と当接可能な第2突出部42bが第2案内軸14bよりも端子接続部19側に配置されているため、第2バッテリ22を取り外す際に第2突出部42bにZ軸方向の力が作用しても、第2ストッパ42には圧縮力が作用することになる。このため、第2突出部42bが第2案内軸14bよりも端子接続部19と反対側に配置されている場合(つまり、第2ストッパ42に引っ張り力が作用する場合)に比べて、第2ストッパ42の弾性変形(たわみ)を抑制することができ、第2バッテリ22が脱落しにくくなる。
【0030】
(6)
このバッテリ装着機構8では、第1ストッパ41が第1スプリング51によりプレート本体11に押し付けられており、第2ストッパ42が第2スプリング52によりプレート本体11に押し付けられている。このため、第1ストッパ41および第2ストッパ42の位置決めを簡素な構成により行うことができる。
<他の実施形態>
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能である。また、前述の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0031】
(A)
本発明に係るバッテリ装着機構は、バッテリが装着されるような機器であれば、ビデオカメラ以外の機器にも適用可能である。また、装着可能なバッテリの形状も2種類に限られず、第1ストッパ41や第2ストッパ42のような部材を増やすことで、装着可能なバッテリの種類を増やすことができる。
(B)
端子接続部19および端子部21aが、ビデオカメラ100およびバッテリの電気的な接続端子の機能と、X軸方向のバッテリの位置決め機能と、を有しているが、X軸方向のバッテリの位置決めが他の部材(例えば、第3の係止部および第3の被係止部)により行われてもよい。
【0032】
(C)
係止部13によりベースプレート1に対する第1バッテリ21および第2バッテリ22のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制されているが、第1ストッパ41および第2ストッパ42によりベースプレート1に対する第1バッテリ21および第2バッテリ22のY軸方向あるいはZ軸方向の移動が規制されていてもよい。
(D)
バッテリ装着機構8は蓋を有していないが、バッテリを保護するために蓋が設けられていてもよい。
(E)
バッテリ装着機構8は、機器に対してどのような位置あるいは向きに設けられていてもよい。例えば、バッテリ装着機構8がビデオカメラ100の側面に設けられていてもよいし、バッテリの取り外し方向がX軸方向負側ではなくY軸方向やZ軸方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上に説明したバッテリ装着機構は、機器の筐体の外側に直接バッテリを装着する構造をとる業務用ビデオカメラ等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ビデオカメラの概略斜視図(バッテリなし)
【図2】(A)ビデオカメラの概略斜視図(第1バッテリあり)、(B)ビデオカメラの概略斜視図(第2バッテリあり)
【図3】(A)第1バッテリの概略斜視図、(B)第2バッテリの概略斜視図
【図4】バッテリ装着機構の分解斜視図
【図5】バッテリ装着機構の分解斜視図
【図6】(A)および(B)バッテリ装着機構の断面図(図6(A)は第1バッテリ装着時)
【図7】(A)および(B)バッテリ装着機構の断面図(取り外し時)
【図8】バッテリ装着機構の断面図(第2バッテリ装着時)
【図9】(A)および(B)ベースプレートの斜視図
【図10】(A)および(B)の第1ストッパの斜視図
【図11】(A)および(B)の第2ストッパの斜視図
【図12】(A)および(B)解除ボタンの斜視図
【図13】バッテリ装着機構の断面図
【技術分野】
【0001】
技術分野は、異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するためのバッテリ装着機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラなどの撮像装置では専用のバッテリが使用される。例えば、ビデオカメラに通常使用される充電式のバッテリは、容量によって大きさが異なるため、実用上、異なる大きさのバッテリを装着できる機構が求められている。また、バッテリの交換を容易に行えるように、業務用ビデオカメラのバッテリ装着機構としては、ビデオカメラの筐体の外側に直接バッテリを装着する構造が採用されている。
この種のバッテリ装着機構としては、例えば特許文献1に記載の機構が提案されている。このバッテリ装着機構は、箱状の本体と、第1支持部材と、第2支持部材と、係止部材と、解除部材と、を備えている。
本体は上部に開閉自在な蓋体を有している。第1支持部材は大きさが異なる2種類の第1バッテリおよび第2バッテリの底を個別に支持する。第2支持部材は、第1バッテリの上面を規制し、第2バッテリの両側面を規制する。係止部材は、本体の内側に設けられており、第1および第2バッテリの上側への動きを規制する。解除部材は、この係止部材による第1および第2バッテリの動きの規制を解除する。
【特許文献1】実開平4−16869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来の構成では、第1バッテリを取り外す際には、支持部材および係止部材による規制をともに解除する必要がある。また、第2バッテリを取り外す際には、支持部材および係止部材による規制をともに解除する必要がある。つまり、このバッテリ装着機構では、大きさが異なるバッテリを装着できるが、バッテリの取り外しに手間がかかる。
本発明の課題は、大きさが異なるバッテリを装着でき、かつ、バッテリの取り外しが容易である、バッテリ装着機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るバッテリ装着機構は、異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するための機構であって、第1当接部と、第1支持部材と、第2支持部材と、解除部材と、を備えている。第1当接部は、装置本体に固定されており、バッテリと第1方向に当接可能である。第1支持部材は、第1当接部とともに装置本体に対するバッテリの第1方向への移動を規制するための部材であって、第1当接部に対して第1方向に直交する第2方向に移動可能に配置されている。第2支持部材は、第1当接部とともに装置本体に対するバッテリの第1方向への移動を規制するための部材であって、第1当接部に対して第2方向に移動可能に配置されている。解除部材は、第1支持部材によるバッテリの規制または第2支持部材によるバッテリの規制を解除するための部材であって、第1支持部材および第2支持部材を第1当接部に対して第2方向に駆動可能である。
【0005】
第1バッテリがバッテリ装着機構を介して装置本体に装着されている場合、第1当接部と第1支持部材とにより装置本体に対する第1バッテリの第1方向への移動が規制される。解除部材を操作することにより、第1支持部材が装置本体に対して第2方向に駆動されるため、第1バッテリの第1支持部材による規制が解除され、バッテリを装置本体から取り外すことができる。
また、第1バッテリとは大きさが異なる第2バッテリがバッテリ装着機構を介して装置本体に装着されている場合は、第1当接部と第2支持部材とにより装置本体に対する第2バッテリの第1方向への移動が規制される。解除部材を操作することにより、第2支持部材が装置本体に対して第2方向に駆動されるため、第2バッテリの第2支持部材による規制が解除され、第2バッテリを装置本体から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0006】
このように、このバッテリ装着機構では、大きさが異なるバッテリを装着することができ、かつ、バッテリの取り外しを解除部材により容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<バッテリ装着機構の概要>
バッテリ装着機構8は、大きさが異なる2つのバッテリを、ビデオカメラなどの装置に装着できるようにするための機構である。ここでは、バッテリ装着機構8が搭載される装置として業務用のビデオカメラ100(装置本体の一例)を例に、バッテリ装着機構8の概要について説明する。
図1、図2(A)および(B)にビデオカメラ100の斜視図を示す。図1はビデオカメラ100にバッテリが装着されていない状態を示している。図2(A)は、第1バッテリ21がビデオカメラ100に装着されている状態を示しており、図2(B)は、第1バッテリ21よりも大きい第2バッテリ22がビデオカメラ100に装着されている状態を示している。
【0008】
なお、図1〜図2(B)に示すように、本実施の形態では、ビデオカメラ100に対して直交座標系を設定する。図中のX軸方向(第1方向の一例)がビデオカメラ100の使用状態における前後方向、Y軸方向が左右方向、Z軸方向(第2方向の一例)が上下方向となる。X軸方向正側が前側、Y軸方向正側がビデオカメラ100を後方から見た場合のビデオカメラ100の右側、Z軸方向正側が上側である。
図1〜図2(B)に示すように、ビデオカメラ100の後部にはバッテリ装着機構8が搭載されている。具体的には、ビデオカメラ100の後部には、バッテリが収容される凹部9が設けられており、凹部9の底部にバッテリ装着機構8が配置されている。バッテリが後方に取り出せるように、凹部9は後方(X軸方向負側)に向かって開いている。
図2(A)および(B)に示すように、バッテリ装着機構8により、2種類の形状のバッテリをビデオカメラ100に装着することができる。具体的には、図3(A)に示す第1バッテリ21と、図3(B)に示す第2バッテリ22と、がバッテリ装着機構8に装着可能である。図3(A)および(B)に示すように、第1バッテリ21および第2バッテリ22は異なる種類のバッテリであり、第2バッテリ22は第1バッテリ21よりも大きく、より詳細には、ビデオカメラ100に装着した場合に、第2バッテリ22が第1バッテリ21よりもX軸方向およびZ軸方向に長い。
【0009】
<バッテリの構成>
ここで、第1バッテリ21および第2バッテリ22の構成について説明する。
第1バッテリ21および第2バッテリ22は、例えば充電式のバッテリである。第1バッテリ21または第2バッテリ22がベースプレート1の端子接続部19(後述)と電気的に接触することで、第1バッテリ21または第2バッテリ22からビデオカメラ100の各部に電力が供給される。
図3(A)に示すように、第1バッテリ21は、端子部21aと、第1被係止部21bと、1対の第2被係止部21cと、底面21dと、を有している。端子部21aは端子接続部19と電気的に接触するための接点を有している。第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、端子部21aは端子接続部19とX軸方向に当接する。端子部21aが端子接続部19に当接することで、第1バッテリ21がビデオカメラ100に対してX軸方向に位置決めされる。
【0010】
第1被係止部21bは、バッテリ装着機構8の第1ストッパ41(後述)とX軸方向に当接する部分である。第2被係止部21cは、ベースプレート1の1対の係止部13(後述)により係止される部分であり、第1バッテリ21の底面21dの左右両端に1つずつ設けられている。底面21dは、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着された際にベースプレート1のプレート本体11(後述)と当接する。
図3(B)に示すように、第2バッテリ22は、端子部22aと、第1被係止部22bと、1対の第2被係止部22cと、底面22dと、を有している。端子部22aは端子接続部19と電気的に接触するための接点を有している。第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、端子部22aは端子接続部19とX軸方向に当接する。端子部22aが端子接続部19に当接することで、第2バッテリ22がビデオカメラ100に対してX軸方向に位置決めされる。
【0011】
第1被係止部22bは、バッテリ装着機構8の第2ストッパ42(後述)とX軸方向に当接する部分である。第2被係止部22cは、ベースプレート1の1対の係止部13により係止される部分であり、第2バッテリ22の底面22dの左右両端に1つずつ設けられている。底面22dは、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着された際にベースプレート1のプレート本体11(後述)と当接する。
<バッテリ装着機構の構成>
上記の2種類の第1バッテリ21および第2バッテリ22をビデオカメラ100に装着できるようにするために、バッテリ装着機構8は以下のような構成を有している。図4〜図12(B)を用いてバッテリ装着機構8について説明する。
図4および図5はバッテリ装着機構8の分解斜視図である。図4および図5は、バッテリ装着機構8の各部を異なる視点から見たときの図である。図6(A)〜図8はバッテリ装着機構8の断面図である。図6(A)は第1バッテリ21が装着されている状態を示している。図6(A)および(B)は異なる位置での断面図である。図7(A)および(B)は解除ボタン3が押されている状態を示している。図7(A)および(B)は異なる位置での断面図である。図8は第2バッテリ22が装着されている状態を示している。図9(A)および(B)はベースプレート1の斜視図である。図10(A)および(B)は第1ストッパ41の斜視図である。図11(A)および(B)は第2ストッパ42の斜視図である。図12(A)および(B)は解除ボタン3の斜視図である。図13はバッテリ装着機構8の断面図である。
【0012】
図4および図5に示すように、バッテリ装着機構8は、ベースプレート1と、第1ストッパ41(第1支持部材の一例)と、第2ストッパ42(第2支持部材の一例)と、第1スプリング51(第1押圧部材の一例)と、第2スプリング52(第2押圧部材の一例)と、解除ボタン3(解除部材の一例)と、支持プレート6と、を備えている。
(1)ベースプレート
ベースプレート1は、ビデオカメラ100の筐体の一部を構成しており、第1バッテリ21および第2バッテリ22を載せる部分である。ベースプレート1はX軸方向に平行に配置されている。ベースプレート1の下側(Z軸方向負側)は、ビデオカメラ100の筐体内部を意味している。
図4〜図9(B)に示すように、ベースプレート1は、プレート本体11(第2当接部の一例)と、端子接続部19(第1当接部の一例)と、1対の係止部13と、第1案内軸14a(第1案内部材の一例)と、第2案内軸14b(第2案内部材の一例)と、案内プレート15と、を有している。なお、図6(A)および(B)では、端子接続部19は省略されている。
【0013】
プレート本体11は、第1バッテリ21および第2バッテリ22をZ軸方向に支持する部分であり、第1開口11aおよび第2開口11bを有している。第1開口11aには第1ストッパ41の第1突出部41b(後述)が挿入され、第2開口11bには第2ストッパ42の第2突出部42b(後述)が挿入される。
端子接続部19は、第1バッテリ21の端子部21aまたは第2バッテリ22の端子部22aと電気的に接触する部分であり、プレート本体11の前側(X軸方向正側)の端部に固定されている。端子接続部19は第1バッテリ21または第2バッテリ22のビデオカメラ100に対するX軸方向正側への移動を規制する。つまり、第1バッテリ21または第2バッテリ22は、端子接続部19によりX軸方向に位置決めされている。
係止部13はプレート本体11の左右両端に1つずつ設けられている。第1バッテリ21を装着した際に、係止部13には第1バッテリ21の第2被係止部21cが嵌め込まれる。係止部13により、第1バッテリ21のベースプレート1に対するY軸方向およびZ軸方向への移動が規制され、第1バッテリ21がベースプレート1に対してY軸方向およびZ軸方向に位置決めされる。
【0014】
また、第2バッテリ22を装着した際に、係止部13には第2バッテリ22の第2被係止部22cが嵌め込まれる。係止部13により、第2バッテリ22のベースプレート1に対するY軸方向およびZ軸方向への移動が規制され、第2バッテリ22がベースプレート1に対してY軸方向およびZ軸方向に位置決めされる。
第1案内軸14aは、第1ストッパ41をZ軸方向に案内する部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。第2案内軸14bは、第2ストッパ42をZ軸方向に案内する部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。第1案内軸14aおよび第2案内軸14bはX軸方向に並んで配置されている。
案内プレート15は、解除ボタン3をX軸方向に案内する概ね板状の部分であり、プレート本体11からバッテリと反対側(筐体内部側)に突出している。
【0015】
(2)第1ストッパおよび第1スプリング
図4〜図8、図10(A)および(B)に示すように、第1ストッパ41は、第1バッテリ21のベースプレート1に対する移動を規制するための部品であり、端子接続部19とX軸方向に間隔をあけて配置されている。第1ストッパ41は第2ストッパ42(後述)と端子接続部19との間に配置されている。
第1ストッパ41は、第1本体部41aと、第1突出部41bと、1対の側方部41cと、を有している。第1本体部41aは第1案内軸14aが挿入される第1孔41dを有している。第1案内軸14aが第1孔41dに挿入されているため、第1ストッパ41はプレート本体11に対してZ軸方向にスライド可能である。第1突出部41bは、第1バッテリ21の第1被係止部21bと当接する部分であり、第1本体部41aから突出している。第1突出部41bは第1開口11aに挿入されている。
【0016】
第1突出部41bが第1開口11aに挿入されている状態で、第1突出部41b(より詳細には、第1突出部41bと第1バッテリ21との接触点)は、第1案内軸14aよりも端子接続部19側に配置されている。
側方部41cは解除ボタン3の第1案内部32(後述)に案内される部分である。
図4〜図8に示すように、第1スプリング51は、第1ストッパ41をZ軸方向に付勢する部材であって、第1ストッパ41(より詳細には、第1本体部41a)をベースプレート1側(Z軸方向正側)に押圧している。第1スプリング51は、第1案内軸14aに挿入されており、予め圧縮された状態で第1ストッパ41と支持プレート6との間に配置されている。
第1ストッパ41がZ軸方向正側(上側)に最も移動したときには、第1突出部41bは第1開口11aから筐体外部に突出した状態となる。第1ストッパ41がZ軸方向負側(下側)に最も移動したときには、第1ストッパ41が完全に筐体内部に収まる状態となり、第1開口11aから第1突出部41bは突出しない。第1ストッパ41は第1スプリング51によりベースプレート1側(Z軸方向正側)に押し付けられているため、通常は第1開口11aから第1突出部41bが筐体外部に突出している。
【0017】
(3)第2ストッパおよび第2スプリング
図4〜図8、図11(A)および(B)に示すように、第2ストッパ42は、第2バッテリ22のベースプレート1に対する移動を規制するための部分であり、第1ストッパ41に対して端子接続部19と反対側に配置されている。第2ストッパ42は、第2本体部42aと、第2突出部42bと、1対の軸部42cと、を有している。第2本体部42aは第2案内軸14bが挿入される第2孔42dを有している。第2案内軸14bが第2孔42dに挿入されているため、第2ストッパ42はプレート本体11に対してZ軸方向に移動可能である。第2突出部42bは、第2バッテリ22の第1被係止部22bと当接する部分であり、第2本体部42aから突出している。第2突出部42bは第2開口11bに挿入されている。
【0018】
第2突出部42bが第2開口11bに挿入されている状態で、第2突出部42b(より詳細には、第2突出部42bと第1バッテリ21との接触点)は、第2案内軸14bよりも端子接続部19側に配置されている。
軸部42cは解除ボタン3の第1案内部32に案内される部分である。
図4〜図8に示すように、第2スプリング52は、第2ストッパ42をZ軸方向に付勢する部材であって、第2ストッパ42(より詳細には、第2本体部42a)をベースプレート1側(Z軸方向正側)に押圧している。第2スプリング52は、第2案内軸14bに挿入されており、予め圧縮された状態で第2ストッパ42と支持プレート6との間に配置されている。
第2ストッパ42がZ軸方向正側(上側)に最も移動したときには、第2突出部42bは第2開口11bから筐体外部に突出した状態となる。第2ストッパ42がZ軸方向負側(下側)に最も移動したときには、第2ストッパ42が完全に筐体内部に収まる状態となり、第2開口11bから第2突出部42bは突出しない。第2ストッパ42は第1スプリング51によりベースプレート1側(Z軸方向正側)に押し付けられているため、通常は第2開口11bから第2突出部42bが筐体外部に突出している。
【0019】
第1ストッパ41および第2ストッパ42は、それぞれ独立してベースプレート1に対してZ軸方向に移動可能である。
(3)解除ボタン
解除ボタン3は、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制または第2ストッパ42による第2バッテリ22の規制を解除するための部材であり、第1バッテリ21または第2バッテリ22を取り外す際にユーザーにより操作される。具体的には、解除ボタン3は、操作部31と、第1案内部32と、第2案内部33と、を有している。
操作部31は、第1ストッパ41と第1バッテリ21との係止あるいは第2ストッパ42と第2バッテリ22との係止を解除する際に、ユーザーがX軸方向にスライド操作する。第1案内部32はスライド操作時に第1ストッパ41および第2ストッパ42に力を伝達する。具体的には、第1案内部32は、1対の第1傾斜部32c(第1変換部の一例)と、1対の第2傾斜部32a(第2変換部の一例)と、連結部32bと、1対の水平部32dと、を有している。
【0020】
第1傾斜部32cは、第1ストッパ41をZ軸方向に案内する部分であり、第1ストッパ41の側方部41cと摺動可能に設けられている。第1傾斜部32cはZ軸方向に対して傾斜している。第1傾斜部32cにより、解除ボタン3のX軸方向の移動が第1ストッパ41のZ軸方向の移動に変換される。
第2傾斜部32aは、第2ストッパ42をZ軸方向に案内する部分であり、第2ストッパ42の軸部42cと摺動可能に設けられている。第2傾斜部32aはZ軸方向に対して傾斜している。第2傾斜部32aのZ軸方向に対する傾斜角度は、第1傾斜部32cのZ軸方向に対する傾斜角度と概ね同じである。第2傾斜部32aはZ軸方向に対して傾斜している。第2傾斜部32aにより、解除ボタン3のX軸方向の移動が第2ストッパ42のZ軸方向の移動に変換される。
【0021】
連結部32bは、1対の第1傾斜部32cと1対の第2傾斜部32aとを連結する部分である。水平部32dは、第1傾斜部32cの端部からX軸方向に延びている。
解除ボタン3をX軸方向正側にスライドさせると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に駆動され、第2ストッパ42がZ軸方向負側に移動する。
一方、第1ストッパ41の側方部41cが第1傾斜部32cおよび水平部32dのZ軸方向負側に配置されているため、第1突出部41bがZ軸方向負側に押されても、この力が第2ストッパ42および解除ボタン3に伝達されない。したがって、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着されている状態では、第2バッテリ22により第1突出部41bがZ軸方向負側に押されても、第2ストッパ42による第2バッテリ22の規制は解除されない。
【0022】
また、第2ストッパ42の軸部42cが第2傾斜部32aのZ軸方向負側に配置されているため、第2突出部42bがZ軸方向負側に押されても、この力が第1ストッパ41および解除ボタン3に伝達されない。したがって、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着されている状態で第2突出部42bがZ軸方向負側に押されても、第1ストッパ41による第1バッテリ21の規制は解除されない(図13参照)。
(5)支持プレート
図4および図5に示すように、支持プレート6は、ベースプレート1の下側(Z軸方向負側)に配置されており、2本のビス7によりベースプレート1に固定されている。ベースプレート1および支持プレート6の間には、第1ストッパ41、第2ストッパ42、解除ボタン3、第1スプリング51および第2スプリング52が配置されている。
【0023】
<バッテリ装着機構の動作>
図4〜図12(B)を用いてバッテリ装着機構8の動作について説明する。
第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着される場合、第1バッテリ21の端子部21aが端子接続部19に接続されるように、第1バッテリ21が凹部9(図1〜図2(B)参照)内に挿入され、1対の係止部13に1対の第2被係止部21cが嵌め込まれる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51によりZ軸方向正側に付勢されているため、底面21dが第1突出部41bに接触しても、第1スプリング51が縮まって第1突出部41bがZ軸方向負側に移動し、係止部13が第2被係止部21cに嵌め込まれるのが阻害されない。
第1バッテリ21をX軸方向正側に移動させ、端子部21aが端子接続部19とX軸方向に当接すると、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のX軸方向の位置が決まる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51によりZ軸方向正側に付勢されているため、ベースプレート1に対して第1ストッパ41がZ軸方向正側に移動し、第1バッテリ21の第1被係止部21bに第1突出部41bが嵌り込む(図6(A)参照)。
【0024】
これにより、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のX軸方向の移動は、端子接続部19および第1ストッパ41により規制される。つまり、第1バッテリ21は、端子接続部19および第1ストッパ41により挟持され、X軸方向にロックされる。また、係止部13および第2被係止部21cにより、ベースプレート1に対する第1バッテリ21のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制される。
このようにして、第1バッテリ21がバッテリ装着機構8に装着される。
図12(A)および(B)に示すように、解除ボタン3の操作部31をX軸方向正側にスライド操作すると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に押し下げられ、第2傾斜部32aにより第2ストッパ42がZ軸方向負側に押し下げられる。
第1ストッパ41がベースプレート1に対してZ軸方向負側に押し下げられると、第1突出部41bおよび第2突出部42bが筐体内部に入り込み、第1突出部41bが第1被係止部21bと当接しなくなる。これにより、第1バッテリ21のX軸方向の係止が解除され、第1バッテリ21がX軸方向負側に取り出せるようになる。
【0025】
また、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着される場合、第2バッテリ22の端子部22aが端子接続部19に接続されるように、第2バッテリ22が凹部9(図1〜図2(B)参照)内に挿入され、1対の係止部13に1対の第2被係止部22cが嵌め込まれる。このとき、第1ストッパ41が第1スプリング51により、第2ストッパ42が第2スプリング52により、それぞれZ軸方向正側に付勢されているため、底面22dが第1突出部41bおよび第2突出部42bに接触しても、第2スプリング52が縮まって第2突出部42bがZ軸方向負側に移動し、係止部13が第2被係止部22cに嵌め込まれるのが阻害されない。
第2バッテリ22をX軸方向正側に移動させ、端子部22aが端子接続部19とX軸方向に当接すると、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のX軸方向の位置が決まる。このとき、第1ストッパ41は第2バッテリ22により下側に押し下げられた状態で静止するが、第2ストッパ42が第2スプリング52によりZ軸方向正側に付勢されているため、ベースプレート1に対して第2ストッパ42がZ軸方向正側に移動し、第2バッテリ22の第1被係止部22bに第2突出部42bが嵌り込む(図8参照)。
【0026】
これにより、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のX軸方向の移動は、端子接続部19および第2ストッパ42により規制される。つまり、第2バッテリ22は、端子接続部19および第2ストッパ42により挟持され、X軸方向にロックされる。また、係止部13および第2被係止部22cにより、ベースプレート1に対する第2バッテリ22のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制される。
このようにして、第2バッテリ22がバッテリ装着機構8に装着される。
図12(A)および(B)に示すように、解除ボタン3の操作部31をX軸方向正側にスライド操作すると、第1傾斜部32cにより第1ストッパ41がZ軸方向負側に押し下げられ、第2傾斜部32aにより第2ストッパ42がZ軸方向負側に押し下げられる。
第2ストッパ42がベースプレート1に対してZ軸方向負側に押し下げられると、第1突出部41bおよび第2突出部42bが筐体内部に入り込み、第2突出部42bが第1被係止部22bと当接しなくなる。これにより、第2バッテリ22のX軸方向の係止が解除され、第2バッテリ22がX軸方向負側に取り出せるようになる。
【0027】
<バッテリ装着機構の特徴>
以上に説明したバッテリ装着機構8の特徴を以下にまとめる。
(1)
このバッテリ装着機構8では、第1バッテリ21がビデオカメラ100に装着されている場合、端子接続部19と第1ストッパ41とによりビデオカメラ100(より詳細には、ベースプレート1)に対する第1バッテリ21のX軸方向への移動が規制される。解除ボタン3を操作することにより、第1ストッパ41がビデオカメラ100に対してZ軸方向に駆動されるため、第1バッテリ21の第1ストッパ41による規制が解除され、第1バッテリ21をビデオカメラ100から取り外すことができる。
また、第2バッテリ22がビデオカメラ100に装着されている場合は、端子接続部19と第2ストッパ42とによりビデオカメラ100(より詳細には、ベースプレート1)に対する第2バッテリ22のX軸方向への移動が規制される。解除ボタン3を操作することにより、第2ストッパ42がビデオカメラ100に対してZ軸方向に駆動されるため、第2バッテリ22の第2ストッパ42による規制が解除され、第2バッテリ22をビデオカメラ100から取り外すことができる。
【0028】
このように、このバッテリ装着機構8では、大きさが異なる第1バッテリ21および第2バッテリ22を装着することができ、かつ、第1バッテリ21および第2バッテリ22の取り外しを解除ボタン3により容易に行うことができる。
(2)
このバッテリ装着機構8では、解除ボタン3がベースプレート1(例えば、端子接続部19)に対してX軸方向に移動可能に配置されているため、解除ボタン3を操作する方向が水平方向となり、解除ボタン3の操作がしやすい。
(3)
このバッテリ装着機構8では、解除ボタン3が、ユーザーが操作するための操作部31と、端子接続部19に対する操作部のX軸方向への移動を第1ストッパ41のZ軸方向への移動に変換する第1傾斜部32cと、端子接続部19に対する操作部のX軸方向への移動を第2ストッパ42のZ軸方向への移動に変換する第2傾斜部32aと、を有している。このため、簡素な構成により第1ストッパ41および第2ストッパ42の駆動を行うことができる。
【0029】
(4)
このバッテリ装着機構8では、第1バッテリ21と当接可能な第1突出部41bが第1案内軸14aよりも端子接続部19側に配置されているため、第1バッテリ21を取り外す際に第1突出部41bにZ軸方向の力が作用しても、第1ストッパ41には圧縮力が作用することになる。このため、第1突出部41bが第1案内軸14aよりも端子接続部19と反対側に配置されている場合(つまり、第1ストッパ41に引っ張り力が作用する場合)に比べて、第1ストッパ41の弾性変形(たわみ)を抑制することができ、第1バッテリ21が脱落しにくくなる。
(5)
このバッテリ装着機構8では、第2バッテリ22と当接可能な第2突出部42bが第2案内軸14bよりも端子接続部19側に配置されているため、第2バッテリ22を取り外す際に第2突出部42bにZ軸方向の力が作用しても、第2ストッパ42には圧縮力が作用することになる。このため、第2突出部42bが第2案内軸14bよりも端子接続部19と反対側に配置されている場合(つまり、第2ストッパ42に引っ張り力が作用する場合)に比べて、第2ストッパ42の弾性変形(たわみ)を抑制することができ、第2バッテリ22が脱落しにくくなる。
【0030】
(6)
このバッテリ装着機構8では、第1ストッパ41が第1スプリング51によりプレート本体11に押し付けられており、第2ストッパ42が第2スプリング52によりプレート本体11に押し付けられている。このため、第1ストッパ41および第2ストッパ42の位置決めを簡素な構成により行うことができる。
<他の実施形態>
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能である。また、前述の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0031】
(A)
本発明に係るバッテリ装着機構は、バッテリが装着されるような機器であれば、ビデオカメラ以外の機器にも適用可能である。また、装着可能なバッテリの形状も2種類に限られず、第1ストッパ41や第2ストッパ42のような部材を増やすことで、装着可能なバッテリの種類を増やすことができる。
(B)
端子接続部19および端子部21aが、ビデオカメラ100およびバッテリの電気的な接続端子の機能と、X軸方向のバッテリの位置決め機能と、を有しているが、X軸方向のバッテリの位置決めが他の部材(例えば、第3の係止部および第3の被係止部)により行われてもよい。
【0032】
(C)
係止部13によりベースプレート1に対する第1バッテリ21および第2バッテリ22のY軸方向およびZ軸方向の移動が規制されているが、第1ストッパ41および第2ストッパ42によりベースプレート1に対する第1バッテリ21および第2バッテリ22のY軸方向あるいはZ軸方向の移動が規制されていてもよい。
(D)
バッテリ装着機構8は蓋を有していないが、バッテリを保護するために蓋が設けられていてもよい。
(E)
バッテリ装着機構8は、機器に対してどのような位置あるいは向きに設けられていてもよい。例えば、バッテリ装着機構8がビデオカメラ100の側面に設けられていてもよいし、バッテリの取り外し方向がX軸方向負側ではなくY軸方向やZ軸方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上に説明したバッテリ装着機構は、機器の筐体の外側に直接バッテリを装着する構造をとる業務用ビデオカメラ等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ビデオカメラの概略斜視図(バッテリなし)
【図2】(A)ビデオカメラの概略斜視図(第1バッテリあり)、(B)ビデオカメラの概略斜視図(第2バッテリあり)
【図3】(A)第1バッテリの概略斜視図、(B)第2バッテリの概略斜視図
【図4】バッテリ装着機構の分解斜視図
【図5】バッテリ装着機構の分解斜視図
【図6】(A)および(B)バッテリ装着機構の断面図(図6(A)は第1バッテリ装着時)
【図7】(A)および(B)バッテリ装着機構の断面図(取り外し時)
【図8】バッテリ装着機構の断面図(第2バッテリ装着時)
【図9】(A)および(B)ベースプレートの斜視図
【図10】(A)および(B)の第1ストッパの斜視図
【図11】(A)および(B)の第2ストッパの斜視図
【図12】(A)および(B)解除ボタンの斜視図
【図13】バッテリ装着機構の断面図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するためのバッテリ装着機構であって、
前記装置本体に固定され前記バッテリと第1方向に当接可能な第1当接部と、
前記第1当接部とともに前記装置本体に対する前記バッテリの前記第1方向への移動を規制するための部材であって、前記第1当接部に対して前記第1方向に直交する第2方向に移動可能に配置された第1支持部材と、
前記第1当接部とともに前記装置本体に対する前記バッテリの前記第1方向への移動を規制するための部材であって、前記第1当接部に対して前記第2方向に移動可能に配置された第2支持部材と、
前記第1支持部材による前記バッテリの規制または前記第2支持部材による前記バッテリの規制を解除するための部材であって、前記第1支持部材および前記第2支持部材を前記第1当接部に対して前記第2方向に駆動可能な解除部材と、
を備えたバッテリ装着機構。
【請求項2】
前記第1支持部材は、前記第2支持部材と前記第1当接部との間に配置されている、
請求項1に記載のバッテリ装着機構。
【請求項3】
前記解除部材は、前記第1当接部に対して前記第1方向に移動可能に配置されている、
請求項1または2に記載のバッテリ装着機構。
【請求項4】
前記解除部材は、ユーザーが操作するための操作部と、前記第1当接部に対する前記操作部の前記第1方向への移動を前記第1支持部材の前記第2方向への移動に変換する第1変換部と、前記第1当接部に対する前記操作部の前記第1方向への移動を前記第2支持部材の前記第2方向への移動に変換する第2変換部と、を有している、
請求項1から3のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項5】
前記第1当接部に対して前記第1支持部材を前記第2方向に移動可能に支持する第1案内部材と、をさらに備え、
前記第1支持部材は、前記第1案内部材により前記第2方向に移動可能に支持される第1本体部と、前記第1案内部材よりも前記第1当接部側に配置され前記バッテリと当接可能な第1規制部と、を有している、
請求項1から4のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項6】
前記第1当接部に対して前記第2支持部材を前記第2方向に移動可能に支持する第2案内部材と、をさらに備え、
前記第2支持部材は、前記第2案内部材により前記第2方向に移動可能に支持される第2本体部と、前記第2案内部材よりも前記第1当接部側に配置され前記バッテリと当接可能な第2規制部と、を有している、
請求項1から5のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項7】
前記バッテリと前記第2方向に当接可能な第2当接部と、
前記第1支持部材を前記第2方向に付勢する部材であって、前記第1支持部材を前記第2当接部に押し付ける第1押圧部材と、
前記第2支持部材を前記第2方向に付勢する部材であって、前記第2支持部材を前記第2当接部に押し付ける第2押圧部材と、をさらに備えた、
請求項1から6のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項1】
異なる大きさのバッテリを装置本体に装着するためのバッテリ装着機構であって、
前記装置本体に固定され前記バッテリと第1方向に当接可能な第1当接部と、
前記第1当接部とともに前記装置本体に対する前記バッテリの前記第1方向への移動を規制するための部材であって、前記第1当接部に対して前記第1方向に直交する第2方向に移動可能に配置された第1支持部材と、
前記第1当接部とともに前記装置本体に対する前記バッテリの前記第1方向への移動を規制するための部材であって、前記第1当接部に対して前記第2方向に移動可能に配置された第2支持部材と、
前記第1支持部材による前記バッテリの規制または前記第2支持部材による前記バッテリの規制を解除するための部材であって、前記第1支持部材および前記第2支持部材を前記第1当接部に対して前記第2方向に駆動可能な解除部材と、
を備えたバッテリ装着機構。
【請求項2】
前記第1支持部材は、前記第2支持部材と前記第1当接部との間に配置されている、
請求項1に記載のバッテリ装着機構。
【請求項3】
前記解除部材は、前記第1当接部に対して前記第1方向に移動可能に配置されている、
請求項1または2に記載のバッテリ装着機構。
【請求項4】
前記解除部材は、ユーザーが操作するための操作部と、前記第1当接部に対する前記操作部の前記第1方向への移動を前記第1支持部材の前記第2方向への移動に変換する第1変換部と、前記第1当接部に対する前記操作部の前記第1方向への移動を前記第2支持部材の前記第2方向への移動に変換する第2変換部と、を有している、
請求項1から3のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項5】
前記第1当接部に対して前記第1支持部材を前記第2方向に移動可能に支持する第1案内部材と、をさらに備え、
前記第1支持部材は、前記第1案内部材により前記第2方向に移動可能に支持される第1本体部と、前記第1案内部材よりも前記第1当接部側に配置され前記バッテリと当接可能な第1規制部と、を有している、
請求項1から4のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項6】
前記第1当接部に対して前記第2支持部材を前記第2方向に移動可能に支持する第2案内部材と、をさらに備え、
前記第2支持部材は、前記第2案内部材により前記第2方向に移動可能に支持される第2本体部と、前記第2案内部材よりも前記第1当接部側に配置され前記バッテリと当接可能な第2規制部と、を有している、
請求項1から5のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【請求項7】
前記バッテリと前記第2方向に当接可能な第2当接部と、
前記第1支持部材を前記第2方向に付勢する部材であって、前記第1支持部材を前記第2当接部に押し付ける第1押圧部材と、
前記第2支持部材を前記第2方向に付勢する部材であって、前記第2支持部材を前記第2当接部に押し付ける第2押圧部材と、をさらに備えた、
請求項1から6のいずれかに記載のバッテリ装着機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−272292(P2009−272292A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54661(P2009−54661)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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